JP2015196676A - フルオレン構造を有するポリエステル樹脂からビスフェノールフルオレン類を回収する方法 - Google Patents
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Abstract
Description
フルオレン構造を有するポリエステル樹脂を金属水酸化物水溶液の存在下に加水分解させてビスフェノールフルオレン類を生成させ、前記加水分解により生成したビスフェノールフルオレン類を有機溶媒中に分配させた後、この有機溶媒と金属水酸化物水溶液とを分離して、ビスフェノールフルオレン類を有機溶媒中に回収することを特徴とするビスフェノールフルオレン類の回収方法。
[2]
ビスフェノールフルオレン類を回収する有機溶媒が芳香族炭化水素および脂肪族炭化水素からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする[1]に記載の回収方法。
[3]
ビスフェノールフルオレン類が9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシフェニル)フルオレン類であることを特徴とする[1]または[2]に記載のビスフェノールフルオレン類の回収方法。
[4]
9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシフェニル)フルオレン類が以下式(1)で表される化合物であることを特徴とする[3]に記載のビスフェノールフルオレン類の回収方法。
(式中、R1a、R1bはアルキレン基を示しこれらは同一、もしくは異なっていても良い。R2a、R2bはアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基又はアリール基を示し、これらは同一、もしくは異なっていても良い。n1、n2は1以上の整数を示し、同一もしくは異なっていてもよい。m1、m2は0又は1〜4の整数を示し、同一もしくは異なっていてもよい。)
[5]
ビスフェノールフルオレン類が9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンであることを特徴とする[1]〜[4]いずれかに記載のビスフェノールフルオレン類の回収方法。
[6]
ビスフェノールフルオレン類を有機溶媒中に回収した後、有機溶媒中から晶析操作によりビスフェノールフルオレン類の結晶を得ることを特徴とする[1]〜[5]いずれかに記載のビスフェノールフルオレン類の回収方法。
本発明において、フルオレン構造を有するポリエステル樹脂とは、ビスフェノールフルオレン類のジオール成分と、ジカルボン酸成分とを重合成分とする樹脂であり、末端封止剤や安定剤などの添加剤を含んでいても良く、最広義に解釈されるものである。本発明の対象となるポリエステルとしては、ポリエステル単独あるいは本発明の効果を損なわない範囲で、他の成分と組み合わせた樹脂組成物、例えばポリエステルカーボネート類やポリカーボネート類とポリエステル類の混合物などであっても良い。その形状はパウダー、ペレット、シート、フィルム、成型品等に限定されるものではなく、廃棄されたレンズやシート、製造時や成型加工時に発生する不良品やバリ、製造廃棄物から回収された固形物、それらの粉砕物などが使用される。特に光学レンズ成型時にバリが多く発生する事から、バリやその粉砕物を用いることができる。
具体的には、特に限定するわけではないが、例えば9,9−ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(アルキルヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(シクロアルキルヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(アリールヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(アルコキシヒドロキシフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン類、9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシ−アルキルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシ−シクロアルキルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシ−アリールフェニル)フルオレン、9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシ−アルコキシフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシフェニル)フルオレン類、9,9−ビス(ヒドロキシナフチル)フルオレン、9,9−ビス(アルキルヒドロキシナフチル)フルオレン、9,9−ビス(シクロアルキルヒドロキシナフチル)フルオレン、9,9−ビス(アリールヒドロキシナフチル)フルオレン、9,9−ビス(アルコキシヒドロキシナフチル)フルオレンなどの9,9−ビス(ヒドロキシナフチル)フルオレン類、9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシナフチル)フルオレン、9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシ−アルキルナフチル)フルオレン、9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシ−シクロアルキルナフチル)フルオレン、9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシ−アリールナフチル)フルオレン、9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシ−アルコキシナフチル)フルオレンなどの9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシナフチル)フルオレン類などが挙げられる。好ましくは、9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシ−アルキルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシ−アリールフェニル)フルオレン等の9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシフェニル)フルオレン類であり、さらに好ましくは上記一般式(1)で表される9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシフェニル)フルオレン類である。
で表されるジオール成分と、後述のジカルボン酸成分とを重合成分とするポリエステル系樹脂であってもよい。前記式(2)において、R1cで表されるアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ジメチルプロピレン基
などの直鎖状又は分岐鎖状の炭素数2〜10の(以下炭素数を表す場合、C2−10のように表すこともある。)アルキレン基が例示でき、直鎖状又は分岐鎖状C2−4アルキレン基(例えば、エチレン基、テトラメチレン基など)が好ましい。例えば、エチレングリコール、1,2−ブタンジオールが好ましい。
者(単位数比)=50/50〜100/0、好ましくは60/40〜95/5、さらに好
ましくは65/35〜90/10程度であってもよい。また、下記式(3b)で表される
単位と下記式(4b)で表される単位との割合も、前者/後者(単位数比)=50/50
〜100/0、好ましくは60/40〜95/5、さらに好ましくは65/35〜90/
10であってもよい。
次の測定条件でHPLC測定を行ったときの面積百分率値をHPLC純度とした。
・カラム:一般財団法人 化学物質評価研究機構製「L−column ODS」
(5μm、4.6mmφ×250mm)、
・カラム温度:40℃、
・検出波長:UV 254nm、
・移動相:A液=水、B液=アセトニトリル、
・移動相流量:1.0ml/分、
・移動相グラジエント:B液濃度:30%(0分)→100%(25分後)→100%(60分後)。
示差走査熱量計(エスアイアイナノテクノロジー(株)製「EXSTAR DSC 7020」)を用いて、昇温速度10℃/分で測定した。
高速GPC装置(東ソー(株)製「HLC−8200 GPC)を用いて、重量平均分子量をRIで測定した(ポリスチレン換算)。
また、上記の測定条件でGPC測定を行ったときの面積百分率値を9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン類および2量体の生成率とした。
[成分の略号]
PBPEFT1:フルオレン構造を有するポリエステル樹脂[前記式(3a)で表される9,9−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンとテレフタル酸のエステル単位と下記式(4a)で表されるエチレングリコールとテレフタル酸のエステル単位とを有する共重合体。(式(3a)で表される単位/式(4a)で表される単位(単位数比)=70/30、重量平均分子量:32,000)]
PBPEFT2:フルオレン構造を有するポリエステル樹脂[前記式(3b)で表される9,9−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンと1,4−シクロヘキサンジカルボン酸のエステル単位と下記式(4b)で表されるエチレングリコールと1,4−シクロヘキサンジカルボン酸のエステル単位とを有する共重合体。(式(3b)で表される単位/式(4b)で表される単位(単位数比)=80/20、重量平均分子量:31,000)]
9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−メチルフェニル]フルオレン37.32重量部、エチレングリコール13.66重量部、イソフタル酸ジメチル19.42重量部、攪拌機及び留出装置付の反応容器に仕込み、撹拌しながら徐々に加熱溶融し、エステル交換を行った。さらに、重合触媒の酸化ゲルマニウム0.21重量部を加え、290℃、133Pa以下に到達するまで徐々に昇温、減圧しながらエチレングリコールを除去した。この後、内容物を反応器から取り出し、フルオレン構造を有するポリエステル樹脂(重量平均分子量 30,000)を得た。ポリエステル樹脂は取り出し後、乳鉢にて粉砕し不定形の固形物とした。
9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−フェニルフェニル]フルオレン47.26重量部、エチレングリコール13.66重量部、テレフタル酸16.61重量部を、攪拌機及び留出装置付の反応容器に仕込み、撹拌しながら徐々に加熱溶融し、さらに、酸化ゲルマニウム0.21重量部モルを加え、298℃、133Pa以下に到達するまで徐々に昇温、減圧しながらエチレングリコールを除去した。この後、内容物を反応器から取り出し、フルオレン構造を有するポリエステル樹脂(重量平均分子量は42,000)を得た。ポリエステル樹脂は取り出し後、乳鉢にて粉砕し不定形の固形物とした。
特開平05−170880の実施例を参考に撹拌機、冷却機、窒素導入管をつけた反応容器に9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン88重量部、1,2,4‐トリクロロベンゼン500重量部を仕込み、150℃に保ち、攪拌した。ついで、窒素気流下に1,4‐シクロヘキサンジカルボン酸ジクロリド52重量部を1,2,4‐トリクロロベンゼン400重量部に溶かした溶液を10分間で滴下し、滴下終了後220℃で3時間反応を行った。得られた反応液を放冷した後メタノール300mlに注ぎ、析出した沈澱物をろ過した。このろ過物を熱メタノール中で洗浄し、次いで乾燥してフルオレン構造を有するポリエステル樹脂(重量平均分子量は10000)を得た。ポリエステル樹脂は取り出し後、乳鉢にて粉砕し不定形の固形物とした。
攪拌機、冷却器、および温度計を備えた反応器にフルオレン構造を有するポリエステル樹脂(PBPEFT1)の廃樹脂を粉砕し、ペレット状にした回収品100重量部、48%水酸化ナトリウム水溶液67重量部、トルエン230重量部を仕込み、80℃で3時間反応した。反応液をGPCで分析したところ高分子量物は消失しており、99.2%が9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン及びテレフタル酸、エチレングリコールに、0.8%が2量体に分解していた。次いで、この反応液にイオン交換水400重量部、トルエン600重量部を加え、85℃で撹拌抽出、静置後、水相を分離除去しトルエン溶液を得た。このトルエン溶液をHPLCで分析したところ9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンが検出され、トルエン溶液中に目的とする9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンが回収されていることがわかった。さらに、このトルエン溶液を85℃で4回水洗して無機分を除去した後、得られたトルエン溶液を室温まで冷却し結晶を析出させた。析出した結晶を濾過・乾燥して、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンの白色結晶54重量部を得た。この白色結晶のHPLC純度は99.1%、融点161℃であった。
攪拌機、冷却器、および温度計を備えた反応器にフルオレン構造を有するポリエステル樹脂(PBPEFT2)の廃樹脂を粉砕し、ペレット状にした回収品100重量部、48%水酸化ナトリウム水溶液60重量部、キシレン300重量部を仕込み、95℃で2時間反応した。反応液をGPCで分析したところ高分子量物は消失しており、99.7%が9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、エチレングリコールに、0.3%が2量体に分解していた。次いで、90℃で反応液を静置後、水相を分離除去しキシレン溶液を得た。このキシレン溶液をHPLCで分析したところ、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンが検出され、キシレン溶液中に目的とする9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンが回収されていることがわかった。さらに、このキシレン溶液を90℃で4回水洗して無機分を除去し、得られたキシレン溶液を90℃でろ過した後、室温まで冷却し結晶を析出させた。析出した結晶を濾過・乾燥して、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン白色結晶62重量部を得た。この白色結晶のHPLC純度は99.3%、融点161℃であった。
実施例1において、48%水酸化ナトリウム水溶液97重量部を24%水酸化ナトリム水溶液150重量部に、トルエンをオクタンに、反応温度を90℃にしたこと以外は同様の操作を行い、5時間反応した。反応液をGPCで分析したところ高分子量物は消失しており、99.1%が9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン、テレフタル酸、エチレングリコールに、0.9%が2量体に分解していた。次いで、この反応液を80℃で静置後、水相を分離除去しオクタン溶液を得た。このオクタン溶液をHPLCで分析したところ9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンが検出され、オクタン溶液中に目的とする9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンが回収されていることがわかった。さらに、このオクタン溶媒を80℃で4回水洗して無機分を除去した後、得られたオクタン溶液を室温まで冷却し結晶を析出させた。析出した結晶を濾過・乾燥して、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンの白色結晶48重量部を得た。この白色結晶のHPLC純度は98.3%、融点161℃であった。
攪拌機、冷却器、および温度計を備えた反応器に合成例1で得られたポリエステル樹脂の固形物100重量部、48%水酸化ナトリム水溶液60重量部、キシレン300重量部を仕込み、100℃で2時間反応した。反応液をGPCで分析したところ高分子量物は消失しており、99.5%が9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−メチルフェニル]フルオレン、エチレングリコール、イソフタル酸に、0.3%が2量体に分解していた。次いで、反応液を80℃で静置後、水相を分離除去しキシレン溶液を得た。このキシレン溶液をHPLCで分析したところ、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−メチルフェニル]フルオレンが検出され、トルエン溶媒中に目的とする9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−メチルフェニル]フルオレンが回収されていることがわかった。さらに、このキシレン溶液を80℃で4回水洗して無機分を除去した後、得られたキシレン溶液を80℃でろ過した後、室温まで冷却し結晶を析出させた。析出した結晶を濾過・乾燥して、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−メチルフェニル]フルオレン白色結晶57重量部を得た。この白色結晶のHPLC純度は99.0%、融点206℃であった。
攪拌機、冷却器、および温度計を備えた反応器に合成例2で得られたポリエステル樹脂の固形物100重量部、48%水酸化ナトリム水溶液90重量部、トルエン600重量部を仕込み、95℃で2時間反応した。反応液をGPCで分析したところ高分子量物は消失しており、99.2%が9,9−ビス[4−ヒドロキシフェニル]フルオレン、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸に、0.8%が2量体に分解していた。次いで、反応液を85℃で静置後、水相を分離除去しトルエン溶液を得た。このトルエン溶液をHPLCで分析したところ、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−フェニルフェニル]フルオレンが検出され、トルエン溶液中に目的とする9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−フェニルフェニル]フルオレンが回収されていることがわかった。さらに、このトルエン溶液を85℃で4回水洗して無機分を除去した後、得られたトルエン溶液を85℃でろ過した後、室温まで冷却し結晶を析出させた。析出した結晶を濾過・乾燥して、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−フェニルフェニル]フルオレン白色結晶40重量部を得た。この白色結晶のHPLC純度は98.5%、融点151℃であった。
攪拌機、冷却器、および温度計を備えた反応器に合成例3で得られたポリエステル樹脂の固形物100重量部、48%水酸化ナトリウム水溶液67重量部、トルエン230重量部を仕込み、80℃で3時間反応した。反応液をGPCで分析したところ高分子量物は消失しており、99.2%が9,9−ビス(4―ヒドロキシフェニル)フルオレン及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸に、0.8%が2量体に分解していた。次いで、この反応液にイオン交換水1000重量部、トルエン600重量部を加え、85℃で撹拌抽出、静置後、水相を分離除去しトルエン溶液を得た。このトルエン溶液をHPLCで分析したところ9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンが検出され、トルエン溶液中に目的とする9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンが回収されていることがわかった。さらに、このトルエン溶液を85℃で4回水洗して無機分を除去した後、得られたトルエン溶液を室温まで冷却し結晶を析出させた。析出した結晶を濾過・乾燥して、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンの白色結晶39重量部を得た。この白色結晶のHPLC純度は99.0%、融点223℃であった。
特表平6−500589の実施例を参考に重縮合し得られたビスフェノールA(BPA)、アジピン酸(AA)、ネオペンチルグリコール(NPG)からなるポリエステル100重量部(ポリエステルの構成単位 BPA/AA/NPG=40/40/20、重量平均分子量3700)を実施例1と同じ条件下で分解した。この反応液にイオン交換水400重量部、トルエン600重量部を加え、85℃で撹拌抽出、静置後、水相を分離除去し、トルエン溶液を得た。さらに、このトルエン溶液を85℃で4回水洗して、このトルエン溶液をHPLCで分析したところ、ビスフェノールAは検出されず、トルエン溶液には回収されなかった。
実施例1で得られた9,9−ビス−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン35重量部、エチレングリコール27重量部、テレフタル酸ジメチル38重量部、酢酸カルシウム0.042重量部を攪拌機及び留出装置付の反応容器に仕込み、撹拌しながら徐々に加熱溶融し、エステル交換を行った。さらに、重合触媒である酸化ゲルマニウム 0.012重量部と、着色を防止するため、リン酸トリメチル 0.033重量部とを投入して、280℃、133Pa以下に到達するまで徐々に昇温、減圧しながらエチレングリコールを除去した。内容物を反応器から取り出し、フルオレン構造を有するポリエステル樹脂(重量平均分子量40,000、ガラス転移温度(Tg):124℃)を得た。得られたフルオレン構造を有するポリエステル樹脂は無色透明で屈折率は1.60であった。
実施例1で得られた9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン20.00重量部、ジフェニルカーボネート10.10重量部及び重合触媒としての炭酸水素ナトリウム2.2×10-5重量部を、攪拌機及び留出装置付の反応容器に仕込み、窒素雰囲気下で200℃に加熱し、20分間攪拌を行って完全溶融させた。その後、反応容器内の減圧度を27kPaに調整し、200℃で40分間、210℃で40分間、220℃で50分間攪拌した、次いで減圧度、温度を調整し、24kPa、230℃で30分間、20kPa、240℃で50分間攪拌した後、1時間かけて反応容器内の減圧度を133Pa以下とし、240℃、133Pa以下の条件下で1時間撹拌してポリカーボネート樹脂(重量平均分子量:31,000、ガラス転移温度(Tg):152℃)を得た。得られたポリカーボネート樹脂は無色透明で屈折率1.63であった。
Claims (6)
- フルオレン構造を有するポリエステル樹脂を金属水酸化物水溶液の存在下に加水分解させてビスフェノールフルオレン類を生成させ、前記加水分解により生成したビスフェノールフルオレン類を有機溶媒中に分配させた後、この有機溶媒と金属水酸化物水溶液とを分離して、ビスフェノールフルオレン類を有機溶媒中に回収することを特徴とするビスフェノールフルオレン類の回収方法。
- ビスフェノールフルオレン類を回収する有機溶媒が芳香族炭化水素および脂肪族炭化水素からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の回収方法。
- ビスフェノールフルオレン類が9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシフェニル)フルオレン類であることを特徴とする請求項1または2記載のビスフェノールフルオレン類の回収方法。
- ビスフェノールフルオレン類が9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンであることを特徴とする請求項1〜4いずれか一項に記載のビスフェノールフルオレン類の回収方法。
- ビスフェノールフルオレン類を有機溶媒中に回収した後、有機溶媒中から晶析操作によりビスフェノールフルオレン類の結晶を得ることを特徴とする請求項1〜5いずれか一項に記載のビスフェノールフルオレン類の回収方法。
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