JP4680234B2 - カーカスコード被覆用ゴム組成物およびそれを用いたカーカスを有するタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、カーカスコード被覆用ゴム組成物およびそれを用いたカーカスを有するタイヤに関する。
一般に、自動車用タイヤには大きな荷重がかかるため、補強材としてカーカスコードが用いられている。とくに走行中にタイヤが発熱することによって、ゴムとカーカスコードとが剥離すると、致命的なタイヤ故障の原因となる。
従来、カーカスコード被覆用ゴム組成物には、主としてカーボンブラックなどのような石油資源由来の原材料が使用されている。しかし近年、地球環境保全に対する関心が高まり、自動車においても例外ではなく、CO2排出抑制の規制が強化され、さらに、石油資源は有限であって供給量が年々減少していることから、将来的に石油価格の高騰が予測され、合成ゴムやカーボンブラックなどの石油資源由来の原材料の使用には限界がみられる。そのため、将来石油資源が枯渇した場合を想定すると、天然ゴムや、シリカ、炭酸カルシウムなどの白色充填剤などのような石油外資源由来の原材料を使用する必要がある。しかし、その場合、ゴム強度などの補強性において、従来の石油資源を主成分とするゴム組成物と同等またはそれ以上の性能が要求されている。
転がり抵抗を低減させる手法として、石油外資源由来の原材料であるシリカなどを用いる手法(特許文献1参照)が知られている。シリカを配合した場合、転がり抵抗を低減させるだけでなく、石油資源由来の原材料の比率を減少させることができ、環境に配慮することも、将来の石油資源の供給量の減少に備えることもできる。しかし、転がり抵抗を充分に低減させるものではなく、ゴム強度においても、石油資源由来の原材料を主成分とするタイヤより優れるものではなく、いずれの性能においてもいまだ改善の余地がある。
特開2003−63206号公報
本発明は、環境に配慮することも、将来の石油資源の供給量の減少に備えることもでき、さらに、転がり抵抗を低減させ、ゴム強度および加工性を向上させることができるカーカスコード被覆用ゴム組成物およびそれを用いたカーカスを有するタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、ジエン系ゴム100質量部に対し、シリカを25〜80質量部、シランカップリング剤を1〜15質量部、および式(1):
−(R−Sxn
(式中、Rは−(CH2−CH2−O)m−CH2−CH2−;xは2〜6の整数;nは10〜400の整数;mは2〜5の整数である)
で示される有機加硫剤を3〜30質量部含有するカーカスコード被覆用ゴム組成物に関する。
前記ジエン系ゴムは、天然ゴムを85〜100質量%含むことが好ましい。
前記シランカップリング剤は、式(2):
(RO)3−Si−(CH2x−Sn−(CH2x−Si−(OR)3
(式中、Rは直鎖状または分岐鎖状の炭素数1〜8のアルキル基;xは1〜8の整数;nはポリスルフィド部の硫黄原子の数を表し、nの平均値は2〜3である)
で表され、ポリスルフィド部の硫黄原子の数が2個であるシランカップリング剤の含有率が全シランカップリング剤の60質量%以上であることが好ましい。
また、本発明は、前記カーカスコード被覆用ゴム組成物を用いたカーカスを有するタイヤに関する。
本発明によれば、ゴム成分、シリカ、シランカップリング剤および所定の有機加硫剤を所定量含有することで、環境に配慮することも、将来の石油資源の供給量の減少に備えることもでき、さらに、転がり抵抗を低減させ、ゴム強度および加工性を向上させることができるカーカスコード被覆用ゴム組成物およびそれを用いたカーカスを有するタイヤを提供することができる。
本発明のカーカスコード被覆用ゴム組成物は、ジエン系ゴム、シリカ、シランカップリング剤および所定の有機加硫剤を含有する。
ジエン系ゴムとしてはとくに制限はなく、たとえば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)などがあげられ、これらのジエン系ゴムは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、環境に配慮することも、将来の石油資源の供給量の減少に備えることもでき、さらに、転がり抵抗を低減させられることから、NRおよび/またはENRが好ましく、NRがより好ましい。
NRとしては、従来ゴム工業で使用されるRSS♯3、TSR20などのグレードのNRを用いることができる。
ゴム成分中のNRの含有率は85質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましい。NRの含有率が85質量%未満では、石油外資源由来の原材料の比率を増加させることができず、環境に配慮することも、将来の石油資源の供給量の減少に備えることもできないうえ、転がり抵抗が増大してしまう傾向がある。なお、NRの含有率はとくに、100質量%が最も好ましい。
シリカとしては、湿式法で調製されたものや、乾式法により調製されたものがあげられるが、とくに制限はない。
シリカのチッ素吸着比表面積(N2SA)は70m2/g以上が好ましく、80m2/g以上がより好ましく、90m2/g以上がさらに好ましい。シリカのN2SAが70m2/g未満では、シリカを含有することによる充分な補強効果が得られない傾向がある。また、シリカのN2SAは250m2/g以下が好ましく、150m2/g以下がより好ましく、130m2/g以下がさらに好ましい。シリカのN2SAが250m2/gをこえると、ムーニー粘度が過度に上昇し、カーカスコードを被覆する際の加工性が低下する傾向がある。なお、シリカのN2SAは、ASTM−D−4820−93に準じて測定できる。
シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して25質量部以上、好ましくは30質量部以上、より好ましくは40質量部以上である。シリカの含有量が25質量部未満では、石油外資源由来の原材料の比率を増加させることができず、環境に配慮することも将来の石油資源の供給量の減少に備えることもできないうえ、補強性も著しく悪化する。また、シリカの含有量は80質量部以下、好ましくは75質量部以下である。シリカの含有量が80質量部をこえると、転がり抵抗が増大し、さらに、ムーニー粘度が過度に上昇して加工性が低下する。
シランカップリング剤としては、シリカとの反応性、加工性やコストなどにおいて、総合的にタイヤ用として好ましいという理由から、式(2):
(RO)3−Si−(CH2x−Sn−(CH2x−Si−(OR)3
(式中、Rは直鎖状または分岐鎖状の炭素数1〜8のアルキル基;xは1〜8の整数;nはポリスルフィド部の硫黄原子の数を表し、nの平均値は2〜3である)
で表されるものが好ましい。
式(2)において、Rは直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、直鎖状のアルキル基がより好ましい。
Rの炭素数は1〜8が好ましく、2〜7がより好ましい。Rの炭素数が0では、アルコキシ基が存在せず、シリカとシランカップリング剤との反応性が損なわれる傾向があり、8をこえると、シリカとシランカップリング剤との親和性が損なわれる傾向がある。
xは1〜8が好ましく、2〜7がより好ましい。xが0では、化学的に不安定となり、ゴム組成物中におけるシランカップリング剤の分解および劣化が促進してしまう傾向があり、8をこえると、充分な補強効果を得るために必要なシランカップリング剤の含有量が過度に増大してしまう傾向がある。
nはポリスルフィド部の硫黄原子の数をあらわす。ここでnの平均値は2〜3が好ましい。nの平均値が2未満では、シランカップリング剤の分解温度が高くなり、より高温で混練りすることが可能となるが、加硫速度が速くなる傾向があり、3をこえると、シランカップリング剤の分解温度が低くなり、混練り中に分解しやすく、硫黄原子を放出して、混練り中にゴム焼けの問題が発生しやすい傾向がある。
本発明のカーカスコード被覆用ゴム組成物中に含有するシランカップリング剤のうち、ポリスルフィド部の硫黄原子の数が2であるシランカップリング剤(n=2のシランカップリング剤)の含有率は60質量%以上が好ましく、65質量%以上がより好ましい。n=2のシランカップリング剤の含有率が60質量%未満では、シランカップリング剤の分解温度が比較的低くなり、練り工程中に分解しやすく、加工性が低下する傾向がある。
このようなシランカップリング剤としては、たとえば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドなどがあげられ、これらのシランカップリング剤は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、従来からシランカップリング剤として多用されているビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドなどは、式(2)を満たすシランカップリング剤ではない。
シランカップリング剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して1質量部以上、好ましくは2質量部以上である。シランカップリング剤の含有量が1質量部未満では、シランカップリング剤を含有することによる充分な補強効果が得られない。また、シランカップリング剤の含有量は15質量部以下、好ましくは12質量部以下である。シランカップリング剤の含有量が15質量部をこえると、ムーニー粘度が過度に上昇し、加工性が低下する。
有機加硫剤としては、ゴム強度および転がり抵抗特性をともに向上させるため、硫黄の代わりに分子内に硫黄原子を含むポリマーを用いるという理由から、式(1):
−(R−Sxn
(式中、Rは−(CH2−CH2−O)m−CH2−CH2−;xは2〜6の整数;nは10〜400の整数;mは2〜5の整数である)
で示される構造を有する有機加硫剤を用いる。
式(1)中、xは2以上、好ましくは3以上である。xが2未満では、加硫が遅延する。また、xは6以下、好ましくは5以下である。xが6をこえると、ゴム組成物の製造が困難となる。
式(1)中、nは10以上、好ましくは50以上である。nが10未満では、有機加硫剤が揮発しやすく、取り扱いが困難となる。また、nは400以下、好ましくは300以下である。nが400をこえると、ゴムとの相溶性が悪化する。
式(1)中、mは2以上である。mが2未満では、得られたゴム組成物の屈曲性能が低下する。また、mは5以下、好ましくは4以下である。mが5をこえると、ゴム組成物の充分な硬度が得られない。
このような有機加硫剤としては、たとえば、ポリ−3,6−ジオキサオクタン−テトラスルフィド(川口化学工業(株)製の2OS4など)が使用できる。
なお、本発明で使用する有機加硫剤は、ポリマーとシリカを結合させるのではなく、ポリマーの架橋剤として使用するという理由から、Siを含まないものが好ましい。
有機加硫剤の含有量は、ジエン系ゴム100質量部に対して3質量部以上、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上である。有機加硫剤の含有量が3質量部未満では、充分な補強性が得られない。また、有機加硫剤の含有量は30質量部以下、好ましくは25質量部以下である。有機加硫剤の含有量が30質量部をこえると、ゴムの硬度が著しく増大し、ゴムがもろくなる。
有機加硫剤は、加硫剤として、従来からタイヤ工業で通常使用される硫黄などとともに使用することもできる。
本発明では、ジエン系ゴム、シリカ、シランカップリング剤および所定の有機加硫剤を所定量含有することで、環境に配慮することも、将来の石油資源の供給量の減少に備えることもでき、さらに、石油資源を主成分とするカーカスコード被覆用ゴム組成物と比較しても、転がり抵抗を低減させ、ゴム強度および加工性を向上させたカーカスコード被覆用ゴム組成物を提供することができる。また、環境に配慮することも、将来の石油資源の供給量の減少に備えることもでき、経済的なエコタイヤを提供することもできる。
本発明のカーカスコード被覆用ゴム組成物は、石油外資源由来の原材料を主成分とすることで、環境に配慮し、将来の石油資源の供給量の減少に備えることを目的としており、カーボンブラックなどを用いないことが好ましい。
本発明のカーカスコード被覆用ゴム組成物には、前記ゴム成分、シリカ、シランカップリング剤および有機加硫剤以外にも、従来からタイヤ工業で使用される配合剤、たとえば、軟化剤、各種老化防止剤、ステアリン酸、酸化亜鉛、硫黄などの加硫剤、各種加硫促進剤などを必要に応じて適宜配合することができる。
本発明のカーカスコード被覆用ゴム組成物は、一般的な方法で製造される。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで前記ゴム成分、シリカ、シランカップリング剤、有機加硫剤、必要に応じてその他の配合剤を混練りし、その後加硫することにより、本発明のカーカスコード被覆用ゴム組成物を製造することができる。
本発明のタイヤは、本発明のカーカスコード被覆用ゴム組成物を用いて、通常の方法により製造することができる。すなわち、必要に応じて前記配合剤を配合した本発明のカーカスコード被覆用ゴム組成物を、未加硫の状態で、カレンダーロールなどを用いて、ライン速度をゴム組成物が過度に発熱しないように適宜調節し、厚さ1mm以下のフィルム状の未加硫ゴムシートを作製し、カーカスコードを被覆することで未加硫カーカスを作製し、タイヤの他の部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを成形する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することにより本発明のタイヤを得る。
このように、本発明のカーカスコード被覆用ゴム組成物を用いることで、本発明のタイヤを、環境に配慮することも、将来の石油資源の供給量の減少に備えることもできるエコタイヤとすることができる。
実施例にもとづいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに制限されるものではない。
次に、実施例および比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
天然ゴム(NR):TSR20
エポキシ化天然ゴム(ENR):マレーシアゴム局(Malaysian Rubber Board(MRB))製のENR25
スチレンブタジエンゴム(SBR):JSR(株)製のSBR1502
カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイアブラックH(N330、N2SA:79m2/g)
シリカ:ローディア社製のZ115GR(N2SA:112m2/g)
シランカップリング剤(1):デグッサ社製のSi75(ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
(RO)3−Si−(CH2x−Sn−(CH2x−Si−(OR)3
(式中、R:C25;x:3;n=2のシランカップリング剤の含有率:75質量%;nの平均値:2.35)
シランカップリング剤(2):デグッサ社製のSi69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
(RO)3−Si−(CH2x−Sn−(CH2x−Si−(OR)3
(式中、R:C25;x:3;n=2のシランカップリング剤の含有率:20質量%;nの平均値:3.57)
プロセスオイル:出光興産(株)製のダイアナプロセスPS32
ステアリン酸:日本油脂(株)製のステアリン酸「桐」
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛1号
有機加硫剤:川口化学工業(株)製の2OS4(ポリ−3,6−ジオキサオクタン−テトラスルフィド)
−(R−Sxn
(式中、R:−(CH2−CH2−O)m−CH2−CH2−;x:4;n:200;m:2)
硫黄:フレキシス社製のクリステックスHSOT20(硫黄80重量%およびオイル分20重量%含む不溶性硫黄)
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
実施例1〜5および比較例1〜6
表1に示す配合処方にしたがい、(株)神戸製鋼所製の1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄および加硫促進剤以外の薬品を充填率が58%になるように充填し、90rpmで150℃に到達するまで3分間混練りし、混練り物を得た。次に、カレンダーロールを用いて、得られた混練り物に硫黄および加硫促進剤を添加し、ムーニー粘度の上昇を抑制するためにライン速度を20rpmに調整し、90℃の条件下で3分間練り込み、厚さ0.7mmの薄いフィルム状の未加硫ゴムシートを得た。さらに、得られた未加硫ゴムシートを175℃の条件下で10分間加硫することにより、実施例1〜5および比較例1〜6の加硫ゴムシートを作製した。なお、本実施例で使用している有機加硫剤は、硫黄含有量は約50%であるが、分子中に硫黄が存在しているため、硫黄より架橋しにくい。そのため、硫黄と同等の架橋密度を得るためには、硫黄を配合する場合と比較して5倍の量が必要となる。そのため、実施例2と比較例2が直接比較できる。
(ゴム強度)
前記加硫ゴムシートを用いて、3号ダンベル型ゴム試験片を作製し、JIS K 6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に準じて引張試験をおこない、破断強度(TB)および破断時伸び(EB)を測定し、その積(TB×EB)を算出した。なお、TB×EBが大きいほど、ゴム強度に優れることを示す。
(転がり抵抗)
前記未加硫ゴムシートでカーカスコードを被覆して未加硫カーカスを作製し、他のタイヤ部材と貼りあわせ、175℃の条件下で10分間加硫することにより、試験用タイヤ(タイヤサイズ:195/65R15)を製造した。
STL社製の転がり抵抗試験機を用いて、製造した試験用タイヤを、リム:6JJ×15、内圧:230kPa、荷重:49N、速度:80km/hの条件下で走行させたときの転がり抵抗を測定し、比較例1の転がり抵抗指数を100とし、各配合の転がり抵抗を指数表示した。なお、転がり抵抗指数が大きいほど、転がり抵抗が低減され、優れることを示す。
(転がり抵抗指数)=(比較例1の転がり抵抗)
÷(各配合の転がり抵抗)×100
(加工性)
前記未加硫ゴムシートから試験片を切り出し、JIS K 6300「未加硫ゴムの試験方法」に準じて、(株)島津製作所製のムーニー粘度試験機「ムーニービスコメーターSMV−202」を用い、1分間の予熱によって熱せられた130℃の温度条件にて、小ローターを回転させ、4分間経過した時点での未加硫ゴム組成物のムーニー粘度を測定した。さらに、比較例1のムーニー粘度指数を100とし、下記計算式により、各配合のムーニー粘度を指数表示した。なお、ムーニー粘度指数の値が小さいほど加工しやすく、加工性が優れていることを示す。
(ムーニー粘度指数)=(各配合のムーニー粘度)
÷(比較例1のムーニー粘度)×100
前記試験の評価結果を表1に示す。
Figure 0004680234
比較例1は、カーボンブラックを含有し、所定の有機加硫剤を含有しない従来の石油資源由来の原材料を多量に含有するカーカスコード被覆用ゴム組成物である。
シリカ、シランカップリング剤および所定の有機加硫剤を所定量配合した実施例1〜5では、石油外資源由来の原材料を主成分としており、環境に配慮することも、将来の石油資源の供給量の減少に備えることもでき、さらに、石油資源由来の原材料を多量に含有する比較例1と比較しても、さらに、転がり抵抗を低減させ、ゴム強度および加工性を向上させることができた。
それに対して、比較例2〜6では、本発明のいずれかの構成要件が欠けているが、ゴム強度、転がり抵抗および加工性いずれも優れているものはなかった。

Claims (3)

  1. 天然ゴムを85〜100質量%含むジエン系ゴム100質量部に対し、
    シリカを25〜80質量部、
    シランカップリング剤を1〜15質量部、および
    式(1):
    −(R−Sxn
    (式中、Rは−(CH2−CH2−O)m−CH2−CH2−;xは2〜6の整数;nは200〜400の整数;mは2〜5の整数である)
    で示される有機加硫剤を15〜30質量部含有するカーカスコード被覆用ゴム組成物であり、
    シランカップリング剤が、式(2):
    (RO)3−Si−(CH2x−Sn−(CH2x−Si−(OR)3
    (式中、Rは直鎖状または分岐鎖状の炭素数1〜8のアルキル基;xは1〜8の整数;nはポリスルフィド部の硫黄原子の数を表し、nの平均値は2〜3である)
    で表され、
    ポリスルフィド部の硫黄原子の数が2個であるシランカップリング剤の含有率が全シランカップリング剤の60質量%以上である請求項1または2記載のカーカスコード被覆用ゴム組成物。
  2. ジエン系ゴムが、天然ゴムを100質量%含む請求項1記載のカーカスコード被覆用ゴム組成物。
  3. 請求項1または2記載のカーカスコード被覆用ゴム組成物を用いたカーカスを有するタイヤ。
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