JP2013191629A - 光電変換素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐久性に優れた光電変換素子を提供する。
【解決手段】少なくとも一方が透明な一対の電極と、前記電極間に形成された活性層とを有し、前記活性層は、有機顔料と、インジウム、スズ及びガリウムからなる群より選択される少なくとも1種類の元素を含む酸化亜鉛化合物粒子とを含有する光電変換素子。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐久性に優れた光電変換素子に関する。
従来から、N型半導体層とP型半導体層とを積層し、この積層体の両側に電極を設けた光電変換素子が開発されている。また、このような積層体の代わりに、N型半導体とP型半導体とを混合して複合化した複合膜を用いることも検討されている。このような光電変換素子では、光励起によりP型半導体で光キャリア(電子−ホール対)が生成し、電子がN型半導体を、ホールがP型半導体を移動することで、電界が生じる。
光電変換素子として、例えば、N型半導体及びP型半導体として有機半導体を用いて製造される太陽電池(有機薄膜太陽電池)が挙げられる。有機薄膜太陽電池においては、N型半導体としてフラーレン誘導体が広く用いられている。
特許文献1には、特定の置換ポリ(p−フェニレンビニレン)とフラーレンとを含む光導電性組成物、及び、このような光導電性組成物を塗布により成膜して得られた素子が記載されている。
特許文献2には、少なくとも一方が透明な一対の電極と、前記電極間に形成された活性層とを備えた有機光電変換素子の製造方法であって、該活性層を、潜在顔料と、固体状態で半導体特性を示す材料とを混合して、塗布法により成膜した後で該潜在顔料を顔料に変換する方法が記載されており、潜在顔料としてベンゾポルフィリン化合物の可溶性前駆体等が、固体半導体材料としてフラーレン等が記載されている。
しかしながら、フラーレン誘導体は耐久性に課題があるため(例えば、非特許文献1参照)、N型半導体としてフラーレン誘導体を用いて製造される有機薄膜太陽電池は、耐久性が不充分であり、使用範囲が限定される。
特開平6−179802号公報 特開2008−16834号公報
Reese et al.,Adv.Funct.Mater.,20,3476−3483(2010)
本発明は、耐久性に優れた光電変換素子を提供することを目的とする。
本発明は、少なくとも一方が透明な一対の電極と、前記電極間に形成された活性層とを有し、前記活性層は、有機顔料と、インジウム、スズ及びガリウムからなる群より選択される少なくとも1種類の元素を含む酸化亜鉛化合物粒子とを含有する光電変換素子である。
以下、本発明を詳述する。
本発明者は、少なくとも一方が透明な一対の電極と、電極間に形成された活性層とを有する光電変換素子において、活性層に、P型半導体として有機顔料を用い、かつ、N型半導体として特定の組成を有する酸化亜鉛化合物粒子を用いることにより、活性層の耐久性が飛躍的に向上し、その結果得られる光電変換素子の大幅な耐久性向上につながることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の光電変換素子は、少なくとも一方が透明な一対の電極と、電極間に形成された活性層とを有する。
上記電極は、一対の電極(陽極及び陰極)のうちの少なくとも一方が透明であればよい。上記電極の材料は特に限定されず、従来公知の材料を用いることができるが、陽極材料として、例えば、金等の金属、CuI、ITO(インジウムスズ酸化物)、SnO、AZO、IZO、GZO等の導電性透明材料、導電性透明ポリマー等が挙げられる。また、陰極材料として、例えば、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム、マグネシウム、アルミニウム、マグネシウム−銀混合物、マグネシウム−インジウム混合物、アルミニウム−リチウム合金、Al/Al混合物、Al/LiF混合物等が挙げられる。これらの材料は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記活性層は、有機顔料と、インジウム、スズ及びガリウムからなる群より選択される少なくとも1種類の元素を含む酸化亜鉛化合物粒子(本明細書中、単に、酸化亜鉛化合物粒子ともいう)とを含有する。
このような活性層においては、光励起によりP型半導体である有機顔料において光キャリア(電子−ホール対)が生成し、電子がN型半導体である酸化亜鉛化合物粒子を、ホールがP型半導体である有機顔料を移動することで、電界が生じる。P型半導体が有機顔料であり、かつ、N型半導体が酸化亜鉛化合物粒子であることにより、上記活性層においては、紫外線による電子励起に起因する性能低下が抑制されることとなり、耐久性が高くなる。
上記活性層は、有機顔料と酸化亜鉛化合物粒子とを含有していればよく、有機顔料と酸化亜鉛化合物粒子とを混合して複合化した複合膜であってもよいし、有機顔料を含有する層と酸化亜鉛化合物粒子を含有する層との積層体であってもよい。
上記有機顔料として、例えば、フタロシアニン化合物及びその金属錯体、テトラベンゾポルフィリン化合物及びその金属錯体、ポリアセン化合物、オリゴチオフェン化合物等が挙げられる。これらの有機顔料は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ポリアセン化合物として、例えば、ペンタセン、ピレン、ペリレン、及び、これらの誘導体等が挙げられる。上記オリゴチオフェン化合物として、例えば、セキシチオフェン等が挙げられる。
特に、上記有機顔料は、有機潜在顔料を変換して得られたものであることが好ましい。
上記有機顔料が有機潜在顔料を変換して得られたものであることにより、上記活性層を形成する際、例えば溶媒に対する上記有機顔料の溶解性が低い場合であっても、有機潜在顔料を溶媒に溶解し、得られた溶液を塗布して活性層を形成した後、有機顔料に変換することができる。また、例えば上記有機顔料の成膜性が低い場合であっても、有機潜在顔料を用いて成膜し、活性層とした後、有機顔料に変換することができる。
本明細書中、有機潜在顔料とは、有機顔料の前駆体、即ち、例えば加熱、光照射等の刺激により化学構造が変化して、有機顔料に変換される化合物を意味する。
上記有機潜在顔料は、例えば加熱、光照射等の刺激により化学構造が変化して、有機顔料に変換される化合物であれば特に限定されない。例えば、上記有機顔料が下記式(1)で表されるテトラベンゾポルフィリン化合物である場合、上記有機潜在顔料は、下記式(2)で表される、ビシクロ環を有し、加熱によりテトラベンゾポルフィリン化合物に変換される化合物であることが好ましい。
Figure 2013191629
Figure 2013191629
上記酸化亜鉛化合物粒子は、インジウム、スズ及びガリウムからなる群より選択される少なくとも1種類の元素を含む。
上記インジウム、スズ及びガリウムからなる群より選択される少なくとも1種類の元素の含有量は、酸化亜鉛化合物粒子中の好ましい下限が1重量%、好ましい上限が75重量%である。上記含有量が1重量%未満であると、酸素、水分等に対する酸化亜鉛化合物の安定性が低下し、活性層の耐久性が著しく低下することがある。上記含有量が75重量%を超えると、酸化亜鉛化合物粒子のサイズが大きくなり、光電変換効率が低下することがある。上記インジウム、スズ及びガリウムからなる群より選択される少なくとも1種類の元素の含有量は、酸化亜鉛化合物粒子中のより好ましい下限が2重量%、より好ましい上限が20重量%である。
本明細書中、インジウム、スズ及びガリウムからなる群より選択される少なくとも1種類の元素の含有量は、例えば、EDS(エネルギー分散型元素分析装置)等を用いて分析することができる。
上記酸化亜鉛化合物粒子の形状は特に限定されず、例えば、ロッド状、球状等が挙げられる。上記酸化亜鉛化合物粒子は、平均粒子径が1〜50nmであり、かつ、平均粒子径/平均結晶子径が1〜3であることが好ましい。上記酸化亜鉛化合物粒子がこのような平均粒子径及び平均粒子径/平均結晶子径を有することにより、活性層において酸化亜鉛化合物粒子を電子が通過する際に、結晶粒界による移動の阻害が起こりにくく、電極への電子の捕集がスムーズに行われる。これにより、電子とホールの再結合が抑制されて、光電変換効率がより一層高まる。
上記平均粒子径が1nm未満であると、上記酸化亜鉛化合物粒子の粒子同士の粒界数が多くなり、電子移動の妨げが増すことがある。上記平均粒子径が50nmを超えると、有機顔料で生成した光キャリアが効率良く酸化亜鉛化合物粒子との接合界面にまで伝達されないことがある。上記酸化亜鉛化合物粒子の平均粒子径のより好ましい下限は2nm、更に好ましい下限は3nmであり、より好ましい上限は30nm、更に好ましい上限は25nm、特に好ましい上限は20nmである。
本明細書中、平均粒子径は、例えば、動的光散乱解析装置(PSS−NICOMP社製、380DLS)を用いて測定することができる。
上記平均粒子径/平均結晶子径が3を超えると、粒子内での結晶粒界が電子移動の妨げとなり、電子とホールが再結合しやすくなることがある。上記酸化亜鉛化合物粒子の平均粒子径/平均結晶子径のより好ましい上限は2.5である。
上記酸化亜鉛化合物粒子は、平均結晶子径の好ましい下限が1nmである。上記平均結晶子径が1nm未満であると、粒子内での結晶粒界が電子移動の妨げとなり、電子とホールが再結合しやすくなる。
本明細書中、結晶子径とは、X線回折法におけるScherrerの方法によって算出される結晶子のサイズを意味する。また、平均結晶子径は、例えば、X線回折装置(リガク社製、RINT1000)を用いて測定することができる。
上記酸化亜鉛化合物粒子を製造する方法として、例えば、スズを含む酸化亜鉛化合物粒子を製造する場合には、有機溶剤に、亜鉛塩の添加と同時又は添加後にスズ塩を添加することにより、スズを含む酸化亜鉛化合物粒子の分散液を得る方法等を用いることができる。なお、上記方法を用いる場合は、湯浴の温度を変更することにより、平均粒子径/平均結晶子径の範囲を調整することができる。
また、上記酸化亜鉛化合物粒子を製造する方法として、噴霧火炎熱分解法、CVD法、PVD法、粉砕法等の乾式法や、還元法、マイクロエマルション法、水熱反応法、ゾルゲル法等の湿式法等が適用可能である。
上記酸化亜鉛化合物粒子の配合量は、上記有機顔料100重量部に対する好ましい下限が50重量部、好ましい上限が1000重量部である。上記酸化亜鉛化合物粒子の配合量が50重量部未満であると、活性層において電子が充分に伝達されないことがある。上記酸化亜鉛化合物粒子の配合量が1000重量部を超えると、活性層においてホールが充分に伝達されないことがある。上記酸化亜鉛化合物粒子の上記有機顔料100重量部に対する配合量のより好ましい下限は100重量部、より好ましい上限は500重量部である。
上記活性層は、更に、分散剤を含有してもよい。
本明細書中、分散剤とは、酸化亜鉛化合物粒子の表面へ吸着して、有機顔料と酸化亜鉛化合物粒子との接合界面における電子とホールの分離を阻害することなく分散性を確保する作用を有する化合物を意味する。
上記分散剤は、上記作用を有するためには、芳香環及び/又は複素環を有する骨格と、該骨格の非対称な位置に結合した極性基とを有する化合物であることが好ましい。このような化合物として、例えば、カルボキシル基含有インドリン化合物、カルボキシル基含有オリゴチオフェン、カルボキシル基含有クマリン化合物等が挙げられる。なかでも、カルボキシル基含有インドリン化合物、カルボキシル基含有オリゴチオフェンが好ましい。
上記分散剤の市販品として、例えば、D−149、D−131(いずれも三菱製紙社製)、NK−2684、NK−2553(いずれも林原生物化学研究所社製)、カルボキシ基含有メタノフターレン(アルドリッチ社製)、C60 Pyrrolidine tris−acid(アルドリッチ社製)等が挙げられる。
上記分散剤の配合量は特に限定されないが、上記酸化亜鉛化合物粒子100重量部に対する好ましい下限が1重量部、好ましい上限が30重量部である。上記分散剤の配合量が1重量部未満であると、上記分散剤を添加する効果が不充分となり、光電変換効率が低下することがある。上記分散剤の配合量が30重量部を超えると、過剰量の分散剤が電子又はホールの移動を阻害することがある。上記分散剤の上記酸化亜鉛化合物粒子100重量部に対する配合量のより好ましい下限は2重量部、より好ましい上限は20重量部である。
上記活性層の厚みは、好ましい下限が40nm、好ましい上限が500nmである。上記厚みが40nm未満であると、充分に光を吸収することができず、光電変換効率が低下することがある。上記厚みが500nmを超えると、電荷が電極まで到達できなくなるため、光電変換効率の低下につながることがある。上記活性層の厚みのより好ましい下限は50nm、より好ましい上限は300nmである。
本発明の光電変換素子は、更に、基板、バッファー層、ホール輸送層、電子輸送層等を有していてもよい。上記基板は特に限定されず、例えば、ソーダライムガラス、無アルカリガラス等の透明ガラス基板、セラミック基板、透明プラスチック基板等が挙げられる。バッファー層、ホール輸送層、電子輸送層等については、従来公知のものを用いることができる。
本発明の光電変換素子の一例を図1に模式的に示す。
図1に示す光電変換素子1は、陰極2、活性層4、ホール輸送層7、透明電極8、及び、ガラス基板9を有しており、活性層4は、有機顔料5と酸化亜鉛化合物粒子6とを混合して複合化した複合膜となっている。活性層4では、P型半導体が有機顔料5であり、かつ、N型半導体が酸化亜鉛化合物粒子6であることにより、紫外線による電子励起に起因する性能低下が抑制されることとなり、耐久性が高くなる。
本発明の光電変換素子を製造する方法は特に限定されず、例えば、活性層が有機顔料と酸化亜鉛化合物粒子とを混合して複合化した複合膜である場合、基板上に電極を形成した後、この電極の表面上に、有機顔料と酸化亜鉛化合物粒子とを含有する活性層用インクを塗布して活性層を形成し、次いで、この活性層の表面上に電極を形成する方法等が挙げられる。このような方法によれば、例えばスピンコート法等の印刷法により安定的かつ簡便に活性層を形成することができるため、活性層の形成コストを削減することができる。
上記活性層用インクを製造する方法は特に限定されず、例えば、有機顔料、酸化亜鉛化合物粒子、及び、必要に応じて配合される分散剤等を、超音波分散機等を用いて有機溶媒に分散及び溶解させて、活性層用インクとする方法等が挙げられる。
本発明によれば、耐久性に優れた光電変換素子を提供することができる。
本発明の光電変換素子の一例を模式的に示す断面図である。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
(酸化亜鉛化合物粒子の製造)
酢酸亜鉛二水和物0.9重量部及び酢酸スズ0.15重量部をメタノール35重量部に溶解し、60℃の湯浴中にて攪拌しながら、水酸化カリウム0.5重量部をメタノール15重量部に溶解した液を滴下し、滴下終了後10時間加熱攪拌を続けることにより、10重量%のSnを含むZnOナノ粒子(10%Sn−ZnOナノ粒子)分散液を得た。次いで、10%Sn−ZnOナノ粒子分散液を遠心分離及び上澄み除去し、沈殿物を回収することによって10%Sn−ZnOナノ粒子を得た。
なお、Snの含有量は、得られた粒子について、FE−TEM/EDS(日本電子社製、JEM−2010FEF)を用いて分析した。
(活性層用インクの製造)
8重量部の下記式(2)で表される化合物と、24重量部の上記で得られた10%Sn−ZnOナノ粒子と、分散剤として2重量部のD−149(三菱製紙社製)とを、クロロホルム1000重量部に分散及び溶解させて、活性層用インクとした。
Figure 2013191629
(光電変換素子の製造)
ガラス基板上に陽極として厚み240nmのITO膜を形成し、アセトン、メタノール及びイソプロピルアルコールをこの順に用いて各10分間超音波洗浄した後、乾燥させた。このITO膜の表面上にホール輸送層としてポリエチレンジオキサイドチオフェン:ポリスチレンスルフォネート(PEDOT:PSS)をスピンコート法により100nmの厚みに成膜した。次いで、このホール輸送層の表面上に上記で得られた活性層用インクをスピンコート法により100nmの厚みに成膜して、活性層を形成した。これを180℃20分加熱することにより、上記式(2)で表される化合物を下記式(1)で表されるテトラベンゾポルフィリン化合物に変換した。更に、この活性層の表面上に陰極として真空蒸着により厚み100nmのアルミニウム膜を形成し、光電変換素子を得た。
Figure 2013191629
(実施例2)
酸化亜鉛化合物粒子の製造において、10重量%のSnを含むZnOナノ粒子(10%Sn−ZnOナノ粒子)分散液の代わりに、20重量%のSnを含むZnOナノ粒子(20%Sn−ZnOナノ粒子)分散液を調製したこと以外は実施例1と同様にして、活性層用インク及び光電変換素子を得た。
(実施例3)
酸化亜鉛化合物粒子の製造において、酢酸スズの代わりに酢酸インジウムを使用し、10重量%のInを含むZnOナノ粒子(10%In−ZnOナノ粒子)分散液を調製したこと以外は実施例1と同様にして、活性層用インク及び光電変換素子を得た。
(実施例4)
酸化亜鉛化合物粒子の製造において、酢酸スズの代わりに酢酸ガリウムを使用し、10重量%のGaを含むZnOナノ粒子(10%Ga−ZnOナノ粒子)分散液を調製したこと以外は実施例1と同様にして、活性層用インク及び光電変換素子を得た。
(実施例5)
酸化亜鉛化合物粒子の製造において、10重量%のSnを含むZnOナノ粒子(10%Sn−ZnOナノ粒子)分散液の代わりに、30重量%のSnを含むZnOナノ粒子(30%Sn−ZnOナノ粒子)分散液を調製したこと以外は実施例1と同様にして、活性層用インク及び光電変換素子を得た。
(比較例1)
活性層用インクの製造において、酸化亜鉛化合物粒子の代わりにフラーレン誘導体(PCBM、American Dye source社製)を使用したこと以外は実施例1と同様にして、活性層用インク及び光電変換素子を得た。
(比較例2)
酸化亜鉛化合物粒子の製造において、酢酸亜鉛二水和物0.9重量部及び酢酸スズ0.1重量部の代わりに酢酸亜鉛二水和物1重量部を使用したこと以外は実施例1と同様にして、粒子(酸化亜鉛のみ)、活性層用インク及び光電変換素子を得た。
(比較例3)
酸化亜鉛化合物粒子の製造において、酢酸亜鉛二水和物0.9重量部及び酢酸スズ0.1重量部の代わりに酢酸スズ1重量部を使用したこと以外は実施例1と同様にして、粒子(酸化スズのみ)、活性層用インク及び光電変換素子を得た。
<評価>
(光電変換効率の測定)
光電変換素子の電極間に、電源(KEYTHLEY社製、236モデル)を接続し、100mW/cmの強度のソーラーシミュレータ(山下電装社製)を用いて光電変換素子の光電変換効率を測定した。比較例1で得られた光電変換素子の光電変換効率を1.0として規格化した。
(耐候試験後の維持率)
光電変換素子をガラス封止し、大気中、温度60℃かつ湿度60%の条件で24時間放置して耐候試験を行った。耐候試験前後の光電変換効率を上記と同様にして測定し、耐候試験後の維持率を算出した。
(総合評価)
下記の基準で総合評価を行った。
○ 光電変換効率が0.6以上かつ耐候試験後の維持率が80%以上
△ 光電変換効率が0.3以上0.6未満かつ耐候試験後の維持率が70%以上
× 光電変換効率が0.3未満又は耐候試験後の維持率が0%以上60%未満
Figure 2013191629
本発明によれば、耐久性に優れた光電変換素子を提供することができる。
1 光電変換素子
2 陰極
4 活性層
5 有機顔料
6 酸化亜鉛化合物粒子
7 ホール輸送層
8 透明電極
9 ガラス基板

Claims (3)

  1. 少なくとも一方が透明な一対の電極と、前記電極間に形成された活性層とを有し、
    前記活性層は、有機顔料と、インジウム、スズ及びガリウムからなる群より選択される少なくとも1種類の元素を含む酸化亜鉛化合物粒子とを含有する
    ことを特徴とする光電変換素子。
  2. インジウム、スズ及びガリウムからなる群より選択される少なくとも1種類の元素の含有量が、酸化亜鉛化合物粒子中の1〜75重量%であることを特徴とする請求項1記載の光電変換素子。
  3. 有機顔料は、有機潜在顔料を変換して得られたものであることを特徴とする請求項1又は2記載の光電変換素子。
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