JP6711660B2 - ポリカーボネート樹脂及びポリエステル樹脂の製造方法、並びにポリカーボネート樹脂及びポリエステル樹脂 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂及びポリエステル樹脂の製造方法、並びにポリカーボネート樹脂及びポリエステル樹脂 Download PDF

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Description

本発明は、フルオレン骨格を含む特定の構造のジオール成分を用いるポリエステル樹脂及びポリカーボネート樹脂の製造方法と、当該製造方法により製造されたポリカーボネート樹脂又はポリエステル樹脂を成形することを含む、成形品の製造方法と、フルオレン骨格を含む特定の構造のジオール成分に由来するジオキシ単位を含むポリエステル樹脂及びポリカーボネート樹脂と、当該ポリエステル樹脂及び当該ポリカーボネート樹脂の少なくとも一方を含む成形品と、当該成形品を含む光学材料と、光学レンズである当該光学材料を備える光学装置とに関する。
高屈折率性、低複屈折率性、透明性、及び加工性に優れていることから、ポリカーボネート樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリメタクリル樹脂等の樹脂が光学材料用途に、従来用いられている。
近年では、高屈折率性と低複屈折率性との両立の点で有利であることから、フルオレンの9位に2つのフェニル基を導入した、いわゆる「カルド(蝶つがい)構造」を骨格に有するフルオレン系重合体からなる光学材料用途の樹脂として注目されている。
かかるフルオレン系重合体としては、例えば、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン類に由来するジオキシ単位を含むポリカーボネート樹脂が提案されている(特許文献1を参照。)。
また、9,9−ビス(4−ヒドロキシアルコキシフェニル)フルオレンに由来するジオキシ単位を含むポリエステル樹脂が、光学材料用途に好適な樹脂として提案されている(特許文献2を参照。)。
さらに、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンに由来するジオキシ単位を含むポリカーボネート樹脂が、光学レンズ用途に好適な樹脂として提案されている(特許文献3を参照。)。
特開平06−025398号公報 特開平06−049186号公報 特許第5011450号公報
本発明は、上記の実情に鑑み、カルド構造を有し、且つ透明性の高いポリカーボネート樹脂又はポリエステル樹脂を製造する方法と、当該製造方法により製造されたポリカーボネート樹脂又はポリエステル樹脂を用いる成形品の製造方法と、カルド構造を有し、且つ透明性の高いポリカーボネート樹脂又はポリエステル樹脂と、当該ポリカーボネート樹脂又は当該ポリエステル樹脂を含む成形品と、当該成形品を含む光学材料と、当該光学材料を備える光学装置とを提供することを目的とする。
にある。
本発明者らは、フルオレン環の9位に、ベンゼン環を2個以上有する芳香族炭化水素環を含む水酸基含有基が二つ結合した特定の構造のジオール化合物を用いて、ポリカーボネート樹脂又はポリエステル樹脂を製造することにより上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は、以下のものを提供する。
本発明の第一の態様は、下式(1):
Figure 0006711660
(式中、環Y及び環Yは同一の又は異なる芳香族炭化水素環を示し、
Rは単結合、置換基を有してもよいメチレン基、置換基を有してもよく、2個の炭素原子間にヘテロ原子を含んでもよいエチレン基、−O−で示される基、−NH−で示される基、又は−S−で示される基を示し、
1a及びR1bは独立にシアノ基、ハロゲン原子、又は1価炭化水素基を示し、
n1及びn2は独立に0〜4の整数を示し、
環Z及びZは独立にベンゼン環を2個以上有する芳香族炭化水素環を示し、
及びXは独立に単結合又は−S−で示される基を示し、
1cは及びR1dは独立に単結合又は炭素原子数1〜4のアルキレン基を示し、
2a及びR2bは独立に1価炭化水素基、−OR4aで示される基、−SR4bで示される基、アシル基、又はハロゲン原子を示し、R4a及びR4bは独立に1価炭化水素基を示し、
m1及びm2は独立に0以上の整数を示す。)
で表される水酸基含有化合物の粗生成物を精製して、脱色された水酸基含有化合物の精製物を得ることと、
水酸基含有化合物の精製物を含むジオール成分と、炭酸ジエステル又はホスゲンとを重合させることと、を含む、ポリカーボネート樹脂の製造方法である。
本発明の第二の態様は、下式(1):
Figure 0006711660
(式中、環Y及び環Yは同一の又は異なる芳香族炭化水素環を示し、
Rは単結合、置換基を有してもよいメチレン基、置換基を有してもよく、2個の炭素原子間にヘテロ原子を含んでもよいエチレン基、−O−で示される基、−NH−で示される基、又は−S−で示される基を示し、
1a及びR1bは独立にシアノ基、ハロゲン原子、又は1価炭化水素基を示し、
n1及びn2は独立に0〜4の整数を示し、
環Z及びZは独立にベンゼン環を2個以上有する芳香族炭化水素環を示し、
及びXは独立に単結合又は−S−で示される基を示し、
1cは及びR1dは独立に単結合又は炭素原子数1〜4のアルキレン基を示し、
2a及びR2bは独立に1価炭化水素基、−OR4aで示される基、−SR4bで示される基、アシル基、又はハロゲン原子を示し、R4a及びR4bは独立に1価炭化水素基を示し、
m1及びm2は独立に0以上の整数を示す。)
で表される水酸基含有化合物の粗生成物を精製して、脱色された水酸基含有化合物の精製物を得ることと、
前記水酸基含有化合物の精製物を含むジオール成分と、ジカルボン酸及びジカルボン酸のエステル形成性誘導体から選択される1種以上のジカルボン酸成分とを重合させることと、を含む、ポリエステル樹脂の製造方法である。
本発明の第三の態様は、下式(2):
Figure 0006711660
(式中、環Y及び環Yは同一の又は異なる芳香族炭化水素環を示し、
Rは単結合、置換基を有してもよいメチレン基、置換基を有してもよく、2個の炭素原子間にヘテロ原子を含んでもよいエチレン基、−O−で示される基、−NH−で示される基、又は−S−で示される基を示し、
1a及びR1bは独立にシアノ基、ハロゲン原子、又は1価炭化水素基を示し、
n1及びn2は独立に0〜4の整数を示し、
環Z及びZは独立にベンゼン環を2個以上有する芳香族炭化水素環を示し、
及びXは独立に単結合又は−S−で示される基を示し、
1cは及びR1dは独立に単結合又は炭素原子数1〜4のアルキレン基を示し、
2a及びR2bは独立に1価炭化水素基、−OR4aで示される基、−SR4bで示される基、アシル基、又はハロゲン原子を示し、R4a及びR4bは独立に1価炭化水素基を示し、
m1及びm2は独立に0以上の整数を示す。)
で表される単位を含む、ポリカーボネート樹脂、又はポリエステル樹脂。
本発明の第四の態様は、第三の態様にかかるポリカーボネート樹脂、及びポリエステル樹脂の少なくともいずれかを含む成形品である。
本発明の第五の態様は、第四の態様にかかる成形品を含む光学材料である。
本発明の第六の態様は、光学レンズである第五の態様にかかる光学材料を備える光学装置である。
本発明の第七の態様は、第一の態様又は第二の態様にかかる方法により製造されたポリカーボネート樹脂又はポリエステル樹脂を成形することを含む、成形品の製造方法である。
本発明によれば、フルオレン骨格等の縮合多環式の中心骨格を有するジオキシ単位を含み、且つ透明性の高いポリカーボネート樹脂又はポリエステル樹脂を製造する方法と、当該製造方法により製造されたポリカーボネート樹脂又はポリエステル樹脂を用いる成形品の製造方法と、カルド構造を有し、且つ透明性の高いポリカーボネート樹脂又はポリエステル樹脂と、当該ポリカーボネート樹脂又は当該ポリエステル樹脂を含む成形品と、当該成形品を含む光学材料と、当該光学材料を備える光学装置とを提供することができる。
≪ポリカーボネート樹脂の製造方法≫
ポリカーボネート樹脂の製造方法は、下式(1):
Figure 0006711660
(式中、環Y及び環Yは同一の又は異なる芳香族炭化水素環を示し、
Rは単結合、置換基を有してもよいメチレン基、置換基を有してもよく、2個の炭素原子間にヘテロ原子を含んでもよいエチレン基、−O−で示される基、−NH−で示される基、又は−S−で示される基を示し、
1a及びR1bは独立にシアノ基、ハロゲン原子、又は1価炭化水素基を示し、
n1及びn2は独立に0〜4の整数を示し、
環Z及びZは独立にベンゼン環を2個以上有する芳香族炭化水素環を示し、
及びXは独立に単結合又は−S−で示される基を示し、
1cは及びR1dは独立に単結合又は炭素原子数1〜4のアルキレン基を示し、
2a及びR2bは独立に1価炭化水素基、−OR4aで示される基、−SR4bで示される基、アシル基、又はハロゲン原子を示し、R4a及びR4bは独立に1価炭化水素基を示し、
m1及びm2は独立に0以上の整数を示す。)
で表される水酸基含有化合物の粗生成物を精製して、脱色された水酸基含有化合物の精製物を得ることと、
水酸基含有化合物の精製物を含むジオール成分と、炭酸ジエステル又はホスゲンとを重合させることと、を含む。
式(1)で表される水酸基含有化合物の粗生成物は、例えば、後述する製造方法により合成することができる。しかしながら、得られる粗生成物は、種々の影響により、通常着色されている。
中でも、複数の結晶多形体の存在が、組成生物の着色に大きく影響していると考えられる場合は、特に組成物の着色に大きく影響していると推測される一部の結晶多形体をあらかじめ取り除いておくことが好ましい。なお、特に組成物の着色に大きく影響していると推測される一部の結晶多形体をあらかじめ取り除く工程について、本明細書において、除去工程ということがある。
また、粗生成物における結晶多形体が、除去工程を特段必要としない(特に組成物の着色に大きく影響していると推測される一部の結晶多形体ではない)結晶多形体のみからなる場合でも、透明性の高いポリカーボネート樹脂又はポリエステル樹脂を製造するにあたり、除去工程とは別の脱色処理が必要となる。本明細書において、当該脱色処理を、脱色工程ということがある。
「特に組成物の着色に大きく影響していると推測される一部の結晶多形体」の例としては、式(1)で表される水酸基含有化合物が、例えば、6,6−(9−フルオレニリデン)−2,2−ジナフトールである場合、α晶、β晶、及びγ晶の結晶多形体が存在し、γ晶が特に組成物の着色に大きく影響していると推測される一部の結晶多形体となるため、γ晶を後述の方法により除去しておくことが好ましい。
また、適切な合成手法を選択することによって、式(1)で表され、結晶多形体がα晶及び/又はβ晶からなり、実質的にγ晶を含まない水酸基含有化合物を合成したうえで、これを用いてもよい。結晶多形体が実質的にγ晶を含まない式(1)で表される水酸基含有化合物を用いる場合、除去工程及び脱色工程のうち、脱色工程を行うだけでもよい。
このため、式(1)で表される水酸基含有化合物を用いて、透明性に優れる樹脂材料を製造するためには、式(1)で表される水酸基含有化合物の粗成生物に対する除去工程及び/又は脱色工程が必要である。
以下、式(1)で表される水酸基含有化合物の粗生成物を精製して、脱色された水酸基含有化合物の精製物を得る工程について、上記の定義にもとづき「除去工程」及び/又は「脱色工程」とも記し、
水酸基含有化合物の精製物を含むジオール成分と、炭酸ジエステル又はホスゲンとを重合させる工程を「ポリカーボネート樹脂生成工程」とも記す。
以下、ポリカーボネート樹脂の製造方法について、詳細に説明する。
<式(1)で表される水酸基含有化合物>
まず、式(1)で表される水酸基含有化合物について詳細に説明する。
式(1)において、環Z及び環Zは独立にベンゼン環を2個以上有する芳香族炭化水素基である。ベンゼン環を2個以上有する芳香族炭化水素基に含まれるベンゼン環の数の上限は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。
ベンゼン環を2個以上有する芳香族炭化水素基としては、縮合二環式炭化水素環(例えば、ナフタレン環等のC8−20縮合二環式炭化水素環、好ましくはC10−16縮合二環式炭化水素環)、縮合三環式芳香族炭化水素環(例えば、アントラセン環、フェナントレン環等)等の縮合2乃至4環式芳香族炭化水素環が挙げられる。
環Z及び環Zは、ベンゼン環又はナフタレン環であるのが好ましく、ナフタレン環であるのがより好ましい。
環Z及び環Zが、それぞれ−X−及び−X−で表される、単結合又は2価基と結合する場合に、環Z及び環Z上の結合位置は特に限定されない。
例えば、環Z及び環Zがナフタレン環の場合、環Z及び環Z上の結合位置は、1位(α位)であっても2位(β位)であってもよい。
及びXは、独立に単結合又は−S−で示される基を示し、典型的には単結合である。
1c及びR1dとしては、例えば、単結合;メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、ブタン−1,2−ジイル基等の炭素原子数1〜4のアルキレン基が挙げられ、単結合;C2−4アルキレン基(特に、エチレン基、プロピレン基等のC2−3アルキレン基)が好ましく、単結合がより好ましい。
2a及びR2bとしては、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等のC1−12アルキル基、好ましくはC1−8アルキル基、より好ましくはC1−6アルキル基等)、シクロアルキル基(シクロへキシル基等のC5−10シクロアルキル基、好ましくはC5−8シクロアルキル基、より好ましくはC5−6シクロアルキル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のC6−14アリール基、好ましくはC6−10アリール基、より好ましくはC6−8アリール基等)、アラルキル基(ベンジル基、フェネチル基等のC6−10アリール−C1−4アルキル基等)等の1価炭化水素基;アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のC1−12アルコキシ基、好ましくはC1−8アルコキシ基、より好ましくはC1−6アルコキシ基等)、シクロアルコキシ基(シクロへキシルオキシ基等のC5−10シクロアルコキシ基等)、アリールオキシ基(フェノキシ基等のC6−10アリールオキシ基)、アラルキルオキシ基(例えば、ベンジルオキシ基等のC6−10アリール−C1−4アルキルオキシ基)等の−OR4aで示される基[式中、R4aは1価炭化水素基(上記例示の1価炭化水素基等)を示す。];アルキルチオ基(メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基等のC1−12アルキルチオ基、好ましくはC1−8アルキルチオ基、より好ましくはC1−6アルキルチオ基等)、シクロアルキルチオ基(シクロへキシルチオ基等のC5−10シクロアルキルチオ基等)、アリールチオ基(フェニルチオ基等のC6−10アリールチオ基)、アラルキルチオ基(例えば、ベンジルチオ基等のC6−10アリール−C1−4アルキルチオ基)等の−SR4bで示される基[式中、R4bは1価炭化水素基(上記例示の1価炭化水素基等)を示す。];アシル基(アセチル基等のC1−6アシル基等);ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)等が挙げられる。
好ましいR2a及びR2bとしては、1価炭化水素基[例えば、アルキル基(例えば、C1−6アルキル基)、シクロアルキル基(例えば、C5−8シクロアルキル基)、アリール基(例えば、C6−10アリール基)、アラルキル基(例えば、C6−8アリール−C1−2アルキル基)等]、アルコキシ基(C1−4アルコキシ基等)等が挙げられる。特に、R2a及びR2bは、アルキル基[C1−4アルキル基(特にメチル基)等]、アリール基[例えば、C6−10アリール基(特にフェニル基)等]等の1価炭化水素基(特に、アルキル基)であるのが好ましい。
なお、m1及びm2が2以上の整数である場合、それぞれ複数のR2a及びR2bは、異なっていてもよく、同一であってもよい。
2aの数m1と、R2bの数m2とは、環Z及びZの種類に応じて選択でき、例えば、0〜4、好ましくは0〜3、より好ましくは0〜2であってもよい。
環Y及び環Yとしては、例えば、ベンゼン環、縮合多環式芳香族炭化水素環[例えば、縮合二環式炭化水素環(例えば、ナフタレン環等のC8−20縮合二環式炭化水素環、好ましくはC10−16縮合二環式炭化水素環)、縮合三環式芳香族炭化水素環(例えば、アントラセン環、フェナントレン環等)等の縮合2乃至4環式芳香族炭化水素環]等が挙げられる。環Y及び環Yは、ベンゼン環又はナフタレン環であるのが好ましい。なお、環Y及び環Yは、同一でも異なっていてもよく、例えば、一方の環がベンゼン環、他方の環がナフタレン環等であってもよい。
Rは、単結合、置換基を有してもよいメチレン基、置換基を有してもよく、2個の炭素原子間にヘテロ原子を含んでもよいエチレン基、−O−で示される基、−NH−で示される基、又は−S−で示される基を示し、典型的には単結合である。ここで、置換基としては、例えば、シアノ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、1価炭化水素基[例えば、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基等のC1−6アルキル基)、アリール基(フェニル基等のC6−10アリール基)等]等が挙げられ、ヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、窒素原子、イオウ原子、珪素原子等が挙げられる。
1a及びR1bとしては、通常、非反応性置換基、例えば、シアノ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、1価炭化水素基[例えば、アルキル基、アリール基(フェニル基等のC6−10アリール基)等]等が挙げられ、シアノ基又はアルキル基であることが好ましく、アルキル基であることが特に好ましい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基等のC1−6アルキル基(例えば、C1−4アルキル基、特にメチル基)等が例示できる。
n1及びn2が2以上の整数である場合、それぞれ複数のR1a及びR1bは、異なっていてもよく、同一であってもよい。
環Y及び環Yに対するR1a及びR1bの結合位置(置換位置)は、特に限定されない。好ましい置換数n1及びn2は、0又は1、特に0である。なお、n1及びn2は、互いに同一でも異なっていてもよい。
式(1)で表される水酸基含有化合物を含む粗生成物は、例えば、酸触媒の存在下、下式(10)で表される化合物及び/又は下記式(11)で表される化合物を、下記式(112)で表される化合物と反応させることにより、合成することができる。
適宜、下式(10)で表される化合物及び下式(11)で表される化合物の組み合わせ方や添加量等を調整することにより、上記式(1)で表される所望の水酸基含有化合物を含む粗生成物を得ることができる。
なお、式(10)及び(11)において、Rの定義は式(1)におけるR1c及びR1dの定義と同様であり、Rの定義は式(1)におけるR2a及びR2bの定義と同様であり、mの定義は式(1)におけるm1及びm2の定義と同様であり、Zの定義は式(1)におけるZ及びZの定義と同様である。
式(12)における、R1a、R1b、n、n、Y、Y、及びRは、式(1)と同様である。
Figure 0006711660
式(1)で表される水酸基含有化合物を含む粗生成物の合成に用いられる酸触媒、反応条件等としては、例えば、特許文献1又は特開2002−255929号公報において、特許請求の範囲に記載されたフルオレン系化合物の製造方法に用いることができると記載されているものが挙げられる。
式(1)で表される水酸基含有化合物の好適な例としては、以下の化合物が挙げられる。
Figure 0006711660
<除去工程>
除去工程では、式(1)で表される水酸基含有化合物の粗生成物を精製して、着色の程度を軽減させた水酸基含有化合物の準精製物を取得する。
精製方法は特に限定されない。精製方法の具体例としては、真空下での蒸留、昇華精製、有機溶剤溶液からの再結晶、及び有機溶剤での洗浄等が挙げられる。
精製時の着色低減効果(脱色効果)の点から、上記の精製方法の中では、有機溶剤溶液からの再結晶、有機溶剤での洗浄による処理が好ましい。
なお、有機溶剤溶液からの再結晶を行う場合、有機溶剤溶液を濃縮して水酸基含有化合物の準精製物を析出させてもよく、加熱された有機溶剤溶液を冷却して水酸基含有化合物の準精製物を析出させてもよく、有機溶剤溶液に水等の貧溶媒を加えて水酸基含有化合物の準精製物を析出させてもよい。
また、過飽和状態の有機溶剤溶液を調製した後、当該過飽和状態の有機溶剤溶液を静置又は流動させた状態で水酸基含有化合物の準精製物を析出させてもよい。
これらの方法で用いられる有機溶剤としては、着色低減効果(脱色効果)の点でアルコールが好ましい。アルコールの種類は、所望する精製効果が得られる限り特に限定されない。好ましいアルコールとしては炭素原子数1〜4のアルコールが挙げられ、炭素原子数1〜3のアルコールがより好ましく、炭素原子数1又は2のアルコールが特に好ましい。
かかるアルコールは、1価アルコールでも2価以上の多価アルコールでもよく、1価アルコールが好ましい。
好適なアルコールの具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等が挙げられ、中でも、エタノールが好ましい。
アルコール等の有機溶剤の使用量は、典型的には、式(1)で表される水酸基含有化合物の粗生成物100質量部に対して、50〜3000質量部である。
<脱色工程>
脱色工程では、着色原因物質である結晶多形体を実質的に含まない式(1)で表される水酸基含有化合物の粗生成物か、前記除去工程で得られる準精製物を精製して、脱色された水酸基含有化合物の精製物を取得する。
精製方法は特に限定されない。精製方法の具体例としては、有機溶剤中での吸着剤による処理等が挙げられる。
有機溶剤中での吸着剤による処理を行う場合、式(1)で表される水酸基含有化合物の粗生成物(又は準精製物)の懸濁液に対して吸着剤を加えても、溶液に対して吸着剤を加えてもよく、溶液に対して吸着剤を加えるのが好ましい。
懸濁液中で吸着剤による処理を行う場合、処理後、加熱、又は有機溶剤の追加により、式(1)で表される水酸基含有化合物(又は準精製物)を溶解させる。
吸着剤による処理後、式(1)で表される水酸基含有化合物の有機溶剤溶液と、吸着剤とを分離した後、有機溶剤溶液から精製された水酸基含有化合物を析出させ、これを回収する。水酸基含有化合物を析出させる方法は、再結晶について説明した方法と同様である。有機溶剤溶液に含まれる有機溶剤は、特に限定されないが、除去工程で挙げたものと同様、アルコールが好適に挙げられる。
吸着剤としては、従来から種々の化合物の精製に使用されている固体状の吸着剤を特に制限なく使用できる。吸着剤の好適な例としては、活性炭、活性白土、珪藻土等が挙げられ、活性炭が好ましい。吸着剤の使用量は特に限定されず、式(1)で表される水酸基含有化合物の粗生成物(又は準精製物)100質量部に対して、0.01〜200質量部が好ましく、0.1〜100質量部がより好ましく、0.2〜50質量部が特に好ましく、0.5〜30質量部が最も好ましい。
<ポリカーボネート樹脂生成工程>
ポリカーボネート樹脂生成工程では、上記の除去工程及び/又は脱色工程を経て得られた精製された式(1)で表される水酸基含有化合物の生成物を含むジオール成分と、炭酸ジエステル又はホスゲンとを重合させて、ポリカーボネート樹脂を生成させる。
重合反応は、重合触媒の存在下又は非存在下に重合反応を行う、慣用の方法に従って行うことができる。
ポリカーボネート樹脂生成工程により得られるポリカーボネート樹脂は、通常、下式(2)で表されるジオキシ単位を含有するジオキシ単位と、カルボニル単位(−CO−)とから構成される。ジオキシ単位の両端には、カルボニル単位が結合する。
Figure 0006711660
(式(2)中の各略号は、式(1)と同様である。)
ジオール成分は、式(1)で表される水酸基含有化合物を、1種のみ含んでいてもよいし、2種以上組み合わせて含んでいてもよい。
また、ジオール成分は、式(1)で表される水酸基含有化合物以外のジオール化合物を含んでいてもよい。
ジオール成分における、式(1)で表わされる水酸基含有化合物と、その他のジオール化合物との含有比率(モル比)は、例えば、〔一般式(I)で表わされる水酸基化合物〕/〔その他のジオール成分〕=100/0〜40/60であり、好ましくは100/0〜50/50、より好ましくは100/0〜60/40、さらに好ましくは100/0〜70/30(例えば、100/0〜80/20又は100/0〜90/10)である。
その他のジオール化合物としては、例えば、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−アルキル置換フェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−ヒドロキシ−アルキル置換フェニル)フルオレン、9,9−ビス(2−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(2−ヒドロキシ−アルキル置換フェニル)フルオレン、及びそれらのアルキレンオキサイド(例:炭素数2〜6のアルキレンオキサイド)付加体等のフルオレン系ジオール化合物;エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、テトラメチレングリコール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、オクタンジオール、デカンジオールに代表される炭素原子数2〜12の直鎖状又は分岐状アルキレングリコール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコールに代表されるジ−、トリ−又はテトラ−アルキレングリコール;1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン及びそのアルキレンオキサイド付加体等の脂環族ジオール;ビフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、ビスフェノールAD、ビスフェノールF及びそれらのアルキレンオキサイド(例:炭素数2〜6のアルキレンオキサイド)付加体、キシリレングリコール等の芳香族ジオールが挙げられる。
必要に応じて、ジオール成分に加えて、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトールのような3官能以上のポリオール成分を少量併用してもよい。
炭酸ジエステルとしては、例えばジフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−n−ブチルカーボネート、エチレンカーボネート、1,2−プロピレンカーボネート、及び1,3−プロピレンカーボネート等を用いることができる。炭酸ジエステルは、単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
重合触媒としては、例えば、アルカリ金属〔リチウム、ナトリウム、カリウム等〕、アルカリ土類金属〔マグネシウム、カルシウム、バリウム等〕、遷移金属〔亜鉛、アルミニウム、ゲルマニウム、スズ、鉛、アンチモン、チタン、マンガン、コバルト、ランセリウム等〕の金属化合物が挙げられる。金属化合物としては、水酸化物、アルコラート、有機酸塩〔酢酸塩、プロピオン酸塩等〕、無機酸塩〔ホウ酸塩、炭酸塩等〕、酸化物等が挙げられる。重合触媒は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
ポリカーボネート樹脂の分子量は特に制限されず、例えば、質量平均分子量(ポリスチレン換算)で5,000〜500,000程度であり、好ましくは10,000〜100,000程度である。
以上説明した工程を経て得られるポリカーボネート樹脂は、上記式(2)で表されるジオキシ単位を含むため、透明性に優れる。例えば、式(2)で表されるジオキシ単位を含むポリカーボネート樹脂は、厚さ100μmの試料を用いて測定される波長400nmの光線の透過率が93%以上であるのが好ましく、95%以上であるのがより好ましい。
≪ポリエステル樹脂の製造方法≫
ポリエステル樹脂の製造方法は、前述の式(1)で表される水酸基含有化合物の粗生成物を精製して、脱色された水酸基含有化合物の精製物を得ることと、
水酸基含有化合物の精製物を含むジオール成分と、ジカルボン酸及びジカルボン酸のエステル形成性誘導体から選択される1種以上のジカルボン酸成分とを重合させることと、を含む。
以下、式(1)で表される水酸基含有化合物の粗生成物を精製して、脱色された水酸基含有化合物の精製物を得る工程について、ポリカーボネート樹脂の製造方法について説明した定義に従って「除去工程」及び/又は「脱色工程」とも記し、
水酸基含有化合物の精製物を含むジオール成分と、ジカルボン酸及びジカルボン酸のエステル形成性誘導体から選択される1種以上のジカルボン酸成分とを重合させる工程を「ポリエステル樹脂生成工程」とも記す。
以下、ポリエステル樹脂の製造方法について、詳細に説明する。
<式(1)で表される水酸基含有化合物>
式(1)で表される水酸基含有化合物については、ポリカーボネート樹脂の製造方法について説明した通りである。
<除去工程及び/又は脱触工程>
除去工程及び/又は脱色工程については、ポリカーボネート樹脂の製造方法について説明した通りである。
<ポリエステル樹脂生成工程>
ポリエステル樹脂生成工程では、脱色工程で得られた式(1)で表される水酸基含有化合物の生成物を含むジオール成分と、ジカルボン酸及びジカルボン酸のエステル形成性誘導体から選択される1種以上のジカルボン酸成分とを重合させて、ポリエステル樹脂を生成させる。
重合反応は、重合触媒の存在下又は非存在下に重合反応を行う、慣用の方法に従って行うことができる。
ポリエステル樹脂生成工程により得られるポリエステル樹脂は、通常、下式(2)で表されるジオキシ単位を含有するジオキシ単位と、ジカルボン酸成分に由来するジカルボニル単位とから構成される。ジオキシ単位の両端には、ジカルボニル単位が結合する。
Figure 0006711660
(式(2)中の各略号は、式(1)と同様である。)
ジオール成分は、式(1)で表される水酸基含有化合物を、1種のみ含んでいてもよいし、2種以上組み合わせて含んでいてもよい。
また、ジオール成分は、式(1)で表される水酸基含有化合物以外のジオール化合物を含んでいてもよい。
ジオール成分における、式(1)で表わされる水酸基含有化合物と、その他のジオール化合物との含有比率(モル比)は、ポリカーボネート樹脂の製造方法について説明した比率と同様である。
その他のジオール化合物の具体例も、ポリカーボネート樹脂の製造方法について説明した具体例と同様である。
必要に応じて、ジオール成分に加えて、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトールのような3官能以上のポリオール成分を少量併用してもよい。
ジカルボン酸成分としては、脂肪族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸、芳香族ジカル
ボン酸及びそれらのエステル形成可能な誘導体(例えば、酸無水物、酸塩化物、C−C低級アルキルエステル等)が挙げられる。ジカルボン酸成分は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
脂肪族ジカルボン酸の具体例としては、飽和脂肪族ジカルボン酸〔例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、ヘキサデカンジカルボン酸等〕;不飽和脂肪族ジカルボン酸〔例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸等〕;及び、それらのエステル形成可能な誘導体が挙げられる。
脂環族ジカルボン酸の具体例としては、飽和脂環族ジカルボン酸〔例えば、シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘプタンジカルボン酸等〕;不飽和脂環族ジカルボン酸〔例えば、1,2−シクロヘキセンジカルボン酸、1,3−シクロヘキセンジカルボン酸等〕;多環式アルカンジカルボン酸〔例えば、ボルナンジカルボン酸、ノルボルナンジカルボン酸、アダマンタンジカルボン酸等〕;多環式アルケンジカルボン酸〔例えば、ボルネンジカルボン酸、ノルボルネンジカルボン酸等〕;及び、それらのエステル形成可能な誘導体が挙げられる。
芳香族ジカルボン酸の具体例としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸(2,6−ナフタレンジカルボン酸等)、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸、4,4’−ジフェニルメタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルケトンジカルボン酸、及び、それらのエステル形成可能な誘導体を含む。
必要に応じて、ジカルボン酸成分に加えて、トリメリット酸、ピロメリット酸のような3官能以上のカルボン酸成分を併用してもよい。
重合触媒としては、ポリカーボネート樹脂について記載したものと同様のものを用いることができる。
ポリエステル樹脂の分子量は特に制限されず、例えば、重量平均分子量(ポリスチレン換算)で5,000〜500,000程度であり、好ましくは10,000〜100,000程度である。
以上説明した工程を経て得られるポリエステル樹脂は、上記式(2)で表されるジオキシ単位を含むため、透明性に優れる。例えば、式(2)で表されるジオキシ単位を含むポリエステル樹脂は、厚さ100μmの試料を用いて測定される波長400nmの光線の透過率が93%以上であるのが好ましく、95%以上であるのがより好ましい。
≪樹脂組成物≫
前述の式(2)で表されるジオキシ単位を含むポリカーボネート樹脂又はポリエステル樹脂は、他の成分を含む樹脂組成物として使用されてもよい。
また、式(2)で表されるジオキシ単位を含むポリカーボネート樹脂と、式(2)で表されるジオキシ単位を含むポリエステル樹脂とを混合して用いてもよい。
さらに、樹脂組成物は、他の成分として、式(2)で表されるジオキシ単位を含むポリカーボネート樹脂又はポリエステル樹脂以外の他の樹脂を含んでいてもよい。
他の樹脂の種類は、特に限定されず、樹脂組成物の用途に応じて適宜選択される。樹脂組成物を光学材料用途に用いる場合、他の樹脂としては透明な樹脂が選択される。
樹脂組成物は、他の成分として、種々の添加剤を含んでいてもよい。当該添加剤の例としては、可塑剤、滑剤、安定剤〔酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤等〕、離型剤、帯電防止剤、充填剤、難燃剤、難燃助剤、着色剤、分散剤、流動性調整剤、レベリング剤、消泡剤等が挙げられる。添加剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
≪成形品≫
以上説明した、式(2)で表されるジオキシ単位を含むポリカーボネート樹脂又はポリエステル樹脂や、これらの樹脂を含む樹脂組成物を用いて、種々の成形品が製造される。
成形品の製造に使用される式(2)で表されるジオキシ単位を含むポリカーボネート樹脂又はポリエステル樹脂の製造方法は特に限定されないが、成形品の透明性、色相の点から、前述の方法が好ましい。
成形品の製造方法は特に限定されず、従熱可塑性樹脂の成形方法として従来知られている種々の方法から適宜選択できる。
好適な成形方法としては、射出成形、射出圧縮成形、押出成形、トランスファー成形、ブロー成形、加圧成形、キャスティング成形等が挙げられる。
成形品の用途は特に限定されない。前述の通り、式(2)で表されるジオキシ単位を含むポリカーボネート樹脂又はポリエステル樹脂は透明性に優れるため、式(2)で表されるジオキシ単位を含むポリカーボネート樹脂又はポリエステル樹脂を含む成形品は、光学材料として好適に使用される。
かかる光学材料としては、レンズ、光学フィルム、及び光学シートが好ましい。これらの光学材料は、例えば、積層構造のレンズ、積層フィルム、積層シートのように複数の成形品の組み合わせである場合がある。この場合、複数の成形品のうちの少なくとも一つが、式(2)で表されるジオキシ単位を含むポリカーボネート樹脂又はポリエステル樹脂を含んでいればよい。
式(2)で表されるジオキシ単位を含むポリカーボネート樹脂又はポリエステル樹脂は、式(2)で表されるジオキシ単位の構造の影響により、屈折率も低い。
このため、光学材料としては光学レンズが好ましい。
光学材料の表面には、必要に応じて、反射防止層又はハードコート層等のコート層が設けられてもよい。反射防止層は、単層でも多層でもよい。反射防止層の材質は、有機材料でも無機材料でもよく無機材料が好ましい。反射防止層の材質の好ましい例としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタニウム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、及びフッ化マグネシウム等が挙げられる。
光学材料が光学レンズである場合、当該光学レンズは、従来から知られるレンズを備える種々の光学装置に適用可能である。好ましい光学装置としては、望遠鏡、双眼鏡、テレビプロジェクター等の、従来、高価な高屈折率ガラスレンズが使用されている光学装置が挙げられる。光学レンズとしては、非球面レンズが好ましい。
光学材料が光学フィルムである場合、当該光学フィルムは、従来から知られる光学フィルムを備える種々の装置に適用可能である。当該光学フィルムは、例えば、ディスプレイ用基板用フィルム、光メモリーカード用フィルムとして好適に使用される。
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は、これらの実施例に限定されるものではない。
〔合成例1〕
(6,6−(9−フルオレニリデン)−ジ(2−ナフトール)(α晶)の合成)
撹拌器、冷却器、及び温度計を備えた容量1Lのガラス容器に、純度99%のフルオレノン28.8gと、β−ナフトール69.2gと、β−メルカプトプロピオン酸0.43mlと、1,4−ジオキサン40.0gとを仕込んだ。
次いで、ガラス容器内に98%硫酸22.4mlを加えた後、容器の内温を60℃まで上げ、同温度で60℃で6時間撹拌することにより反応を行った。
HPLCで確認した結果、フルオレノンの残存量は仕込み量に対して0.1質量%以下であった。
得られた反応液に、1,4−ジオキサン13.3g、o−キシレン200g、及び水53.3gを加えた後、さらに、濃度5質量%の炭酸ナトリウム水溶液53.3gを加えた。次いで、中和された水層を除去した。有機層を80℃に加温した後に、水80gで3回洗浄した。
洗浄された有機層を減圧濃縮し、o−キシレンを除去した。濃縮された有機層にトルエンを加えた後、60℃で1時間撹拌した。次いで、トルエン溶液を、1時間かけて10℃まで冷却して、生成物を再結晶させた。析出した結晶をろ取し、85℃で24時間乾燥することにより、目的生成物である6,6−(9−フルオレニリデン)−ジ(2−ナフトール)の結晶多形体(α晶)を43.0g、収率59.7%で得た。加熱残分は99.8%であった。
〔実施例1〕
合成例1で得られた6,6−(9−フルオレニリデン)−2,2−ジナフトールの粗生成物(α晶)の着色粉末(10g)をエタノールに溶解した後、活性炭で脱色した。
エタノールから活性炭をろ取した後、水を加えてα晶を再沈殿させ脱色された6,6−(9−フルオレニリデン)−2,2−ジナフトールのα晶を得た。なお、得られたα晶は目視にて、明らかに粗生成物よりも着色が少ないと認められた。
上記方法により得られた、6,6−(9−フルオレニリデン)−2,2−ジナフトールの白色粉末(α晶)20.55質量部と、ジフェニルカーボネート10.10質量部と、重合触媒としての炭酸水素ナトリウム2.2×10−5質量部とを、撹拌機及び留出装置を備える反応容器に仕込んだ。
次いで、反応容器内の雰囲気を窒素雰囲気に置換した後、反応容器の内温を200℃に上げ、同温度で20分間撹拌を行って、反応基容器の内容物を完全に溶融させた。
その後、反応容器内の減圧度を27kPaに調整し、200℃、27kPaの条件下で40分間撹拌した。次に、60℃/hrの速度で210℃まで昇温を行い、同温度で30分間撹拌した。引き続き、60℃/hrの速度で220℃まで昇温を行い、同温度で40分間撹拌した。次いで、反応容器内の減圧度を24kPaに調整した後、60℃/hrの速度で230℃まで昇温を行い、同温度で20分間撹拌した。次に、反応容器内の減圧度を20kPaに調整した後、60℃/hrの速度で240℃まで昇温を行い、同温度で40分間撹拌した。最後に、1時間かけて反応容器内の減圧度を133Pa以下とし、240℃、133Pa以下の条件下で1時間撹拌し、反応終了とした。その後、反応容器内に窒素を吹き込みながら生成したポリカーボネート樹脂1を取り出した。
光源波長633nm、温度20℃で測定した、ポリカーボネート樹脂1の屈折率は1.78であった。厚さ100μmのフィルム状に成形された試料を用いて測定された、ポリカーボネート樹脂1の波長400nmの光線の透過率は95%以上であった。
〔比較例1〕
6,6−(9−フルオレニリデン)−2,2−ジナフトールの白色粉末(α晶)を、合成例1で得られた6,6−(9−フルオレニリデン)−2,2−ジナフトールの粗生成物(α晶)に変えることの他は、実施例1と同様にして、ポリカーボネート樹脂2を得た。
光源波長633nm、温度20℃で測定した、ポリカーボネート樹脂2の屈折率は1.78であった。厚さ100μmのフィルム状に成形された試料を用いて測定された、ポリカーボネート樹脂2の波長400nmの光線の透過率は91%以下であった。
脱色工程を経ていない、6,6−(9−フルオレニリデン)−2,2−ジナフトールを用いて重合を行ったため、得られたポリカーボネート樹脂2の透明性は低かった。
〔比較例2〕
6,6−(9−フルオレニリデン)−2,2−ジナフトールの白色粉末(α晶)20.55質量部を、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンの白色結晶20.00質量部に変えることの他は、実施例1と同様にして、ポリカーボネート樹脂3を得た。
光源波長633nm、温度20℃で測定した、ポリカーボネート樹脂3の屈折率は1.62であった。厚さ100μmのフィルム状に成形された試料を用いて測定された、ポリカーボネート樹脂3の波長400nmの光線の透過率は91%以下であった。
式(1)におけるZ及びZが、ベンゼン環を1個しか有さない基であるジオール化合物を用いて重合を行う場合、透明性の高いポリカーボネート樹脂を得にくいことが分かる。

Claims (9)

  1. 下式(1):
    Figure 0006711660
    (式中、環Y及び環Yは同一の又は異なる芳香族炭化水素環を示し、
    Rは単結合、置換基を有してもよいメチレン基、置換基を有してもよく、2個の炭素原子間にヘテロ原子を含んでもよいエチレン基、−O−で示される基、−NH−で示される基、又は−S−で示される基を示し、
    1a及びR1bは独立にシアノ基、ハロゲン原子、又は1価炭化水素基を示し、
    n1及びn2は独立に0〜4の整数を示し、
    環Z及びZは独立にベンゼン環を2個以上有する芳香族炭化水素環を示し、
    及びX は独立に単結合又は−S−で示される基を示し、
    1c びR1dは独立に単結合又は炭素原子数1〜4のアルキレン基を示し、
    2a及びR2bは独立に1価炭化水素基、−OR4aで示される基、−SR4bで示される基、アシル基、又はハロゲン原子を示し、R4a及びR4bは独立に1価炭化水素基を示し、
    m1及びm2は独立に0以上の整数を示す。)
    で表される水酸基含有化合物の粗生成物を精製して、脱色された前記水酸基含有化合物の精製物を得ることと、
    前記水酸基含有化合物の精製物を含むジオール成分と、炭酸ジエステル又はホスゲンとを重合させることと、を含む、ポリカーボネート樹脂の製造方法。
  2. 下式(1):
    Figure 0006711660
    (式中、環Y及び環Yは同一の又は異なる芳香族炭化水素環を示し、
    Rは単結合、置換基を有してもよいメチレン基、置換基を有してもよく、2個の炭素原子間にヘテロ原子を含んでもよいエチレン基、−O−で示される基、−NH−で示される基、又は−S−で示される基を示し、
    1a及びR1bは独立にシアノ基、ハロゲン原子、又は1価炭化水素基を示し、
    n1及びn2は独立に0〜4の整数を示し、
    環Z及びZは独立にベンゼン環を2個以上有する芳香族炭化水素環を示し、
    及びX は独立に単結合又は−S−で示される基を示し、
    1c びR1dは独立に単結合又は炭素原子数1〜4のアルキレン基を示し、
    2a及びR2bは独立に1価炭化水素基、−OR4aで示される基、−SR4bで示される基、アシル基、又はハロゲン原子を示し、R4a及びR4bは独立に1価炭化水素基を示し、
    m1及びm2は独立に0以上の整数を示す。)
    で表される水酸基含有化合物の粗生成物を精製して、脱色された前記水酸基含有化合物の精製物を得ることと、
    前記水酸基含有化合物の精製物を含むジオール成分と、ジカルボン酸及び前記ジカルボン酸のエステル形成性誘導体から選択される1種以上のジカルボン酸成分とを重合させることと、を含む、ポリエステル樹脂の製造方法。
  3. 下式(2):
    Figure 0006711660
    (式中、環Y及び環Yは同一の又は異なる芳香族炭化水素環を示し、
    Rは単結合、置換基を有してもよいメチレン基、置換基を有してもよく、2個の炭素原子間にヘテロ原子を含んでもよいエチレン基、−O−で示される基、−NH−で示される基、又は−S−で示される基を示し、
    1a及びR1bは独立にシアノ基、ハロゲン原子、又は1価炭化水素基を示し、
    n1及びn2は独立に0〜4の整数を示し、
    環Z及びZは独立にベンゼン環を2個以上有する芳香族炭化水素環を示し、
    及びX は独立に単結合又は−S−で示される基を示し、
    1c びR1dは独立に単結合又は炭素原子数1〜4のアルキレン基を示し、
    2a及びR2bは独立に1価炭化水素基、−OR4aで示される基、−SR4bで示される基、アシル基、又はハロゲン原子を示し、R4a及びR4bは独立に1価炭化水素基を示し、
    m1及びm2は独立に0以上の整数を示す。)
    で表される単位を含むポリカーボネート樹脂、又はポリエステル樹脂であって、
    厚さ100μmの試料を用いて測定される波長400nmの光線の透過率が93%以上である、ポリカーボネート樹脂、又はポリエステル樹脂
  4. 求項3に記載されるポリカーボネート樹脂、及びポリエステル樹脂の少なくともいずれかを含む成形品。
  5. 請求項に記載の成形品を含む、光学材料。
  6. 光学レンズである、請求項に記載の光学材料。
  7. 請求項に記載の前記光学レンズを備える、光学装置。
  8. 望遠鏡、双眼鏡、又はテレビプロジェクターである請求項に記載の光学装置。
  9. 請求項1又は2に記載の方法により製造されたポリカーボネート樹脂又はポリエステル樹脂を成形することを含む、成形品の製造方法。
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