JP5211886B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
表1及び2に示す配合からなる11種類のゴム組成物(配合1〜11)を、それぞれ第一段混合の欄に記載した配合成分を秤量し、1.7Lのバンバリーミキサーで5分間混練し、温度160℃でマスターバッチを放出した。このマスターバッチを8インチのオープンロールに供し、第二段混合の欄に記載した配合成分を加え4分間混合し、インナーライナー用ゴム組成物及びカーカス用ゴム組成物を調製した。
得られた加硫ゴムシートからJIS3号ダンベル試験片を打ち抜き、JIS K6251に準拠し、引張強度を測定した。得られた結果を表1,2に示す。
得られた加硫ゴムシートの動的粘弾性を、東洋精機製作所社製粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪み10%、振幅±2%、周波数20Hzで測定し、温度60℃におけるtanδを測定した。得られた結果を表1,2に示す。温度60℃におけるtanδ(60℃)の指数が小さいほど低転がり性が優れることを意味する。
得られた加硫ゴムシートを用いて、JIS K7126「プラスチックフィルム及びシートの気体透過度試験方法」のA法(差圧式)に準拠して、試験気体を空気相当(窒素:酸素=8:2)とし、試験温度60℃で空気透過係数(単位:×10−5mm3・mm/mm2・sec・MPa)を測定した。得られた結果を表1,2に示す。空気透過係数が小さいほど、空気透過性が小さく空気透過防止性能に優れることを意味する。
NR:天然ゴム、RSS#3
ENR−1:エポキシ化天然ゴム、クンプーランガスリー製ENR25(エポキシ化率25モル%)
ENR−2:エポキシ化天然ゴム、クンプーランガスリー製ENR50(エポキシ化率50モル%)
IIR:ブチルゴム、日本ブチル社製エクソンブロモブチル2255
BR:ブタジエンゴム、日本ゼオン社製Nipol BR1220
SBR:スチレン−ブタジエンゴム、日本ゼオン社製Nipol 1502
カーボンブラック−1:新日化カーボン社製ニテロン#55S(窒素吸着比表面積28m2/g、DBP吸収量87cm3/100g、石炭系重質油を原料としたカーボンブラック)
カーボンブラック−2:新日化カーボン社製ニテロン#200(窒素吸着比表面積78m2/g、DBP吸収量101cm3/100g、石炭系重質油を原料としたカーボンブラック)
カーボンブラック−3:東海カーボン社製シーストV(窒素吸着比表面積27m2/g、DBP吸収量87cm3/100g)
カーボンブラック−4:昭和キャボット社製N330(窒素吸着比表面積75m2/g、DBP吸収量102cm3/100g)
シリカ:Degussa社製VN−3
カオリンクレー:Huber社製SUPREX CLAY
ベントナイト:クニミネ工業社製クニゲル−V1
シランカップリング剤:Degussa社製Si69
亜鉛華:正同化学工業社製酸化亜鉛3種
ステアリン酸:日油社製ビーズステアリン酸
老化防止剤:フレキシス社製サントフレックス6PPD
パラオクチルフェノール樹脂:日立化成工業社製ヒタノール1502Z
ピネン・ジペンテン共重合体:ヤスハラケミカル社製ダイマロン
アロマオイル:昭和シェル石油社製エキストラクト4号S
硫黄:鶴見化学工業社製金華印油入微粉硫黄
加硫促進剤−1:三新化学工業社製サンセラーDM
加硫促進剤−2:大内新興化学工業社製ノクセラーCZ−G
加硫促進剤−3:フレキシス社製サンガードPVI DS POWDER
加硫促進剤−4:大内新興化学工業社製ノクセラーNS−P
タイヤサイズ195/65R15の空気入りタイヤを、カーカス層を1プライで構成しカーカスコードの種類をレーヨン繊維にすること及び10種類のゴム組成物(配合1〜10)のいずれかにより、インナーライナー層及びカーカス層の被覆ゴムを構成することを共通条件として、インナーライナー層を構成するゴム組成物の種類及び厚さ、カーカス層の被覆ゴムを構成するゴム組成物の種類及び厚さ、レーヨン繊維コードのディップ液の組成、タイゴムを介在させることの有無、タイゴムを用いる場合にはその厚さを、表3,4に示すように異ならせた11種類の空気入りタイヤ(実施例1〜6、比較例1〜5)を製作した。なお、タイゴムを使用するときは、上記により得られた配合11のゴム組成物により構成した。
空気入りタイヤをリム(15×6JJ)に装着し、初期圧力900kPa、室温21℃、無負荷条件にて3ヶ月間静置する間、4日毎に内圧を測定した。初期圧力P0(kPa)、測定圧力Pt(kPa)、経過時間t(日)として、下記式(1)により回帰係数αを算出した。
Pt/P0=exp(−αt) (1)
β=(1−exp(−αt))×100 (2)
空気入りタイヤをリム(15×6JJ)に装着し、JATMAイヤーブックに記載の正規空気圧を充填し、JIS D4230に準拠する室内ドラム式転動抵抗試験機(ドラム径1707mm)にかけて、荷重2Mpaを負荷し、速度50km/hの条件で走行時の抵抗力を測定し転がり抵抗とした。得られた結果は、比較例1のタイヤを100とする指数として表3,4に示した。この指数が小さいほどが低転がり性が優れている。
空気入りタイヤをリム(15×6JJ)に装着し、JATMAイヤーブックに記載の正規空気圧を充填し、国産2.0リットルクラスの車両に装着して、テストコースを走行時の操縦安定性を専門パネラー5名が10点満点でフィーリング評価し、その平均点を求めた。得られた結果は、比較例1のタイヤを100とする指数として表3,4に示した。この値が大きいほど操縦安定性が優れている。
Claims (6)
- カーカス層の内側に空気透過防止用のインナーライナー層を設けた空気入りタイヤにおいて、
前記インナーライナー層を構成するインナーライナー用ゴム組成物が、エポキシ化率が5〜80モル%のエポキシ化天然ゴム30〜80重量%と天然ゴム20〜70重量%からなるゴム成分100重量部に対し、窒素吸着比表面積が10〜50m2/gで、DBP吸収量が30〜95cm3/100gのカーボンブラックを1〜70重量部、板状無機充填剤を30〜150重量部、90℃の粘度が20〜50mPa・sのピネン・ジペンテン共重合体を1〜20重量部を配合してなり、
前記カーカス層を構成するカーカス用ゴム組成物が、エポキシ化率が5〜50モル%のエポキシ化天然ゴム10〜60重量%と天然ゴム40〜90重量%からなるゴム成分100重量部に対し、窒素吸着比表面積が20〜100m2/gで、DBP吸収量が60〜120cm3/100gのカーボンブラックを5〜80重量部、90℃の粘度が20〜50mPa・sのピネン・ジペンテン共重合体を2〜30重量部を配合してなる空気入りタイヤ。 - 前記板状無機充填剤が、カオリンクレー、タルク、ベントナイト、モンモリロナイトから選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記カーカス用ゴム組成物が、ゴム成分100重量部に対し前記板状無機充填剤を除く無機充填剤を10〜80重量部更に配合した請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
- 前記板状無機充填剤を除く無機充填剤がシリカであり、該シリカ100重量部に対し、シランカップリング剤を2〜12重量部配合した請求項3に記載の空気入りタイヤ。
- 前記カーカス層を構成するカーカスコードがレーヨン繊維からなり、このレーヨン繊維コードのディップ液が、レゾルシン(R)、ホルマリン(F)、スチレン・ブタジエン・ビニルピリジン共重合体ラテックス(L)からなり、レゾルシン(R)とホルマリン(F)とのモル比(R/F)が1/4〜1/2.5のレゾルシン・ホルマリン縮合物(RF)を調製し、該レゾルシン・ホルマリン縮合物(RF)とスチレン・ブタジエン・ビニルピリジン共重合体ラテックス(L)のモル比(RF/L)を25/100〜40/100にした請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 前記インナーライナー層及びカーカス層を構成するタイヤ材料に石油資源以外の材料が占める重量割合が70〜99重量%である請求項1〜5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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