JP2011026509A - 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とその製造方法、予備発泡粒子、発泡成形体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アクリル酸エステルとスチレン系単量体との共重合体を含有する発泡性ポリスチレン系樹脂粒子であって、ATR法赤外分光分析により該樹脂粒子の表面を分析し得られた赤外スペクトルのうち、1730cm−1での吸光度D1730と1600cm−1での吸光度D1600とを求め、D1730/D1600から算出される吸光度比(A)と、該樹脂粒子の中心部を分析し吸光度D1730と吸光度D1600とを求め、D1730/D1600から算出される吸光度比(B)とが、(B)<(A)であり、且つ(A)が0.20〜0.60の範囲内である関係を満たす発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
【選択図】なし
Description
(1)ポリスチレン系樹脂種粒子を水中に分散させてなる分散液中に、ポリスチレン系樹脂種粒子100質量部に対し、スチレン系単量体7.0〜80.0質量部とアクリル酸エステル単量体2.0〜12.0質量部とを供給し、これらの単量体を種粒子に吸収、重合させてポリスチレン系樹脂粒子を成長させる第1重合工程と、
(2)次いで、ポリスチレン系種粒子の重合転化率が96質量%以上となった時点で該分散液中にスチレン系単量体のみを供給し、これを種粒子に吸収、重合させてポリスチレン系樹脂粒子を成長させる第2重合工程と、
(3)第2重合工程を行ってポリスチレン系樹脂粒子を製造した後、又はポリスチレン系樹脂粒子の成長途上で発泡剤を含浸させて請求項1又は2記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得る工程とを有する発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法を提供する。
前記の難燃剤としては、ポリスチレン系樹脂粒子中に含浸させる条件下において他の媒体に溶解させない状態で存在した場合に粉末状であれば、特に限定されず、ヘキサブロモシクロドデカン、テトラブロモシクロオクタン、テトラブロモブタン、ヘキサブロモシクロヘキサンなどの臭素化脂肪族炭化水素系化合物、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールF、2,4,6−トリブロモフェノールなどの臭素化フェノール類、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモ−2−メチルプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ジグリシジルエーテルなどの臭素化フェノール誘導体などが挙げられ、臭素化脂肪族炭化水素系化合物が好ましく、テトラブロモシクロオクタン(以下、TBCOと記す。)がより好ましい。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、スチレン系単量体とアクリル酸エステル単量体との共重合体を含有し、ATR法赤外分光分析により前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の表面を分析し得られた赤外スペクトルのうち、1730cm−1での吸光度D1730と1600cm−1での吸光度D1600とを求め、D1730/D1600から算出される吸光度比(A)とATR法赤外分光分析により前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の中心部を分析し得られた赤外スペクトルのうち、1730cm−1での吸光度D1730と1600cm−1での吸光度D1600とを求め、D1730/D1600から算出される吸光度比(B)とが、(B)<(A)であり、且つ(A)が0.20〜0.60の範囲内である関係を満たすことを特徴としている。
この分析方法は、高い屈折率を持つATRプリズムを試料に密着させ、ATRプリズムを通して赤外線を試料に照射し、ATRプリズムからの出射光を分光分析する方法である。ATR法赤外分光分析は、試料とATRプリズムを密着させるだけでスペクトルを測定できるという簡便さ、深さ数μmまでの表面分析が可能である等の理由で高分子材料等の有機物をはじめ、種々の物質の表面分析に広く利用されている。
なお、赤外吸収スペクトルから得られる1600cm−1での吸光度D1600は、ポリスチレン系樹脂に含まれるベンゼン環の面内振動に由来する1600cm−1付近に現れるピーク高さをいう。
また、赤外吸収スペクトルから得られる1730cm−1での吸光度D1730は、アクリル酸エステル系樹脂に含まれるエステル基C=0間の伸縮振動に由来する1730cm−1付近に現れるピーク高さをいう。
(B)<(A)であり、且つ(A)が0.20〜0.60の範囲内である、との関係を満たすことを特徴としている。
即ち、本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、粒子の直径方向において、含有されているスチレン−アクリル酸エステル共重合体成分の割合が、中心部で低濃度であり、表層側で高濃度となる。
従来の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の場合と同じく、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を加熱して、製造する発泡成形体の密度と等しい嵩密度となるように予備発泡してポリスチレン系樹脂予備発泡粒子とする。
(1−1)魚箱などの食品包装容器や家電製品の緩衝材などの一般用途の発泡成形体を製造する場合には、通常、嵩密度が0.010〜0.033g/cm3の範囲の予備発泡粒子を製造することが好ましい。
(1−2)機械強度が高く、表面平滑性にも優れた低発泡(高密度)の成形体を製造する場合には、嵩密度が0.05〜0.50g/cm3の範囲の予備発泡粒子を製造することが好ましい。
<予備発泡粒子の嵩密度>
先ず、ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子を測定試料としてWg採取し、この測定試料をメスシリンダー内に自然落下させ、メスシリンダー内に落下させた測定試料の体積Vcm3をJIS K6911に準拠した見掛け密度測定器を用いて測定し、下記式に基づいてポリスチレン系樹脂予備発泡粒子の嵩密度を測定する。
嵩密度(g/cm3)=測定試料の質量(W)/測定試料の体積(V)
<嵩発泡倍数>
また、予備発泡粒子の「嵩発泡倍数」は、次式により算出される数値である。
嵩発泡倍数=1/嵩密度(g/cm3)
構造部材として有用な高強度発泡成形体を得る場合には、前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を予備発泡することなく、成形型のキャビティ内に直接発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を充填し、水蒸気等の熱媒体で加熱して原粒成形を行い、低発泡・高密度の成形体とする。
この原粒成形法の場合、得られる発泡成形体の密度は0.59〜0.67g/cm3の範囲となる。
本発明のポリスチレン系樹脂発泡成形体は、前記(1)の予備発泡粒子を用いた型内発泡成形法、或いは(2)の原粒成形法のいずれの方法でも機械強度と外観に優れた種々の密度の発泡成形体を製造することができるので、その密度は特に限定されない。
<発泡成形体の密度>
50cm3以上(半硬質および軟質材料の場合は100cm3以上)の試験片を材料の元のセル構造を変えない様に切断し、その質量を測定し、次式により算出した。
密度(g/cm3)=試験片質量(g)/試験片体積(cm3)
試験片状態調節、測定用試験片は、成形後72時間以上経過した試料から切り取り、23℃±2℃×50%±5%または27℃±2℃×65%±5%の雰囲気条件に16時間以上放置したものである。
<発泡倍数>
また、発泡成形体の「発泡倍数」は次式により算出される数値である。
発泡倍数=1/密度(g/cm3)
ポリスチレン系樹脂種粒子の重合転化率は下記の方法により求められる。
即ち、ポリスチレン系樹脂種粒子を分散液中から取り出し、該種粒子の表面に付着した水分をガーゼを用いて拭き取り除去する。
そして、該種粒子を0.08g採取し、トルエン24ミリリットル中に溶解させてトルエン溶液を作製する。次に、このトルエン溶液中に、ウイス試薬10ミリリットル、5質量%のヨウ化カリウム水溶液30ミリリットル及び1質量%のでんぷん水溶液30ミリリットルを供給し、N/40チオ硫酸ナトリウム溶液で滴定して試料の滴定数(ミリリットル)とする。なお、ウイス試薬は、氷酢酸2リットルにヨウ素8.7g及び三塩化ヨウ素7.9gを溶解してなるものである。
一方、ポリスチレン系樹脂種粒子を溶解させることなく、トルエン24ミリリットル中に、ウイス試薬10ミリリットル、5質量%のヨウ化カリウム水溶液30ミリリットル及び1質量%のでんぷん水溶液30ミリリットルを供給し、N/40チオ硫酸ナトリウム溶液で滴定してブランクの滴定数(ミリリットル)とする。
そして、ポリスチレン系樹脂種粒子中におけるスチレン系モノマー量を下記式に基づいて算出することができる。
ポリスチレン系樹脂種粒子中におけるスチレン系モノマー量A(質量%)=0.1322×(ブランクの滴定数−試料の滴定数)/試料の滴定数
重合転化率=100−A(%)
吸光度比(D1730/D1600)は下記の要領で測定される。
即ち、無作為に選択した10個の各樹脂粒子の表面(図1中の符号A)、及び粒子を中心を通って切断した断面の中心部(図2中の符号B)について、ATR法赤外分光分析により粒子表面分析を行って赤外線吸収スペクトルを得る。
各赤外線吸収スペクトルから吸光度比(D1730/D1600)をそれぞれ算出し、表面Aに付いて算出した吸光度比の相加平均を吸光度比(A)とし、中心部Bについて算出した吸光度比の相加平均を吸光度比(B)とする。
吸光度D1730及び、D1600は、たとえばNicolet社から商品名「フーリエ変換赤外分光分析計 MAGMA560」で販売されている測定装置を用いて測定する。
尚、赤外吸収スペクトルから得られる1600cm−1での吸光度D1600は、ポリスチレン系樹脂に含まれるベンゼン環の面内振動に由来する1600cm−1付近に現れるピークの高さをいう。
また、赤外吸収スペクトルから得られる1730cm−1での吸光度D1730は、アクリル酸エステルに含まれるエステル基のC=0間の伸縮振動に由来する1730cm−1付近に現れるピークの高さをいう。
発泡成形体の外観は、発泡成形体表面から任意の10cm角の正方形面にある発泡粒子間を調べ、1mm角以上の粒子間空隙を計算する。評価基準は1mm角以上の空隙が5個未満を良好(○)、5個以上を不良(×)とした。
型内発泡成形体を折り曲げて厚み方向に破断させた後、破断面に存在する全ての予備発泡粒子の個数Aと、そのうち粒子自体が材料破壊した予備発泡粒子の個数Bとを計数した。 そして次式より粒子同士の融着性の基準となる融着率(%)を求めた。
融着率(%)=B/A×100
本発明において、発泡成形体中心の融着率が70%以上である場合を良好(○)とし、70%未満の場合を不良(×)として評価した。
前記<発泡成形体の外観>及び<発泡成形体中心の融着率>の各試験・評価項目において、全ての評価が○(良好)であった場合を◎(良好)とし、一つでも×(不良)があった場合を×(不良)として総合評価した。
(種粒子の製造)
内容量100リットルの攪拌機付き重合容器に、水40000質量部、懸濁安定剤として第三リン酸カルシウム100質量部及びアニオン界面活性剤としてドデシルベンゼンスルフォン酸カルシウム2.0質量部を供給し攪拌しながらスチレンモノマー40000質量部並びに重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド96.0質量部及びt−ブチルパーオキシベンゾエート28.0質量部を添加した上で90℃に昇温して重合した。そして、この温度で6時間保持し、更に、125℃に昇温してから2時間後に冷却してポリスチレン系樹脂粒子(a)を得た。
前記ポリスチレン系樹脂粒子(a)を篩分けし、種粒子として粒子径0.5〜0.71mmのポリスチレン系樹脂粒子(b)を得た。
次に、内容量5リットルの攪拌機付き重合容器内に、水2000質量部、前記ポリスチレン系樹脂粒子(b)500質量部、懸濁安定剤としてピロリン酸マグネシウム6.0質量部及びアニオン界面活性剤としてドデシルベンゼンスルフォン酸カルシウム0.3質量部を供給して攪拌しながら72℃に昇温した。
次に、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド4.5質量部及びt−ブチルパーオキシベンゾエート1.1質量部をスチレンモノマー180質量部、アクリル酸ブチル30質量部の混合液に溶解させたものを前記5リットルの重合容器に供給してから、種粒子内に吸収させ、72℃で90分保持した。
この重合工程において、前記<種粒子の重合転化率測定方法>によって樹脂粒子の重合転化率を測定しながら重合反応を進めた。
90分経過後(種粒子の重合転化率97%)に反応液を110℃まで150分で昇温しつつ、且つスチレンモノマー1290gを150分で重合容器内にポンプで一定量づつ供給した上で、120℃に昇温して2時間経過後に冷却し、ポリスチレン系樹脂粒子(c)を得た。
得られたポリスチレン系樹脂粒子(c)について、前記<吸光度比の測定>によって樹脂粒子の表面の吸光度比(A)と中心部の吸光度比(B)とを測定した。
その結果を表1に示す。また得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子についても、前記<吸光度比の測定>により吸光度比を測定することができる。
続いて、別の内容量5リットルの攪拌機付き重合容器に、水2200質量部、ポリスチレン系樹脂粒子(c)1800質量部、懸濁安定剤としてピロリン酸マグネシウム6.0質量部及びドデシルベンゼンスルフォン酸カルシウム0.4質量部を供給して攪拌しながら70℃に昇温した。次に、発泡助剤としてシクロヘキサン9.0質量部を重合容器内に入れて密閉し100℃に昇温した。 次に、発泡剤としてn−ブタン126質量部をポリスチレン系樹脂粒子(c)が入った重合容器内に圧入して3時間保持した後、30℃以下まで冷却した上で重合容器内から取り出し乾燥させた上で13℃の恒温室内に5日間放置して発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得た。
続いて、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の表面に表面処理剤としてジンクステアレート及びヒドロキシステアリン酸トリグリセリドを被覆処理した。
次いで予備発泡装置にて嵩密度0.10g/cm3に予備発泡した後に20℃で24時間熟成してポリスチレン系樹脂予備発泡粒子を得た。
そして、内寸300mm×400mm×30mmの直方体形状のキャビティを有する成形型を備えた発泡ビーズ自動成形機(積水工機製作所社製 商品名「エース3型」)のキャビティ内に前記ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子を充填し、ゲージ圧0.13Mpaの水蒸気で15秒間加熱成形を行った。次に、前記金型のキャビティ内の発泡体を5秒間水冷した後、減圧下にて放冷(冷却工程)して、密度0.10g/cm3のポリスチレン系樹脂発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体について、前記<発泡成形体の外観>、<発泡成形体中心の融着率>及び<総合評価>を測定・評価した。その結果を表2に示す。
本実施例で得られた発泡成形体は、粒子間の空隙も少なく外観の良好なものであり、発泡成形体内部の融着率は90%であった。
第1重合工程において使用するスチレンモノマーを40.0質量部、アクリル酸ブチル50.0質量部の混合液とし、更に第2重合工程で使用するスチレンモノマーを1410質量部としたこと以外は、実施例1と同様にしてポリスチレン系樹脂発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体は、粒子間の空隙も少なく外観の良好なものであり、発泡成形体内部の融着率は95%であった。
第1重合工程において使用するスチレンモノマーを375質量部、アクリル酸ブチル12.5質量部の混合液とし、更に第2重合工程で使用するスチレンモノマーを1115質量部としたこと以外は、実施例1と同様にしてポリスチレン系樹脂発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体は、粒子間の空隙も少なく外観の良好なものであり、発泡成形体内部の融着率は90%であった。
第2重合工程にスチレンモノマーを添加する際の種粒子の重合転化率を96%としたこと以外は、実施例1と同様にしてポリスチレン系樹脂発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体は、粒子間の空隙も少なく外観の良好なものであり、発泡成形体内部の融着率は90%であった。
第2重合工程にスチレンモノマーを添加する際の種粒子の重合転化率を98%としたこと以外は、実施例1と同様にしてポリスチレン系樹脂発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体は、粒子間の空隙も少なく外観の良好なものであり、発泡成形体内部の融着率は95%であった。
第1重合工程において使用するアクリル酸エステルをアクリル酸2エチルヘキシルとしたこと以外は、実施例1と同様にしてポリスチレン系樹脂発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体は、粒子間の空隙も少なく外観の良好なものであり、発泡成形体内部の融着率は90%であった。
実施例1において、予備発泡工程を経ることなしに、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を直方体形状のキャビティを有する成形型を備えた発泡ビーズ自動成形機(積水工機製作所社製 商品名「エース3型」)のキャビティ内に前記ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子を充填し、ゲージ圧0.13Mpaの水蒸気で15秒間加熱成形を行った。次に、前記成形型のキャビティ内の発泡体を5秒間水冷した後、減圧下にて放冷(冷却工程)してポリスチレン系樹脂発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体は、密度が0.61g/cm3であり、粒子間の空隙も少なく外観の良好なものであった。この発泡成形体内部の融着率は95%であった。
第1重合工程でアクリル酸ブチルを使用せず、スチレンモノマーを210質量部のみ使用したこと以外は、実施例1と同様にして発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得た。
しかし、発泡成形体の外観、及び内部融着は劣るものであった。
第1重合工程において使用するスチレンモノマーを25.0質量部、アクリル酸ブチル70.0質量部の混合液とし、第2重合工程で使用するスチレンモノマー1405質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得た。
得られた発泡成形体の内部融着は90%と良好であったが、発泡成形体の外観は溶けが発生し、劣るものであった。
第1重合工程において使用するスチレンモノマーを425質量部、アクリル酸ブチル7.5質量部の混合液とし、加えて第2重合工程で使用するスチレンモノマーを1070質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得た。
しかし、得られた発泡成形体の外観、及び内部融着は劣るものであった。
実施例3において、第2重合工程にスチレン系単量体を添加する際の種粒子の重合転化率を94%としたこと以外は、実施例3と同様にしてポリスチレン系樹脂発泡成形体を得た。しかし、得られた発泡成形体の外観、及び内部融着は劣るものであった。
Claims (7)
- アクリル酸エステルとスチレン系単量体との共重合体を含有する発泡性ポリスチレン系樹脂粒子であって、ATR法赤外分光分析により前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の表面を分析し得られた赤外スペクトルのうち、1730cm−1での吸光度D1730と1600cm−1での吸光度D1600とを求め、D1730/D1600から算出される吸光度比(A)とATR法赤外分光分析により前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の中心部を分析し得られた赤外スペクトルのうち、1730cm−1での吸光度D1730と1600cm−1での吸光度D1600とを求め、D1730/D1600から算出される吸光度比(B)とが、(B)<(A)であり、且つ(A)が0.20〜0.60の範囲内である関係を満たす発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
- 前記吸光度比(B)が0.15〜0.50の範囲内である請求項1に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
- 請求項1又は2記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を予備発泡して得られたポリスチレン系樹脂予備発泡粒子。
- 請求項1又は2に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を嵩密度が0.05〜0.50g/cm3の範囲となるように予備発泡して得られたポリスチレン系樹脂予備発泡粒子。
- 請求項1又は2に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を成形型のキャビティ内に充填して加熱、発泡させて得られたポリスチレン系樹脂発泡成形体。
- 請求項3又は4に記載のポリスチレン系樹脂予備発泡粒子を成形型のキャビティ内に充填して加熱、発泡させて得られたポリスチレン系樹脂発泡成形体。
- (1)ポリスチレン系樹脂種粒子を水中に分散させてなる分散液中に、ポリスチレン系樹脂種粒子100質量部に対し、スチレン系単量体7.0〜80.0質量部とアクリル酸エステル単量体2.0〜12.0質量部とを供給し、これらの単量体を種粒子に吸収、重合させてポリスチレン系樹脂粒子を成長させる第1重合工程と、
(2)次いで、ポリスチレン系種粒子の重合転化率が96質量%以上となった時点で該分散液中にスチレン系単量体のみを供給し、これを種粒子に吸収、重合させてポリスチレン系樹脂粒子を成長させる第2重合工程と、
(3)第2重合工程を行ってポリスチレン系樹脂粒子を製造した後、又はポリスチレン系樹脂粒子の成長途上で発泡剤を含浸させて請求項1又は2記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得る工程とを有する発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
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