JP2015196368A - 記録装置、及び、記録方法 - Google Patents

記録装置、及び、記録方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015196368A
JP2015196368A JP2014077103A JP2014077103A JP2015196368A JP 2015196368 A JP2015196368 A JP 2015196368A JP 2014077103 A JP2014077103 A JP 2014077103A JP 2014077103 A JP2014077103 A JP 2014077103A JP 2015196368 A JP2015196368 A JP 2015196368A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nozzle
nozzles
recording
dots
data
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014077103A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6331600B2 (ja
Inventor
正裕 深澤
Masahiro Fukazawa
正裕 深澤
須藤 直樹
Naoki Sudo
直樹 須藤
佐藤 彰人
Akihito Sato
彰人 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2014077103A priority Critical patent/JP6331600B2/ja
Priority to US14/677,155 priority patent/US9636925B2/en
Publication of JP2015196368A publication Critical patent/JP2015196368A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6331600B2 publication Critical patent/JP6331600B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/21Ink jet for multi-colour printing
    • B41J2/2132Print quality control characterised by dot disposition, e.g. for reducing white stripes or banding
    • B41J2/2139Compensation for malfunctioning nozzles creating dot place or dot size errors

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Quality & Reliability (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Abstract

【課題】K(ブラック)用ノズルの代わりに使用する副ノズルを用意しなくてもKの不良ノズルにより形成すべきドットをより適切に補完することが可能な技術を提供する。
【解決手段】記録装置は、並び方向D1へ並んでKのドットDkを形成する複数のK用ノズル64K、及び、並び方向D1へ並んでコンポジットブラックのドットDcoを形成する複数のカラー用ノズル64coを含む複数のノズル64を備える。複数のノズル64と被記録物400とは、相対移動方向D2へ相対移動する。記録装置は、複数のK用ノズル64Kに含まれる不良ノズルLNにより形成すべきドットを補完するコンポジットブラックのドットDcoを複数のカラー用ノズル64coに含まれるノズル群NZGにより形成する処理部を備える。ノズル群NZGは、並び方向D1における位置が互いに異なる複数のノズル(ノズル組NZ1,NZ2)を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、記録装置、及び、記録方法に関する。
インクジェットプリンターは、例えば、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、及び、ブラック(K)のノズル列が相対移動方向へ並んだ記録ヘッドと被印刷物(被記録物)とを相対移動方向へ相対移動させ、画素毎にドットの有無を表すデータに従ってノズルからインク滴(液滴)を吐出して被印刷物にドットを形成する。インクジェットプリンターには、ラインプリンターやシリアルプリンター等がある。
目詰まり等によりノズルからインク滴が吐出しなかったり吐出インク滴が正しい軌跡を描かなかったりすると、ドットが形成されない画素が相対移動方向へ繋がった「ドット抜け」領域が形成され、印刷画像に白筋といった筋が生じてしまう。特に、K(ブラック)用ノズルにインク滴の吐出が不良である不良ノズルがあると、被印刷物の地色の筋が目立つ傾向がある。このような筋を抑制するため、Kの不良ノズルにより形成されるべきドットを補完するドットを他のノズルで形成することが考えられる。しかし、記録ヘッドに傾きがあるときにKの不良ノズルにより形成すべきドットを補完する好適な技術は提案されていない。
尚、特許文献1は、不良ノズルにより形成すべきドットを補完する技術ではないが、記録ヘッドが傾いて装着されたときのスジムラの視認性を下げる画像形成方法を開示している。この画像形成方法は、CMYKのノズル列のうちCとMのみについてインクジェット記録ヘッドに副ノズル列を設けておき、記録ヘッドの傾き量を測定し、得られた傾き量が閾値を超えた場合には主ノズル列に属する一部又は全部の主ノズルによる打滴に代えて副ノズル列に属する一部又は全部の副ノズルを用いて打滴を実施する。
特開2008−155382号公報
特許文献1には、不良ノズルにより形成すべきドットを補完する示唆が無く、Kについて副ノズルを用いて打滴を実施する記載が無い。また、記録ヘッドの傾き対策として記録ヘッドに副ノズル列を用意するのは、コストアップに繋がる。従って、特許文献1記載の技術を参照しても、記録ヘッドに傾きがあるときにKの不良ノズルにより形成すべきドットを補完する好適な技術には至らない。
尚、上述した問題は、種々の記録装置について同様に存在する。
以上を鑑み、本発明の目的の一つは、ブラック用ノズルの代わりに使用する副ノズルを用意しなくてもブラックの不良ノズルにより形成すべきドットをより適切に補完することが可能な技術を提供することにある。
上記目的の一つを達成するため、本発明は、所定の並び方向へ並んでブラックのドットを形成する複数のブラック用ノズル、及び、前記並び方向へ並んでコンポジットブラックのドットを形成する複数のカラー用ノズルを含む複数のノズルと被記録物とが前記並び方向とは異なる相対移動方向へ相対移動する記録装置であって、
前記複数のブラック用ノズルに含まれる不良ノズルにより形成すべきドットを補完するコンポジットブラックのドットを前記複数のカラー用ノズルに含まれるノズル群により形成する処理部を備え、
前記ノズル群は、前記並び方向における位置が互いに異なる複数のノズルを含む、態様を有する。
上述した態様は、ブラック用ノズルの代わりに使用する副ノズルを用意しなくてもブラックの不良ノズルにより形成すべきドットをより適切に補完することが可能な技術を提供することができる。
さらに、本発明は、記録装置を含む複合装置、上述した各部に対応した工程を含む記録方法、この記録方法を含む複合装置用の処理方法、上述した各部に対応した機能をコンピューターに実現させる記録プログラム、この記録プログラムを含む複合装置用の処理プログラム、これらのプログラムを記録したコンピューター読み取り可能な媒体、等に適用可能である。前述の装置は、分散した複数の部分で構成されてもよい。
記録ヘッド61に傾きがあるときのコンポジット補完の例を模式的に示す図。 ノズル64と画素PXの対応関係の例を模式的に示す図。 記録装置1としてラインプリンターの構成例を模式的に示す図。 記録装置1としてラインプリンターの要部を模式的に例示する図。 カラーインクの記録濃度の配分率の例を模式的に説明する図。 (a)は記録装置1の要部を模式的に例示する図、(b)は振動板630の残留振動に基づく起電力曲線VRを模式的に例示する図。 (a)は不良ノズル検出ユニット48の電気回路例を示す図、(b)は増幅部701からの出力信号の例を模式的に示す図。 記録ヘッド61に傾きが無いときのコンポジット補完の例を模式的に説明する図。 (a)はCMY補正値テーブルの構造を模式的に例示する図、(b)及び(c)は分配比率テーブルの構造を模式的に例示する図。 カラーインクの記録濃度の分配例を模式的に説明する図。 (a)〜(e)は傾き量θに応じた配分率を格納した分配比率テーブルの構造例を模式的に示す図。 印刷処理の例を示すフローチャート。 元データ300から記録データ310を生成する様子を模式的に例示する図。 記録データ310からハーフトーンデータ315を生成する例を模式的に示す図。 記録データ310からハーフトーンデータ315を生成する別の例を模式的に示す図。 印刷処理の変形例を示すフローチャート。 傾き量θに応じた情報を格納した分配テーブルの構造例、及び、分配テーブルに基づいて補完ドットが形成される記録データの例を模式的に示す図。 ノズル列68の基準に対する傾き量θを表す情報を取得する例を模式的に示す図。 配分率設定処理の例を示すフローチャート。 (a)〜(e)は線LINE1,LINE2間の距離L1に応じた配分率を格納した分配比率テーブルの構造例を模式的に示す図。 (a),(b)は、記録濃度を表す階調値が格納されたハーフトーン前の記録データ310からハーフトーンデータを生成して印刷画像330を形成する様子を模式的に例示する図。
以下、本発明の実施形態を説明する。むろん、以下の実施形態は本発明を例示するものに過ぎず、実施形態に示す特徴の全てが発明の解決手段に必須になるとは限らない。
(1)本技術の概要:
まず、図1〜21を参照して本技術の概要を説明する。
本技術の記録装置1は、並び方向D1へ並んでK(ブラック)のドットDkを形成する複数のK用ノズル64K、及び、前記並び方向D1へ並んでコンポジットブラックのドットDcoを形成する複数のカラー用ノズル64coを含む複数のノズル64を備える。複数のノズル64(記録ヘッド61)と被記録物400とは、前記並び方向D1とは異なる相対移動方向D2へ相対移動する。ここで、複数のノズルと被記録物とが相対移動することには、複数のノズルが移動しないで被記録物が移動すること、被記録物が移動しないで複数のノズルが移動すること、及び、複数のノズルと被記録物の両方が移動することが含まれる。液滴を吐出してドットを形成するときに複数のノズルが移動しないで被記録物が移動する記録装置の代表例には、ラインプリンターが挙げられる。
本記録装置1は、前記複数のK用ノズル64Kに含まれる不良ノズルLNにより形成すべきドットを補完するコンポジットブラックのドットDcoを前記複数のカラー用ノズル64coに含まれるノズル群NZGにより形成する処理部U1を備える。前記ノズル群NZGは、前記並び方向D1における位置が互いに異なる複数のノズル(ノズル組NZ1,NZ2)を含む。
また、本技術の記録方法は、所定の並び方向D1へ並んでKのドットDkを形成する複数のK用ノズル64K、及び、前記並び方向D1へ並んでコンポジットブラックのドットDcoを形成する複数のカラー用ノズル64coを含む複数のノズル64と被記録物400とを前記並び方向D1とは異なる相対移動方向D2へ相対移動させてドットを形成する。本記録方法は、前記複数のK用ノズル64Kに含まれる不良ノズルLNにより形成すべきドットを補完するコンポジットブラックのドットDcoを前記複数のカラー用ノズル64coに含まれるノズル群NZGであって前記並び方向D1における位置が互いに異なる複数のノズル(ノズル組NZ1,NZ2)を含むノズル群NZGにより形成する。
以上より、Kの不良ノズルLNにより形成すべきドットを補完するドットDcoが複数のカラー用ノズル64coに含まれるノズル群NZGにより形成されるので、本態様は、Kの不良ノズルLNによる筋800(図2参照。)を抑制することが可能となる。また、記録ヘッド61が傾いていても、補完ドットDcoを形成するノズル群NZGに並び方向D1における位置が互いに異なる複数のノズル(ノズル組NZ1,NZ2)が含まれているので、本態様は、Kの不良ノズルLNによる筋800をさらに抑制することが可能となる。さらに、本態様は、記録ヘッド61が傾いていることによるコンポジットブラックのドットDcoの色ずれも抑制することが可能となる。
以上の少なくともいずれかにより、本態様は、K用ノズルの代わりに使用する副ノズルを用意しなくてもKの不良ノズルLNにより形成すべきドットをより適切に補完することが可能な技術を提供することができる。
ここで、コンポジットブラックを生成するカラーのインクには、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ライトシアン(lc)、ライトマゼンタ(lm)、ダークイエロー(DY)、レッド(R)、オレンジ(Or)、グリーン(Gr)、バイオレット(V)、等のインクが含まれる。コンポジットブラックを生成するカラーは、これらの色から選ばれる色の混合色を使用することができ、CMYの混合色が好ましいものの、CMYの混合色以外の色、例えば、CMの混合色等でもよい。
ノズルは、液滴(インク滴)が噴射する小孔のことである。液滴の吐出が不良であることは、ノズルが塞がれる現象である目詰まり(clogging)を含む。ドットは、被記録物上に液滴によって形成された記録結果の最小単位のことである。
ところで、図3に例示するように、前記処理部U1は、前記不良ノズルLNにより形成すべきドットを補完する前の元データ300に基づいて前記不良ノズルLNにより形成すべきドットを補完するコンポジットブラックのドットDcoが形成される記録データ310を生成する補完部U11を有してもよい。また、前記処理部U1は、前記記録データ310に基づいて前記複数のノズル64によりドットDTを形成するドット形成部U12を有してもよい。前記補完部U11は、前記元データ300で表されるKインクの記録濃度のうち前記不良ノズルLNにより記録されるべきKインクの記録濃度(図9(a)に例示する階調値GKiに相当。)を前記ノズル群NZGにより記録される補完用のカラーインクの記録濃度に変換し、得られる補完用のカラーインクの記録濃度が含まれる前記記録データ310を生成してもよい。本態様は、不良ノズルLNにより記録されるべきKインクの記録濃度(GKi)がノズル群NZGにより記録される補完用のカラーインクの記録濃度に変換されて記録データ310に含まれるので、Kの不良ノズルLNにより形成すべきドットを補完する好適な技術を提供することができる。
ここで、上記記録濃度には、ハーフトーン前のデータとハーフトーン後のデータの両方が含まれる。記録濃度は、ハーフトーン前においては多階調のデータ(図9(a)の例では256階調の階調値)を意味し、ハーフトーン後においては画素に対してドットを形成する確率を意味する。尚、画素は、色を独立に割り当てることができる、画像を構成する最小要素である。
ハーフトーン前における記録濃度は、印刷画像のある画素に注目すると該注目画素に対するハーフトーン前の各CMYKのインクの使用量を表す。ハーフトーン前の多階調のデータは、ハーフトーン処理により階調数が減らされて2値や4値等の多値のデータに変わる。このため、ハーフトーン後の多値データは、画素毎にみるとインクの使用量とはならない。一方、ハーフトーン前において多数の画素に同じ値の多階調のデータが格納されているとき、これらの画素のそれぞれについてドットが形成される確率は、ディザ法といったハーフトーン処理により記録濃度に応じた確率となる。
図21(a),(b)は、記録濃度を説明する例として、CMYKのうちの1色について、ハーフトーン前の0〜255の階調値(記録データ310)から2値データ(ハーフトーンデータ)を生成して印刷画像330を形成する様子を模式的に示している。むろん、印刷画像330に含まれるドットDTのパターンは、あくまでも例示に過ぎない。図21(a)に示すようにハーフトーン前の256階調の階調値が64である各画素PXにインク滴を吐出する確率が25%に設定されていると、これらの画素PXのうち25%の画素にドットDTが形成される。図21(b)に示すようにハーフトーン前の256階調の階調値が128である各画素PXにインク滴を吐出する確率が50%に設定されていると、これらの画素PXのうち50%の画素にドットDTが形成される。従って、ハーフトーン後における記録濃度は、画素PXに対してインク滴67を吐出する確率を意味し、所定領域内で同じ記録濃度であれば所定領域内の画素PXの数に対して確率的に形成するドットDTの数の比を意味する。ノズルから吐出するインク滴の量が可変であれば、最大量のインク滴に対する重量比で吐出確率に重み付けをして記録濃度を表すことができる。例えば、大ドットに対する中ドットの重量比が1/2である場合、全画素の50%に中ドットが形成されるときに大ドットに換算して記録濃度を50×1/2=25%と表すことができる。
前記補完部U11は、前記ノズル群NZGに含まれ前記並び方向D1における位置が互いに異なる複数のノズル(ノズル組NZ1,NZ2)のそれぞれにより記録される補完用のカラーインクの記録濃度を前記複数のK用ノズル64K及び前記複数のカラー用ノズル64coの前記並び方向D1の基準に対する傾き量θに応じた配分率(例えばR21,R22)の記録濃度にしてもよい。この態様は、ノズル組NZ1,NZ2の各ノズルに分配される補完用の記録濃度がノズルの並び方向D1の基準に対する傾き量θに応じた配分率となるので、Kの不良ノズルLNにより形成すべきドットをさらに適切に補完することが可能となる。
図5に例示するように、前記ノズル群NZGは、前記複数のK用ノズル64Kの列68Kから所定の距離において前記並び方向D1における位置が互いに異なる複数のノズルである第一ノズル組NZ1を含んでもよい。また、前記ノズル群NZGは、前記第一ノズル組NZ1よりも前記複数のK用ノズル64Kの列68Kに近くて前記並び方向D1における位置が互いに異なる複数のノズルである第二ノズル組NZ2を含んでもよい。前記補完部U11は、前記第一ノズル組NZ1の各ノズルにより記録される補完用のカラーインクの記録濃度の配分率(例えばR31,R32)のうち前記並び方向D1における位置が前記不良ノズルLNと同じノズル(例えば図5のノズルC3)に対応する配分率R31を、前記第二ノズル組NZ2の各ノズルにより記録される補完用のカラーインクの記録濃度の配分率(例えばR41,R42)のうち前記並び方向D1における位置が前記不良ノズルLNと同じノズル(例えば図5のノズルM3)に対応する配分率R41よりも小さくしてもよい。ここで、ノズル64の並び方向D1に傾きがあるとき、第一ノズル組NZ1の中で並び方向D1における位置が不良ノズルLNと同じ方のノズル(例えばノズルC3)のドット形成位置は、第二ノズル組NZ2の中で並び方向D1における位置が不良ノズルLNと同じ方のノズル(例えばノズルM3)のドット形成位置よりも不良ノズルLNにより形成すべきドットの形成位置から並び方向D1へずれる。そこで、R31<R41とすることにより、本態様は、Kの不良ノズルLNにより形成すべきドットをさらに適切に補完することが可能となる。
前記ノズル群NZGは、前記複数のK用ノズル64Kの列68Kから所定の距離において前記並び方向D1における位置が互いに異なる複数のノズルである第一ノズル組NZ1を含んでもよい。また、前記ノズル群NZGは、前記並び方向D1における位置が前記不良ノズルLNと同じ第三ノズルNZ3であって前記第一ノズル組NZ1よりも前記複数のK用ノズル64Kの列68Kに近い第三ノズルNZ3を含んでもよい。前記補完部U11は、前記第一ノズル組NZ1にまとめて割り当てられた補完用のカラーインクの記録濃度(例えば図9(a)に示す階調値GCi,GMi,GYiに相当。)を前記第一ノズル組NZ1の各ノズルに分配し、前記第三ノズルNZ3に割り当てられた補完用のカラーインクの記録濃度(GCi,GMi,GYi)を分配しないようにしてもよい。このように補完用のカラーインクの記録濃度を分配しないので、第三ノズルNZ3は一つになっている。ノズル64の並び方向D1に傾きがあるとき、第一ノズル組NZ1の中で並び方向D1における位置が不良ノズルLNと同じ方のノズル(例えば図5のノズルC3)のドット形成位置は、第三ノズルNZ3のドット形成位置よりも不良ノズルLNにより形成すべきドットの形成位置から並び方向D1へずれる。従って、本態様は、Kの不良ノズルLNにより形成すべきドットをさらに適切に補完することが可能となる。
前記記録データ310は、Kインク及びカラーインクの記録濃度を表す階調データでもよい。前記ドット形成部U12は、前記階調データの階調数を減らしてドットの形成状況を表すハーフトーンデータ315(図15参照。)を生成してもよい。また、前記ドット形成部U12は、前記ハーフトーンデータ315に基づいて前記複数のノズル64によりドットDTを形成してもよい。本態様は、ノズル群NZGにより記録される補完用のカラーインクの記録濃度が加えられた階調データからハーフトーンデータ315が生成されてドットが形成されるので、Kの不良ノズルLNにより形成すべきドットをさらに適切に補完することが可能となる。
本記録装置1は、前記複数のK用ノズル64K及び前記複数のカラー用ノズル64coの前記並び方向D1の基準に対する傾き量θを表す情報を入力する傾き量入力部U2を備えてもよい。前記補完部U11は、前記ノズル群NZGに含まれ前記並び方向D1における位置が互いに異なる複数のノズル(ノズル組NZ1,NZ2)のそれぞれにより記録される補完用のカラーインクの記録濃度を前記傾き量入力部U2で入力された情報で表される傾き量θに応じた配分率の記録濃度にしてもよい。本態様は、ヘッド61を交換する等により傾き量θが変わることがあっても傾き量θを表す情報が入力されることによりノズル組NZ1,NZ2の各ノズルに分配される補完用の記録濃度が傾き量入力部U2で入力された情報で表される傾き量θに応じた配分率となる。従って、本態様は、利便性が向上し、傾き量θが変わってもKの不良ノズルLNにより形成すべきドットの補完精度を維持することが可能となる。
(2)記録装置及び記録方法の具体例:
以下、インク滴を吐出してドットを形成するときに記録ヘッドが移動しないで被記録物が移動するラインプリンターを具体例として説明する。
図1は、ラインプリンターにおいて記録ヘッド61に傾きがあるときの本技術のコンポジット補完の例を模式的に示している。図2は、ノズル64と画素PXの対応関係の例を模式的に示している。図3は、記録装置1としてラインプリンターの構成例を模式的に示している。図4は、記録装置1としてラインプリンターの要部を模式的に例示している。図5は、カラーインクの記録濃度の配分率の例を模式的に説明する図である。
本明細書において、符号D1はノズル64の並び方向、符号D3は被印刷物といった被記録物400の搬送方向、符号D2は搬送される被記録物400を基準にしたときのヘッド61の相対移動方向、符号D4は長尺な被記録物400の幅方向、を示している。図4に示すように固定されたヘッド61に対して被記録物400が搬送方向上流側から搬送方向下流側へ移動するとき、被記録物400に対して搬送方向下流側から搬送方向上流側へ順にドットが形成される。図1等の例では並び方向D1と幅方向D4が一致しているが、並び方向D1と幅方向D4とは略45°ずれる等、ずれていてもよい。これらの方向D1,D4と相対移動方向D2(搬送方向D3)は、異なる方向であればよく、互いに直交するのみならず、略45°で交差する等、直交しないで交差する場合も本発明に含まれる。むろん、二方向が交差することは、直交することを含めて二方向がずれていることを意味する。分かり易く示すため、各方向の拡大率は異なることがあり、各図は整合していないことがある。また、図1等に示すヘッド61の傾きは、誇張して描いており、実際に生じる傾きとは異なる。図1等に示すドットはあくまでも説明のため模式的に示されたものであり、実際に形成されるドットの大きさや形状等はこれらの図の通りになるとは限らない。図1〜6等に示すヘッド61もあくまでも説明のため模式的に示されたものであり、実際の大きさや形状等はこれらの図の通りになるとは限らない。さらに、図2に示す画素PXは便宜上、傾きの無いヘッド61から吐出(噴射)されるインク滴(液滴)67の計算上の着弾位置を表すものであり、ヘッド61に傾きがある場合にはインク滴67の着弾位置が計算上の位置からずれることになる。
尚、被印刷物(print substrate)は、印刷画像を保持する素材のことである。形状は長方形のものが一般的であるが、円形(例えばCD−ROM、DVD等の光ディスク)、三角形、四角形、多角形などがあり、少なくとも、JIS(日本工業規格)P0001:1998(紙・板紙及びパルプ用語)に記載の紙・板紙の品種及び加工製品の全てを含む。樹脂シート、金属板、立体物、等も被印刷物に含まれる。
記録装置1は、実際には形成されないドット補完前の仮想の画像320を表す元データ300に基づいて不良ノズルLNにより形成されるべきドットを補完した印刷画像330を表す記録データ310を生成する。補完前後の画像320,330は、相対移動方向D2及び幅方向D4へそれぞれ整然と並んだ計算上の画素PXのそれぞれについてドットDTの形成状況(有無を含む。)を表す多値又は二値の画像である。印刷画像330は、被記録物400に対して実際に形成される画像である。
まず、ノズル64と画素PXの対応関係の例を説明する。図4に示すヘッドユニット60は、Cのノズル列68C、Mのノズル列68M、Yのノズル列68Y、及び、Kのノズル列68Kを有する記録ヘッド61を備えている。相対移動方向D2におけるノズル列の色の順番は、限定されない。各ノズル列68C,68M,68Y,68Kは、印刷用紙等といった被記録物400の搬送方向D3へ並べられている。各ノズル列68C,68M,68Y,68Kは、並び方向D1へノズル64C,64M,64Y,64Kが並んでいる。K用ノズル64Kは、Kのインク滴67kを吐出する。C用ノズル64C、M用ノズル64M、及び、Y用ノズル64Yは、コンポジットブラックを生成するCMYのインク滴67coを吐出する。コンポジットブラックを生成するCMYインクの記録濃度の比は、特に限定されず、例えば、1:1:1にすることができる。1:1:1の場合、不良ノズルLNによりドットが形成すべきドット欠落画素PXLにおけるハーフトーン前のKの階調値(記録濃度)が128(50%)であるとすると、このKの階調値をCMYの階調値で表すと(C,M,Y)=(128,128,128)と全て記録濃度50%となる。ここで、図1に示すようにCのノズルC3,C4を第一ノズル組NZ1として使用する場合、Cの補完値128をノズルC3,C4に対応する画素に分配することになる。MのノズルM3,M4を第二ノズル組NZ2として使用する場合、Mの補完値128をノズルM3,M4に対応する画素に分配することになる。YについてノズルY3のみを使用する場合、Yの補完値128をそのままノズルY3に対応する画素に割り当てることになる。尚、補完前の画素には元々のCMYの階調値があるため、前述の補完値を元々のCMYの階調値に加算することになる。
図4に示すヘッドユニット60は、被記録物400の幅方向D4の全体にわたってノズル64C,64M,64Y,64Kから吐出(噴射)されるインク滴67により被記録物400にドットDTを形成することができるように複数のヘッド(チップ)61a〜61dが配置されている。ここで、ヘッド61a〜61dをヘッド61と総称し、ノズル列68C,68M,68Y,68Kをノズル列68と総称し、ノズル64C,64M,64Y,64Kをノズル64と総称する。
尚、ノズルが千鳥状に配置されたノズル列であっても、複数のノズルが搬送方向とは異なる所定の並び方向へ例えば2列に並んでおり、本技術に含まれる。この場合の並び方向は、千鳥状配置における各列のノズルの並びの方向を意味する。
図2等に示すヘッド61は、印刷画像330に合わせるため、ノズル64を有するノズル面とは反対側から模式的に示している。ノズル列68には、目詰まり等によりインク滴が吐出しなかったり吐出インク滴が正しい軌跡を描かなかったりする不良ノズルLNが生じることがある。不良ノズルLNがあると、ドットDTが形成されないドット欠落画素PXLが相対移動方向D2へ繋がった「ドット抜け」領域(抜けラスターRAL)が被記録物400に形成される。本技術において、ラスターは、相対移動方向へ線状に連続した画素の並びを意味する。抜けラスターRALにドットが形成されないことにより、印刷画像330に被記録物400の地色の筋800が相対移動方向D2に沿って生じてしまう。被記録物400が白色であれば、白筋が生じることになる。
本技術では、抜けラスターRALの両隣にあるラスターを一次近傍ラスターRA1,RA2と呼び、一次近傍ラスターRA1から抜けラスターRALとは反対側において一次近傍ラスターRA1に隣接するラスターを二次近傍ラスターRA3と呼び、一次近傍ラスターRA2から抜けラスターRALとは反対側において一次近傍ラスターRA2に隣接するラスターを二次近傍ラスターRA4と呼ぶことにしている。ここで、ノズル列68の各ノズル64のピッチをNpで表し、ノズル列68Kからノズル列68Yまでの距離をLyで表し、ノズル列68Kからノズル列68Mまでの距離をLmで表し、ノズル列68Kからノズル列68Cまでの距離をLcで表し、カラー用ノズル64C,64M,64Yをカラー用ノズル64coと総称する。
図3に示す記録装置1は、コントローラー10、RAM(Random Access Memory)20、不揮発性メモリー30、不良ノズル検出ユニット48、機構部50、インターフェイス(I/F)71,72、操作パネル73、等を備える。コントローラー10、RAM20、不揮発性メモリー30、I/F71,72、及び、操作パネル73は、バス80に接続され、互いに情報を入出力可能とされている。
コントローラー10は、CPU(Central Processing Unit)11、解像度変換部41、色変換部42、補完部U11、ハーフトーン処理部43、駆動信号送信部46、等を備える。コントローラー10は、機構部50とともにドット形成部U12を構成し、不良ノズル検出ユニット48とともに不良ノズル検出部U3を構成する。コントローラー10は、SoC(System on a Chip)等により構成することができる。
CPU11は、記録装置1における情報処理や制御を中心的に行う装置である。
解像度変換部41は、ホスト装置100やメモリーカード90等からの入力画像の解像度を設定解像度(例えば、搬送方向D3を600dpi、相対移動方向D2を1200dpi)に変換する。入力画像は、例えば、各画素にRGB(赤、緑、青)の256階調の整数値を有するRGBデータで表現される。
色変換部42は、例えば、設定解像度のRGBデータを各画素にCMYKの256階調の整数値を有するCMYKデータに変換する。このCMYKデータは、本実施形態において不良ノズルLNにより形成すべきドットを補完する前の元データ300である。
補完部U11は、上記元データ300に基づいて不良ノズルLNにより形成すべきドットを補完するコンポジットブラックのドットDcoが形成される記録データ310を生成する。この記録データ310は、Kインク及びカラーインクの記録濃度を表す階調データである。補完部U11の詳細は、後述する。
ハーフトーン処理部43は、記録データ310を構成する各画素の階調値に対して例えばディザ法といった所定のハーフトーン処理を行って前記階調値の階調数を減らし、ハーフトーンデータ315を生成する。ハーフトーンデータ315は、ドットの形成状況を表すデータであり、ドットの形成有無を表す2値データでもよいし、大中小の各ドットといった異なるサイズのドットに対応可能な3階調以上の多値データでもよい。各画素について1ビットで表現可能な2値データは、例えば、ドット形成に1、ドット無しに0、を対応させるデータとすることができる。各画素について2ビットで表現可能な4値データとしては、例えば、大ドット形成に3、中ドット形成に2、小ドット形成に1、ドット無しに0、を対応させるデータとすることができる。大ドットを補完ドット専用にする場合、ハーフトーンデータ315は大ドットが形成されない多値データでもよい。
駆動信号送信部46は、ヘッド61の駆動素子63に印加する電圧信号に対応した駆動信号SGをハーフトーンデータ315から生成して駆動回路62へ出力する。例えば、ハーフトーンデータ315が「大ドット形成」であれば大ドット用のインク滴を吐出させる駆動信号を出力し、ハーフトーンデータ315が「中ドット形成」であれば中ドット用のインク滴を吐出させる駆動信号を出力し、ハーフトーンデータ315が「小ドット形成」であれば小ドット用のインク滴を吐出させる駆動信号を出力する。
上記各部41,42,U11,43,46は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)で構成されてもよく、RAM20から処理対象のデータを直接読み込んだりRAM20に処理後のデータを直接書き込んだりしてもよい。
コントローラー10に制御される機構部50は、紙送り機構53、ヘッドユニット60、ヘッド61、等を備え、コントローラー10とともにドット形成部U12を構成する。紙送り機構53は、連続した被記録物400を搬送方向D3へ搬送する。ヘッドユニット60には、例えばCMYKのインク滴67を吐出するヘッド61が搭載されている。ヘッド61は、駆動回路62、駆動素子63、等を備える。駆動回路62は、コントローラー10から入力される駆動信号SGに従って駆動素子63に電圧信号を印加する。駆動素子63には、ノズル64に連通する圧力室内のインク(液体)66に圧力を加える圧電素子、熱により圧力室内に気泡を発生させてノズル64からインク滴67を吐出させる駆動素子、等を用いることができる。ヘッド61の圧力室には、インクカートリッジ(液体カートリッジ)65からインク66が供給される。インクカートリッジ65とヘッド61の組合せは、例えば、CMYKのそれぞれに設けられる。圧力室内のインク66は、駆動素子63によってノズル64から被記録物400に向かってインク滴67として吐出され、印刷用紙等といった被記録物400にインク滴67のドットDTが形成される。被記録物400が搬送方向D3へ搬送されることにより、すなわち、複数のノズル64と被記録物400とが相対移動方向D2へ相対移動することにより、記録データ310に対応した印刷画像330が複数のドットDTにより形成される。多値データが4値データであれば、多値データで表されるドットサイズに応じたドットの形成により画像330が印刷される。
RAM20は、大容量で揮発性の半導体メモリーであり、プログラムPRG2、元データ300、記録データ310、等が格納される。プログラムPRG2は、記録装置1の各部U1〜U3に対応する処理機能、傾き量入力機能、及び、不良ノズル検出機能を記録装置1に実現させる記録プログラムを含む。
不揮発性メモリー30には、プログラムデータPRG1、CMY補正値テーブルT1、分配比率テーブルT2、等が記憶されている。CMY補正値テーブルT1は、図9(a)に例示するように、Kインクの記録濃度(階調値GKi)とカラーインクの記録濃度(階調値GCi,GMi,GYi)との対応関係をKインクの各記録濃度について規定した情報テーブルである。分配比率テーブルT2は、図9(b)に例示するように、並び方向D1における位置が互いに異なる複数のノズルのそれぞれに対して補完用のカラーインクの記録濃度(GCi,GMi,GYi)を分配する比率を規定した情報テーブルである。例えば、記録装置の製造工場の作業員がノズル列68の並び方向D1の基準に対する傾き量θを測定し、この傾き量θに応じた分配比率テーブルT2を不揮発性メモリー30に記憶させる作業を行う。むろん、記録装置のユーザーが傾き量θを測定し、この傾き量θに応じた分配比率テーブルT2を不揮発性メモリー30に記憶させる作業を行ってもよい。不揮発性メモリー30には、ROM(Read Only Memory)、ハードディスクといった磁気記録媒体、等が用いられる。尚、プログラムデータPRG1を展開するとは、CPU11で解釈可能なプログラムとしてRAM20に書き込むことを意味する。
カードI/F71は、メモリーカード90にデータを書き込んだりメモリーカード90からデータを読み出したりする回路である。メモリーカード90は、データの書き込み及び消去が可能な不揮発性半導体メモリーであり、デジタルカメラといった撮影装置により撮影された画像等が記憶される。画像は、例えばRGB色空間の画素値で表され、RGBの各画素値は、例えば0〜255の8ビットの階調値で表される。
通信I/F72は、ホスト装置100の通信I/F172に接続され、ホスト装置100に対して情報を入出力する。通信I/F72,172には、USB(Universal Serial Bus)等を用いることができる。ホスト装置100には、パーソナルコンピューターといったコンピューター、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、スマートフォンといった携帯電話、等が含まれる。
操作パネル73は、出力部74、入力部75、等を有し、ユーザーが記録装置1に対して各種の指示を入力可能である。出力部74は、例えば、各種の指示に応じた情報や記録装置1の状態を示す情報を表示する液晶パネル(表示部)で構成される。出力部74は、これらの情報を音声出力してもよい。入力部75は、例えば、カーソルキーや決定キーといった操作キー(操作入力部)で構成される。入力部75は、表示画面への操作を受け付けるタッチパネル等でもよい。操作パネル73は、ノズル列68の並び方向D1の基準に対する傾き量θを表す情報を入力する傾き量入力部U2となり得る。
不良ノズル検出ユニット48は、コントローラー10とともに各ノズル64の状態が正常であるか不良であるかを検出する不良ノズル検出部U3を構成する。
図6(a),(b)はノズル64の状態を検出する方法例を説明するための図であり、図6(a)は記録装置1の要部を模式的に示し、図6(b)は振動板630の残留振動に基づく起電力曲線VRを模式的に示している。図7(a)は検出ユニット48の電気回路例を示し、図7(b)はコンパレーター701bからの出力信号の例を模式的に示している。
図6(a)に示すヘッド61の流路基板610には、圧力室611、インクカートリッジ65から圧力室611へとインク66が流れるインク供給路612、圧力室611からノズル64へとインク66が流れるノズル連通路613、等が形成されている。流路基板610には、例えばシリコン基板等を用いることができる。流路基板610の表面は、圧力室611の壁面の一部を構成する振動板部634とされている。振動板部634は、例えば酸化シリコン等で構成することができる。振動板630は、例えば、振動板部634、この振動板部634上に形成された駆動素子63、等で構成することができる。駆動素子63は、例えば、振動板部634上に形成された下電極631、概ね下電極631上に形成された圧電体層632、概ね圧電体層632上に形成された上電極633、を有する圧電素子等とすることができる。電極631,633は、例えば白金や金等を用いることができる。圧電体層632は、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛、化学量論比でPb(Zrx,Ti1-x)O3)といった強誘電体のペロブスカイト型酸化物等を用いることができる。
図6(a)は、振動板630の残留振動に基づく圧電素子(駆動素子63)からの起電力状態を検出する検出ユニット48を設けた記録装置1の要部をブロック図により示している。検出ユニット48の一端は下電極631に対して電気的に接続され、検出ユニット48の他端は上電極633に対して電気的に接続されている。
図6(b)は、ノズル64からインク滴67を吐出するための駆動信号SGの供給後に生じる振動板630の残留振動に基づく駆動素子63の起電力曲線(起電力状態)VRを例示している。ここで、横軸は時間t、縦軸は起電力Vfである。起電力曲線VRは、正常なノズル64からインク滴67を吐出した例を示している。目詰まり等によりノズルからインク滴67が吐出しなかったり吐出インク滴67が正しい軌跡を描かなかったりすると、起電力曲線がVRからずれる。そこで、図7(a)に示すような検出回路を用いてノズル64が正常であるか不良であるかを検出することができる。
図7(a)に示す検出ユニット48は、増幅部701及びパルス幅検出部702を備えている。増幅部701は、例えば、オペアンプ701a、コンパレーター701b、コンデンサC11,C12、抵抗R1〜R5、を備える。駆動回路62から出力される駆動信号SGが駆動素子63に印加されると、残留振動が生じ、残留振動に基づく起電力が増幅部701に入力される。この起電力に含まれる低周波成分はコンデンサC11と抵抗R1とで構成される高域通過フィルターによって除去され、低周波成分除去後の起電力がオペアンプ701aにより所定の増幅率で増幅される。オペアンプ701aの出力は、コンデンサC12と抵抗R4とで構成される高域通過フィルターを通過し、コンパレーター701bによって基準電圧Vrefと比較され、基準電圧Vrefより高いか否かによってハイレベルHかローレベルLかのパルス状電圧に変換される。
図7(b)は、コンパレーター701bから出力されパルス幅検出部702に入力されるパルス状電圧の例を示している。パルス幅検出部702は、入力されるパルス状電圧の立ち上がり時にカウント値をリセットし、所定期間毎にカウント値をインクリメントし、次のパルス状電圧の立ち上がり時にカウント値を検出結果としてコントローラー10へ出力する。カウント値は残留振動に基づく起電力の周期に対応し、順次出力されるカウント値は残留振動に基づく起電力の周波数特性を示す。ノズルが不良ノズルLNである場合の起電力の周波数特性(例えば周期)は、ノズルが正常である場合の起電力の周波数特性とは異なる。そこで、コントローラー10は、順次入力されるカウント値が許容範囲内であれば検出対象のノズルが正常であると判定することができ、順次入力されるカウント値が許容範囲外であれば検出対象のノズルが不良ノズルLNであると判定することができる。
上述した処理を各ノズル64について行うことにより、コントローラー10は、各ノズル64の状態を把握することができ、不良ノズルLNの位置を表す情報を例えばRAM20又は不揮発性メモリー30に格納することができる。
むろん、不良ノズルLNの検出は、上述した方法に限定されない。例えば、複数のノズル64から対象のノズルを順次切り替えながらインク滴67を吐出させ、被記録物400にドットが形成されないノズルを識別する情報(例えばノズル番号)の操作入力を受け付けることも、不良ノズルLNの検出に含まれる。また、製造工場から出荷する前に不良ノズルLNを識別する情報を例えば不揮発性メモリー30に記憶させると、記録装置1に不良ノズル検出部U3を設ける必要が無くなる。
次に、処理部U1が行うコンポジット補完の例を説明する。図8は、記録ヘッド61に傾きが無いときのコンポジット補完の例を模式的に説明する図である。ここで、ノズル列68C,68M,68Y,68Kにおいて並び方向D1へ連続するノズル64C,64M,64Y,64KをC1〜C5,M1〜M5,Y1〜Y5,K1〜K5で表し、これらのノズルから吐出されるインク滴により形成されるドットDTにノズルの符号を付している。ノズルK3が不良ノズルLNである場合、設計上、抜けラスターRALに補完ドットDcoを形成可能な対応ノズルはノズルC3,M3,Y3である。尚、抜けラスターRALに隣接する一次近傍ラスターRA1にドットを形成可能な一次近傍形成ノズルはノズルC2,M2,Y2,K2である。抜けラスターRALに隣接する一次近傍ラスターRA2にドットを形成可能な一次近傍形成ノズルはノズルC4,M4,Y4,K4である。二次近傍ラスターRA3にドットを形成可能な二次近傍形成ノズルはノズルC1,M1,Y1,K1である。二次近傍ラスターRA4にドットを形成可能な二次近傍形成ノズルはノズルC5,M5,Y5,K5である。尚、図8では、分かり易く示すため、画素PXと比べてドットDTを小さく描いている。
ヘッド61に傾きが無い場合のコンポジット補完は、不良ノズルK3により抜けラスターRALに形成されるべきKのドットを補完するドットDcoをカラー用ノズル64coにより形成することである。例えば、抜けラスターRALの同じ画素に対してノズルC3,M3,Y3からCMYのインク滴67coを吐出すると、CMYのインクが混ざり、抜けラスターRALにコンポジットブラックのドットDcoが形成される。ノズルC3,M3,Y3から同じ重量のインク滴67coを吐出すると、CMYインクが1:1:1で混合したコンポジットブラックのドットDcoが形成される。尚、不良ノズルK3以外のノズルK1,K2,K4,K5からはKのインク滴67kが吐出されてKのドットDkが形成される。
現実には、記録装置1にヘッド61を組み付けるときにノズル列68の並び方向D1が基準からずれてヘッド61が傾くことがある。図1は、傾きのあるヘッド61を模式的に示している。この場合、並び方向D1において不良ノズルK3と同じ位置にある対応ノズルC3,M3,Y3のみからCMYのインク滴67coを吐出すると、不良ノズルK3によるドットの着弾予定位置から並び方向D1へずれて対応ノズルC3,M3,Y3からのドットが形成される。これにより、印刷画像330に生じる筋800の抑制効果が減ってしまい、CMYのドットが並び方向D1へずれて色ずれが生じてしまう。
そこで、本技術は、並び方向D1における位置が互いに異なる複数のノズルを含むノズル群NZGからのインク滴67coによるコンポジットブラックのドットDcoで不良ノズルLNにより形成すべきドットを補完することにしている。
図1の例では、並び方向D1及び相対移動方向D2を通る平面上でヘッド61が右回りに傾き、分配比率テーブルT2に従って、ノズル群NZGがCのノズルC3,C4、MのノズルM3,M4、及び、Yの対応ノズルC3で構成されていることが示されている。ここで、Yのノズル列68YはKのノズル列68Kに近い(図2,5に示す距離Lyにある)ので、並び方向D1において対応ノズルY3に隣接するノズルY2,Y4を使用していない。Cのノズル列68CはKのノズル列68Kから遠い(図2,5に示す距離Lcにある)ので、並び方向D1において対応ノズルC3に隣接するノズルC4を使用している。Mのノズル列68MはCのノズル列68CよりもKのノズル列68Kに近い(図2,5に示す距離Lmにある)ので、並び方向D1において対応ノズルM3に隣接するノズルM4を使用するものの、ノズルM4への記録濃度の配分率(25%)はノズルC4への記録濃度の配分率(50%)よりも小さくされている。
図9(a)は、ノズル群NZGの各ノズルにカラーインクの記録濃度を分配する前におけるKインクの記録濃度(階調値GKi)とカラーインクの記録濃度(階調値GCi,GMi,GYi)との対応関係を規定したCMY補正値テーブルT1の構造例を模式的に示している。ここでは、記録濃度が大きくなると階調値が大きくなる関係である前提で説明する。図1に示すように補完用にノズルC3,C4を使用する場合、Cインクの記録濃度(GCi)がノズルC3,C4に分配される。補完用にノズルM3,M4を使用する場合、Mインクの記録濃度(GMi)がノズルM3,M4に分配される。補完用にノズルY3のみを使用する場合、Yインクの記録濃度(GYi)がそのままノズルY3に割り当てられる。
図5は、カラーインクの記録濃度の配分率における特徴を模式的に示している。本技術の一側面において、図5に示すノズル群NZGは、Kのノズル列68Kから所定の距離Lcにおいて並び方向D1における位置が互いに異なる複数のノズルである第一ノズル組NZ1と、該第一ノズル組NZ1よりもノズル列68Kに近くて並び方向D1における位置が互いに異なる複数のノズルである第二ノズル組NZ2と、を含んでいる。具体的には、第一ノズル組NZ1はノズルC3,C4であり、第二ノズル組NZ2はノズルM3,M4である。ここで、分配比率テーブルT21に示すように、ノズルC3,C4のそれぞれにより記録される補完用のカラーインクの記録濃度の配分率をR31,R32とし、ノズルM3,M4のそれぞれにより記録される補完用のカラーインクの記録濃度の配分率をR41,R42とする。配分率R31,R41は不良ノズルK3と同じ抜けラスターRALに設計上ドットを形成するノズルC3,M3に対応する配分率である。本技術は、R31<R41、及び、R32>R42にする特徴を有している。上述したように、ノズル列68Kから遠くなるほど対応ノズルによるドットの形成位置のずれが大きくなるためである。
尚、本技術における第一ノズル組及び第二ノズル組の関係は相対的であるため、例えば、複数のMのノズル64Mを本技術の第一ノズル組に当てはめて複数のYのノズル64Yを本技術の第二ノズル組に当てはめることも可能である。
また、本技術の別の側面において、図5に示すノズル群NZGは、ノズル列68Kから所定の距離Lcにおいて並び方向D1における位置が互いに異なる複数のノズルである第一ノズル組NZ1と、第一ノズル組NZ1よりもノズル列68Kに近い第三ノズルNZ3と、含んでいる。具体的には、第一ノズル組NZ1はノズルC3,C4であり、第三ノズルNZ3はノズルY3である。ここで、分配比率テーブルT22に示すように、ノズルC3,C4のそれぞれにより記録される補完用のカラーインクの記録濃度の配分率をR51,R52とし、ノズルY3,Y4のそれぞれにより記録される補完用のカラーインクの記録濃度の配分率をR61,R62とする。配分率R51,R61は不良ノズルK3と同じ抜けラスターRALに設計上ドットを形成するノズルC3,Y3に対応する配分率である。本技術は、R51<R61=100%、及び、R52>R62=0%にする特徴を有している。上述したように、ノズル列68Kから遠くなるほど対応ノズルによるドットの形成位置のずれが大きくなるためである。
尚、本技術における第一ノズル組及び第三ノズルの関係は相対的であるため、例えば、複数のMのノズル64Mを本技術の第一ノズル組に当てはめてYのノズル64Yを本技術の第三ノズルに当てはめることも可能である。
図1,5に示すようにヘッド61が右回りに傾いている場合には下のラスターRA2にドットを形成する予定のノズルC4,M4,Y4の少なくとも一部をノズル群NZGとして使用すればよい。図示していないがヘッド61が左回りに傾いている場合には上のラスターRA1にドットを形成する予定のノズルC2,M2,Y2の少なくとも一部をノズル群NZGとして使用すればよい。そこで、図9(b)に示すように、分配比率テーブルT2には、例えば、CMYのそれぞれについて抜けラスターRALと上のラスターRA1と下のラスターRA2にドットを形成する予定のノズルに割り当てる配分率を格納すればよい。ここで、ノズルC2,C3,C4にはそれぞれ配分率RC1,RCL,RC2が割り当てられ、ノズルM2,M3,M4にはそれぞれ配分率RM1,RML,RM2が割り当てられ、ノズルY2,Y3,Y4にはそれぞれ配分率RY1,RYL,RY2が割り当てられていることが示されている。
補完用に二次近傍ラスターRA3,RA4にドットを形成する予定のノズルを使用した方がよければ、図9(c)に示すような分配比率テーブルT2Aを使用すればよい。ここで、ノズルC1,C5にはそれぞれ配分率RC3,RC4が割り当てられ、ノズルM1,M5にはそれぞれ配分率RM3,RM4が割り当てられ、ノズルY1,Y5にはそれぞれ配分率RY3,RY4が割り当てられていることが示されている。
尚、分配比率テーブルT2Aは、分配比率テーブルT21,T22とともに分配比率テーブルT2に含まれる概念である。
次に、図10等を参照して、分配比率テーブルT2の作成方法を説明する。図10は、カラーインクの記録濃度の分配例を模式的に説明する図である。ここで、ヘッド61の傾き量、すなわち、複数のK用ノズル64K及び複数のカラー用ノズル64C,64M,64Yの並び方向D1の基準に対する傾き量をθとし、並び方向D1におけるノズル64のピッチをNpとする。隣り合うノズル64によるラスターの間隔(例えば被記録物の幅方向D4におけるノズルK3,K4の位置の差)は、Np・cosθとなる。幅方向D4におけるKのノズルK3とCの対応ノズルC3との位置の差は、Lc・sinθとなる。幅方向D4におけるKのノズルK3とCの隣接ノズルC4との位置の差は、Np・cosθ−Lc・sinθとなる。Cインクの記録濃度のノズルC3,C4の配分率R21,R22を幅方向D4におけるノズルK3との距離の逆比にする場合、図10に示す式によりノズルC3,C4への配分率を求めることができる。
R21=(Np・cosθ−Lc・sinθ)/Np・cosθ
R22=Lc・sinθ/Np・cosθ
MのノズルM3,M4への配分率R21,R22を表す式や、YのノズルY3,Y4への配分率R21,R22を表す式も、図10に示している。
むろん、図10に示す式はあくまでも一例に過ぎず、ヘッドやインクの性質等に応じて適宜、式を変更可能である。
また、分配比率テーブルT2を記録装置に記憶させる作業効率を考慮して、図11(a)〜(e)に示すように傾き量θに応じて段階的に分配比率テーブルを用意しておいてもよい。
図11(a)〜(e)に示す分配比率テーブルは、θ(−3)<θ(−2)<θ(−1)<0<θ(1)<θ(2)<θ(3)の関係を満たす閾値θ(−3),θ(−2),θ(−1),θ(1),θ(2),θ(3)により段階的に分けられている。尚、θ<θ(−3)又はθ>θ(3)となるときにはヘッド61の傾きが許容範囲外であるとして製品から除外するものとする。図11(a)〜(e)に示す例では、作業者は、θ(2)<θ≦θ(3)の場合に図11(a)に示す分配比率テーブルを不揮発性メモリー30に記憶させ、θ(1)<θ≦θ(2)の場合に図11(b)に示す分配比率テーブルを不揮発性メモリー30に記憶させ、θ(−1)≦θ≦θ(1)の場合に図11(c)に示す分配比率テーブルを不揮発性メモリー30に記憶させ、θ(−2)≦θ<θ(−1)の場合に図11(d)に示す分配比率テーブルを不揮発性メモリー30に記憶させ、θ(−3)≦θ<θ(−2)の場合に図11(e)に示す分配比率テーブルを不揮発性メモリー30に記憶させることになる。
次に、図12〜14等を参照して、記録装置1で行われる印刷処理の例を説明する。図12においてホスト装置100やメモリーカード90等からの入力画像に基づいて印刷画像330を形成するステップS102,S104,S110,S120,S122の処理は、上述した各部41,42,U11,43,46,50が順に行う。以下、「ステップ」の記載を省略する。印刷処理は、電気回路により実現されてもよいし、プログラムにより実現されてもよい。ここで、S110の処理を行うコントローラー10は補完部U11を構成し、S120〜S122の処理を行うコントローラー10及び機構部50はドット形成部U12を構成する。
印刷処理が開始されると、解像度変換部41は、入力画像を表すRGBデータ(例えば256階調)を設定解像度(例えば600×1200dpi)に変換する(S102)。色変換部42は、設定解像度のRGBデータを同じ設定解像度のCMYKデータ(例えば256階調)に色変換する(S104)。このCMYKデータは、不良ノズルLNによるドットが形成されない仮想の画像320を表す元データ300である。補完部U11は、この元データ300に基づいて不良ノズルLNにより形成すべきドットを補完するコンポジットブラックのドットDcoが形成される記録データ310を生成する(S110)。S110で行われるコンポジット補完は、CMY補正値テーブルT1と分配比率テーブルT2に基づいてヘッド61の傾きを考慮して行われる。まず、CMY補正値テーブルT1を参照してコンポジット変換を行った後(S112)、分配比率テーブルT2を参照してカラーインクの記録濃度をヘッド61の傾きに応じて分配する(S114)方法について、説明する。
例として、図13に示すような階調値がCの元データ300CとMの元データ300MとYの元データ300YとKの元データ300Kとにおける抜けラスターRAL及び一次近傍ラスターRA1,RA2に格納された元データ300を用いることにする。S112のコンポジット変換では、図9(a)に示すようなCMY補正値テーブルT1を参照して元データ300のKインクの記録濃度(階調値GKi)をカラーインクの記録濃度(階調値GCi,GMi,GYi)に変換する。図13の中段には、カラーインクの記録濃度が分配されないと仮定したときに生成される中間データ305を例示している。例えば、GKi=128であり、GCi=GMi=GYi=128である場合、中間データ305C,305M,305Yにおいて抜けラスターRALに0が格納されている画素には128が格納されることになる。また、GKi=64であり、GCi=GMi=GYi=64である場合、中間データ305C,305M,305Yにおいて抜けラスターRALに128が格納されている画素には128+64=192が格納されることになる。尚、中間データ305Kの抜けラスターRALについては、ドットが形成されないため、階調値0に置き換えてもよいし、元の階調値を残してもよい。
S114の分配では、図9(b)に示すような分配比率テーブルT2を参照してカラーインクの記録濃度(階調値GCi,GMi,GYi)を必要に応じて分配する。図13の下段には、Cの記録データ310CとMの記録データ310MとYの記録データ310YとKの記録データ310Kとで構成される記録データ310を例示している。例えば、図1に示すCのノズルC3,C4が第一ノズル組NZ1であり、RCL=50%、RC2=50%である場合、記録データ310Cにおいて、抜けラスターRALの抜けている2画素のうち左側の画素に階調値128の50%である階調値64が分配され、一次近傍ラスターRA2の左側の画素に階調値128の50%である階調値64が分配される。図13の記録データ310Cの左側の画素には、抜けラスターRALと一次近傍ラスターRA2に階調値64が格納されたことが示されている。また、記録データ310Cにおいて、抜けラスターRALの抜けている2画素のうち右側の画素に階調値64の50%である階調値32が分配され、一次近傍ラスターRA2の右側の画素に階調値64の50%である階調値32が分配される。図13の記録データ310Cの右側の画素には、抜けラスターRALと一次近傍ラスターRA2に階調値128+32=160が格納されたことが示されている。
図1に示すMのノズルM3,M4が第二ノズル組NZ2であり、RML=75%、RM2=25%である場合、記録データ310Mにおいて、抜けラスターRALの抜けている2画素のうち左側の画素に階調値128の75%である階調値96が分配され、一次近傍ラスターRA2の左側の画素に階調値128の25%である階調値32が分配される。図13の記録データ310Mには、抜けラスターRALの左側の画素に階調値96が格納され、一次近傍ラスターRA2の左側の画素に階調値32が格納されたことが示されている。また、記録データ310Mにおいて、抜けラスターRALの抜けている2画素のうち右側の画素に階調値64の75%である階調値48が分配され、一次近傍ラスターRA2の右側の画素に階調値64の25%である階調値16が分配される。図13の記録データ310Mの右側の画素には、抜けラスターRALに階調値128+48=176が格納され、一次近傍ラスターRA2に階調値128+16=144が格納されたことが示されている。
図1に示すYのノズルY3がノズル組でなく、RYL=100%である場合、記録データ310Yにおいて、抜けラスターRALの抜けている2画素のうち左側の画素に階調値128の100%である階調値128が割り当てられる。図13の記録データ310Yの左側の画素には、抜けラスターRALに階調値128が格納されたことが示されている。また、記録データ310Yにおいて、抜けラスターRALの抜けている2画素のうち右側の画素に階調値64の100%である階調値64が割り当てられる。図13の記録データ310Yの右側の画素には、抜けラスターRALに階調値128+64=192(記録濃度75%)が格納されたことが示されている。
尚、ノズル群NZGの各ノズルへのカラーインクの階調値を元データ300の画素の階調値に加算したときに階調値の上限255を超える場合には、例えば、上限値255を記録データ310の画素に格納すればよい。
また、1画素当たりのCMYKのインク使用量が多くなると被記録物にしみ込んだインクにより被記録物が波打つ現象が生じることがあるため、1画素当たりのインク使用量を制限してもよい。この場合、図9(a)に示すCMY補正値テーブルT1においてCMYの階調値GCi,GMi,GYiをKの階調値GKiよりも小さくしてもよい。この例として、図14に示すような階調値がCの元データ300CとMの元データ300MとYの元データ300YとKの元データ300Kとにおける抜けラスターRAL及び一次近傍ラスターRA1,RA2に格納された元データ300を用いることにする。例えば、GKi=255であり、GCi=GMi=GYi=128である場合、中間データ305C,305M,305Yにおいて抜けラスターRALに0が格納されている画素には128が格納されることになる。また、GKi=128であり、GCi=GMi=GYi=64である場合、中間データ305C,305M,305Yにおいて抜けラスターRALに128が格納されている画素には128+64=192が格納されることになる。
記録データ310の生成後、ハーフトーン処理部43は、記録データ310に対してハーフトーン処理を行ってハーフトーンデータ315を生成する(図12のS120)。図15には、Cのハーフトーンデータ315CとMのハーフトーンデータ315MとYのハーフトーンデータ315YとKのハーフトーンデータ315Kとで構成される4値データをハーフトーンデータ315として例示している。図15では、分かり易く示すため、図14に基づいた記録データ310の画素の階調値が0〜31である場合にはハーフトーンデータ315の画素に0(ドット無し)を格納し、記録データ310の画素の階調値が32〜95である場合にはハーフトーンデータ315の画素に1(小ドット形成)を格納し、記録データ310の画素の階調値が96〜254である場合にはハーフトーンデータ315の画素に2(中ドット形成)を格納し、記録データ310の画素の階調値が255である場合にはハーフトーンデータ315の画素に3(大ドット形成)を格納している。ハーフトーン処理にディザ法を用いる場合、記録データ310の画素に同じ階調値が格納されていてもハーフトーンデータ315の画素に同じ値が格納されるとは限らない。
ハーフトーンデータ315の生成後、駆動信号送信部46は、ハーフトーンデータ315に対応した駆動信号SGを生成してヘッド61の駆動回路62に出力し、ハーフトーンデータ315に合わせて駆動素子63を駆動させてヘッド61のノズル64からインク滴67を吐出させて印刷を実行する(S122)。これにより、被記録物400上に補完ドットDcoを含む多値(例えば4値)のドットで表現された印刷画像330が形成され、印刷処理が終了する。尚、元データ300ではドットが形成されない場合に新たなドットが形成される場合にはこの新たなドットが補完ドットDcoとなり、元データ300でドットが形成される場合にドットサイズが大きくなるときにはサイズの大きくなったドットが補完ドットDcoとなる。
図1は、傾いたヘッド61にKの不良ノズルK3があるときに被記録物400に形成されるドットDTを模式的に示している。図1に示す印刷画像330において、不良ノズルK3に対応するノズルC3,M3,Y3からのドットが形成されている。ヘッド61が右回りに傾いている結果、ドット(C3,M3,Y3)の形成位置は、不良ノズルK3によるドットの形成予定位置よりも一次近傍ラスターRA1側へずれている。本記録装置1は、不良ノズルK3よりも一次近傍ラスターRA2側にあるノズルC3,M3からのドットも形成されるので、ノズル群NZGからの補完ドットDcoは抜けラスターRALに対して偏りが少ない。従って、記録ヘッド61が傾いていても、不良ノズルLNによる筋800が好適に抑制される。また、記録ヘッド61が傾いていることによるコンポジットブラックのドットDcoの色ずれも抑制される。
さらに、以上の処理は抜けラスター及び近傍ラスターのカラーインクの記録濃度をテーブル参照で置換するだけの軽微な処理で行うことができるので、K用ノズルの代わりに使用する副ノズルを用意する必要が無いうえ、データ処理スループットにほとんど影響しない。そのため、ラインプリンター等で高速印刷が要求される場合に不良ノズルが生じても印刷速度の低下が抑制される。
また、図1,5に示すように、ノズル列68Kから遠い第一ノズル組の各ノズルC3,C4のうち対応ノズルC3に対応する配分率R31がノズル列68Kに近い第二ノズル組の各ノズルM3,M4のうち対応ノズルM3に対応する配分率R41よりも小さい。第一ノズル組の各ノズルC3,C4にまとめて割り当てられた補完用のカラーインクの記録濃度と第二ノズル組の各ノズルM3,M4にまとめて割り当てられた補完用のカラーインクの記録濃度とが同じであれば、より一次近傍ラスターRA1側へずれるドット(C3)の発生比率がドット(M3)の発生比率よりも少なくなり、代わりにドット(C4)の発生比率がドット(M4)の発生比率よりも多くなる。従って、不良ノズルK3によるドットが好適に補完される。
さらに、図1,5に示すように、ノズル列68Kから遠い第一ノズル組の各ノズルC3,C4にまとめて割り当てられた補完用のカラーインクの記録濃度が第一ノズル組の各ノズルC3,C4のそれぞれに分配され、ノズル列68Kに近い第三ノズルY3に割り当てられた補完用のカラーインクの記録濃度が分配されない。第一ノズル組の各ノズルC3,C4にまとめて割り当てられた補完用のカラーインクの記録濃度と第三ノズルY3に割り当てられた補完用のカラーインクの記録濃度とが同じであれば、より一次近傍ラスターRA1側へずれるドット(C3)の発生比率がドット(Y3)の発生比率よりも少なくなり、代わりにドット(C4)が発生する。従って、不良ノズルK3によるドットが好適に補完される。
さらに、図10,11に示すようにノズル組の各ノズルにより記録される補完用のカラーインクの記録濃度がノズル列68の並び方向D1の基準に対する傾き量θに応じた配分率の記録濃度にされると、不良ノズルK3によるドットが好適に補完される。
尚、S112のコンポジット変換とS114の分配とを同時に行うことも可能である。この場合、CMY補正値テーブルT1と分配比率テーブルT2とを合成して合成テーブルを生成しておけば、合成テーブルを参照することにより元データ300のKインクの階調値GKiを直接、ノズル群NZGの各ノズルへのカラーインクの階調値に変換することができる。従って、ノズル群NZGの各ノズルへのカラーインクの階調値を上限値255以下の範囲内で元データ300の画素の階調値に加算することにより、記録データ310を生成することができる。
(3)変形例:
本発明は、種々の変形例が考えられる。
例えば、本技術を適用可能なプリンターは、ラインプリンターのみならず、シリアルプリンターも含まれる。このシリアルプリンターは、インク滴を吐出してドットを形成するときに被記録物が移動しないでヘッドが移動する。従って、ヘッドと被記録物との相対移動には、少なくとも、ヘッドが移動しないで被記録物が移動することと、被記録物が移動しないでヘッドが移動することと、が含まれる。被記録物に対してCMYKのノズル列を1回主走査することによりノズル列に対応する1バンド分の全ドットを形成するバンド印刷を行う場合、各ノズルと各ラスターとの関係は図1等と同様となる。また、被記録物を搬送方向へ搬送しCMYKのノズル列を相対移動方向へ往復移動させることを繰り返してノズル列からインク滴を吐出するインターレース印刷を行う場合、一次近傍ラスターにドットを形成するノズルは並び方向において不良ノズルに隣接しないノズルになるものの、並び方向における位置が互いに異なる複数のノズルを含むノズル群によりコンポジットブラックの補完ドットを形成可能である。被記録物に対してCMYKのノズル列を2回以上主走査させることによりノズル列に対応する1バンド分の全ドットを形成する疑似バンド印刷を行う場合も、並び方向における位置が互いに異なる複数のノズルを含むノズル群によりコンポジットブラックの補完ドットを形成可能である。
また、本技術を適用可能な記録装置は、複写機、ファクシミリ、等も含まれる。
インクは、色を表現するための液体にとどまらず、光沢感を出す無着色の液体等、何らかの機能を付与する種々の液体が含まれる。従って、インク滴には、無着色の液滴等、種々の液滴が含まれる。
尚、不良ノズル検出部U3が設けられていない記録装置であっても、本技術の基本的な効果が得られる。
上述したように、本技術の記録濃度は、ハーフトーン後においては画素に対してドットを形成する確率を意味する。そこで、図16に示すように、S120のハーフトーン処理の後に補完部U11によるコンポジット補完を行うことも可能である。この場合、ハーフトーン処理部43が生成するハーフトーンデータ315が元データ300となり、補完部U11は元データ300及び記録データ310を4値データといった多値データの状態で扱うことになる。図16において、S110の処理を行うコントローラー10が補完部U11を構成し、S122の処理を行うコントローラー10及び機構部50がドット形成部U12を構成する。
図17は、S110の処理で使用される分配テーブルT30の一例を示している。この分配テーブルT30は、元データ300が4値データである場合にノズル組(例えば図1に示すノズル組NZ1,NZ2)の各ノズルに補完ドットを分配するために用いられる。図17には、下のラスターに補完ドットを50%分配する場合に元データ300から記録データ310を生成する様子も例示している。分配テーブルT30は、補完ドットの配分率に応じて設けられ、実質的に傾き量θに応じた情報が格納されている。
分配テーブルT30は、Kの不良ノズルLNにより形成されるべきドットをどの画素のカラーインクのドットに振り分けるかを表している。図中、「+1」は元データ300の4値の画素値に上限値3以下の範囲内で1を加えて記録データ310の画素値にすることを意味し、「0」は元データ300の画素値をそのまま記録データ310の画素値にすることを意味している。「上50%分配テーブル」は、上のラスター(RA1)及び抜けラスターRALの画素値に1を加える確率がそれぞれ50%である情報テーブルである。「上25%分配テーブル」は、上のラスター(RA1)の画素値に1を加える確率が25%であって抜けラスターRALの画素値に1を加える確率が75%である情報テーブルである。「下25%分配テーブル」は、下のラスター(RA2)の画素値に1を加える確率が25%であって抜けラスターRALの画素値に1を加える確率が75%である情報テーブルである。「下50%分配テーブル」は、下のラスター(RA2)及び抜けラスターRALの画素値に1を加える確率がそれぞれ50%である情報テーブルである。例えば、Cのノズル68Cについて、θ(−3)≦θ<θ(−2)の場合に「上50%分配テーブル」を使用し、θ(−2)≦θ<θ(−1)の場合に「上25%分配テーブル」を使用し、θ(−1)≦θ≦θ(1)の場合に分配テーブルを使用せず、θ(1)<θ≦θ(2)の場合に「下25%分配テーブル」を使用し、θ(2)<θ≦θ(3)の場合に「下50%分配テーブル」を使用すればよい。すなわち、分配テーブルは、ヘッド61の傾き量θに応じて設けられていることになる。
例えば、「下50%分配テーブル」が設定されている場合に図17に示す4値の元データ300がCMYKデータから生成され、該元データ300の抜けラスターの全画素にKの不良ノズルLNによるドットを形成すべきであるとする。「下50%分配テーブル」に従って生成される記録データ310の各画素は、元データ300の画素値と「下50%分配テーブル」の画素値とを3以下の範囲内で加算した値になる。図17に示す記録データ310中、丸印を付した画素に補完ドットDcoが形成される。
以上より、並び方向D1における位置が互いに異なる複数のノズルを含むノズル群NZGからのインク滴により抜けラスターRALにコンポジットブラックのドットDcoが形成されるので、記録ヘッド61が傾いていても、Kの不良ノズルLNによる筋が好適に抑制される。
尚、図17に示した分配テーブルT30は、あくまでも一例に過ぎない。分配テーブルは、「0」と「+1」だけを格納した情報テーブルに限定されず、「+2」も格納した情報テーブル等でもよい。
また、ヘッド61の傾き量θを表す情報を記録装置1に入力することができると、サービスマン又はユーザーがヘッド61を交換する等により傾き量θが変わっても分配比率テーブルT2を設定し直すことにより、不良ノズルLNにより形成すべきドットの補完精度を良好に維持することができる。
図18は、ヘッド61の基準に対する傾き量θを表す情報を取得する一例を模式的に示している。この例では、被記録物400の搬送方向D3への搬送(相対移動方向D2へのヘッド61の相対移動)中にKのノズルK1とCのノズルC5とから連続してインク滴を吐出してドットDk1,Dc1による線LINE1,LINE2を形成している。これらの線LINE1,LINE2間の距離L1は、傾き量θを表す情報であり、傾き量θが大きくなるほど小さくなり、傾き量θが小さくなるほど大きくなる。従って、線LINE1,LINE2間の距離L1が分かると、傾き量θが分かり、傾き量θに応じた分配比率テーブルT2を決めて不揮発性メモリー30に記憶させることが可能である。また、図20(a)〜(e)に示すように、距離L1に応じて段階的に分配比率テーブルを用意しておいてもよい。
むろん、線を形成するためのノズルは、様々な組合せが可能である。例えば、被記録物400の搬送中にKのノズルK5とCのノズルC1とから連続してインク滴を吐出して線を形成してもよい。これらの線間の距離は、傾き量θが大きくなるほど大きくなり、傾き量θが小さくなるほど小さくなる。
また、より多くのノズルから連続してインク滴を吐出して形成される線間の距離が複数得られると、求める傾き量θの誤差を少なくすることができる。
図19は、分配比率テーブルT2を設定する配分率設定処理の例を示している。この配分率設定処理を行うコントローラー10は、操作パネル73及び機構部50とともに傾き量入力部U2を構成する。
配分率設定処理が開始されると、記録装置1は、図18に示すテストパターン、例えば、被記録物400の搬送中にノズルK1,C5から連続してインク滴を吐出してドットDk1,Dc1による線LINE1,LINE2を形成する(S202)。そこで、ユーザーは、線LINE1,LINE2間の距離L1を測定すればよい。次に、記録装置1は、操作パネル73から距離L1の測定値の入力を受け付ける(S204)。さらに、記録装置1は、例えば図20(a)〜(e)に示す分配比率テーブルの中から距離L1に応じた分配比率テーブルT2を選択する(S206)。
図20(a)〜(e)に示す分配比率テーブルは、0<L(1)<L(2)<L(3)<L(4)<L(5)<L(6)の関係を満たす閾値L(1)〜L(6)により段階的に分けられている。図20(a)〜(e)に示す例では、L(1)≦L1<L(2)の場合に図20(a)に示す分配比率テーブルが選択され、L(2)≦L1<L(3)の場合に図20(b)に示す分配比率テーブルが選択され、L(3)≦L1≦L(4)の場合に図20(c)に示す分配比率テーブルが選択され、L(4)<L1≦L(5)の場合に図20(d)に示す分配比率テーブルが選択され、L(5)<L1≦L(6)の場合に図20(e)に示す分配比率テーブルが選択される。むろん、図20(a)〜(e)に示す分配比率テーブルは、あくまでも一例に過ぎない。
最後に、選択された分配比率テーブルT2をコントローラー10が不揮発性メモリー30に記憶させる(S208)。距離L1と傾き量θとは1:1の対応関係であるので、複数のノズルのそれぞれにより記録される補完用のカラーインクの記録濃度が傾き量入力部U2で入力された情報で表される傾き量θに応じた配分率の記録濃度になる。
以上より、サービスマン等がヘッド61を交換する等により傾き量θが変わることがあっても、傾き量θを表す情報を入力することにより複数のノズルのそれぞれに分配される補完用の記録濃度が新たに入力された情報で表される傾き量θに応じた配分率となる。従って、本変形例は、利便性が向上し、Kの不良ノズルLNによる筋を好適に抑制する効果を維持することができる。
(4)結び:
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、ブラック用ノズルの代わりに使用する副ノズルを用意しなくてもブラックの不良ノズルにより形成すべきドットをより適切に補完することが可能な技術等を提供することができる。むろん、従属請求項に係る構成要件を有しておらず独立請求項に係る構成要件のみからなる技術等でも、上述した基本的な作用、効果が得られる。
また、上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術並びに上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も実施可能である。本発明は、これらの構成等も含まれる。
1…記録装置、48…検出ユニット、50…機構部、60…ヘッドユニット、61,61a〜61d…ヘッド、62…駆動回路、63…駆動素子、64,64co,64C,64M,64Y,64K…ノズル、65…インクカートリッジ(液体カートリッジ)、66…インク(液体)、67,67co,67k…インク滴(液滴)、68,68C,68M,68Y,68K…ノズル列、73…操作パネル、300…元データ、305…中間データ、310…記録データ、315…ハーフトーンデータ、320,330…画像、400…被記録物、D1…並び方向、D2…相対移動方向、D3…搬送方向、D4…幅方向、DT,Dco,Dk…ドット、LN…不良ノズル、NZG…ノズル群、NZ1…第一ノズル組、NZ2…第二ノズル組、NZ3…第三ノズル、RAL…抜けラスター、RA1〜RA4…近傍ラスター、T1…CMY補正値テーブル、T2,T2A,T21,T22…分配比率テーブル、T30…分配テーブル、U1…処理部、U2…傾き量入力部、U3…不良ノズル検出部、U11…補完部、U12…ドット形成部。

Claims (8)

  1. 所定の並び方向へ並んでブラックのドットを形成する複数のブラック用ノズル、及び、前記並び方向へ並んでコンポジットブラックのドットを形成する複数のカラー用ノズルを含む複数のノズルと被記録物とが前記並び方向とは異なる相対移動方向へ相対移動する記録装置であって、
    前記複数のブラック用ノズルに含まれる不良ノズルにより形成すべきドットを補完するコンポジットブラックのドットを前記複数のカラー用ノズルに含まれるノズル群により形成する処理部を備え、
    前記ノズル群は、前記並び方向における位置が互いに異なる複数のノズルを含む、記録装置。
  2. 前記処理部は、
    前記不良ノズルにより形成すべきドットを補完する前の元データに基づいて前記不良ノズルにより形成すべきドットを補完するコンポジットブラックのドットが形成される記録データを生成する補完部と、
    前記記録データに基づいて前記複数のノズルによりドットを形成するドット形成部と、を有し、
    前記補完部は、前記元データで表されるブラックインクの記録濃度のうち前記不良ノズルにより記録されるべきブラックインクの記録濃度を前記ノズル群により記録される補完用のカラーインクの記録濃度に変換し、得られる補完用のカラーインクの記録濃度が含まれる前記記録データを生成する、請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記補完部は、前記ノズル群に含まれ前記並び方向における位置が互いに異なる複数のノズルのそれぞれにより記録される補完用のカラーインクの記録濃度を前記複数のブラック用ノズル及び前記複数のカラー用ノズルの前記並び方向の基準に対する傾き量に応じた配分率の記録濃度にする、請求項2に記載の記録装置。
  4. 前記ノズル群は、前記複数のブラック用ノズルの列から所定の距離において前記並び方向における位置が互いに異なる複数のノズルである第一ノズル組と、該第一ノズル組よりも前記複数のブラック用ノズルの列に近くて前記並び方向における位置が互いに異なる複数のノズルである第二ノズル組と、を含み、
    前記補完部は、前記第一ノズル組の各ノズルにより記録される補完用のカラーインクの記録濃度の配分率のうち前記並び方向における位置が前記不良ノズルと同じノズルに対応する配分率を、前記第二ノズル組の各ノズルにより記録される補完用のカラーインクの記録濃度の配分率のうち前記並び方向における位置が前記不良ノズルと同じノズルに対応する配分率よりも小さくする、請求項2又は請求項3に記載の記録装置。
  5. 前記ノズル群は、前記複数のブラック用ノズルの列から所定の距離において前記並び方向における位置が互いに異なる複数のノズルである第一ノズル組と、前記並び方向における位置が前記不良ノズルと同じ第三ノズルであって前記第一ノズル組よりも前記複数のブラック用ノズルの列に近い第三ノズルと、を含み、
    前記補完部は、前記第一ノズル組にまとめて割り当てられた補完用のカラーインクの記録濃度を前記第一ノズル組の各ノズルに分配し、前記第三ノズルに割り当てられた補完用のカラーインクの記録濃度を分配しない、請求項2又は請求項3に記載の記録装置。
  6. 前記記録データは、ブラックインク及びカラーインクの記録濃度を表す階調データであり、
    前記ドット形成部は、前記階調データの階調数を減らしてドットの形成状況を表すハーフトーンデータを生成し、該ハーフトーンデータに基づいて前記複数のノズルによりドットを形成する、請求項2〜請求項5のいずれか一項に記載の記録装置。
  7. 前記複数のブラック用ノズル及び前記複数のカラー用ノズルの前記並び方向の基準に対する傾き量を表す情報を入力する傾き量入力部を備え、
    前記補完部は、前記ノズル群に含まれ前記並び方向における位置が互いに異なる複数のノズルのそれぞれにより記録される補完用のカラーインクの記録濃度を前記傾き量入力部で入力された情報で表される傾き量に応じた配分率の記録濃度にする、請求項2〜請求項6のいずれか一項に記載の記録装置。
  8. 所定の並び方向へ並んでブラックのドットを形成する複数のブラック用ノズル、及び、前記並び方向へ並んでコンポジットブラックのドットを形成する複数のカラー用ノズルを含む複数のノズルと被記録物とを前記並び方向とは異なる相対移動方向へ相対移動させてドットを形成する記録方法であって、
    前記複数のブラック用ノズルに含まれる不良ノズルにより形成すべきドットを補完するコンポジットブラックのドットを前記複数のカラー用ノズルに含まれるノズル群であって前記並び方向における位置が互いに異なる複数のノズルを含むノズル群により形成する、記録方法。
JP2014077103A 2014-04-03 2014-04-03 記録装置、及び、記録方法 Active JP6331600B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014077103A JP6331600B2 (ja) 2014-04-03 2014-04-03 記録装置、及び、記録方法
US14/677,155 US9636925B2 (en) 2014-04-03 2015-04-02 Recording apparatus and recording method

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014077103A JP6331600B2 (ja) 2014-04-03 2014-04-03 記録装置、及び、記録方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015196368A true JP2015196368A (ja) 2015-11-09
JP6331600B2 JP6331600B2 (ja) 2018-05-30

Family

ID=54209001

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014077103A Active JP6331600B2 (ja) 2014-04-03 2014-04-03 記録装置、及び、記録方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US9636925B2 (ja)
JP (1) JP6331600B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017121802A (ja) * 2016-01-05 2017-07-13 セイコーエプソン株式会社 液体吐出装置、液体吐出方法
US9944068B2 (en) 2016-04-28 2018-04-17 Seiko Epson Corporation Droplet ejection control apparatus, droplet ejection control method, and droplet ejection apparatus
JP2018111252A (ja) * 2017-01-11 2018-07-19 株式会社リコー チャート生成装置、液体吐出装置及びチャート生成プログラム
JP2020032556A (ja) * 2018-08-28 2020-03-05 コニカミノルタ株式会社 インクジェット記録装置
US11104152B2 (en) 2016-01-05 2021-08-31 Seiko Epson Corporation Liquid discharging apparatus and liquid discharging method
JP7552189B2 (ja) 2020-09-23 2024-09-18 セイコーエプソン株式会社 記録制御装置、及び、記録制御方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004009308A (ja) * 2002-06-03 2004-01-15 Canon Inc 記録装置および方法
JP2005329706A (ja) * 2004-04-19 2005-12-02 Ricoh Co Ltd 画像形成装置、画像処理方法及びプリンタドライバ
US20070176953A1 (en) * 2006-02-02 2007-08-02 Samsung Electronics Co., Ltd. Method and apparatus to compensate for defective nozzle of inkjet image forming device
JP2012071458A (ja) * 2010-09-28 2012-04-12 Seiko Epson Corp 印刷装置の制御方法、そのコンピュータプログラム、および印刷装置

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5581284A (en) * 1994-11-25 1996-12-03 Xerox Corporation Method of extending the life of a printbar of a color ink jet printer
JP4931573B2 (ja) 2006-12-20 2012-05-16 富士フイルム株式会社 画像形成方法及び装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004009308A (ja) * 2002-06-03 2004-01-15 Canon Inc 記録装置および方法
JP2005329706A (ja) * 2004-04-19 2005-12-02 Ricoh Co Ltd 画像形成装置、画像処理方法及びプリンタドライバ
US20070176953A1 (en) * 2006-02-02 2007-08-02 Samsung Electronics Co., Ltd. Method and apparatus to compensate for defective nozzle of inkjet image forming device
JP2012071458A (ja) * 2010-09-28 2012-04-12 Seiko Epson Corp 印刷装置の制御方法、そのコンピュータプログラム、および印刷装置

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017121802A (ja) * 2016-01-05 2017-07-13 セイコーエプソン株式会社 液体吐出装置、液体吐出方法
US11104152B2 (en) 2016-01-05 2021-08-31 Seiko Epson Corporation Liquid discharging apparatus and liquid discharging method
US9944068B2 (en) 2016-04-28 2018-04-17 Seiko Epson Corporation Droplet ejection control apparatus, droplet ejection control method, and droplet ejection apparatus
JP2018111252A (ja) * 2017-01-11 2018-07-19 株式会社リコー チャート生成装置、液体吐出装置及びチャート生成プログラム
JP2020032556A (ja) * 2018-08-28 2020-03-05 コニカミノルタ株式会社 インクジェット記録装置
CN110861406A (zh) * 2018-08-28 2020-03-06 柯尼卡美能达株式会社 喷墨记录装置
JP7131204B2 (ja) 2018-08-28 2022-09-06 コニカミノルタ株式会社 インクジェット記録装置
JP7552189B2 (ja) 2020-09-23 2024-09-18 セイコーエプソン株式会社 記録制御装置、及び、記録制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
US9636925B2 (en) 2017-05-02
US20150283823A1 (en) 2015-10-08
JP6331600B2 (ja) 2018-05-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6331600B2 (ja) 記録装置、及び、記録方法
JP6278184B2 (ja) 記録方法、及び、インクジェットプリンター
US9315017B2 (en) Recording apparatus and recording method
JP6432148B2 (ja) 記録装置
JP6217433B2 (ja) 画像形成装置、及び、ドットパターン決定方法
JP6269206B2 (ja) インクジェットプリンター、及び、記録方法
US9931861B2 (en) Printing control apparatus and printing control method
JP6415080B2 (ja) 画像処理装置、画像処理方法、記録装置及びプログラム
US20180143538A1 (en) Image forming device and dot pattern determining method
JP2008037009A (ja) 双方向印刷を行うための画像処理装置および印刷装置
JP2017128066A (ja) 光沢制御装置、光沢制御方法、およびプログラム
US11102377B2 (en) Recording device for recording recording image by nozzle set reciprocating relative to recording medium, image processing device for generating recording data for recording recording image by nozzle set reciprocating relative to recording medium and recording method for recording recording image by nozzle set reciprocating relative to recording medium
JP5268875B2 (ja) 画像形成装置及び画像形成方法
JP2018153953A (ja) 印刷装置、及び、印刷方法
US9180682B2 (en) Printing apparatus, printing system, and printing method
JP6307939B2 (ja) 画像形成装置、及び、画像形成方法
JP2016147382A (ja) 印刷制御装置、及び、印刷制御方法
JP2014136335A (ja) 画像処理装置および画像処理方法
JP2020146842A (ja) 印刷装置、及び、ノズル補完方法
JP2016132150A (ja) 印刷制御装置、及び、印刷制御方法
JP2020146953A (ja) 印刷装置
JP2024070387A (ja) 画像処理装置、印刷装置、及び、画像処理方法
JP2018148252A (ja) 画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム、及び、印刷装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170321

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171214

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180123

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180316

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180403

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180416

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6331600

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150