JP2020110994A - ポリスチレン系樹脂多層発泡シートの製造方法、及びポリスチレン系樹脂多層発泡シート - Google Patents
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Abstract
Description
また、特許文献2に記載のゴム変性スチレン系樹脂シートは、非発泡シートのみの深絞り成形は可能であるが、発泡シートに積層した場合、展開倍率が大きい深絞り成形を行うと成形体の側面にワレが発生するので、深絞り成形性は未だ不十分なものである。
[1]ポリスチレン系樹脂発泡シートの少なくとも片面に、ポリスチレン系樹脂層を積層して、多層発泡シートを製造する方法において、
該ポリスチレン系樹脂層は、粒子状のゴム状重合体がポリスチレン系樹脂マトリックス中に分散している耐衝撃性ポリスチレン系樹脂と、分岐鎖を有する分岐ポリスチレン系樹脂との混合樹脂からなり、
該分岐ポリスチレン系樹脂のGPC−MALS法で測定される絶対重量平均分子量が100万〜500万であると共に、該分岐ポリスチレン系樹脂のGPC−MALS法で測定される収縮因子の平均値が0.80以下であり、且つ該分岐ポリスチレン系樹脂のテトラヒドロフラン不溶分の含有量が0.1重量%以下(0を含む)であり、
該混合樹脂中の該分岐ポリスチレン系樹脂の重量割合が5重量%以上30重量%未満であることを特徴とするポリスチレン系樹脂多層発泡シートの製造方法。
[2]前記分岐ポリスチレン系樹脂が、分子鎖中に多官能性単量体由来の成分を含まないことを特徴とする前記1に記載のポリスチレン系樹脂多層発泡シートの製造方法。
[3]前記分岐ポリスチレン系樹脂中のGPC−MALS法で測定される絶対分子量100万以上の分子の重量割合が20重量%以上であることを特徴とする前記1又は2に記載のポリスチレン系樹脂多層発泡シートの製造方法。
[4]前記耐衝撃性ポリスチレン系樹脂のマトリックスのGPC−MALS法で測定される絶対重量平均分子量が10万〜35万であると共に、該マトリックスのGPC−MALS法で測定される収縮因子の平均値が0.95以上であることを特徴とする前記1〜3のいずれかに記載のポリスチレン系樹脂多層発泡シートの製造方法。
[5]前記樹脂層の積層量が50〜150g/m2であることを特徴とする前記1〜4のいずれかに記載のポリスチレン系樹脂多層発泡シートの製造方法。
[6]ポリスチレン系樹脂発泡シートの少なくとも片面に、ポリスチレン系樹脂層が積層されてなる、多層発泡シートにおいて、
該ポリスチレン系樹脂層は、粒子状のゴム状重合体がポリスチレン系樹脂マトリックス中に分散している耐衝撃性ポリスチレン系樹脂と、分岐鎖を有する分岐ポリスチレン樹脂との混合樹脂からなり、
該分岐ポリスチレン系樹脂のGPC−MALS法で測定される絶対重量平均分子量が100万〜500万であると共に、該分岐ポリスチレン系樹脂のGPC−MALS法で測定される収縮因子の平均値が0.80以下であり、かつ該分岐ポリスチレン系樹脂のテトラヒドロフラン不溶分の含有量が0.1重量%以下(0を含む)であり、
該混合樹脂中の該分岐ポリスチレン系樹脂の重量割合が5重量%以上30重量%未満であることを特徴とするポリスチレン系樹脂多層発泡シート。
本発明のポリスチレン系樹脂多層発泡シート(以下、単に多層発泡シートともいう。)の製造方法においては、ポリスチレン系樹脂発泡シート(以下、単に発泡シートともいう。)の片面又は両面にポリスチレン系樹脂樹脂層(以下、単に樹脂層ともいう。)を積層することにより、多層発泡シートが製造される。
また、本発明方法においては、予め作製された耐衝撃性ポリスチレン系樹脂フィルムを発泡シートに積層接着させて樹脂層を形成する熱ラミネート法や、発泡シート形成用の発泡性溶融樹脂と樹脂層形成用溶融樹脂とを共押出用ダイを用いて積層し、共押出発泡するという共押出発泡法を採用することもできる。この場合の装置及び方法についても、従来公知の装置及び方法を使用することができる。
該混合樹脂は、粒子状のゴム状重合体がポリスチレン系樹脂マトリックス中に分散している耐衝撃性ポリスチレン系樹脂と、分岐鎖を有する分岐ポリスチレン系樹脂との混合樹脂からなるものである。
該耐衝撃性ポリスチレン系樹脂は、粒子状のゴム状重合体がポリスチレン系樹脂マトリックス中に分散している樹脂である。即ち、該耐衝撃性ポリスチレン系樹脂は、ポリスチレン系樹脂がマトリックスを形成し、該マトリックスに粒子状のゴム状重合体(ゴム状重合体粒子)が分散しているものであり、該ゴム状重合体粒子によりポリスチレン系樹脂の耐衝撃性が向上したものである。
測定対象となる耐衝撃性ポリスチレン系樹脂0.3〜1.0gを秤量し、これにクロロホルムを50mL加えて耐衝撃性ポリスチレン系樹脂を溶解させた後、ウィイス試薬(一塩化ヨウ素の酢酸溶液)25mLを加えて軽く撹拌し、密栓して室温暗所で放置する。次いで、これに100g/Lのヨウ化カリウム水溶液20mLと精製水100mLを加え、撹拌した後、0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液を滴定液とし、電位差滴定装置を用いて滴定を行い、下記式を用いてブタジエンの含有量を算出する。
ブタジエン含有量(%)=({(V0−V1)×f×1.269})/S×54.09/253.8
S:採取試料の質量(g)
V0:空試験で要した滴定液の量(mL)
V1:本試験で要した滴定液の量(mL)
f:滴定液のファクター(1.000)
分岐ポリスチレン系樹脂は、分岐鎖を有するポリスチレン系樹脂である。本発明においては、分岐ポリスチレン系樹脂の中でも、より高分子量であり、かつより高度に分岐している分岐ポリスチレン系樹脂が用いられる。具体的には、該分岐ポリスチレン系樹脂のGPC−MALS法で測定される絶対重量平均分子量が100万〜500万であると共に、該分岐ポリスチレン系樹脂のGPC−MALS法で測定される収縮因子の平均値が0.80以下であり、且つ該分岐ポリスチレン系樹脂のテトラヒドロフラン不溶分の含有量が0.1重量%以下(0を含む)である。
本発明で用いられる分岐ポリスチレン系樹脂は、絶対重量平均分子量が100万を超え、収縮因子の平均値が0.80以下である場合であっても、ゲル化物を実質的に含まない。このような分岐ポリスチレン系樹脂は、例えば分岐鎖をグラフト重合により形成させることにより得ることができる。このような分岐構造のポリスチレン系樹脂は、分岐鎖が局所的に集中して主鎖に結合していることがなく、分岐鎖が主鎖全体に均一に結合していると考えられる。この構造により、分子量が高く、かつ高度に分岐していても、ゲル化物の生成が抑制されているものと考えられる。
分岐ポリスチレン系樹脂1gを精秤して、これにテトラヒドロフラン30mlを加え、23℃で24時間浸漬後、5時間振とうし、静置する。次いで上澄みをデカンテーションにより取り除き、再度テトラヒドロフラン10mlを加えて静置し、上澄みをデカンテーションにより取り除き、23℃で24時間乾燥する。乾燥後の重量を求め、次式によりテトラヒドロフラン不溶分を求める。
テトラヒドロフラン不溶分(%)=[乾燥後の不溶分重量/試料の重量]×100
該混合樹脂においては、前記分岐ポリスチレン系樹脂の混合樹脂中の重量割合は5重量%以上30重量%未満である。該分岐ポリスチレン系樹脂の配合量が少なすぎると、成形性向上効果が十分に発揮されないおそれがある。一方、該配合量が多すぎると、樹脂層の耐衝撃性が低下しすぎてしまい、得られた成形品が割れやすくなるおそれがある。かかる観点から、分岐ポリスチレン系樹脂の重量割合の下限は、10重量%であることが好ましく、その上限は20重量%であることが好ましい。
GPC−MALS法により、ポリスチレン系樹脂(分岐ポリスチレン系樹脂、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂のマトリックス部分)の絶対分子量及び回転半径が測定される。具体的には、ポリスチレン系樹脂等の測定試料を、テトラヒドロフラン等の溶媒に溶解してポリスチレン系樹脂溶液を調製し、GPC測定にかけると、分子サイズが大きいポリマーほど先に溶出することから、ポリスチレン系樹脂溶液を分子サイズにより分けることができる。引き続き、MALS測定において、GPC測定で分子サイズにより分けられたポリスチレン系樹脂溶液に、レーザー光を照射し、レイリー散乱によってスチレン系樹脂溶液から生じた散乱光強度を計測する。得られた測定値から、以下の式(1)及び図1に示すDebyeプロットを用いて重量平均分子量Mw’及び二乗平均回転半径<Rg 2>を算出する。
n0:溶媒の屈折率
dn/dc:屈折率の濃度増分
λ0:真空中での入射光の波長
NA:アボガドロ数
c:サンプル濃度(g/mL)
R(θ):過剰散乱のレイリー比
Mw’:重量平均分子量(g/mole)
P(θ):干渉因子
P(θ)=(1−2{(4π/λ)sin(θ/2)}2<Rg 2>/3!+・・・)
λ:測定系における波長 λ0/n0
<Rg 2>:二乗平均回転半径
A2:第二ビリアル係数
Debyeプロットにより得られる回帰直線と縦軸との切片(Y軸切片)から、GPC測定で分子サイズにより分けられたポリスチレン系樹脂の重量平均分子量Mw’、回帰直線の初期勾配から、該ポリスチレン系樹脂の二乗平均回転半径<Rg 2>がそれぞれ求められる。
GPC測定において、各溶出時間におけるサンプル濃度は非常に希薄であるため、2A2cの項を0として解析すると、GPC測定で分子サイズにより分けられたポリスチレン系樹脂の重量平均分子量Mw’と二乗平均回転半径<Rg 2>は、それぞれ、下記式(2)、(3)により求められる。
dy/dx:回帰直線の初期勾配
この解析により得られる、重量平均分子量Mw’が、本発明における「GPC−MALS法により求められる絶対重量平均分子量」であり、数平均分子量Mn’が、本発明における「GPC−MALS法により求められる絶対数平均分子量」であり、Z平均分子量Mz’が、本発明における「GPC−MALS法により求められる絶対Z平均分子量」である。
これに対し、直鎖ポリスチレンを標準物質として、GPC法により求められる重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn、Z平均分子量Mzは、ポリスチレン系樹脂の相対分子量である。
ポリスチレン系樹脂の二乗平均回転半径<Rg 2>Bと直鎖ポリスチレンの二乗平均回転半径<Rg 2>Lの比を収縮因子gとして、下記式(4)〜(6)に基づき、収縮因子gを求めることができる。
測定対象となる試料をメチルエチルケトン/メタノール混合溶媒(質量比10/1)に溶解させ、遠心分離機にて遠心分離を行う。分離後の上澄み液をメタノールに少量ずつ滴下し、ポリスチレン系樹脂成分を沈殿させ、次いでペーパーフィルタを用いて吸引ろ過しマトリックス相であるスチレン系樹脂を分別する。これを真空乾燥などにより乾燥させて測定試料とする。
また、溶融時の流動性の観点から、数平均分子量Mn’は300万以下であることが好ましく、100万以下であることがより好ましく、90万以下であることが更に好ましい。
また、溶融時の流動性の観点から、Z平均分子量Mz’は1500万以下であることが好ましく、1200万以下であることがより好ましい。
本発明で用いられる分岐ポリスチレン系樹脂の200℃における溶融張力は500mN以上であることが好ましい。
また、溶融張力の上限は、本発明の所期の目的を達成することが可能であれば特に限定されるものではないが、概ね1500mNであることが好ましい。
該MFRは、JIS K7210−1:2014に基づき、200℃、荷重5kgで測定される値である。
該発泡シートとしては、従来公知の押出発泡法により製造されたものを使用することができる。該発泡シートの製造に用いられる樹脂、物理発泡剤、添加剤等は次の通りである。
気泡調整剤の添加量は、基材樹脂100重量部当たり0.01〜3重量部であることが好ましく、より好ましくは0.03〜1重量部である。
該多層発泡シートは、前記ポリスチレン系樹脂発泡シートの片面または両面に前記樹脂層を積層することにより得られるものである。樹脂層を積層する方法としては、押出ラミネート、熱ラミネートや共押出法が挙げられ、これらを実施するためには、従来公知の装置、方法を用いることができる。これらの方法の中でも、押出ラミネートにより発泡シートに樹脂層を積層することが好ましい。
該多層発泡シートは、発泡シートの片面又は両面に、樹脂層が積層されているものであり、該樹脂層は、粒子状のゴム状重合体がポリスチレン系樹脂マトリックス中に分散している前記耐衝撃性ポリスチレン系樹脂と、分岐鎖を有する前記分岐ポリスチレン樹脂との混合樹脂からなるものである。
該分岐ポリスチレン樹脂は、前記したように、GPC−MALS法で測定される絶対重量平均分子量が100万〜500万であると共に、GPC−MALS法で測定される収縮因子の平均値が0.80以下であり、かつ該分岐ポリスチレン系樹脂のテトラヒドロフラン不溶分の含有量が0.1重量%以下の樹脂である。また、該混合樹脂中の該分岐ポリスチレン系樹脂の重量割合は5重量%以上30重量%未満である。
(1)略称「HIPS1」:PSジャパン株式会社製耐衝撃性ポリスチレン「475D」(MFR=4g/10min、ブタジエン量6.3%)
(2)略称「HIPS2」:東洋スチレン株式会社製耐衝撃性ポリスチレン「H450」(MFR=5.5g/10min、ブタジエン量5.1%)
(3)略称「HIPS3」:PSジャパン株式会社製耐衝撃性ポリスチレン「408」(MFR=7g/10min、ブタジエン量5.0%)
(4)略称「HIPS4」:PSジャパン株式会社製耐衝撃性ポリスチレン「AGI02」(MFR=15g/10min、ブタジエン量5.3%)
耐衝撃性ポリスチレン系樹脂の諸物性を表1に示す。
(1)略称「多分岐PS1」
(核粒子の作製)
撹拌装置を備えた内容積が1m3のオートクレーブに、脱イオン水350kg、懸濁剤として第三リン酸カルシウム(太平化学産業株式会社製、20.5%スラリー)2.1kg、界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(東京化成工業株式会社製、10%水溶液)0.158kg、ドデシルジフェニルエーテルスルホン酸二ナトリウム(花王株式会社製、ペレックスSSH、10%水溶液)0.053kg、電解質として酢酸ナトリウム0.535kgを投入した。
次いで、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.975kg(日油株式会社製、パーブチルO)及びt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート0.284kg(日油株式会社製、パーブチルE)、重合禁止剤として4−tert−ブチルカテコール15.4gを、スチレン390kgに溶解させ、110rpmで撹拌しながら、これをオートクレーブ内に供給した。オートクレーブ内を窒素置換した後、昇温を開始し、1時間15分かけて90℃まで昇温した。
90℃到達後、100℃まで5時間かけて昇温した。100℃到達後、1時間30分かけて115℃まで昇温した。115℃で2時間40分保持し、その後40℃まで2時間かけて冷却した。90℃までの昇温中、60℃到達の時点で、懸濁助剤として過硫酸カリウム1.95gをオートクレーブ内に投入した。
冷却後、内容物を取り出し、重合されたポリスチレン系樹脂の粒子の表面に付着した第三リン酸カルシウムを硝酸により溶解させた後、水で洗浄し、遠心分離機で脱水した。
得られた粒子を篩にかけて、直径が0.5〜1.3mmの粒子(平均粒子径0.8mm)を取り出し、これを核粒子とした。
なお、スチレンの添加に当たっては、上記添加条件、重合に用いた重合開始剤の化学的特性、及び重合温度から計算したスチレンの重合速度をもとに、シミュレーションにより経過時間に対する核粒子中のスチレン含有量変化と温度変化を確認し、そのシミュレーションに基づき、スチレンの添加中の核粒子中のスチレン含有量が10重量%以下となるようにスチレンを追加添加した。
スチレンの追加添加開始時、添加開始から2.5時間経過時、追加添加終了時のそれぞれにおいて、ポリスチレン系樹脂粒子中のスチレン含有量を測定したところ、核粒子中のスチレン含有量はそれぞれ3重量%、5重量%、4重量%であった。
その後、水性媒体を120℃まで2時間かけて昇温し、120℃で3時間保持することで未反応のスチレン単量体を重合させた。
オートクレーブ内を冷却後、オートクレーブから取り出したポリスチレン系樹脂の粒子を希硝酸で洗浄して粒子表面に付着した懸濁剤を溶解除去した後、水洗を行い、さらに遠心分離機で脱水し、多分岐PS1を得た。
重合開始剤の量を3.06kgから1.54kg、連鎖移動剤の量を1.15kgから0.22kgに変更した以外は、多分岐PS1の製造条件と同様にして、多分岐PS2を作製した。なお、スチレンの追加添加開始時、添加開始から2.5時間経過時、追加添加終了時のそれぞれにおいて、スチレン系樹脂粒子中のスチレン含有量を測定したところ、核粒子中のスチレン含有量はそれぞれ7重量%、7重量%、6重量%であった。
(3)略称「多分岐PS3」:DIC株式会社製「ハイブランチHP780AN」
分岐ポリスチレン系樹脂の諸物性を表2に示す。なお、表2中の溶融張力の測定には、測定サンプルの均質化を目的として、上記の分岐ポリスチレン系樹脂を同方向2軸押出機(スクリュ径:26mm)にて200℃、回転数:80rpm、吐出:15kg/hrの条件にて溶融混錬してリペレタイズしたものを測定サンプルとして用いた。
表3に示す種類、重量割合の耐衝撃性ポリスチレンと分岐ポリスチレン系樹脂を、同方向2軸押出機(スクリュ径:26mm、回転数:80rpm、吐出:15kg/hr)に供給し、200℃にて溶融、混合して混合樹脂ペレットを得た。混合樹脂ペレットをTダイを備えた押出機に投入して240℃の樹脂温度となるように溶融させ、前記発泡シートの一方の表面に120g/m2の坪量となるように押出ラミネート法により積層した(引取速度:10.0m/min)。
実施例、比較例で得られた多層発泡シートの見掛け密度は0.17g/cm3、厚みは2.0mm、坪量:340g/m2であった。
実施例、比較例で得られた多層発泡シートの熱成形性評価を表3に示す。また、樹脂層の形成に用いた混合樹脂について、溶融粘度、溶融張力を測定した結果を表3に示す。
○:良好な成形体を得ることができる加熱時間の範囲が5秒以上である。
×:良好な成形体を得ることができる加熱時間の範囲が5秒未満である。
なお、良好な成形体を得ることができる加熱時間の範囲が5秒以上であれば、連続成形においても安定して成形が可能となる。
株式会社オリエンテック製テンシロン:RTC−1250Aを用いて、成形体の開口部周縁に形成されたフランジ部を、容器開口部に対して水平方向に速度100mm/minで圧縮し、フランジ部に割れが発生した際の変位を測定し以下の基準で評価した。
○:フランジ部割れが発生した変位量が30%以上。
×:フランジ部割れが発生した変位量が30%未満。
Claims (6)
- ポリスチレン系樹脂発泡シートの少なくとも片面に、ポリスチレン系樹脂層を積層して、多層発泡シートを製造する方法において、
該ポリスチレン系樹脂層は、粒子状のゴム状重合体がポリスチレン系樹脂マトリックス中に分散している耐衝撃性ポリスチレン系樹脂と、分岐鎖を有する分岐ポリスチレン系樹脂との混合樹脂からなり、
該分岐ポリスチレン系樹脂のGPC−MALS法で測定される絶対重量平均分子量が100万〜500万であると共に、該分岐ポリスチレン系樹脂のGPC−MALS法で測定される収縮因子の平均値が0.80以下であり、且つ該分岐ポリスチレン系樹脂のテトラヒドロフラン不溶分の含有量が0.1重量%以下(0を含む)であり、
該混合樹脂中の該分岐ポリスチレン系樹脂の重量割合が5重量%以上30重量%未満であることを特徴とするポリスチレン系樹脂多層発泡シートの製造方法。
- 前記分岐ポリスチレン系樹脂が、分子鎖中に多官能性単量体由来の成分を含まないことを特徴とする請求項1に記載のポリスチレン系樹脂多層発泡シートの製造方法。
- 前記分岐ポリスチレン系樹脂中のGPC−MALS法で測定される絶対分子量100万以上の分子の重量割合が20重量%以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリスチレン系樹脂多層発泡シートの製造方法。
- 前記耐衝撃性ポリスチレン系樹脂のマトリックスのGPC−MALS法で測定される絶対重量平均分子量が10万〜35万であると共に、該マトリックスのGPC−MALS法で測定される収縮因子の平均値が0.95以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリスチレン系樹脂多層発泡シートの製造方法。
- 前記樹脂層の積層量が50〜150g/m2であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリスチレン系樹脂多層発泡シートの製造方法。
- ポリスチレン系樹脂発泡シートの少なくとも片面に、ポリスチレン系樹脂層が積層されてなる、多層発泡シートにおいて、
ポリスチレン系樹脂層は、粒子状のゴム状重合体がポリスチレン系樹脂マトリックス中に分散している耐衝撃性ポリスチレン系樹脂と、分岐鎖を有する分岐ポリスチレン樹脂との混合樹脂からなり、
該分岐ポリスチレン系樹脂のGPC−MALS法で測定される絶対重量平均分子量が100万〜500万であると共に、該分岐ポリスチレン系樹脂のGPC−MALS法で測定される収縮因子の平均値が0.80以下であり、かつ該分岐ポリスチレン系樹脂のテトラヒドロフラン不溶分の含有量が0.1重量%以下(0を含む)であり、
該混合樹脂中の該分岐ポリスチレン系樹脂の重量割合が5重量%以上30重量%未満であることを特徴とするポリスチレン系樹脂多層発泡シート。
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