JP6036148B2 - ゴム組成物及びこれを用いる空気入りタイヤ - Google Patents

ゴム組成物及びこれを用いる空気入りタイヤ Download PDF

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本発明はゴム組成物及びこれを用いる空気入りタイヤに関する。
従来、タイヤ等用のゴム組成物において、例えば、ステアリン酸コバルトのような有機酸コバルトや水酸化コバルトが使用されうる(特許文献1〜2)。また有機酸コバルトはタイヤ等のゴム/金属コードとの接着助剤として使用される。
特開2001−233998号公報 特開2006−249361号公報
しかし、ゴム組成物が有機酸コバルト等を含有する場合、未加硫ゴムの粘度が高くなり、モジュラス、引張強度、破断伸びのようなゴム物性が低下する。
そこで、本発明は、低発熱性、加工性を悪化させることなくウェットグリップ性能、ゴム物性(例えば、破壊強度、破断伸び、モジュラス)に優れるゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、硫黄架橋可能なジエン系ゴムに硫黄等の含硫黄配合剤と第9族遷移金属の酸化物とを配合することで、硫黄/ゴムの架橋反応を効率的に行うこと;また、ゴム組成物がさらに含硫黄シランカップリング剤を含有する場合は硫黄/ゴムの架橋反応に加えて硫黄原子を介してのシランカップリング剤/ゴムの架橋反応を効率的に行うこと;その結果としてゴム組成物の引張強度(TB)、破断伸び(EB)、モジュラス(M100、M300)のようなゴム物性、および低温tanδを顕著に高めることを可能にし、その結果、低発熱性、加工性を悪化させることなくウェットグリップ性能、ゴム物性(例えば、破壊強度、破断伸び等。モジュラスを含む。以下同様。)を高次元でバランス化したゴム組成物が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は下記ゴム組成物及びこれを用いる空気入りタイヤを提供する。
1. 硫黄架橋可能なジエン系ゴム100質量部に対して、カーボンブラック及び/又は無機充填材10〜150質量部と、周期表における第9族に位置する遷移金属の酸化物0.1〜30質量部とを配合してなるゴム組成物。
2. 前記遷移金属が、コバルトである上記1に記載のゴム組成物。
3. さらに、含硫黄配合剤を配合する上記1又は2に記載のゴム組成物。
4. 前記含硫黄配合剤が、硫黄、含硫黄シランカップリング剤及び含硫黄加硫促進剤からなる群から選ばれる少なくとも1種である上記3に記載のゴム組成物。
5. 前記無機充填剤がシリカであり、上記1〜4のいずれかに記載のゴム組成物がさらにシランカップリング剤を配合し、前記シランカップリング剤の量が、前記ジエン系ゴム100質量部に対して1〜20質量部である上記1〜4のいずれかに記載のゴム組成物。
6. 前記酸化物が、CoO、Co23及びCo34からなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化コバルトである上記1〜5のいずれかに記載のゴム組成物。
7. 上記1〜6のいずれかに記載のゴム組成物を用いて製造される空気入りタイヤ。
8. 前記ゴム組成物を、キャップトレッド、サイドウォール、ベルト、インナーライナー、カーカス及びビードからなる群から選ばれる少なくとも1種に使用する上記7に記載の空気入りタイヤ。
本発明のゴム組成物及び本発明の空気入りタイヤは、低発熱性、加工性を悪化させることなくウェットグリップ性能、ゴム物性に優れる。
図1は本発明の空気入りタイヤの実施形態の一例について、そのタイヤ子午線方向の部分断面を模式的に表す断面図である。
本発明について以下詳細に説明する。
本発明のゴム組成物は、硫黄架橋可能なジエン系ゴム100質量部に対して、カーボンブラック及び/又は無機充填材10〜150質量部と、周期表における第9族に位置する遷移金属の酸化物0.1〜30質量部とを配合してなるゴム組成物である。
本発明では、硫黄架橋可能なジエン系ゴムに硫黄等の含硫黄配合剤と第9族遷移金属の酸化物を配合することで、硫黄/ゴムの架橋反応を効率的に行い、結果としてTB、EB、モジュラス(M100、M300)および低温tanδを顕著に高めることを可能にし、その結果、低発熱性、加工性(具体的には、粘度を下げることを可能にした。)を悪化させることなくウェットグリップ性能(低温tanδ)、破壊強度、破断伸びを高次元でバランス化したゴム組成物を得ることができる。
第9族遷移金属の酸化物、特に酸化コバルトは硫黄への親和性が高いため、硫黄/ゴムの架橋反応が促進され、破壊強度、破断伸びのようなゴム物性やウェットグリップ性能が高くなると考えられる。また第9族遷移金属の酸化物(例えば酸化コバルト)は酸化亜鉛のようにステアリン酸のような有機酸と反応して有機酸金属塩を生成することがない。したがって第9族遷移金属の酸化物は有機酸と共存しても酸化物として系内で機能すると考えられる。
ゴム組成物がシリカ及び含硫黄シランカップリング剤を含有する場合、第9族遷移金属の酸化物の使用によって、硫黄/ゴムの架橋反応に加えて硫黄原子を介してのシランカップリング剤/ゴムの架橋反応を促進し、シリカの凝集を抑制してシリカを系内に十分に分散させることができる。また、第9族遷移金属の酸化物の使用は、シランシランカップリング剤/ゴムの架橋反応を適度に促進してポリマーゲルを発生させることが少ない。このように、ジエン系ゴムに対する硫黄と第9族遷移金属酸化物の配合は、硫黄/ゴムの架橋反応、シランカップリング剤/ゴムの架橋反応、シリカ/シランカップリング剤の縮合反応を促進し(特に硫黄/ゴムの架橋反応、シランカップリング剤/ゴムの架橋反応を促進すると考えられる。)、その結果、低発熱性、加工性を悪化させることなく、優れたウェットグリップ性能、破壊強度、破断伸びをえることができると考えられる。
本発明のゴム組成物に含有されるジエン系ゴムは硫黄架橋が可能なものであれば特に限定されない。その具体例としては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(Br−IIR、Cl−IIR)、クロロプレンゴム(CR)などが挙げられる。
本発明において、ジエン系ゴムとしては、ウェットグリップ性能により優れたタイヤが得られる理由から、芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムを用いることが好ましい。
芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムとしては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、スチレン−イソプレン共重合体ゴムなどが挙げられる。なかでも、ウェットグリップ性能により優れたタイヤが得られる理由から、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)であることが好ましい。
ジエン系ゴムの重量平均分子量は、低発熱性、加工性、ウェットグリップ性能、ゴム物性(破壊強度、破断伸び等)により優れるという観点から、200,000〜2,500,000であるのが好ましい。本発明において、ジエン系ゴムの重量平均分子量(Mw)は、テトラヒドロフランを溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレン換算により測定するものとする。
ジエン系ゴムはその製造について特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。ジエン系ゴムはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明のゴム組成物に配合することができるカーボンブラックは特に制限されない。例えば従来公知のものが挙げられる。
本発明のゴム組成物に配合することができる無機充填剤は特に制限されない。例えば、シリカ、炭酸カルシウム、クレー、タルクが挙げられる。無機充填剤はシリカであるのが好ましい態様の1つとして挙げられる。
本発明のゴム組成物に含有されるシリカは特に限定されない。タイヤ等の用途でゴム組成物に配合されている従来公知の任意のシリカを用いることができる。
シリカとしては、例えば、湿式シリカ、乾式シリカ、ヒュームドシリカ、珪藻土などが挙げられる。シリカは、ゴムの補強性の観点から湿式シリカを含むことが好ましい。
シリカは、低発熱性、加工性、ウェットグリップ性能、ゴム物性(破壊強度、破断伸び等)により優れるという観点から、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB)吸着比表面積が100〜300m2/gであることが好ましく、140〜200m2/gであることがより好ましい。
ここで、CTAB吸着比表面積は、シリカがシランカップリング剤との吸着に利用できる表面積の代用特性であり、シリカ表面へのCTAB吸着量をJIS K6217−3:2001「第3部:比表面積の求め方−CTAB吸着法」にしたがって測定した値である。
カーボンブラック、無機充填剤はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明において、カーボンブラック及び/又は無機充填材の含有量は、ジエン系ゴム100質量部に対して、10〜150質量部であり、低発熱性、加工性、ウェットグリップ性能、ゴム物性(破壊強度、破断伸び等)により優れるという観点から、20〜120質量部であるのが好ましく、40〜100質量部であるのがより好ましい。
本発明のゴム組成物に含有される酸化物は、周期表における第9族に位置する遷移金属の酸化物である。周期表における第9族に位置する遷移金属は、第4周期から第7周期のいずれであってもよい。具体的には、コバルト、ロジウム、イリジウム等である。なかでも、低発熱性、加工性、ウェットグリップ性能、ゴム物性(破壊強度、破断伸び等)により優れるという観点から、遷移金属が、コバルト(第9族第4周期)であるのが好ましく、CoO、Co23及びCo34からなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化コバルトであるのがより好ましい。酸化物はその製造について特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。酸化物はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明において、酸化物の含有量は、ジエン系ゴム100質量部に対して、0.1〜30質量部であり、低発熱性、加工性、ウェットグリップ性能、ゴム物性(破壊強度、破断伸び等)により優れるという観点から、0.5〜25質量部であるのが好ましく、1〜20質量部であるのがより好ましい。
本発明のゴム組成物は、低発熱性、加工性、ウェットグリップ性能、ゴム物性(破壊強度、破断伸び等)により優れるという観点から、さらに含硫黄配合剤を含有するのが好ましい。含硫黄配合剤は硫黄原子を有する化合物であれば特に制限されない。含硫黄配合剤は、例えば、硫黄、含硫黄シランカップリング剤及び含硫黄加硫促進剤からなる群から選ばれる少なくとも1種であるとすることができる。
硫黄は特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。
含硫黄シランカップリング剤は、硫黄原子を有するシランカップリング剤であれば特に制限されない。例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィドのようなスルフィド系シランカップリング剤;γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3‐[エトキシビス(3,6,9,12,15‐ペンタオキサオクタコサン‐1‐イルオキシ)シリル]‐1‐プロパンチオールのようなメルカプト系シランカップリング剤;3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシランのようなチオカルボキシレート系シランカップリング剤;3−チオシアネートプロピルトリエトキシシランのようなチオシアネート系シランカップリング剤などが挙げられる。
なかでも、低発熱性、加工性、ウェットグリップ性能、ゴム物性(破壊強度、破断伸び等)により優れるという観点から、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシランが好ましい。
含硫黄加硫促進剤は、硫黄原子を有し、ゴム組成物に使用することができる加硫促進剤であれば特に制限されない。ここで、含硫黄加硫促進剤は含硫黄加硫促進助剤を含むものとする。含硫黄加硫促進剤としては、例えば、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィドのようなチウラム系化合物;ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛のようなジチオカルバミン酸塩;2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィドのようなチアゾール系化合物;N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドのようなスルフェンアミド系化合物などが挙げられる。
なかでも、低発熱性、加工性、ウェットグリップ性能、ゴム物性(破壊強度、破断伸び等)により優れるという観点から、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドが好ましい。
含硫黄配合剤はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
含硫黄配合剤の量は、低発熱性、加工性、ウェットグリップ性能、ゴム物性(破壊強度、破断伸び等)により優れるという観点から、ジエン系ゴム100質量部に対して1〜30質量部であるのが好ましく、1.5〜25質量部であるのがより好ましく、2〜20質量部であるのがさらに好ましい。
硫黄の量はジエン系ゴム100質量部に対して0.1〜15質量部であるのが好ましい。
含硫黄加硫促進剤の量はジエン系ゴム100質量部に対して0.1〜10質量部であるのが好ましい。
含硫黄シランカップリング剤の量は、低発熱性、加工性、ウェットグリップ性能、ゴム物性(破壊強度、破断伸び等)により優れるという観点から、ジエン系ゴム100質量部に対して、1〜20質量部であるのが好ましく、3〜15質量部であるのがより好ましい。
含硫黄配合剤が有する硫黄原子に対する前記酸化物のモル比(酸化物/含硫黄配合剤が有する硫黄原子のモル比)は、低発熱性、加工性、ウェットグリップ性能、ゴム物性(破壊強度、破断伸び等)により優れるという観点から、0.1〜10であるのが好ましく、0.3〜8であるのがより好ましい。
本発明において、無機充填剤がシリカである場合、本発明の組成物がさらにシランカップリング剤を配合するのが好ましい態様の1つとして挙げられる。
シランカップリング剤としては、含硫黄シランカップリング剤;硫黄を含まないシランカップリング剤が挙げられる。
含硫黄シランカップリング剤は上記と同様である。
硫黄を含まないシランカップリング剤は特に制限されない。例えば、アミノシランカップリング剤、エポキシシランカップリング剤、ヒドロキシシランカップリング剤が挙げられる。
この場合、シランカップリング剤は低発熱性、加工性、ウェットグリップ性能、ゴム物性(破壊強度、破断伸び等)により優れるという観点から、含硫黄シランカップリング剤であるのが好ましい。
また、シランカップリング剤の量は、低発熱性、加工性、ウェットグリップ性能、ゴム物性(破壊強度、破断伸び等)により優れるという観点から、ジエン系ゴム100質量部に対して、1〜20質量部であるのが好ましく、3〜15質量部であるのがより好ましい。
本発明のゴム組成物には、必要に応じて、その効果や目的を損なわない範囲でさらに添加剤を含有することができる。
添加剤としては、例えば、本発明のゴム組成物に含有される、酸化亜鉛、ステアリン酸、老化防止剤、加工助剤、アロマオイル、液状ポリマー、テルペン系樹脂、熱硬化性樹脂、硫黄以外の加硫剤、硫黄原子を有さない加硫促進剤、硫黄原子を有さない加硫促進助剤など、ゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤が挙げられる。
本発明のゴム組成物はその製造について特に限定されない。具体的には、例えば、上述した各成分を、公知の方法、装置(例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなど)を用いて、混練する方法などが挙げられる。
また、本発明のゴム組成物は、従来公知の加硫または架橋条件で加硫または架橋することができる。
本発明のゴム組成物は、例えば、タイヤ、ベルト、ホースなどに使用することができる。
本発明の空気入りタイヤについて以下に説明する。
本発明の空気入りタイヤは、本発明のゴム組成物を用いて製造される空気入りタイヤである。本発明において使用されるゴム組成物は本発明のゴム組成物であれば特に制限されない。また、本発明の空気入りタイヤが有する、キャップトレッド、サイドウォール、ベルト、インナーライナー、カーカス及びビードからなる群から選ばれる少なくとも1種に本発明のゴム組成物を使用することができる。
本発明の空気入りタイヤについて添付の図面を用いて以下に説明する。本発明の空気入りタイヤは添付の図面に限定されるものではない。
図1は、本発明の空気入りタイヤの実施形態の一例について、そのタイヤ子午線方向の部分断面を模式的に表す断面図である。図1において、符号1はキャップトレッド、符号2はサイドウォール、符号3はビードである。
図1において、左右のビード3間にタイヤ径方向に延在する補強コードをタイヤ周方向に所定の間隔で配列してゴム層に埋設した2層のカーカス4が延設され、その両端部がビード3に埋設したビードコア5の周りにビードフィラー6を挟み込むようにしてタイヤ軸方向内側から外側に折り返されている。カーカス4の内側にはインナーライナー7が配置されている。キャップトレッド1のカーカス4の外周側には、タイヤ周方向に傾斜して延在する補強コードをタイヤ軸方向に所定の間隔で配列してゴム層に埋設した2層のベルト8が配設されている。この2層のベルト8の補強コードは層間でタイヤ周方向に対する傾斜方向を互いに逆向きにして交差している。ベルト8の外周側には、ベルトカバー9が配置されている。このベルトカバー9の外周側に、キャップトレッド1がキャップトレッドゴム層12により形成される。各サイドウォール2のカーカス4の外側にはサイドゴム層13が配置され、各ビード3のカーカス4の折り返し部外側にはリムクッションゴム層14が設けられている。
キャップトレッド1、サイドウォール2、ベルト8、インナーライナー7、カーカス4及びビード3からなる群から選ばれる少なくとも1種が本発明のゴム組成物により構成されている。
本発明の空気入りタイヤは、本発明のゴム組成物を空気入りタイヤに用いる以外特に制限はなく、例えば従来公知の方法に従って製造することができる。また、タイヤに充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
以下に、実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されない。
<未加硫ゴム組成物の製造>
表1に示す配合(質量部)において、加硫系(加硫促進剤、硫黄)を除く成分を1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練した後、ミキサー外に放出させて室温冷却した。続いて、該組成物をオープンロールで、加硫系を加えて混練し、未加硫ゴム組成物を得た。
<加硫ゴムの製造>
次に上述のとおり得られた未加硫ゴム組成物を所定の金型中で160℃で20分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を調製した。
<評価>
上述のとおり得られた、未加硫ゴム組成物、加硫ゴム試験片について以下に示す試験法で物性を測定した。結果を表1、2に示す。表1の結果は、比較例1の値を100として指数で示した。表2の結果は、比較例4の値を100として指数で示した。
・tanδの測定
岩本製作所(株)製の粘弾性スペクトロメーターを用い、伸張変形歪率10±2%、振動数20Hz、温度−10℃、0℃、20℃、40℃、条件にて加硫ゴム試験片についてtanδを測定した。tanδ(0℃)は指数が大きいほどウェットグリップ性能に優れることを示す。tanδ(40℃)は指数が小さいほど低発熱性であることを示す。
・モジュラス、引張強度、破断伸びの測定
加硫ゴム試験片からJIS3号ダンベル状の試験片を打ち抜き、引張速度500mm/分での引張試験をJIS K6251に準拠して行い、加硫ゴム試験片の100%モジュラス、300%モジュラス、引張強度、破断伸びを室温にて測定した。各評価結果の値が大きいほど、モジュラス、引張強度、破断伸びが良好なことを示す。
・ビスの測定
JIS K6300に準拠して、L形ローターを使用し、未加硫ゴム組成物のムーニー粘度ML(1+4)100℃を求めた。評価結果の値が小さいほど未加硫ゴム組成物の粘度が低く良好なことを示す。
表1、2に示す各成分の詳細は以下のとおりである。
・E−SBR:乳化重合SBR Nipol1502、日本ゼオン社製
・酸化コバルト(CoO):和光純薬工業社製
・酸化コバルト(Co34):和光純薬工業社製
・ステアリン酸コバルト:DIC社製
・シリカ:湿式シリカ、日本シリカ社製ニップシールAQ、CTAB吸着比表面積170 m2/g
・カーボンブラック:昭和キャボット社製ショウブラックN339M
・酸化亜鉛:正同化学社製亜鉛華3号
・ステアリン酸:日油社製
・老化防止剤:老化防止剤(S−13)、住友化学社製アンチゲン6C
・シランカップリング剤:ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、エボニック・デグサ社製Si69
・オイル:昭和シェル石油社製エクストラクト4号S
・イオウ:軽井沢精錬所社製油処理硫黄
・含硫黄加硫促進剤(CZ):N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、三新化学社製サンセラーCM−PO
・加硫促進剤(DPG):ジフェニルグアニジン、三新化学社製サンセラーD−G
表1に示す結果から明らかなように、酸化コバルトがブランクである比較例1を基準として、ステアリン酸コバルトを含有する比較例2はモジュラス、引張強度、破断伸びが低下した。酸化コバルトがブランクであり、酸化亜鉛を多く含有する比較例3はモジュラスが低下した。
これに対して、参考例1、実施例1は、低発熱性、加工性を悪化させることなくウェットグリップ性能、ゴム物性(破壊強度、破断伸び、モジュラス)に優れる。
表2に示す結果から明らかなように、酸化コバルトがブランクである比較例4を基準として、ステアリン酸コバルトを含有する比較例5は、引張強度、破断伸び、加工性、低発熱性が低下した。
これに対して、参考例2、実施例2は、加工性を悪化させることなくウェットグリップ性能、低発熱性、ゴム物性(破壊強度、破断伸び、モジュラス)に優れる。
1 キャップトレッド
2 サイドウォール
3 ビード
4 カーカス
7 インナーライナー
8 ベルト

Claims (6)

  1. 硫黄架橋可能なジエン系ゴム100質量部に対して、カーボンブラック及び/又はシリカ10〜150質量部と、Co 3 4 0.1〜30質量部とを配合してなるゴム組成物。
  2. さらに、含硫黄配合剤を配合する請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記含硫黄配合剤が、硫黄、含硫黄シランカップリング剤及び含硫黄加硫促進剤からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項に記載のゴム組成物。
  4. らにシランカップリング剤を配合し、前記シランカップリング剤の量が、前記ジエン系ゴム100質量部に対して1〜20質量部である請求項1〜のいずれかに記載のゴム組成物。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載のゴム組成物を用いて製造される空気入りタイヤ。
  6. 前記ゴム組成物を、キャップトレッド、サイドウォール、ベルト、インナーライナー、カーカス及びビードからなる群から選ばれる少なくとも1種に使用する請求項に記載の空気入りタイヤ。
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