JP2000129304A - R−Fe−B系焼結磁石用原料合金粉末 - Google Patents

R−Fe−B系焼結磁石用原料合金粉末

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JP2000129304A
JP2000129304A JP10302527A JP30252798A JP2000129304A JP 2000129304 A JP2000129304 A JP 2000129304A JP 10302527 A JP10302527 A JP 10302527A JP 30252798 A JP30252798 A JP 30252798A JP 2000129304 A JP2000129304 A JP 2000129304A
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alloy
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Katsuya Kase
克也 加瀬
Kaname Takeya
要 武谷
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁場中圧縮成形時の主相割合が大きく、且つ
焼結時に液相供給が十分に行われて高磁石特性が発現で
き、磁石化工程中での微粉砕工程の粉砕効率が大きなR
−Fe−B系焼結磁石用原料合金粉末を提供する。 【解決手段】 R、Fe、及びBを主成分とし、ほとん
どが主相からなる合金粉末と、組成調整用合金粉末とし
て主相よりR成分の高い合金粉末とを所望の磁石組成に
混合した合金粉末であって、組成調整用合金粉末は、粒
子内の結晶組織が、柱状晶の主相と、その間隙に微細に
分散したRリッチ相及びBリッチ相とからなる球状粒子
合金粉末であるR−Fe−B系焼結磁石用原料合金粉
末。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はR(但し、RはYを
含む希土類元素のうち少なくとも一種。以下同じ。)、
Fe、Bを主成分とする、R−Fe−B系焼結磁石用原
料合金粉末に関する。
【0002】
【従来の技術】R−Fe−B系焼結磁石は、R2Fe14
B相、Rリッチ相、及びBリッチ相を有する組織によっ
て、最大エネルギー積50MGOe以上を達成できる優
れた永久磁石であり、希望する磁気特性発現のために、
種々の組成が提案されている。
【0003】高磁気特性を発現させるための磁石組成
は、通常R2Fe14B相組成よりもややR品位の高い組
成である。これは、磁石特性発現が、強磁性R2Fe14
B相粒子の表面を、焼結時の液相成分であるRリッチ相
及びBリッチ相がクリーニングして逆磁区発生部位を無
くす、即ちニュークリエーション機構によるためで、液
相焼結に必要最低限のRリッチ相及びBリッチ相が確保
される必要がある。
【0004】原料のR−Fe−B系合金粉末の製造方法
には、構成成分となる金属または母合金を目的組成に合
わせて配合、溶解鋳造して鋳塊を得て、これを粉砕する
「溶解鋳造法」や、溶解鋳造法の改良法であり、合金溶
湯をロール法により0.1〜10mmの板厚鋳造片とな
しこれを粉砕する「ストリップキャスティング法」や、
希土類酸化物粉末、Fe、Ni、Co等の金属粉末およ
びFeB粉末あるいはB23粉末にアルカリ土類金属な
どの還元剤を混合加熱し、原料酸化物を還元して拡散反
応によって合金化し、さらに得られた反応物を湿式処理
して還元剤成分を除去し、直接合金粉末を得る「直接還
元拡散法」がある。
【0005】現在、R−Fe−B系焼結磁石の高特性化
の手段として、ほとんどがR2Fe1 4B相からなる合金
粉末(以下、「主相材」という)に、それよりもR品位
の高い合金粉末(以下、「液相材」という)を混合して
目標磁石組成原料合金粉末を得る方法(以下、「原料合
金混合法」という)が広く用いられている。この方法で
は、磁石化工程中に原料合金を5〜10μmに微粉砕し
た後、磁場中で圧縮成形し、強磁性相であるR2Fe14
B相結晶を配向させて焼結することで高磁石特性を実現
している。そのため磁場中圧縮成型時の合金中にはR2
Fe14B相が単相で多く存在していることが望ましく、
先述の「原料合金混合法」でも主相材はなるべくR2
14B相の割合が大きな合金で、その配合比も大きいこ
とが望ましい。
【0006】ところが、磁場中成型時のR2Fe14B相
割合を大きくする為に、主相材組成をR2Fe14B相組
成に近づけると必然的に液相材の配合比は減少する。そ
のため、焼結時の液相成分であるRリッチ相及びBリッ
チ相のR2Fe14B相との混合性が悪化し、焼結時に液
相不足が起こり、磁石特性が低下する原因となってしま
う。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の主相材と液相材
を配合して原料合金粉末を得る方法において、主相材と
してほとんどがR2Fe14B相からなる合金粉末を用い
たときに、原料合金中のR2Fe14B相割合を低下させ
ず、且つ液相焼結時に液相供給が十分に行われる液相材
を提供することは、高特性R−Fe−B系焼結磁石磁石
実現の上で極めて有用である。
【0008】一方、磁石化工程中で原料合金は5〜10
μm程度まで微粉砕して用いられるが、原料合金の粉砕
工程は磁石製造の生産効率を大きく左右し、この粉砕効
率の高い合金粉末を提供することは磁石製造上極めて有
用である。
【0009】そこで本発明は、主相材と液相材を配合し
て原料合金粉末を得る原料合金混合法に用いたときに、
磁場中圧縮成形時のR2Fe14B相割合が大きく、且つ
焼結時に液相供給が十分に行われることで高い磁石特性
を発現可能で、磁石化工程中での微粉砕工程の粉砕効率
が大きなR−Fe−B系焼結磁石用原料合金粉末を提供
することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のR−Fe−B系
焼結磁石用原料合金粉末は、R、Fe、及びBを主成分
とし、ほとんどがR2Fe14B相からなる合金粉末と、
組成調整用合金粉末としてR2Fe14B相よりR成分の
高い合金粉末とを所望の磁石組成に混合したR−Fe−
B系焼結磁石用原料合金粉末であって、該組成調整用合
金粉末は、粒子内の結晶組織が、柱状晶のR2Fe14
相と、その間隙に微細に分散したRリッチ相及びBリッ
チ相とからなる球状粒子合金粉末であることを特徴とす
る。
【0011】また、本発明の他の合金粉末は、上記構成
で更に、組成調整用合金粉末の粒子内の結晶組織が、短
軸方向で1〜10μm、長軸方向で5〜100μmの柱
状晶のR2Fe14B相と、その間隙に微細に分散したR
リッチ相及びBリッチ相とからなり、ほとんどが直径2
0μm〜500μmの球状粒子合金粉末であることを特
徴とする。
【0012】また、本発明の他の合金粉末は、上記いず
れかの構成で更に、組成調整用合金粉末が、所用組成の
R−Fe−B系合金を原料とするガスアトマイズ法によ
って得られた合金粉末であることを特徴とする。
【0013】また、本発明の他の合金粉末は、上記いず
れかの構成で更に、組成調整用合金粉末の組成が、R=
35〜50wt%、B=0.9〜1.2wt%、残部F
e(但し、Feの一部をCo、Niの一種または二種に
て置換できる)と不可避不純物であることを特徴とす
る。
【0014】また、上記ほとんどがR2Fe14B相から
なる合金粉末は、直接還元拡散法によって製造すること
ができる。
【0015】
【発明の実施の形態】原料合金混合法において磁石中の
2Fe14B相割合を大きくするためには、主相材はな
るべくR2Fe14B相単相に近いことが望ましい。即ち
合金組成はR2Fe14B相組成に近く、R2Fe14B相以
外の異相(例えば、α−Fe相、Rリッチ相及びBリッ
チ相など)が存在しないことが望まれる。
【0016】しかし先に述べた溶解法では、合金組成を
2Fe14B相組成に近づけると冷却過程でα−Fe相
の析出が避けがたい。これに対して直接還元拡散法で
は、製造条件の最適化によりα−Fe相のほとんど存在
しない、ほぼR2Fe14B相のみからなる主相材を容易
に得ることが可能である。従って、ほとんどがR2Fe1
4B相からなる主相材には直接還元拡散法による主相材
を用いることが望ましいが、溶解法によっても鋳造後に
長時間の熱処理を行うことでR2Fe14B相単相に近い
合金原料を得ることはできるので、ほとんどがR2Fe
14B相からなる主相材の製造方法は直接還元拡散法に限
定されるものではない。
【0017】配合する液相材は、主相材と配合しても混
合原料合金のR2Fe14B相割合を低くしないこと、必
要量の液相成分(Rリッチ相及びBリッチ相)を含むこ
と、主相材と混合し微粉砕したときにRリッチ相及びB
リッチ相が合金粉全体に分散すること、などが求められ
る。これらの条件を満たすための液相材として、粒子内
の結晶組織が短軸方向が1〜10μm、長軸方向が5〜
100μmである柱状晶のR2Fe14B相とその間隙に
微細に分散したRリッチ相及びBリッチ相とからなる、
ほとんどが直径20〜500μmの球状粒子合金粉末は
非常に有効である。以下にその理由を述べる。
【0018】上記の合金粉は液相成分のみからなる液相
材に比べて、液相材中にR2Fe14B相が含まれている
ため、配合原料合金中のR2Fe14B相割合を下げるこ
とが少ない。また、液相材中に微細にRリッチ相及びB
リッチ相が含まれているため、主相材と混合し微粉砕し
たときに原料合金全体にRリッチ相及びBリッチ相が微
細に分散しやすい。さらに、R2Fe14B相が短軸方向
に1〜10μm、長軸方向に5〜500μmの柱状晶で
あれば、微粉砕するとR2Fe14B相柱状晶間のRリッ
チ相及びBリッチ相部分から壊砕が起こり、柱状晶同志
が解離する形で粉砕が進み、解離したR2Fe14B相柱
状晶粒子は他粒子との衝突により粉砕され、最終的には
2〜5μm程度の単結晶R2Fe14B相粒子周辺にRリ
ッチ相及びBリッチ相が分散付着している粒子となる。
この単結晶R2Fe14B相粒子は磁場配向圧縮整形時に
配向しやすく、製品磁石中のR2Fe14B相の配向を乱
すことは無い。
【0019】ストリップキャスティング法による鋳造片
からの微粉砕粉も2〜5μm程度の単結晶R2Fe14
相粒子周辺にRリッチ相及びBリッチ相が分散付着した
粒子となるが、ストリップキャスティング法で得られる
鋳造片は微粉砕装置に投入する前に数mm以下の粒子に
粗粉砕する必要があり、粗粉砕工程が不必要な原料合金
の性状としては上記の結晶組織を有し、且つほとんどが
直径20〜500μmの球形粒子からなることが望まし
い。粒子直径を20〜500μmとするのは、500μ
m以上の粒子ではジェットミル等の微粉砕装置に対する
負荷が大きく、また20μm以下では上記のような結晶
組織が粒子中で十分に成長できないためである。
【0020】R、Fe、Bを主成分とする、短軸方向に
1〜10μm、長軸方向に5〜100μmに成長したR
2Fe14B相の柱状晶、及びそのR2Fe14B相柱状晶間
を微細に分散したRリッチ相及びBリッチ相が占めるよ
うな組織を有し、ほとんどが直径20〜500μmの球
形粒子からなるR−Fe−B系焼結磁石用原料合金粉末
の製造方法としてはアトマイズ法、特にガスアトマイズ
法を用いることが望ましい。以下にその理由を述べる。
【0021】目的組成の溶湯を冷却して上記のような結
晶組織を得るには、溶湯の冷却速度を制御する必要があ
り、冷却速度が大きすぎると合金は非晶質になり、冷却
速度が小さすぎると粗大な結晶が成長して目的とする結
晶組織を得られない。ストリップキャスティング法で
は、溶湯温度、ロール温度、ロールの溶湯に対する線速
度、板厚などにより制御可能であるが、ストリップキャ
スティング法では粉末を得るために鋳造片を粉砕する必
要がある。それに対してアトマイズ法では、直接目的と
する粒度の合金粉末を得ることが容易であり、噴霧媒
体、溶湯温度、噴霧圧力、噴霧ノズル径、噴霧ノズル形
状などの製造条件の制御により、粒子を目的粒度で得る
ことができる。
【0022】また、結晶組織の制御、即ち短軸方向に1
〜10μm、長軸方向に5〜100μmに成長したR2
Fe14B相の柱状晶、及びそのR2Fe14B相柱状晶の
間を微細に分散したRリッチ相及びBリッチ相が占める
ような組織を得るには、アトマイズ法での製造条件を最
適化することで容易に得られる。
【0023】本発明におけるR−Fe−B系合金粉、特
にNd−Fe−B系合金粉のアトマイズ法による製造に
おいては、噴霧媒体には不活性ガスが望ましく、空気、
水によるアトマイズ法ではNd−Fe−B系合金粉は活
性が高いため低酸素の合金粉が得られない。また、Nd
2Fe14B相の融点が1150℃付近であることから、
溶湯温度は1300〜1600℃が望ましく、溶湯温度
が高すぎると噴霧された溶湯液滴がチャンバー内で凝固
する際に粒子形状が不規則になり、溶湯温度が低すぎる
と結晶組織が非晶質化しやすく、得られる合金粉が粗大
化しやすい。その他の製造条件については、アトマイズ
装置毎に最適条件が異なるが、製造条件の制御により目
的粒子を得ることが可能である。
【0024】
【実施例】実施例1 ・・・ アトマイズ法による液相
材は、以下のように調整した。Nd=84.0wt%、
残部Feの市販の溶融電解法によるNd−Fe合金塊2
530g、Dy=86.3wt%、残部Feの市販の溶
融電解法によるDy−Fe合金塊58g、B=20.1
wt%、Al=2.9wt%、残部Feの市販FeB合
金250g、純度99wt%の金属Co塊250g、純
度99%の金属Cu顆粒5g、純度99wt%の金属F
e塊1900gを、Arガスアトマイズ粉末製造装置の
ルツボ型高周波誘導炉内のアルミナルツボに挿入し真空
雰囲気下で溶解した。溶湯温度が1500℃になり溶湯
が均一であることを確認してから、アルミナルツボ下部
のノズルから溶湯を流出させ、60kg/cm2の噴出
圧力でArガスアトマイズした。Ar雰囲気のチャンバ
ー内で室温付近まで放置冷却した後に合金粉末を回収し
た。
【0025】回収した合金粉末は4480gで、成分分
析の結果Nd=42.4wt%、Dy=1.01wt
%、B=0.99wt%、Co=5.08wt%、Al
=0.27wt%、Cu=0.09wt%、Ca<0.
01wt%、O=0.21wt%、C=0.026wt
%、残部Feからなる合金粉末であった。
【0026】回収合金粉末をJIS篩(70、100、
140、235、390メッシュ)と自動タップ篩別機
を用いて分級したところ、70メッシュ以上が7.2w
t%、70〜100メッシュが5.6wt%、100〜
140メッシュが11.2wt%、140〜235メッ
シュが15.2wt%、235〜390メッシュが4
5.2wt%、390メッシュ以下が15.6wt%で
あった。
【0027】各粒度の合金粉末を光学顕微鏡による偏光
観察、EPMAによる相同定したところ、100メッシ
ュ以上の合金粉末には扁平かつ一部が非晶質化したもの
が見られ、また390メッシュ以下の合金粉には全体が
非晶質化したものが見られた。
【0028】100〜390メッシュの合金粉末は球状
で、その内部のほとんどは短軸方向に3〜10μm、長
軸方向に10〜50μmに成長したNd2Fe14B相柱
状晶であり、R2Fe14B相柱状晶の間を微細に分散し
たRリッチ相及びBリッチ相が占める結晶組織であっ
た。
【0029】直接還元拡散法による主相材は、以下のよ
うに調整した。Nd23(純度99%)492.3g、
Dy23(純度99%)18.5g、B含有量18.6
wt%のFeB粉末89.6g、純度99%のFe粉9
92.06g、純度99%のCu粉1.3gを用いて、
これに純度99wt%以上の金属カルシウム顆粒28
1.4g、無水塩化カルシウム52.8gを混合し、ス
テンレス容器中に装入しAr気流中にて1000℃−
4.5hのカルシウム還元、拡散を行なった。
【0030】容器中にて冷却後、生成物を水中崩壊さ
せ、水洗して不用なカルシウム分を除去した。得られた
粉末スラリーをアルコール等で水置換後、真空乾燥して
約1500gの合金粉末を得た。得られた粉末はNd=
26.1wt%、Dy=1.01%、B=1.02wt
%、Al=0.23wt%、Cu=0.10wt%、C
a=0.05wt%、O=0.16wt%、C=0.0
30wt%、残部Feからなる合金粉末であった。
【0031】上記のアトマイズ液相材の235〜390
メッシュ部分350gに、上記の主相材650gを配合
し、ジェットミル粉砕し、平均粒度2.7μmの微粉砕
粉を得た。得られた微粉砕粉を磁場12kOe、成形圧
1.3ton/cm2の磁場中成形後、Arガス中にて
1050℃に3時間の焼結後、590℃に1時間の時効
化処理を行ってR−Fe−B系焼結磁石を得た。
【0032】得られた磁石の磁気特性は、Br=14.
2kG、iHc=13.8kOe、(BH)max=4
2.5MGOeであった。
【0033】比較例1(溶湯急冷液相材+RD法主相
材) ・・・ 実施例と同様の合金原料を高周波誘導炉
にて溶解し、直径250mmの銅製ロール2本を併設し
た双ロール式薄板製造装置を用いて溶湯急冷法により、
板厚1.0mmの薄板鋳造液相材を得た。試験は全てA
r雰囲気下で行った。この鋳片を35メッシュ以下まで
粗粉砕した。
【0034】得られた粗粉砕粉を実施例1と同様に光学
顕微鏡及びEPMAで観察したところ、鋳片内部には板
厚方向に成長したNd2Fe14B相柱状晶組織が見られ
た。柱状晶は短軸方向に5〜20μm、長軸方向に50
〜300μmに成長したNd2Fe14B相柱状晶であっ
た。
【0035】また、成分分析の結果、Nd=42.5w
t%、Dy=0.98wt%、B=1.03wt%、C
o=4.99wt%、Al=0.26wt%、Cu=
0.10wt%、Ca<0.01wt%、O=0.13
wt%、C=0.024wt%、残部Feからなる合金
粉末であった。
【0036】上記の液相材を数mm以下に乳鉢中で粗粉
砕した合金粉350gに、実施例と同様に調整した直接
還元拡散法による主相材650gを混合し、ジェットミ
ル粉砕にて平均粒度2.8μmの微粉砕粉を得た。得ら
れた微粉砕粉より実施例と同様の方法でR−Fe−B系
焼結磁石を得た。得られた磁石の磁気特性は、Br=1
4.3kG、iHc=13.9kOe、(BH)max
=42.2MGOeであった。
【0037】このように、ストリップキャスティング法
でも同等磁気特性を発現できる原料合金粉末が得られる
が、ストリップキャスティング法では微粉砕工程前に鋳
造片を粗粉砕する必要があるのに対し、本発明では得ら
れた合金粉末を直接微粉砕工程に使用できる利点があ
る。
【0038】比較例2(RD法液相材+RD法主相材)
・・・ Nd23(純度99%)535.1g、Dy
23(純度99%)12.1g、B含有量18.8wt
%のFeB粉末57.2g、純度99%のFe粉46
0.9g、純度99%のCo粉54.4g、純度99%
のCu粉2.6gを用いて、これに純度99wt%以上
の金属カルシウム顆粒292.8g、無水塩化カルシウ
ム54.8gを混合し、ステンレス容器中に装入しAr
気流中にて960℃−4.5hのカルシウム還元、拡散
を行なった。容器中にて冷却後、生成物を水中崩壊さ
せ、水洗して不用なカルシウム分を除去した。得られた
粉末スラリーをアルコール等で水置換後、真空乾燥して
約950gの合金粉末を得た。
【0039】得られた粉末はNd=42.4wt%、D
y=1.00%、B=0.98wt%、Co=4.91
wt%、Al=0.23wt%、Cu=0.11wt
%、Ca=0.07wt%、O=0.26wt%、C=
0.030wt%、残部Feからなる合金粉末であっ
た。実施例と同様に粒度分布を測定したところ、70メ
ッシュ以上が0.1wt%、70〜100メッシュが
1.2wt%、100〜140メッシュが4.2wt
%、140〜235メッシュが9.8wt%、235〜
390メッシュが42.2wt%、390メッシュ以下
が42.6wt%であった。
【0040】上記の液相材合金粉350gに、実施例と
同様に調整した直接還元拡散法による主相材650gを
混合し、ジェットミル粉砕にて平均粒度2.9μmの微
粉砕粉を得た。得られた微粉砕粉より実施例と同様の方
法でR−Fe−B系焼結磁石を得た。得られた磁石の磁
気特性は、Br=13.9kG、iHc=13.8kO
e、(BH)max=41.2MGOeであった。
【0041】
【発明の効果】本発明によって、ほとんどがR2Fe14
B相からなる合金粉末と、組成調整用合金粉末としてR
2Fe14B相よりR成分の高い合金粉末とを混合し、所
望の磁石組成のR−Fe−B系焼結磁石用原料合金粉末
とする方法において、高磁気特性を発現し得る結晶組織
を有し、且つ磁石化工程内の粉砕工程に対する負荷の少
ない、組成調整用合金粉末が提供できた。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 R(但し、RはYを含む希土類元素のう
    ち少なくとも一種)、Fe、及びBを主成分とし、ほと
    んどがR2Fe14B相からなる合金粉末と、組成調整用
    合金粉末としてR2Fe14B相よりR成分の高い合金粉
    末とを所望の磁石組成に混合したR−Fe−B系焼結磁
    石用原料合金粉末であって、該組成調整用合金粉末は、
    粒子内の結晶組織が、柱状晶のR2Fe14B相と、その
    間隙に微細に分散したRリッチ相及びBリッチ相とから
    なる球状粒子合金粉末であることを特徴とするR−Fe
    −B系焼結磁石用原料合金粉末。
  2. 【請求項2】 組成調整用合金粉末は、粒子内の結晶組
    織が、短軸方向で1〜10μm、長軸方向で5〜100
    μmの柱状晶のR2Fe14B相と、その間隙に微細に分
    散したRリッチ相及びBリッチ相とからなり、ほとんど
    が直径20μm〜500μmの球状粒子合金粉末である
    ことを特徴とする請求項1に記載のR−Fe−B系焼結
    磁石用原料合金粉末。
  3. 【請求項3】 組成調整用合金粉末は、所用組成のR−
    Fe−B系合金を原料とするガスアトマイズ法によって
    得られた合金粉末であることを特徴とする請求項1また
    は請求項2に記載のR−Fe−B系焼結磁石用原料合金
    粉末。
  4. 【請求項4】 組成調整用合金粉末は、その組成が、R
    =35〜50wt%、B=0.9〜1.2wt%、残部
    Fe(但し、Feの一部をCo、Niの一種または二種
    にて置換できる)と不可避不純物であることを特徴とす
    る請求項1〜請求項3いずれかに記載のR−Fe−B系
    焼結磁石用原料合金粉末。
  5. 【請求項5】 ほとんどがR2Fe14B相からなる合金
    粉末は、直接還元拡散法によって製造された合金粉末で
    あることを特徴とする請求項1〜請求項3いずれかに記
    載のR−Fe−B系焼結磁石用原料合金粉末。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015193925A (ja) * 2014-03-27 2015-11-05 日立金属株式会社 R−t−b系合金粉末およびr−t−b系焼結磁石

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