JP2015193030A - ディスク形状品の鍛造加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】アロイ901相当材を用いてディスク形状品を鍛造成形するに際し、仕上鍛造において、芯部に到るまで目標とするASTM結晶粒度#4以上の微細な組織を安定して容易に得ることのできる自由逐次鍛造によるディスク形状品の鍛造加工方法を提供する。
【解決手段】質量%でC:0.02〜0.06%,Ni:40〜45%,Cr:12〜14%,Mo:6〜7%,Ti:2.5〜3.5%,Al:0.12〜0.30%,B:0.010〜0.020%,残部Fe及び不可避的不純物の組成を有するFe基耐熱合金から成る被加工材を、仕上鍛造において、炭化物析出によるピン止め作用の下で、合計圧下率10%以上で圧下を行う鍛造ステップと、950〜1060℃で1時間以上保持するリヒートステップとをそれぞれ1回以上繰り返し、同一個所に少なくとも2回以上の打撃を加える自由逐次鍛造を施してディスク形状に鍛造成形し、ASTM結晶粒度#4以上の組織のディスク品を得る。
【選択図】 なし

Description

この発明はディスク形状品の鍛造加工方法に関し、詳しくは自由逐次鍛造によるディスク形状品の鍛造加工方法に関する。
Niを主成分として含有する耐熱合金は、高温における高い引張強度,疲労強度の要求される発電用タービンディスク等として広く使用されている。
この種Ni含有の耐熱合金の強化機構として固溶強化,炭化物析出強化,γ′(ガンマプライム)析出強化の3種類の強化機構が知られているが、特にNi(Al,Ti)から成る金属間化合物のγ′相の析出による強化を用いたγ′強化機構は広く用いられている。
Nimonic Alloy 901(以下、アロイ901とする。NimonicはSpecial Metals社の商標)はその一例で、このNi含有耐熱合金では、炭化物の析出強化とγ′相の析出強化による複合的な強化が行われている。
Ni含有耐熱合金から成る部材の高温引張強度や衝撃特性,疲労特性等の機械的特性は、Ni基耐熱合金の結晶粒の粒度に左右される。
そのためNi含有耐熱合金では、再結晶温度以上の温度での熱間鍛造により結晶を再結晶させ且つその際の再結晶粒の成長を抑制することで、結晶粒を微細化することが行われている。
Ni基耐熱合金部材の高温引張強度や衝撃特性,疲労特性等の機械的特性は、結晶粒が微細であるほど高くなる。そこで一般には結晶粒を出来るだけ微細化させるように熱間鍛造を行う。
Ni基耐熱合金部材の引張強度や疲労強度に対しては、結晶粒界は転位の運動の障壁として働くため、粒界強度は粒内強度よりも大きく、従って結晶粒を微細化することが、上記の引張強度等の強度向上に有効であるとされている。
熱間鍛造による結晶粒の微細化の過程では、鍛造による歪み付与で結晶粒が変形を生じ、そして変形した結晶粒の粒界に沿って再結晶粒が生成する。
生成した再結晶粒はその後成長し、次第に大きくなって行くが、初期結晶粒が粗大であると、その結晶粒の芯部に到るまで再結晶による結晶成長が及ばずに、芯部が未再結晶部分として残り易い。
特に、型彫りをした金型の中に材料を閉じ込めて成形する型鍛造では、一般に1回の鍛造で済ませてしまうためにこうした問題を生じ易い。
またこの型鍛造では、被加工材に付与される歪みが不均等となり易く、そして歪み不均等によって結晶粒が不均等となり易い。
これに対して金敷で材料(被加工材)に打撃を加えてこれを2つの平面間で圧縮し(圧縮方向と直角な2方向では材料は拘束されない)、通常同じ個所に何回も打撃を加え、歪みを与える自由逐次鍛造では、再結晶粒の粒界からの再結晶生成が繰り返されるため、再結晶した領域が拡大し、芯部に到るまで被加工材全体に亘って結晶粒の粒度を効果的に均等化し且つ微細化し易いし、また加工度を調整することで結晶粒の粒度を制御し易い。
従って発電ガスタービンにおけるタービンディスク等を鍛造にて成形する場合、このような自由逐次鍛造にて成形することが望ましい。
この種発電設備におけるタービンディスク等にあっては、各部の結晶粒度が出来るだけ均等であること、また中心の芯部に到るまでASTM#4以上の微細な結晶粒度であることが求められるが、自由逐次鍛造によればこのような組織が得られ易い。
ところで、このような自由逐次鍛造にあっては同一個所に繰り返し打撃を加えることで再結晶範囲を拡げ、芯部に到るまで拡大して行く関係上、通常、打撃を加える鍛造ステップとリヒートステップとを繰り返し行うこととなる。
この場合、Ti,Mo等の炭化物やγ′の析出相を強化相とするアロイ901相当材を用いた鍛造加工では、加工条件によっては鍛造中にこれら炭化物相やγ′相が析出したり或いは逆に固溶したりし、またそのことによって結晶粒の粒成長挙動が大きく影響を受けることが危惧される。
而してこれら強化相となる炭化物相やγ′相の析出や固溶等の挙動によって結晶粒成長の不安定化の影響が生じると、ASTM#4以上の微細な結晶粒を仕上鍛造加工において安定して得ることが難しくなる。
尚、本発明に対する先行技術として、下記特許文献1には「Ni基合金の鍛伸方法」についての発明が示され、そこにおいてNi基合金のインゴットからビレットを製造する方法として、加工用素材の送り方向と直交方向の1回の打撃による圧縮量を小さくして微小変形を累積して与えるようにし、1回目の打撃位置と次の打撃位置とをシフトさせて、鍛伸送り方向断面の結晶粒径の均一化を図るようにした点が開示されている。
また下記特許文献2には「超合金材の製造方法」についての発明が示され、そこにおいて析出物固溶化温度以上に加熱して一次鍛造した後、一旦水冷以上の冷却速度で急冷し、一次鍛造によって生じた鍛造ひずみエネルギーを材料内部に残留させたままで、次に析出時効処理を行い、さらに析出物固溶しない温度で二次鍛造を行うようにした点が開示されている。
しかしながらこれら特許文献1,2に記載のものは、対象とする被加工材の組成が本願とは異なっているとともに、目的とする結晶粒度を得るための合計圧下率及びリヒート条件の組み合せについて具体的な開示はなく、本発明とは別異のものである。
特開2003−251429号公報 特開平8−311626号公報
本発明は以上のような事情を背景とし、アロイ901相当材を用いてディスク形状品を鍛造成形するに際し、仕上鍛造において、芯部に到るまで目標とするASTM結晶粒度#4以上の微細な組織を安定して容易に得ることのできる自由逐次鍛造によるディスク形状品の鍛造加工方法を提供することを目的としてなされたものである。
而して請求項1の鍛造加工方法は、質量%でC:0.02〜0.06%,Ni:40〜45%,Cr:12〜14%,Mo:6〜7%,Ti:2.5〜3.5%,Al:0.12〜0.30%,B:0.010〜0.020%,残部Fe及び不可避的不純物の組成を有するFe基耐熱合金から成る被加工材を、仕上鍛造において、炭化物析出によるピン止め作用の下で、合計圧下率10%以上で圧下を行う鍛造ステップと950〜1060℃で1時間以上保持するリヒートステップとをそれぞれ1回以上繰り返し、同一個所に少なくとも2回以上の打撃を加える自由逐次鍛造を施してディスク形状に鍛造成形し、ASTM結晶粒度#4以上の組織のディスク品を得ることを特徴とする。
本発明者らは、上記組成のアロイ901相当材を用い、ディスク形状品の組織として、優れた高温引張強度,衝撃強度,疲労強度を実現可能なASTM結晶粒度#4以上の組織を自由逐次鍛造による鍛造加工にて得るべく、以下の予備試験を行って、先ずはアロイ901相当材を鍛造加工した際の粒成長挙動を調べた。
図1(A)に示すように、仕上鍛造加工前の粗鍛造加工により得たASTM結晶粒度#4の組織を有する直径φ15mm,高さ22.5mmの円柱形状のテストピース10を用意し、これを図1(B)に示すように先ず1100℃に加熱して60秒保持した後降温し、そして各種試験温度で高さ19.80mmまで(圧下率12%)、及び16.88mmまで(圧下率25%)据込鍛造し、その後各試験温度に所定時間保持した後に水冷し、試験温度ごと及び保持時間ごとに結晶粒の粒成長を調べた。
図1(C)に、テストピース10初期粒度のときの写真が、また図2に、圧下率を12%としたときの保持温度ごと及び保持時間ごとの組織写真が、更に図3に、圧下率25%としたときの保持温度ごと及び保持時間ごとの組織写真がそれぞれ示してある。
更に図4に、各種試験温度ごとの、保持時間の長さと結晶粒度との関係、即ち結晶粒の粒度変化(粒成長)挙動が示してある。
尚図2及び図3の組織写真は光学顕微鏡写真である。
以上の予備試験の結果次のことが判明した。
1)即ち初期粒度ASTM#4の段階で、既に組織中には旧結晶粒界上にTi,Moの炭化物が析出していること(図1(C)の写真中黒く点状に表れているのが炭化物で、この炭化物は粗鍛造としてのビレット鍛造終了時の空冷処理によって生じたものである。即ち、粗鍛造終了時の空冷処理は炭化物の析出処理ということになる)、
2)初期粒度の写真及び鍛造後に各種温度にそれぞれ所定時間保持した後の組織写真上にはγ′の析出相は認められないこと、つまり鍛造ステップ及びその後の加熱保持の際にγ′相は析出していないこと、
3)圧下率=12%(歪み=0.128),保持温度980℃以上で再結晶が生じていること、
4)圧下率=25%(歪み=0.288)の下では、保持温度1100℃で1800s(30分)以上で結晶粒が急激に粗大化していること、またこのときの組織写真中から、炭化物が急激に減少していることが認められる一方で、980℃〜1060℃の温度範囲内では炭化物は目立って減少することはなく、結晶粒の粒成長は抑制され、最終的に一定の結晶粒度に収束する傾向にあることが認められた。
このことは圧下率25%,1100℃保持の下では、保持時間が1800s以上になると炭化物が固溶して炭化物による結晶粒のピン止め効果が失われ、結晶粒が急激に粒成長する一方、980℃〜1060℃の範囲内では、長時間保持しても結晶粒は一定の結晶粒度に収束して行くだけで、過剰に結晶粒成長することはないことを意味している。
尚、図2及び図3では980℃以上での加熱保持による結晶粒の粒度変化が示してあるが、950℃以上の温度であれば結晶粒が再結晶し且つ炭化物の存在によるピン止め効果によって粒成長が抑制されることが確認されている。
本発明は以上のような知見に基づいてなされたもので、アロイ901相当材を用いて自由逐次鍛造によりディスク形状品を鍛造加工するに際し、仕上鍛造において、炭化物析出によるピン止め作用の下で、合計圧下率10%以上(望ましくは12%以上,45%以下)での鍛造ステップと、950〜1060℃で1時間以上保持するリヒートステップとをそれぞれ1回以上繰り返し、同一個所に少なくとも2回以上の打撃を加える自由逐次鍛造を施して、Niを主成分として含有した耐熱合金のディスク形状品を得るもので、かかる本発明によれば、引張強度,衝撃強度,疲労強度等の機械的特性に優れたASTM結晶粒度#4以上の組織を安定して容易に得ることができる。
尚本発明においての圧下率とはリヒートとリヒートとの間において同一個所に何回も圧下を加えた場合には、各打撃ごとの圧下量を合計した圧下量の圧下前寸法に対する比率(圧下量を圧下前寸法で除した値に100を掛けた値)を意味する。
以上のことから明らかなように、本発明は炭化物析出状態を保持した状態で、熱間鍛造、詳しくは鍛造ステップ及びリヒートステップを実行することにより、芯部に到るまで結晶粒の再結晶を生ぜしめつつ、炭化物によるピン止め効果を発揮させることで、結晶粒が過剰に粒成長してしまうのを抑制(粒成長抑制)するもので、本発明によれば、実操業においてリヒート時間を長く設定することができ、実操業に際してリヒート時間が設定時間に対し多少前後することがあったとしても、所望の結晶粒度即ちASTM#4以上の結晶粒度を安定して得ることが可能である。
尚、高温クリープ強度が求められる場合には、最終の結晶粒度をASTM#7以下とすること、即ちそのような結晶粒度となるように鍛造パスを設定しておくことが望ましい。
発電ガスタービンにおけるタービンディスク等には、高温での高速回転に伴う遠心力によってクリープ変形が生じることがあり、そうしたクリープ変形に対する強度を強くすることが求められる場合がある。
このような高温クリープ強度については、結晶粒が過剰に微細であると却って特性が劣化することが知られている。
これは、高温におけるクリープ変形のような歪み速度の小さい場合は粒界滑りが生じて、粒界で破壊するようになること、その際に結晶粒が過剰に微細であると粒界面積が大となって、粒界での破壊が生じ易くなること、等の理由によるものと考えられている。
従って高温クリープ強度が特に求められる場合には、結晶粒を過剰に微細化させない方が良く、そうした場合には結晶粒度をASTM#7以下としておくことが望ましい。
本発明では、最終の鍛造ステップに続いてディスク成形品を加熱処理し、成形品の結晶粒を上記結晶粒度まで粒成長させる粒成長ステップを実行することができる(請求項2)。
このようにすることで、より一層所望の結晶粒度の組織が得られ易い。
その際粒成長処理は970℃〜1010℃の温度範囲で1時間以上の保持時間の条件で行うことが望ましい。
本発明は、発電ガスタービンにおけるタービンディスクの鍛造加工方法として特に有用なものである(請求項3)。
本発明では、Niを主成分として含有する耐熱合金としてアロイ901相当材を用いる。
以下に本発明における各化学成分について述べる。
C:0.02〜0.06%
C元素は結晶格子間に侵入して固溶し、ひずみを発生させてマトリックスを強化する固溶強化元素として働く。またTiC,MoC等の炭化物を析出させる。その働きのため、0.02〜0.06%の範囲内で含有させる。
Ni:40〜45%
Ni元素はFeと並ぶ母相合金元素であり、Ti,AlとNiX相(γ′相)を強化相として形成する。その働きのため、本発明ではNiを40〜45%で含有させる。
Cr:12〜14%
Cr元素はNiと置換型でマトリックスに固溶し、高温耐食性を向上させる。その働きのため12〜14%で含有させる。
Mo:6〜7%
Mo元素はNiと置換型でマトリックスに固溶し、高温強度を向上させる。その働きのため6〜7%で含有させる。
Ti:2.5〜3.5%
Ti元素はNiと置換型でマトリックスに固溶し、主にNiTi相(γ′相)として整合析出し、高温強度を大きく向上させる。その働きのため2.5〜3.5%で含有させる。
Al:0.12〜0.30%
Al元素はNiと置換型でマトリックスに固溶し、主にNiAl相(γ′相)として整合析出し、高温強度を大きく向上させる。その働きのため0.12〜0.30%で含有させる。
B:0.010〜0.020%
B元素は粒界にごく微細に析出し、粒界強度を向上させる働きを有する。その働きのため0.010〜0.020%で含有させる。
以上のような本発明によれば、ディスク形状品を鍛造加工するに際して、引張強度,衝撃強度,疲労強度等の機械的特性に優れたASTM結晶粒度#4以上の組織を安定して容易に得ることができる。
粒成長挙動調査の予備試験方法の説明図である。 圧下率を12%としたときの加熱保持後の組織写真である。 圧下率25%としたときの加熱保持後の組織写真である。 保持時間と結晶粒度の関係を示した図である。 本発明の実施例におけるビレット鍛造終了時での加工品形状を示した図である。 同実施例における十字鍛造方法及び放射鍛造方法の説明図である。 同実施例のディスク鍛造での各プロセスごとの結晶粒度の変化を示した図である。
次に本発明をタービンディスクの鍛造に適用した場合の実施例を以下に説明する。
表1に示す化学組成のNiを主成分として含有した合金(アロイ901相当材)を真空誘導炉(VIF)にて溶解し、更に真空アーク炉(VAR)にて再溶解して2.5トンのインゴットを得た。
その後、前鍛造(粗鍛造)としてのビレット鍛造を施して、断面寸法が450mm,軸方向寸法が1170mmの図5に示す断面8角形状の柱状の加工品即ちビレット(被加工材)12を得た。
このビレット鍛造では、当初鋳造組織であったもの(結晶粒度はASTM#−3)をビレット12の段階でASTM#2としている。
但しこの結晶粒度は、後の仕上鍛造としてのディスク鍛造のプロセスにおける据込(1)の前の加熱(1060℃×4hr)後の結晶粒度である。
ビレット鍛造にて得られた図5のビレット12をスタート材として、仕上鍛造としてのディスク鍛造を表2に示すプロセスに従って実行した。
表2に示しているように、このディスク鍛造のプロセスでは、初期の加熱の工程後において結晶粒度がASTM#2の粒度のビレット12に対して、先ず金敷を用いて据込(1)のステップを実行し、軸方向寸法を1170mmから800mmまで圧縮した。尚このとき径方向寸法は544mmに変化している。
尚据込(1)のプロセスでの圧下率は、表2に示しているように31.6%である。
続いて1060℃×4hrの条件でリヒート(1)のステップを実行した後に、金敷を用いて据込(2)のステップを実行し、軸方向寸法を更に500mmまで圧縮し、径方向寸法を688mmとした。
この据込(2)のステップでの圧下率は表2に示すように37.5%である。
更にこれに続いて再び1060℃×4hrの条件でリヒート(2)のステップを実行した。
そしてその後に十字鍛造のステップを実行した。
ここで十字鍛造とは、図6に示しているように中間の加工品14に対して、その径方向寸法よりも幅寸法の小さな金敷16を軸方向の一方の面に当てて打撃を加え、その後金敷16の加工品14に対する回転方向の位置を相対変化させて、再び加工品14に対し打撃を加え、以後同様の手順で金敷16が加工品14に対して相対的に回転方向に1周するまで打撃を加える加工方法である。
尚実際には、ターンテーブル18の上に加工品14を載せて、ターンテーブル18により加工品14を少しずつ回転移動させることで、金敷16による加工品14に対する打撃位置を異ならせるようにしている。
この実施例では、以上のような十字鍛造(1)のステップによって先ず加工品14の高さを、加工前の500から460mmに圧縮した。
その後、続いて十字鍛造(2)のステップを実行し、その高さ(厚み)が460から420mmとなるまで、同様にして金敷16にて加工品14に対し打撃を加えた。
尚この十字鍛造(1),(2),(3),(4)では、平坦部200mm幅の金敷を用いて加工を行った。
以上の十字鍛造(1),(2)のステップを終えたところで、次に加工品14を表裏逆向きにして、それまで表面であったのを裏面とし、また裏面であった面を表面とするように、ターンテーブル18上で加工品14を反転させ、以後上記と同様の手法によって十字鍛造(3)のステップと、十字鍛造(4)のステップとを実行した。
ここで十字鍛造(3)のステップでは、高さ寸法を420から385mmとし、また十字鍛造(4)のステップでは更に高さ寸法385から350mmとした。
尚十字鍛造(1),(2),(3),(4)それぞれの圧下量及び合計の圧下率は表2に示している通りである。
以上の十字鍛造のプロセスを実行した後、3度目のリヒート(3)のステップを1060℃×4hrの条件で実行した。
次にリヒート(3)のステップに続いて、放射鍛造(1),(2),(3),(4)の各ステップを実行した。
図6(B)に放射鍛造の方法が示してある。
図示のようにここでは、加工品14に対して金敷20の一端側が加工品14の中心近傍に位置し、また他端が加工品14から径方向外方に突き出すような位置関係で、金敷20にて加工品14に打撃を与え、その後金敷20を加工品14に対して相対的に回転方向(周方向)に位置を僅かに変化させて同様の打撃を金敷20にて加工品14に加え、以後同じピッチで金敷20を加工品14の周方向に位置変化させながら次々と同様の打撃を、金敷20が加工品14に対し1周する位置に到るまで加え、加工品14を圧下する。
ここで放射鍛造(1)は、金敷20を加工品14に対して1周させるまでの加工であり、また放射鍛造(2)は、その後に再び金敷20で加工品14の同じ面を叩きながら金敷20を加工品14に対し1周する位置まで移動させ、その間打撃を順次加えて行く加工である。
放射鍛造(3)は、加工品14の向きを表裏逆転させて同様の加工を行うものであり、放射鍛造(4)は、更に同様の加工を2回目の加工として実行するものである。
以上の放射鍛造(1)では高さ寸法を300mmとし、また放射鍛造(2)では更に厚みを260mmとした。
そして厚みがこの寸法となったところで、加工品14を表裏逆向きとして放射鍛造(3)を実行し、高さを225mmとした。そして放射鍛造(4)によって高さが195mmで径方向寸法が1102mmの最終寸法,形状のディスク形状品を得た。
尚以上の放射鍛造(1),(2),(3),(4)では、平坦部が100mm幅の金敷を用いて加工を行った。
尚この放射鍛造(1)では圧下量が50mm,放射鍛造(2)では圧下量が40mm,放射鍛造(3)では圧下量が35mm,放射鍛造(4)では圧下量が30mmで、放射鍛造(1),(2),(3),(4)全体を合計した圧下率は表2に示しているように44.3%である。
以上の鍛造及びリヒートのプロセスを実行した後、空冷(AC)に続いてディスク成形品を1010℃×4hrの条件で粒成長処理を行った。
この粒成長処理は、放射鍛造プロセスでディスク成形品に加えられた歪みに基づいて結晶を再結晶させ且つ目標とする結晶粒度まで粒成長させる工程である。
尚、この粒成長処理はST処理(固溶化熱処理)を兼ねて行うようにしても良い。
因みに以上のような仕上鍛造の各プロセスごとの結晶粒度の変化を図7に示している。
図7から、当初結晶粒度ASTM#2であったものが、鍛造ステップの実行によって結晶粒が微細化し、続くリヒートステップで粒成長し、それらが交互に繰り返されることで最終に結晶粒度がASTM#6強の結晶粒度が得られており、求める結晶粒度ASTM#4以上の微細な結晶粒度を達成することができた。
尚結晶粒度の測定は、各ステップ後の組織を光学顕微鏡で撮影し、写真中一定面積内にある結晶粒の数により結晶粒度を求めた(6視野の平均)。
12 ビレット
14 加工品
16,20 金敷
18 ターンテーブル

Claims (3)

  1. 質量%で
    C:0.02〜0.06%
    Ni:40〜45%
    Cr:12〜14%
    Mo:6〜7%
    Ti:2.5〜3.5%
    Al:0.12〜0.30%
    B:0.010〜0.020%
    残部Fe及び不可避的不純物の組成を有するFe基耐熱合金から成る被加工材を、仕上鍛造において、炭化物析出によるピン止め作用の下で、合計圧下率10%以上で圧下を行う鍛造ステップと950〜1060℃で1時間以上保持するリヒートステップとをそれぞれ1回以上繰り返し、同一個所に少なくとも2回以上の打撃を加える自由逐次鍛造を施してディスク形状に鍛造成形し、ASTM結晶粒度#4以上の組織のディスク品を得ることを特徴とするディスク形状品の鍛造加工方法。
  2. 請求項1において、最終の前記鍛造ステップに続いてディスク形状の成形品を加熱処理し、該成形品の結晶粒を前記結晶粒度まで粒成長させる粒成長ステップを実行することを特徴とするディスク形状品の鍛造加工方法。
  3. 請求項1,2の何れかにおいて、前記ディスク形状品が、発電ガスタービンにおけるタービンディスクであることを特徴とするディスク形状品の鍛造加工方法。
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