JP2015193764A - 押出発泡用ポリスチレン系樹脂組成物及びその用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】発泡成形品へのスチレン及びそのオリゴマーの溶出を低減させつつ、成形時の生産性を向上し得る押出発泡用ポリスチレン系樹脂組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】押出発泡用のポリスチレン系樹脂組成物であり、前記ポリスチレン系樹脂組成物は、下記物性:(1)分子量分布におけるトップピーク分子量(Mp)が14万〜22万(2)Mp以下の分子量の割合が全体の40〜55%(3)z+1平均分子量が80万〜350万(4)スチレンダイマーとスチレントリマーとからなるオリゴマーの含有量が2000ppm以下(5)スチレンの含有量が1000ppm以下を有することを特徴とする押出発泡用ポリスチレン系樹脂組成物により課題を解決する。
【選択図】図1

Description

本発明は、押出発泡用ポリスチレン系樹脂組成物及びその用途に関する。更に詳しくは、本発明は、発泡成形品へのスチレン及びそのオリゴマーの溶出を低減させつつ、成形時の生産性を向上し得る押出発泡用ポリスチレン系樹脂組成物、その組成物から得られるポリスチレン系樹脂発泡シート及び発泡成形品に関する。
ポリスチレン系樹脂発泡シートは、軽量でありながら機械的強度や保温断熱性に優れ、成形加工性にも優れていることから、皿状、カップ状、丼状等の形状に成形されて各種食品包装材や簡易容器として広く用いられている。
ポリスチレン系樹脂発泡シートは、押出発泡用ポリスチレン系樹脂組成物と発泡剤を押出機で溶融混錬し、混錬物を押出機から押し出しつつ発泡させることで得られている。また、上記容器は、ポリスチレン系樹脂発泡シートを所定の金型を用いて熱プレスすることにより得られている。そのような技術が、例えば、特開2012−207172号公報(特許文献1)に記載されている。
特開2012−207172号公報
ポリスチレン系樹脂発泡シートから得られる食品用包装材や簡易容器は、シート製造用のスチレンから由来する成分が残留し、内容物に微量に溶出することがある。特に食品業界から、そのような溶出を低減することが求められている。
本発明の発明者は、上記求めに応じるべく鋭意検討した。まず、シート製造用のポリスチレン系樹脂組成物の残留スチレン由来成分量を単純に減少させたところ、発泡成形品を作製するための熱プレス時に、成形性が十分確保できなかった。これは、残留スチレン由来成分が、一種の可塑剤の役割を果たし、熱プレス時のシートの伸びに影響を与えていると発明者は考えている。更に、検討したところ、特定の分子量分布を有するポリスチレン系樹脂組成物を使用すれば、残留スチレン由来成分量を減少させても、成形性を十分確保できることを見い出し本発明に至った。
かくして本発明によれば、押出発泡用のポリスチレン系樹脂組成物であり、
前記ポリスチレン系樹脂組成物は、下記物性:
(1)分子量分布におけるトップピーク分子量(Mp)が14万〜22万
(2)Mp以下の分子量の割合が全体の40〜55%
(3)z+1平均分子量が80万〜350万
(4)スチレンダイマーとスチレントリマーとからなるオリゴマーの含有量が2000ppm以下
(5)スチレンの含有量が1000ppm以下
を有することを特徴とする押出発泡用ポリスチレン系樹脂組成物が提供される。
また、本発明によれば、上記ポリスチレン系樹脂組成物を押出発泡することで得られたポリスチレン系樹脂発泡シートが提供される。
更に、本発明によれば、上記ポリスチレン系樹脂発泡シートを用いて得られた発泡成形品が提供される。
本発明によれば、容器の物性及び成形性を低下させることなく残留スチレン由来成分量が低減された発泡成形品を与え得るポリスチレン系樹脂組成物及びポリスチレン系樹脂発泡シートを提供できる。また、残留スチレン由来成分量が低減された発泡成形品を提供できる。
また、本発明によれば、
(1)Mpが、15万〜20万である。
(2)Mp以下の分子量の割合が、40〜52%である。
(3)z+1平均分子量が、100万〜300万である。
(4)ポリスチレン系樹脂組成物が、200℃での測定時、0.5〜10g/10分のメルトフローレート(MFR)を有する。
(5)ポリスチレン系樹脂組成物が、200℃及び5kNでの測定時、8〜30cNの溶融張力値(MT)を有する。
(6)ポリスチレン系樹脂組成物が、水性懸濁液中に分散させたポリスチレン系樹脂の種粒子に、スチレン系単量体を断続的又は連続的に供給して重合させることによって得られる。
のいずれかを更に備えることで、容器の物性及び成形性を低下させることなく残留スチレン由来成分量がより低減された発泡成形品を与え得るポリスチレン系樹脂組成物及びポリスチレン系樹脂発泡シートを提供できる。
実施例1の押出発泡用ポリスチレン系樹脂組成物の分子量分布曲線である。
(押出発泡用ポリスチレン系樹脂組成物)
(a)本発明の押出発泡用ポリスチレン系樹脂組成物(以下、単に樹脂組成物とも称する)は、特定のトップピーク分子量(Mp)、Mp以下の分子量の割合、z+1平均分子量、スチレンダイマーとスチレントリマーとからなるオリゴマーの含有量、及びスチレン含有量を有する。
(1)トップピーク分子量(Mp)
ここで、Mpとは、分子量分布曲線において、最も高い点に対応する分子量を意味する。
樹脂組成物のMpは、14万〜22万の範囲内に位置する。Mpが14万未満の場合、シートの外観不良や成形性が悪化することがある。22万より大きい場合、流動性が低下してしまい生産性が悪くなる、成形性が悪化することがある。より好ましいMpは15万〜21万であり、更に好ましいMpは15万〜20万であり、特に好ましいMpは16万〜19万である。
(2)Mp以下の分子量の割合
Mp以下の分子量の割合は、全体の40〜55%である。割合が40%未満の場合、シートの外観、成形性、脆性が悪化することがある。55%より大きい場合、流動性が低下してしまい生産性が悪くなる、成形性が悪化することがある。より好ましい割合は40〜53%であり、更に好ましい割合は40〜52%であり、特に好ましい割合は40〜50%である。
(3)z+1平均分子量(Mz+1)
Mz+1は、Mn、Mw及びMzより高分子量の成分がリッチに存在していることを強調し得る平均分子量である。
Mz+1は、80万〜350万である。Mz+1が80万未満の場合、シートの外観不良や成形性が悪化することがある。350万より大きい場合、流動性が低下してしまい生産性が悪くなる、成形性が悪化することがある。好ましいMz+1は100万〜300万であり、より好ましいMz+1は100万〜250万である。
(4)スチレンダイマーとスチレントリマーとからなるオリゴマーの含有量
スチレンダイマーとスチレントリマーとからなるオリゴマーの含有量は、2000ppm以下である。含有量が2000ppmより多い場合、発泡成形品にオリゴマーが残存し、オリゴマーが溶出することがある。より好ましい含有量は1500ppm以下であり、更に好ましい含有量は750ppm以下である。
(5)スチレン含有量
スチレンの含有量は、1000ppm以下である。含有量が1000ppmより多い場合、発泡成形品にスチレンが残存し、スチレンが溶出することがある。より好ましい含有量は500ppm以下であり、更に好ましい含有量は300ppm以下である。
(6)その他の物性
200℃で測定されるメルトフローレート(MFR)は、0.5〜10g/10分であることが好ましい。MFRが0.5g/10分未満の場合、流動性が低下することにより、生産性が悪くなることがある。10g/10分より大きい場合、シートの外観不良や成形性が悪化するとなることがある。より好ましいMFRは0.5〜5g/分であり、更に好ましいMFRは0.7〜4g/10分であり、特に好ましいMFRは1〜3g/10分である。
200℃及び5kNで測定される溶融張力値(MT)は、6〜30cNであることが好ましい。MTが6cN未満の場合、樹脂の張力が不足となりシートの成形性が悪くなる場合やドローダウンが大きくなることがある。30cNより大きい場合、樹脂の張力が過度となり所望の発泡倍数が得られにくくなる場合やシートの成形性が悪くなることがある。より好ましいMTは6〜25cNであり、更に好ましいMTは8〜20cNである。
(b)構成成分
樹脂組成物は、スチレン系単量体に由来する成分から構成される。
スチレン系単量体由来の成分としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルスチレン、i−プロピルスチレン、t−ブチルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチレン、クロロスチレン等のスチレン系単量体の単独重合体、もしくは、これらの共重合体、又は、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、ジメチルマレエート、ジエチルマレエート等のアルキルマレエート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、エチルフマレート等のアルキルフマレート、無水マレイン酸、N−フェニルマレイミド、(メタ)アクリル酸等と、スチレン系単量体との共重合体等が挙げられる。
また、上記スチレン系単量体由来の成分に加えて、例えば、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、ビス(ビニルフェニル)メタン、ビス(ビニルフェニル)エタン、ビス(ビニルフェニル)プロパン、ビス(ビニルフェニル)ブタン、ジビニルナフタレン、ジビニルアントラセン、ジビニルビフェニル等の多官能のベンゼン環に直接ビニル基が結合した化合物、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物ジ(メタ)アクリレート等の2官能(メタ)アクリレート化合物等の多官能ビニル系芳香族化合物とスチレン系単量体との共重合体も挙げられる。
更に、他の樹脂が混合されていてもよい。他の樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジエン三次元共重合体等のジエン系のゴム状重合体を添加したゴム変性耐衝撃性ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンエーテル、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリメタクリル酸メチル等、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。
(c)その他の添加剤
樹脂組成物には、必要に応じて、樹脂以外に他の添加剤が含まれていてもよい。他の添加剤としては、可塑剤、難燃剤、難燃助剤、帯電防止剤、展着剤、気泡調整剤、充填剤、着色剤、耐候剤、老化防止剤、滑剤、防曇剤、香料等が挙げられる。
可塑剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素等が挙げられる。アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソノニル等のアジピン酸エステル、グリセリンジアセトモノラウレート等のグリセリン脂肪酸エステル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソブチル等のフタル酸エステル、流動パラフィン、ホワイトオイル等の高沸点化合物が挙げられる。
難燃剤としては、テトラブロモシクロオクタン、ヘキサブロモシクロドデカン、トリスジブロモプロピルホスフェート、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモ−2−メチルプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)等が挙げられる。
難燃助剤としては、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン、3,4−ジメチル−3,4−ジフェニルヘキサン、ジクミルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイドの有機過酸化物が挙げられる。
帯電防止剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ステアリン酸モノグリセリド、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
展着剤としては、ポリブテン、ポリエチレングリコール、グリセリン、シリコンオイル等が挙げられる。
気泡調整剤としては、タルク、マイカ、シリカ、珪藻土、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸バリウム、ガラスビーズ、ポリテトラフルオロエチレン、第三リン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の金属石鹸、エチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド等のビスアミド化合物、ステアリン酸アミド、12−ヒドロキシステアリン酸アミド等のアミド化合物、ステアリン酸トリグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド等の高級脂肪酸グリセライド等が挙げられる。
滑剤としてはステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の金属石鹸、エチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド等のビスアミド化合物、ステアリン酸アミド、12−ヒドロキシステアリン酸アミド等のアミド化合物、ステアリン酸トリグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド等の高級脂肪酸グリセライド、ポリエチレンワックス、流動パラフィン、ホワイトオイル等が挙げられる。
(d)押出発泡用ポリスチレン系樹脂組成物の製造方法
樹脂組成物は、その原料としてのスチレン系単量体、他の単量体、他の樹脂及び他の添加剤を、ポリスチレン系樹脂発泡シートを得るための押出機に入れ、重合及び混合することで製造できる。この製造法については、ポリスチレン系樹脂発泡シートの欄で改めて説明する。この製造法以外に、スチレン系単量体、他の単量体、他の樹脂及び他の添加剤を水性媒体中に入れ、懸濁条件下で、重合及び架橋を行う方法が挙げられる(懸濁重合法)。この方法では、樹脂組成物を構成する成分を均一に分散できる。懸濁重合法の中でも、別途製造したスチレン系樹脂粒子に、スチレン系単量体、他の単量体及び他の添加剤を含浸させた後、重合及び架橋を行う方法が挙げられる(シード重合法)。この方法では、懸濁重合法に比べて、更に樹脂組成物を構成する成分を選択的に分散できる。
より具体的には、
(i)懸濁重合法は、スチレン系単量体を連続的又は断続的に水性媒体中に供給して重合開始剤の存在下で懸濁重合する方法であり、
(ii)シード重合法は、水性媒体中にポリスチレン系樹脂種粒子(以下種粒子)を分散させて水性懸濁液とし、これにスチレン系単量体を連続的又は断続的に供給して重合開始剤の存在下で懸濁重合する方法である。
上記懸濁重合法及びシード重合法において用いられる重合開始剤としては、特に限定されず、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、イソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシ−3,3,5トリメチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート等の有機過酸化物やアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物等が挙げられ、これらは単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
種粒子は、押出機を使用して得る方法、懸濁重合法(シード重合法を含む)等の公知の方法により得ることができる。懸濁重合法により種粒子を得る場合、水性媒体中に種粒子を分散させてなる水性懸濁液は、上記懸濁重合法による重合後の反応液をそのまま水性懸濁液として用いても、あるいは、上記懸濁重合法によって得られた種粒子を反応液から分離し、この種粒子を別途用意した水性媒体に懸濁させた水性懸濁液を用いてもよい。なお、水性媒体としては、特に限定されず、例えば、水、アルコール等が挙げられ、水が好ましい。
また、上記懸濁重合法又はシード重合法において、スチレン系単量体を重合させる際に、スチレン系単量体の液滴又は種粒子の分散性を安定させるために懸濁安定剤を用いてもよい。このような懸濁安定剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子や、第三リン酸カルシウム、ハイドロキシアパタイト、ピロリン酸マグネシウム等の難水溶性無機塩等が挙げられ、難水溶性無機塩を用いる場合には、アニオン界面活性剤が通常、併用される。
上記アニオン界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、オレイン酸ナトリウム等の高級脂肪酸塩、β−テトラヒドロキシナフタレンスルホン酸塩等が挙げられ、アルキルベンゼンスルホン酸塩が好ましい。
また、上記懸濁重合法又はシード重合法において、スチレン系単量体を重合させる際に、水に溶解したスチレンの重合による微粉末の発生を防ぐ目的で、水溶性の重合禁止剤を添加してもよい。
(ポリスチレン系樹脂発泡シート)
懸濁重合法又はシード重合法により得られた樹脂組成物を押出機内で発泡剤と混練し、押出機の先端に装着させたフラットダイやサーキュラーダイから押出発泡させることによりポリスチレン系樹脂発泡シートを得ることができる。押出機内で原料を反応及び混練させることにより樹脂組成物を得る場合は、混練時に発泡剤を添加し、ダイから押出発泡させることによりポリスチレン系樹脂発泡シートを得ることができる。
発泡剤としては、炭化水素(例えば、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン)、水、ジメチルエーテル、塩化メチル、塩化エチル、窒素、二酸化炭素、アルゴン等の物理発泡剤、アゾジカルボンアミドや、炭酸水素ナトリウム又は炭酸水素ナトリウムとクエン酸の混合物のような化学発泡剤が挙げられる。
ポリスチレン系樹脂発泡シートは、0.035〜0.065g/cm3の密度を有することが好ましい。また、厚さは、通常0.8〜3.0mmであり、好ましくは1.0〜2.5mmであり、より好ましくは、1.5〜2.0mmである。
(発泡成形品)
ポリスチレン系樹脂発泡シートを公知の方法により成形することで発泡成形品を得ることができる。発泡成形品としては、皿、カップ、丼等の食品容器、緩衝材、包装資材等に使用できる。特に、本発明の組成物及びシートは、スチレン及びオリゴマーの残存量が少ないため、食品容器の製造に有用である。
次に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<トップピーク分子量(Mp)及び平均分子量>
トップピーク分子量(Mp)及びz+1平均分子量(Mz+1)を含む平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定したポリスチレン(PS)換算平均分子量を意味する。
具体的には、試料3mgをテトラヒドロフラン(THF)10mLに72時間静置で溶解させ(完全溶解)、得られた溶液をGL社製非水系0.45μmのクロマトディスク(13N)で濾過して分子量を測定する。予め測定し、作成しておいた標準ポリスチレンの検量線から試料の平均分子量、及びトップピーク分子量(Mp)を求める。また、クロマトグラフの条件は下記の通りとする。
・装置:高速GPC装置
・商品名:東ソー社製 HLC−8320GPC EcoSEC−WorkStation(RI検出器内蔵)
・分析条件
カラム:東ソー社製TSKgel SuperHZM−H×2本(4.6mmI.D×15cmL×2本)
ガードカラム:東ソー社製TSKguardcolumn SuperHZ−H×1本(4.6mmID×2cmL×1本)
流量:試料側 0.175mL/分、リファレンス側 0.175mL/分
検出器:RI検出器
濃度:0.3g/L
注入量:50μL
カラム温度:40℃
システム温度:40℃
測定時間:0−25分
ランタイム:25分
サンプリングピッチ:200msec
(検量線の作成)
検量線用標準ポリスチレン試料としては、東ソー社製商品名「TSK standard POLYSTYRENE」の重量平均分子量が、500、2630、9100、37900、102000、355000、3840000、及び5480000である標準ポリスチレン試料と、昭和電工社製商品名「Shodex STANDARD」の重量平均分子量が1030000である標準ポリスチレン試料を用いる。
検量線の作成方法は以下の通りである。まず、上記検量線用標準ポリスチレン試料をグループA(重量平均分子量が1030000のもの)、グループB(重量平均分子量が500、9100、102000及び3480000のもの)及びグループC(重量平均分子量が2630、37900、355000及び5480000のもの)にグループ分けする。グループAに属する重量平均分子量が1030000である標準ポリスチレン試料を5mg秤量した後にテトラヒドロフラン20mLに溶解し、得られた溶液50μLを試料側カラムに注入する。グループBに属する重量平均分子量が500、9100、102000及び3480000である標準ポリスチレン試料をそれぞれ10mg、5mg、5mg、及び5mg秤量した後にテトラヒドロフラン50mLに溶解し、得られた溶液50μLを試料側カラムに注入する。グループCに属する重量平均分子量が2630、37900、355000及び5480000である標準ポリスチレン試料をそれぞれ5mg、5mg、5mg、及び1mg秤量した後にテトラヒドロフラン40mLに溶解し、得られた溶液50μLを試料側カラムに注入する。これら標準ポリスチレン試料の保持時間から較正曲線(三次式)をHLC−8320GPC専用データ解析プログラムGPCワークステーション(EcoSEC−WS)にて作成し、これをポリスチレン換算重量平均分子量測定の検量線として用いる。
<メルトフローレイト(MFR)の測定>
MFRは東洋精機製作所社製のセミオートメルトインデクサー2Aを用い、JIS K 7210:1999「プラスチック―熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の試験方法」B法記載のb)ピストンが所定の距離を移動する時間を測定する方法により測定する。測定条件は試料3〜8g、予熱270秒、ロードホールド30秒、試験温度200℃、試験荷重49.03N、ピストン移動距離(インターバル):25mmとする。試料の試験回数は3回とし、その平均をMFR(g/10分)の値とする。
<溶融張力(MT)>
ツインボアキャピラリ−レオメ−タ−Rheologic5000T(イタリア チアスト社製)を用いて測定する。すなわち試験温度200℃に加熱された径15mmのバレルに測定試料樹脂を充填後、5分間予熱したのち、上記測定装置のキャピラリーダイ(口径2.095mm、長さ8mm、流入角度90度(コニカル))からピストン降下速度(0.07730mm/s)を一定に保持して紐状に押出しながら、この紐状物を上記キャピラリーダイの下方27cmに位置する張力検出のプーリーに通過させた後、巻取りロールを用いて、その巻取り速度を初速3.94388mm/s、加速度12mm/s2で徐々に増加させつつ巻き取っていき、当紐状物が切断した点の直前の張力の極大値と極小値の平均を試料樹脂のMT(cN)とする。
<残存オリゴマー量>
試料0.2gをメチルエチルケトン10mlに溶解し、メタノール35ml中に滴下して再沈殿させ、約1時間攪拌する。次に、上記再沈殿液をNo.5A濾紙で50mlメスフラスコに濾過し、メタノールで50mlに定溶する。次に、2mlメスフラスコに内部標準液ピレン10μl(1000ppmメタノール液)を入れ、50mlメスフラスコ中のメタノール溶液で2mlに定溶し試料溶液を作製する。次に、この試料溶液を用いて、下記の条件で GC/MS測定を行う。そして得られたクロマトグラムのうちスチレンダイマーのピーク3本、およびスチレントリマーのピーク5本のピーク面積を、内部標準物質であるピレンのピーク面積に対する相対感度として予め作成したスチレンオリゴマーの検量線により定量する。ダイマー、トリマーの検量線作成は関東化学社製の標準物質を用いて行う。
(GC/MS測定条件)
装置:島津製作所社製 ガスクロマトグラフ質量分析計 QP5050A(GC=GC−17A)
カラム:ZB−5MS(Phenomenex社製、0.25μm×0.25mmφ×30m)
GCオーブン昇温条件:初期温度100℃(1分)
第1段階昇温速度10℃/分(190℃まで−2.5分保持)
第2段階昇温速度10℃/分(300℃まで)
最終温度 300℃(2.5分)
注入口温度:240℃
検出器温度:260℃
検出器:1.25kV
キャリアガス:ヘリウム
全流量:15.3mL/分
カラム流量:1.0mL/分
キャリアガス圧力:75kPa
試験液注入量:2μl(オートサンプラー使用)
スプリット比:1/12
<残存スチレン量>
試料1gを精秤し、この1gの試料に、0.1体積%のシクロペンタノールを含有するN,N−ジメチルホルムアミド溶液1ミリリットルを内部標準液として加えた後、更に、N,N−ジメチルホルムアミドを加えて25ミリリットルの測定溶液を作製する。そして、この測定溶液1.8マイクロリットルをガスクロマトグラフ(島津製作所製 商品名「GC−14A」)に供給して下記測定条件にて測定し、測定溶液中の化合物のチャートを得た。そして、予め測定しておいたスチレン単量体の検量線に基づいて、測定溶液中のスチレン単量体の量を算出することにより、試料の全重量に対する残存スチレン量(ppm)を算出する。
検出器:FID
カラム:ジーエルサイエンス社製(内径3mm×2.5m)
液相(PEG−20M PT 25%)
担体(Chromosorb W AW−DWCS)
メッシュ:60/80
カラム温度:100℃
DET温度:230℃
検出器温度:230℃
キャリアーガス:窒素
<成形性>
容器内面の亀裂の発生状態を観察し、成形性は以下の基準で評価した。
○・・・成形容器100個の内、亀裂が観察される容器の数が5個未満
×・・・成形容器100個の内、亀裂が観察される容器の数が5個以上
実施例1
(種粒子の作製)
内容積106リットルの攪拌機付オートクレーブ(以下、反応器ともいう)に重合開始剤として、ベンゾイルパーオキサイド(純度75%、日油社製、商品名ナイパーBW)150g、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート(日油社製、商品名パーブチルE)20gをスチレン44kgに溶解し、ピロリン酸マグネシウム130g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2g、蒸留水40kgを投入した後、55rpmの撹拌下で溶解及び分散させて懸濁液を形成した。
引き続き、オートクレーブ内の温度を90℃まで昇温した後、90℃で6時間保持した。
その後、反応器中にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3gを追加、120rpmの攪拌下とし、更にオートクレーブ内の温度を125℃まで昇温した後、125℃で2時間保持した後、オートクレーブ内の温度を60℃まで冷却し、オートクレーブから内容物を取り出し、脱水・乾燥・分級して粒子径が0.9〜1.2mmで重量平均分子量が30万のスチレン系重合体からなる種粒子を得た。
(発泡用ポリスチレン系樹脂組成物の作製)
次いで、内容積106リットルの攪拌機付オートクレーブに該種粒子10.7kg、蒸留水33.4kg、ピロリン酸マグネシウム100g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5gを入れ、150rpmで撹拌し懸濁させた。
次いで予め用意した蒸留水2.1kg、ピロリン酸マグネシウム16g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2g、分岐化剤としてジビニルベンゼン(純分81%、新日鐵化学社製、商品名DVB−810)3.3g及びスチレン1.3kgをホモミキサーで攪拌して懸濁液を調製し、この懸濁液を初期温度72℃に保持した反応器に添加し、15分間種粒子にスチレンを吸収させた。
次いで、反応器にスチレン1.8kgを10分間掛けて添加し、更に15分間放置して種粒子に吸収させた。
次いで、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド(純度75%、日油社製、商品名ナイパーBW)149g及びt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート(日油社製、商品名パーブチルE)18gをスチレン1.7kgに溶解し、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2g、蒸留水1.6kgと共にホモミキサーで攪拌して調製した懸濁液を初期温度72℃に保持した反応器に15分間掛けて添加した。
重合開始剤を含む懸濁液を反応器に加え始めた時点から60分間、反応器内温度を初期温度の72℃に保持し、種粒子にスチレンと重合開始剤を吸収させた。この後、分岐化剤としてジビニルベンゼン(純分81%、新日鐵化学社製、商品名DVB−810)9.7g、スチレン30kgの混合物を反応器内に連続的に2時間30分で供給するとともに、スチレン供給終了時に102℃となるように反応器内温度を連続的に昇温し、スチレン供給終了後も更に同じ昇温速度でさらに20分昇温を行った。
引き続き125℃まで昇温して90分保持した後、60℃まで冷却してスチレン系樹脂粒子を取り出し、洗浄、脱水、乾燥することで発泡用ポリスチレン系樹脂組成物を得た。
(ポリスチレン系樹脂発泡シートおよび積層シートの作成)
該発泡用ポリスチレン系樹脂組成物100質量部に対し、発泡核剤としてタルクを0.5質量部を配合した原料を第一押出機として口径50mmの単軸押出機と第二押出機として口径65mmの単軸押出機とが連結されたタンデム型押出機に連続供給し、第一押出機内に発泡剤としてブタン(イソブタン/ノルマルブタン(質量比)=35/65)4.5質量部を圧入した。その後、第二押出機に移送し、出口樹脂温度が150℃となるよう冷却して、第二押出機の先端に取り付けた環状ダイスから円筒状に押出発泡し、厚み1.8mm、坪量250g/m2のポリスチレン系樹脂発泡シートを得た。
上記方法にて得られた発泡シートを3週間養生した後、以下のラミネート方式により該発泡シート片面に樹脂層を形成した。
すなわち、他の押出機に、耐衝撃性ポリスチレンとしてPSジャパン株式会社製、製品名:475Dを投入し、押出機中で加熱下に溶融、混練して溶融物としTダイを通して発泡シートの外表面側(円柱状冷却装置冷却面と反対面側)に240℃の溶融樹脂を押出して1m2当たり137gとなるように積層接着し、積層発泡シートを得た。
(発泡成型品の作成)
該積層発泡シートについて樹脂層が積層された面を容器の外面側に位置するように熱成形を行った。成形は積層発泡シートを加熱させる加熱ゾーンと、成形を行う成形ゾーンとからなり、加熱ゾーンに積層シートの上下に位置して加熱ヒーターが設けられている。樹脂層が上側になるように積層発泡シートを固定して、上側ヒーターを430℃、下側ヒーターを350℃に調整し、該積層発泡シートの加熱を12秒間行った。その後、成形ゾーンに加熱された積層発泡シートを送り、開口部が直径φ103mmの円形、深さ105mm、絞り比1.0の円筒状の容器を成形した。
実施例2
発泡用ポリスチレン系樹脂組成物の作製において、ホモミキサーで攪拌して懸濁液を調整する際に使用するジビニルベンゼン3.3gを1.1g、スチレン30kgを反応器内に連続的に滴下する際に使用するジビニルベンゼン9.7gを3.2g、反応器初期温度72℃を74℃、スチレン供給終了時温度102℃を113℃、ベンゾイルパーオキサイド(純度75%、日油社製、商品名ナイパーBW)149gを125gとしたこと以外は実施例1と同様にして発泡用ポリスチレン系樹脂組成物を得た。
実施例1と同じ外観、坪量、厚みとなるよう発泡剤や発泡核剤の量を調整し、ポリスチレン系樹脂発泡シートを得、実施例1と同様にして、積層発泡シート、発泡成形品を得た。
実施例3
発泡用ポリスチレン系樹脂組成物の作製において、ジビニルベンゼンを使用せず、反応器初期温度72℃を77℃、スチレン供給終了時温度102℃を113℃、ベンゾイルパーオキサイド(純度75%、日油社製、商品名ナイパーBW)149gを153gとしたこと以外は実施例1と同様にして発泡用ポリスチレン系樹脂組成物を得た。
実施例1と同じ外観、坪量、厚みとなるよう発泡剤や発泡核剤の量を調整し、ポリスチレン系樹脂発泡シートを得、実施例1と同様にして、積層発泡シート、発泡成形品を得た。
実施例4
発泡用ポリスチレン系樹脂組成物の作製において、ジビニルベンゼンを使用せず、スチレン供給終了時温度102℃を108℃、ベンゾイルパーオキサイド(純度75%、日油社製、商品名ナイパーBW)149gを110gとしたこと以外は実施例1と同様にして発泡用ポリスチレン系樹脂組成物を得た。
実施例1と同じ外観、坪量、厚みとなるよう発泡剤や発泡核剤の量を調整し、ポリスチレン系樹脂発泡シートを得、実施例1と同様にして、積層発泡シート、発泡成形品を得た。
実施例5
発泡用ポリスチレン系樹脂組成物の作製において、ジビニルベンゼンを使用せず、スチレン供給終了時温度102℃を108℃、ベンゾイルパーオキサイド(純度75%、日油社製、商品名ナイパーBW)149gを100gとしたこと以外は実施例1と同様にして発泡用ポリスチレン系樹脂組成物を得た。
実施例1と同じ外観、坪量、厚みとなるよう発泡剤や発泡核剤の量を調整し、ポリスチレン系樹脂発泡シートを得、実施例1と同様にして、積層発泡シート、発泡成形品を得た。
実施例6
発泡用ポリスチレン系樹脂組成物の作製において、ジビニルベンゼンを使用せず、反応器初期温度72℃を76℃、スチレン供給終了時温度102℃を113℃、ベンゾイルパーオキサイド(純度75%、日油社製、商品名ナイパーBW)149gを140gとしたこと以外は実施例1と同様にして発泡用ポリスチレン系樹脂組成物を得た。
実施例1と同じ外観、坪量、厚みとなるよう発泡剤や発泡核剤の量を調整し、ポリスチレン系樹脂発泡シートを得、実施例1と同様にして、積層発泡シート、発泡成形品を得た。
実施例7
発泡用ポリスチレン系樹脂組成物の作製において、ジビニルベンゼンを使用せず、スチレン供給終了時温度102℃を108℃、ベンゾイルパーオキサイド(純度75%、日油社製、商品名ナイパーBW)149gを116gとしたこと以外は実施例1と同様にして発泡用ポリスチレン系樹脂組成物を得た。
実施例1と同じ外観、坪量、厚みとなるよう発泡剤や発泡核剤の量を調整し、ポリスチレン系樹脂発泡シートを得、実施例1と同様にして、積層発泡シート、発泡成形品を得た。
比較例1
(発泡用ポリスチレン系樹脂組成物の作製)
内容積106リットルの攪拌機付オートクレーブ(以下、反応器ともいう)に重合開始剤として、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート(日油社製、商品名パーブチルO)176g、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート(日油社製、商品名パーブチルE)20gをスチレン44kgに溶解し、ピロリン酸マグネシウム130g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2g、蒸留水40kgを投入した後、53rpmの撹拌下で溶解及び分散させて懸濁液を形成した。
引き続き、オートクレーブ内の温度を90℃まで昇温した後、90℃で6時間保持した。
その後、反応器中にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3gを追加、120rpmの攪拌下とし、更にオートクレーブ内の温度を125℃まで昇温した後、125℃で2時間保持した後、オートクレーブ内の温度を60℃まで冷却し、オートクレーブから内容物を取り出し、脱水・乾燥・分級して粒子径が1.0〜1.5mmの発泡用ポリスチレン系樹脂組成物を得た。
実施例1と同じ外観、坪量、厚みとなるよう発泡剤や発泡核剤の量を調整し、ポリスチレン系樹脂発泡シートを得、実施例1と同様にして、積層発泡シート、発泡成形品を得た。
比較例2
(発泡用ポリスチレン系樹脂組成物の作製)
内容積106リットルの攪拌機付オートクレーブに該種粒子12.2kg、蒸留水37.8kg、ピロリン酸マグネシウム160g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム6gを入れ、150rpmで撹拌し懸濁させた。
次いで予め用意した蒸留水2.6kg、ピロリン酸マグネシウム16g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2g、分岐化剤としてジビニルベンゼン(純分81%、新日鐵化学社製、商品名DVB−810)3.8g及びスチレン1.5kgをホモミキサーで攪拌して懸濁液を調製し、この懸濁液を初期温度73℃に保持した反応器に添加し、15分間種粒子にスチレンを吸収させた。
次いで、反応器にスチレン6.7kgを30分間掛けて添加し、更に60分間放置して種粒子に吸収させた。
次いで、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド(純度75%、日油社製、商品名ナイパーBW)237g及びt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート(日油社製、商品名パーブチルE)21gをスチレン2.0kgに溶解し、ピロリン酸マグネシウム16g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2g、蒸留水2.0kgと共にホモミキサーで攪拌して調製した懸濁液を初期温度73℃に保持した反応器に15分間掛けて添加した。
重合開始剤を含む懸濁液を反応器に加え始めた時点から60分間、反応器内温度を初期温度の73℃に保持し、種粒子にスチレンと重合開始剤を吸収させた。この後、分岐化剤としてジビニルベンゼン(純分81%、新日鐵化学社製、商品名DVB−810)10.9g、スチレン29.5kgの混合物を反応器内に連続的に2時間30分で供給するとともに、スチレン供給終了時に106℃となるように反応器内温度を連続的に昇温し、更に同じ昇温速度でさらに20分昇温を行った。
引き続き125℃まで昇温して90分保持した後、60℃まで冷却してスチレン系樹脂粒子を取り出し、洗浄、脱水、乾燥することで発泡用ポリスチレン系樹脂組成物を得た。
実施例1と同じ外観、坪量、厚みとなるよう発泡剤や発泡核剤の量を調整し、ポリスチレン系樹脂発泡シートを得、実施例1と同様にして、積層発泡シート、発泡成形品を得た。
比較例3
発泡用ポリスチレン系樹脂組成物の作製において、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート(日油社製、商品名パーブチルO)176gをベンゾイルパーオキサイド(純度75%、日油社製、商品名ナイパーBW)293gとしたこと以外は比較例1と同様にして発泡用ポリスチレン系樹脂組成物を得た。
実施例1と同じ外観、坪量、厚みとなるよう発泡剤や発泡核剤の量を調整し、ポリスチレン系樹脂発泡シートを得、実施例1と同様にして、積層発泡シート、発泡成形品を得た。
Figure 2015193764
Figure 2015193764
上記表1及び2から、特定の分子量分布を有するポリスチレン系樹脂組成物を使用すれば、残留スチレン由来成分量を減少させても、成形性を十分確保できることが分かる。

Claims (9)

  1. 押出発泡用のポリスチレン系樹脂組成物であり、
    前記ポリスチレン系樹脂組成物は、下記物性:
    (1)分子量分布におけるトップピーク分子量(Mp)が14万〜22万
    (2)Mp以下の分子量の割合が全体の40〜55%
    (3)z+1平均分子量が80万〜350万
    (4)スチレンダイマーとスチレントリマーとからなるオリゴマーの含有量が2000ppm以下
    (5)スチレンの含有量が1000ppm以下
    を有することを特徴とする押出発泡用ポリスチレン系樹脂組成物。
  2. 前記Mpが、16万〜21万である請求項1に記載の押出発泡用ポリスチレン系樹脂組成物。
  3. 前記Mp以下の分子量の割合が、40〜52%である請求項1又は2に記載の押出発泡用ポリスチレン系樹脂組成物。
  4. 前記z+1平均分子量が、100万〜300万である請求項1〜3のいずれか1つに記載の押出発泡用ポリスチレン系樹脂組成物。
  5. 前記ポリスチレン系樹脂組成物が、200℃での測定時、0.5〜10g/10分のメルトフローレート(MFR)を有する請求項1〜4のいずれか1つに記載の押出発泡用ポリスチレン系樹脂組成物。
  6. 前記ポリスチレン系樹脂組成物が、200℃及び5kNでの測定時、8〜30cNの溶融張力値(MT)を有する請求項1〜5のいずれか1つに記載の押出発泡用ポリスチレン系樹脂組成物。
  7. 前記ポリスチレン系樹脂組成物が、水性懸濁液中に分散させたポリスチレン系樹脂の種粒子に、スチレン系単量体を含む単量体混合物とを断続的又は連続的に供給して重合させることによって得られる請求項1〜6のいずれか1つに記載の押出発泡用ポリスチレン系樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1つに記載のポリスチレン系樹脂組成物を押出発泡することで得られたポリスチレン系樹脂発泡シート。
  9. 請求項8に記載のポリスチレン系樹脂発泡シートを用いて得られた発泡成形品。
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