JP2015193419A - マイクロ波処理用通蒸ラベル、及びマイクロ波処理用包装体 - Google Patents

マイクロ波処理用通蒸ラベル、及びマイクロ波処理用包装体 Download PDF

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Abstract

【課題】 マイクロ波処理時に内圧が非常に高くなる前に、容器内の蒸気を逃がすことができるマイクロ波処理用通蒸ラベルを提供する。
【解決手段】 本発明の通蒸ラベル1は、表基材2と、前記表基材2の裏面に積層され、且つ熱により変形する裏基材3と、前記表基材2の裏面のうち、前記裏基材3が積層されていない領域に設けられた粘着部4と、を有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、マイクロ波処理時に容器内から生じる蒸気を外部へ良好に逃がすことができるマイクロ波処理用通蒸ラベル、及びそれを用いた包装体に関する。
従来、電子レンジなどのマイクロ波処理を行うことにより、内容物(食品など)を加熱するマイクロ波処理用包装体が知られている。
この包装体は、通常、食品などの内容物を入れる容器本体と、前記容器本体を密封状に塞ぐ蓋と、を有する容器を有し、この蓋には、マイクロ波処理時に生じる蒸気を外部に逃がすため、蒸気抜き用開口部が形成されている。
さらに、かかる蒸気抜き用開口部を封緘するため、蓋の表面に、前記蒸気抜き用開口部を覆うように通蒸ラベルが貼付されている(特許文献1)。かかる通蒸ラベル(特許文献1では、シート状圧力調整弁24)は、非接着剤塗布部分にて蒸気抜き用開口部(孔22)を閉鎖しつつ、接着部にて蓋に接着されている。
かかる通蒸ラベルを用いることにより、接着剤が蒸気抜き開口部から容器内に侵入し難く、また、包装体をマイクロ波処理したときに、容器内から生じる蒸気による圧力(内圧)が通蒸ラベルを押し上げ、接着部が蓋から剥がれることによって、容器内の圧力を下げることができる。
しかしながら、前記特許文献1の通蒸ラベルは、容器内の圧力が非常に高くならなければ蓋から剥がれないことがあるという問題点がある。前記のように内圧が高くなって通蒸ラベルが剥がれた際に、内圧が高いために、蒸気と共に内容物が比較的多く吹き出すことがあり、蓋の表面が広範囲に汚れることがある。
この点、前記接着部の幅を非常に小さくすると、内圧によって通蒸ラベルが剥がれ易くなるが、(マイクロ波処理を行わない)包装体の搬送中に、通蒸ラベルが部分的に又は全体的に剥がれるおそれがある。包装体の搬送中に、通蒸ラベルが剥がれると、通蒸ラベルと蓋の表面との間から蒸気抜き用開口部を通じて、容器内に粉塵などの異物が混入するおそれがある。
特開平6−329179号公報
本発明の目的は、容器の密封性に優れ、また、マイクロ波処理時に内圧が非常に高くなる前に、容器内の蒸気を逃がすことができるマイクロ波処理用通蒸ラベル及び包装体を提供することである。
本発明のマイクロ波処理用通蒸ラベルは、表基材と、前記表基材の裏面に積層され、且つ熱により変形する裏基材と、前記表基材の裏面のうち、前記裏基材が積層されていない領域に設けられた粘着部と、を有する。
本発明の好ましいマイクロ波処理用通蒸ラベルは、前記裏基材が、熱収縮する性質を有する熱収縮層を含む。
本発明の好ましいマイクロ波処理用通蒸ラベルは、前記粘着部が、前記裏基材の熱収縮方向と直交する方向における表基材の両側部のうち少なくとも一方の側部において、その幅が最小となった最小幅部を有する。
本発明の好ましいマイクロ波処理用通蒸ラベルは、前記表基材が、横方向の長さに対して縦方向の長さが小さい平面視形状に形成されており、前記裏基材の熱収縮方向が、縦方向である。
本発明の好ましいマイクロ波処理用通蒸ラベルは、前記裏基材が、横方向第1側からその反対側に向かうに従って幅広に形成されている部分を有する。
本発明の好ましいマイクロ波処理用通蒸ラベルは、前記粘着部が、前記裏基材の周囲を取り囲む平面視環状に形成されている。
本発明の好ましいマイクロ波処理用通蒸ラベルは、前記表基材が、熱により実質的に変形しないシートである。
本発明の別の局面によれば、マイクロ波処理用包装体が提供される。
この包装体は、蒸気抜き用開口部を有するマイクロ波処理用容器と、前記いずれかの通蒸ラベルと、を有し、前記通蒸ラベルが、前記裏基材にて前記蒸気抜き用開口部を覆うようにして、前記粘着部を介して前記容器に貼付されている。
本発明の通蒸ラベルは、容器の蒸気抜き用開口部を密封状に塞ぐことができ、さらに、マイクロ波処理時には、容器の内圧が非常に高くなる前に、容器との間に蒸気を逃がすための抜け道を形成できる。
本発明の包装体は、マイクロ波処理時に内圧が非常に高くなる前に、容器内の蒸気を逃がすことができる。
第1実施形態に係るマイクロ波処理用通蒸ラベルを裏面側から見た平面図。ただし、判りやすく図示するため、粘着部が形成された範囲に、無数のドットを付与している(図16、図17乃至図19、図23乃至図25、図27も同様)。 図1のII−II線断面図。 図1のIII−III線断面図。 (a)は、通蒸ラベルの製造初期に用いられる第1積層体を表面側から見た平面図、(b)は、同第1積層体の側面図。 第1積層体の裏基材原反に第1切込み線を形成し、不要基材を除去する工程を示す側面図。 (a)は、通蒸ラベルの製造途中に生じる第2積層体を裏面側から見た平面図、(b)は、同第2積層体の側面図。 第2積層体を長尺離型紙に積層して第3積層体を形成した後、その第3積層体の表基材原反に第2切込み線を形成し、不要基材を除去する工程を示す側面図。 (a)は、第1実施形態に係る通蒸ラベル連続体を表面側から見た平面図、(b)は、同通蒸ラベル連続体の側面図、(c)は、他の実施形態に係る通蒸ラベル連続体を表面側から見た平面図。 マイクロ波処理用容器の平面図。 図9のX−X線で切断した断面図。 第1実施形態のマイクロ波処理用包装体の平面図。 図11のXII−XII線で切断した断面図。 同包装体の通蒸ラベルが貼付された部分の拡大斜視図。 同包装体をマイクロ波処理したときの通蒸ラベルが貼付された部分の拡大斜視図。 図14のXV−XV線で切断した断面図。 (a)及び(b)は、第1実施形態の変形例に係る通蒸ラベルを裏面側から見た平面図。 (a)乃至(c)は、更なる変形例に係る通蒸ラベルを裏面側から見た平面図。 更なる変形例に係る通蒸ラベルを裏面側から見た平面図。 更なる変形例に係る通蒸ラベルを裏面側から見た平面図。 図19のXX−XX線で切断した断面図。 同通蒸ラベルを貼付した包装体をマイクロ波処理したときの通蒸ラベルが貼付された部分の拡大断面図(図14のXV−XV線と同じ箇所で切断)。 更なる変形例に係る通蒸ラベルの断面図(図19のXX−XX線と々箇所で切断)。 更なる変形例に係る通蒸ラベルを裏面側から見た平面図。 更なる変形例に係る通蒸ラベルを裏面側から見た平面図。 更なる変形例に係る通蒸ラベルを裏面側から見た平面図。 第2実施形態に係るマイクロ波処理用通蒸ラベルを表面側から見た平面図。 第2実施形態に係るマイクロ波処理用通蒸ラベルを裏面側から見た平面図。 図27のXXVIII−XXVIII線断面図。 第2実施形態のマイクロ波処理用包装体の平面図。 同包装体をマイクロ波処理したときの図29のXXX−XXX線で切断した断面拡大図であって、(a)は、そのマイクロ波処理の初期時の状態を示し、(b)は、さらに処理時間が経過した後の状態を示す。
以下、本発明について、図面を参照しつつ説明する。
本明細書において、縦方向は、表基材(又は裏基材)の面内における任意の1つの方向であり、横方向は、前記面内において前記縦方向と直交する方向である。なお、縦方向及び横方向は、長さで決まるわけではない。縦方向第1側は、縦方向の両側のうちいずれか一方の側であり、縦方向第2側は、前記縦方向第1側とは反対側である。横方向第1側は、横方向の両側のうちいずれか一方の側であり、横方向第2側は、前記横方向第1側とは反対側である。また、「PPP〜QQQ]という記載は、「PPP以上QQQ以下」を意味する。
各断面図における各構成要素の厚み及び長さ並びにそれら構成要素の相対的な比率などは、実際のものと異なっていることに留意されたい。
[第1実施形態]
<マイクロ波処理用通蒸ラベル>
図1乃至図3において、マイクロ波処理用通蒸ラベル1は、表基材2と、表基材2の裏面に積層された裏基材3と、前記表基材2の裏面のうち、前記裏基材3が積層されていない領域に設けられた粘着部4と、を有する。本発明では、前記表基材2に積層された裏基材3が、熱により変形することを主たる特徴とする。以下、具体的に説明する。
前記表基材2の平面視形状は、特に限定されないが、好ましくは、横方向の長さに対して縦方向の長さが小さい形状である。なお、本明細書において、縦方向の長さが一定でない場合には、前記縦方向の長さは、その最大長さを意味し、横方向の長さについても同様である。表基材2の具体的な寸法は、例えば、横方向の長さ及び縦方向の長さが、それぞれ独立して10mm〜100mmである。
本実施形態では、図1に示すように、平面視略長方形状の表基材2が用いられている。横方向の長さに対して縦方向の長さが小さい平面視形状は、長軸が横方向であり、短軸が縦方向である。かかる表基材2において、その縦横比は適宜設定できるが、例えば、縦長さ:横長さ=1:3〜2:3である。
表基材2は、柔軟なシートであれば特に限定されないが、熱により実質的に変形しないシートが好ましい。
ここで、本明細書において、熱により実質的に変形しないシートは、熱が加わることによって変形しない又は変形してもその変形量が本発明の属する技術分野において許容される誤差範囲であるものをいう。前記誤差範囲は、例えば、後述する熱収縮率が5%未満を含む。
前記実質的に変形しないシートとしては、紙、合成紙、熱収縮性を有さない合成樹脂シート、不織布及び発泡樹脂シート、並びにこれらの積層シートが挙げられ、好ましくは、熱収縮性を有さない合成樹脂シート又はこれを含む積層シートであり、より好ましくは、合成樹脂シートである。前記合成樹脂シートの材質は、特に限定されず、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸などのポリエステル系樹脂;ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂;ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体などのスチレン系樹脂;環状オレフィン系樹脂;塩化ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂から選ばれる1種、又は2種以上の混合物などが挙げられる。前記合成樹脂シートは、1つの層で構成されていてもよく、又、異種若しくは同種の異なる複数の層から構成されていてもよい。また、表基材2は、マイクロ波を受けてもそれ自身スパークしないシート(マイクロ波によってスパークし得る成分が実質的に含まれていないもの)が好ましく、さらに、マイクロ波を受けてもそれ自身スパーク及び発熱しないシート(マイクロ波によってスパーク及び発熱し得る成分が実質的に含まれていないもの)がより好ましい。
本明細書において、シートとは、フィルムと呼ばれるものと同義である。
表基材2の厚みは、特に限定されず、例えば、20μm〜120μmであり、好ましくは20μm〜100μmであり、より好ましくは30μm〜60μmである。裏基材3の変形に応じて、表基材2が厚み方向に変形し易くなることから、裏基材3よりも厚みが小さい表基材2を用いることが好ましい。
また、表基材2には、必要に応じて、デザイン印刷層が設けられていてもよい(デザイン印刷層は不図示)。表基材2は、透明又は非透明の何れでもよいが、その裏面側にデザイン印刷層を設ける場合には透明性に優れたものが用いられる。
本明細書において、透明(無色透明又は有色透明)は、全光線透過率が70%以上であり、好ましくは80%以上であり、より好ましくは90%以上である場合をいう。ただし、全光線透過率は、JIS K7105(プラスチックの光学的特性試験方法)に準拠した測定法によって測定される。
裏基材3は、熱により変形する柔軟なシートが用いられる。
前記熱によって変形するシートとしては、熱収縮性を有する合成樹脂シート、不織布及び発泡樹脂シート並びにこれらの積層シートなどの熱収縮性シート;形状記憶シート;などが挙げられる。前記裏基材3としては、熱収縮性シートが好ましい。
前記熱収縮性シートは、所要温度(例えば、80℃)に加熱されると、面方向に収縮するシートである。前記熱収縮性シートは、合成樹脂シート又はこれを含む積層シートから構成されていることが好ましく、合成樹脂シートから構成されていることがより好ましい。前記合成樹脂シートの材質は、特に限定されず、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸などのポリエステル系樹脂;ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂;ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体などのスチレン系樹脂;環状オレフィン系樹脂;塩化ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂から選ばれる1種、又は2種以上の混合物などが挙げられる。前記合成樹脂シートは、少なくとも1つの熱収縮層を含んでいることを条件として、1つの熱収縮層で構成されていてもよく、又、異種若しくは同種の異なる複数の層から構成されていてもよい。また、裏基材3は、マイクロ波を受けてもそれ自身スパークしないシートが好ましく、さらに、マイクロ波を受けてもそれ自身スパーク及び発熱しないシートがより好ましい。
また、裏基材3は、透明又は非透明の何れでもよい。さらに、裏基材3には、必要に応じて、デザイン印刷層が設けられていてもよい(デザイン印刷層は不図示)。裏基材3にデザイン印刷層を設ける場合、その印刷層は、裏基材3の表面に設けることが好ましい。裏基材3の裏面にデザイン印刷層を設けた場合、通蒸ラベル1の使用時に、前記デザイン印刷層(裏基材3の裏面)が容器の蒸気抜き用開口部に接触し、その開口部を通じて容器内に印刷インキが混入するおそれがある。
前記裏基材3が熱収縮性シートである場合、一方向に主として熱収縮する一軸延伸シート(一方向が主たる熱収縮方向であるシート)を用いることができる。
前記裏基材3の一方向における熱収縮率は、特に限定されないが、好ましくは20%以上であり、より好ましくは、30%以上である。なお、前記一方向における熱収縮率は、大きいほど好ましいが、それにも自ずと限界があるため、前記一方向における熱収縮率は、通常、100%以下である。前記裏基材3は、他方向に若干熱収縮又は熱膨張するものでもよい。その他方向における熱収縮率は、好ましくは−3〜15%である。なお、前記熱収縮率のマイナスは、熱膨張を意味する。なお、他方向は、一方向に直交する方向である。
ただし、本発明において熱収縮率は、加熱前の試験片の長さ(元の長さ)と、試験片を80℃の温水中に10秒間浸漬した後の基材の長さ(浸漬後の長さ)の割合であり、下記式に代入して求められる。
前記熱収縮率(%)=[{(一方向又は他方向の元の長さ)−(一方向又は他方向の浸漬後の長さ)}/(一方向又は他方向の元の長さ)]×100。
また、前記熱収縮性シートを有する裏基材3は、一方向における収縮応力が3MPa以上であることが好ましく、さらに、同収縮応力が4MPa以上であることがより好ましい。なお、裏基材3の収縮応力は、大きいほど好ましいが、通常、その上限は、20MPaである。
前記収縮応力は、シートを85℃温水中に10秒間浸漬した際の一方向に於ける最大収縮応力をいう。収縮応力の測定は、試験片の一方向長さを200mm、前記一方向と直交する方向の長さを15mmとし、この試験片の一方向の両端部を応力測定器((株)島津製作所製、製品名:オートグラフ)のチャックに保持し(チャック間距離100mm)、85℃の温水中に10秒間浸漬した間に生じる収縮応力の最大値によって求められる。
裏基材3の平面視形状は、表基材2よりも小面積であることを条件にして特に限定されないが、好ましくは、横方向の長さに対して縦方向の長さが小さい形状である。
裏基材3の具体的な寸法は、例えば、横方向の長さ及び縦方向の長さが、それぞれ独立して5mm〜80mmである。
本実施形態では、図1に示すように、平面視略菱形状の裏基材3が用いられている。横方向の長さに対して縦方向の長さが小さい平面視形状である裏基材3において、その縦横比は適宜設定できるが、例えば、縦長さ:横長さ=1:3〜2:3である。
前記熱収縮性シートを用いる場合には、縦方向が一方向(主たる熱収縮方向)となるようにして熱収縮性シートを前記平面視形状に切り取ることによって、縦方向に主として熱収縮する裏基材3を構成できる。例えば、図1に示す平面視略菱形状の裏基材3は、(その平面視形状の短軸である)縦方向に大きく熱収縮する。特に、前記縦方向に熱収縮する裏基材3は、その縦方向の長さが8mm以上であることが好ましい。裏基材3の熱収縮方向の長さを比較的長くすることにより、表基材2を十分に変形させることができる。
裏基材3の面積は、表基材2よりも小さければ特に限定されないが、余りに大きいと相対的に粘着部4が小面積となり、他方、余りに小さいと裏基材3を設けた意義が低下するので、例えば、裏基材3の面積は、表基材2の面積の0.2倍〜0.9倍であり、好ましくは、0.3倍〜0.8倍である。
また、裏基材3は、容器の蒸気抜き用開口部の全体を覆うことができる大きさに形成されていることが好ましい。
裏基材3は、表基材2の裏面のうち、平面視環状の粘着部4で囲われた範囲内に積層接着されている。平面視環状は、その粘着部4の内縁が無端状で且つその内縁で囲われた範囲内に閉鎖領域が生じる形状を意味し、粘着部4が円リング状などのような具体的な形状に限定されるわけではないことに留意されたい。
前記略菱形状の裏基材3は、その横方向が表基材2の横方向に略平行となるようにして表基材2の裏面に積層されている。つまり、表基材2の長軸と裏基材3の長軸(及び表基材2の短軸と裏基材3の短軸)は、略平行とされている。
裏基材3は、表基材2の裏面に接着されている。裏基材3は、弱接着にて接着されていてもよく、或いは、強接着にて接着されていてもよい。前記弱接着は、裏基材3を表基材2から手で剥離できる程度の接着力で接着されることをいい、前記強接着は、裏基材3を表基材2から手で剥離できない程度の接着力で接着されることをいう。前記弱接着されている場合の接着強度は、例えば、0.5N/25mm〜8N/25mmであり、好ましくは1N/25mm〜8N/25mmであり、より好ましくは、2N/25mm〜7N/25mmである。前記強接着されている場合の接着強度は、例えば、8N/25mmを越え、好ましくは9N/25mm〜35N/25mmであり、より好ましくは10N/25mm〜25N/25mmである。
ただし、前記接着強度は、JIS Z 0237に準じ、裏基材3の表面を表基材2の裏面に付け、この試験片を剥離角度180度、剥離速さ300mm/分、温度を23℃とした条件下の剥離試験において測定される。
本実施形態では、裏基材3が表基材2に弱接着にて接着されている。弱接着にて両基材2,3を接着させる方法は、特に限定されず、例えば、表基材2と裏基材3の間に粘着層と剥離層を介在させ、それらの層間で弱接着する方法、裏基材3の表面と表基材2の裏面を直接的に接触させて両基材の素材同士の付着力によって弱接着する方法などが挙げられる。
比較的簡易に作製できることから、粘着層と剥離層を用いた弱接着構造が好ましい。この場合、表基材/粘着層/剥離層/裏基材の順で各層を設けてもよいし、或いは、表基材/剥離層/粘着層/裏基材の順で各層を設けてもよい。粘着部4を同時に形成できることから、次に詳述するように、表基材/粘着層/剥離層/裏基材の順に積層して、裏基材3を表基材2に対して弱接着することが好ましい。
弱接着構造について、詳しくは、図2及び図3に示すように、表基材2の裏面全体には、粘着剤からなる粘着層51が積層されている。粘着剤は、表基材2の裏面全体にベタ状に設けられていてもよいし、裏面全体に網目状若しくは無数のドット状に設けられていてもよいが、図示例のように、裏面全体に亘って均一厚みの粘着層51を形成できることから、粘着剤はベタ状に設けられていることが好ましい。
粘着剤としては、従来公知のものを用いることができ、代表的には、感圧型粘着剤が用いられる。なお、感圧型粘着剤は、常温で粘着力を有し且つその粘着力が長期間持続している粘着剤であり、従来公知のタックラベルで広く使用されているものである。
他方、裏基材3の表面には、剥離層が積層されている(剥離層は、図示せず)。剥離層は、裏基材3の表面に剥離処理(例えば、シリコーン又は超微粒子などを含む溶剤型又はエマルジョン型の樹脂溶液を塗布する処理など)を行うことによって形成できる。
そして、前記裏基材3の縁が表基材2の縁に接触又は交差しないように位置合わせして、前記粘着層51の裏面に前記剥離層(裏基材3)の表面を接着することにより、裏基材3が弱接着にて表基材2の裏面に積層される。
なお、前記剥離処理を行わずに、裏基材3の表面を粘着層51の裏面に直接接着した場合には、裏基材3は強接着にて表基材2の裏面に積層される。
小面積の裏基材3が表基材2の縁に接触又は交差しないように裏基材3を粘着層51に接着することにより、表基材2の裏面のうち前記裏基材3が積層されていない領域(裏基材3の縁よりも外側の領域)において粘着層51の裏面が露出する。この露出した粘着層51の裏面が、粘着部4であり、当該粘着部4は、図1に示すように、平面視環状である。従って、前記裏基材3が、前記環状の粘着部4で囲われた範囲内における表基材2の裏面に積層されるようになる。よって、弱接着にて裏基材3と表基材2を接着すること及び粘着部4の形成を同時に行うことができる。
なお、前記粘着部4は、前記粘着層51の裏面からなるので、通常、強接着にて容器に接着しうる。この強接着の接着強度は、上記と同様に、例えば、8N/25mmを越え、好ましくは9N/25mm〜35N/25mmであり、より好ましくは10N/25mm〜25N/25mmであるが、その接着強度は、JIS Z 0237に準じ、粘着層51を介して表基材2を容器に貼り付け、この試験片を剥離角度180度、剥離速さ300mm/分、温度を23℃とした条件下の剥離試験において測定される。
前記環状の粘着部4は、その周方向において略均一な幅(略均一な面積)でもよいが、好ましくは、その周方向において幅が異なる。
例えば、粘着部4は、前記裏基材3の熱収縮方向と直交する方向における表基材2の両側部のうち少なくとも一方の側部において、その幅が最小となった最小幅部を有する。好ましくは、裏基材3の熱収縮方向と直交する方向における表基材2の両側部において、最小幅部を有する。なお、裏基材3が縦方向に主として熱収縮する場合には、前記裏基材3の熱収縮方向と直交する方向における表基材2の両側部は、表基材2の横方向第1側部及び第2側部である。
具体的には、平面視環状の粘着部4は、図1に示すように、表基材2の横方向第1側部において、縦方向第1側及び第2側にそれぞれ向かうに従って次第に幅が広くなり、且つ、表基材2の縦方向第1側部において、横方向第1側及び第2側にそれぞれ向かうに従って次第に幅が広くなっている。さらに、平面視環状の粘着部4は、表基材2の横方向第2側部において、縦方向第1側及び第2側にそれぞれ向かうに従って次第に幅が広くなり、且つ、表基材2の縦方向第2側部において、横方向第1側及び第2側にそれぞれ向かうに従って次第に幅が広くなっている。
従って、粘着部4は、縦方向第1側部、縦方向第2側部、横方向第1側部及び横方向第2側部のそれぞれの側部において、その幅が最小となった最小幅部41t,42t,41y,42yを有する。前記縦方向第1側部及び縦方向第2側部における最小幅部41t,42tは、表基材2の横方向略中央に配置されており、前記横方向第1側部及び横方向第2側部における最小幅部41y,42yは、表基材2の縦方向略中央に配置されている。もっとも、各最小幅部41t,42t,41y,42yは、それぞれ略中央に配置される場合に限定されず、何れか一方側に片寄って配置されていてもよい。
前記縦方向第1側部、縦方向第2側部、横方向第1側部及び横方向第2側部のそれぞれの側部における最小幅部41t,42t,41y,42yの幅(それら側部における粘着部4の幅)は、適宜設定できる。もっとも、前記最小幅部41t,42t,41y,42yが余りに小さいと、通蒸ラベル1を容器に貼り付けた包装体を搬送中に、その最小幅部にて通蒸ラベル1が部分的に剥がれるおそれがある。このような観点から、前記各側部における最小幅部41t,42t,41y,42yの幅は、それぞれ独立して、0.8mm以上が好ましく、さらに、1mm以上がより好ましく、1.5mm以上が特に好ましく、2mm以上が最も好ましい。他方、前記最小幅部が余りに大きいと、その最小幅部にて通蒸ラベル1の容器に対する接着面積が大きくなり、マイクロ波処理時に良好な抜け道を形成できないおそれがある。このような観点から、前記各側部における最小幅部41t,42t,41y,42yの幅は、それぞれ独立して、10mm以下が好ましく、さらに、8mm以下がより好ましく、6.5mm以下が特に好ましく、5mm以下が最も好ましい。
なお、粘着部4の幅は、粘着部4の外縁に対して直交する仮想直線を引き(図示していないが、粘着部4の外縁が円弧状であるときには、その接線に対して直交する仮想直線を引き)、その粘着部4の外縁と、その仮想直線が交差する粘着部4の内縁と、の間の長さをいう。
<通蒸ラベルの製造方法>
上記通蒸ラベル1は、例えば、次のようにすれば複数一連に且つ簡単に作製できる。
まず、通蒸ラベル1の表基材2及び裏基材3となる表基材原反2L及び裏基材原反3Lを準備する。表基材原反2L及び裏基材原反3Lは、それぞれ、平面視帯状の長尺物である。なお、長尺とは、長手方向の長さが短手方向に対して十分に大きい帯状であり、例えば、長手方向の長さが短手方向の長さの10倍以上である。
表基材原反2Lの表面又は裏面には、必要に応じて、デザインが印刷されていてもよい。
裏基材原反3Lは、熱収縮性シートであり、その短手方向に主として熱収縮する性質を有する。また、裏基材原反3Lの表面には、公知の剥離処理が施されている。また、裏基材原反3Lの裏面には、好ましくはデザインが印刷されておらず、基材原反地そのままの状態である。
表基材原反2Lの裏面を、略均一厚さの粘着層51を介して、裏基材原反3Lの表面(離型処理面)に積層することにより、図4に示すような、表基材原反2L/粘着層51/剥離処理された裏基材原反3Lの順で積層された第1積層体61Lを準備する(第1積層体61L=表基材原反2L/粘着層51/剥離層/裏基材原反3L)。
この第1積層体61Lのうち裏基材原反3Lの面内に、図5に示すように、ダイカットロールなどの打ち抜き刃71を用いて、裏基材3の外形と同形状の無端状の第1切込み線(例えば、略菱形状の切込み線)を、第1積層体61Lの長手方向に所定間隔を開けて複数形成する。なお、前記第1切込み線は、表基材原反2Lを切断しない程度で裏基材原反3L(又は裏基材原反3L及び粘着層51)に形成される。
そして、裏基材原反3Lのうち、前記第1切込み線で囲われた範囲以外の領域72L(不要基材。一般に、抜き滓と呼ばれる)を粘着層51から剥離する。前記裏基材原反3Lの表面は剥離処理されているので、第1切込み線で囲われた範囲以外の領域72Lを第1積層体61Lから容易に剥離することができる。
このようにして、図6に示すように、裏面に粘着層51を有する長尺の表基材原反2Lの裏面に、長手方向に所定間隔を開けて裏基材3が並んだ第2積層体62Lが得られる。
次に、別途準備しておいた平面視帯状の長尺離型紙7Lの離型処理面に、前記第2積層体62Lの裏面を重ね合わせて積層する。前記領域72Lを除去して得られた第2積層体62Lの裏面側には、粘着層51の裏面が露出している。このため、前記第2積層体62Lの裏面を長尺離型紙7Lの離型処理面に積層すると、表基材原反2Lが粘着層51を介して長尺離型紙7Lに弱接着する。
このようにして、図7に示すように、表基材原反2L/粘着層51/離型処理された複数の裏基材3/長尺離型紙7Lの順で積層された第3積層体63Lが得られる。
この第3積層体63Lのうち表基材原反2Lの面内に、ダイカットロールなどの打ち抜き刃73を用いて、表基材2の外形と同形状の無端状の第2切込み線(例えば、略長方形状の切込み線)を、裏基材3に対応して所定間隔を開けて形成していく。前記第2切込み線は、裏基材3の縁に接触又は交差せずに裏基材3を囲繞するように、表基材原反2L(又は表基材原反2L及び粘着層51)に形成される。
最後に、表基材原反2L及び粘着層51のうち、前記第2切込み線で囲われた範囲以外の領域74L(不要基材)を粘着層51から剥離することにより(図7参照)、図8(a)及び(b)に示すような、長尺離型紙7Lの長手方向に所定間隔を開けて複数の通蒸ラベル1が仮貼付された通蒸ラベル連続体81Lが得られる。
かかる製造方法によれば、上記通蒸ラベル1を非常に簡単に製造できる。
かかる通蒸ラベル連続体81Lは、通常、ロール状に巻き取って保管搬送され、使用に際して引き出され、長尺離型紙7Lから個々の通蒸ラベル1が剥離される。
なお、上記製造方法では、短手方向が主たる熱収縮方向である裏基材原反3Lを用いているが、長手方向が主たる熱収縮方向である裏基材原反を用いてもよい。かかる裏基材原反を用いる場合には、第1切込み線及び第2切込み線を90度回転させて形成すれば、上記と同様の手順で、図8(c)に示すような複数の通蒸ラベル1を有する通蒸ラベル連続体82Lを得ることができる。
また、上記製造方法では、通蒸ラベル1が短手方向に一列に形成される場合を例示したが、通蒸ラベル1が短手方向に複数列に並んだ通蒸ラベル連続体も同様にして作製することができる。
<通蒸ラベルの使用法及び包装体>
本発明の通蒸ラベル1は、マイクロ波処理用容器の蒸気抜き用開口部を覆うようにして、前記容器に貼り付けて使用される。
マイクロ波処理用容器は、蒸気抜き用開口部が形成された密封容器であれば特に限定されず、例えば、樹脂を用いたシート成形容器や射出成形容器、発泡樹脂容器のような形状維持容器が挙げられるが、柔らかい軟質容器でもよい。
図9及び図10は、形状維持容器の一例を示す。このマイクロ波処理用容器9は、電子レンジ調理食品などの内容物が収納される収納空間911を有する容器本体91と、容器本体91の開口を密封状に塞ぐ蓋92と、前記収納空間911に連通する蒸気抜き用開口部93と、を有する。ただし、収納空間911内に収納された内容物は、図示しない。
容器本体91は、シート成形、射出成形又は発泡樹脂成形などからなる凹状体である。蓋92は、シート成形品からなる。蓋92は、容器本体91のフランジ部に嵌合されており、密封性を確保するため、蓋92とフランジ部は、手で剥がせる程度の接着力で接着されている。前記蓋92と容器本体91の接着は、代表的には、熱溶着が挙げられるが、接着剤を用いて接着されていてもよい。なお、蓋92として、平坦なシート蓋を用いてもよい。
前記蓋92には、収納空間911に連通する蒸気抜き用開口部93が形成されている。なお、蒸気抜き用開口部93は、蓋92に形成する場合に限られず、例えば、容器本体91の側壁の上方部に形成してもよい。
蒸気抜き用開口部93の平面視形状は、特に限定されず、直線状、X字状、Y字状、U字状、V字状、C字状、ピンホール状、比較的大きな径の孔などが挙げられる。蒸気の流れを一方向に方向付けすることができるので、U字状、V字状、C字状等の形状が好ましい。
図示例では、有端非直線状の切込み線を蓋の厚み方向に貫通形成することにより、蓋92の面内に1つのU字状の蒸気抜き用開口部93が形成されている。このU字状の蒸気抜き用開口部93を通じて、容器9内の蒸気は外部に排出される。
図11乃至図13は、マイクロ波処理用包装体10の一例を示す。
この包装体10は、前記通蒸ラベル1と、容器9と、を有する。この容器9の蒸気抜き用開口部93を塞ぐように、通蒸ラベル1が粘着部4を介して容器9(蓋92)の外面に貼付されている。好ましくは、環状の粘着部4が蒸気抜き用開口部93に重ならないように、環状の粘着部4の内側に蒸気抜き用開口部93が収まるように位置合わせして、通蒸ラベル1が容器9に貼付されている。従って、通蒸ラベル1の裏基材3の裏面が蒸気抜き用開口部93に対面するようになる。このように貼付することにより、粘着部4を構成する粘着剤が開口部93から容器内に侵入することを防止できる。
さらに、前記包装体10は、容器9に形成された蒸気抜き用開口部93が通蒸ラベル1にて密封状に覆われているので、全体的に気密性を有する。このため、粉塵などの異物が外部から蒸気抜き用開口部93を通じて容器9内へ侵入することがない。
前記包装体10は、マイクロ波処理に供される。
マイクロ波を照射することによって、内容物が昇温し且つ蒸気が生じ始める。その蒸気の熱が、蓋92を通じて通蒸ラベル1に伝わると共に、蒸気が、蒸気抜き用開口部93から通蒸ラベル1の裏面側に当たり裏基材3を直接的に温める。本実施形態では、縦方向に主として熱収縮する裏基材3が用いられ且つ熱によって変形しない表基材2が用いられているので、通蒸ラベル1が加熱されると、裏基材3が縦方向に収縮する一方で表基材2は変形しない。このため、裏基材3が縦方向に縮むことに引きずられて表基材2が上側に膨らむように変形する(図14及び図15)。
変形後、通蒸ラベル1を縦方向中央部で切断して見たときには、図15に示すように、表基材2は略山型状に変形しており、横方向中央部で切断して見たときには、特に図示しないが、表基材2は容器9から離れた略直線状に変形している。なお、表基材2の変形時に、縦方向第1側部及び第2側部における粘着部4は、それぞれ若干反対側にずれるようになる。本実施形態では、粘着部4は、表基材2の縦方向第1側部及び第2側部において横方向第1側及び第2側にそれぞれ向かうに従って幅が広くなっているので(換言すると、粘着部4は、縦方向第1側部及び第2側部において最小幅部を有するので)、縦方向第1側部及び第2側部における粘着部4がそれぞれ若干反対側にずれ易くなり、前記表基材2の変形を促進できる。特に、粘着部が縦方向第1側部及び第2側部において最小幅部を有すること及びその最小幅部に対応して裏基材3が幅広となっていて大きく収縮することが相乗して、前記表基材2の変形を促進できる。
蒸気によって通蒸ラベル1の裏面が押し上げられること及び表基材2が上記のように変形することにより、通蒸ラベル1の横方向第1側部及び第2側部が容器9から浮き上がり、通蒸ラベル1と容器9の外面との間に抜け道Aが生じる。特に、本実施形態では、粘着部4は、表基材2の横方向第1側部及び第2側部において縦方向第1側及び第2側にそれぞれ向かうに従って幅が広くなっているので(換言すると、粘着部4は、横方向第1側部及び第2側部において最小幅部を有するので)、その最小幅部及びその近傍領域の粘着部4が容器9から離れ易く、比較的大きな抜け道Aが生じ易くなる。
容器9内の蒸気は、蒸気抜き用開口部93からこの抜け道Aを通じて、速やかに外部へと排出される。
このように本発明の通蒸ラベル1を用いた包装体10は、蒸気による押し上げに加えて、裏基材3の熱変形によって通蒸ラベル1が変形して抜け道Aを生じさせるので、マイクロ波処理時に内圧が非常に高くなる前に、容器9内の蒸気を逃がすことができる。このため、本発明の包装体10は、蒸気と共に内容物が吹き出し難く、また、内容物が吹き出した場合でもその量が少なくなる。
特に、裏基材3は、80℃という比較的低温で熱収縮する性質を有するので、蒸気が不十分なマイクロ波処理の初期段階においても熱収縮する。このため、本発明の包装体10によれば、マイクロ波処理の初期段階で、通蒸ラベル1と容器9の間に蒸気を逃がすための抜け道Aを生じさせることもできる。さらに、裏基材3の収縮応力が3MPa以上である場合、前記表基材2の変形を促進できる。
また、本発明の通蒸ラベル1は、上記のように蒸気の押し上げだけでなく裏基材3の熱変形を利用して抜け道Aを形成するので、比較的大きな面積の粘着部4にて容器9に貼付しても抜け道Aを形成できる。かかる通蒸ラベル1を容器9に貼付した包装体10は、その搬送中に通蒸ラベル1が容器9から不用意に剥がれることがなく、密封性に優れている。
本発明は、上記第1実施形態に限られず、様々に変更することができる。
以下、本発明の第1実施形態の変形例及び第2実施形態を説明するが、上記実施形態と同様の構成及び効果は、(その説明をしたものとして)説明を省略し、用語及び符号をそのまま援用する。
[第1実施形態の変形例]
上記実施形態では、表基材2は、平面視略長方形状に形成されているが、これに限定されず、例えば、図16(a)に示すように、平面視略楕円形状、或いは、同図(b)に示すように、略正方形状に形成されていてもよく、特に図示しないが、平面視略菱形状、略円形状、略三角形状、略六角形状などの略多角形状などに形成されていてもよい。略楕円形状や略菱形状なども、横方向の長さに対して縦方向の長さが小さい平面視形状であるが、中でも、表基材2は、略長方形状又は略楕円形状が好ましく、略長方形状がより好ましい。
なお、本発明において、平面視形状の「略」は、本発明の属する技術分野において許容される形状を意味する。前記平面視略長方形状、略正方形状、略菱形状、略三角形状及び略多角形状の「略」は、例えば、角取りされている形状、辺の一部が僅かに膨らむ又は窪んでいる形状、辺が若干湾曲している形状、略正方形状や略長方形状においては2つの辺が直角でなく僅かに傾いている形状などが含まれる。また、前記平面視略円形状及び略楕円形状の「略」は、例えば、周の一部が僅かに膨らむ又は窪んでいる形状、周の一部が若干直線とされた形状などが含まれる。
さらに、上記実施形態において、裏基材3は、平面視略菱形状に形成されているが、これに限定されず、例えば、図17(a)に示すように、平面視略楕円形状、或いは、同図(b)に示すように、1つの略三角形と略四角形の結合形状(略ホームベース形状)、或いは、同図(c)に示すように、2つの略三角形と略四角形の結合形状(略舟底形状)、或いは、図18に示すように、略長方形状に形成されていてもよい。なお、図18は、粘着部4が、1つの側部において最小幅となっている形態である(1つの側部における粘着部4の幅が略均一で、その側部における粘着部4の幅が他のいずれの側部における粘着部4の幅よりも小さい形態である)。また、特に図示しないが、裏基材3は、平面視略円形状、略三角形状、略六角形状などの略多角形状などに形成されていてもよい。略楕円形状、略長方形状、1つ若しくは2つの略三角形と略四角形の結合形状なども、横方向の長さに対して縦方向の長さが小さい平面視形状であるが、中でも、裏基材3は、略菱形状、略楕円形状又は略長方形状が好ましく、略菱形状又は略長方形状がより好ましい。
さらに、上記実施形態では、長軸及び短軸を有する平面視形状の裏基材3は、その長軸が表基材2の横方向に略平行となるようにして表基材2の裏面に積層されているが、これに限定されず、長軸及び短軸を有する平面視形状の裏基材3が、その長軸が表基材2の縦方向に略平行又は縦方向に鋭角に傾斜するようにして表基材2の裏面に積層されていてもよい。
(表基材2が略長方形状でなく且つ裏基材3が略菱形状でなく)表基材2及び裏基材3がそれぞれ他の平面視形状である場合にも、表基材2に対する裏基材3の向きは適宜設定できる。
また、上記実施形態では、環状の粘着部4は、表基材2の4つの側部において、それぞれ次第に幅広となっているが、第1側及び第2側にそれぞれ向かうに従って段階的に幅広となっていてもよい。
さらに、環状の粘着部4は、表基材2の全ての側部においてそれぞれ幅広となっている場合に限られず、例えば、表基材2の横方向第1側部のみにおいて縦方向第1側及び第2側にそれぞれ向かうに従って幅が広くなった部分を有し、又は、表基材2の縦方向第1側部のみにおいて横方向第1側及び第2側にそれぞれ向かうに従って幅が広くなった部分を有していてもよい。好ましくは、環状の粘着部4は、表基材2の横方向第1側部において縦方向第1側及び第2側にそれぞれ向かうに従って幅が広くなり、且つ、表基材2の縦方向第1側部において横方向第1側及び第2側にそれぞれ向かうに従って幅が広くなった部分を少なくとも有する。このような粘着部4を有する通蒸ラベル1は、マイクロ波処理時に抜け道Aが生じ易くなる。
さらに、上記実施形態では、裏基材3は、粘着部4を構成する粘着層51を介して表基材2に積層接着されているが、粘着部4を構成する粘着層51とは別個の粘着層を介して表基材2に接着されていてもよい。
また、裏基材3は、上述のように表基材2の裏面に強接着にて接着されていてもよい。強接着にて両基材を接着させる方法は、特に限定されず、例えば、表基材2と裏基材3を接着力の大きい接着剤で強接着する方法、表基材2と裏基材3が溶剤接着可能な素材からなる場合には、両基材を溶着して強接着する方法、表基材2と裏基材3の素材が近似している場合には両基材の素材同士の付着力によって強接着する方法などが挙げられる。
また、熱収縮性を有する裏基材3として、熱収縮層と非熱収縮層の積層シート又は熱収縮率の異なる複数の層が積層された積層シートを用いることもできる。
例えば、図19及び図20に示すように、裏基材3は、熱収縮層31と、熱収縮層31の表面側に積層された非熱収縮層32と、を有する。この熱収縮層31は、縦方向に主として熱収縮する一軸延伸シートであり、その熱収縮率は、上記実施形態の説明欄の例示の通り、好ましくは20%以上である。もっとも、熱収縮層31は、縦方向だけでなく、横方向にも縦方向と同等に熱収縮する二軸延伸シートを用いてもよい。前記非熱収縮層32は、柔軟で且つ熱により実質的に変形しないシートであり、上記実施形態の表基材2で例示したようなシートを用いることができる。
なお、図示例では、表基材2は、平面視略長方形状の表基材2が用いられている。また、裏基材3は、表基材2よりも小面積の平面視略長方形状であり、その表面には剥離処理が施されている。表基材2の裏面全体に粘着層51が設けられ、裏基材3の剥離処理面が粘着層51の裏面に弱接着にて接着されている。平面視環状の粘着部4は、表基材2の横方向第1側部及び第2側部において均一な幅であり、また、縦方向第1側部及び第2側部においても均一な幅である。4つの側部における粘着部4の幅は、それぞれ独立して、上記最小幅部の幅(0.8mm以上、10mm以下)と同様であることが好ましい。
裏基材3として熱収縮層31及び非熱収縮層32を有する通蒸ラベル1も、上記実施形態と同様に、蒸気抜き用開口部93を塞ぎつつ前記容器9に貼り付けて使用される。
この通蒸ラベル1を容器9に貼付した包装体10をマイクロ波処理すると、蒸気の熱によって熱収縮層31が収縮する一方で非熱収縮層32が変形しないので、裏基材3は、裏基材3の縦方向第1側及び第2側が表基材2から離れつつ、熱収縮層31に引っ張られて下方に湾曲する(図21参照)。特に、裏基材3が、弱接着の中でも0.5N/25mm〜3N/25mmのような比較的小さな接着力で接着されている場合には、裏基材3は、表基材2から離れて良好に湾曲するようになる。裏基材3が湾曲すると、表基材2が押し上げられると共に、蓋92が若干押し下げられるので、通蒸ラベル1の横方向第1側部及び第2側部が容器9から比較的大きく浮き上がり、通蒸ラベル1と容器9の外面との間に比較的大きな抜け道Aが生じる。
このように他の実施形態の通蒸ラベル1を用いた包装体10は、裏基材3が厚み方向に湾曲するので、素早く且つ比較的大きな抜け道Aが生じるようになる。
なお、熱収縮層31及び非熱収縮層32を有する通蒸ラベル1についても、表基材2、裏基材3及び粘着層51は、図19に示すものに限定されず、上記で例示した様々な平面視形状をそれぞれ組み合わせることができる。
また、上記では、裏基材3として、1層の熱収縮層31と1層の非熱収縮層32の積層シートを有するものを例示したが、熱収縮層31が2層以上で構成されていてもよいし、非熱収縮性層32が2層以上で構成されていてもよい。熱収縮層32が2層以上で構成される場合、それらの熱収縮率は同等又は異なっていてもよいが、異なる場合には、熱によって裏基材3の側部が下方に突出して良好に湾曲するようにするため、最も熱収縮率の大きい熱収縮層が最裏面に積層されていることが好ましい。
さらに、上記では、裏基材3として、熱収縮層31と1層の非熱収縮層32の積層シートを有するものを用いているが、図22に示すように、第1熱収縮層311とそれよりも熱収縮率が異なる第2熱収縮層312とが積層された積層シートを用いてもよい。この場合、第2熱収縮層312の熱収縮率は、第1熱収縮層311のそれよりも小さいことが好ましい。また、裏基材3は、熱収縮率が異なる3層以上の積層シートでもよく、この場合、最も熱収縮率の大きい熱収縮層が、最裏面に積層されていることが好ましい。
さらに、上記実施形態では、表基材2として熱によって実質的に変形しないシートが用いられているが、表基材2は、熱によって変形するシートを用いてもよい。例えば、表基材2は、一方向に主として熱収縮する熱収縮性シートを用いてもよい。この場合、その表基材2の主たる熱収縮方向と裏基材3の主たる熱収縮方向が直交するように、裏基材3を表基材2の裏面に積層して通蒸ラベル1を構成することが好ましい。
また、上記実施形態では、裏基材3として、熱収縮性を有するものを例示しているが、裏基材3は、熱によって変形するものであれば特に限定されず、裏基材3として形状記憶シートを用いることもできる。形状記憶シートは、所要温度(例えば、80℃)に加熱されると、厚み方向に湾曲又は屈曲するシートである。具体的には、形状記憶シートは、予め湾曲状又は屈曲状が記憶された、平坦なシートであって、熱(又は熱及び湿度)が加えられると、その記憶された形状に復元するシートである。
また、上記実施形態の通蒸ラベル1を帯状に形成してもよい。
具体的には、帯状の通蒸ラベル1は、図23に示すように、平面視帯状の長尺体からなる表基材2と、表基材2の裏面に積層された裏基材3と、前記裏基材3が積層されていない領域に設けられた平面視環状の粘着部4と、を有する。この表基材2は、図1に示す表基材を、縦方向に大きく延出させた長尺形状と言える。この長尺体は、長手方向の長さが短手方向に対して十分に大きい帯状であり、例えば、長手方向の長さが短手方向の長さの10倍以上である。粘着部4は、基材3が積層されていない領域の全体に形成されている。なお、裏基材3は、縦方向に主として熱収縮するものである。
かかる帯状の通蒸ラベル1も上記実施形態と同様に、裏基材3の裏面が蒸気抜き用開口部93に対面するように、容器9に貼付して使用されるが、さらに、表基材2の長さを比較的長く設計すると、表基材2を蓋92と容器本体91とに跨がって貼り付けることもでき、さらに、表基材2を容器の周囲全体に巻き付けて貼り付けることも可能である。かかる使用法によれば、帯状の通蒸ラベル1を容器の封緘ラベルとして兼用できる。また、かかる帯状の通蒸ラベル1は、表基材2の殆どが裏基材3の熱収縮による変形の影響を受け難いので、例えば、表基材2のうち裏基材3が積層されていない帯状部分に、商品名や内容物表示などのデザイン印刷層を設けておくことにより、マイクロ波処理した後でもデザインを綺麗に保つことができる。
また、図24に示すように、横方向第2側を延設させた表基材2を用いて、通蒸ラベル1を構成してもよい。この場合、縦方向に熱収縮する裏基材3は、表基材2の横方向第1側に片寄って配置されていることが好ましく、粘着部4は、横方向第1側部において最小幅部41yを有することが好ましい。なお、図24では、平面視略三角形状の裏基材3を用いているが、上述したような略菱形状や略ホームベース状などに適宜変更してもよい。この図24の通蒸ラベル1も、裏基材3の裏面が蒸気抜き用開口部93に対面するように、容器9に貼付して使用されるが、表基材2が比較的長いので、図23の通蒸ラベルと同様に、その表基材2にデザイン印刷層を設けておくことにより、マイクロ波処理した後でもデザインを綺麗に保つことができる。
さらに、上記実施形態では、粘着部4は、表基材2の裏面のうち、裏基材3が積層されていない領域の全体に形成されているが、これに限定されず、例えば、図25に示すように、平面視環状の粘着部4は、裏基材3が積層されていない領域の一部に形成されていてもよい。なお、図25の符号2aは、表基材2の裏面を、符号4aは、粘着部4の内縁を示す。
さらに、上記実施形態では、粘着部4は、平面視環状に形成されているが、これに限定されず、表基材の裏面のうち前記裏基材が積層されていない領域に、粘着部4が設けられていればよい。好ましくは、通蒸ラベル1を容器9に貼り付け時に、表基材2、容器9及び粘着部4にて閉鎖空間が形成され且つその閉鎖空間内に裏基材3が配置されるように、粘着部4が形成される。
[第2実施形態]
上記第1実施形態は、マイクロ波処理時に、通蒸ラベルと容器の間に、外部に繋がる抜け道を生じさせることができる通蒸ラベルに関するが、第2実施形態は、マイクロ波処理時に、表基材の面内に形成された通蒸孔から容器内の蒸気を逃がすことができる通蒸ラベルに関する。
図26乃至図28において、本実施形態のマイクロ波処理用通蒸ラベル1は、上記第1実施形態と同様に、表基材2と、表基材2の裏面に積層された裏基材3と、前記表基材2の裏面のうち、前記裏基材3が積層されていない領域に設けられた粘着部4と、を有する。
本実施形態の通蒸ラベル1は、通蒸孔21が表基材2の面内に形成され、裏基材3がその通蒸孔21を塞ぐように表基材2の裏面に弱い接着力にて接着されている。前記通蒸孔21は、表基材2の表裏面に貫通して形成され、好ましくは表基材2及び粘着層51を貫通して形成されている。通蒸孔21の平面視形状は、特に限定されず、直線状、X字状、Y字状、U字状、V字状、C字状、ピンホール状、比較的大きな径の孔などが挙げられる。図示例では、通蒸孔21は、平面視X字状に形成されている。
本実施形態の裏基材3も、上記第1実施形態と同様に、熱により変形する柔軟なシートが用いられ、好ましくは熱収縮性シートが用いられる。本実施形態の裏基材3として用いられる熱収縮性シートは、一方向に主として熱収縮するシート(例えば、一軸延伸シート)、一方向及び他方向の双方に主として熱収縮するシート(例えば、二軸延伸シート)でもよい。
図示例では、表基材2は、平面視略長方形状であり、裏基材3は、表基材2よりも小面積の平面視略長方形状である。裏基材3は、(その平面視形状の短軸である)縦方向に主として熱収縮する熱収縮性シートが用いられている。
裏基材3の表面には、比較的厚みの大きい剥離層33が設けられている。表基材2の裏面と裏基材3の表面の間に、粘着層51と比較的厚みの大きい剥離層33が介在されていることにより、裏基材3は、表基材2に弱い接着力にて接着されている。本実施形態において、表基材2に対する裏基材3の接着強度は、後述するように、マイクロ波処理時に熱収縮した裏基材3が表基材2の裏面からズレを生じることができれば特に限定されない。例えば、前記表基材2に対する裏基材3の接着強度は、2N/25mm以下(又は未満)であり、好ましくは、1N/25mm以下(又は未満)であり、より好ましくは、0.1N/25mm以上1N/25mm以下(又は未満)であり、さらに好ましくは、0.1N/25mm以上0.5以下(又は未満)である。裏基材3は、表基材2の裏面のうち通蒸孔21を含んでその周辺領域に少なくとも接着されていればよく、好ましくは、裏基材3の表面全体が、通蒸孔21の周辺領域を含む表基材2の裏面全体に接着されている。
なお、粘着部4は、平面視環状に形成され、その粘着部4の幅は、縦方向第1側部、縦方向第2側部、横方向第1側部及び横方向第2側部のそれぞれの側部において略均一とされている。もっとも、粘着部4は、上記第1実施形態のように縦方向第1側部、縦方向第2側部、横方向第1側部及び横方向第2側部から選ばれる少なくとも1つの側部において最小幅となっていてもよく、又は、少なくとも1つの側部において最小幅部を有していてもよい。
本実施形態の通蒸ラベル1も、上記第1実施形態と同様に、マイクロ波処理用容器の蒸気抜き用開口部を覆うようにして、前記容器に貼り付けて使用される。
図29は、第2実施形態のマイクロ波処理用包装体10の一例を示す。
この包装体10は、本実施形態の通蒸ラベル1が、容器9の蒸気抜き用開口部93を塞ぐように、粘着部4を介して容器9(蓋92)の外面に貼付されている。通蒸ラベル1の裏基材3の裏面は蒸気抜き用開口部93に対面している。
この包装体10にマイクロ波を照射すると、内容物が昇温し且つ蒸気が生じ始める。その蒸気の熱が、蓋92を通じて通蒸ラベル1に伝わると共に、蒸気が、蒸気抜き用開口部93から通蒸ラベル1の裏面側に当たり裏基材1を直接的に温める。本実施形態では、熱収縮性の裏基材3が非熱収縮性の表基材2に弱い接着力にて接着されているので、通蒸ラベル1が加熱されると、裏基材3が表基材2の裏面をスライドするように熱収縮し始める。熱収縮した裏基材3が表基材2の裏面からずれることによって、図30(a)に示すように、裏基材3と表基材2の間に、僅かな隙間Bが生じる。容器9内の蒸気は、蒸気抜き用開口部93からこの隙間Bを通じて表基材2の通蒸孔21へと至り、外部へと排出される。さらに、蒸気によって裏基材3が加熱されると、裏基材3の熱収縮が進み、同図(b)に示すように、裏基材3が波打つように変形すると共に表基材2から大きく離れ、通蒸孔21からの蒸気がより多く排出されるようになる。
なお、本実施形態の通蒸ラベル1は、通蒸孔21から蒸気が排出されるが、この通蒸孔21以外にも、上記第1実施形態と同様に通蒸ラベル1の一部が容器9から浮き上がり、通蒸ラベル1と容器9の外面との間に抜け道を生じ、その抜け道からも蒸気が排出されることもある。
このように本実施形態の通蒸ラベル1を用いた包装体10は、裏基材3の熱変形によって裏基材3と表基材2の間の隙間Bから蒸気が抜けていくので、マイクロ波処理時に内圧が非常に高くなる前に、容器9内の蒸気を逃がすことができる。本実施形態の包装体10も、蒸気と共に内容物が吹き出し難くなる。さらに、本実施形態の通蒸ラベル1を用いた場合、マイクロ波照射初期時には、裏基材3と表基材2の間に生じた僅かな隙間Bを通じて通蒸孔21から蒸気が排出されるので、いきなり多量の蒸気が排出されることがなく、前記内容物の吹き出しを効果的に防止できると共に、使用者を驚かすこともない(いきなり多量の蒸気が排出される場合には、音が生じることがあるので、使用者を驚かすことがある)。そして、マイクロ波処理の時間の経過に従い、蒸気の排出量が増えていくようになる。
本発明の通蒸ラベルは、例えば、マイクロ波処理される食品容器の蒸気抜き用開口部を塞ぐラベルとして利用できる。
本発明の包装体は、例えば、収納した食品をマイクロ波によって温める即席食品容器として利用できる。
1 マイクロ波処理用通蒸ラベル
2 表基材
3 裏基材
4 粘着部
9 マイクロ波処理用容器
93 蒸気抜き用開口部
10 マイクロ波処理用包装体

Claims (8)

  1. 表基材と、
    前記表基材の裏面に積層され、且つ熱により変形する裏基材と、
    前記表基材の裏面のうち、前記裏基材が積層されていない領域に設けられた粘着部と、を有するマイクロ波処理用通蒸ラベル。
  2. 前記裏基材が、熱収縮する性質を有する、請求項1に記載のマイクロ波処理用通蒸ラベル。
  3. 前記粘着部が、前記裏基材の熱収縮方向と直交する方向における表基材の両側部のうち少なくとも一方の側部において、その幅が最小となった最小幅部を有する、請求項2に記載のマイクロ波処理用通蒸ラベル。
  4. 前記表基材が、横方向の長さに対して縦方向の長さが小さい平面視形状に形成されており、
    前記裏基材の熱収縮方向が、縦方向である、請求項2または3に記載のマイクロ波処理用通蒸ラベル。
  5. 前記裏基材が、横方向第1側からその反対側に向かうに従って幅広に形成されている部分を有する、請求項1乃至3のいずれかに記載のマイクロ波処理用通蒸ラベル。
  6. 前記粘着部が、前記裏基材の周囲を取り囲む平面視環状に形成されている、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のマイクロ波処理用通蒸ラベル。
  7. 前記表基材が、熱により実質的に変形しないシートである、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のマイクロ波処理用通蒸ラベル。
  8. 蒸気抜き用開口部を有するマイクロ波処理用容器と、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の通蒸ラベルと、を有し、
    前記通蒸ラベルが、前記裏基材にて前記蒸気抜き用開口部を覆うようにして、前記粘着部を介して前記容器に貼付されている、マイクロ波処理用包装体。
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