JP2015193732A - ゴム組成物及びこれを用いる空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
そこで、本発明は、低発熱性に優れるゴム組成物を提供することを目的とする。
1. ジエン系ゴム100質量部に対して、カーボンブラック1〜100質量部及び/又は白色充填剤10〜150質量部と、スズオキサイド化合物0.1〜10質量部と、メルカプト基を有するメルカプト基含有シランカップリング剤1〜20質量部とを含有する、ゴム組成物。
2. 前記スズオキサイド化合物が、下記式(1)で表わされる化合物である、上記1に記載のゴム組成物。
[式中、nは1又は2であり、R1およびR2は、それぞれ独立に、置換基を有してもよい、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、ヒドロキシ基、−NRR′基(前記R、前記R′はそれぞれ独立に置換基を有してもよい、炭素数1〜20の炭化水素基、又は水素である。)、ハロゲン又は水素である。]
3. 前記メルカプト基含有シランカップリング剤が、下記式(2)で表される化合物である、上記1又は2に記載のゴム組成物。
[式(2)中、R3は、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。R4は直鎖状又は分岐状のポリエーテル基を表す。R5は、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜12のアルキル基を表す。R6は、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜10のアルキレン基を表す。lは1〜3の整数を表し、mは0〜2の整数を表し、nは0〜1の整数を表し、l、mおよびnはl+m+n=3の関係式を満たす。]
4. 前記白色充填剤がシリカである、上記1〜3のいずれか1項に記載のゴム組成物。
5. 更に、含硫黄化合物(前記メルカプト基含有シランカップリング剤を除く。)を含有する、上記1〜4のいずれか1項に記載のゴム組成物。
6. 前記含硫黄化合物が少なくとも含硫黄シランカップリング剤を含む、上記5に記載のゴム組成物。
7. 前記含硫黄シランカップリング剤の量が前記ジエン系ゴム100質量部に対して1〜15質量部である、上記6に記載のゴム組成物。
8. 上記1〜7のいずれかに記載のゴム組成物を用いて製造される空気入りタイヤ。
9. 前記ゴム組成物を、キャップトレッド、サイドウォール、ベルト、インナーライナー、カーカス及びビードからなる群から選ばれる少なくとも1種に使用する、上記8に記載の空気入りタイヤ。
本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に対して、カーボンブラック1〜100質量部及び/又は白色充填剤10〜150質量部と、スズオキサイド化合物0.1〜10質量部と、メルカプト基を有するメルカプト基含有シランカップリング剤1〜20質量部とを含有する、ゴム組成物である。
本発明のゴム組成物を加硫する際、スズオキサイド化合物が、メルカプト基含有シランカップリング剤が有するメルカプト基とジエン系ゴムとの反応を制御すると考えられる。このため、得られるゴムの架橋点間距離がより均一となり、低発熱性に優れると考えられる。
なお上記メカニズムは本発明者の推測でありメカニズムが上記以外であっても本発明の範囲内である。
芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムとしては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、スチレン−イソプレン共重合体ゴムなどが挙げられる。なかでも、耐摩耗性に優れる理由から、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)であることが好ましい。
ジエン系ゴムの重量平均分子量は、低発熱性により優れ、耐摩耗性に優れるという観点から、200,000〜2,500,000であるのが好ましい。本発明において、ジエン系ゴムの重量平均分子量(Mw)は、テトラヒドロフランを溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレン換算により測定するものとする。
ジエン系ゴムはその製造について特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。
ジエン系ゴムの組み合わせは、耐摩耗性に優れるという観点から、SBRとBRとの組合せが好ましい。SBRとBRとの量比(SBR:BR、質量比)は、50〜99:50〜1とすることができる。
本発明において、カーボンブラックの量は、ジエン系ゴム100質量部に対して1〜100質量部である。カーボンブラックの量は、低発熱性により優れ、耐摩耗性に優れるという観点から、ジエン系ゴム100質量部に対して、1.5〜90質量部であるのが好ましく、2〜80質量部であるのがより好ましい。
シリカとしては、例えば、湿式シリカ、乾式シリカ、ヒュームドシリカ、珪藻土などが挙げられる。シリカは、ゴムの補強性の観点から湿式シリカを含むことが好ましい。
ここで、CTAB吸着比表面積は、シリカがシランカップリング剤との吸着に利用できる表面積の代用特性であり、シリカ表面へのCTAB吸着量をJIS K6217−3:2001「第3部:比表面積の求め方−CTAB吸着法」にしたがって測定した値である。
白色充填剤はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明のゴム組成物に含有されるスズオキサイド化合物は、Sn=Oを有する化合物である。
スズオキサイド化合物は有機基を有することができる。有機基はスズ原子に結合することができる。
本発明において、有機基としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子のようなヘテロ原子を有することができる炭化水素基が挙げられる。炭化水素基は、例えば、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、これらの組み合わせが挙げられ、直鎖状、分岐状のいずれでもよく、不飽和結合を有してもよい。具体的には、例えば、置換基を有してもよい、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、−NRR′基(前記R、前記R′はそれぞれ独立に炭素数1〜20の炭化水素基及び/又は水素である。)が挙げられる。置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシル基、シアノ基、アミノ基、ハロゲンなどが挙げられる。
また、スズオキサイド化合物は、スズ原子に、例えば、ヒドロキシ基(−OH基)、アミノ基(−NH2基)、ハロゲン(例えば、−F、−Cl、−Br、−I)のような官能基、水素(−H)、酸素原子が結合するのが好ましい態様の1つとして挙げられる。
[式中、nは1又は2であり、R1およびR2は、それぞれ独立に、置換基を有してもよい、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、ヒドロキシ基、−NRR′基(前記R、前記R′は上記と同様である。)、ハロゲン又は水素である。]
置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基;これらのアルコキシ基の水素原子の少なくとも1つが上記置換基に置換されたものが挙げられる。
−NRR′基において、R、R′はそれぞれ独立に置換基を有してもよい炭素数1〜20の炭化水素基、又は水素であり、置換基を有してもよい炭素数1〜20の炭化水素基は上記と同様である。−NRR′基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ジフェニルアミノ基、アミノ基などが挙げられる。
ハロゲンとしては、例えば、−F、−Cl、−Br、−Iが挙げられる。
スズオキサイド化合物は、式(1)で表される化合物を少なくとも含むものとすることができる。
式(1)で表される化合物が上記R1−SnO−R2を含む場合、式(1)で表される化合物は更にR1−SnO−O1/2(式中R1は炭素数1〜20の炭化水素基である。R1−SnO−O1/2のR1はR1−SnO−R2のR1と同様である。)を含むことができる。
上記式においてX、Yはそれぞれ独立に正の数とすることができる。
スズオキサイド化合物はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明のゴム組成物に含有されるメルカプト基含有シランカップリング剤は、メルカプト基と加水分解性シリル基及び/又はシラノール基とを有する化合物であれば特に制限されない。
置換基を有してもよい炭素数1〜20の2価の炭化水素基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、オクチレン基、デシレン基、ドデシレン基;これらの炭化水素基の水素原子の少なくとも1つが置換基に置換されたものが挙げられる。
なかでも、低発熱性により優れ、耐摩耗性に優れるという観点から、メルカプト基含有シランカップリング剤は、下記式(2)で表される化合物であるのが好ましい。
上記式(2)中、R3は、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。なかでも、低発熱性により優れる理由から、炭素数1〜3のアルコキシ基が好ましい。炭素数1〜3のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基などが挙げられる。なお、lが2又は3である場合の複数のR3はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。R3のアルコキシ基が加水分解されてヒドロキシ基となってもよい。
ポリエーテル基の好適な態様としては、下記式(3)で表されるポリエーテル基が挙げられる。
式(3)中、R8は、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜30の炭化水素基である。炭化水素基としては例えば、アルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数6〜30のアリール基、又は炭素数7〜30のアラルキル基が挙げられる。なかでも直鎖状のアルキル基が好ましい。上記直鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜20の直鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数8〜15の直鎖状のアルキル基がより好ましい。炭素数8〜15の直鎖状のアルキル基の具体例としては、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基などが挙げられ、なかでもトリデシル基が好ましい。
式(3)中、zは、2〜10の整数を表し、3〜7であることが好ましい。
式(3)中、*は、結合位置を示す。
式(2)中、R6は、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜10のアルキレン基を表す。なかでも炭素数1〜5のアルキレン基が好ましい。炭素数1〜5のアルキレン基の具体例としては、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基などが挙げられる。
式(2)中、lは1〜3の整数を表し、1であることが好ましい。mは0〜2の整数を表し、1又は2であることが好ましく、2がより好ましい。nは0〜1の整数を表し、0であることが好ましい。l、mおよびnはl+m+n=3の関係式を満たす。
なかでも、低発熱性により優れ、ウェットグリップ性能に優れ、ゴム組成物の粘度が低く、加工性に優れるという観点から、ポリエーテル基を有するシランカップリング剤が好ましく、式(2)で表される化合物(m=1又は2)がより好ましく、下記式で表される化合物(エボニック・デグサ社製Si363)が更に好ましい。
本発明に含有される含硫黄化合物は硫黄原子を有する化合物であれば特に制限されない。含硫黄化合物は、例えば、硫黄、含硫黄シランカップリング剤及び含硫黄加硫促進剤からなる群から選ばれる少なくとも1種であるとすることができる。なお本発明において、含硫黄化合物は上記メルカプト基含有シランカップリング剤を含まない。
含硫黄化合物として使用される硫黄は特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。
本発明において、メルカプト基含有シランカップリング剤と含硫黄シランカップリング剤とを併用する場合、優れた低発熱性を維持しながら、未加硫物性を優れたものとすることができ、優れた低発熱性と未加硫物性とのバランスに優れる。
含硫黄シランカップリング剤としては例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドのようなポリスルフィド系シランカップリング剤;モノスルフィド基含有シランカップリング剤;3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシランのようなチオカルボキシレート系シランカップリング剤;3−チオシアネートプロピルトリエトキシシランのようなチオシアネート系シランカップリング剤が挙げられる。
なかでも、低発熱性により優れ、ウェットグリップ性能に優れ、ゴム組成物の粘度が低くなり、加工性に優れるという観点から、モノ又はポリスルフィド基含有シランカップリング剤が好ましく、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドがより好ましい。
なかでも、低発熱性により優れ、ウェットグリップ性能に優れ、ゴム組成物の粘度が低くなり、加工性に優れるという観点から、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドが好ましい。
含硫黄化合物はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
硫黄の量はジエン系ゴム100質量部に対して0.1〜10質量部であるのが好ましい。
含硫黄加硫促進剤の量はジエン系ゴム100質量部に対して0.1〜10質量部であるのが好ましい。
含硫黄シランカップリング剤の量は、低発熱性により優れ、ウェットグリップ性能に優れ、ゴム組成物の粘度が低くなり、加工性に優れるという観点から、ジエン系ゴム100質量部に対して、1〜15質量部であるのが好ましく、2〜15質量部であるのがより好ましく、3〜12質量部であるのが更に好ましい。
硫黄を含まないシランカップリング剤の量は、低発熱性により優れるという観点から、ジエン系ゴム100質量部に対して、1〜15質量部であるのが好ましく、3〜12質量部であるのがより好ましい。
添加剤としては、例えば、酸化亜鉛、ステアリン酸、老化防止剤、加工助剤、アロマオイル、液状ポリマー、テルペン系樹脂、熱硬化性樹脂、硫黄以外の加硫剤、硫黄原子を有さない加硫促進剤、硫黄原子を有さない加硫促進助剤など、ゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤が挙げられる。
また、本発明のゴム組成物は、従来公知の加硫または架橋条件で加硫または架橋することができる。
本発明のゴム組成物は例えば、タイヤ、ベルト、ホースなどに使用することができる。
本発明の空気入りタイヤは、本発明のゴム組成物を用いて製造される空気入りタイヤである。本発明の空気入りタイヤにおいて使用されるゴム組成物は本発明のゴム組成物であれば特に制限されない。本発明の空気入りタイヤは、ゴム組成物を、キャップトレッド、サイドウォール、ベルト、インナーライナー、カーカス及びビードからなる群から選ばれる少なくとも1種に使用するのが好ましい態様の1つとして挙げられる。
図1は、本発明の空気入りタイヤの実施形態の一例について、そのタイヤ子午線方向の部分断面を模式的に表す断面図である。図1において、符号1はキャップトレッド、符号2はサイドウォール、符号3はビードである。
<未加硫ゴム組成物の製造>
表1、表2に示す配合(質量部)において、加硫系(加硫促進剤、硫黄)を除く成分を1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練した後、ミキサー外に放出させて室温冷却した。続いて、該組成物をオープンロールで、加硫系を加えて混練し、未加硫ゴム組成物を得た。
<加硫ゴムの製造>
次に上述のとおり製造された未加硫ゴム組成物を所定の金型中で160℃で20分間プレス加硫して加硫ゴムを調製した。
上述のとおり製造された、未加硫ゴム組成物、加硫ゴムについて以下に示す試験法で物性を測定した。結果を表1、表2に示す。表1では結果を比較例1の値を100とする指数で示した。表2では結果を比較例4の値を100とする指数で示した。
・ビスの測定
JIS K6300に準拠して、L形ローターを使用し、ムーニー粘度ML(1+4)100℃を求めた。
指数が小さいほどムーニー粘度が低く良好なことを示す。
JIS K6300に準拠して、125℃にて粘度が5ポイント上昇する時間(分)を測定した。
指数が大きいほど加工性が良好なことを示す。
岩本製作所(株)製の粘弾性スペクトロメーターを用い、伸張変形歪率10±2%、振動数20Hz、温度0℃又は60℃の条件にて加硫ゴムについてtanδ(0℃)、tanδ(60℃)を測定した。
tanδ(0℃)の指数が大きいほどウェットグリップ性能に優れることを示す。
tanδ(60℃)の指数が小さいほど低発熱性に優れることを示す。
・E−SBR:乳化重合SBR Nipol1502、日本ゼオン社製
・BR:日本ゼオン社製、Nipol BR 1220
・スズオキサイド化合物1:下記式で表されるジ−n−オクチルスズオキサイド。北興化学工業社製DOTO
・含硫黄シランカップリング剤(スルフィド基含有):ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド。エボニック・デグサ社製Si69VP
・メルカプト基含有シランカップリング剤1:エボニック・デグサ社製Si363
・メルカプト基含有シランカップリング剤2:γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業社製KBM−803
・シリカ:湿式シリカ、日本シリカ社製ニップシールAQ、CTAB吸着比表面積170m2/g
・カーボンブラック:昭和キャボット社製ショウブラックN339M
・酸化亜鉛:正同化学社製亜鉛華3号
・ステアリン酸:日本油脂社製ステアリン酸
・老化防止剤:老化防止剤(S−13)、住友化学社製アンチゲン6C
・オイル:昭和シェル石油社製エクストラクト4号S
・硫黄:軽井沢精錬所社製油処理硫黄
・含硫黄加硫促進剤(CZ):N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、三新化学社製サンセラーCM−PO
・加硫促進剤(DPG):ジフェニルグアニジン、三新化学社製サンセラーD−G
これに対して、実施例1〜6は、比較例2、3よりも、更に低発熱性が優れることが明らかとなった。
また、実施例1〜3の結果から、メルカプト基含有シランカップリング剤の量が多いほど、加硫物性、未加硫物性が優れた。実施例4〜6についても同様である。
また、実施例2と実施例5とを比較すると、低発熱性については、スズオキサイド化合物がジ−n−オクチルスズオキサイドである場合、モノ−n−オクチルスズオキサイドを含む化合物より、低発熱性がより優れ、ウェットグリップ性能に優れた。また、実施例2、5の未加硫物性については、スズオキサイド化合物がモノ−n−オクチルスズオキサイドを含む化合物である場合、ジ−n−オクチルスズオキサイドより、未加硫物性が優れた。実施例3、6においても低発熱性、未加硫物性について同様のことが言える。
また、実施例7、8を比較すると、メルカプト基含有シランカップリング剤がポリエーテル基を有さない場合(実施例8)よりも、メルカプト基含有シランカップリング剤がポリエーテル基を有する場合(実施例7)のほうが、低発熱性により優れた。
また、実施例7、2を比較すると、メルカプト基含有シランカップリング剤と含硫黄シランカップリング剤とを併用する場合(実施例2)より、メルカプト基含有シランカップリング剤を使用する場合(実施例7)のほうが、低発熱性により優れた。
また、メルカプト基含有シランカップリング剤と含硫黄シランカップリング剤とを併用する場合(実施例2)は、優れた低発熱性を維持しながら、未加硫物性を優れたものとすることができ、優れた低発熱性と未加硫物性とのバランスに優れるということができる。
2 サイドウォール
3 ビード
4 カーカス
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 インナーライナー
8 ベルト
9 ベルトカバー
12 キャップトレッドゴム層
13 サイドゴム層
14 リムクッションゴム層
Claims (9)
- ジエン系ゴム100質量部に対して、カーボンブラック1〜100質量部及び/又は白色充填剤10〜150質量部と、スズオキサイド化合物0.1〜10質量部と、メルカプト基を有するメルカプト基含有シランカップリング剤1〜20質量部とを含有する、ゴム組成物。
- 前記スズオキサイド化合物が、下記式(1)で表わされる化合物である、請求項1に記載のゴム組成物。
[式中、nは1又は2であり、R1およびR2は、それぞれ独立に、置換基を有してもよい、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、ヒドロキシ基、−NRR′基(前記R、前記R′はそれぞれ独立に置換基を有してもよい、炭素数1〜20の炭化水素基、又は水素である。)、ハロゲン又は水素である。] - 前記メルカプト基含有シランカップリング剤が、下記式(2)で表される化合物である、請求項1又は2に記載のゴム組成物。
[式(2)中、R3は、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。R4は直鎖状又は分岐状のポリエーテル基を表す。R5は、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜12のアルキル基を表す。R6は、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜10のアルキレン基を表す。lは1〜3の整数を表し、mは0〜2の整数を表し、nは0〜1の整数を表し、l、mおよびnはl+m+n=3の関係式を満たす。] - 前記白色充填剤がシリカである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム組成物。
- 更に、含硫黄化合物(前記メルカプト基含有シランカップリング剤を除く。)を含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のゴム組成物。
- 前記含硫黄化合物が少なくとも含硫黄シランカップリング剤を含む、請求項5に記載のゴム組成物。
- 前記含硫黄シランカップリング剤の量が前記ジエン系ゴム100質量部に対して1〜15質量部である、請求項6に記載のゴム組成物。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のゴム組成物を用いて製造される空気入りタイヤ。
- 前記ゴム組成物を、キャップトレッド、サイドウォール、ベルト、インナーライナー、カーカス及びビードからなる群から選ばれる少なくとも1種に使用する、請求項8に記載の空気入りタイヤ。
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