JP6889418B2 - Ni基超耐熱合金の製造方法およびNi基超耐熱合金 - Google Patents
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Description
このような超耐熱合金の細線の製造方法として、線径が5mm以上の鋳造ワイヤを出発材にして、これら鋳造ワイヤを束ねたものを熱間押出した後、分離する手法が提案されている(特許文献2)。
特許文献1の方法は、熱間加工を適用するNi基超耐熱合金には効果がある。しかし、そのためにインゴットに加工率5%以上30%未満で冷間加工を行った後にさらに熱処理を行う必要がある。
熱間押出により結晶粒径200μm以下の素材を製造する準備工程と、
この素材に30%以上の加工率で冷間塑性加工を行なう加工工程と
を含む。
本発明者は、γ’相の量が多いNi基超耐熱合金の塑性加工性について研究した。その結果、Ni基超耐熱合金の材料に熱間押出を行なった後に30%以上の加工率で冷間塑性加工を行なうことにより、Ni基超耐熱合金の塑性加工性が飛躍的に向上する現象を突きとめた。その際、30%以上の加工率での冷間塑性加工により、Ni基超耐熱合金の組織中にナノ結晶粒が生成されることを見いだした。このナノ結晶粒の生成がNi基超耐熱合金の塑性加工性の飛躍的向上に寄与しているものと推察される。
ここで、Ni基超耐熱合金のγ’相の量は、そのγ’相の「体積率」や「面積率」等の数値的指標で表すことができる。本明細書では、γ’相の量を、「γ’モル率」の数値的指標で表す。γ’モル率とは、Ni基超耐熱合金が熱力学的な平衡状態において析出することができる、安定的なガンマプライム相の平衡析出量のことである。ガンマプライム相の平衡析出量を「モル率」で表した値は、Ni基超耐熱合金が有する成分組成により決定される。この平衡析出量のモル%の値は、熱力学平衡計算による解析で求めることができる。熱力学平衡計算による解析では、各種の熱力学平衡計算ソフトを用いることで、精度よく、かつ、容易に求めることができる。
Cは、従来、Ni基超耐熱合金の鋳造性を高める元素として含有するものである。そして、特に、γ’相の量の多いNi基超耐熱合金は、塑性加工が困難であるため、通常、鋳造部品として使用され、一定量のCが添加されている。この添加されたCは、鋳造組織中に炭化物として残り、一部は粗大な共晶炭化物として形成される。そして、このような粗大な炭化物は、Ni基超耐熱合金を塑性加工したときに、特に、室温で塑性加工したときに、き裂の起点およびき裂の進展経路となり、Ni基超耐熱合金の塑性加工性に悪影響を及ぼす。
本発明のNi基超耐熱合金にとって、Cは規制元素であり、より低く管理されることが好ましい。そして、Cを無添加(不可避不純物レベル)としても良い場合は、Cの下限を0質量%とできる。通常、C無添加のNi基超耐熱合金であっても、その成分組成を分析したときには、例えば、0.001%程度のC含有量が認められ得る。
Crは、耐酸化性、耐食性を向上させる元素である。しかし、Crを過剰に含有すると、σ(シグマ)相などの脆化相を形成し、強度や素材準備の際の熱間加工性を低下させる。したがって、Crは、例えば、8.0〜25.0%とすることが好ましい。より好ましくは8.0〜22.0%である。好ましい下限は9.0%であり、より好ましくは9.5%である。さらに好ましくは10.0%である。また、好ましい上限は18.0%であり、より好ましくは16.0%である。さらに好ましくは14.0%である。特に好ましくは12.5%である。
Moは、マトリックスの固溶強化に寄与し、高温強度を向上させる効果がある。しかし、Moが過剰になると金属間化合物相が形成されて高温強度を損なう。よって、Moは、0〜8%とすることが好ましい(無添加(不可避不純物レベル)でもよい)。より好ましくは、2.0〜7.0%である。さらに好ましい下限は2.5%であり、より好ましくは3.0%である。さらに好ましくは3.5%である。また、さらに好ましい上限は6.0%であり、より好ましくは5.0%である。
Alは、強化相であるγ’(Ni3Al)相を形成し、高温強度を向上させる元素である。しかし、過度の添加は素材準備の際の熱間加工性を低下させ、加工中の割れなどの材料欠陥の原因となる。よって、Alは、0.5〜8.0%が好ましい。より好ましくは2.0〜8.0%である。さらに好ましい下限は2.5%であり、より好ましくは3.0%である。さらに好ましくは4.0%であり、よりさらに好ましくは4.5%である。特に好ましくは5.1%である。また、さらに好ましい上限は7.5%であり、より好ましくは7.0%である。さらに好ましくは6.5%である。
なお、上述したCrとの関係で、素材準備の際の熱間加工性を確保するために、Crの含有量を低減したときには、その低減分のAlの含有量を許容することができる。そして、例えば、Crの上限を13.5%にしたときに、Alの含有量の下限を3.5%とすることが好ましい。
Tiは、Alと同様、γ’相を形成し、γ’相を固溶強化して高温強度を高める元素である。しかし、過度の添加は、γ’相が高温で不安定となって高温での粗大化を招くとともに、有害なη(イータ)相を形成し、素材準備の際の熱間加工性を損なう。よって、Tiは、例えば、0.4〜7.0%が好ましい。他のγ’生成元素やNiマトリックスとのバランスを考慮すると、Tiの好ましい下限は0.6%であり、より好ましくは0.7%である。さらに好ましくは0.8%である。また、好ましい上限は6.5%であり、より好ましくは6.0%である。さらに好ましくは4.0%であり、特に好ましくは2.0%である。
Coは、組織の安定性を改善し、強化元素であるTiを多く含有しても素材準備の際の熱間加工性を維持することを可能とする。一方で、Coは高価なものであるため、コストが上昇する。よって、Coは、他元素との組み合わせにより、例えば、28.0%以下の範囲で含有することができる任意元素の一つである。Coを添加する場合の好ましい下限は8.0%とすると良い。より好ましくは10.0%である。また、Coの好ましい上限は18.0%とする。より好ましくは16.0%である。なお、γ’生成元素やNiマトリックスとのバランスにより、Coを無添加レベル(原料の不可避不純物レベル)としても良い場合は、Coの下限を0%とする。
Wは、Moと同様、マトリックスの固溶強化に寄与する選択元素の一つである。しかし、Wが過剰となると有害な金属間化合物相が形成されて高温強度を損なうため、例えば、上限を15.0%とする。好ましい上限は13.0%であり、より好ましくは11.0%であり、さらに好ましくは9.0%である。そして、よりさらに好ましくは、Wの上限を、6.0%、5.5%、5.0%とすることもできる。上記のWの効果をより確実に発揮させるには、Wの下限を1.0%とすると良い。好ましくは、Wの下限を、2.0%、3.0%、4.0%にすることもできる。また、WとMoとを複合添加することにより、より固溶強化効果が発揮できる。複合添加の場合のWは0.8%以上の添加が好ましい。なお、Moの十分な添加により、Wを無添加レベル(原料の不可避不純物レベル)としても良い場合は、Wの下限を0%とする。
Nbは、AlやTiと同様、γ’相を形成し、γ’相を固溶強化して高温強度を高める選択元素の一つである。しかし、Nbの過度の添加は有害なδ(デルタ)相を形成し、素材準備の際の熱間加工性を損なう。よって、Nbの上限は、例えば、4.0%とする。好ましい上限は3.5%であり、より好ましくは2.5%である。なお、上記のNbの効果をより確実に発揮させるには、Nbの下限を1.0%とすると良い。好ましくは2.0%とすると良い。他のγ’生成元素の添加により、Nbを無添加レベル(不可避不純物レベル)としてもよい場合は、Nbの下限を0%とする。
Taは、AlやTiと同様、γ’相を形成し、γ’相を固溶強化して高温強度を高める選択元素の一つである。ただし、Taの過度の添加は、γ’相が高温で不安定となって高温での粗大化を招くとともに、有害なη(イータ)相を形成し、素材準備の際の熱間加工性を損なう。よって、Taは、例えば、5.0%以下とする。好ましくは4.0%以下、より好ましくは3.0%以下、さらに好ましくは2.5%以下である。なお、上記のTaの効果をより確実に発揮させるには、Taの下限を0.3%とすると良い。好ましくは、Taの下限を、0.8%、1.5%、2.0%にすることもできる。TiやNbなどのγ’生成元素添加やマトリックスとのバランスにより、Taを無添加レベル(不可避不純物レベル)としても良い場合は、Taの下限を0%とする。
Feは、高価なNi、Coの代替として用いる選択元素の一つであり、合金コストの低減に有効である。この効果を得るには、他元素との組み合わせで添加するかどうかを決定すると良い。ただし、Feを過剰に含有するとσ(シグマ)相などの脆化相を形成し、強度や素材準備の際の熱間加工性を低下させる。よって、Feの上限は、例えば、10.0%とする。好ましい上限は9.0%であり、より好ましくは8.0%である。一方、γ’生成元素やNiマトリックスとのバランスにより、Feを無添加レベル(不可避不純物レベル)としてもよい場合は、Feの下限を0%とする。
Vは、マトリックスの固溶強化、炭化物生成による粒界強化に有用な選択元素の一つである。ただし、Vの過度の添加は製造過程の高温不安定相の生成を招き、製造性および高温力学性能に悪影響を招く。よって、Vの上限は、例えば、1.2%とする。好ましい上限は1.0%であり、より好ましくは0.8%である。なお、上記のVの効果をより確実に発揮させるには、Vの下限を0.5%とすると良い。Ni基超耐熱合金中の他の合金元素とのバランスにより、Vを無添加レベル(不可避不純物レベル)としても良い場合は、Vの下限を0%とする。
Hfは、Ni基超耐熱合金の耐酸化性向上、炭化物生成による粒界強化に有用な選択元素の一つである。ただし、Hfの過度の添加は、製造過程の酸化物生成、高温不安定相の生成を招き、製造性および高温力学性能に悪影響を招く。よって、Hfの上限は、例えば、3.0%、好ましくは2.0%、より好ましくは1.5%、よりさらに好ましくは1.0%とする。なお、上記のHfの効果をより確実に発揮させるには、Hfの下限を0.1%とすると良い。好ましくは、Hfの下限を、0.5%、0.7%、0.8%にすることもできる。Ni基超耐熱合金中の他の合金元素とのバランスにより、Hfを無添加レベル(不可避不純物レベル)としても良い場合は、Hfの下限を0%とする。
Bは、粒界強度を向上させ、クリープ強度、延性を改善する元素である。一方で、Bは融点を低下させる効果が大きいこと、また、粗大なホウ化物が形成されると素材準備の際の熱間加工性が阻害されることから、例えば、0.300%を超えないように制御すると良い。好ましい上限は0.200%であり、より好ましくは0.100%である。さらに好ましくは0.050%であり、特に好ましくは0.020%である。なお、上記の効果を得るには最低0.001%の含有が好ましい。より好ましい下限は0.003%であり、さらに好ましくは0.005%である。特に好ましくは0.010%である。Ni基超耐熱合金中の他の合金元素とのバランスにより、Bを無添加レベル(不可避不純物レベル)としても良い場合は、Bの下限を0%とする。
Zrは、Bと同様、粒界強度を向上させる効果を有している。一方で、Zrが過剰となると、やはり融点の低下を招き、高温強度や素材準備の際の熱間加工性が阻害される。よって、Zrの上限は、例えば、0.300%とする。好ましい上限は0.250%であり、より好ましくは0.200%である。さらに好ましくは0.100%であり、特に好ましくは0.050%である。なお、上記の効果を得るには最低0.001%の含有が好ましい。より好ましい下限は0.005%であり、さらに好ましくは0.010%である。Ni基超耐熱合金中の他の合金元素とのバランスにより、Zrを無添加レベル(不可避不純物レベル)としても良い場合は、Zrの下限を0%とする。
なお、素材が炭化物を含むとき、上記のEBSD像では、この炭化物も「方位差15°以上の粒界」で定義した結晶粒として認識され得る(例えば、図8の矢印)。このようなとき、この炭化物も結晶粒として上記の結晶粒径分布に含めてもよく、本発明の効果に差支えない。
EBSD像を用いることで、γ’相の存在によって素材の断面組織の結晶粒界の確認が容易でないときでも(例えば、上記の光学顕微鏡による観察で結晶粒界の特定が容易でないときでも)、結晶粒界を一義的に特定することが容易なので、γ’相の量が多いNi基超耐熱合金の結晶粒の平均直径を求めるのに好適である。また、素材の断面組織の結晶粒径が小さいときでも(例えば、結晶粒の平均直径が30μm以下や、20μm以下、10μm以下といった小さい数値であるときでも)、結晶粒の平均直径を求めるのに好適である。
そこで本発明における上記の塑性加工温度は、「500℃以下」とすることが好ましい。より好ましくは300℃以下、さらに好ましくは100℃以下、よりさらに好ましくは50℃以下(例えば、室温)である。
他方、Ni基超耐熱合金の板材、帯材等の製造には、圧延加工を用いることもできる。
[(A0−A1)/A0]×100(%) (1)
の式で算出される。
他方、圧延加工を行なう場合には、加工率は圧下率で表す。圧下率は、塑性加工前の素材の厚さをt0とし、塑性加工後の板材や帯材、薄板や薄帯の厚さをt1とすると、
[(t0−t1)/t0]×100(%) (2)
の式で算出される。
累積加工率とは塑性加工を複数回、あるいは複数パスにわたって行なった場合の、最終加工物の素材に対する加工率を示す。
このような、加工率が30%以上の強加工を行なったNi基超耐熱合金は、更に続けて加工を行なうことが可能な状態になる。したがって、塑性加工中に熱処理を行わないことが好ましい(非加熱であることを含む)。ここでいう熱処理とは、回復や再結晶が発生するような高い温度領域での熱処理のことであり、例えば、500℃を超える温度に加熱する熱処理である。このように冷間加工のパス間に熱処理が必要なく、複数の冷間強加工を連続的に実施して、累積加工率(減面率)を限りなく大きくする(100%に近づく)ことができる。その際、強加工を行なったNi基超耐熱合金は、更に塑性加工を行なっても、例えば硬さ500HV以上に保ったまま加工できる。また、強加工を行なったNi基超耐熱合金は、組織中にナノ結晶粒の生成が観察できる。この機構はまだ完全に解明できていないが、以下のとおり考えられる。
本発明における「パス」については、上述したスエジングやダイス伸線、圧延といった種類の塑性加工において、一つの(または、一対でなる)ダイスやロールによって塑性加工されたときを「1パス」と数えることができる。
なお、線材以外の形状でも、上記と同様に、長手方向に半割したときの断面を観察すればよい。
なお、断面組織中の最大径が75nm以下のナノ結晶粒について、その最大径の下限は特に設定する必要がない。そして、断面組織中の最大径が75nm以下のナノ結晶粒の有無や個数は、例えば、EBSD像によって確認することができる。そして、EBSDの測定条件を、スキャンステップ:0.02μmとし、結晶粒の定義を方位差15°以上の粒界としたときに認識できる結晶粒のうちから、最大径が75nm以下のナノ結晶粒を抽出して数えることができる。そして、一例として、最大径が約25nm以上のナノ結晶粒の有無および個数を確認することができる。
また、本発明のNi基超耐熱合金は、冷間塑性加工が行われる中間製品形状である「線材」や「板材」、「帯材」とすることができる。線材とは、その線径(直径)が、例えば、10mm以下、8mm以下、6mm以下といったものから、果ては5mm以下、4mm以下、3mm以下、2mm以下といった細いものである。また、板材、帯材とは、その厚さが、例えば、10mm以下、8mm以下、6mm以下といったものから、果ては5mm以下、4mm以下、3mm以下、2mm以下といった薄いものである。そして、線材、板材、帯材とは、その長さが、上記の線径や厚さに対して、例えば、10倍以上、50倍以上、100倍以上といった長いものである。
また、このNi基超耐熱合金は、上記の冷間塑性加工によって得られた最終製品形状である「細線」や「薄板」、「薄帯」とすることができる。細線とは、その線径(直径)が、例えば、5mm以下、4mm以下、3mm以下といったものから、果ては2mm以下、1mm以下といった更に細いものである。また、薄板、薄帯とは、その厚さが、例えば、5mm以下、4mm以下、3mm以下といったものから、果ては2mm以下、1mm以下といった更に薄いものである。そして、細線、薄板、薄帯とは、その長さが、上記の線径や厚さに対して、例えば、50倍以上、100倍以上、300倍以上といった更に長いものである。
合金No.1−2の線材の長手方向に半割した断面において、線材の表面の位置(位置B)の断面および線材の中心軸の位置(位置C)の断面からも組織を採取して、上記と同様のEBSDによる解析を行った。そして、位置A、B、Cからそれぞれ2ヶ所採取した計6ヶ所の断面組織について、視野面積(2μm×3μm)でカウントされた最大径が75nm以下のナノ結晶粒の総数を、総視野面積(6μm2×6)で割って求めた、上記のナノ結晶粒の単位面積あたりの個数密度は「21個/μm2」であった。
また、各合金試料の、上記の位置Aにおける硬さも測定した。そして、合金No.1−2の線材の硬さは、560HVであった。
なお、上記冷間加工の後に合金No.1−9に1200℃で30分保持(炉冷)の熱処理を施した。熱処理後の硬さは365HVであった。その断面の光学顕微鏡写真(倍率200倍)を図5に示す。観察は上記位置Aで行い、断面を研磨後カーリング液によりエッチングを行なった。この熱処理により加工組織を等軸結晶組織にすることができることがわかる。
比較例として、Ni基超耐熱合金Aの上記インゴットに保持温度1200℃、保持時間8時間の熱処理を施し、炉冷したものから、直径4mm、長さ60mmの棒材を切り出して、本発明例と同様のロール圧延機による圧延を行なった。すなわち、この素材は、熱間押出を施さずに、鋳造材を圧延に供した。圧延加工前の棒材の結晶粒径(平均結晶粒径)は2.8mm、硬さは323HVであった。
以上の結果から、圧延加工においても実施例1と同様、500HV以上の硬さを有するNi基超耐熱合金は、続けて冷間加工を行なうことが可能であることがわかる。
なお、合金No.2−2からNo.2−5までの板材は、いずれもその断面ミクロ組織中に最大径が75nm以下のナノ結晶粒が観察され、加工率の増加に伴ってナノ結晶粒の個数密度も増大した。他方、合金No.2−1の線材の断面ミクロ組織には、最大径が75nm以下のナノ結晶粒は観察されなかった。
このときのEBSD像を図8に、結晶粒径分布を図9に示す。図9において、横軸の結晶粒径(結晶粒の最大径)は0.2μm毎に纏めて示しており、例えば、最大径が0.2μm以上0.4μm未満の結晶粒は「0.4μm」のグループに、最大径が0.6μm以上0.8μm未満の結晶粒は「0.8μm」のグループに纏めてある。個々の結晶粒の最大径で、最も大きな値は6.43μmであった。また、最も小さな値は0.36μmであった。そして、結晶粒の最大径の平均直径(つまり、素材の結晶粒径)は、1.1μmであった。
Claims (5)
- 700℃におけるガンマプライム相の平衡析出量が35モル%以上であり、質量%で、C:0〜0.25%、Cr:8.0〜25.0%、Al:0.5〜8.0%、Ti:0.4〜7.0%、Co:0〜28.0%、Mo:0〜8%、W:0〜6.0%、Nb:0〜4.0%、Ta:0〜3.0%、Fe:0〜10.0%、V:0〜1.2%、Hf:0〜1.0%、B:0〜0.300%、Zr:0〜0.300%を含み、残部がNiおよび不可避不純物からなる成分組成を有するNi基超耐熱合金を製造する方法において、
熱間押出により結晶粒径200μm以下の素材を製造する準備工程と、
前記素材に30%以上の加工率で第1の冷間塑性加工を行なって、500HV以上の硬さを有するようになったNi基超耐熱合金に、更に第2の冷間塑性加工を行い、500HV以上の硬さを有するNi基超耐熱合金を得る、加工工程と
を含むことを特徴とする方法。 - 前記第1の冷間塑性加工は、累積の加工率が30%以上の複数回の冷間塑性加工であり、該複数回の冷間塑性加工の間に熱処理を行わないことを特徴とする、請求項1に記載された方法。
- 前記700℃におけるガンマプライム相の平衡析出量が40モル%以上の成分組成を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載された方法。
- 前記加工工程後のNi基超耐熱合金は、最大径が75nm以下の結晶粒が、断面組織中に1μm2あたり5個以上存在することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載された方法。
- 前記加工工程の後に、熱処理を行う工程を更に含むことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載された方法。
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