JP2020146842A - 印刷装置、及び、ノズル補完方法 - Google Patents

印刷装置、及び、ノズル補完方法 Download PDF

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浩司 ▲柳▼沢
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Abstract

【課題】オーバーコート印刷の画質を向上させる。【解決手段】記録ヘッドは、主走査方向とは異なる方向へ並べられた複数の第一ノズル、主走査方向とは異なる方向へ並べられた複数の第二ノズルを含んでいる。各第一ノズルは、通常液滴を吐出する。各第二ノズルは、被印刷物に着弾した通常液滴に重ねられるオーバーコート液滴を吐出する。複数の第二ノズルは、第一走査においてオーバーコート液滴が着弾予定ラスターに着弾しない不良ノズル、及び、第二走査において着弾予定ラスターにオーバーコート液滴を着弾させる対応ノズルを含んでいる。ドット形成部は、着弾予定ラスターにおいて不良ノズルが着弾させる予定位置に向かうオーバーコート液滴を対応ノズルに吐出させる。【選択図】図7

Description

本発明は、記録ヘッドに含まれる複数のノズルから液滴を吐出する印刷装置、及び、ノズル補完方法に関する。
印刷装置として、インクを吐出する複数のノズルを備えた記録ヘッドを搭載したキャリッジと、該キャリッジを主走査方向に往復移動する移動手段と、記録媒体搬送方向へ記録媒体を搬送する搬送手段と、複数のノズルにおいてインクが吐出されない不吐出ノズルの有無および位置を検知する検知手段と、を備えるインクジェット記録装置が知られている。特許文献1に開示されたインクジェット記録装置は、検知手段が不吐出ノズルが有ることを検知したとき、記録ヘッドの第1の走査で記録を行い、不吐出ノズルの位置に応じた量の記録媒体の搬送を行なって、第1の走査で不吐出ノズルによって記録されなかった部分に不吐出ノズル以外のノズルを対応させ、記録ヘッドの第2の走査で記録を行う。
特開2007−160802号公報
被印刷物(print substrate)上の印刷画像の画質を向上させるため、オーバーコートインクにより被印刷物上のカラー層にオーバーコート層を形成するというオーバーコート印刷が行われている。オーバーコート層の形成に複数のノズルを使用する場合、オーバーコートインクが吐出されないノズルが生じる可能性がある。この場合、印刷画像の画質が低下する可能性がある。しかし、上述した技術は、オーバーコート印刷について何も考慮されていない。
本発明の印刷装置は、記録ヘッドと、
被印刷物に対して前記記録ヘッドを主走査方向へ相対移動させる主走査、及び、前記記録ヘッドに対して前記被印刷物を副走査方向へ相対移動させる副走査を行う駆動部と、
前記主走査方向に沿ったラスターのドット列を形成するドット形成部と、を備え、
前記記録ヘッドは、前記主走査方向とは異なる方向へ並べられた複数の第一ノズル、及び、前記主走査方向とは異なる方向へ並べられた複数の第二ノズルを含み、
各前記第一ノズルは、通常液滴を吐出し、
各前記第二ノズルは、前記被印刷物に着弾した前記通常液滴に重ねられるオーバーコート液滴を吐出し、
前記主走査の複数回は、第一走査、及び、第二走査を含み、
前記複数の第二ノズルは、前記第一走査において前記オーバーコート液滴が着弾予定ラスターに着弾しない不良ノズル、及び、前記第二走査において前記着弾予定ラスターに前記オーバーコート液滴を着弾させる対応ノズルを含み、
前記ドット形成部は、前記着弾予定ラスターにおいて前記不良ノズルが着弾させる予定位置に向かう前記オーバーコート液滴を前記対応ノズルに吐出させる、態様を有する。
また、本発明のノズル補完方法は、被印刷物に対して記録ヘッドを主走査方向へ相対移動させる主走査、及び、前記記録ヘッドに対して前記被印刷物を副走査方向へ相対移動させる副走査を行い、前記主走査方向に沿ったラスターのドット列を形成する印刷装置のためのノズル補完方法であって、
前記記録ヘッドは、前記主走査方向とは異なる方向へ並べられた複数の第一ノズル、及び、前記主走査方向とは異なる方向へ並べられた複数の第二ノズルを含み、
各前記第一ノズルは、通常液滴を吐出し、
各前記第二ノズルは、前記被印刷物に着弾した前記通常液滴に重ねられるオーバーコート液滴を吐出し、
前記主走査の複数回は、第一走査、及び、第二走査を含み、
前記複数の第二ノズルは、前記第一走査において前記オーバーコート液滴が着弾予定ラスターに着弾しない不良ノズル、及び、前記第二走査において前記着弾予定ラスターに前記オーバーコート液滴を着弾させる対応ノズルを含み、
前記着弾予定ラスターにおいて前記不良ノズルが着弾させる予定位置に向かう前記オーバーコート液滴を前記対応ノズルに吐出させる、態様を有する。
印刷装置の構成例を模式的に示す図。 記録ヘッドのノズル面の例を模式的に示す図。 図3Aは主走査方向に沿ったラスターのドット列の例を模式的に示す平面図、図3Bは図3Aとは異なる位置から主走査方向に沿ったラスターのドット列の例を模式的に示す図。 図4Aは印刷装置の要部を模式的に例示する図、図4Bは振動板の残留振動に基づく起電力曲線の例を模式的に示す図。 図5Aは不良ノズル検出ユニットの電気回路例を示す図、図5Bは増幅部からの出力信号の例を模式的に示す図。 上端処理部から通常処理部にかけての各ノズル割り当ての例を模式的に示す図。 通常処理部から下端処理部にかけての各ノズル割り当ての例を模式的に示す図。 各第二ノズルの使用割合の例を模式的に示す図。 印刷装置で行われる印刷制御処理の例を示すフローチャート。 ハーフトーン後の画像データを並び替える処理の例を模式的に示す図。 リソース情報の構造例を模式的に示す図。 印刷装置で行われるデータ領域確保処理の例を示すフローチャート。 印刷装置で行われるノズル抜け補完処理の例を示すフローチャート。 図14A〜14Dは部分データを変更する例を模式的に示す図。 第三範囲にある複数の第三ノズルから代替ノズルを選択する例を模式的に示す図。
以下、本発明の実施形態を説明する。むろん、以下の実施形態は本発明を例示するものに過ぎず、実施形態に示す特徴の全てが発明の解決手段に必須になるとは限らない。
(1)本発明に含まれる技術の概要:
まず、図1〜15に示される例を参照して本発明に含まれる技術の概要を説明する。尚、本願の図は模式的に例を示す図であり、これらの図に示される各方向の拡大率は異なることがあり、各図は整合していないことがある。むろん、本技術の各要素は、符号で示される具体例に限定されない。「本発明に含まれる技術の概要」において、括弧内は直前の語の補足説明を意味する。
また、本願において、数値範囲「Min〜Max」は、最小値Min以上、且つ、最大値Max以下を意味する。
態様1:
図1に例示するように、本技術の一態様に係る印刷装置1は、記録ヘッド61、駆動部50、及び、ドット形成部48を備える。前記駆動部50は、被印刷物M1に対して前記記録ヘッド61を主走査方向(例えば往方向D1と復方向D2)へ相対移動させる主走査、及び、前記記録ヘッド61に対して前記被印刷物M1を副走査方向D3へ相対移動させる副走査を行う。前記ドット形成部48は、前記主走査方向(D1,D2)に沿ったラスターRA0のドット列DT0を形成する。ここで、前記記録ヘッド61は、前記主走査方向(D1,D2)とは異なる方向(例えば副走査方向D3)へ並べられた複数の第一ノズルNZ1、及び、前記主走査方向(D1,D2)とは異なる方向(例えば副走査方向D3)へ並べられた複数の第二ノズルNZ2を含んでいる。各前記第一ノズルNZ1は、通常液滴DR1を吐出する。各前記第二ノズルNZ2は、前記被印刷物M1に着弾した前記通常液滴DR1に重ねられるオーバーコート液滴DR2を吐出する。前記主走査の複数回は、第一走査、及び、第二走査を含んでいる。前記複数の第二ノズルNZ2は、前記第一走査において前記オーバーコート液滴DR2が着弾予定ラスターRA1に着弾しない不良ノズルNZ4、及び、前記第二走査において前記着弾予定ラスターRA1に前記オーバーコート液滴DR2を着弾させる対応ノズルNZ5を含んでいる。前記ドット形成部48は、前記着弾予定ラスターRA1において前記不良ノズルNZ4が着弾させる予定位置P1に向かう前記オーバーコート液滴DR2を前記対応ノズルNZ5に吐出させる。
上述した態様1では、第一走査において不良ノズルNZ4から吐出されるべきオーバーコート液滴DR2の着弾予定位置P1に第二走査において対応ノズルNZ5からオーバーコート液滴DR2が吐出されるので、不良ノズルNZ4があってもオーバーコート層が完成する。従って、本態様は、オーバーコート印刷の画質を向上させることができる。
ここで、被印刷物に対して記録ヘッドを相対移動させること、及び、記録ヘッドに対して被印刷物を相対移動させることには、被印刷物が移動しないで記録ヘッドが移動すること、記録ヘッドが移動しないで被印刷物が移動すること、及び、記録ヘッドと被印刷物の両方が移動することが含まれる。記録ヘッドの主走査及び副走査を行う印刷装置の代表例には、シリアルプリンターが挙げられる。
ラスターは、主走査方向へ線状に連続した画素の並びを意味する。
ノズルは、液滴が噴射する小孔のことである。
オーバーコート液滴には、K(ブラック)よりも低濃度のLk(ライトブラック)よりもさらに低濃度のLLk(ライトライトブラック)の液滴、Lkの液滴、C(シアン)よりも低濃度のLc(ライトシアン)の液滴、M(マゼンタ)よりも低濃度のLm(ライトマゼンタ)の液滴、Y(イエロー)よりも低濃度の淡黄色の液滴、透明なCL(クリアー)の液滴、等を用いることができる。CLの液滴は、印刷画像の画質を改善するために使用されることがある。
通常液滴とオーバーコート液滴は、印刷画像に対する機能の違いを表す概念であるので、共通の液体でもよいし、互いに異なる種類の液体でもよい。
尚、上述した付言は、以下の態様においても適用される。
態様2:
図2に例示するように、前記記録ヘッド61は、前記複数の第一ノズルNZ1の並びと前記複数の第二ノズルNZ2の並びが繋がっているノズル列68を有していてもよい。前記ドット形成部48は、前記ノズル列68において前記複数の第一ノズルNZ1として使用する第一範囲R1と前記複数の第二ノズルNZ2として使用する第二範囲R2とを変更可能でもよい。本態様は、一つのノズル列68を通常液滴吐出用の複数の第一ノズルNZ1とオーバーコート液滴吐出用の複数の第二ノズルNZ2に分けることができ、被印刷物M1に対する記録ヘッド61の相対位置に応じて通常液滴吐出用の第一範囲R1とオーバーコート液滴吐出用の第二範囲R2を変更することができる。従って、本態様は、オーバーコート印刷の画質を向上させる好適な技術を提供することができる。
態様3:
図6,7に例示するように、前記ドット形成部48は、変更された前記第二範囲R2にある前記複数の第二ノズルNZ2から前記対応ノズルNZ5を選択してもよく、選択された前記対応ノズルNZ5に前記オーバーコート液滴DR2を前記予定位置P1に向けて吐出させてもよい。本態様は、不良ノズルNZ4を含む複数の第二ノズルNZ2により形成されるオーバーコート層を形成するための対応ノズルNZ5により不良ノズルNZ4が補完されるので、オーバーコート印刷の画質を向上させる好適な例を提供することができる。
態様4:
本印刷装置1は、印刷対象の画像を表す画像データDA1に付随する付随データDA2(図10参照)を取得するデータ取得部18をさらに備えていてもよい。また、本印刷装置1は、前記ノズル列68に前記通常液滴DR1及び前記オーバーコート液滴DR2を吐出させる処理に使用されるデータが格納されるメモリー(例えばRAM20)をさらに備えていてもよい。前記ドット形成部48は、前記付随データDA2、及び、前記副走査時における前記被印刷物M1の相対移動量を含む送り情報(例えばリソース情報500)であって前記付随データDA2に対応する前記送り情報(500)に基づいて、1ラスターに必要な前記通常液滴DR1及び前記オーバーコート液滴DR2を着弾させるための前記副走査の回数N0を求めてもよい。当該ドット形成部48は、前記画像データDA1のうち前記回数N0の前記副走査に対応する印刷画像を形成するために必要な部分データDA3を格納するデータ領域21を前記メモリー(20)に確保してもよい。当該ドット形成部48は、前記データ領域21に前記部分データDA3を格納してもよい。当該ドット形成部48は、前記部分データDA3に基づいて前記ノズル列68に前記通常液滴DR1及び前記オーバーコート液滴DR2を吐出させてもよい。
上記態様は、印刷装置のメモリーを効率良く使用することができる。
態様5:
図15に例示するように、前記ノズル列68は、前記第一範囲R1及び前記第二範囲R2に含まれない第三範囲R3に複数の第三ノズルNZ3を含んでいてもよい。前記ドット形成部48は、前記着弾予定ラスターRA1に前記オーバーコート液滴DR2を着弾させる前記対応ノズルNZ5が前記複数の第二ノズルNZ2の中に存在しない場合、前記複数の第三ノズルNZ3のうち前記着弾予定ラスターRA1に前記オーバーコート液滴DR2を着弾させるノズルに前記オーバーコート液滴DR2を前記予定位置P1に向けて吐出させてもよい。本態様は、複数の第二ノズルNZ2の中に対応ノズルNZ5が存在しなくても不良ノズルNZ4から吐出されるべきオーバーコート液滴DR2の着弾予定位置P1に第三ノズルNZ3からオーバーコート液滴DR2が吐出される。従って、本態様は、オーバーコート印刷の画質を向上させる好適な例を提供することができる。
態様6:
また、本技術の一態様に係るノズル補完方法は、被印刷物M1に対して記録ヘッド61を主走査方向(D1,D2)へ相対移動させる主走査、及び、前記記録ヘッド61に対して前記被印刷物M1を副走査方向D3へ相対移動させる副走査を行い、前記主走査方向(D1,D2)に沿ったラスターRA0のドット列DT0を形成する印刷装置1のためのノズル補完方法である。前記記録ヘッド61は、前記主走査方向(D1,D2)とは異なる方向へ並べられた複数の第一ノズルNZ1、及び、前記主走査方向(D1,D2)とは異なる方向へ並べられた複数の第二ノズルNZ2を含んでいる。各前記第一ノズルNZ1は、通常液滴DR1を吐出する。各前記第二ノズルNZ2は、前記被印刷物M1に着弾した前記通常液滴DR1に重ねられるオーバーコート液滴DR2を吐出する。前記主走査の複数回は、第一走査、及び、第二走査を含んでいる。前記複数の第二ノズルNZ2は、前記第一走査において前記オーバーコート液滴DR2が着弾予定ラスターRA1に着弾しない不良ノズルNZ4、及び、前記第二走査において前記着弾予定ラスターRA1に前記オーバーコート液滴DR2を着弾させる対応ノズルNZ5を含んでいる。本ノズル補完方法は、前記着弾予定ラスターRA1において前記不良ノズルNZ4が着弾させる予定位置P1に向かう前記オーバーコート液滴DR2を前記対応ノズルNZ5に吐出させる。
上述した態様1では、第一走査において不良ノズルNZ4から吐出されるべきオーバーコート液滴DR2の着弾予定位置P1に第二走査において対応ノズルNZ5からオーバーコート液滴DR2が吐出されるので、不良ノズルNZ4があってもオーバーコート層が完成する。従って、本態様は、オーバーコート印刷の画質を向上させることができる。
さらに、本技術は、上述した印刷装置を含む複合装置、上述したノズル補完方法を含む印刷方法、上述したノズル補完方法に対応するノズル補完プログラム、前述の印刷方法に対応する印刷プログラム、前述のいずれかのプログラムを記録したコンピューター読み取り可能な媒体、等に適用可能である。前述のいずれかの装置は、分散した複数の部分で構成されてもよい。
(2)印刷装置の構成の具体例:
図1は、印刷装置1としてインクジェットプリンターの一種であるシリアルプリンターの構成例を模式的に示している。図1に示す印刷装置1は、コントローラー10、RAM20、不揮発性メモリー30、不良ノズル検出ユニット70、駆動部50、I/F71,72、操作パネル73、等を備える。ここで、RAMはRandom Access Memoryの略称であり、I/Fはインターフェイスの略称である。RAM20は、本技術のメモリーの例である。コントローラー10、RAM20、不揮発性メモリー30、I/F71,72、及び、操作パネル73は、バス80に接続され、互いに情報を入出力可能とされている。
コントローラー10は、CPU11、解像度変換部41、色変換部42、ハーフトーン処理部43、ラスタライズ処理部44、駆動信号送信部45、等を備える。CPUは、Central Processing Unitの略称である。コントローラー10は、SoC等により構成することができる。SoCは、System on a Chipの略称である。
CPU11は、印刷装置1における情報処理や制御を中心的に行う装置である。
解像度変換部41は、ホスト装置HO1やメモリーカード90等からの入力画像の解像度を設定解像度に変換する。入力画像は、例えば、各画素にR、G、及び、Bの256階調の整数値を有するRGBデータで表現される。ここで、Rは赤を意味し、Gは緑を意味し、Bは青を意味する。
色変換部42は、例えば、R、G、及び、Bの階調値とC、M、Y、K、Lk、及び、LLkの各階調値との対応関係を規定した色変換ルックアップテーブルを参照し、設定解像度のRGBデータを各画素にC、M、Y、K、Lk、及び、LLkの256階調の整数値を有するCMYKLkLLkデータに変換する。256階調のCMYKLkLLkデータは、画素毎にインクといった液体66の使用量を表している。
ハーフトーン処理部43は、CMYKLkLLkデータを構成する各画素の階調値に対して例えばディザ法や誤差拡散法や濃度パターン法といった所定のハーフトーン処理を行って前記階調値の階調数を減らし、ハーフトーンデータを生成する。ハーフトーンデータは、ドットの形成状況を表すデータであり、ドットの形成有無を表す2値データでもよいし、小中大の各ドットといった異なるサイズのドットに対応可能な3階調以上の多値データでもよい。2値データは、例えば、ドット形成に1、及び、ドット無しに0を対応させるデータとすることができる。各画素について2ビットで表現可能な4値データとしては、例えば、大ドット形成に3、中ドット形成に2、小ドット形成に1、及び、ドット無しに0を対応させるデータとすることができる。ハーフトーンデータは、印刷対象の画像を表す画像データDA1の例である。
ラスタライズ処理部44は、ハーフトーンデータを駆動部50でドットが形成される順番に並べ換えるラスタライズ処理を行ってラスターデータを生成する。本具体例のラスタライズ処理部44は、液滴の着弾予定位置にドットが形成されない不良ノズルが形成すべきドットを補完ノズルが形成するようにラスターデータを調整するノズル補完処理も行う。このノズル補完処理の詳細は、後述する。
駆動信号送信部45は、記録ヘッド61の駆動素子63に印加する電圧信号に対応した駆動信号SGをラスターデータから生成して駆動回路62へ出力する。例えば、ラスターデータが「ドット形成」であれば、駆動信号送信部45はドット形成用の液滴を吐出させる駆動信号を出力する。また、ラスターデータが4値データである場合、駆動信号送信部45は、ラスターデータが「大ドット形成」であれば大ドット用の液滴を吐出させる駆動信号を出力し、ラスターデータが「中ドット形成」であれば中ドット用の液滴を吐出させる駆動信号を出力し、ラスターデータが「小ドット形成」であれば小ドット用の液滴を吐出させる駆動信号を出力する。
上記各部41〜45は、ASICで構成されてもよく、RAM20から処理対象のデータを直接読み込んだりRAM20に処理後のデータを直接書き込んだりしてもよい。ここで、ASICは、Application Specific Integrated Circuitの略称である。
また、コントローラー10は、操作パネル73やホスト装置HO1等により設定された印刷モードに対応する付随データDA2も取得する。付随データDA2は、画像データDA1であるハーフトーンデータに付随するデータであり、詳細は後述するが、図8に示すようにユニット番号やページ長H1を含んでいる。
コントローラー10に制御される駆動部50は、キャリッジモーター51、紙送り機構53、キャリッジ60、記録ヘッド61、等を備える。キャリッジモーター51は、図示しない複数の歯車及びベルト52を介してキャリッジ60を主走査方向へ往復移動させる。紙送り機構53は、被印刷物M1を副走査方向とは反対の搬送方向へ搬送する。キャリッジ60には、例えばC、M、Y、K、Lk、及び、LLkの液滴67を吐出する記録ヘッド61が搭載されている。記録ヘッド61は、駆動回路62、駆動素子63、等を備える。駆動回路62は、コントローラー10から入力される駆動信号SGに従って駆動素子63に電圧信号を印加する。駆動素子63には、ノズル64に連通する圧力室内の液体66に圧力を加える圧電素子、熱により圧力室内に気泡を発生させてノズル64から液滴67を吐出させる駆動素子、等を用いることができる。記録ヘッド61の圧力室には、インクカートリッジといった液体カートリッジ65から液体66が供給される。液体カートリッジ65と記録ヘッド61の組合せは、例えば、C、M、Y、K、Lk、及び、LLkのそれぞれに設けられる。圧力室内の液体66は、駆動素子63によってノズル64から被印刷物M1に向かって液滴67として吐出される。これにより、印刷用紙等といった被印刷物M1に液滴67のドットが形成される。記録ヘッド61が主走査方向へ移動する間にラスターデータに従ったドットが形成され、被印刷物M1が搬送方向へ副走査1回分、紙送りされることが繰り返されることにより、被印刷物M1に印刷画像が形成される。すなわち、駆動部50は、被印刷物M1に対して記録ヘッド61を主走査方向へ相対移動させ、記録ヘッド61に対して被印刷物M1を搬送方向へ相対移動させる。
駆動部50の駆動を制御するコントローラー10は、主走査方向に沿ったラスターのドット列を主走査の複数回の繰り返しにより形成するドット形成部48の例である。
RAM20は、大容量で揮発性の半導体メモリーであり、付随データDA2を取得するデータ取得部18、及び、印刷画像を形成するドット形成部48を印刷装置1に機能させるプログラムを含むプログラムPRG2等が格納される。コントローラー10は、データ取得部18の例でもある。
不揮発性メモリー30には、RAM20に展開されるプログラムデータPRG1、リソース情報500、等が記憶されている。リソース情報500は、付随データDA2に対応する送り情報の例である。不揮発性メモリー30には、フラッシュメモリー、ROM、ハードディスクといった磁気記録媒体、等が用いられる。ここで、ROMは、Read Only Memoryの略称である。プログラムデータPRG1を展開するとは、CPU11で解釈可能なプログラムPRG2としてRAM20に書き込むことを意味する。
カードI/F71は、メモリーカード90にデータを書き込んだりメモリーカード90からデータを読み出したりする回路である。
通信I/F72は、ホスト装置HO1に接続され、ホスト装置HO1に対して情報を入出力する。ホスト装置HO1には、パーソナルコンピューターやタブレット端末といったコンピューター、スマートフォンといった携帯電話、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、等が含まれる。通信I/F72は、USBインターフェイス等といった有線のインターフェイスでもよいし、近距離無線通信方式等といった規格に従った無線通信インターフェイスでもよい。ここで、USBは、Universal Serial Busの略称である。さらに、通信I/F72は、有線又は無線のネットワークに接続するためのインターフェイスでもよい。
操作パネル73は、出力部74、入力部75、等を有し、ユーザーが印刷装置1に対して各種の指示を入力可能である。出力部74は、例えば、各種の指示に応じた情報や印刷装置1の状態を示す情報を表示する液晶パネルで構成される。出力部74は、これらの情報を音声出力してもよい。入力部75は、例えば、カーソルキーや決定キーといった操作入力部で構成される。入力部75は、表示画面への操作を受け付けるタッチパネル等でもよい。
不良ノズル検出ユニット70は、詳しくは後述するが、コントローラー10とともに各ノズル64の状態が正常であるか不良であるかを検出し、図示していないが当該検出結果を不揮発性メモリー30に記憶させる。
図2は、記録ヘッド61のノズル面61aの例を模式的に示している。ここで、符号D1は主走査の往方向を示し、符号D2は主走査の復方向を示し、符号D3は副走査方向を示し、符号D4は被印刷物M1の搬送方向を示している。主走査方向は、往方向D1と復方向D2を含む概念であるため、主走査方向D1,D2と表現することがある。副走査時に記録ヘッド61は移動しないが、便宜上、被印刷物M1に対して搬送方向D4とは反対の副走査方向D3へ相対移動するように示すことがある。
図2に示すノズル面61aには、副走査方向D3へ等間隔に並んでいる複数のノズル64を有するノズル列68が複数、主走査方向D1,D2へ並べられている。副走査方向D3は、主走査方向D1,D2と交差する方向であり、主走査方向D1,D2とは異なる方向である。複数のノズル列68は、Cのノズル列68C、Mのノズル列68M、Yのノズル列68Y、Kのノズル列68K、Lkのノズル列68Lk、及び、LLkのノズル列68LLkを含んでいる。各ノズル列68は、通常液滴DR1を吐出する複数の第一ノズルNZ1が並べられた第一範囲R1と、本体例ではLLkのノズル列68LLkに限定されるがオーバーコート液滴DR2を吐出する複数の第二ノズルNZ2が並べられた第二範囲R2とに分けられる。従って、複数の第一ノズルNZ1の並びと複数の第二ノズルNZ2の並びが副走査方向D3へ繋がっている。オーバーコート液滴DR2は、被印刷物M1に着弾した通常液滴DR1に重ねられる。
尚、各ノズル列68における複数のノズル64の並び方向は、副走査方向D3に限定されず、主走査方向D1,D2とは異なる方向であれば副走査方向D3からずれた方向でもよい。また、各ノズル列の複数のノズルが千鳥状に並べられても、本技術に含まれる。この場合のノズル並び方向は、千鳥状配置における各列のノズルの並び方向を意味する。
図3Aは、被印刷物M1上において主走査方向D1,D2に沿ったラスターRA0のドット列DT0を模式的に例示する平面図である。図3Bは、被印刷物M1の印刷面に沿った方向から主走査方向D1,D2に沿ったラスターRA0のドット列DT0を模式的に例示している。
印刷装置1は、パス数Mを2以上の整数であるとして、連続するといった一定の関係を有する各パスの記録範囲を一部オーバーラップさせながらM回の主走査を行うことによりラスターRA0のドット列DT0を完成させるマルチパス記録を行う。1回の主走査は、往方向D1又は復方向D2へ記録ヘッド61を印刷画像IMpの全体にわたって移動させることを意味する。パスは、順番に並んだ主走査がどの順番であるのかを特定する概念である。一定の関係を有する各パスの記録範囲を一部オーバーラップさせる印刷は、部分オーバーラップ印刷と呼ばれることがあり、略してPOL印刷と呼ばれることがある。POL印刷は、被印刷物M1が1回の副走査で搬送方向D4へ移動する距離である紙送り量の誤差、液滴の着弾ずれ、等により印刷画像の画質が低下することを抑制するために行われる。
一般的なマルチパス記録は、以下の通りである。
パス数Mが2である場合、印刷装置1は、まず、記録ヘッド61を往方向D1又は復方向D2へ移動させる1回目の主走査でラスターRA0の約1/2の画素にドットDT1を形成し、その後、被印刷物M1を搬送方向D4へ所定量移動させる1回の副走査を行う。この副走査の後、印刷装置1は、記録ヘッド61を復方向D2又は往方向D1へ移動させる2回目の主走査でラスターRA0の残り1/2の画素にドットDT1を形成し、その後、被印刷物M1を搬送方向D4へ所定量移動させる1回の副走査を行う。1回の副走査の移動量は、副走査方向D3においてノズル列68のうち通常液滴DR1を吐出する範囲の約1/2である。以降、印刷装置1は、同様に、主走査と副走査を繰り返す。
一般に、印刷装置1は、1回の主走査でラスターRA0の約1/2の画素にドットDT1を形成し、その後、被印刷物M1を搬送方向D4へ所定量移動させる1回の副走査を行う。1回の副走査の移動量は、副走査方向D3においてノズル列68のうち通常液滴DR1を吐出する範囲の約1/Mである。
本具体例は、一つのノズル列68を通常液滴DR1の吐出用とオーバーコート液滴DR2の吐出用とに分けている特徴を有する。これにより、被印刷物M1に対する記録ヘッド61の相対位置に応じて通常液滴吐出用の第一範囲R1とオーバーコート液滴吐出用の第二範囲R2を変更することができ、印刷画像IMpの上端部及び下端部に対して効率良くオーバーコート印刷を行うことができる。
本具体例のオーバーコート印刷は、C、M、Y、K、Lk、及び、LLkの複数の第一ノズルNZ1から被印刷物M1に着弾した通常液滴DR1にLLkの複数の第二ノズルNZ2から吐出されたオーバーコート液滴DR2を重ねる印刷を意味する。まず、印刷装置1は、駆動部50に記録ヘッド61を主走査方向D1,D2へ移動させながら、ドット列DT0を形成するラスターRA0に対して、C、M、Y、K、Lk、及び、LLkのうち一色以上の通常液滴DR1を吐出する複数の第一ノズルNZ1から通常液滴DR1を吐出する。吐出された通常液滴DR1が被印刷物M1上のラスターRA0の部分に着弾すると、該ラスターRA0にドットDT1が形成される。これにより、印刷画像IMpのうちオーバーコート液滴DR2で覆われていないカラー層が形成される。また、1回以上の副走査によりLLkの第二ノズルNZ2がラスターRA0の位置に到着すると、印刷装置1は、駆動部50に記録ヘッド61を主走査方向D1,D2へ移動させながら、ドット列DT0を有するラスターRA0に対して、LLkの第二ノズルNZ2からオーバーコート液滴DR2を吐出する。すると、被印刷物M1に着弾した通常液滴DR1にLLkのオーバーコート液滴DR2が重ねられる。これにより、印刷画像IMpのうちカラー層の少なくとも一部を覆うオーバーコート層が形成される。
本具体例の印刷装置1は、被印刷物M1上のラスターRA0の内、K、Lk、及び、LLkの通常液滴DR1が着弾する箇所にLLkのオーバーコート液滴DR2を着弾させている。これにより、印刷画像IMpのうち黒成分を有する領域の表面の凹凸が極力抑制され、本具体例は、あらゆる光源角度で知覚的な黒濃度を高く見せることができる。
尚、Lkの液滴をオーバーコート液滴として使用することも可能であるので、被印刷物M1上において、K及びLkの通常液滴が着弾する箇所にLkのオーバーコート液滴を着弾させてもよい。Lcの液滴を吐出するノズル列がある場合には、被印刷物M1上において、C及びLcの通常液滴が着弾する箇所にLcのオーバーコート液滴を着弾させてもよい。Lmの液滴を吐出するノズル列がある場合には、被印刷物M1上において、M及びLmの通常液滴が着弾する箇所にLmのオーバーコート液滴を着弾させてもよい。CLの液滴を吐出するノズル列がある場合には、印刷画像IMpの全体にCLのオーバーコート液滴を着弾させてもよい。
ところで、目詰まり等によりノズルから液滴が吐出しなかったり吐出液滴が正しい軌跡を描かなかったりすると、ドットが形成されない画素が主走査方向へ繋がった「ドット抜け」ラスターが形成されてしまう。「ドット抜け」ラスターは、通常液滴DR1を吐出する第一ノズルNZ1のみならず、オーバーコート液滴DR2を吐出する第二ノズルNZ2にも生じ得る。オーバーコート層に「ドット抜け」ラスターが生じると、「ドット抜け」ラスターの部分だけ黒濃度が下がる等、印刷画像IMpの画質が低下する可能性がある。
図2には、LLkのオーバーコート液滴DR2を吐出する複数の第二ノズルNZ2の中に不良ノズルNZ4が生じている様子が示されている。この場合、不良ノズルNZ4からはオーバーコート液滴DR2が着弾予定ラスターに着弾しないことになる。この着弾予定ラスターを符号RA1で示すことにし、着弾予定ラスターRA1に不良ノズルNZ4がオーバーコート液滴DR2を吐出すべき主走査を第一走査と呼ぶことにする。印刷装置1は、複数回の主走査のうち第一走査とは異なる第二走査において着弾予定ラスターRA1にオーバーコート液滴DR2を吐出する対応ノズルNZ5を複数の第二ノズルNZ2から選択する。そのうえで、印刷装置1は、着弾予定ラスターRA1において不良ノズルNZ4が着弾させる予定位置P1に向かうオーバーコート液滴DR2を対応ノズルNZ5に吐出させる。
まず、図1に示す不良ノズル検出ユニット70の具体例を説明する。
図4A,4Bはノズル64の状態を検出する方法例を説明するための図であり、図4Aは印刷装置1の要部を模式的に示し、図4Bは振動板630の残留振動に基づく起電力曲線VRを模式的に示している。図5Aは不良ノズル検出ユニット70の電気回路例を示し、図5Bはコンパレーター701bからの出力信号の例を模式的に示している。
図4Aに示す記録ヘッド61の流路基板610には、圧力室611、液体カートリッジ65から圧力室611へと液体66が流れる液体供給路612、圧力室611からノズル64へと液体66が流れるノズル連通路613、等が形成されている。流路基板610には、例えばシリコン基板等を用いることができる。流路基板610の表面は、圧力室611の壁面の一部を構成する振動板部634とされている。振動板部634は、例えば酸化シリコン等で構成することができる。振動板630は、例えば、振動板部634、この振動板部634上に形成された駆動素子63、等で構成することができる。駆動素子63は、例えば、振動板部634上に形成された下電極631、概ね下電極631上に形成された圧電体層632、概ね圧電体層632上に形成された上電極633、を有する圧電素子等とすることができる。電極631,633は、例えば白金や金等を用いることができる。圧電体層632は、例えばPZTといった強誘電体のペロブスカイト型酸化物等を用いることができる。ここで、PZTは、チタン酸ジルコン酸鉛の略称であり、化学量論比でPb(Zrx,Ti1-x)O3である。
図4Aは、振動板630の残留振動に基づく圧電素子、すなわち、駆動素子63からの起電力状態を検出する不良ノズル検出ユニット70を設けた印刷装置1の要部をブロック図により示している。不良ノズル検出ユニット70の一端は下電極631に対して電気的に接続され、不良ノズル検出ユニット70の他端は上電極633に対して電気的に接続されている。
図4Bは、ノズル64から液滴67を吐出するための駆動信号SGの供給後に生じる振動板630の残留振動に基づく駆動素子63の起電力曲線VRを例示している。ここで、横軸は時間t、縦軸は起電力Vfである。起電力曲線VRは、正常なノズル64から液滴67を吐出した例を示している。目詰まり等によりノズルから液滴67が吐出しなかったり吐出液滴67が正しい軌跡を描かなかったりすると、起電力曲線がVRからずれる。そこで、図5Aに示すような検出回路を用いてノズル64が正常であるか不良であるかを検出することができる。
図5Aに示す不良ノズル検出ユニット70は、増幅部701及びパルス幅検出部702を備えている。増幅部701は、例えば、オペアンプ701a、コンパレーター701b、コンデンサC1,C2、抵抗r1〜r5、を備える。駆動回路62から出力される駆動信号SGが駆動素子63に印加されると、残留振動が生じ、残留振動に基づく起電力が増幅部701に入力される。この起電力に含まれる低周波成分はコンデンサC1と抵抗r1とで構成される高域通過フィルターによって除去され、低周波成分除去後の起電力がオペアンプ701aにより所定の増幅率で増幅される。オペアンプ701aの出力は、コンデンサC2と抵抗r4とで構成される高域通過フィルターを通過し、コンパレーター701bによって基準電圧Vrefと比較され、基準電圧Vrefより高いか否かによってハイレベルHかローレベルLかのパルス状電圧に変換される。
図5Bは、コンパレーター701bから出力されパルス幅検出部702に入力されるパルス状電圧の例を示している。パルス幅検出部702は、入力されるパルス状電圧の立ち上がり時にカウント値をリセットし、所定期間毎にカウント値をインクリメントし、次のパルス状電圧の立ち上がり時にカウント値を検出結果としてコントローラー10へ出力する。カウント値は残留振動に基づく起電力の周期に対応し、順次出力されるカウント値は残留振動に基づく起電力の周波数特性を示す。ノズルが不良ノズルNZ4である場合の起電力の周波数特性、例えば、周期は、ノズルが正常である場合の起電力の周波数特性とは異なる。そこで、コントローラー10は、順次入力されるカウント値が許容範囲内であれば検出対象のノズルが正常であると判定することができ、順次入力されるカウント値が許容範囲外であれば検出対象のノズルが不良ノズルNZ4であると判定することができる。
上述した処理を各ノズル64について行うことにより、コントローラー10は、各ノズル64が不良ノズルNZであるか否かを判定することができ、当該判定結果を抜けノズル情報として不揮発性メモリー30に記憶させる。
(3)オーバーコート印刷の具体例:
次に、図6〜8等を参照して、オーバーコート印刷の具体例を説明する。
図6,7は、各主走査においてノズル列68に含まれる各ノズルをどのラスターRA0に割り当てるのかを模式的に例示している。図6,7は、時間tの経過に従って各ノズルがパス1からパス12の相対位置に相対移動する様子を示している。図6は、印刷画像の印刷開始からパス1〜12における各ノズルの副走査方向D3における相対位置を示している。パス1〜12の内、パス1〜5が印刷画像の上端部において例外的な紙送りを行う上端処理部であり、パス6〜12が印刷画像の通常部において通常の紙送りを行う通常処理部である。図7は、印刷画像の印刷終了までのパス1〜12における各ノズルの副走査方向D3における相対位置を示している。パス1〜12の内、パス1〜7が通常処理部であり、パス8〜12が印刷画像の下端部において例外的な紙送りを行う下端処理部である。図8は、連続した各パスにおいて各第二ノズルNZ2がラスターRA0の各画素にオーバーコート液滴DR2を吐出する割合を模式的に例示している。
分かり易く示すため、図6〜8には、記録ヘッド61に含まれる複数のノズル列68のうちLLkのノズル列68LLkだけを示している。また、ノズル列68LLkに副走査方向D3へ並んだ18個のノズルが含まれるものとし、通常処理部において18個のノズルのうち下端側の12個が第一ノズルNZ1であって上端側の6個が第二ノズルNZ2であるものとしている。ノズル列のノズル数が18個であることも本技術に含まれるが、通常、ノズル列のノズル数は18個よりも多い。図6,7では、各ノズルを識別する番号1〜18を付し、第二ノズルNZ2の範囲である第二範囲R2を太線で囲み、使用しないノズルに×印を付している。さらに、通常処理部の各副走査はノズル3個分の紙送りが行われ、上端処理部と下端処理部の各副走査はノズル1個分の紙送りが行われるものとしている。
通常処理部において一つのラスターRA0に着目すると、ラスターRA0には、第一範囲R1にある4個の第一ノズルNZ1から通常液滴DR1が着弾し、第二範囲R2にある2個の第二ノズルNZ2からオーバーコート液滴DR2が着弾する。従って、図6,7には、C、M、Y、K、Lk、及び、LLkのカラー層が4パス記録で形成され、LLkのオーバーコート層が2パス記録で形成されることが示されている。この場合におけるLLkの各第二ノズルNZ2の使用割合が図8に示されている。パスp、及び、パスp+1の各第二ノズルNZ2は、図6,7に示すノズル1〜6に対応している。これらノズル1〜6の使用割合は、順に、25%、50%、75%、75%、50%、25%となっている。これにより、パスpのノズル4の使用割合75%とパスp+1のノズル1の使用割合25%とでオーバーコート液滴DR2が100%吐出される。また、パスpのノズル5の使用割合50%とパスp+1のノズル2の使用割合50%とでオーバーコート液滴DR2が100%吐出される。さらに、パスpのノズル6の使用割合25%とパスp+1のノズル3の使用割合75%とでオーバーコート液滴DR2が100%吐出される。カラー層の4パス記録については、例えば、各パスのノズルの使用割合を25%にすることにより通常液滴DR1が100%吐出される。
むろん、オーバーコート層は、3パス以上で形成されてもよい。また、カラー層は、4パス以外にも、2パス、3パス、又は、5パス以上で形成されてもよい。
ここで、図6,7に示すように、上端処理部と下端処理部において、第一範囲R1及び第二範囲R2に含まれず、使用しない第三ノズルNZ3の範囲である第三範囲R3が生じる。例えば、図6に示すパス5では、ノズル1が印刷開始位置よりも上であるために使用しない第三ノズルNZ3であり、第二範囲R2のノズル2〜4がオーバーコート液滴吐出用の第二ノズルNZ2であり、第一範囲R1のノズル5〜16が通常液滴吐出用の第一ノズルNZ1であり、ノズル17,18が第一範囲R1よりも下であるために使用しない第三ノズルNZ3である。図7に示すパス10では、ノズル1〜6が第二範囲R2よりも上であるために使用しない第三ノズルNZ3であり、第二範囲R2のノズル7〜12がオーバーコート液滴吐出用の第二ノズルNZ2であり、第一範囲R1のノズル13〜15が通常液滴吐出用の第一ノズルNZ1であり、ノズル16〜18が印刷終了位置よりも下であるために使用しない第三ノズルNZ3である。
一つのノズル列68LLkに通常液滴DR1を吐出する第一範囲R1とオーバーコート液滴DR2を吐出する第二範囲R2を設定する場合、印刷画像の上端部及び下端部では第一範囲R1と第二範囲R2を変更する必要がある。これは、印刷画像の上端部及び下端部では紙送り量を少なくするので、上端部及び下端部でも第一範囲R1と第二範囲R2の副走査毎の変化量を一定にするためである。図6,7に示すように、通常処理部においては、ノズル1〜6が第一範囲R1にあり、ノズル7〜18が第二範囲R2にある。図6に示す上端処理部では、パス5の第二範囲R2がノズル2〜4であり、パス1〜4は第二範囲R2が無い。また、パス5に使用しないノズル17〜18が生じ、パス4に使用しないノズル15〜18が生じ、パスを遡るほど使用しないノズルが増える。図7に示す下端処理部では、パス8の第二範囲R2がノズル3〜8であり、パス9の第二範囲R2がノズル5〜10であり、パスが進むほど第二範囲R2が下端方向へ移動する。また、パス8に使用しないノズル1〜2が生じ、パス9に使用しないノズル1〜4が生じ、パスが進むほど使用しないノズルが増える。
パスに応じて第一範囲R1と第二範囲R2が変化することは、パスが進むと、第一範囲R1から第二範囲R2に変わるノズルが生じたり、第二範囲R2から第一範囲R1に変わるノズルが生じたりすることを意味する。液滴を正常に吐出するノズルは、第一範囲R1においてカラー層を形成する通常液滴DR1を吐出し、第二範囲R2においてオーバーコート層を形成するオーバーコート液滴DR2を吐出する。しかし、液滴の吐出が正常でない不良ノズルは、代替ノズルにより補完されなければ、第一範囲R1においてカラー層にドットが形成されないラスターが生じ、第二範囲R2においてオーバーコート層にドットが形成されないラスターが生じる。不良ノズルが必ず第一範囲R1にあれば、第一範囲R1にある代替ノズルによりカラー層のドットを補完することができる。しかし、不良ノズルが第一範囲R1から第二範囲R2に変わると、第一範囲R1から代替ノズルを選択することができない。
そこで、本具体例では、パス毎に不良ノズルが第一範囲R1にあるのか第二範囲R2にあるのかを判定し、不良ノズルが第一範囲R1にある場合に第一範囲R1から代替ノズルを選択し、不良ノズルが第二範囲R2にある場合に第二範囲R2から代替ノズルを選択することにしている。
例えば、図6に示すノズル5が不良ノズルNZ4であるとする。パス2〜5では、ノズル5が第一範囲R1にあるので、ドット形成部48は、第一範囲R1にあるノズル、例えば、ノズル6を不良ノズルNZ4に代わる代替ノズルNZ6として選択し、ノズル5が吐出すべき通常液滴DR1をノズル6に吐出させる。この場合、上端部の或るラスターRA0について、ノズル5が通常液滴DR1を吐出すべきパスの主走査が第一走査に対応し、ノズル6が通常液滴DR1を吐出するパスの主走査が第二走査に対応する。一方、パス6〜12では、ノズル5が第二範囲R2にあるので、ドット形成部48は、第二範囲R2にあるノズル2を不良ノズルNZ4に代わる対応ノズルNZ5として選択し、ノズル5が吐出すべきオーバーコート液滴DR2をノズル2に吐出させる。この場合、通常部の或る着弾予定ラスターRA1について、ノズル5がオーバーコート液滴DR2を吐出すべきパスの主走査が第一走査に対応し、ノズル2がオーバーコート液滴DR2を吐出するパスの主走査が第二走査に対応する。
また、図7に示すノズル8が不良ノズルNZ4であるとする。パス1〜7では、ノズル8が第一範囲R1にあるので、ドット形成部48は、第一範囲R1にあるノズル、例えば、ノズル11を不良ノズルNZ4に代わる代替ノズルNZ6として選択し、ノズル8が吐出すべき通常液滴DR1をノズル11に吐出させる。この場合、通常部の或るラスターRA0について、ノズル8が通常液滴DR1を吐出すべきパスの主走査が第一走査に対応し、ノズル11が通常液滴DR1を吐出するパスの主走査が第二走査に対応する。一方、パス8,9では、ノズル8が第二範囲R2にあるので、ドット形成部48は、第二範囲R2にあるノズル7を不良ノズルNZ4に代わる対応ノズルNZ5として選択し、ノズル8が吐出すべきオーバーコート液滴DR2をノズル7に吐出させる。この場合、下端部の或る着弾予定ラスターRA1について、ノズル8がオーバーコート液滴DR2を吐出すべきパスの主走査が第一走査に対応し、ノズル7がオーバーコート液滴DR2を吐出するパスの主走査が第二走査に対応する。
(4)印刷制御処理の具体例:
図9は、印刷装置1のコントローラー10で行われる印刷制御処理を例示している。ここで、ステップS102はデータ取得部18に対応し、ステップS104〜S118はドット形成部48に対応している。以下、「ステップ」の記載を省略する。図10は、ハーフトーン後の画像データDA1を並び替える処理を模式的に例示している。図11は、副走査時における被印刷物M1の相対移動量を含むリソース情報500の構造を模式的に例示している。リソース情報500は、付随データDA2に対応する送り情報の例である。RAM20は、ノズル列68に通常液滴DR1及びオーバーコート液滴DR2を吐出させる処理に使用されるデータが格納されるメモリーの例である。
コントローラー10のハーフトーン処理部43がハーフトーンデータである画像データDA1を生成すると、図9に示す印刷制御処理が開始する。まず、データ取得部18としてのコントローラー10は、S102において、ユニット番号とページ長H1を含む付随データDA2を取得する。ユニット番号は、被印刷物M1のサイズや印刷モードに応じて設定されている。例えば、被印刷物M1が最大サイズであるか、縁なし印刷を行うか、被印刷物M1がカット紙であるか、被印刷物M1がロール紙であるか、印刷モードが高画質を優先する高画質モードであるか、印刷モードが高速印刷を優先する高速モードであるか、等によりユニット番号が異なる。ページ長H1は、画像データDA1の高さH1を意味し、副走査方向D3における画像データDA1の画素数に相当する。
付随データDA2の取得後、ドット形成部48としてのコントローラー10は、S104において、図11に示すようなリソース情報500からユニット番号に対応するリソース情報を取得する。リソース情報500は、通常処理部においてノズル列68のうち通常液滴DR1を吐出するノズルの数である「通常ノズル数」、通常処理部におけるパス数Mの各紙送り量である「通常送り量」、上端処理部におけるパス数Mの各紙送り量である「上端送り量」、下端処理部におけるパス数Mの各紙送り量である「下端送り量」、等を有している。図示の都合上、通常ノズル数は、一つのノズル列68に含まれるノズルの総数に対する通常処理部の第一範囲R1にある第一ノズルNZ1の数の百分率を示している。ノズル列が1000個のノズルを有する場合、通常ノズル数75%は、通常処理部の第一範囲R1に750個の第一ノズルNZ1があることを意味する。
例えば、S102で取得されたユニット番号が2番である場合、コントローラー10は、リソース情報500から、通常ノズル数75%、通常送り量(30,33,30,31)、上端送り量(5,2,3,2)、下端送り量(2,3,2,5)、等を取得する。送り量が4つあるのは、カラー層において4パス記録が行われることを意味する。通常送り量(30,33,30,31)は、4パス記録の1サイクルにおいて、1番目のパスに30ノズル分の紙送りが行われ、2番目のパスに33ノズル分の紙送りが行われ、3番目のパスに30ノズル分の紙送りが行われ、4番目のパスに31ノズル分の紙送りが行われることを意味する。上端送り量と下端送り量についても、同様である。
ユニット番号に対応するリソース情報の取得後、コントローラー10は、S106において、図12に例示するデータ領域確保処理を行う。この処理は、ドット形成部48に対応している。
図12に示すデータ領域確保処理が開始すると、コントローラー10は、S202において、ユニット番号に対応するリソース情報500に基づいて通常処理部の副走査回数N1を取得する。図10に示すように、リソース情報500は、通常処理部の第一範囲R1の副走査方向D3における長さL1、及び、通常処理部におけるパス数Mの各紙送り量を含んでいる。ここで、副走査方向D3におけるノズル列68の長さをL0とすると、通常処理部の第二範囲R2の副走査方向D3における長さL2は、L0−L1となる。第一範囲R1の長さL1は、通常処理部において通常液滴DR1を吐出する複数の第一ノズルNZ1の長さを意味し、副走査方向D3における第一範囲R1の画素数に相当する。第二範囲R2の長さL2は、通常処理部においてオーバーコート液滴DR2を吐出する複数の第二ノズルNZ2の長さを意味し、副走査方向D3における第二範囲R2の画素数に相当する。例えば、通常処理部におけるパス数Mの各紙送り量の最小量をLmとすると、副走査回数N1は、L0/Lmの小数点以下を切り上げた整数となる。図6,7に示す例では、L0=18であり、Lm=3であるので、副走査回数N1は18/3=6となる。
副走査回数N1の取得後、コントローラー10は、S204において、副走査回数N1に上端処理部の副走査回数N2と下端処理部の副走査回数N3を加えた必要副走査回数N0を算出する。図6,7に示す例では、N1=6であり、N2=N3=5であるので、N0=6+5+5=16となる。これにより、データ長H1が小さい画像データDA1に対しても必要副走査回数N0以内の副走査により1ラスターのカラー層及びオーバーコート層が形成される。必要副走査回数N0は、1ラスターに必要な通常液滴DR1及びオーバーコート液滴DR2を着弾させるための副走査の回数である。
以上より、コントローラー10は、付随データDA2とリソース情報500に基づいて、1ラスターに必要な液滴DR1,DR2を着弾させるための副走査の回数N0を求める。
必要副走査回数N0の算出後、コントローラー10は、S206において、画像データDA1のうち必要副走査回数N0の副走査に対応する印刷画像を形成するために必要な部分データDA3のサイズSIを算出する。例えば、画像データDA1のうち1ラスター分のデータのサイズに第一範囲R1の長さL1を乗じることによりデータサイズSIが得られる。
データサイズSIの算出後、コントローラー10は、S208において、データサイズSIのデータ領域21をRAM20に確保する。その後、コントローラー10は、データ領域確保処理を終了させる。
データ領域確保処理の終了後、コントローラー10は、図9に示すS108において、ハーフトーン後の画像データDA1から部分的にデータを取得し、取得されたデータをデータ領域21に格納する。データを取得する単位は、1ラスター単位でもよいし、複数ラスターの単位でもよい。その後のS110において、コントローラー10は、1回の主走査に必要な部分データDA3が完成したか否かに応じて処理を分岐させる。1回の主走査に必要な部分データDA3が完成していない場合、コントローラー10は、処理をS108に戻す。1回の主走査に必要な部分データDA3が完成した場合、コントローラー10は、処理をS112に進める。1回の主走査に必要なデータは、例えば、図6に示す着弾予定ラスターRA1の場合、パス7〜12の6パス分のデータとなる。図7に示す一番上の着弾予定ラスターRA1の場合、パス4〜9の6パス分のデータとなる。
以上のようにして、コントローラー10は、データ領域21に部分データDA3を格納する。
S112において、コントローラー10は、ノズル列68の中で不良ノズルNZ4がどのノズルであるかを表す抜けノズル情報を不揮発性メモリー30から取得する。例えば、図6に示すノズル列68LLkの場合、ノズル5を表す情報が抜けノズル情報に含まれる。図7に示すノズル列68LLkの場合、ノズル8を表す情報が抜けノズル情報に含まれる。
抜けノズル情報の取得後、コントローラー10は、S114において、着弾予定ラスターRA1において不良ノズルNZ4が着弾させる予定位置P1に向かうオーバーコート液滴DR2を対応ノズルNZ5に吐出させるように、部分データDA3と抜けノズル情報に基づいて1パス分の出力データDA4を生成する。
図13は、S114で行われるノズル抜け補完処理を例示している。この処理は、ドット形成部48に対応している。
図13に示すノズル抜け補完処理が開始すると、コントローラー10は、S302において、不良ノズルNZ4がノズル列68において第一範囲R1にあるか第二範囲R2にあるかに応じて処理を分岐させる。上述したように、第一範囲R1は通常液滴DR1を吐出する複数の第一ノズルNZ1が並べられた範囲であり、第二範囲R2はオーバーコート液滴DR2を吐出する複数の第二ノズルNZ2が並べられた範囲である。コントローラー10は、不良ノズルNZ4が第一範囲R1にある場合に処理をS304に進め、不良ノズルNZ4が第二範囲R2にある場合に処理をS308に進める。
S304において、コントローラー10は、第一走査において不良ノズルNZ4が着弾予定ラスターRA1に着弾させるべき通常液滴DR1を第二走査において着弾予定ラスターRA1に着弾させる代替ノズルNZ6を選択する。例えば、図6に示すパス2〜5では、第一範囲R1にあるノズル、例えば、ノズル6が代替ノズルNZ6として選択される。図7に示すパス1〜7では、第一範囲R1にあるノズル、例えば、ノズル11が代替ノズルNZ6として選択される。
代替ノズルNZ6の選択後、コントローラー10は、S306において、不良ノズルNZ4の吐出データを代替ノズルNZ6の吐出データに移行させる。その後、コントローラー10は、ノズル抜け補完処理を終了させる。
図14A〜14Dは、部分データDA3に対して不良ノズルNZ4の吐出データをノズルNZ5,NZ6に移行させる例を模式的に示している。図14A〜14Dは、着弾予定ラスターRA1の各画素PX1に対してどのパスでどのノズルを使用して液滴によるドットを形成するかを示している。各画素PX1の上段には「p」で表されるパスが示され、各画素PX1の下段には使用ノズルが示されている。各図14A〜14Bの上側の着弾予定ラスターRA1に示されるデータが補完前の部分データDA3に対応し、各図14A〜14Bの下側の着弾予定ラスターRA1に示されるデータが補完後の出力データDA4に対応している。
図14A,14Cは、不良ノズルNZ4が第一範囲R1にある場合のノズル抜け補完処理を示している。図14Aに示す部分データDA3は、パス2の不良ノズル5の吐出データがパス1の代替ノズル6の吐出データに移行されている。図14Cに示す部分データDA3は、パス5の不良ノズル8の吐出データがパス4の代替ノズル11に移行されている。
一方、S308において、コントローラー10は、第一走査において不良ノズルNZ4が着弾予定ラスターRA1に着弾させるべきオーバーコート液滴DR2を第二走査において着弾予定ラスターRA1に着弾させる対応ノズルNZ5を選択する。例えば、図6に示すパス6〜12では、第二範囲R2にあるノズル2が対応ノズルNZ5として選択される。図7に示すパス7,8では、第二範囲R2にあるノズル7が対応ノズルNZ5として選択される。
対応ノズルNZ5の選択後、コントローラー10は、S310において、不良ノズルNZ4の吐出データを対応ノズルNZ5の吐出データに移行させる。その後、コントローラー10は、ノズル抜け補完処理を終了させる。
図14B,14Dは、不良ノズルNZ4が第二範囲R2にある場合のノズル抜け補完処理を示している。図14Bに示す部分データDA3は、パス11の不良ノズル5の吐出データがパス12の代替ノズル2の吐出データに移行されている。図14Dに示す部分データDA3は、パス8の不良ノズル8の吐出データがパス9の代替ノズル7に移行されている。
ノズル抜け補完処理の終了後、コントローラー10は、図9に示すS116において、生成された出力データDA4を図1に示す駆動信号送信部45に渡し、駆動部50に記録ヘッド61の駆動を指示する。すると、駆動部50が記録ヘッド61を1回分、主走査させ、その間に駆動信号送信部45が記録ヘッド61の各ノズル64に液滴を吐出させる。これにより、印刷画像のうち部分データDA3に対応する部分にドットが形成されることにより被印刷物M1に形成される。さらに、駆動部50は、被印刷物M1を1回分、紙送りさせる。すなわち、1回分の副走査が行われる。
以上より、ドット形成部48は、部分データDA3に基づいてノズル列68に通常液滴DR1及びオーバーコート液滴DR2を吐出させる。これにより、ドット形成部48は、着弾予定ラスターRA1において不良ノズルNZ4が着弾させる予定位置P1に向かう通常液滴DR1を代替ノズルNZ6に吐出させ、着弾予定ラスターRA1において不良ノズルNZ4が着弾させる予定位置P1に向かうオーバーコート液滴DR2を対応ノズルNZ5に吐出させる。
その後、コントローラー10は、S118において、画像データDA1がページ終了まで取得されたか否かに応じて処理を分岐させる。コントローラー10は、画像データDA1がページ終了まで取得されていな場合に処理をS108に戻し、画像データDA1がページ終了まで取得された場合に印刷制御処理を終了させる。
以上説明したように、第一走査において不良ノズルNZ4から吐出されるべきオーバーコート液滴DR2の着弾予定位置P1に第二走査において対応ノズルNZ5からオーバーコート液滴DR2が吐出されるので、不良ノズルNZ4があってもオーバーコート層が完成する。従って、本具体例は、オーバーコート印刷の画質を向上させることができる。また、カラー層についてはカラー層を形成するノズルにより不良ノズルNZ4が補完され、オーバーコート層についてはオーバーコート層を形成するノズルにより不良ノズルNZ4が補完される点でも、オーバーコート印刷の画質が向上する。
(5)変形例:
本発明は、種々の変形例が考えられる。
例えば、図1に示す印刷装置1の内、解像度変換部41、色変換部42、及び、ハーフトーン処理部43の少なくとも一部は、ホスト装置HO1にあってもよい。この場合、印刷装置1は、ホスト装置HO1からハーフトーンデータを受信し、このハーフトーンデータを画像データDA1としてラスタライズ処理部44が図9で示した印刷制御処理を行ってもよい。また、ホスト装置HO1が抜けノズル情報を取得することができる場合、ラスタライズ処理部44がホスト装置HO1にあってもよい。
さらに、着弾予定ラスターRA1にオーバーコート液滴DR2を着弾させる対応ノズルNZ5が複数の第二ノズルNZ2の中に存在しない場合、第一範囲R1及び第二範囲R2に含まれない第三範囲R3にある複数の第三ノズルNZ3から代替ノズルNZ6が選択されてもよい。
図15は、印刷画像の印刷終了までのパス1〜12において第三範囲R3にある複数の第三ノズルNZ3から代替ノズルNZ6を選択する様子を模式的に例示している。図15に示すノズル7,8は、不良ノズルNZ4である。このため、着弾予定ラスターRA1にオーバーコート液滴DR2を吐出すべき複数のノズルがノズル7,8しか無い場合、第二範囲R2の複数の第二ノズルNZ2から対応ノズルNZ5を選択することができない。そこで、コントローラー10は、図9で示したS114のノズル抜け補完処理において、複数の第三ノズルNZ3の中から着弾予定ラスターRA1にオーバーコート液滴DR2を着弾させる代替ノズルNZ6を選択し、不良ノズルNZ4の吐出データを代替ノズルNZ6の吐出データに移行させてもよい。これにより、図9で示したS116において、複数の第三ノズルNZ3のうち着弾予定ラスターRA1にオーバーコート液滴DR2を着弾させる代替ノズルNZ6にオーバーコート液滴DR2を予定位置P1に向けて吐出させる処理が行われる。
以上により、複数の第二ノズルNZ2の中に対応ノズルNZ5が存在しなくても不良ノズルNZ4から吐出されるべきオーバーコート液滴DR2の着弾予定位置P1に第三ノズルNZ3からオーバーコート液滴DR2が吐出される。従って、本具体例は、オーバーコート印刷の画質を向上させる好適な例である。
さらに、各ノズル列の端部にある1以上のノズルは、液滴DR1,DR2の吐出に使用しない設定にされることがある。このようなノズルも、第三範囲R3にある第三ノズルNZ3として扱うことができる。すなわち、着弾予定ラスターRA1にオーバーコート液滴DR2を着弾させる対応ノズルNZ5が複数の第二ノズルNZ2の中に存在しない場合、ノズル列の端部にある1以上のノズルから代替ノズルNZ6が選択されてもよい。
(6)結び:
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、オーバーコート印刷の画質を向上させる技術等を提供することができる。むろん、独立請求項に係る構成要件のみからなる技術でも、上述した基本的な作用、効果が得られる。
また、上述した例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術及び上述した例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も実施可能である。本発明は、これらの構成等も含まれる。
1…印刷装置、10…コントローラー、18…データ取得部、20…RAM、21…データ領域、30…不揮発性メモリー、41…解像度変換部、42…色変換部、43…ハーフトーン処理部、44…ラスタライズ処理部、45…駆動信号送信部、48…ドット形成部、50…駆動部、61…記録ヘッド、64…ノズル、67…液滴、68…ノズル列、70…不良ノズル検出ユニット、500…リソース情報、D1…往方向、D2…復方向、D3…副走査方向、D4…搬送方向、DA1…画像データ、DA2…付随データ、DA3…部分データ、DA4…出力データ、DR1…通常液滴、DR2…オーバーコート液滴、DT0…ドット列、DT1…ドット、IMp…印刷画像、M1…被印刷物、NZ1…第一ノズル、NZ2…第二ノズル、NZ3…第三ノズル、NZ4…不良ノズル、NZ5…対応ノズル、NZ6…代替ノズル、P1…予定位置、R1…第一範囲、R2…第二範囲、R3…第三範囲、RA0…ラスター、RA1…着弾予定ラスター、PX1…画素。

Claims (6)

  1. 記録ヘッドと、
    被印刷物に対して前記記録ヘッドを主走査方向へ相対移動させる主走査、及び、前記記録ヘッドに対して前記被印刷物を副走査方向へ相対移動させる副走査を行う駆動部と、
    前記主走査方向に沿ったラスターのドット列を形成するドット形成部と、を備え、
    前記記録ヘッドは、前記主走査方向とは異なる方向へ並べられた複数の第一ノズル、及び、前記主走査方向とは異なる方向へ並べられた複数の第二ノズルを含み、
    各前記第一ノズルは、通常液滴を吐出し、
    各前記第二ノズルは、前記被印刷物に着弾した前記通常液滴に重ねられるオーバーコート液滴を吐出し、
    前記主走査の複数回は、第一走査、及び、第二走査を含み、
    前記複数の第二ノズルは、前記第一走査において前記オーバーコート液滴が着弾予定ラスターに着弾しない不良ノズル、及び、前記第二走査において前記着弾予定ラスターに前記オーバーコート液滴を着弾させる対応ノズルを含み、
    前記ドット形成部は、前記着弾予定ラスターにおいて前記不良ノズルが着弾させる予定位置に向かう前記オーバーコート液滴を前記対応ノズルに吐出させる、印刷装置。
  2. 前記記録ヘッドは、前記複数の第一ノズルの並びと前記複数の第二ノズルの並びが繋がっているノズル列を有し、
    前記ドット形成部は、前記ノズル列において前記複数の第一ノズルとして使用する第一範囲と前記複数の第二ノズルとして使用する第二範囲とを変更可能である、請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記ドット形成部は、変更された前記第二範囲にある前記複数の第二ノズルから前記対応ノズルを選択し、選択された前記対応ノズルに前記オーバーコート液滴を前記予定位置に向けて吐出させる、請求項2に記載の印刷装置。
  4. 印刷対象の画像を表す画像データに付随する付随データを取得するデータ取得部と、
    前記ノズル列に前記通常液滴及び前記オーバーコート液滴を吐出させる処理に使用されるデータが格納されるメモリーをさらに備え、
    前記ドット形成部は、前記付随データ、及び、前記副走査時における前記被印刷物の相対移動量を含む送り情報であって前記付随データに対応する前記送り情報に基づいて、1ラスターに必要な前記通常液滴及び前記オーバーコート液滴を着弾させるための前記副走査の回数を求め、前記画像データのうち前記回数の前記副走査に対応する印刷画像を形成するために必要な部分データを格納するデータ領域を前記メモリーに確保し、前記データ領域に前記部分データを格納し、該部分データに基づいて前記ノズル列に前記通常液滴及び前記オーバーコート液滴を吐出させる、請求項2又は請求項3に記載の印刷装置。
  5. 前記ノズル列は、前記第一範囲及び前記第二範囲に含まれない第三範囲に複数の第三ノズルを含み、
    前記ドット形成部は、前記着弾予定ラスターに前記オーバーコート液滴を着弾させる前記対応ノズルが前記複数の第二ノズルの中に存在しない場合、前記複数の第三ノズルのうち前記着弾予定ラスターに前記オーバーコート液滴を着弾させるノズルに前記オーバーコート液滴を前記予定位置に向けて吐出させる、請求項2〜請求項4のいずれか一項に記載の印刷装置。
  6. 被印刷物に対して記録ヘッドを主走査方向へ相対移動させる主走査、及び、前記記録ヘッドに対して前記被印刷物を副走査方向へ相対移動させる副走査を行い、前記主走査方向に沿ったラスターのドット列を形成する印刷装置のためのノズル補完方法であって、
    前記記録ヘッドは、前記主走査方向とは異なる方向へ並べられた複数の第一ノズル、及び、前記主走査方向とは異なる方向へ並べられた複数の第二ノズルを含み、
    各前記第一ノズルは、通常液滴を吐出し、
    各前記第二ノズルは、前記被印刷物に着弾した前記通常液滴に重ねられるオーバーコート液滴を吐出し、
    前記主走査の複数回は、第一走査、及び、第二走査を含み、
    前記複数の第二ノズルは、前記第一走査において前記オーバーコート液滴が着弾予定ラスターに着弾しない不良ノズル、及び、前記第二走査において前記着弾予定ラスターに前記オーバーコート液滴を着弾させる対応ノズルを含み、
    前記着弾予定ラスターにおいて前記不良ノズルが着弾させる予定位置に向かう前記オーバーコート液滴を前記対応ノズルに吐出させる、ノズル補完方法。
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