JPH09503769A - ポリエステルポリマーから低不純物でジカルボン酸を回収する方法 - Google Patents

ポリエステルポリマーから低不純物でジカルボン酸を回収する方法

Info

Publication number
JPH09503769A
JPH09503769A JP7511281A JP51128195A JPH09503769A JP H09503769 A JPH09503769 A JP H09503769A JP 7511281 A JP7511281 A JP 7511281A JP 51128195 A JP51128195 A JP 51128195A JP H09503769 A JPH09503769 A JP H09503769A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mixture
pet
hydrolysis
polyester
impurities
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP7511281A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3636463B2 (ja
Inventor
ロリツク,ケヴイン・ルイス
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shell Internationale Research Maatschappij BV
Original Assignee
Shell Internationale Research Maatschappij BV
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shell Internationale Research Maatschappij BV filed Critical Shell Internationale Research Maatschappij BV
Publication of JPH09503769A publication Critical patent/JPH09503769A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3636463B2 publication Critical patent/JP3636463B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C51/00Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides
    • C07C51/09Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides from carboxylic acid esters or lactones
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J11/00Recovery or working-up of waste materials
    • C08J11/04Recovery or working-up of waste materials of polymers
    • C08J11/10Recovery or working-up of waste materials of polymers by chemically breaking down the molecular chains of polymers or breaking of crosslinks, e.g. devulcanisation
    • C08J11/16Recovery or working-up of waste materials of polymers by chemically breaking down the molecular chains of polymers or breaking of crosslinks, e.g. devulcanisation by treatment with inorganic material
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J2367/00Characterised by the use of polyesters obtained by reactions forming a carboxylic ester link in the main chain; Derivatives of such polymers
    • C08J2367/02Polyesters derived from dicarboxylic acids and dihydroxy compounds
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/62Plastics recycling; Rubber recycling

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Sustainable Development (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 ポリエチレンテレフタレート(PET)のようなポリマーの再処理方法は、ごみ投棄場に堆積する高分子物質の量を減少させる上で重要性を増している。本発明は、不純物を酸化して濾過で除去し得る高不溶性の不純物を形成する酸化ステップ(好ましくは通気)の付加により改良されており、加水分解段階で水酸化第四アンモニウム又は非イオン界面活性剤を使用することにより更に改良し得る塩基加水分解プロセスを、例えばPETの解重合に使用する。

Description

【発明の詳細な説明】 ポリエステルポリマーから低不純物でジカルボン酸を回収する方法 本発明は、加水分解によってポリエステルポリマーを解重合する方法に関する 。本発明はより特定的には、塩基加水分解を介してポリエチレンテレフタレート からテレフタル酸及びエチレングリコールを回収する方法に関する。 ポリエチレンテレフタレート(PET)のような高分子量ポリエステルの加水 分解は当業界で良く知られている。例えば、英国特許明細書第822,834号 参照。加水分解プロセスは本質的に重合プロセスを逆にしたものであり、PET の場合は結果としてテレフタル酸及びエチレングリコールが得られる。 総てのポリマー再処理の場合と同様に、使用後PET再処理流は、回収及び再 使用を容易にするために除去するか又は最少にしなければならない種々の物質に 汚染されている。PET容器の場合は、容器の元の中味の残渣が、容器製造プロ セスで使用された他のプラスチック、樹脂及びグルーと共に存在する。ポリマー 自体の中には、PETの製造に由来する触媒残渣及び添加物(例えば染料及び顔 料)が存在する。加えて、使用及び再生経路で付着した汚れ及び油も様々な量で 存在する。現在使用されている再処理方法は、これらの汚染物を除去する能力が 様々である。ある方法はコストのかかる精製ステップを必要とし、そのため再生 製品の値段が未使用材料より遥かに高くなる。塩基加水分解は、着色不純物を除 去するために、炭素吸着床を含むか又はアルコールで抽出するステップを含む。 例えば欧州特許明細書第497,662号参照。 本発明は、ポリエステル供給流からジカルボン酸を回収する方法であって、 (a)ポリエステルを、アルカリ金属水酸化物、そして必要であれば水と接触さ せて、アルカリ金属カルボン酸塩とジオール又はグリコールとを含む加水分解混 合物を形成し、 (b)酸化剤の添加により前記加水分解混合物を酸化して、不溶性不純物を含む 酸化混合物を形成し、 (c)前記酸化混合物から不溶性不純物を除去し、 (d)前記酸化混合物を酸性化して酸性化混合物を形成し、該酸性化混合物から ジカルボン酸を沈殿させ、 (e)前記酸性化混合物からジカルボン酸を回収する 操作を含む方法を提供する。 本発明は、ポリエステルポリマーを解重合して、原料、即ちジカルボン酸及び グリコールに戻すための、改善された方法である。加水分解反応の速度は、任意 に少量の水酸化第四アンモニウム又は非イオン界面活性剤を加えることにより増 加させ得る。本発明がもたらす別の改良点は、加水分解混合物中に存在する不純 物を酸化するための酸化ステップの付加にある。この酸化ステップは、加水分解 混合物中に空気を分散(sparge)させることによって実施するのが好ましい。不 純物は酸化されて不溶性不純物となるため、濾過又は他の一般的な方法で分離し 得る。 より好ましくは、本発明は、PETをその原料であるテレフタル酸及びエチレ ングリコールに解重合しこれらの原料を回収するための改善された方法である。 本発明は、PETをアルカリ金属水酸化物の水溶液と接触させてアルカリ金属テ レフタレートとエチレングリコールとを含む加水分解溶液を形成する塩基加水分 解プロセスを使用する。不純物の分離後、酸化混合物を無機酸で酸性化してテレ フタル酸を沈殿させ、これを濾過又は他の一般的方法で分離する。エチレングリ コールは、全体的プロセス図式の任意の地点で、一般的な方法により回収する。 不純物の除去の結果、より純粋なポリマーグレードのテレフタル酸生成物が得ら れる。この生成物はより高い価値を有し、新しいPET材料への再生がより容易 である。このように、本発明が提案する方法は、PET製造で再使用するのに適 した、純度のより高いテレフタル酸生成物を、コストのかかる精製ステップを使 用せずに製造する。 本発明の実施に使用される供給流は、再処理PETのようなポリエステルの供 給流を含む。しかしながら、別のプラスチック、例えばポリ塩化ビニル、高密度 ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン及びエチレン酢酸ビニルも 再処理流中に存在し得る。ポリエステルには、ジカルボン酸又はそのジエステル と二塩基酸もしくはグリコールとの化合により生成した種々の縮合ポリマーが包 含される。PETは現在再処理されている最も一般的なポリエステルであるため 、本明細書では、本発明の方法をPETの再処理に適用した場合を採り上げて説 明を行う。但し、本発明は種々のポリエステルの処理に使用でき、これらの処理 を包含し、製造されたポリエステルの精製及び再生ポリエステルの処理も包含す る。 再処理流中のPETは典型的には、テレフタル酸又はそのジエステルとエチレ ングリコール(1,2−エタンジオール)とから誘導される反復単位からなる。 しかしながら、PETは少量の別のモノマーで改質することもできる。このよう な改質PETは、エチレングリコールの他に、テレフタル酸及び/又はグリコー ル以外の二酸から誘導される反復単位を少量含み得る。例えば、少量のイソフタ ル酸又はナフタレンジカルボン酸を、PETの製造で使用される二酸成分中で使 用し得る。炭素原子数3〜8のジオールを少量加えて改質したPETも、この種 の改質PETを代表するものである。例えば、少量の1,4−ブタンジオールを 、改質PETの製造で使用されるグリコール成分中で使用し得る。通常は、この 種の改質PETの反復単位の約15重量%以下が、テレフタル酸及びエチレング リコール以外の二酸又はジオールからなる。別のポリエステルとしては、ポリプ ロピレンテレフタレート(PPT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、 ポリエチレンナフタレート(PEN)及びポリブチレンナフタレート(PBN) が挙げられる。PPTは、テレフタル酸又はそのジエステルとプロピレングリコ ール(1,3−プロパンジオール)とから誘導される。PBTは、テレフタル酸 又はそのジエステルと1,4−ブタンジオールとから誘導される。PENは、ナ フタレンジカルボン酸又はそのジエステル、例えば2,6−ナフタレンジカルボ ン酸と、エチレングリコール(1,2−エタンジオール)とから誘導される。P BNは、ナフタレンジカルボン酸又はそのジエステル、例えば2,6−ナフタレ ンジカルボン酸と1,4−ブタンジオールとから誘導される。 再処理供給流中のPETは主に、壜及び他の容器に配合されたPETに由来す るが、別の用途、例えば繊維及びフィルムに由来するものであってもよい。再処 理するPET製品は、典型的には、更に処理するための「フレーク」に機械的に 変換される。例えば、PET飲料壜は典型的には、断面積4mm2〜100mm2 のフレーク状に粉砕される。この種のフレークは、より典型的には、15mm2 〜65mm2の断面積を有する。フレークの厚さは、再処理する壜の壁の厚さに よって異なる。PETは、ホスフェートのような触媒失活剤、並びに別の添加剤 、例えば耐衝撃性改良剤、加工助剤、充填剤、顔料及び染料(有機及び無機)、 紫外線安定剤及び分解防止剤(antidegradant)を含み得る。 本発明の塩基加水分解プロセスは、このようなポリエステルフレークに直接適 用できる。あるいは、塩基加水分解の前に、ポリエステルをオリゴマー(モノマ ー単位数が少ないポリマー鎖)に部分的に解重合してもよい。このステップでは 標準的解重合方法を使用することができる。例えば、米国特許明細書第3,70 3,488号及び米国特許明細書第3,884,850号に記載の方法をPET の解重合に使用し得る。一般的には、2重量%〜50重量%のエチレングリコー ルをPET供給流に加え、得られたPET/エチレングリコール混合物を180 ℃〜310℃の温度で加熱して解重合を生起させることによりPETを解重合す るのが望ましい。好ましくは220℃〜270℃の温度を使用し、通常は7重量 %〜20重量%のエチレングリコールを使用するのが好ましい。エチレングリコ ールに代えて、ポリエステルを解重合することができる別の極性溶媒、例えばプ ロピレングリコールもしくはブタンジオール、水又は酸を使用する解重合操作も 使用できる。 特にPETの場合は、回収した原料中の不純物の存在が大きな問題となる。P ETポリマー自体の中に含まれる不純物は、使用後PET再処理流中に存在する 不純物と共に、回収テレフタル酸中で色の源となる。特定のPET用途のために は、回収テレフタル酸はできるだけ無色であることが極めて望ましい。なぜなら 、テレフタル酸中に存在する色は総て、テレフタル酸をPETの製造に再使用し た場合にPET製品に移行するからである。例えば透明な壜を製造するためには 、PETは無色のポリマーでなければならない。 テレフタル酸生成物の色は、種々の一般的な方法、例えば下記の分光側光によ って測定し得る。透過光中で着色して見える物質(例えばガラス又は壜)は、ス ペクトルの補色光部分の光を吸収するためにそう見える。例えば、黄色に見える 物体は、紫/青光を吸収している。黄色の度合いは、試料に紫/青光を通し、試 料を透過する前の光(I0)及び透過した後の光(I)の強度を比較することに より定量できる。この操作のために設計された道具は分光光度計、この場合は可 視又は紫外線可視分光光度計と称する。 実際の操作では、試料を透過する前及び透過した後の光の強度の比、即ちT= I/I0で示されることがある。 あるいは、吸光度(A)又は透過率(T)の逆数の対数、即ちA=−logT =log(1/T)=log(I0/I)で示されることが多い。 任意の波長での吸光度は、一般にビアの法則として知られている方程式A=( a)(b)(c)に従い、吸光分子又はイオンの数に直接相関している。 前記式中、aは吸光物質の吸光係数であり、bは測定される溶液の光路の長さで あり、cは溶液中の吸光物質濃度である。係数aは、所与の溶液中、所与の波長 での物質の固有特性である。実際の操作では、bは、所与の寸法、通常は1cm の試料ホルダーの使用により一定に維持される。以上の説明から、所与の波長に おける溶液の吸光度の増加は、吸光物質の濃度の増加、又はより高い吸光係数を 有する新しい物質の導入に起因すると結論される。また、吸光度が大きければ大 きいほど、所与の波長で吸収される光が多くなるため、溶液の補色の強さも増加 する。 塩基加水分解プロセスでは、ポリエステル、例えばPETを、典型的にはアル カリ金属水酸化物の水溶液と接触させて、アルカリ金属塩、例えばテレテフタレ ートと、ジオール又はグリコール、例えばエチレングリコールとを含む加水分解 混合物を形成する。ポリエステルは、アルカリ金属水酸化物中で解重合するにつ れて溶解する。ポリエステル粒子の大きさは解重合速度に影響する(小さい粒子 は、大きい粒子と比べると、水酸化物に暴露される表面積がより大きいため、よ り速く解重合する)。該反応は典型的には約100℃で、大気圧条件下で、1時 間以下〜10時間の範囲の反応時間にわたり、又はポリエステルの大半が解重合 するまで実施する。より高い圧力及び温度を使用して、ポリエステルの解重合に 必要な時間を短縮してもよい。 アルカリ金属水酸化物は典型的には過剰量で、例えばPETのようなポリエス テル1モル当たり3モルのアルカリ金属水酸化物(50%過剰)で供給する。ア ルカリ金属水酸化物は100%過剰又は150%過剰で使用してもよいが、好ま しくは、水酸化物のモル対ポリエステルのモルの比、又はジカルボン酸の当量モ ルに基づいて、10%過剰〜50%過剰のレベルにする。水酸化物の使量用は、 妥当な長さの時間でポリエステルを溶解するのに十分なものでなければならない 。アルカリ金属水酸化物は例えば、水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウム又 はこれらの混合物である。コスト及び入手の容易さの観点で好ましいのは水酸化 ナトリウムである。 任意に、加水分解反応の速度を高めるために、水酸化第四アンモニウム、例え ば未置換又はフェニル置換(C1〜C4)アルキルアンモニウムヒドロキシド、好 ましくはテトラメチルアンモニウムヒドロキシド又はベンジルトリメチルアンモ ニウムヒドロキシドを、アルカリ金属水酸化物と組み合わせて使用してもよい。 水酸化第四アンモニウムは少量、例えばアルカリ金属水酸化物の総モル+水酸化 第四アンモニウムのモルの1モル%の量で使用するのが適当である。本発明では 、アルカリ金属水酸化物の総モル+水酸化第四アンモニウムのモルの0.1モル %〜10モル%、好ましくは0.5モル%〜2モル%の量で水酸化第四アンモニ ウムを使用すると適切である。 あるいは、任意に、加水分解反応の速度を高めるために、非イオン界面活性剤 をアルカリ金属水酸化物と組合わせて使用してもよい。適当な非イオン界面活性 剤類の一つは、下記の式 を有する。前記式中、nは1〜40の整数であり、Rは炭素原子数6〜12、好 ましくは炭素原子数8又は9の分枝アルキル基である。この種の非イオン界面活 性剤は、Rohm & Haas社から商品名TRITONで市販されている。 例えば、本発明ではオクトキシノール、Triron X−100が有用である ことが判明した。別の適当な非イオン界面活性剤としては、炭素原子数5〜22 、好ましくは10〜18の脂肪アルコールが挙げられる。この種の非イオン界面 活性剤は、Shell Chemical Companyから商品名NEOD OLで市販されている。本発明では、例えばNeodol 91−6が有用であ ろう。別の適当な非イオン界面活性剤類としては、酸化エチレン、酸化プロピレ ン及び酸化ブチレンの単純ポリエーテルが挙げられる。本発明では、例えばDo w Chemical Companyから市販されているPolyglyco l E200が有用と思われる。非イオン界面活性剤は任意に少量で、例えば、 充填したポリエステル、例えばPETの総量の0.1重量%で使用する。本発明 では、充填したポリエステルの総重量の0.001重量%〜0.5重量%、好ま しくは0.01重量%〜0.2重量%の非イオン界面活性剤を使用するのが適当 である。 加水分解混合物を形成するためには、成分の混合を容易にするのに十分な量の 液体が望まれる。典型的には、アルカリ金属水酸化物を水溶液形態で提供するか 、又はアルカリ金属水酸化物の他に水を加えて、ポリエステル及びアルカリ金属 水酸化物の混合を容易にし、解重合生成物、即ちアルカリ金属塩及びグリコール を生成する。しかしながら、ポリエステル及びアルカリ金属水酸化物を、例えば 押出機内で、存在する最少量の水と混合する比較的乾式の加水分解プロセスも考 えられる。 本発明では、加水分解混合物中に存在し、当該プロセスをPETポリエステル に適用した場合に得られるテレフタル酸生成物に色を与え得る不純物を、除去し 易いように、不溶性不純物に酸化し得ることが判明した。酸化は、ある種の不純 物を水溶性生成物に変換させることもあり得、これらの生成物は得られた酸から 洗浄によって除去する。酸化ステップで使用する酸化剤は、空気、オゾン、塩素 、酸素、過酸化水素、次亜塩素酸ナトリウム及び過マンガン酸カリウムの中から 選択し得る。好ましくは、空気、過酸化水素、オゾン、酸素及びこれらの物質2 種類以上の混合物の中から酸化剤を選択する。より好ましくは、酸化剤は空気で ある。酸化剤の使用量は使用する酸化剤の種類に依存し、ジカルボン酸、例えば テレフタル酸生成物中の不純物を妥当な時間内で所望のレベルに減少させるのに 十分なものでなければならない。コスト及び入手の容易さの観点から、空気を酸 化剤として使用するのが特に好ましい。 酸化処理を容易にするために、酸化ステップ時に存在する水の量は、存在する 液体の総量の5重量%〜30重量%のアルカリ金属塩、例えばアルカリ金属テレ フタレートを含む溶液、好ましくはアルカリ金属塩の10重量%〜20重量%溶 液を形成するのに十分なものでなければならない。比較的乾式の加水分解プロセ スを使用する場合は、水を酸化ステップの一部として添加し得る。加水分解混合 物は一般的な方法で酸化剤と接触させ得る。酸化ステップは、例えば、加水分解 混合物中に空気を数分〜数時間、適当には30分〜5時間、好ましくは1〜4時 間分散させることにより実施する。分散は、空気容積流量を1〜10、好ましく は3〜6立方フィート/時(7〜80×10-6、好ましくは2〜5×10-53 /s)にして生起させ得る。あるいは、加水分解混合物を、充填塔のような薄膜 反応器内で酸化剤と接触させてもよい。得られる酸化混合物は、濾過又は他の一 般的方法で適当な除去される不溶性不純物(有機及び無機の両方)を含む。 不溶性不純物を除去した後の酸化混合物を無機酸で酸性化して、生成された酸 、例えばテレフタル酸を一般的な方法で沈殿させる。無機酸は例えば、硫酸、塩 酸又は硝酸である。あるいは、炭酸又は二酸化炭素を用いて酸化混合物を酸性化 してもよい。ジカルボン酸は濾過又は他の適当な方法で酸性化混合物から回収し 、次いで洗浄し、乾燥し得る。 任意的な別のステップで、やはり加水分解反応で生成されたジオール又はグリ コール、例えばエチレングリコールを抽出、蒸留又は他の一般的な方法で回収し てもよい。この回収ステップは、解重合反応後に、全体的プロセス図式の任意の の地点で実施し得る。PETの場合は、エチレングリコールの回収を例えばアル コールでの抽出によって行うと、テレフタル酸の沈殿の前であれば、テレフタル 酸生成物中に存在する不純物が更に減少するという利点が得られる。 加水分解混合物の形成では、任意に、アルコールを水の添加と組み合わせるか 、又はアルコールの代わりに水を添加し得る。好ましくは、PETの場合は、添 加したアルコールがPETの解重合で生成したエチレングリコールの抽出にも使 用される。適当なアルコールとしては、炭素原子数1〜8の脂肪族又は脂環式ア ルコール、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール又はブタノール、 好ましくは、PETの場合には、エチレングリコールが可溶性を示すアルコール 、例えばイソプロパノールが挙げられる。水の代わりにアルコールを使用する場 合は、成分の混合を容易にするのに十分な量のアルコールが望ましい。また、ア ルコールが唯一の希釈剤であり且つ抽出ステップが酸化の前に実施される場合は 、酸化ステップを容易にするために、別の希釈剤、例えば水を加える必要がある 。酸化ステップを容易にするために加える水の量は、存在する液体の総量に基づ いて、アルカリ金属塩、例えばテレフタレートの5重量%〜30重量%溶液、好 ましくは10重量%〜20重量%溶液を形成するのに十分なものでなければなら ない。PETの場合には、エチレングリコール抽出ステップをテレフタル酸の沈 殿の前に実施する時は、アルコールで別の不純物を除去して、回収されるテレフ タル酸の質を更に改善し得る。 以下に比較及び非限定的実施例を挙げて本発明をより詳細に説明する。実施例1 ステンレス鋼ビーカー内で180.0gの水酸化ナトリウムを同量の脱イオン 水に加えることにより、水酸化ナトリウム溶液を調製した。該溶液に透明なポリ エチレンテレフタレート(PET)フレーク(288g)を加え、得られた混合 物を加熱し、112℃〜118℃で1.5時間にわたり還流で撹拌し、次いで水 で約800mlに希釈した。該混合物を更に6時間にわたり95℃〜100℃で 加熱し、次いで3lに希釈した。溶液はすぐに沈殿物を形成し始めた。 前記溶液の約半分(実施例1A)をデカンテーションによって除去し、空気を 3時間分散させた。試料1Aを濾過して(Whatman#3濾紙を使用)0. 138gの不溶性不純物を除去し、次いで約2.5のpHに酸性化した。沈殿し たテレフタル酸(TPA)を濾過し(Whatman#1濾紙を使用)、洗浄し 、乾燥すると、100.0gのTPAが得られた。試料1Aから除去された不純 物の量は1.38×10-3g/g回収TPAであった。 溶液の残りの半分(実施例1B)を3時間還流させ、次いで濾過して(粗いワ イヤメッシュスクリーン及びWhatman#3濾紙を使用)27.6gの非反 応PETフレークと、0.064gの不溶性不純物とを除去した。濾液を約2. 5のpHに酸性化し、沈殿TPAを濾過し(Whatman#1濾紙を使用)、 洗浄し、乾燥した。試料1Bから回収されたTPAの量は110.1gであった 。試料1Bから除去された不純物の量は0.579×10-3g/g回収TPAで あった。 試料1A及び1BからのTPA総収率は93.3%であった。TPA生成物の 色を測定するために、脱イオン水中12.5重量%水酸化カリウム溶液を調製し 、この溶液10.00gをバイアル内で1.500gのTPAに加えた。得られ た混合物を溶解するまで振盪し、次いで1アリコートをキュベット内に配置し、 紫外線可視分光光度計(Hewlett Packardモデル8450A)内 に挿入した。吸光度を350nmで測定した。この波長での吸光度が大きければ 大きいほど、より多くの紫/青光が吸収され、試料がより濃く黄色に見える。試 料1Aは0.281の吸収度を示し、試料1Bは0.356の吸収度を示した。 これらの値は、酸化ステップの使用を介して着色状態が改善されたことを示すも のである。参考までに、未使用TPAは約0.045の吸収度を示す。視覚検査 では、再生TPA試料は未使用TPAと区別がつかなかった。実施例2 水酸化ナトリウム(180g)、脱イオン水(180g)及び透明PETフレ ーク(288g)を実施例1に記載のように混合した。得られた混合物を100 ℃〜110℃で6時間還流させ、その間混合物を撹拌可能にしておくために定期 的に水を加えた。次いで、混合物を約800mlに希釈し、80℃〜90℃に加 熱し、粗いワイヤメッシュスクリーンで濾過して24.4gの非反応PETを除 去した。残りの溶液は沈殿物を形成し始めた。 前記溶液の一部(実施例2A)をデカンテーションによって除去し、濾過にか けて(Whatman#3濾紙を使用)0.159gの不溶性不純物を除去し、 次いで約2.5のpHに酸性化してTPAを沈殿させた。TPA沈殿物を濾過し (Whatman#1濾紙を使用)、洗浄し、乾燥すると、159.5gのTP Aが得られた。試料2Aから除去された不純物の量は0.996×10-3g/g 回収TPAであった。 溶液の残部(実施例2B)に空気を4時間分散させ、次いで濾過して0.08 67gの不溶性不純物を除去した。濾液を約2.5のpHに酸性化してTPAを 沈殿させ、TPA沈殿物を濾過し、洗浄し、乾燥すると、63.3gのTPAが 回収された。試料2Bから除去された不純物の量は1.37×10-3g/g回収 TPAであった。 試料2A及び2BからのTPA総収率は97.8%であった。実施例3 透明PETフレーク(288g)、水酸化ナトリウム(132g)及び脱イオ ン水(130g)を1l反応器内で混合し、圧力下で165℃に加熱した(35 分でこの温度に到達した)。165℃で3時間後、300mlの水を反応器に充 填し、温度を90℃以下に下げた。反応器から懸濁液を取り出し、反応器内に2 50ml/回で水を2回かけた。次いで反応器を分解し、残りの物質を回収した 。洗浄液をまとめて約80℃に加熱してテレフタル酸ナトリウムを溶解し、該溶 液を15メッシュスクリーンに通して非反応PETフレークを分離した。非反応 フレーク(57.8g、充填量の20.0%)を水で洗浄し、乾燥した。次いで 、テレフタル酸ナトリウム溶液及び洗浄液に空気を3〜6標準立方フィート/時 (2.4×10-5〜4.7×10-53/s)の速度で1時間分散させた。次い で溶液を濾過し(Whatman#3濾紙を使用)、0.3224gの不純物を 回収した。濾過した溶液を50%硫酸でpH2.0〜3.0に酸性化してTPA を沈殿させた。TPAを濾過し、洗浄し、乾燥した。回収されたTPAの量は1 91.1g、即ち理論値の96.0%であった。除去された不純物の量は1.6 9×10-3g/g回収TPAであった。実施例4 実施例3の方法を用いて、透明PETフレーク(288g)、水酸化ナトリウ ム(130.7g)、水酸化カリウム(1.9g)及び脱イオン水(130g) を反応器に充填した。温度を60分間で165℃にし、この温度に3時間維持し た。ワークアップ後、47.7gのPETフレーク(充填量の16.6%)が回 収された。空気酸化後、0.3465gの不純物が除去され、酸性化後に199 .9gのTPAが回収された(理論値の96.2%)。除去された不純物の量は 1.73×10-3g/g回収TPAであった。実施例5 実施例3の方法を用いて、透明PETフレーク(288g)、水酸化ナトリウ ム(126g)、水酸化カリウム(8.4g)及び脱イオン水(130g)を反 応器に充填した。反応器温度を45分間で165℃に上げ、この温度に3時間維 持した。回収された非反応PETフレークは42.8g(充填量の14.9%) であった。空気酸化後、0.3612gの不純物が除去され、203.6gのT PA(理論値の96.0%)が回収された。除去された不純物の量は1.77× 10-3g/g回収TPAであり、テレフタル酸は0.284の吸光度を示した。実施例6 実施例3の方法を用いて、透明PETフレーク(288g)、水酸化ナトリウ ム(130.7g)、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド25重量%水溶液 (12.0g)及び脱イオン水(130g)を反応器に充填した。反応器温度を 30分間で165℃に上げ、この温度に3時間維持した。回収された非反応PE Tフレークは39.1g(充填量の13.6%)であった。空気酸化後、0.3 644gの不純物が除去され、207.8gのTPA(理論値の96.6%)が 回収された。除去された不純物の量は1.75×10-3g/g回収TPAであっ た。 実施例6の非反応PET量(充填量の13.6%)は、反応温度及び時間が同 じであるのに、実施例3の量(充填量の20%)よりかなり少ない。これは、テ トラメチルアンモニウムヒドロキシドが解重合反応の速度を増加させたことを意 味する。実施例7 透明PETフレーク(288g)、水酸化ナトリウム(130.7g)、水酸 化カリウム(1.9g)及び脱イオン水(130g)を1l反応器内で混合し、 圧力下で100℃に加熱した。反応器が100℃に達した時点で、250mlの イソプロパノールを注入口を介して加えた。得られた混合物を35分間で150 ℃に加熱した。該混合物を3時間150℃に維持し、次いで80℃以下に冷却し た。次いで反応器を空にし、イソプロパノールで濯いだ。スラリーを濾過し、フ ィルターケークをイソプロパノールで洗浄した。 フィルターケークを2.5lの熱水に溶解し、15メッシュスクリーンに通し て、非反応PETを除去した(14.4g、即ち充填量の5.0%が回収された )。濾液に空気を3〜6標準立方フィート/時(2.4×10-5〜4.7×10-53/s)の速度で1時間分散させ、次いで濾過し(Whatman#3濾紙 を使用)、0.2236gの不純物を除去した。濾液をpH2.5に酸性化して テレフタル酸を沈殿させ、これを濾過し、洗浄し、乾燥した。TPAの収率は2 30.5g(理論値の97.4%)であり、吸光度は0.299であった。 イソプロパノール画分をまとめて回転蒸発器で濃縮すると、グルー等での汚染 が目に見えるバラ色のエチレングリコールが88.9g得られた。この溶液の一 部(83.1g)を80℃で真空蒸留すると53.0g(理論値の64%)のエ チレングリコールが得られ、蒸留ポット内に25.1gの残渣(淡褐色ペースト )が残った。 この方法では、除去された不純物の量は、濾過によって除去された量+エチレ ングリコール回収後に残った残渣の一部であった。実施例8 実施例3の方法を用いて、透明PETフレーク(288g)、水酸化ナトリウ ム(132g)、非イオン界面活性剤Triron X−100(0.28g) 及び脱イオン水(130g)を反応器に充填した。反応器温度を35分間で16 5℃に上げ、この温度に3時間維持した。回収された非反応PETフレークは3 4.5g(充填量の12.0%)であった。空気酸化後、0.4582gの不純 物が除去され、209.9gのTPA(理論値の97.7%)が回収された。除 去された不純物の量は2.18×10-3g/g回収TPAであった。 実施例8の非反応PET量(充填量の12.0%)は、反応温度及び時間が殆 ど同じであるのに、実施例3の量(充填量の20%)よりかなり少ない。これは 、非イオン界面活性剤が解重合反応の速度を増加させたことを意味する。 前記実施例中、実施例1A、2B、3、4、5、6、7及び8は本発明の実施 例であり、実施例1B及び2Aは比較実施例である。下記の表は、前述の種々の 方法によって除去された不純物の量、及び得られたテレフタル酸生成物の色を測 定した場合の結果をまとめて示すものである。通気ステップの付加は明らかにT PA再処理流からの不純物除去を促進し、従ってTPA生成物の質を高めている 。
【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1995年8月1日 【補正内容】 補正明細書 水酸化物の使量用は、妥当な長さの時間でポリエステルを溶解するのに十分な ものでなければならない。アルカリ金属水酸化物は例えば、水酸化ナトリウムも しくは水酸化カリウム又はこれらの混合物である。コスト及び入手の容易さの観 点で好ましいのは水酸化ナトリウムである。 加水分解反応の速度を高めるために、水酸化第四アンモニウム、例えば未置換 又はフェニル置換(C1〜C4)アルキルアンモニウムヒドロキシド、好ましくは テトラメチルアンモニウムヒドロキシド又はベンジルトリメチルアンモニウムヒ ドロキシドを、アルカリ金属水酸化物と組み合わせて使用してもよい。水酸化第 四アンモニウムは少量、例えばアルカリ金属水酸化物の総モル+水酸化第四アン モニウムのモルの1モル%の量で使用するのが適当である。本発明では、アルカ リ金属水酸化物の総モル+水酸化第四アンモニウムのモルの0.1モル%〜10 モル%、好ましくは0.5モル%〜2モル%の量で水酸化第四アンモニウムを使 用すると適切である。 あるいは、加水分解反応の速度を高めるために、非イオン界面活性剤をアルカ リ金属水酸化物と組合わせて使用してもよい。適当な非イオン界面活性剤類の一 つは、下記の式 を有する。前記式中、nは1〜40の整数であり、Rは炭素原子数6〜12、好 ましくは炭素原子数8又は9の分枝アルキル基である。この種の非イオン界面活 性剤は、Rohm & Haas社から商品名TRITONで市販されている。 例えば、本発明ではオクトキシノール、Triron X−100が有用である ことが判明した。別の適当な非イオン界面活性剤としては、炭素原子数5〜22 、好ましくは10〜18の脂肪アルコールが挙げられる。この種の非イオン界面 活性剤は、Shell Chemical Companyから商品名NEOD 【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1995年10月25日 【補正内容】 補正明細書 ポリエステルポリマーから低不純物でジカルボン酸を回収する方法 本発明は、加水分解によってポリエステルポリマーを解重合する方法に関する 。本発明はより特定的には、塩基加水分解を介してポリエチレンテレフタレート からテレフタル酸及びエチレングリコールを回収する方法に関する。 ポリエチレンテレフタレート(PET)のような高分子量ポリエステルの加水 分解は当業界で良く知られている。例えば、英国特許明細書第822,834号 参照。加水分解プロセスは本質的に重合プロセスを逆にしたものであり、PET の場合は結果としてテレフタル酸及びエチレングリコールが得られる。 総てのポリマー再処理の場合と同様に、使用後PET再処理流は、回収及び再 使用を容易にするために除去するか又は最少にしなければならない種々の物質に 汚染されている。PET容器の場合は、容器の元の中味の残渣が、容器製造プロ セスで使用された他のプラスチック、樹脂及びグルーと共に存在する。ポリマー 自体の中には、PETの製造に由来する触媒残渣及び添加物(例えば染料及び顔 料)が存在する。加えて、使用及び再生経路で付着した汚れ及び油も様々な量で 存在する。現在使用されている再処理方法は、これらの汚染物を除去する能力が 様々である。ある方法はコストのかかる精製ステップを必要とし、そのため再生 製品の値段が未使用材料より遥かに高くなる。塩基加水分解は、着色不純物を除 去するために、炭素吸着床を含むか又はアルコールで抽出するステップを含む。 例えば欧州特許明細書第497,662号参照。 英国特許公開明細書第1476539号には、感光性銀乳化ポリエステルフィ ルム材料からのテレフタル酸の回収方法であって、銀成分が固相として残留する ような水性アルカリ媒体中で該ポリエステルを酸化し、固相を分離し、液相を酸 性化して溶解しているテレフタル酸成分を沈殿させる方法が開示されている。 本発明は、ポリエステル供給流からジカルボン酸を回収する方法であって、 (a)ポリエステルを、アルカリ金属水酸化物、及び水酸化第4アンモニウム又 は非イオン界面活性剤そして必要であれば水と接触させて、アルカリ金属カルボ ン酸塩とジオール又はグリコールとを含む加水分解混合物を形成し、 (b)酸化剤の添加により前記加水分解混合物を酸化して、不溶性不純物を含む 酸化混合物を形成し、 (c)前記酸化混合物から不溶性不純物を除去し、 (d)前記酸化混合物を酸性化して酸性化混合物を形成し、該酸性化混合物から ジカルボン酸を沈殿させ、 (e)前記酸性化混合物からジカルボン酸を回収する 操作を含む方法を提供する。 本発明は、ポリエステルポリマーを解重合して、原料、即ちジカルボン酸及び グリコールに戻すための、改善された方法である。加水分解反応の速度は、少量 の水酸化第四アンモニウム又は非イオン界面活性剤を加えることにより増加させ 得る。本発明がもたらす別の改良点は、加水分解混合物中に存在する不純物を酸 化するための酸化ステップの付加にある。この酸化ステップは、加水分解混合物 中に空気を分散(sparge)させることによって実施するのが好ましい。不純物は 酸化されて不溶性不純物となるため、濾過又は他の一般的な方法で分離し得る。 より好ましくは、本発明は、PETをその原料であるテレフタル酸及びエチレ ングリコールに解重合しこれらの原料を回収するための改善された方法である。 本発明は、PETをアルカリ金属水酸化物の水溶液と接触させてアルカリ金属テ レフタレートとエチレングリコールとを含む加水分解溶液を形成する塩基加水分 解プロセスを使用する。不純物の分離後、酸化混合物を無機酸で酸性化してテレ フタル酸を沈殿させ、これを濾過又は他の一般的方法で分離する。エチレングリ コールは、全体的プロセス図式の任意の地点で、一般的な方法により回収する。 不純物の除去の結果、より純粋なポリマーグレードのテレフタル酸生成物が得ら れる。この生成物はより高い価値を有し、新しいPET材料への再生がより容易 である。 次いで、テレフタル酸ナトリウム溶液及び洗浄液に空気を3〜6標準立方フィ ート/時(2.4×10-5〜4.7×10-53/s)の速度で1時間分散させ た。次いで溶液を濾過し(Whatman#3濾紙を使用)、0.3224gの 不純物を回収した。濾過した溶液を50%硫酸でpH2.0〜3.0に酸性化し てTPAを沈殿させた。TPAを濾過し、洗浄し、乾燥した。回収されたTPA の量は191.1g、即ち理論値の96.0%であった。除去された不純物の量 は1.69×10-3g/g回収TPAであった。実施例4 実施例3の方法を用いて、透明PETフレーク(288g)、水酸化ナトリウ ム(130.7g)、水酸化カリウム(1.9g)及び脱イオン水(130g) を反応器に充填した。温度を60分間で165℃にし、この温度に3時間維持し た。ワークアップ後、47.7gのPETフレーク(充填量の16.6%)が回 収された。空気酸化後、0.3465gの不純物が除去され、酸性化後に199 .9gのTPAが回収された(理論値の96.2%)。除去された不純物の量は 1.73×10-3g/g回収TPAであった。実施例5 実施例3の方法を用いて、透明PETフレーク(288g)、水酸化ナトリウ ム(126g)、水酸化カリウム(8.4g)及び脱イオン水(130g)を反 応器に充填した。反応器温度を45分間で165℃に上げ、この温度に3時間維 持した。回収された非反応PETフレークは42.8g(充填量の14.9%) であった。空気酸化後、0.3612gの不純物が除去され、203.6gのT PA(理論値の96.0%)が回収された。除去された不純物の量は1.77× 10-3g/g回収TPAであり、テレフタル酸は0.284の吸光度を示した。実施例6 本発明例 実施例3の方法を用いて、透明PETフレーク(288g)、水酸化ナトリウ ム(130.7g)、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド25重量%水溶液 (12.0g)及び脱イオン水(130g)を反応器に充填した。反応器温度を 30分間で165℃に上げ、この温度に3時間維持した。実施例8 本発明例 実施例3の方法を用いて、透明PETフレーク(288g)、水酸化ナトリウ ム(132g)、非イオン界面活性剤Triron X−100(0.28g) 及び脱イオン水(130g)を反応器に充填した。反応器温度を35分間で16 5℃に上げ、この温度に3時間維持した。回収された非反応PETフレークは3 4.5g(充填量の12.0%)であった。空気酸化後、0.4582gの不純 物が除去され、209.9gのTPA(理論値の97.7%)が回収された。除 去された不純物の量は2.18×10-3g/g回収TPAであった。 実施例8の非反応PET量(充填量の12.0%)は、反応温度及び時間が殆 ど同じであるのに、実施例3の量(充填量の20%)よりかなり少ない。これは 、非イオン界面活性剤が解重合反応の速度を増加させたことを意味する。 前記実施例中、実施例1A、2B、3、4、5、6、7及び8は本発明の実施 例であり、実施例1B及び2Aは比較実施例である。下記の表は、前述の種々の 方法によって除去された不純物の量、及び得られたテレフタル酸生成物の色を測 定した場合の結果をまとめて示すものである。通気ステップの付加は明らかにT PA再処理流からの不純物除去を促進し、従ってTPA生成物の質を高めている 。 補正請求の範囲 1. ポリエステル供給流からジカルボン酸を回収する方法であって、 (a)ポリエステルを、アルカリ金属水酸化物、及び水酸化第4アンモニウム又 は非イオン界面活性剤そして必要であれば水と接触させて、アルカリ金属カルボ ン酸塩とジオール又はグリコールとを含む加水分解混合物を形成し、 (b)酸化剤の添加により前記加水分解混合物を酸化して、不溶性不純物を含む 酸化混合物を形成し、 (c)前記酸化混合物から不溶性不純物を除去し、 (d)前記酸化混合物を酸性化して酸性化混合物を形成し、該酸性化混合物から ジカルボン酸を沈殿させ、 (e)前記酸性化混合物からジカルボン酸を回収する 操作を含む前記方法。 2. ポリエステルがポリエチレンテレフタレートであり、ジカルボン酸がテレ フタル酸である請求項1に記載の方法。 3. 酸化剤を、空気、過酸化水素、オゾン、酸素及びこれらの物質2種類以上 の混合物の中から選択する請求項2に記載の方法。 4. 酸化剤が空気である請求項3に記載の方法。 5. 加水分解混合物を酸化するステップを、加水分解混合物中に空気を分散さ せることによって実施する請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。 6. 加水分解混合物を形成するための別の成分としてアルコールを含ませる請 求項1から5のいずれか一項に記載の方法。 7. 請求項2から6のいずれか一項に記載の方法で回収したテレフタル酸であ って、350ナノメートルで0.30以下の色吸光度を示す該テレフタル酸。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. ポリエステル供給流からジカルボン酸を回収する方法であって、 (a)ポリエステルを、アルカリ金属水酸化物、そして必要であれば水と接触さ せて、アルカリ金属カルボン酸塩とジオール又はグリコールとを含む加水分解混 合物を形成し、 (b)酸化剤の添加により前記加水分解混合物を酸化して、不溶性不純物を含む 酸化混合物を形成し、 (c)前記酸化混合物から不溶性不純物を除去し、 (d)前記酸化混合物を酸性化して酸性化混合物を形成し、該酸性化混合物から ジカルボン酸を沈殿させ、 (e)前記酸性化混合物からジカルボン酸を回収する 操作を含む前記方法。 2. ポリエステルがポリエチレンテレフタレートであり、ジカルボン酸がテレ フタル酸である請求項1に記載の方法。 3. 酸化剤を、空気、過酸化水素、オゾン、酸素及びこれらの物質2種類以上 の混合物の中から選択する請求項2に記載の方法。 4. 酸化剤が空気である請求項3に記載の方法。 5. 加水分解混合物を酸化するステップを、加水分解混合物中に空気を分散さ せることによって実施する請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。 6. 加水分解混合物を形成するための別の成分としてアルコールを含ませる請 求項1から5のいずれか一項に記載の方法。 7. 加水分解混合物を形成するための別の成分として水酸化第四アンモニウム 又は非イオン界面活性剤を含ませる請求項1から6のいずれか一項に記載の方法 。 8. 請求項2から7のいずれか一項に記載の方法で回収したテレフタル酸生成 物。 9. 350ナノメートルで0.30以下の色吸光度を示す請求項8に記載のテ レフタル酸生成物。 10. ポリエステルをアルカリ金属水酸化物と接触させて加水分解混合物を形 成し、該加水分解混合物を酸性化してテレフタル酸を回収することによりポリエ ステル供給流からジカルボン酸を回収する方法であって、加水分解混合物を形成 するための別の成分として水酸化第四アンモニウム又は非イオン界面活性剤を加 えることを特徴とする前記方法。
JP51128195A 1993-10-14 1994-10-10 ポリエステルポリマーから低不純物でジカルボン酸を回収する方法 Expired - Fee Related JP3636463B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US13663693A 1993-10-14 1993-10-14
US136,636 1993-10-14
PCT/EP1994/003357 WO1995010499A1 (en) 1993-10-14 1994-10-10 Process for recovering dicarboxylic acid with reduced impurities from polyester polymer

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09503769A true JPH09503769A (ja) 1997-04-15
JP3636463B2 JP3636463B2 (ja) 2005-04-06

Family

ID=22473696

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP51128195A Expired - Fee Related JP3636463B2 (ja) 1993-10-14 1994-10-10 ポリエステルポリマーから低不純物でジカルボン酸を回収する方法

Country Status (10)

Country Link
EP (1) EP0723532B1 (ja)
JP (1) JP3636463B2 (ja)
KR (1) KR960704831A (ja)
AT (1) ATE168980T1 (ja)
AU (1) AU680954B2 (ja)
BR (1) BR9407795A (ja)
CA (1) CA2173987A1 (ja)
DE (1) DE69412112T2 (ja)
TW (1) TW338051B (ja)
WO (1) WO1995010499A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015196676A (ja) * 2014-04-03 2015-11-09 田岡化学工業株式会社 フルオレン構造を有するポリエステル樹脂からビスフェノールフルオレン類を回収する方法

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100437563B1 (ko) * 1996-06-18 2004-09-04 주식회사 삼양사 테레프탈산의회수방법
DE19629042C2 (de) * 1996-07-19 1999-02-25 Cet Umwelttechnik Entwicklungs Verfahren zur Gewinnung von Terephthalsäure und Ethylenglykol, insbesondere aus Polyethylenterephthalat-Abfällen und Vorrichtung zur Durchführung des Verfahrens
PL191565B1 (pl) * 1997-12-02 2006-06-30 Heinrich Smuda Sposób odzyskiwania kwasu tereftalowego i glikolu etylenowego z odpadowego poli/etylenotereftalanu/
US6284930B1 (en) 1999-07-30 2001-09-04 E.I. Du Pont De Nemours And Company Process for the preparation of 3-hydroxypropanal
EP1591435A3 (en) 2004-03-26 2007-11-28 Kabushiki Kaisha Ueno Seiyaku Oyo Kenkyujo Method for preparing 2,6-Naphtalene dicarboxyclic acid
KR100603257B1 (ko) * 2004-11-26 2006-07-24 삼성전자주식회사 폴리에스테르 미립자 분산액 제조방법 및 제조된폴리에스테르 미립자 분산액
CN113277928A (zh) * 2021-01-20 2021-08-20 银金达(上海)新材料有限公司 一种回收降解petg的方法
KR102630076B1 (ko) * 2023-02-02 2024-01-25 장정환 가소제 제조공정에서 발생된 폐여과재로부터 가소제를 분리하기 위한 방법과 장치

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3953502A (en) * 1973-01-31 1976-04-27 Imperial Chemical Industries Limited Cyclopentane derivatives
JPS56113738A (en) * 1980-02-12 1981-09-07 Toray Ind Inc Purification of terephthalic acid
US5278256A (en) * 1992-09-16 1994-01-11 E. I. Du Pont De Nemours And Company Rapidly degradable poly (hydroxyacid) compositions

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015196676A (ja) * 2014-04-03 2015-11-09 田岡化学工業株式会社 フルオレン構造を有するポリエステル樹脂からビスフェノールフルオレン類を回収する方法

Also Published As

Publication number Publication date
CA2173987A1 (en) 1995-04-20
DE69412112T2 (de) 1999-01-07
ATE168980T1 (de) 1998-08-15
DE69412112D1 (de) 1998-09-03
EP0723532A1 (en) 1996-07-31
JP3636463B2 (ja) 2005-04-06
BR9407795A (pt) 1997-03-18
AU680954B2 (en) 1997-08-14
WO1995010499A1 (en) 1995-04-20
KR960704831A (ko) 1996-10-09
AU7937594A (en) 1995-05-04
EP0723532B1 (en) 1998-07-29
TW338051B (en) 1998-08-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3983977B2 (ja) 汚染されたポリエチレンテレフタレートを汚染除去されたポリブチレンテレフタレートに転化するための改良された方法
JP4067306B2 (ja) ポリエステル廃棄物からテレフタル酸ジメチル及びエチレングリコールを分離回収する方法
TW397851B (en) Process for recycling mixed polymer containing polyethylene terephthalate
KR100271405B1 (ko) 개량된 폴리 에틸렌 테레프탈레이트 오염물질 제거방법
JP3636463B2 (ja) ポリエステルポリマーから低不純物でジカルボン酸を回収する方法
Mancini et al. Additional steps in mechanical recyling of PET
JP2005089572A (ja) ポリブチレンテレフタレートの製造方法
TW202208530A (zh) 雙-(2-羥乙基)對苯二甲酸酯的製造方法及再生聚對苯二甲酸乙二酯的製造方法
JP6986813B1 (ja) ビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの製造方法および再生ポリエチレンテレフタレートの製造方法
US5504121A (en) Polyethylene terephthalate decontamination
US5602187A (en) Polyethylene terephthalate decontamination
JP4005301B2 (ja) ポリエステル廃棄物からの有効成分回収方法
JP3894426B2 (ja) 回収ポリエステルの再利用方法
MXPA94007925A (en) Process for recovering dicarboxylic acid with reduced impurities from polyester polymer
JPH1121374A (ja) Pet樹脂廃棄物の化学的処理方法
JPH1112223A (ja) 高純度テレフタル酸及びその回収法
JP2003128600A (ja) 樹脂ボトル廃棄物からのテレフタル酸の製造方法
JP2002161064A (ja) テレフタル酸組成物
JP2002167354A (ja) テレフタル酸組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040907

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040803

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041026

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20041221

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050105

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees