JP2015193925A - R−t−b系合金粉末およびr−t−b系焼結磁石 - Google Patents

R−t−b系合金粉末およびr−t−b系焼結磁石 Download PDF

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Abstract

【課題】 磁気特性に優れた磁石の作製に用いられる合金粉末を提供する。
【解決手段】 粒子の表面が、Nd、Pr、Dy、Tbのうちの少なくとも1種以上の希土類元素を含むR濃縮層で覆われており、前記R濃縮層における希土類元素は20原子%以上32原子%以下の範囲にあるR−T−B系合金粉末である。
【選択図】図1

Description

本発明は、R−T−B系合金粉末およびR−T−B系焼結磁石に関する。
R−T−B系焼結磁石(RはYを含む希土類元素、TはFeを主成分とする遷移元素であり具体的にはFeまたはFeとCo、Bはホウ素)は、種々の磁石の中で最も高い磁気エネルギー積を示し、価格も比較的安いことから、各種電子機器において広く利用されている。
R−T−B系焼結磁石は、例えば、以下に示す工程によって作製される。
まず、インゴット法やストリップキャスト法などの方法により、各種原料金属を鋳造することで原料合金を製造する。次に、得られた原料合金を粉砕工程に供し、所定の粒径の合金粉末を得る。この粉砕工程には、通常、粗粉砕工程と微粉砕工程とが含まれており、前者は、例えば水素脆化現象を利用して、後者は、例えば気流式粉砕機(ジェットミル)を用いて行われる。
次に、前記粉末を磁界中で所望の形状にプレス成形する磁界中成形工程に供する。これにより得られた成形体を焼結することによって、R−T−B系焼結磁石が作製される。また、焼結の後、通常は、熱処理を行う。
R−T−B系焼結磁石の保磁力を向上させるために、種々の方法が提案されている。
特許文献1は、RE2TM14B(ここでREは、Y、Sc及びランタノイドのうちから選択された一種又は二種以上の元素、またTMは、Fe、Co及びNiから選択された一種又は二種以上の元素)からなる粉末のまわりを、それより融点の低いRE−TM系合金(ここでREについては上と同じ)でコーティングした粉末を原料とし、この原料粉末を、圧縮成形した後、焼結する製造方法を開示している。この原料粉末を用いることにより高磁気特性かつ高耐食性の磁石を得ることができる。
特許文献2は、ネオジム、鉄およびホウ素を含む粉末を、ジスプロシウム、テルビウム、鉄、および、それらの合金からなる群から選択される金属を含有する蒸気に接触させて、被覆粉末を形成する工程と、前記被覆粉末から永久磁石を形成する工程とを備えた磁石の製造方法を開示している。
特開平4−345002号公報 特開2013−243346号公報
特許文献1、2に記載の技術では、一旦粉末を作製した後、金属膜で被覆する処理を行うため、酸素含有量の増加が避けられず、高性能の焼結磁石を製造するのが困難である。
また、特許文献1、2に記載の技術では、いずれも粉砕と、コーティング又は被覆という2段階の工程が必要であった。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、微粉砕工程にて作製される合金粉末であって、その表面に希土類元素の濃縮層を有するR−T−B系合金粉末およびこれを用いて作製されるR−T−B系焼結磁石を提供することをその目的とする。
本発明の実施形態によるR−T−B系合金粉末は、粒子の表面が、Nd、Pr、Dy、Tbのうちの少なくとも1種以上の希土類元素を含むR濃縮層で覆われており、前記R濃縮層における希土類元素の濃度は20原子%以上32原子%以下の範囲にあることを特徴とするR−T−B系合金粉末である。
ある実施形態において、前記R濃縮層の厚さ方向の酸素濃度は、粒子表面から内部に向かって一様に低下する。
ある実施形態において、前記R濃縮層には、さらにFeが含まれており、前記R濃縮層におけるFeの濃度は、前記R濃縮層の内側のR2Fe14B相におけるFeの濃度より低い。
ある実施形態において、前記R濃縮層には、さらにBが含まれており、前記R濃縮層におけるBの濃度は、前記R濃縮層の内側のR2Fe14B相におけるBの濃度より低い。
本発明の実施形態によるR−T−B系焼結磁石は、上記のR−T−B系合金粉末を用いて作製された焼結体として得られる。
本発明の実施形態によれば、R濃縮層で覆われたR−T−B系合金粉末、保磁力の高いR−T−B系焼結磁石を提供することができる。
(a)は、本発明の実施形態によるR−T−B系合金粉末のSEM写真であり、(b)は、比較例のR−T−B系合金粉末のSEM写真である。(c)、(d)はそれぞれ(a)、(b)と同一視野のNd元素マッピング写真である。 本発明の実施形態によるR−T−B系合金粉末の粒子表面からの各成分元素の濃度変化を示すグラフである。 本発明の実施形態で用いられる旋回流式粉砕装置を示す模式図であり、(a)は側面断面図、(b)は(a)のZ−Z’断面図である。
[R−T−B系合金粉末]
本発明の実施形態にかかるR−T−B系合金粉末は、Nd、Pr、Dy、Tbのうちの少なくとも1種以上の希土類元素を含むR濃縮層でその表面が覆われており、前記R濃縮層における希土類元素の濃度は20原子%以上32原子%以下の範囲にある。
前記R濃縮層において、その厚さ方向の酸素濃度は粒子表面から内部に向かって一様に低下する。
前記R濃縮層には、さらにFeが含まれており、前記R濃縮層におけるFeの濃度は、前記R濃縮層の内側のR2Fe14B相におけるFeの濃度より低い。
前記R濃縮層には、さらにBが含まれており、前記R濃縮層におけるBの濃度は、前記R濃縮層の内側のR2Fe14B相におけるBの濃度より低い。
R−T−B系焼結磁石の液相に通常含まれる主要元素であるFe、Bをさらに含んでいることで、広い焼結温度の範囲で、焼結体内のRリッチ相の分散性が高まり、焼結体の粒界が適正化されやすくなる。
好ましくは、前記R濃縮層の厚さは30nm以上90nm以下である。
前記R濃縮層は、粒子の表面を被覆している。R−T−B系合金粉末の表面にR濃縮層が存在することで、焼結後において、結晶粒界に均一なRリッチ相が形成され、逆磁区の発生が効果的に抑制されるので、保磁力HcJが大幅に向上する。
また、合金粉末の組成は、27.5質量%以上36.0質量%以下のR(Rは希土類元素のうちの少なくとも1種でありNd、Pr、Dy、Tbのうちの少なくとも1種を必ず含む)、0.85質量%以上1.05質量%以下のB、残部T(TはFeを主成分とする遷移元素であり、具体的にはFeまたはFeとCo)である。
Rの濃度が27.5質量%未満であると、焼結過程において液相生成が困難となる。一方、Rの濃度が36.0質量%を超えると、R−T−B系焼結磁石の磁化が際立って低下する。Rの濃度は、好ましくは28.5質量%以上33.0質量%である。
Bの濃度が0.85質量%未満であると軟磁性相が生成され、R−T−B系焼結磁石の保磁力を低下させる可能性がある。一方、Bの濃度が1.05質量%を超えると、非磁性相が生成され、R−T−B系焼結磁石の磁化が低下する。Bの濃度は、好ましくは、0.90質量%以上1.05質量%以下である。
本発明の実施形態によるR−T−B系合金粉末は、さらに、0.1質量%以上2.5質量%以下の既知の添加元素M(Mは、Al、Ti、V、Cr、Mn、Ni、Cu、Zn、Ga、Zr、Nb、Mo、Ag、In、Sn、Hf、Ta、W、Pb、およびBiからなる群から選択された少なくとも1種)を含んでもよい。添加元素Mは、磁化の大きな低下を招かない2.5質量%以下の範囲で添加できる。元素Mの範囲は、好ましくは0.25質量%以上0.9質量%以下である。Mは好ましくは、Al、Cu、Ga、Zr、Nbからなる群から選択された少なくとも1種からなる。
Tは、残部である。TはFeを主成分とする遷移元素であって、Coを含んでもよい。TはFeまたはFeとCoであり、FeとCoとの合計のうちFeが50原子%以上を占める。
本発明の実施形態によるR−T−B系合金粉末は、好ましくは酸素含有量が0.3質量%以下である。R−T−B系合金粉末の酸素含有量を少なくすることで、R−T−B系焼結磁石の保磁力を高めることができる。
不可避不純物としては、C、N、H、Si、Ca、S、P等がある。いずれも、磁石の高性能化のためには工業的に可能な範囲で含有量を少なく抑えることが好ましい。
[R−T−B系焼結磁石]
本発明の実施形態によるR−T−B系焼結磁石は、前記R−T−B系合金粉末を用いて作製された焼結体として得られる。
[R−T−B系合金粉末の製造方法]
本発明の実施形態によるR−T−B系合金粉末は、例えば、前記組成範囲の合金の粗粉末を粉砕装置の粉砕槽内にて旋回させつつ、粉末同士の衝突、粉末同士の磨砕、粉末と粉砕槽壁面との摩擦およびRリッチ極微粒子が合金粉末の粒子に付着することにより、微粉砕することで作製される。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態によるR−T−B系合金粉末の製造方法を説明するが、本発明は以下の実施形態に限定するものではない。
[母合金]
合金はインゴット法、ストリップキャスト法のいずれによって作製されてもよいが、急冷法であるストリップキャスト法にて作製することが好ましい。これにより、鋳造組織にα-Feが残存せず、容易に粉砕することができる。母合金の組成は、作製される合金粉末の組成が所定の組成となるように、途中工程における各元素の減少分を考慮して適宜決めればよい。
[粉砕]
粉砕工程には、粗粉砕工程と微粉砕工程との2段階の粉砕工程が含まれる。
まず、粗粉砕工程について説明する。母合金の粗粉砕は、機械的な粉砕法、または水素粉砕法によって行うことができる。
これらのうち、水素脆化現象を利用した水素粉砕法によって、母合金を粗粉砕することが好ましい。この方法は水素吸蔵に伴う合金の脆化現象と体積膨張現象とを利用して、母合金に微細なクラックを生じさせ、母合金を粉砕するものである。水素粉砕法によれば、粒界で割れる確率が高くなる。粒界で割れる確率が高くなると、粒子内に含まれる主相結晶(2−14−1化合物)が1個となり、容易磁化方向が1方向となるため、磁界配向が容易となり残留磁束密度Brが向上する。
水素粉砕法は、例えば、常温で加圧水素に一定時間暴露することで行う。次に、温度を上昇して過剰な水素を放出させた後、冷却する。水素脆化後の合金粉末は、多数のクラックを内在し、比表面積が大幅に増大している。このため、非常に活性であり、大気中の取り扱いでは酸素量の増大が著しくなるので、N2、Arなどの不活性ガス中で取り扱うことが望ましい。粗粉砕工程によって得られる合金粉末の粒度は、例えば500μm以下である。
なお、粗粉砕工程の後、後述の微粉砕工程の前に、例えば、ふるいなどを用いて粒度を特定範囲以下としてもよい。
次に、微粉砕工程は、合金粉末同士を粉砕装置の粉砕槽内にて旋回させつつ、粉末同士の衝突、粉末同士の磨砕、粉末と粉砕槽壁面との摩擦およびRリッチ極微粒子が合金粉末の粒子に付着することにより、微粉砕する。
例として、旋回流式粉砕装置を用いた微粉砕工程を以下に説明する。
旋回流式粉砕装置を用いた気流粉砕方式では、粉砕装置に設けた粉砕槽の内部に、高圧の粉砕ガスを導入する。これによって、粉砕槽の内部に高速で旋回するガスの流れを発生させ、このガスの流れによって合金粉末を粉砕槽内で旋回させる。旋回流式粉砕装置を用いた粉砕方式により、旋回中、磨砕によって、合金粉末が微粉砕される。粉砕ガスには、一般にN2ガスを用いるが、HeやArガスなどの希ガスを用いてもよい。
本明細書において、旋回流式粉砕装置とは、一般にジェットミルと称される気流式粉砕機のうち、主に旋回力によって粉砕する方式、より具体的には、磨砕効果が得られるものを広く含むものとする。
また、粉砕槽に導入するガス圧力とは、ゲージ圧(大気圧との差)を意味する。
また、滞留時間は、粗粉砕粉供給ノズルからの供給開始から回収容器(不図示)に合金粉末が確認されるまでの時間で定義している。
粉砕ガスの圧力は、ゲージ圧で0.75MPa以上に設定するのが好ましい。より好ましくは0.75MPa以上1.5MPa以下であり、さらに好ましくは0.75MPa以上0.95MPa以下である。
滞留時間は、5分以上が好ましい。さらに好ましくは6分以上10分以下である。
本実施形態では、滞留時間を延ばすために、例えば、合金粉末の供給量を従来よりも少なくする方法を採ることができる。
合金粉末を微粉砕する過程で、Rリッチ組成の極微粒子(Rリッチ極微粒子)が発生する。ここで、Rリッチ極微粒子は、Nd、Pr、Dy、Tbといった希土類元素を多く含んでいる。
旋回流式粉砕装置を用いた気流粉砕方式では、Rリッチ極微粒子は早期には分離回収されず、粉砕槽内で合金粉末とともに粉砕槽内を旋回する。Rリッチ極微粒子を合金粉末と共に粉砕槽内を旋回させることで、Rリッチ極微粒子が、合金粉末に付着し、粒子の表面が、Nd、Pr、Dy、Tbのうちの少なくとも1種以上の希土類元素を含むR濃縮層で覆われているR−T−B系合金粉末が得られると考えられる。
一方、旋回流式以外の他の形態のジェットミルでは、Rリッチ極微粒子は早期に粉砕槽から排出されてしまう可能性が高い。
この微粉砕工程後に回収される合金粉末の粒径は、例えば、D50(気流分散型レーザー回折法により得られる粉末粒径であり、体積基準中心値)で1.0μm以上5.5μm以下である。また、本実施形態において磁気特性をより向上させるためには、粒径はD50で2.5μm以上5.0μm以下が好ましく、より好ましくは3.14μm以上4.93μm以下である。
以下、本実施形態で用いられる例示的な旋回流式粉砕装置の詳細を説明する。
図3(a)は、旋回流式粉砕装置1を示す模式図である。また、図3(b)は、図3(a)のZ―Z´線で切断した断面を示す。旋回流式粉砕装置1は、その内部で旋回する粉砕ガスおよび粉砕粉を収容する粉砕槽2Aを備える。ここでは、粉砕槽2Aは、ハウジング2によって囲まれた空間である。
ハウジング2には、粉砕槽2Aに連通する複数の粉砕ガス導入ノズル5を取り付けている。各粉砕ガス導入ノズル5は、それぞれ噴射口を粉砕槽2Aの内部へ向けて(但し、中心から外れた方向へ向けて)固定設置されている。
図3(a)および(b)に示すように、粉砕ガス導入ノズル5のうち1つには、粗粉砕された合金粉末を粉砕槽内に供給する粗粉砕粉供給口3が設置されている。この粗粉砕粉供給口3より、ホッパー状の粗粉砕粉供給部4から供給された合金粉末が粉砕ガス中に供給され、粉砕ガス導入ノズル5から噴射される高速の粉砕ガスとともに粉砕槽2A内に噴射・導入される。
粉砕ガス導入ノズル5に、それぞれ不図示の高圧気体供給装置から送気チューブを介して高圧のガス(粉砕ガス)が送り込まれる。
本実施形態において、上記の高圧気体供給装置は、粉砕槽2Aに供給する粉砕ガスの圧力をゲージ圧で0.75MPa以上にできるように構成されている。
粉砕槽2Aの内部に導入された合金粉末は、内側壁に沿って配設した複数の粉砕ガス導入ノズル5から噴出したガスによって生成される高速旋回流18に巻き込まれ、粉砕槽2A内を旋回する。このとき、衝突、磨砕が生じ、その過程で、前記衝突、磨砕時に発生したRリッチ極微粒子が合金粉末の粒子に付着する。
旋回流式粉砕装置1内の粉砕槽2Aに所定時間滞留することで、合金粉末の粒子の表面がR濃縮層で覆われているR−T−B系合金粉末が得られる。このようにしてR濃縮層によって表面が覆われたR−T−B系合金粉末は、粉砕槽内の滞留量が一定以上になると、粉砕槽2Aの中央部の上方に位置する微粉砕粉排出口6から取り出される。
図3(a)および(b)に示す構成では、粉砕槽2A内に滞留することができる合金粉末の量は装置毎、運転条件毎に決まっている。その量を超える合金粉末が粉砕槽2A内に導入されると、導入した分に相当する合金粉末が槽外に排出される。このため、粉砕槽2Aへの導入量を調整することで、粉砕槽内の滞留時間を調整することができる。
[R−T−B系焼結磁石の製造方法]
[外部磁界による主相結晶の配向]
異方性焼結磁石を製造する場合は、前記R−T−B系合金粉末を外部磁界により主相結晶配向する。
より具体的には、外部磁界により主相結晶配向するために、磁界印加コイルを有する金型プレスで行ってもよいし、充填容器に高密度に粉末を充填した後、外部磁界により主相結晶配向してもよい。その他の方法を排除しない。
また、印加される磁界は、静磁界でもパルス磁界でもよい。
[成形]
金型プレスを用いる場合、成形体の密度を3.7g/cm3以上4.7g/cm3以下にすることが好ましい。この範囲に調整すると、成形体は、成形体の強度を保ちつつ、配向度を高くしやすい。3.7g/cm3未満であると、金型プレスにて行った場合、成形体の強度が不足し、成形体取扱い時に割れてしまう恐れがある。4.7g/cm3を超えると、成形体強度は高くなるが、プレスによる加圧時に粒子の動きが抑えられ、配向度を高くできないおそれがある。
金型プレス又は静水圧プレスにて上記のR−T−B系合金粉末の成形体を作製する際、炭素の取り込みを抑制するために、潤滑剤等の使用を最小限にとどめることが望ましい。焼結工程(またはその前の工程)において、脱脂可能とするために、揮発性の高い潤滑剤が選択される。
本発明の実施形態によるR−T−B系合金粉末であれば、潤滑剤の使用量を減らしてもあるいは潤滑剤を用いない場合であっても、高い配向が得られる。
金型プレスにおいて、成形時に加える圧力は、特に限定するものではないが、例えば、9.8MPa以上、より好ましくは19.6MPa以上であり、245MPa以下、より好ましくは147MPa以下である。
[焼結]
焼結工程は、真空中または大気圧以下の不活性ガス雰囲気に保たれた焼結炉内で行うのが好ましい。ここでの不活性ガスとは、ArまたはHeガスを指す。大気圧以下の不活性ガス雰囲気を保持する方法は、真空ポンプによる真空排気を行いつつ、不活性ガスを少量焼結炉内に導入する方法が好ましい。この場合、真空排気を間歇的に行ってもよく、不活性ガスの導入を間歇的に行ってもよい。また真空排気と導入の双方とも間歇的に行うこともできる。
焼結は通常、成形体を950℃から1100℃の温度範囲で30分から16時間保持することで行う。同じ温度または異なる温度で、複数回に分けて焼結を行ってもよい。焼結後の冷却の条件は、以下の熱処理を含め、得られる磁石の保磁力の値が目標値となるよう、適宜条件を組み合わすことができる。
前述した焼結方法以外に、外部から圧力を加えながら加温するホットプレス、成形体に対してジュール熱により加熱する通電焼結など、粉末冶金法で用いられるあらゆる焼結手段も適用できる。これらの手法を用いる場合は、焼結温度、時間は前記の限りでない。
焼結後、焼結体として得られた磁石の密度が7.3g/cm3以上となることが好ましい。より好ましくは7.5g/cm3以上である。
前記R濃縮層を有するR−T−B系合金粉末を焼結すると、Nd、Pr、Dy、Tbの分散性が良好になり、結晶粒界に均一なRリッチ相が形成される。その結果、この合金粉末を用いて作製したR−T−B系焼結磁石の保磁力HcJが向上する。
[熱処理]
保磁力を高めることを目的に、焼結終了後、焼結温度以下で熱処理を行うことができる。また、この熱処理を、同じ温度または温度を変えて複数回行ってもよい。熱処理の際の冷却条件も、狙いの保磁力の値にあわせ、種々の条件を選択できる。
なお、焼結後の状態で充分な保磁力を得ている場合は、あえて熱処理を行う必要はない。
[加工]
焼結体として得られた磁石が最終製品に近い形状を有している場合もあるが、そうでない場合もあり、一般的には切断、研削、研磨等の機械加工により、焼結後のR−T−B系焼結磁石を所定形状に仕上げる。なお、この加工は、焼結後であれば、熱処理の前でも後でも、または複数回の熱処理の中間に行ってもよい。
[表面処理]
防錆のため、得られたR−T−B系焼結磁石に表面コーティング処理を施すのが好ましい。表面コーティング処理の例としては、Niめっき、Snめっき、Znめっき、Al蒸着、Al合金蒸着、樹脂塗装などがある。
以下、本発明の実施例を説明する。
(実施例1)
純度99.5%以上のNd、電解鉄、低炭素フェロボロン合金を主原料とし、添加元素(CoおよびM)を純金属またはFeとの合金として添加して、最終的にR−T−B系合金粉末および焼結磁石の組成がNd:30.5、B:0.94、Co:0.9、Cu:0.1、Al:0.1、Ga:0.1、Fe:残部[質量%]となるように溶解した合金溶湯をストリップキャスト法で急冷し、厚さ0.1〜0.3mmの板状の合金を得た。
この合金を加圧可能な熱処理炉を用いて水素加圧雰囲気で保持した後、600℃まで真空中で加熱し、その後、冷却した。炉から取り出した後、ふるいにて粒度の調整を行い、粒度が425μm以下の合金粉末を得た。
次に、図3(a)および(b)に示した旋回流式粉砕装置1を用いて、供給量、滞留時間を変え、合金粉末を微粉砕した粉砕条件および得られた粉末の粒径(D50)を表1に示す。
本実施例で用いた装置の粉砕槽の容積は314cm3である。ここで、粉砕ガスは、酸素濃度を8000ppm以下に制御したN2ガスである。粉砕ガス圧力は、粉砕槽に導入する粉砕ガスの圧力をゲージ圧で表した値である。
供給量は1分間に粉砕槽に投入する合金粉末の量である。滞留時間は、粗粉砕粉供給ノズルからの供給開始からサイクロン(不図示)を経て回収容器(不図示)内に合金粉末の存在が確認されるまでの所要時間である。少量でも4分後に回収できた場合を4分、4分では回収できず6分で回収した場合を6分としている。
上記表1のサンプル1(実施例)およびサンプル2(比較例)について表面分析を行った。その結果を図1に示す。
図1(c)および(d)は、サンプル1およびサンプル2の合金粉末の表面のAES(Auger Electron Spectroscopy:オージェ電子分光法)による元素マッピングの結果を示す。合金粉末の表層における元素情報(ここではNd)が、白黒の濃度の濃さによって示されている。白く示される領域は、Ndの濃度が高い領域であり、黒く示される領域は、Ndの濃度が低い領域である。
図1(c)からわかるように、サンプル1の表面には、Ndの濃度が濃い高輝度領域が多く形成されており、Ndが粒子の表面に広く分布していることが確認できる。
一方、図1(d)からわかるように、サンプル2の表面では、Ndが局所的に偏在している。
次に、AESのdepth profileの分析を行った。図2は、サンプル1の合金粉末の粒子の表面から内部へのAES depth profileを示す。分析値は1μm×1μmの領域の平均値であり、Arによるスパッタレート3.8nm/minを狙い値として、微粉砕後の合金粉末を一定速度で深さ方向に掘りながら分析を行った。
図2の右端において、上からFe、Nd、B、Oのdepth profileを示している。
図2からわかるように、Fe、B、Ndの濃度がほぼ一定であるところがR2Fe14B相であり、そこから図2のグラフの左の端までがR濃縮層である。サンプル1において、粒子の表面付近にはR濃縮層が形成されており、R濃縮層の内側はR2Fe14B相で構成されている。R濃縮層には希土類元素としてNdが含まれている。粒子表面に形成されたNd濃度が20原子%から32原子%の領域をR濃縮層として見なすことができ、図2に示した例では、R濃縮層の厚さを約50nmと見積もることができる。
粒子の酸素含有量は、R濃縮層において粒子表面から内部に向かって一様に低下していた。ここで、本明細書において「一様に低下する」とは、図2に示されるように粒子表面から内部に向かって全体として連続的に酸素濃度が漸減することを意味している。ただし、粉末の表面から内部に向かう方向において、酸素の濃度が一定の領域や、または、微増する領域が僅かに含まれていてもよい。
実施例のR−T−B系合金粉末は上記のような微粉砕工程によって製造されるので、粗粉砕後の合金粉末が外気にさらされることなく、Rリッチ極微粒子が付着することによるものと考えられる。
R濃縮層には、他にFe、Bが含まれていた。前記R濃縮層は、合金粉末を粉砕する過程で発生したRリッチ極微粒子がR2Fe14B相に付着して形成されたものであり、このために、R濃縮層にはFe、Bも含まれている。
R濃縮層におけるFe、Bの濃度は、R濃縮層の内側(粒子内部)に形成されているR2Fe14B相におけるFe、Bの濃度より低かった。
図1(a)でコントラストが暗かった箇所を5か所選び、改めてそれらの領域を解析したところ、いずれもNdが粒子の表面に広く分布していることが確認できた。このように、サンプル1の粒子の表面は、一見見えないような部分も含め、Ndリッチな層で全体的に覆われていることがわかった。対して、サンプル2においてはNdリッチな箇所が存在しても、粒子表面に付着しているに留まり、Ndリッチな層が粉末を覆っている状態でないことが確認された。
なお、サンプル1の合金粉末から無作為に抽出した粒子10個の任意の位置のR濃縮層を測定したところ、30nmから90nmの範囲内にあった。
実施例の合金粉末(サンプル1)および比較例の合金粉末(サンプル2)にカプリル酸メチルを0.16質量%混合した後、1.36MA/mの磁界中で磁界印加方向と加圧方向とが直交する条件で、49MPaの成形圧にて、下記表2に示すサンプル1(実施例)、サンプル2(比較例)の成形体を作製した。
そして、サンプル1、2を、減圧Arガス雰囲気で1080℃で4時間焼結した。さらに、得られたR−T−B系焼結磁石に真空雰囲気にて500℃で2時間の熱処理を行い、その後冷却した。
これらのサンプルを、機械加工後、B−Hトレーサーにより室温での保磁力HcJおよび残留磁束密度Brを測定した。結果を表2に示す。
表2に示すように、サンプル1(実施例)は、サンプル2(比較例)と同一組成でありながら、HcJの値が向上している。
これは、粒子の表面に、Ndが濃縮されたR濃縮層を有することで、それを用いて作製された焼結体内においてRリッチ相の分散性が高まり、焼結体の粒界が適正化されるため、HcJが高くなったからであると考えられる。
一般的に同じ粉末を原料とする場合は、配向度を低下させることによりHcJが向上し、Brが減少するが、サンプル1はサンプル2と比較してBrが低下していないため、HcJの向上は配向度低下によるものではなく、Rリッチ相の分散性によると考えるのが妥当である。
(実施例2)
純度99.5%以上のNd、Pr、Dy、Tb、電解鉄、低炭素フェロボロン合金を主原料とし、添加元素Mを純金属またはFeとの合金として添加して、最終的にR−T−B系合金粉末および焼結磁石の組成がNd:22.8、Pr:7.6、Dy:1.0、Tb:1.0、B:1.05、Cu:0.1、Al:0.3、Nb:0.5、Fe:残部[質量%]となるように溶解した合金溶湯をストリップキャスト法で急冷し、厚さ0.1〜0.3mmの板状の合金を得た。
この合金を加圧可能な熱処理炉を用いて水素加圧雰囲気で保持した後、660℃まで真空中で加熱し、その後、冷却した。炉から取り出した後、ふるいにて粒度の調整を行い、粒度が425μm以下の合金粉末を得た。
次に、図3(a)および(b)に示した旋回流式粉砕装置1を用いて、供給量、滞留時間を変え、合金粉末を微粉砕した粉砕条件および得られた粉末の粒径を表3に示す。
本実施例で用いた装置の粉砕槽の容積は314cm3である。ここで、粉砕ガスは、酸素濃度を8000ppm以下に制御したN2ガスである。粉砕ガス圧は、粉砕槽に導入する粉砕ガスの圧力をゲージ圧で表した値である。
後述するように、サンプル3では粒子の表面にR濃縮層が形成されていたのに対し、サンプル4では粒子の表面にR濃縮層が形成されておらずR濃度が高い領域が局所的に存在するにすぎなかった。
(実施例3)
純度99.5%以上のNd、Pr、電解鉄、低炭素フェロボロン合金を主原料とし、添加元素(CoおよびM)を純金属またはFeとの合金として添加して、最終的にR−T−B系合金粉末および焼結磁石の組成がNd:21.9、Pr:7.3、B:0.94、Co:2.0、Cu:0.1、Al:0.05、Ga:0.1、Fe:残部[質量%]となるように溶解した合金溶湯をストリップキャスト法で急冷し、厚さ0.1〜0.3mmの板状の合金を得た。
この合金を加圧可能な熱処理炉を用いて水素加圧雰囲気で保持した後、580℃まで真空中で加熱し、その後、冷却した。炉から取り出した後、ふるいにて粒度の調整を行い、粒度が425μm以下の合金粉末を得た。
次に、図3(a)および(b)に示した旋回流式粉砕装置1を用いて、供給量、滞留時間を変え、合金粉末を微粉砕した粉砕条件および得られた粉末の粒径を表4に示す。
本実施例で用いた装置の粉砕槽の容積は628cm3である。ここで、粉砕ガスは、ヘリウムガスである。粉砕ガス圧は、粉砕槽に導入する粉砕ガスの圧力をゲージ圧で表した値である。
後述するように、サンプル5では粒子の表面にR濃縮層が形成されていたのに対し、サンプル6では粒子の表面にR濃縮層が形成されておらずR濃度が高い領域が局所的に存在するにすぎなかった。
(実施例4)
純度99.5%以上のNd、Pr、Dy、Tb、電解鉄、低炭素フェロボロン合金を主原料とし、添加元素(CoおよびM)を純金属またはFeとの合金として添加して、最終的にR−T−B系合金粉末および焼結磁石の組成がNd:22.5、Pr:7.5、Dy:0.1、Tb:0.1、B:0.90、Co:0.9、Cu:0.15、Al:0.1、Ga:0.5、Zr:0.1、Fe:残部[質量%]となるように溶解した合金溶湯をストリップキャスト法で急冷し、厚さ0.1〜0.3mmの板状の合金を得た。
この合金を加圧可能な熱処理炉を用いて水素加圧雰囲気で保持した後、550℃まで真空中で加熱し、その後、冷却した。炉から取り出した後、ふるいにて粒度の調整を行い、粒度が425μm以下の合金粉末を得た。
次に、図3(a)および(b)に示した旋回流式粉砕装置1を用いて、供給量、滞留時間を変え、合金粉末を微粉砕した粉砕条件および得られた粉末の粒径を表5に示す。
本実施例で用いた装置の粉砕槽の容積は314cm3である。ここで、粉砕ガスは、アルゴンガスである。粉砕ガス圧は、粉砕槽に導入する粉砕ガスの圧力をゲージ圧で表した値である。
後述するように、サンプル7では粒子の表面にR濃縮層が形成されていたのに対し、サンプル8では粒子の表面にR濃縮層が形成されておらずR濃度が高い領域が局所的に存在するにすぎなかった。
(実施例2〜4についてのより詳細な分析結果)
以下、上記の実施例2〜4において説明した各サンプルについて、より詳細な分析結果を説明する。
上記表3、表4、表5に示したサンプル3、5、7(実施例)およびサンプル4、6、8(比較例)の合金粉末について、実施例1と同様にAES(Auger Electron Spectroscopy:オージェ電子分光法)による元素マッピングを行い、表面におけるR濃縮層の有無を調べたところ、以下の表6に示す通りとなった。
サンプル3、5、7(実施例)は、Rの濃度が20原子%から32原子%であるR濃縮層があり、前記R濃縮層は粒子表面に広く分布していた。実施例1のサンプル1と同様の傾向が確認された。
サンプル4、6、8(比較例)は、Rの濃度が20原子%から32原子%であるR濃縮層がなく、Ndリッチな箇所が存在しても、粒子表面に付着しているに留まり、Ndリッチな層が粉末を覆っている状態でなかった。実施例1のサンプル2と同様の傾向が確認された。
さらに、サンプル3、5、7(実施例)は、AESのdepth profileの分析を行った。粒子の酸素含有量、およびFe、Bの有無を調べたところ、以下の表7に示す通りとなった。サンプル3、5、7(実施例)は実施例1のサンプル1と同様の傾向が確認された。
次に、実施例の合金粉末(サンプル3、5、7)および比較例の合金粉末(サンプル4、6、8)にカプリル酸メチルを0.16質量%混合した後、1.36MA/mの磁界中で磁界印加方向と加圧方向とは直交した条件で、下記表4に示すサンプル3、5、7(実施例)、サンプル4、6、8(比較例)の成形体を作製した。
そして、サンプル3から8を、減圧Arガス雰囲気で焼結した。さらに、得られたR−T−B系焼結磁石に真空雰囲気にて500℃で2時間の熱処理を行い、その後冷却した。
これらのサンプルを、機械加工後、B−Hトレーサーにより室温での保磁力HcJおよび残留磁束密度Brを測定した。結果を表8に示す。
表8に示すように、サンプル3(実施例)は、サンプル4(比較例)と同一組成でありながら、HcJの値が向上している。同様に、サンプル5(実施例)とサンプル6(比較例)との比較、およびサンプル7(実施例)とサンプル8(比較例)との比較でも同一組成でありながら、HcJの値が向上している。
これは、サンプル3、5、7の合金粉末は、実施例1と同様に粒子の表面にR濃縮層を有しているので、それを用いてできた焼結体内のRリッチ相の分散性が高まり、焼結体の粒界が適正化されるため、HcJが高くなったからであると考えられる。
サンプル3、5、7でも、サンプル4、6、8とそれぞれ比較してBrが低下していないため、HcJの向上は配向度低下によるものではなく、Rリッチ相の分散性によると考えられる。
以上に説明したように、旋回流式粉砕装置を用いた場合において、例えば、粉砕層に導入する粉砕ガスのゲージ圧を0.75MPa以上に設定するとともに、粉砕層内における合金粉末の滞留時間を5分以上に設定することによって、粒子の表面全体にわたって広くR濃縮層が形成された合金粉末を得ることができる。また、R濃縮層が形成された合金粉末を用いてR−T−B系焼結磁石を作製することによって、保磁力を向上させることができる。
上記の実施例では、粉砕槽の容積が314cm3、628cm3の場合を説明したが、容積の大きさは特に限定されるものではない。容積の大きさに応じて合金粉末の供給量などを適宜調整することによって、表面全体にわたってR濃縮層が形成された合金粉末を得ることができる。
本発明の実施形態によるR−T−B系合金粉末は、R−T−B系焼結磁石の作製に好適に用いられる。
1 旋回流式粉砕装置
2 ハウジング
2A 粉砕槽
3 粗粉砕粉供給口
4 粗粉砕粉供給部
5 粉砕ガス導入ノズル
6 微粉砕粉排出口
18 高速旋回流

Claims (5)

  1. 粒子の表面が、Nd、Pr、Dy、Tbのうちの少なくとも1種以上の希土類元素を含むR濃縮層で覆われており、前記R濃縮層における希土類元素は20原子%以上32原子%以下の範囲にあるR−T−B系合金粉末。
  2. 前記R濃縮層の厚さ方向の酸素濃度は、粒子表面から内部に向かって一様に低下することを特徴とする請求項1に記載のR−T−B系合金粉末。
  3. 前記R濃縮層には、さらにFeが含まれており、前記R濃縮層におけるFeの濃度は、前記R濃縮層の内側のR2Fe14B相におけるFeの濃度より低い、請求項1または2に記載のR−T−B系合金粉末。
  4. 前記R濃縮層には、さらにBが含まれており、前記R濃縮層におけるBの濃度は、前記R濃縮層の内側のR2Fe14B相におけるBの濃度より低い、請求項1から3のいずれかに記載のR−T−B系合金粉末。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載のR−T−B系合金粉末を用いて焼結し、焼結体となって得られるR−T−B系焼結磁石。
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