JP2014078692A - 太陽電池及び太陽電池の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光電変換効率が高く、耐久性に優れた太陽電池を提供する。また、該太陽電池の製造方法を提供する。
【解決手段】光電変換層を有する太陽電池であって、前記光電変換層は、周期表15族元素の硫化物と、有機半導体及び/又は無機半導体とを含有し、前記周期表15族元素の硫化物における15族原子数に対する硫黄原子数の比率が、0.5〜1.4である太陽電池。
【選択図】なし

Description

本発明は、光電変換効率が高く、耐久性に優れた太陽電池に関する。また、本発明は、該太陽電池の製造方法に関する。
従来から、半導体からなる層を複数種積層し、この積層体の両側に電極を設けた光電変換素子が開発されている。また、このような積層体の代わりに、複数種の半導体を複合化した複合膜を用いることも検討されている。このような光電変換素子では、各半導体がP型半導体又はN型半導体として働き、光励起によりP型半導体又はN型半導体で光キャリア(電子−ホール対)が生成し、電子がN型半導体を、ホールがP型半導体を移動することで、電界が生じる。
現在、実用化されている光電変換素子の多くは、シリコン等の無機半導体を用いて製造される無機太陽電池である。しかしながら、無機太陽電池は製造にコストがかかるうえ大型化が困難であり、利用範囲が限られてしまうことから、無機半導体の代わりに有機半導体を用いて製造される有機太陽電池が注目されている。
有機太陽電池においては、ほとんどの場合フラーレンが用いられている。フラーレンは、主にN型半導体として働くことが知られている。例えば、特許文献1には、P型半導体となる有機化合物とフラーレン類とを用いて形成された半導体ヘテロ接合膜が記載されている。しかしながら、フラーレンを用いて製造される有機太陽電池において、その劣化の原因はフラーレンであることが知られており(例えば、非特許文献1参照)、フラーレンよりも耐久性の高い材料を選択することが求められている。
また、フラーレンに代わる優秀な有機半導体は少ないことから、フラーレンの代わりに無機半導体を用い、有機半導体と無機半導体とを併用した有機太陽電池も検討されており、無機半導体として、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン等が用いられている。このような有機太陽電池として、例えば、特許文献2には、有機電子供与体と化合物半導体結晶とを含有する活性層を二つの電極の間に設けた有機太陽電池が記載されている。しかしながら、酸化亜鉛、酸化チタン等を用いても、充分な耐久性は得られず、また、フラーレンを用いた場合と比べて光電変換効率が低下するという問題もある。
特開2006−344794号公報 特許第4120362号
Reese et al.,Adv.Funct.Mater.,20,3476−3483(2010)
本発明は、光電変換効率が高く、耐久性に優れた太陽電池を提供することを目的とする。また、本発明は、該太陽電池の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、光電変換層を有する太陽電池であって、前記光電変換層は、周期表15族元素の硫化物と、有機半導体及び/又は無機半導体とを含有し、前記周期表15族元素の硫化物における15族原子数に対する硫黄原子数の比率が、0.5〜1.4である太陽電池である。
以下、本発明を詳述する。
本発明者は、光電変換層を有する太陽電池において、光電変換層を、周期表15族元素の硫化物と、有機半導体及び/又は無機半導体とを含有するものとし、かつ、周期表15族元素の硫化物における15族原子数に対する硫黄原子数の比率を特定の範囲とすることにより、高い光電変換効率を維持しつつ耐久性を向上させることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の太陽電池は、光電変換層を有するものであり、該光電変換層は、周期表15族元素の硫化物と、有機半導体及び/又は無機半導体とを含有するものである。
このような光電変換層においては、周期表15族元素の硫化物が主にN型半導体として、有機半導体及び/又は無機半導体が主にP型半導体として働くと推測され、光励起によりP型半導体又はN型半導体で光キャリア(電子−ホール対)が生成し、電子がN型半導体を、ホールがP型半導体を移動することで、電界が生じる。ただし、周期表15族元素の硫化物は、部分的にはP型半導体として働いていてもよいし、有機半導体及び/又は無機半導体は、部分的にはN型半導体として働いていてもよい。
周期表15族元素の硫化物は耐久性が高いことから、周期表15族元素の硫化物を用いることにより、本発明の太陽電池は、耐久性に優れたものとなる。
本発明の太陽電池においては、上記周期表15族元素の硫化物における15族原子数に対する硫黄原子数の比率(以下、硫黄原子数/15族原子数の比率、ともいう)が、0.5〜1.4である。
上記周期表15族元素の硫化物の化学量論式は、15族元素をXで表す場合、Xであり、硫黄原子数/15族原子数の化学量論比は1.5である。硫黄原子数/15族原子数の比率を化学量論比よりも小さい上記範囲とすることにより、本発明の太陽電池は、光電変換効率が高くなる。この理由としては、例えば、硫黄原子数/15族原子数の比率を化学量論比よりも小さくするために脱硫(硫黄成分の低減)を行う際のキャリア増加により、電子の移動度等の半導体特性が向上するためと推測される。
上記硫黄原子数/15族原子数の比率が0.5未満であったり、1.4を超えたりすると、電子の移動度が低くなり、光電変換効率が低下する。上記硫黄原子数/15族原子数の比率の好ましい下限は0.7、好ましい上限は1.3であり、より好ましい下限は0.9、より好ましい上限は1.2である。
なお、硫黄原子数/15族原子数の比率は、FE−TEM/EDS(例えば、日本電子社製のJEM−2010FEF)を用いて、周期表15族元素の硫化物における硫黄原子数及び15族原子数を測定し、その比率を算出することにより求められる値である。
上記硫黄原子数/15族原子数の比率を化学量論比よりも小さくするために脱硫(硫黄成分の低減)を行う方法としては、周期表15族元素の硫化物を含有する層、又は、周期表15族元素の硫化物を含有する成分を、例えば真空下、窒素雰囲気下、窒素流下、不活性ガス雰囲気下、不活性ガス流下等の条件下で、酸素濃度10%以下の条件下で焼成する方法が好ましく、酸素濃度1%以下の条件下で焼成する方法がより好ましい。焼成する温度及び時間は特に限定されないが、200〜300℃で1〜60分間程度が好ましい。また、焼成するタイミングも特に限定されず、成膜と同時に焼成してもよいし、成膜後の後処理として焼成してもよい。
上記周期表15族元素の硫化物は特に限定されず、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよく、周期表15族元素の2種以上の元素を同一の分子に含有する複合硫化物であってもよい。なかでも、硫化アンチモン、硫化ビスマスが好ましく、硫化アンチモンがより好ましい。
硫化アンチモンは、有機半導体及び/又は無機半導体とのエネルギー準位の相性がよく、かつ、従来の酸化亜鉛、酸化チタン等より可視光に対する吸収が大きい。このため、上記周期表15族元素の硫化物が硫化アンチモンであることにより、太陽電池の電荷分離効率が極めて高くなり、光電変換効率が高くなる。
更に、上記周期表15族元素の硫化物が硫化アンチモンであることにより、他の周期表15族元素の硫化物である場合よりも、太陽電池の光電変換効率の再現性が高くなる。この理由ははっきりとは判っていないが、硫化アンチモンは結晶構造が安定であることから、アンチモン金属が硫化アンチモン中に析出しにくいためと推測される。一方、周期表15族元素のなかでも、例えばビスマスは結晶構造が不安定であり、ビスマス金属が硫化ビスマス中に析出しやすく、太陽電池の光電変換効率の再現性が低下しやすいと推測される。
なお、光電変換効率の再現性とは、同一の方法で太陽電池を複数個作製したときの各太陽電池間での光電変換効率の再現性を意味する。
上記周期表15族元素の硫化物は、結晶性半導体であることが好ましい。上記周期表15族元素の硫化物が結晶性半導体であることにより、電子の移動度が高くなり、光電変換効率が高くなる。
なお、結晶性半導体とは、X線回折測定等で測定し、散乱ピークが検出できる半導体を意味する。
また、上記周期表15族元素の硫化物の結晶性の指標として、結晶化度を用いることもできる。上記周期表15族元素の硫化物の結晶化度は、好ましい下限が30%である。上記結晶化度が30%以上であると、電子の移動度が高くなり、光電変換効率が向上する。上記結晶化度のより好ましい下限は50%、更に好ましい下限は70%である。
なお、結晶化度は、X線回折測定等により検出された結晶質由来の散乱ピークと、非晶質部由来のハローとをフィッティングにより分離し、それぞれの強度積分を求めて、全体のうちの結晶質部分の比を算出することにより求めることができる。
上記周期表15族元素の硫化物の結晶化度を高める方法として、例えば、周期表15族元素の硫化物に対して、焼成、レーザー又はフラッシュランプ等の強度の強い光の照射、エキシマ光照射、プラズマ照射等を行う方法が挙げられる。なかでも、周期表15族元素の硫化物の酸化を低減できることから、強度の強い光の照射、プラズマ照射等を行う方法が好ましい。
上記有機半導体及び/又は無機半導体は特に限定されないが、有機半導体を用いることにより、太陽電池の耐衝撃性、フレキシビリティ等が優れたものとなる。
上記有機半導体は特に限定されず、例えば、ポリ(3−アルキルチオフェン)等のチオフェン骨格を有する化合物等が挙げられる。また、例えば、ポリパラフェニレンビニレン骨格、ポリビニルカルバゾール骨格、ポリアニリン骨格、ポリアセチレン骨格等を有する導電性高分子等も挙げられる。更に、例えば、フタロシアニン骨格、ナフタロシアニン骨格、ペンタセン骨格、ベンゾポルフィリン骨格等のポルフィリン骨格等を有する化合物も挙げられる。なかでも、比較的耐久性が高いことから、チオフェン骨格、フタロシアニン骨格、ナフタロシアニン骨格、ベンゾポルフィリン骨格を有する化合物が好ましい。
上記有機半導体は、長波長領域の光を吸収できることから、ドナー−アクセプター型であることも好ましい。なかでも、チオフェン骨格を有するドナー−アクセプター型の化合物がより好ましく、チオフェン骨格を有するドナー−アクセプター型の化合物のなかでも、光吸収波長の観点から、チオフェン−ジケトピロロピロール重合体が特に好ましい。
上記無機半導体を用いることにより、太陽電池の耐久性が優れたものとなる。
上記無機半導体は特に限定されず、例えば、酸化モリブデン、硫化モリブデン、硫化スズ、酸化ニッケル、酸化銅、硫化銅、硫化鉄、銅−インジウム−セレン化合物(CuInSe)、銅−インジウム硫化物(CuInS)、銅−亜鉛−スズ硫化物(CuZnSnS)等が挙げられる。なかでも、より安定性が高いことから、酸化モリブデン、硫化モリブデン、硫化スズが好ましい。
上記無機半導体は、本発明の効果を阻害しない範囲内であれば、上述したような主成分となる無機半導体に加えて他の元素を含有していてもよい。上記他の元素は特に限定されないが、銅、亜鉛、銀、インジウム、カドミウム、アンチモン、ビスマス、ガリウム等が挙げられる。これらの他の元素は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。なかでも、電荷の移動度が高くなることから、銅、インジウム、ガリウム、亜鉛が好ましい。
上記光電変換層は、周期表15族元素の硫化物と、有機半導体及び/又は無機半導体とを含有していれば、周期表15族元素の硫化物を含有する層と、有機半導体及び/又は無機半導体を含有する層とを含む積層体であってもよいし、周期表15族元素の硫化物を含有する成分と、有機半導体及び/又は無機半導体を含有する成分とを複合化した複合膜であってもよい。
上記有機半導体及び/又は無機半導体の電荷分離効率を向上させることができる点では複合膜であることが好ましく、製法が簡便である点では積層体であることが好ましい。
上記周期表15族元素の硫化物を含有する層、及び、上記周期表15族元素の硫化物を含有する成分は、本発明の効果を阻害しない範囲内であれば、周期表15族元素の硫化物に加えて他の元素を含有していてもよい。上記他の元素は特に限定されないが、周期表の第4周期、第5周期及び第6周期に属する元素が好ましく、具体的には例えば、インジウム、ガリウム、スズ、カドミウム、銅、亜鉛、アルミニウム、ニッケル、銀、チタン、バナジウム、ニオブ、モリブデン、タンタル、鉄、コバルト等が挙げられる。これらの他の元素は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。なかでも、電子の移動度が高くなることから、インジウム、ガリウム、スズ、カドミウム、亜鉛、銅が好ましい。
上記他の元素の含有量は、上記周期表15族元素の硫化物を含有する層、又は、上記周期表15族元素の硫化物を含有する成分中の好ましい上限が50重量%である。上記含有量が50重量%以下であると、上記周期表15族元素の硫化物を含有する層、又は、上記周期表15族元素の硫化物を含有する成分と有機半導体及び/又は無機半導体との相性が良くなり、光電変換効率が向上する。
本発明の太陽電池は、上述したような光電変換層を、一組の電極間に有することが好ましい。上記電極の材料は特に限定されず、従来公知の材料を用いることができるが、陽極材料として、例えば、金等の金属、CuI、ITO(インジウムスズ酸化物)、SnO、AZO、IZO、GZO等の導電性透明材料、導電性透明ポリマー等が挙げられる。また、陰極材料として、例えば、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム、マグネシウム、アルミニウム、マグネシウム−銀混合物、マグネシウム−インジウム混合物、アルミニウム−リチウム合金、Al/Al混合物、Al/LiF混合物等が挙げられる。これらの材料は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
本発明の太陽電池は、更に、基板、ホール輸送層、電子輸送層等を有していてもよい。上記基板は特に限定されず、例えば、ソーダライムガラス、無アルカリガラス等の透明ガラス基板、セラミック基板、透明プラスチック基板等が挙げられる。
上記ホール輸送層の材料は特に限定されず、例えば、P型導電性高分子、P型低分子有機半導体、P型金属酸化物、P型金属硫化物、界面活性剤等が挙げられ、具体的には例えば、ポリエチレンジオキシチオフェンのポリスチレンスルホン酸付加物、カルボキシル基含有ポリチオフェン、フタロシアニン、ポルフィリン、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化タングステン、酸化ニッケル、酸化銅、酸化スズ、硫化モリブデン、硫化タングステン、硫化銅、硫化スズ等、フルオロ基含有ホスホン酸、カルボニル基含有ホスホン酸等が挙げられる。
上記電子輸送層の材料は特に限定されず、例えば、N型導電性高分子、N型低分子有機半導体、N型金属酸化物、N型金属硫化物、ハロゲン化アルカリ金属、アルカリ金属、界面活性剤等が挙げられ、具体的には例えば、シアノ基含有ポリフェニレンビニレン、ホウ素含有ポリマー、バソキュプロイン、バソフェナントレン、ヒドロキシキノリナトアルミニウム、オキサジアゾール化合物、ベンゾイミダゾール化合物、ナフタレンテトラカルボン酸化合物、ペリレン誘導体、ホスフィンオキサイド化合物、ホスフィンスルフィド化合物、フルオロ基含有フタロシアニン、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ、酸化ガリウム、硫化スズ、硫化インジウム、硫化亜鉛等が挙げられる。
特に、本発明の太陽電池は、一組の電極間に、周期表15族元素の硫化物を含有する層と、有機半導体及び/又は無機半導体を含有する層とを含む積層体である光電変換層を有し、一方の電極と周期表15族元素の硫化物を含有する層との間に更に電子輸送層を有することが好ましい。更に、他方の電極と有機半導体及び/又は無機半導体を含有する層との間に更にホール輸送層を有することがより好ましい。
光電変換層が、周期表15族元素の硫化物を含有する層と、有機半導体及び/又は無機半導体を含有する層とを含む積層体である場合の本発明の太陽電池の一例を図1に模式的に示す。図1に示す太陽電池1においては、基板2、透明電極(陽極)3、有機半導体及び/又は無機半導体を含有する層4、周期表15族元素の硫化物を含有する層5、電子輸送層6、電極(陰極)7がこの順で積層されている。
上記周期表15族元素の硫化物を含有する層の厚みは、好ましい下限が5nm、好ましい上限が5000nmである。上記厚みが5nm以上であると、充分に光を吸収することができるようになり、光電変換効率が向上する。上記厚みが5000nm以下であると、電荷分離できない領域が発生することを抑制できるため、光電変換効率の向上につながる。上記周期表15族元素の硫化物を含有する層の厚みのより好ましい下限は10nm、より好ましい上限は1000nmであり、更に好ましい下限は20nm、更に好ましい上限は500nmである。
上記有機半導体及び/又は無機半導体を含有する層の厚みは、好ましい下限が5nm、好ましい上限が5000nmである。上記厚みが5nm以上であると、充分に光を吸収することができるようになり、光電変換効率が向上する。上記厚みが5000nm以下であると、電荷分離できない領域が発生することを抑制できるため、光電変換効率の向上につながる。上記有機半導体及び/又は無機半導体を含有する層の厚みのより好ましい下限は10nm、より好ましい上限は2000nmであり、更に好ましい下限は20nm、更に好ましい上限は1000nmである。
また、本発明の太陽電池は、一組の電極間に、周期表15族元素の硫化物を含有する成分と、有機半導体及び/又は無機半導体を含有する成分とを複合化した複合膜である光電変換層を有し、一方の電極と光電変換層との間に更に電子輸送層を有することが好ましい。更に、他方の電極と光電変換層との間に更にホール輸送層を有することが好ましい。
光電変換層が、周期表15族元素の硫化物を含有する成分と、有機半導体及び/又は無機半導体を含有する成分とを複合化した複合膜である場合の本発明の太陽電池の一例を図2に模式的に示す。図2に示す太陽電池8においては、基板9、透明電極(陽極)10、ホール輸送層11、有機半導体及び/又は無機半導体を含有する成分12と周期表15族元素の硫化物を含有する成分13との複合膜14、電子輸送層15、電極(陰極)16がこの順で積層されている。
上記複合膜の厚みの好ましい下限は30nm、好ましい上限は3000nmである。上記厚みが30nm以上であると、充分に光を吸収することができるようになり、光電変換効率が向上する。上記厚みが3000nm以下であると、電荷が電極に到達しやすくなるため、光電変換効率が向上する。上記複合膜の厚みのより好ましい下限は40nm、より好ましい上限は2000nmであり、更に好ましい下限は50nm、更に好ましい上限は1000nmである。
上記複合膜においては、周期表15族元素の硫化物を含有する成分と、有機半導体及び/又は無機半導体を含有する成分との比率が非常に重要である。周期表15族元素の硫化物を含有する成分と、有機半導体及び/又は無機半導体を含有する成分との比率は、1:9〜9:1(体積比)であることが好ましい。上記比率が上記範囲内であると、ホール又は電子が電極まで到達しやすくなり、そのため光電変換効率の向上につながる。上記比率は、2:8〜8:2(体積比)であることがより好ましい。
上記ホール輸送層の厚みは、好ましい下限は1nm、好ましい上限は2000nmである。上記厚みが1nm以上であると、充分に電子をブロックできるようになる。上記厚みが2000nm以下であると、ホール輸送の際の抵抗になり難く、光電変換効率が向上する。上記ホール輸送層の厚みのより好ましい下限は3nm、より好ましい上限は1000nmであり、更に好ましい下限は5nm、更に好ましい上限は500nmである。
上記電子輸送層の厚みは、好ましい下限が1nm、好ましい上限が2000nmである。上記厚みが1nm以上であると、充分にホールをブロックできるようになる。上記厚みが2000nm以下であると、電子輸送の際の抵抗になり難く、光電変換効率が向上する。上記電子輸送層の厚みのより好ましい下限は3nm、より好ましい上限は1000nmであり、更に好ましい下限は5nm、更に好ましい上限は500nmである。
本発明の太陽電池を製造する方法は特に限定されず、光電変換層が積層体である場合には、基板上に電極(陽極)を形成した後、この電極(陽極)の表面上に有機半導体及び/又は無機半導体を含有する層をスピンコート法等の印刷法により成膜し、次いで、この有機半導体及び/又は無機半導体を含有する層の表面上に真空蒸着法等により周期表15族元素の硫化物を含有する層を成膜し、更に、この周期表15族元素の硫化物を含有する層の表面上に電極(陰極)を形成する方法等が挙げられる。また、基板上に電極(陰極)を形成した後、周期表15族元素の硫化物を含有する層、有機半導体及び/又は無機半導体を含有する層、電極(陽極)をこの順で形成してもよい。
本発明の太陽電池を製造する際には、スピンコート法等の印刷法により安定的かつ簡便に有機半導体及び/又は無機半導体を含有する層を形成することができるため、有機半導体及び/又は無機半導体を含有する層の形成コストを削減することができる。上記周期表15族元素の硫化物を含有する層を形成する際にも、真空蒸着法の代わりに、周期表15族元素の硫化物の前躯体溶液、又は、周期表15族元素の硫化物のナノ粒子分散液をスピンコート法等の印刷法により成膜することもできる。
また、光電変換層が複合膜である場合には、有機半導体及び/又は無機半導体と、周期表15族元素の硫化物の前躯体溶液、又は、周期表15族元素の硫化物のナノ粒子分散液とを混合した混合液を用いて複合膜とすることができる。また、周期表15族元素の硫化物と有機半導体及び/又は無機半導体とを共蒸着することにより複合膜を作製することもできる。更に、電子輸送層の酸化チタンナノ粒子等の粒子形状を利用して、周期表15族元素の硫化物の前躯体溶液、又は、周期表15族元素の硫化物のナノ粒子分散液をスピンコート法等の印刷法により成膜し、次いで、有機半導体及び/又は無機半導体をスピンコート法等の印刷法により成膜することにより複合膜を作製することもできる。
上記周期表15族元素の硫化物における硫黄原子数/15族原子数の比率を化学量論比よりも小さくするために脱硫(硫黄成分の低減)を行う方法としては、光電変換層が積層体である場合には、周期表15族元素の硫化物を含有する層を、酸素濃度10%以下の条件下で焼成する方法が好ましい。光電変換層が複合膜である場合には、周期表15族元素の硫化物を含有する成分を含む光電変換層を、酸素濃度10%以下の条件下で焼成する方法が好ましい。焼成する温度及び時間は特に限定されないが、200〜300℃で1〜60分間程度が好ましい。
本発明の太陽電池を製造する方法であって、周期表15族元素の硫化物を含有する層、又は、周期表15族元素の硫化物を含有する成分を、酸素濃度10%以下の条件下で焼成する工程を有する太陽電池の製造方法もまた、本発明の1つである。
本発明によれば、光電変換効率が高く、耐久性に優れた太陽電池を提供することができる。また、本発明によれば、該太陽電池の製造方法を提供することができる。
光電変換層が、周期表15族元素の硫化物を含有する層と、有機半導体及び/又は無機半導体を含有する層とを含む積層体である場合の本発明の太陽電池の一例を模式的に示す断面図である。 光電変換層が、周期表15族元素の硫化物を含有する成分と、有機半導体及び/又は無機半導体を含有する成分とを複合化した複合膜である場合の本発明の太陽電池の一例を模式的に示す断面図である。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
<陰極>
ガラス基板上に、陰極として厚み240nmのITO膜を形成し、アセトン、メタノール及びイソプロピルアルコールをこの順に用いて各10分間超音波洗浄した後、乾燥させた。
<光電変換層(積層体)>
ITO膜の表面上に、周期表15族元素の硫化物を含有する層として硫化アンチモンを真空蒸着法により40nmの厚みに成膜した後、260℃で5分間、真空下(酸素濃度0.01%程度)で焼成した。更に、この周期表15族元素の硫化物を含有する層の表面上に、有機半導体及び/又は無機半導体を含有する層としてポリエチレンジオキサイドチオフェン:ポリスチレンスルフォネート(PEDOT:PSS)をスピンコート法により40nmの厚みに成膜した。
なお、硫黄原子数/15族原子数の比率を求めるため、同じ方法で別途作製した周期表15族元素の硫化物を含有する層の表面にカーボンを蒸着した後、集束イオンビーム(FIB)を用いて切片を作製した。FE−TEM/EDS(日本電子社製、JEM−2010FEF)を用いて、この切片中の硫黄原子数及び15族原子数を測定し、その比率を算出したところ、硫黄原子数/15族原子数の比率は1.02であった。
<陽極>
光電変換層の表面上に、陽極として真空蒸着により厚み100nmの金膜を形成し、太陽電池を得た。
(実施例2)
周期表15族元素の硫化物を含有する層を260℃で5分間、真空下(酸素濃度0.01%程度)で焼成して硫黄原子数/15族原子数の比率を0.98とし、また、有機半導体及び/又は無機半導体を含有する層としてポリ−3−ヘキシルチオフェンをスピンコート法により成膜したこと以外は実施例1と同様にして、太陽電池を得た。
(実施例3)
<陰極>
ガラス基板上に、陰極として厚み240nmのITO膜を形成し、アセトン、メタノール及びイソプロピルアルコールをこの順に用いて各10分間超音波洗浄した後、乾燥させた。
<電子輸送層>
ITO膜の表面上に、電子輸送層として酸化亜鉛ナノ粒子の分散液をスピンコート法により50nmの厚みに成膜して、260℃で2分間焼成した。
<光電変換層(積層体)>
電子輸送層の表面上に、周期表15族元素の硫化物を含有する層として硫化アンチモンを真空蒸着法により40nmの厚みに成膜した後、260℃で5分間、真空下(酸素濃度0.01%程度)で焼成した。更に、この周期表15族元素の硫化物を含有する層の表面上に、有機半導体及び/又は無機半導体を含有する層としてポリ−3−ヘキシルチオフェンをスピンコート法により40nmの厚みに成膜した。
なお、硫黄原子数/15族原子数の比率を求めるため、同じ方法で別途作製した周期表15族元素の硫化物を含有する層の表面にカーボンを蒸着した後、集束イオンビーム(FIB)を用いて切片を作製した。FE−TEM/EDS(日本電子社製、JEM−2010FEF)を用いて、この切片中の硫黄原子数及び15族原子数を測定し、その比率を算出したところ、硫黄原子数/15族原子数の比率は0.91であった。
<ホール輸送層>
有機半導体及び/又は無機半導体を含有する層の表面上に、ホール輸送層としてポリエチレンジオキサイドチオフェン:ポリスチレンスルフォネート(PEDOT:PSS)をスピンコート法により50nmの厚みに成膜した。
<陽極>
ホール輸送層の表面上に、陽極として真空蒸着により厚み100nmの金膜を形成し、太陽電池を得た。
(実施例4)
電子輸送層として酸化チタンナノ粒子の分散液をスピンコート法により成膜し、また、周期表15族元素の硫化物を含有する層を260℃で5分間、真空下(酸素濃度0.01%程度)で焼成して硫黄原子数/15族原子数の比率を0.95としたこと以外は実施例3と同様にして、太陽電池を得た。
(実施例5)
周期表15族元素の硫化物を含有する層を260℃で5分間、窒素流下(酸素濃度1%程度)で焼成して硫黄原子数/15族原子数の比率を1.12としたこと以外は実施例3と同様にして、太陽電池を得た。
(実施例6)
周期表15族元素の硫化物を含有する層を260℃で3分間、窒素流下(酸素濃度1%程度)で焼成して硫黄原子数/15族原子数の比率を1.27としたこと以外は実施例3と同様にして、太陽電池を得た。
(実施例7)
周期表15族元素の硫化物を含有する層を260℃で1分間、窒素流下(酸素濃度1%程度)で焼成して硫黄原子数/15族原子数の比率を1.39としたこと以外は実施例3と同様にして、太陽電池を得た。
(実施例8)
周期表15族元素の硫化物を含有する層を260℃で60分間、真空下(酸素濃度0.01%程度)で焼成して硫黄原子数/15族原子数の比率を0.73としたこと以外は実施例3と同様にして、太陽電池を得た。
(実施例9)
周期表15族元素の硫化物を含有する層を260℃で1分間、低酸素空気中(酸素濃度9%程度)で焼成して硫黄原子数/15族原子数の比率を0.52としたこと以外は実施例3と同様にして、太陽電池を得た。
(実施例10)
周期表15族元素の硫化物を含有する層を260℃で5分間、真空下(酸素濃度0.01%程度)で焼成して硫黄原子数/15族原子数の比率を1.05とし、また、有機半導体及び/又は無機半導体を含有する層として銅フタロシアニンを真空蒸着法により50nmの厚みに成膜したこと以外は実施例3と同様にして、太陽電池を得た。
(実施例11)
周期表15族元素の硫化物を含有する層を260℃で5分間、真空下(酸素濃度0.01%程度)で焼成して硫黄原子数/15族原子数の比率を0.98とし、また、有機半導体及び/又は無機半導体を含有する層として酸化モリブデンを蒸着法により40nmの厚みに成膜したこと以外は実施例3と同様にして、太陽電池を得た。
(実施例12)
周期表15族元素の硫化物を含有する層を260℃で5分間、真空下(酸素濃度0.01%程度)で焼成して硫黄原子数/15族原子数の比率を1.07とし、また、有機半導体及び/又は無機半導体を含有する層として硫化スズを蒸着法により50nmの厚みに成膜したこと以外は実施例3と同様にして、太陽電池を得た。
(実施例13)
周期表15族元素の硫化物を含有する層を260℃で5分間、真空下(酸素濃度0.01%程度)で焼成して硫黄原子数/15族原子数の比率を1.12とし、また、有機半導体及び/又は無機半導体を含有する層として硫化モリブデンを蒸着法により50nmの厚みに成膜したこと以外は実施例3と同様にして、太陽電池を得た。
(実施例14)
周期表15族元素の硫化物を含有する層として硫化ビスマスを真空蒸着法により成膜し、また、周期表15族元素の硫化物を含有する層を260℃で5分間、真空下(酸素濃度0.01%程度)で焼成して硫黄原子数/15族原子数の比率を1.07としたこと以外は実施例3と同様にして、太陽電池を得た。
(実施例15)
(1)周期表15族元素の硫化物形成用塗布液の作製
メタノール100重量部に、塩化アンチモン(III)20重量部を添加した後、攪拌することによって溶解した。次に、得られた塩化アンチモン(III)のメタノール溶液に、チオ尿素(CS(NH)10重量部を攪拌しながら徐々に添加した。添加終了後に更に30分間攪拌することによって、硫化アンチモン形成用塗布液を作製した。
(2)太陽電池の作製
<陰極>
ガラス基板上に、陰極として厚み240nmのITO膜を形成し、アセトン、メタノール及びイソプロピルアルコールをこの順に用いて各10分間超音波洗浄した後、乾燥させた。
<電子輸送層>
ITO膜の表面上に、電子輸送層として酸化チタンナノ粒子の分散液をスピンコート法により200nmの厚みに成膜して、500℃で2分間焼成した。
<光電変換層(複合膜)>
電子輸送層の表面上に、硫化アンチモン形成用塗布液を回転数3000rpmの条件でスピンコート法によって塗布した。塗布後、室温で10分間放置した後に、70℃で5分間乾燥した。その後、サンプルを真空炉に入れ、真空に引きながら(酸素濃度1%程度)260℃で10分間焼成することによって、周期表15族元素の硫化物を含有する成分を得た。更に、この周期表15族元素の硫化物を含有する成分の表面上に、有機半導体及び/又は無機半導体を含有する成分としてポリ−3−ヘキシルチオフェンをスピンコート法により100nmの厚みに成膜した。
なお、硫黄原子数/15族原子数の比率を求めるため、同じ方法で別途作製した周期表15族元素の硫化物を含有する成分の表面にカーボンを蒸着した後、集束イオンビーム(FIB)を用いて切片を作製した。FE−TEM/EDS(日本電子社製、JEM−2010FEF)を用いて、この切片中の硫黄原子数及び15族原子数を測定し、その比率を算出したところ、硫黄原子数/15族原子数の比率は1.08であった。
<ホール輸送層>
有機半導体及び/又は無機半導体を含有する成分の表面上に、ホール輸送層としてポリエチレンジオキサイドチオフェン:ポリスチレンスルフォネート(PEDOT:PSS)をスピンコート法により100nmの厚みに成膜した。
<陽極>
ホール輸送層の表面上に、陽極として真空蒸着により厚み80nmの金膜を形成し、太陽電池を得た。
(実施例16)
チオ尿素(CS(NH)10重量部を7重量部に変更したこと以外は実施例15と同様にして、硫化アンチモン形成用塗布液を作製し、太陽電池を得た。
実施例15と同様の方法で測定した、硫黄原子数/15族原子数の比率は0.68であった。
(実施例17)
チオ尿素(CS(NH)10重量部を15重量部に変更したこと以外は実施例15と同様にして、硫化アンチモン形成用塗布液を作製し、太陽電池を得た。
実施例15と同様の方法で測定した、硫黄原子数/15族原子数の比率は1.37であった。
(比較例1)
周期表15族元素の硫化物を含有する層を260℃で5分間、硫化水素ガス含有低酸素空気中(酸素濃度11%程度)で焼成して硫黄原子数/15族原子数の比率を1.62としたこと以外は実施例1と同様にして、太陽電池を得た。
(比較例2)
周期表15族元素の硫化物を含有する層を260℃で5分間、大気下(酸素濃度20%程度)で焼成して硫黄原子数/15族原子数の比率を0.23としたこと以外は実施例1と同様にして、太陽電池を得た。
(比較例3)
周期表15族元素の硫化物を含有する層を260℃で1分間、硫化水素ガス含有低酸素空気中(酸素濃度11%程度)で焼成して硫黄原子数/15族原子数の比率を1.51としたこと以外は実施例3と同様にして、太陽電池を得た。
(比較例4)
周期表15族元素の硫化物を含有する層を260℃で10分間、硫化水素ガス含有低酸素空気中(酸素濃度11%程度)で焼成して硫黄原子数/15族原子数の比率を1.72としたこと以外は実施例3と同様にして、太陽電池を得た。
(比較例5)
周期表15族元素の硫化物を含有する層を260℃で5分間、大気下(酸素濃度20%程度で焼成して硫黄原子数/15族原子数の比率を0.19としたこと以外は実施例3と同様にして、太陽電池を得た。
(比較例6)
周期表15族元素の硫化物を含有する層を260℃で5分間、大気下(酸素濃度20%程度)で焼成して硫黄原子数/15族原子数の比率を0.29とし、また、有機半導体及び/又は無機半導体を含有する層として硫化スズを蒸着法により50nmの厚みに成膜したこと以外は実施例3と同様にして、太陽電池を得た。
(比較例7)
周期表15族元素の硫化物を含有する層を260℃で10分間、硫化水素ガス含有低酸素空気中(酸素濃度11%程度)で焼成して硫黄原子数/15族原子数の比率を1.67とし、また、有機半導体及び/又は無機半導体を含有する層として硫化スズを蒸着法により50nmの厚みに成膜したこと以外は実施例3と同様にして、太陽電池を得た。
(比較例8)
周期表15族元素の硫化物を含有する層として硫化ビスマスを真空蒸着法により成膜し、また、周期表15族元素の硫化物を含有する層を260℃で5分間、大気下(酸素濃度20%程度)で焼成して硫黄原子数/15族原子数の比率を0.37としたこと以外は実施例3と同様にして、太陽電池を得た。
(比較例9)
周期表15族元素の硫化物を含有する層として硫化ビスマスを真空蒸着法により成膜し、また、周期表15族元素の硫化物を含有する層を260℃で1分間、硫化水素ガス含有低酸素空気中(酸素濃度11%程度)で焼成して硫黄原子数/15族原子数の比率を1.58としたこと以外は実施例14と同様にして、太陽電池を得た。
(比較例10)
硫化アンチモンの代わりにフラーレンを用いたこと以外は実施例3と同様にして、太陽電池を得た。
(比較例11)
チオ尿素(CS(NH)10重量部を25重量部に変更したこと以外は実施例15と同様にして、硫化アンチモン形成用塗布液を作製し、太陽電池を得た。
実施例15と同様の方法で測定した、硫黄原子数/15族原子数の比率は1.89であった。
(比較例12)
チオ尿素(CS(NH)10重量部を3重量部に変更したこと以外は実施例15と同様にして、硫化アンチモン形成用塗布液を作製し、太陽電池を得た。
実施例15と同様の方法で測定した、硫黄原子数/15族原子数の比率は0.35であった。
<評価>
実施例及び比較例で得られた太陽電池について、以下の評価を行った。結果を表1〜6に示した。
(1)光電変換効率の測定
太陽電池の電極間に、電源(KEYTHLEY社製、236モデル)を接続し、100mW/cmの強度のソーラーシミュレータ(山下電装社製)を用いて太陽電池の光電変換効率を測定した。比較例3の光電変換効率を1.00として規格化した(相対光電変換効率(比較例3との対比))。
(2)耐候試験後の光電変換効率の測定
太陽電池をガラス封止し、温度60℃、湿度35%の状態で60mW/cmの光を24時間照射して耐候試験を行った。耐候試験前後の光電変換効率を上記(1)と同様にして測定し、初期の光電変換効率(初期値)を1.00としたときの耐候試験後の相対変換効率を求めた。
(3)光電変換効率の再現性
同一の方法で作製した太陽電池10個の光電変換効率を上記(1)と同様にして測定し、10個のうちの最低変換効率を最高変換効率で割った値を求めた。得られた値が0.5未満のものを×、0.5以上0.7未満のものを△、0.7以上のものを○とした。
(4)総合評価
下記の基準で評価した。
○ 相対光電変換効率(比較例3との対比)が2を超えており、耐候試験後の相対変換効率(初期値との対比)が0.8以上であり、かつ、光電変換効率の再現性が○であったものを○とした。
△ 相対光電変換効率(比較例3との対比)が1を超えかつ2未満であり、耐候試験後の相対変換効率(初期値との対比)が0.8以上であり、かつ、光電変換効率の再現性が○又は△のものを△とした。
× 相対光電変換効率(比較例3との対比)が1以下であるか、耐候試験後の相対変換効率(初期値との対比)が0.8未満であるか、又は、光電変換効率の再現性が×のものを×とした。
Figure 2014078692
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本発明によれば、光電変換効率が高く、耐久性に優れた太陽電池を提供することができる。また、本発明によれば、該太陽電池の製造方法を提供することができる。
1 太陽電池
2 基板
3 透明電極(陽極)
4 有機半導体及び/又は無機半導体を含有する層
5 周期表15族元素の硫化物を含有する層
6 電子輸送層
7 電極(陰極)
8 太陽電池
9 基板
10 透明電極(陽極)
11 ホール輸送層
12 有機半導体及び/又は無機半導体を含有する成分
13 周期表15族元素の硫化物を含有する成分
14 複合膜
15 電子輸送層
16 電極(陰極)

Claims (7)

  1. 光電変換層を有する太陽電池であって、
    前記光電変換層は、周期表15族元素の硫化物と、有機半導体及び/又は無機半導体とを含有し、
    前記周期表15族元素の硫化物における15族原子数に対する硫黄原子数の比率が、0.5〜1.4である
    ことを特徴とする太陽電池。
  2. 光電変換層が、周期表15族元素の硫化物を含有する層と、有機半導体及び/又は無機半導体を含有する層とを含む積層体であることを特徴とする請求項1記載の太陽電池。
  3. 一組の電極間に、周期表15族元素の硫化物を含有する層と、有機半導体及び/又は無機半導体を含有する層とを含む積層体である光電変換層を有し、
    一方の電極と前記周期表15族元素の硫化物を含有する層との間に更に電子輸送層を、他方の電極と前記有機半導体及び/又は無機半導体を含有する層との間に更にホール輸送層を有することを特徴とする請求項2記載の太陽電池。
  4. 光電変換層が、周期表15族元素の硫化物を含有する成分と、有機半導体及び/又は無機半導体を含有する成分とを複合化した複合膜であることを特徴とする請求項1記載の太陽電池。
  5. 一組の電極間に、周期表15族元素の硫化物を含有する成分と、有機半導体及び/又は無機半導体を含有する成分とを複合化した複合膜である光電変換層を有し、
    一方の電極と前記光電変換層との間に更に電子輸送層を、他方の電極と前記光電変換層との間に更にホール輸送層を有することを特徴とする請求項4記載の太陽電池。
  6. 周期表15族元素の硫化物は、硫化アンチモンであることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の太陽電池。
  7. 請求項1、2、3、4、5又は6記載の太陽電池を製造する方法であって、周期表15族元素の硫化物を含有する層、又は、周期表15族元素の硫化物を含有する成分を、酸素濃度10%以下の条件下で焼成する工程を有することを特徴とする太陽電池の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP5705364B1 (ja) * 2014-11-05 2015-04-22 積水化学工業株式会社 Pin型ダイオード
JP2015225982A (ja) * 2014-05-29 2015-12-14 住江織物株式会社 光発電糸及びその製造方法

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