JP2017128066A - 光沢制御装置、光沢制御方法、およびプログラム - Google Patents

光沢制御装置、光沢制御方法、およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】凹凸形状の表面に光沢層を形成する際に、記録ヘッドから出力面までの距離が変化しても所望の光沢度を制御可能な光沢制御装置を提供する。【解決手段】本発明の光沢制御装置は、凹凸形状の形状を特定する形状情報と、光沢の光沢度を特定する光沢情報と、に基づいて光沢形成パターンを導出する。光沢形成パターン導出手段は、光沢形成装置が単位面積あたりにインクドットを打ち込む割合である面積率と、光沢形成装置が同じ位置を狙ってインクドットを打ち込む回数である重ね数を決定することにより、凹凸形状の表面に形成する光沢を制御する。【選択図】図9

Description

本発明は、凹凸形状の表面に光沢を形成し、光沢感を有する構造物を出力する印刷制御に関する。
凹凸形状の表面に光沢を形成し、光沢感を有する構造物を出力する印刷装置が知られている。凹凸形状の一例として、プレス加工が施されたエンボス加工用紙が挙げられる。このようなエンボス加工紙上に、例えば紫外線硬化型のクリアインクを吐出して光沢層を形成し、所望の光沢感を有する構造物を得ることができる印刷装置が知られている。
光沢感には、光沢度が強くテカテカした質感を与えるグロス感や、光沢度が弱くしっとりとした質感を与えるマット感などがある。従来技術において、例えばクリアインクの吐出量と、紫外線照射のタイミングとを制御することにより、グロス感やマット感などの異なる光沢感を有する印刷物を出力する画像形成装置が知られている(特許文献1)。
また、エンボス加工紙以外にも、3Dプリンタなどで任意の凹凸形状を形成することができる。従来技術において、インクの重ね数を制御することにより、記録用紙上に凹凸形状を形成し、立体的な質感を与える印刷物を出力するインクジェットプリンタも知られている(特許文献2)。形成された凹凸形状の表面にさらに光沢層を形成し、所望の光沢感を有する構造物を得たいという要請もある。
特開2009−208348号公報 特開2000−318140号公報
通常、インクジェット記録方式の画像形成装置は、記録ヘッドから出力面までの適正距離が存在する。適正距離の範囲内であれば、記録ヘッドから吐出されるインクドットが所望の位置に着弾する着弾精度が高くなる。一方、適正距離の範囲外であれば、インクドットの着弾精度が低くなる。そのため、インクドットが気流により舞い上がり出力面に着弾しないミストと呼ばれる現象などが発生し、高精細な画像を得られない場合がある。
インクジェット記録方式により、凹凸形状の表面に光沢層を形成する場合、通常凹凸形状の高さは一律ではないため、記録ヘッドから出力面までの距離も変化する。そのため、記録ヘッドから出力面までの適正距離を保つことは困難である。
本発明の光沢制御装置は、凹凸形状の表面に光沢を形成する光沢形成装置に、前記光沢を制御するための光沢形成パターンを供給する光沢制御装置であって、前記凹凸形状の形状を特定する形状情報と、前記光沢の光沢度を特定する光沢情報と、に基づいて前記光沢形成パターンを導出する光沢形成パターン導出手段を有し、前記光沢形成パターン導出手段は、前記光沢形成装置が単位面積あたりにインクドットを打ち込む割合である面積率を決定する。
本発明の光沢制御装置は、凹凸形状の表面に光沢層を形成する際に、記録ヘッドから出力面までの距離が変化しても所望の光沢度を制御することができる。
実施形態における構造物形成システムのハードウェア構成図である。 実施形態におけるプリンタの構成を説明する模式図である。 面積階調法による画像の階調表現を説明する模式図である。 実施形態における各層を形成するプリンタの動作を説明する図である。 実施形態における凹凸層、画像層、光沢層の断面を示す図である。 実施形態における異なる光沢特性を有する光沢層を示す模式図である。 実施形態における構造物を出力する手順を示すフローチャートである。 実施形態における構造物形成システムの機能を示すブロック図である。 実施形態において、信号変換処理で参照されるルックアップテーブルを示す図である。 実施形態における記録ヘッドと出力面との位置関係を示す模式図である。 実施形態における光沢形成パターンと高免光沢度との関係を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の範囲をそれらに限定する趣旨のものではない。
[実施形態1]
(光沢制御装置のハードウェア構成)
図1は、本実施形態における構造物形成システムのハードウェア構成を示すブロック図である。図1の構造物形成システムにおいて、コントローラ100は、例えばコンピュータであり、CPU101と、メモリ102と、キーボードやマウスなどによって構成される入力部103と、ハードディスクドライブなどの外部記憶装置104とを備える。さらに、コントローラ100は、光沢形成装置であるプリンタ200との間の通信インタフェイス(以下インタフェイスは「I/F」と記す)であるプリンタI/F105と、モニタ107との間の通信I/FであるビデオI/F106とを備える。
CPU101は、メモリ102に格納されたプログラムに従い各種処理を実行するものであり、特に、実施形態のマッピング処理や制御信号変換処理を実行する。これらのプログラムは外部記憶装置104に記憶されるか、あるいは不図示の外部装置から供給される。また、コントローラ100はビデオI/F106を介してモニタ107に各種情報を出力すると共に、入力部103を通じて各種情報の入力を受け付ける。また、コントローラ100はプリンタI/F105を介してプリンタ200と接続されており、制御信号変換処理によって変換された各種形成パターン信号を、プリンタ200に送信して記録を行わせると共に、プリンタ200から各種情報の入力を受け付ける。
(プリンタの概略構成)
図2は、本実施形態におけるプリンタ200の構成を説明する模式図である。本実施形態において、プリンタ200は、複数種類のインクを用いて形状、画像、光沢の記録を行うインクジェットプリンタによって実現される。プリンタ200のヘッドカートリッジ201は、複数の吐出口からなる記録ヘッドと、記録ヘッドへインクを供給する複数種類のインクタンクとを有し、記録ヘッドの各吐出口を駆動するための信号などを受信するためのコネクタが設けられている。以下本明細書において、複数種類のインクにより形成される形状、画像、光沢をそれぞれ、凹凸層、画像層、光沢層と記す。
インクタンクは、凹凸層および光沢層を形成するためのクリアインク用と、画像層を形成するためのシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)、ホワイト(W)の色インク用とに、それぞれ独立して設けられている。ヘッドカートリッジ201はキャリッジ202に位置決めして交換可能に搭載されており、キャリッジ202には、上記コネクタを介してヘッドカートリッジ201に駆動信号等を伝達するためのコネクタホルダが設けられている。また、キャリッジ202には、紫外光照射装置215が搭載されており、記録ヘッドから吐出された硬化性のクリアインクは、紫外光照射装置215から紫外光が照射されることに応じて記録媒体上に固着する。キャリッジ202は、ガイドシャフト203に沿って往復移動可能となっている。具体的には、キャリッジ202は、主走査モータ204を駆動源としてモータプーリ205、従動プーリ206およびタイミングベルト207等の駆動機構を介して駆動されるとともに、その位置及び移動が制御される。なお、このキャリッジ202のガイドシャフト203に沿った移動を「主走査」といい、移動方向を「主走査方向」という。
プリント用紙等の記録媒体208は、オートシートフィーダ(以下「ASF」と記す)210に載置されている。プリンタ200が記録動作を行うとき、給紙モータ211の駆動によってギアを介してピックアップローラ212が回転し、ASF210から記録媒体208が一枚ずつ分離されて給紙される。さらに、記録媒体208は、搬送ローラ209の回転によりキャリッジ202上のヘッドカートリッジ201の吐出口面と対向する記録開始位置に搬送される。搬送ローラ209は、ラインフィード(LF)モータ213を駆動源としてギアを介して駆動される。記録媒体208が給紙されたか否かの判定と、記録媒体208の給紙開始位置(頭出し位置)の確定とは、記録媒体208がペーパエンドセンサ214を通過した時点で行われる。キャリッジ202に搭載されたヘッドカートリッジ201は、吐出口面がキャリッジ202から下方へ突出して記録媒体208と平行になるように保持されている。制御部220は、CPUや記憶装置等から構成されており、プリンタ200は、コントローラ100などの外部から供給された形状情報、画像情報、光沢情報を含む印刷データに基づいてプリンタ200の各パーツの動作を制御する。
(記録動作)
次に、図2のプリンタ200における記録動作について説明する。まず、記録媒体208が所定の記録開始位置に搬送されると、キャリッジ202がガイドシャフト203に沿って記録媒体208上を移動し、その移動の際に記録ヘッドの吐出口よりインクが吐出される。紫外光照射装置215は、記録ヘッドの移動に合わせて紫外光を照射し、吐出されたインクを硬化させる。この結果、吐出されたインクは記録媒体上に固着する。そして、キャリッジ202がガイドシャフト203の一端まで移動すると、搬送ローラ209が所定量だけ記録媒体208をキャリッジ202の走査方向に垂直な方向に搬送する。この記録媒体208の搬送を「紙送り」または「副走査」といい、この搬送方向を「紙送り方向」または「副走査方向」という。記録媒体208の所定量の搬送が終了すると、再度キャリッジ202はガイドシャフト203に沿って移動する。このように、記録ヘッドのキャリッジ202による走査と紙送りとを繰り返すことにより記録媒体208全体に凹凸層が形成される。次いで、凹凸層が形成された後に、搬送ローラ209が記録媒体208を記録開始位置に戻し、凹凸層を形成するプロセスと同様のプロセスを繰り返し、凹凸層上に画像層を形成する。さらに、凹凸層を形成するプロセス、および画像層を形成するプロセスと同様のプロセスを繰り返し、画像層上に光沢層を形成する。
図3は、面積階調法による画像の階調表現を説明する模式図である。記録ヘッドは基本的にインク滴を吐出するか否かの2値の制御で表現される。本実施形態では、プリンタ200の出力解像度で定義される画素毎にインクのオン・オフを制御するものとし、単位面積あたりに全画素をオンにした状態をインク量100%として扱うものとする。こうしたいわゆる2値プリンタでは、単一の画素では100%か0%しか表現することができないため、複数の画素の集合で中間調を表現する。図3の例において、図中左下に示す25%濃度の中間調表現では、図中右下に示すように4×4画素(全16画素)のうち4画素にインクを吐出することにより、面積的に4/16=25%の表現を行っている。他の階調においても同様に表現することが可能である。
オンになる画素のパターンの決定には、例えば周期的なスクリーン処理や誤差拡散処理などがよく利用されるが、中間調を表現するための総画素数やオンになる画素のパターン等は上記の例に限定されるものではない。また、面積階調法による画像の階調表現においては、インク吐出量を変調可能な記録ヘッドを用いることにより、2値よりも大きい階調での多値化処理に拡張することができ、実施形態は2値の制御に限定されるものではない。
本実施形態の凹凸層形成では、前述のインク量の概念を用いて位置ごとに高さの制御を行う。凹凸層形成において、インク量100%でほぼ均一な凹凸層を形成した場合、吐出したインクの体積に応じて、凹凸層はある厚さ=高さを有する。例えば、インク量100%で形成された層が20μmの厚さを有する場合、100μmの厚さを再現するには、層を5回重ねればよい。つまり、100μmの高さが必要な位置に打ち込むインク量は500%となる。
図4は、記録媒体208上を記録ヘッドが走査することで凹凸層、画像層、光沢層を形成する動作を説明する図である。キャリッジ202による主走査で記録ヘッドの幅Lだけ凹凸層形成を行い、1ラインの記録が終了する毎に記録媒体208を副走査方向に距離Lずつ搬送する。説明を平易にするため、本実施形態におけるプリンタ200は一回の走査でインク量100%までのインク吐出しかできないものとする。そのため、プリンタ200は、インク量100%を超える層を形成する場合は、記録媒体208の搬送を行わずに、記録ヘッドに同じ領域を複数回走査させる。例えば、打ち込むインク量が最大500%の場合は、記録ヘッドは同じラインを5回走査する。これを、図4を参照して説明すると、領域Aを記録ヘッドで5回走査した(図4(a))後、記録媒体208を副走査方向に距離Lだけ搬送し、領域Bの主走査を5回繰り返す(図4(b))ことになる。なお、記録ヘッドの駆動精度に起因する周期ムラ等の画質劣化を抑制するために、インク量100%以下でも複数回の走査、いわゆる多パス印刷を行う場合がある。
図4(c)〜(e)は、2パス記録の例を示す図である。図4(c)〜(e)の例では、キャリッジ202による主走査で記録ヘッドの幅Lだけ記録を行い、1ラインの記録が終了するごとに記録媒体208を副走査方向に距離L/2ずつ搬送する。領域Aは記録ヘッドのm回目の主走査(図4(c))とm+1回目の主走査(図4(d))により記録され、領域Bは記録ヘッドのm+1回目の主走査(図4(d))とm+2回目の主走査(図4(e))により記録される。ここで、2パス記録の動作を説明したが、パス数を何回にするかは、印刷対象とする画像に求める凹凸の制度や画質の精度に応じて変えることができる。nパス記録を行う場合は、例えば、1ラインの記録が終了する毎に記録媒体208を副走査方向に距離L/nずつ搬送する。この場合、インク量が100%以下でも複数の印刷パターンに分割し、記録媒体208の同一ライン上を記録ヘッドがn回主走査することで凹凸層、画像層、光沢層を形成する。
本実施形態では、上述の多パス印刷による走査と、100%以上のインクを打ち込むための走査との混同を防ぐため、多パス印刷は行わないものとし、複数回の走査は、層を積層するためのものとして説明する。なお、本発明を適用可能な記録媒体に特に限定はなく、記録ヘッドによる画像記録に対応できるものであれば、紙やプラスチックフィルム等、各種材料が利用可能である。
(凹凸層、画像層、光沢層)
図5は、記録媒体208上に生成された凹凸層、画像層、光沢層の断面の一例を示す図である。本実施形態では、数mm程度の高さまでの分布を有する凹凸層501の表面に画像層502が形成され、画像層502の表面に光沢層503が形成されることを想定して記載する。厳密には画像層502および光沢層503も高さ分布を有するが、厚みは数μm高程度であり、最終的な構造物への影響は軽微であるので、無視しても構わない。もちろん、画像層502および光沢層503の厚さ分布を考慮して高さデータに修正を加えるなどの処理を施してもよい。また、本実施形態では、鏡面光沢度の分布を制御するために光沢層503を微細な形状とするため、凹凸層501は、光沢層503の微細な形状より十分に低周波な形状で形成されるものとする。
(光沢層の微細形状制御による効果)
本実施形態において、鏡面光沢度は光沢層503の表面における微細な形状によって制御される。図6は、クリアインクによって形成された異なる光沢特性を有する光沢層503を示す模式図である。図6(a)〜図6(f)において、上図は各座標位置において吐出されるインク量を、下図は吐出されたインクによって形成される光沢層503の断面を示す模式図である。記録媒体208と、凹凸層501と、画像層502とによって形成される構造物の下地601は、ほぼ平滑であるものとして説明する。また、図6において符号602は記録ヘッドを示し、距離D、D’は、それぞれ記録ヘッド602から、光沢層503を形成する対象となる下地601の表面(以下、「出力面」と記す)までの距離を模式的に示したものである。
図3で説明した通り、本実施形態のプリンタ200は、単位面積にインクドットを打ち込む割合、すなわち面積率に応じて中間調表現を可変させる。図6(a)(b)はそれぞれ、面積率100%と25%とでクリアインクを吐出した場合の模式図である。
図6(a)に示される下地601の表面は、ほとんどがクリアインクで被覆されており、光沢層503表面の凹凸差は小さくなる。一方、図6(b)に示される下地601の表面は、クリアインクで被覆される部分とクリアインクで被覆されていない部分とが混在しているため、光沢層503表面の凹凸差は大きくなる。そのため、光沢層503表面における微小領域の法線が様々な方向を向き、ある角度から入ってきた光が様々な角度に乱反射する。かかる構造により、図6(b)における構造物の鏡面光沢度は、図6(a)における構造物の鏡面光沢度と比較して小さくなる。
さらに図6(c)は、図6(b)と同じ面積階調パターンで、同じ位置を狙って打ち込まれたクリアインクを4回重ねて光沢層503を形成したパターンである。図6(c)の光沢層503は、図6(b)の光沢層503と比べて凹凸差が大きく法線角度分布も拡がるため、図6(c)における構造物の鏡面光沢度はさらに低くなる。なお、上記説明した面積率と、クリアインクの重ね回数と、鏡面光沢度との関係は一例に過ぎず、記録媒体208の特性とインクとの相性などによって変化する。
(プリンタの動作)
図7は、実施形態1のプリンタ200が構造物を出力するまでの手順を示すフローチャートである。なお、図7に示されるフローチャートによる処理は、外部記憶装置104に格納されたプログラムコードがメモリ102に展開され、CPU101によって実行される。また、図8は、実施形態1のコントローラ100およびプリンタ200の機能を示すブロック図である。本実施形態において、コントローラ100は、入力を受け付けた各種データに基づいて光沢を制御する光沢制御装置に相当する。
S101において、入力部103は、形状情報、画像情報、光沢情報の入力を、外部装置等から受け付ける。本実施形態において、形状情報、画像情報、光沢情報は、コントローラ100が制御可能な形状データ、画像データ、光沢データが相当する。
本実施形態では、形状データは、例えば、3次元形状測定器から出力される点群データや、3次元CADなどで用いられるポリゴンデータなどが用いられる。点群データは、3次元座標空間における頂点(x,y,z)の集合によって記述される。ポリゴンデータは、多角形(通常は三角形)の頂点座標(x,y,z)を含み、頂点の組み合わせに基づいて決定される面の集合で記述される。
本実施形態では、画像データは、例えば、sRGBの画像データ、Adobe(登録商標)RGBで定義される画像データ、CIELAB色空間に対応する画像データなどが用いられる。
本実施形態では、光沢データは、例えば、JISZ8741の方法で測定される鏡面光沢度、JISK7174やJISH8686の方法で測定される像鮮明度、ISO13803やASTME430の方法で測定される反射ヘイズを示す値などが用いられる。また、光沢データは写像度を示す値が用いられてもよい。
S102において、コントローラ100は、S101で入力を受け付けた形状データ、画像データ、光沢データを、プリンタ200で再現可能な凹凸層501、画像層502、光沢層503にそれぞれ対応する形状信号、画像信号、光沢信号に変換する。以後、S102における変換処理をマッピング処理と称し、マッピング処理の詳細は後述する。
S103において、コントローラ100は、S102で変換された形状信号、画像信号、光沢信号を、プリンタ200を制御する制御信号に変換する。前述の通り、本実施形態のプリンタ200は、インクジェット方式の構造物形成装置であり、S103で変換される制御信号は、例えば、構造物形成装置が記録媒体208に吐出する色材(インク)量を示す信号である。S103の詳細は後述する。
S104において、プリンタ200は、S103で変換された制御信号に基づいて記録媒体208上に構造物を出力する。
(マッピング)
図7(b)は、本実施形態におけるマッピング処理の手順を示すフローチャートであり、図7(a)におけるS102のサブルーチンに相当する。
S201において、形状マッピング部801は、S101で入力された形状データを、プリンタ200で再現可能な凹凸形状に対応する形状信号に変換する。本実施形態の形状信号は、プリンタ200の出力解像度で定義される画素単位のxy座標系において、座標ごとの高さを示す高さ信号H(x,y)が用いられる。以後、S201における変換処理を形状マッピング処理と称する。
また、形状マッピング部801は、変換した形状信号を、プリンタ200が再現可能な凹凸形状に対応する形状信号となるように修正する。例えば、凹凸層501は、クリアインクを複数回重ねて吐出されることにより形成されるため、プリンタ200は、空中に浮いている状態の凹凸形状を出力することができない。この場合、形状マッピング部801は、凹凸層501の最大高さHmax(x,y)をメモリ102に保持し、記録媒体208の表面高さから最大高さHmax(x,y)までの間に存在するブランクを、ダミーデータで補完するなどの修正を行う。
その他、高さ信号H(x,y)がプリンタ200の出力可能範囲を超えている場合、形状マッピング部801はクリッピング処理を行い、プリンタ200が出力可能な高さであるH_TH以下となるように、高さ信号H(x,y)を修正する。高さ信号H(x,y)を修正する実施形態は上記に限られず、例えば高さ信号H(x,y)を線形圧縮する手法を用いることもできる。
S202において、カラーマッピング部802は、S101で入力された画像データを、プリンタ200で再現可能な色に対応する画像信号に変換する。本実施形態の画像信号は、プリンタ200の出力解像度で定義される画素単位のxy座標系において、座標ごとの色を示す画像信号Lab(x,y)が用いられる。以後、S202における変換処理をカラーマッピング処理と称する。
まず、カラーマッピング部802は、S101で入力された画像データを画像信号Lab(x,y)に変換する。S101で入力された画像データが画像信号RGBの値で構成されている場合、カラーマッピング部802は、sRGBなど公知の手法に従って画像信号RGBから画像信号Labへの変換を行うことができる。
次いで、カラーマッピング部802は、変換した画像信号Lab(x,y)が、プリンタ200で再現可能な色に対応しているかを判定する。本実施形態では、カラーマッピング部802は、再現可能な色域であるCIELABなどを色域情報としてあらかじめメモリ102に保持しておき、画像信号Lab(x,y)と、色域情報とを比較することにより上記判定を行う。画像信号Lab(x,y)が、プリンタ200で再現可能ではない場合、カラーマッピング部802は、画像信号Lab(x,y)をプリンタ200で再現可能な色に対応する画像信号に修正する。カラーマッピング部802は、CIELABにおいて、色相角が同じかつ色差ΔEが最小となるように画像信号Lab(x,y)を修正する。
S203において、光沢マッピング部803は、S101で入力された光沢データを、プリンタ200で再現可能な光沢度に対応する光沢信号に変換する。本実施形態の光沢信号は、プリンタ200の出力解像度で定義される画素単位のxy座標系において、座標ごとの光沢度を示す光沢信号G(x,y)が用いられる。本実施形態では、JISZ8741の手法で測定される鏡面光沢度に対応する光沢信号を用いる態様について説明する。以後、S203における変換処理を光沢マッピング処理と称する。
まず、光沢マッピング部803は、S101で入力された光沢データを光沢信号G(x,y)に変換する。光沢マッピング部803は、例えばルックアップテーブル(以下「LUT」と記す)を参照することにより、光沢データを光沢信号G(x,y)に変換することができる。
次いで、光沢マッピング部803は、変換した光沢信号G(x,y)を、プリンタ200で再現可能な光沢度に対応しているかを判定する。例えば、光沢マッピング部803は、プリンタ200が出力可能な光沢度の範囲をあらかじめメモリ102に保持しておき、光沢信号G(x,y)と、光沢度の範囲とを比較することにより上記判定を行う。
光沢信号G(x,y)が、プリンタ200で再現可能ではない場合、光沢マッピング部803は、光沢信号G(x,y)をプリンタ200で再現可能な光沢度に対応する光沢信号に修正する。光沢信号G(x,y)を修正する実施形態は上記に限られず、例えば光沢信号G(x,y)を線形圧縮する手法や、クリッピング処理を用いることもできる。
以上説明した通り、形状マッピング処理、カラーマッピング処理、光沢マッピング処理により、形状信号H(x,y)、画像信号CMYK(x,y)、光沢信号G(x,y)がそれぞれ出力される。なお、S201からS203のマッピング処理の順序は一例であり、S201からS203のマッピング処理の順序を変更しても構わない。
(制御信号への変換)
図7(c)は、本実施形態において、プリンタ200を制御する制御信号への変換処理の手順を示すフローチャートであり、図7(a)におけるS103のサブルーチンに相当する。
S301において、凹凸形成パターン導出部804は、S201で出力された高さ信号H(x,y)から、凹凸形成パターンCLH’(x,y)を導出する。
まず、凹凸形成パターン導出部804は、図9(a)に示されるLUTを参照し、高さ信号H(x,y)を、座標ごとのクリアインク量CLH(x,y)に変換する。図9(a)は、高さ信号H(x,y)とクリアインク量CLH(x,y)とが対応付けられたLUTの一例を示し、例えば入力された高さ信号Hが「16」の場合、出力されるクリアインク量CLHは「100%」となるようにLUTの値が対応付けられている。図9(a)のLUTに示されていない「24」などの高さ信号Hの値が入力された場合、凹凸形成パターン導出部804は、公知の線形補完などの手法を用いて「150%」などのクリアインク量CLHへの変換を行う。
通常、凹凸層501の高さと、クリアインク量CLHとは比例の関係にある。クリアインクの濡れ拡がり特性により、周波数の高い凹凸形状は鈍ってしまう場合があるため、クリアインク量CLHに適宜MTF(Modulation Transfer Function)補正を施してもよい。
また、光沢層503は、表面に微細な凹凸形状を形成することにより光沢度を制御するため、凹凸層501に高周波な形状が含まれていた場合、光沢層503が表現する光沢度に影響を与えてしまう。光沢層503が表現する光沢度への影響を避けるため、凹凸形成パターン導出部804は、高周波成分をカットするローパスフィルタをクリアインク量CLHに適用することが望ましい。
次に、凹凸形成パターン導出部804は、クリアインク量CLH(x,y)に基づき、座標ごとのクリアインクの吐出回数を示す、凹凸形成パターンCLH’(x、y)を導出する。本実施形態において、クリアインク量CLHが「100%」を示す場合、記録ヘッドからはクリアインクが1回吐出される。そのため、クリアインク量CLHが「75%」「125%」「250%」などの100%未満の端数を含む場合、凹凸形成パターン導出部804は、2値化処理により確率的にクリアインクを打つか否かを決定する。一般的に、この2値化処理はハーフトーン処理と呼ばれ、公知のディザ法や誤差拡散法を用いることができる。例えば、ディザ法を用いた場合、閾値マトリクスと呼ばれるマスク画像と入力値とを比較することにより量子化を行うことができる。
S302において、画像形成パターン導出部805は、S202で出力された画像信号Lab(x,y)から、画像形成パターンC’M’Y’K’(x,y)を導出する。
まず、画像形成パターン導出部805は、図9(b)に示されるLUTを参照し、画像信号Lab(x,y)を、座標ごとの色インク量CMYK(x,y)に変換する。図9(b)は、画像信号Lab(x,y)と色インク量CMYK(x,y)とが対応付けられたLUTの一例を示す。このようなLUTは、一般的なカラープリンタに用いられる公知のLUTを適用することができる。
次に、画像形成パターン導出部805は、色インク量CMYK(x,y)に基づき、座標ごとの色インクの吐出回数を示す、画像形成パターンC’M’Y’K’(x,y)を導出する。画像形成パターン導出部805は、S301と同様に、閾値マトリクスを用いた量子化処理によって色インク量CMYK(x,y)から画像形成パターンC’M’Y’K’(x,y)への変換を行うことができる。
S303において、距離算出部807は、記録ヘッドから光沢層503を形成する対象となる出力面までの距離D’を、プリンタ200の出力解像度で定義される画素単位のxy座標系の座標ごとに算出する。距離算出部807は、インクドットの着弾位置精度が高い適性距離Dを、予めメモリ102などの記憶領域に保持する。距離算出部807は、適正距離Dを記憶領域から呼び出し、高さ信号H(x,y)との差分をとることにより、記録ヘッドから出力面までの距離D’を算出することができる。
S304において、光沢形成パターン導出部806は、S203で出力された光沢信号G(x,y)と、S303で算出された距離D’(x,y)とに基づき、光沢形成パターンCLG’(x,y)を算出する。図9(c)は、距離D’と、光沢信号Gと、光沢形成パターンCLG’とが対応付けられたLUTの一例を示す模式図である。本実施形態において、光沢形成パターンCLG’は、面積率Aと重ね数nとの組み合わせで構成される。光沢形成パターン導出部806は、図9(c)のLUTを参照して得られた面積率Aに応じて、光沢層503を形成するためのクリアインクを吐出する座標を決定する。さらに、光沢形成パターン導出部806は、決定した座標にクリアインクを打ち込む回数である重ね数nを決定する。例えば、面積率A=25%、重ね数n=5であれば、図3右下に例示されるドットパターンに対応する光沢形成パターンCLG’が導出され、図3右下のドットパターンにおいて黒で塗りつぶされた矩形が示す座標にクリアインクが5回吐出される。
次いで、印刷データ生成部808は、凹凸形成パターンCLH’(x、y)と、画像形成パターンC’M’Y’K’(x,y)と、光沢形成パターンCLG’ (x,y)とが含まれる印刷イメージデータに、印刷制御情報を加えた印刷データを生成する。なお、印刷制御情報には、記録の対象となる普通紙、光沢紙、コート紙などの用紙の種類、および高速印刷、高品位印刷などの品位に関する情報が含まれており、このような印刷制御情報は、ユーザから入力部103を介して入力を受け付けることができる。
以上説明した通り、S304において、光沢形成パターン導出部806は形状情報を考慮して光沢形成パターンCLG’(x,y)を導出する。そのため、プリンタ200は、記録ヘッドから出力面までの距離D’に応じて異なる面積率Aと重ね数とでクリアインクを吐出することになる。
(記録ヘッドから出力面までの距離に応じた光沢層の変化)
図10は、記録ヘッドと出力面との位置関係を示す模式図である。以下、図10を参照して、記録ヘッドから出力面までの距離に応じて、形成される光沢層503が与える効果について説明する。
通常、記録ヘッドは記録媒体との距離を一定に保ちつつインクを吐出する。しかし、本実施形態の記録ヘッドは、記録媒体上に形成された数mm高さの下地(記録媒体208、凹凸層501および画像層502)の表面にインクを吐出する。そのため、本実施形態のプリンタ200は、記録ヘッドと出力面との距離を一定に保つことができない。記録ヘッドから出力面までの距離を一定に保つために、記録ヘッドを下地の高さに併せて走査させる手法も考えられるが、自ずとプリンタ200の機構が複雑となり、精度やコスト等の観点から実現が難しい。
一般的に、記録ヘッドから出力面までの距離が遠くなれば遠くなるほど、インクドットが所望の位置に着弾する着弾精度が低下する。着弾精度が低下すると、インクドットが気流により舞い上がり出力面に着弾しないミストと呼ばれる現象なども発生する。
図10において、記録ヘッド602から、出力面(下地601)までの距離Dは適正距離に相当し、記録ヘッド602から吐出されたインクドットの着弾精度は高い。一方、記録ヘッド602から、凹凸層501が形成されていない出力面(すなわち記録媒体208)までの距離D’は、適正距離Dから差分ΔH離れた非適正距離である。そのため、インクドットの着弾精度は低く、上述のミスト現象などにより高精細の画像が出力できない場合も発生する。
図6(d)は、図6(c)と同じ面積階調パターンで、適正距離外からクリアインクを4回吐出して光沢層503を形成した光沢形成パターンである。図6(d)におけるクリアインクの着弾精度は、図6(c)におけるクリアインクの着弾精度と比較して低く、同じ座標を狙って吐出されたインクドットであっても、着弾位置に誤差が発生している。着弾位置の誤差が発生した結果、図6(d)における光沢層503の表面形状は、図6(c)における光沢層503の表面形状と比較して拡がってしまう。図6(d)における光沢層503の表面凹凸差は小さくなるため、法線角度分布も小さくなってしまい、この結果構造物の鏡面光沢度を抑制することが難しくなる。
図11は、光沢形成パターンと鏡面光沢度との関係を例示するグラフである。図11のグラフにおいて、光沢形成パターン1は、例えば「面積率A=25%,重ね数n=4」である。適正距離でインクが吐出された場合、図6(c)に示されるような光沢層503が形成される。一方、適正距離外でインクが吐出された場合、図6(d)に示されるような光沢層503が形成される。上述の通り、図6(d)における光沢層503の表面形状は、図6(c)のものと比較して拡がってしまう。この結果、図11のグラフに示される通り、適正距離で形成される構造物の鏡面光沢度は、より抑制された値を記録する。
一方、図6(a)と同じ面積階調パターンで、適正距離外からクリアインクを吐出して光沢層503を形成すると、着弾位置に誤差が生じるため、インクドットが重なる領域と、インクドットが分散する領域とが発生する。着弾位置の誤差が発生する結果、下地601の表面に形成される微細凹凸面の凹凸差が大きくなり、構造物の鏡面光沢度は低くなってしまう。
図11のグラフにおいて、光沢形成パターン4は、例えば「面積率A=100%,重ね数n=1」である。適正距離でインクが吐出された場合、図6(a)に示されるような光沢層503が形成される。一方、適正距離外でインクが吐出された場合、着弾位置に誤差が生じるため、インクドットが重なる領域と、インクドットが分散する領域とが発生する。この結果、図11のグラフに示される通り、適正距離外で形成される構造物の鏡面光沢度は、所望の値よりも低い値を記録する。
インクドット着弾位置の誤差による表面形状の拡がりを補正する方法として、重ねるインクドット数を増やす手法が考えられる。しかしながら、インクドットの重ね数を増やすだけでは十分な効果を得ることが難しい場合がある。
図6(e)は、図6(d)と同じ面積階調パターンで、さらに2回、合計6回クリアインクを吐出して光沢層503を形成したパターンである。本実施形態において、同じ座標を狙って打たれたクリアインクの塊をクラスタと記す。図6(e)のように、クリアインクの重ね数を増やしても、各クリアインクの着弾位置に誤差が生じるため、隣接するクラスタ同士がくっつき、微細凹凸差の制御や、法線角度分布の制御が難しくなる。
そこで、本実施形態では、クリアインクの重ね数と、クラスタの間隔とを制御する。記録ヘッドから出力面までの距離が特定の距離となるプリンタ200において、所望の光沢度を再現することができる、クリアインクの重ね数と、クラスタの間隔との組み合わせは、予め実験などを通じて求めることができる。
図6(f)は、図6(d)(e)と同様に適正距離外からクリアインクが吐出されてクラスタが形成されているが、クラスタの間隔がより広くなっている。そのため、クリアインクの重ね数を4回から6回に増やすことにより、充分な微細凹凸面の凹凸差や、法線角度分布を得ることが可能である。ハーフトーン処理などのプリンタの制御信号処理において、分散性の高い閾値マトリクスを用いることにより、入力される面積率が低ければクラスタ間隔は疎に、高ければクラスタ間隔は密になる。
本実施形態では上記手法を利用し、コントローラ100は、記録ヘッドから出力面までの距離と、鏡面光沢度とに基づいて面積率Aを決定し、クラスタ間隔を制御する。なお、実施形態はこれに限られず、面積率Aに固定値を用いて、記録ヘッドから出力面までの距離と、鏡面光沢度とに対応する閾値マトリクスをメモリ102に保持しておき、クラスタ間隔を制御する方法なども考えられる。本実施形態では、光沢形成パターン導出部806が、記録ヘッドから出力面までの距離と、光沢信号Gとに基づいて、図9(c)のLUTを参照して光沢形成パターンCLG’を導出し(S304)、構造物が表現する光沢度を制御する。
(構造物出力)
図7(d)は、本実施形態において、プリンタ200が構造物を出力する手順を示すフローチャートであり、図7(a)におけるS104のサブルーチンに相当する。
S401において、プリンタ200は、S103で導出された凹凸形成パターンCLH’(x,y)に基づいてクリアインクを吐出し、記録媒体208上に凹凸層501を形成する。より詳細には、プリンタ200の制御部220が、ドット配置パターン化処理部809〜記録ヘッド602の機能ブロックを制御することにより、凹凸層501の形成動作を行う。
ドット配置パターン化処理部809は、形成する凹凸形状に対応する画素ごとに、印刷イメージデータであるインデックスデータ(階調値情報)に対応したドット配置パターンに従ってドット配置を行う。上述の通り、インクジェットプリンタの記録は、インクを打つか否かの2値の情報に基づいて行われる。ドット配置パターン化処理部809は、凹凸形成パターンCLH’(x,y)で表される各画素に対して、その画素の階調値に対応したドット配置パターンを割り当てる。その結果、1画素内の複数の領域それぞれにドットのオン・オフが定義され、1画素内のそれぞれの領域に「1」または「0」の2値の吐出データが配置される。2値の吐出データは、適切なタイミングでヘッド駆動回路810に送信されることに応じて記録ヘッド602が駆動され、2値の吐出データに従ってクリアインクが吐出される。
また、S402で形成される画像層502の発色を助けるために、凹凸層501の全面に均一な厚さのホワイトインク層を形成してもよい。これは、例えば記録媒体208の全面において面積率=100%となるようにホワイトインクを吐出する制御を行えばよい。
S402において、プリンタ200は、S103で導出された画像形成パターンC’M’Y’K’(x,y)に基づいて色インクを吐出し、光沢層503上に画像層502を形成する。画像層502の形成動作は、S401と同様にプリンタ200の制御部220が、ドット配置パターン化処理部809〜記録ヘッド602の機能ブロックを制御することにより行われる。
S403において、プリンタ200は、S104で導出された光沢形成パターンCLG’(x,y)に基づいてクリアインクを吐出し、画像層502上に光沢層503を形成する。光沢層503の形成動作は、S401と同様にプリンタ200の制御部220が、ドット配置パターン化処理部809〜記録ヘッド602の機能ブロックを制御することにより行われる。
以上説明したように本実施形態の光沢制御装置は、光沢信号Gと、記録ヘッドから出力面までの距離とに基づいて、光沢形成パターンCLG’を導出する。プリンタ200は、導出された光沢形成パターンCLG’に応じて光沢層503を形成する。かかる構成により、本実施形態の光沢制御装置は、凹凸形状の表面に光沢を形成する際に、記録ヘッドから出力面までの距離が変化しても所望の光沢度を制御することができる。
[その他の実施例]
上述の実施形態において、光沢形成パターンCLG’の導出は、記録ヘッドから出力面までの距離に基づいて行われている。この記録ヘッドから出力面までの距離情報は、上述の実施形態において、記録ヘッドから吐出されたインクの着弾精度と非常に強い相関関係を有している。その他、記録ヘッドの速度変化などの駆動特性や、記録ヘッドの位置に起因する気流影響のムラや、プリンタ200の個体差や、プリンタ200の温度など、印刷環境の変化による着弾誤差を考慮できるようなパラメータを用いるような実施形態であってもよい。
実施形態において、記録ヘッドから出力面までの距離に基づき光沢形成パターンCLG’を導出したが、光沢層503を形成対象となる下地601の形状、周波数特性、振幅特性、または出力面の傾斜角度に応じて光沢形成パターンCLG’を導出してもよい。
また、上述の実施形態では、紫外線硬化型のクリアインクを用いて凹凸層501を形成するインクジェット記録装置の例を説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。さらに、上述の本実施形態では、凹凸層501と、画像層502と、光沢層503とを重畳して構造物を形成する態様について説明した。しかしながら、記録媒体208に既に凹凸形状が形成されている出力面に対して、画像層502と、光沢層503とを形成する態様であってもよい。この場合、記録ヘッドから出力面までの距離を算出する際に(S303)、点群データなどの形状データが必要になるものの、凹凸形成パターン導出(S304)、凹凸形成(S401)などの凹凸層形成に関する処理を省略することができる。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
100・・コントローラ
200・・プリンタ
602・・記録ヘッド
804・・凹凸形成パターン導出部
805・・画像形成パターン導出部
806・・光沢形成パターン導出部

Claims (14)

  1. 凹凸形状の表面に光沢を形成する光沢形成装置に、前記光沢を制御するための光沢形成パターンを供給する光沢制御装置であって、
    前記凹凸形状の形状を特定する形状情報と、前記光沢の光沢度を特定する光沢情報と、に基づいて前記光沢形成パターンを導出する光沢形成パターン導出手段を有し、
    前記光沢形成パターン導出手段は、
    前記光沢形成装置が単位面積あたりにインクドットを打ち込む割合である面積率を決定する
    ことを特徴とする光沢制御装置。
  2. 前記光沢形成パターン導出手段は、
    前記光沢形成装置が同じ位置を狙ってインクドットを打ち込む回数である重ね数をさらに決定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の光沢制御装置。
  3. 前記光沢形成装置の記録ヘッドから前記光沢を出力する対象である出力面までの距離を、前記形状情報に基づいて算出する距離算出手段をさらに有する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の光沢制御装置。
  4. 前記光沢形成パターン導出手段は、
    前記距離が長くなるに応じて、前記光沢情報に対応する前記面積率が低くなるように決定する
    ことを特徴とする請求項3に記載の光沢制御装置。
  5. 前記光沢形成パターン導出手段は、
    前記距離が長くなるに応じて、前記光沢情報に対応する前記重ね数が多くなるように決定する
    ことを特徴とする請求項4に記載の光沢制御装置。
  6. 前記光沢形成パターン導出手段は、
    前記光沢形成装置が出力するインク量を制御する制御信号であって、単位面積あたりにインクドットを打ち込む割合である面積率と、同じ位置を狙ってインクドットを打ち込む回数である重ね数との組み合わせで構成される
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の光沢制御装置。
  7. 前記形状情報から、前記凹凸形状を形成するための凹凸形成パターンを導出する凹凸形成パターン導出手段をさらに有する
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の光沢制御装置。
  8. 画像情報から、前記凹凸形状の表面に画像を形成するための画像形成パターンを導出する画像形成パターン導出手段をさらに有する
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の光沢制御装置。
  9. 前記光沢情報は、鏡面光沢度、像鮮明度、写像度、および反射ヘイズを示す値のうち少なくとも1つである
    ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の光沢制御装置。
  10. 前記前記形状情報は、前記凹凸形状の周波数特性および振幅特性のうち少なくとも1つである
    ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の光沢制御装置。
  11. 凹凸形状の形状を特定する形状情報と、前記凹凸形状の表面に形成する光沢の光沢度を特定する光沢情報と、に基づいて光沢形成パターンを導出する光沢形成パターン導出手段と、
    前記光沢形成パターンに応じて、前記凹凸形状の表面に前記光沢を形成する光沢形成手段とを有し、
    前記光沢形成パターン導出手段は、
    前記光沢形成装置が単位面積あたりにインクドットを打ち込む割合である面積率を決定する
    ことを特徴とする光沢形成装置。
  12. 前記形状情報に基づいて凹凸形成パターンを導出する凹凸形成パターン導出手段と、
    前記凹凸形成パターンに応じて、記録媒体上に前記凹凸形状を形成する凹凸形成手段とをさらに有し、
    前記光沢形成手段は、前記記録媒体上に形成された前記凹凸形状の表面に前記光沢を形成する
    ことを特徴とする請求項11に記載の光沢形成装置。
  13. 凹凸形状の表面に光沢を形成する光沢形成装置に、前記光沢を制御するための光沢形成パターンを供給する光沢制御装置の制御方法であって、
    前記凹凸形状の形状を特定する形状情報と、前記光沢の光沢度を特定する光沢情報と、に基づいて前記光沢形成パターンを導出する光沢形成パターン導出ステップを有し、
    前記光沢形成パターン導出ステップによって、
    前記光沢形成装置が単位面積あたりにインクドットを打ち込む割合である面積率が決定される
    ことを特徴とする制御方法。
  14. コンピュータを、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の光沢制御装置の各手段として機能させるためのプログラム。
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