JP6660042B2 - Ni基超耐熱合金押出材の製造方法およびNi基超耐熱合金押出材 - Google Patents

Ni基超耐熱合金押出材の製造方法およびNi基超耐熱合金押出材 Download PDF

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Description

本発明は、Ni基超耐熱合金押出材の製造方法と、Ni基超耐熱合金押出材に関する。
従来、航空機エンジンや発電用ガスタービン等の構成部品の材料には、耐熱性(高温強度)に優れた「析出強化型」のNi基超耐熱合金が用いられている。析出強化型のNi基超耐熱合金とは、NiAl、NiTi、Ni(TiAl)等で代表的に表記される金属間化合物の析出強化相である「ガンマプライム(γ’)相(以下、単に「ガンマプライム」とも言う。)」を利用して、Ni基超耐熱合金の強化を図ったものである。そして、この析出強化型のNi基超耐熱合金の更なる耐熱性の向上のためには、上記のガンマプライムの量を増やすことが有効である。
このような構成部品の一部は、「押出し(extrusion)」によって作製されている。押出しとは、例えば、熱間加工温度に加熱したビレットをコンテナに挿入して、このコンテナの一端側より上記のビレットに圧縮力を付与して、コンテナの他端側に設置したダイスの孔からビレットを押出し、押出材を得る手法である。そして、析出強化型のNi基超耐熱合金押出材の製造方法として、析出強化型のNi基超耐熱合金の成分組成を有した溶湯を鋳造して得た「インゴット(鋳塊)」をビレットとし、このインゴットでなるビレットを押出す手法が提案されている(特許文献1)。
特開昭63−125649号公報
析出強化型のNi基超耐熱合金押出材を作製する場合、まず、ビレット中のガンマプライムが多くなると、ビレットの変形抵抗が高くなって、ビレットの押出成形性(熱間加工性)が著しく低下する。そして、このビレットが、析出強化型のNi基超耐熱合金の成分組成を有した「インゴット」であると、その鋳造凝固時の偏析傾向が強くなることによって、ビレット中に脆性相が多く生成し、押出し時にその鋳造組織の結晶粒界から割れが発生して、ビレットの押出成形性が更に低下する。
本発明の目的は、ガンマプライムが多い析出強化型のNi基超耐熱合金の成分組成を有したインゴットをビレットとするNi基超耐熱合金押出材の製造方法と、Ni基超耐熱合金押出材を提供するものである。
本発明は、Ni基超耐熱合金のビレットを熱間加工温度に加熱する第1の工程と、上記の熱間加工温度に加熱したビレットをコンテナに挿入し、このコンテナの一端側よりビレットに圧縮力を付与して、コンテナの他端側に設置したダイスの孔からビレットを押出し、Ni基超耐熱合金の押出材を得る第2の工程とを有し、
上記のNi基超耐熱合金のビレットは、700℃におけるガンマプライムの平衡析出量が40モル%以上となる析出強化型のNi基超耐熱合金の成分組成を有した溶湯を、鋳造して得たインゴットであり、
上記の熱間加工温度を、1030℃以上であり、上記したNi基超耐熱合金のビレットのガンマプライムソルバス温度未満の温度とするとともに、上記のビレットを押出すときの押出速度を10〜300mm/sとするNi基超耐熱合金押出材の製造方法である。
そして、本発明は、700℃におけるガンマプライムの平衡析出量が40モル%以上となる析出強化型のNi基超耐熱合金の成分組成を有し、断面組織中の平均結晶粒径が、円相当径で20μm以下のNi基超耐熱合金押出材である。
本発明により、ガンマプライムが多い析出強化型のNi基超耐熱合金の成分組成を有した押出材を作製することができる。そして、上記の成分組成を有したNi基超耐熱合金の押出材を提供することができる。
本発明例による押出成形時において、そのダイス孔の付近の「ビレットの収縮部」の断面マクロ組織の一例を示す図面代用写真である。 本発明例によって作製した押出材の、断面ミクロ組織の電子線後方散乱回折(EBSD)像の一例を示す図である。 700℃におけるガンマプライムの平衡析出量が40モル%以上となる析出強化型のNi基超耐熱合金に高温引張試験を実施したときの、ひずみ速度と絞りとの関係の一例を示す図である。
本発明のNi基超耐熱合金押出材の製造方法は、ビレットを挿入したコンテナの一端側よりビレットに圧縮力を付与して、コンテナの他端側に設置したダイスの孔からビレットを押出す、いわゆる「直接押出」によるものである。そして、本発明では、この直接押出によって、ガンマプライムが多い析出強化型のNi基超耐熱合金の成分組成を有した押出材を作製するために、以下の特徴を有する。
(1)本発明のNi基超耐熱合金押出材の製造方法は、上記のビレットが、700℃におけるガンマプライムの平衡析出量が「40モル%以上」となる析出強化型のNi基超耐熱合金の成分組成を有した溶湯を、鋳造して得た「インゴット」である。尚、インゴットやそのインゴットを押出して得られた押出材も、700℃におけるガンマプライムの平衡析出量が「40モル%以上」となる析出強化型のNi基超耐熱合金の成分組成を有する。
析出強化型のNi基超耐熱合金は、その組織が、専ら、Ni基地に合金成分が固溶したガンマ相と、Ni(TiAl)等で代表的に表記される金属間化合物の析出強化相であるガンマプライムとで構成される。このようなNi基超耐熱合金の熱間加工は、一般的に、上記のガンマプライムが固溶する固溶温度(ガンマプライムソルバス温度)から、このNi基超耐熱合金の固相線温度までの間の温度領域(例えば、900℃〜1200℃)で行われる。この熱間加工時において、上記のガンマプライムが多いと、変形抵抗が高くなって、Ni基超耐熱合金の熱間加工性が低下する。
このとき、上記のガンマプライムの量は、Ni基超耐熱合金が加熱されている温度によって変化する。そして、ガンマプライムの平衡析出量(熱力学的な平衡状態において安定なガンマプライムの析出量)は、ガンマプライム析出開始温度(ガンマプライムソルバス温度)から温度が下がると共に、最小値から増加していって、一般的には、概ね700℃以下で温度依存性が小さくなる(略一定値となる)。よって、Ni基超耐熱合金のガンマプライムの平衡析出量は、上記の「700℃」のときの値を基準とすることで、その全体的なガンマプライムの析出量の傾向を把握することができる。
そして、Ni基超耐熱合金の押出成形においては、上記のガンマプライムが多いビレット、具体的には、700℃におけるガンマプライムの平衡析出量が40モル%以上となる析出強化型のNi基超耐熱合金の成分組成を有するビレットの場合、上記の温度領域でガンマプライム相が消失し難く、ガンマプライムソルバス温度以上の温度での押出成形が難しい。本発明は、このような熱間加工が難しいNi基超耐熱合金のビレットを押出成形するものである。
本発明で押出成形されるビレットにおいて、上記の700℃におけるガンマプライムの平衡析出量は、好ましくは50モル%以上である。そして、より好ましくは60モル%以上である。なお、この値の上限を設けることは、特に要しない。但し、75モル%程度が現実的である。
そして、本発明に関する析出強化型のNi基超耐熱合金において、上記のガンマプライムの平衡析出量を「モル%」で表した値は、このNi基超耐熱合金が有する成分組成で決めることができる値である。この平衡析出量の「モル%」の値は、熱力学平衡計算による解析で求めることができる。そして、熱力学平衡計算による解析の場合、各種の熱力学平衡計算ソフトを用いることで、精度よく、かつ、容易に求めることができる。
上記の700℃におけるガンマプライムの平衡析出量が「40モル%以上」の析出強化型のNi基超耐熱合金として、例えば、質量%で、C:0.001〜0.25%、Cr:8.0〜22.0%、Mo:2.0〜7.0%、Al:2.0〜8.0%、Ti:0.4〜7.0%、残部Niおよび不純物でなる基本的な成分組成が挙げられる(以下、「質量%」の表記について、単に「%」と記す)。また、上記の基本的な成分組成において、さらに、必要に応じて、Co:28.0%以下、W:6.0%以下、Nb:4.0%以下、Ta:3.0%以下、Fe:10.0%以下、V:1.2%以下、Hf:1.0%以下、B:0.300%以下、Zr:0.30%以下のうちから選択される1種または2種以上の元素種を含有することができる。このようなNi基超耐熱合金として、例えば、アロイ713Cや、UDIMET720(UDIMETはスペシヤル メタルズ コーポレーション社の登録商標)、IN100が代表的である。
例示した上記の成分組成について、その個々の元素の効果を説明する。
<C:0.001〜0.25%>
Cは、Ni基超耐熱合金の鋳造性を高め、結晶粒界の強度を高める効果がある。しかし、Cが高くなると、鋳造インゴットの最終凝固部で粗大な共晶炭化物として析出する。C量の増加と共に共晶炭化物の数が増えると同時に、炭化物も粗大になる。粗大な炭化物が増えると、それが塑性加工のき裂の起点となり、塑性加工の延性が劣化する。よって、Cの含有量は、0.001〜0.25%とすることが好ましい。より好ましくは0.10%以下、さらに好ましくは0.05%以下とする。特に好ましくは0.02%以下とする。また、より好ましくは0.003%以上、さらに好ましくは0.005%以上とする。特に好ましくは0.008%以上とする。
<Cr:8.0〜22.0%>
Crは、耐酸化性、耐食性を向上させる元素である。ただし、Crを過剰に含有すると、σ相などの脆化相を形成し、強度、熱間加工性を低下させる。よって、Crの含有量は、8.0〜22.0%とすることが好ましい。より好ましくは9.0%以上であり、さらに好ましくは9.5%以上である。特に好ましくは10.0%以上である。また、より好ましくは18.0%以下であり、さらに好ましくは16.0%以下である。特に好ましくは14.0%以下である。
<Mo:2.0〜7.0%>
Moは、マトリックスの固溶強化に寄与し、高温強度を向上させる効果がある。但し、Moが過剰となると金属間化合物相が形成されて高温強度を損なう。よって、Moの含有量は、2.0〜7.0%とすることが好ましい。より好ましくは2.5%以上であり、さらに好ましくは3.0%以上である。特に好ましくは3.5%以上である。また、より好ましくは6.0%以下であり、さらに好ましくは5.5%以下である。特に好ましくは5.0%以下である。
<Al:2.0〜8.0%>
Alは、ガンマプライム相を形成して、高温強度を向上させる元素である。しかし、Alの過度の含有は、熱間加工性を低下させ、押出加工中の割れなどの材料欠陥の原因となる。よって、Alの含有量は、2.0〜8.0%とすることが好ましい。より好ましくは2.5%以上であり、さらに好ましくは3.5%以上である。特に好ましくは4.5%以上である。また、より好ましくは7.5%以下であり、さらに好ましくは7.0%以下である。特に好ましくは6.5%以下である。
<Ti:0.4〜7.0%>
Tiは、Alと同様に、ガンマプライムを形成し、ガンマプライムを固溶強化して高温強度を高める元素である。しかし、Tiを過度に含有すると、有害なη(イータ)相を形成して、熱間加工性を損なう。よって、Tiの含有量は、0.4〜7.0%とすることが好ましい。より好ましくは0.45%以上であり、さらに好ましくは0.5%以上である。また、より好ましくは5.0%以下であり、さらに好ましくは3.0%以下である。特に好ましくは1.0%以下である。
<Co:28.0%以下>
Coは、組織の安定性を改善し、強化元素であるTiを多く含有しても熱間加工性を維持することを可能とする選択元素の一つである。一方で、Coは高価なものであるため、コストが上昇する。よって、Coを含有する場合であっても、Coの含有量は28.0%以下とすることが好ましい。より好ましくは18.0%以下であり、さらに好ましくは16.0%以下である。特に好ましくは13.0%以下である。そして、Coを無添加レベル(原料の不可避不純物レベル)としてもよい場合は、Coの下限を0%とする。そして、Coを1.0%未満とすることができる。
なお、Coの含有による上記の効果を得る場合、Coの含有量は1.0%以上とすることが好ましい。より好ましくは3.0%以上であり、さらに好ましくは8.0%以上である。特に好ましくは10.0%以上である。
<W:6.0%以下>
Wは、Moと同様に、マトリックスの固溶強化に寄与する選択元素の一つである。一方で、Wが過剰となると、有害な金属間化合物相が形成されて、高温強度が劣化する。よって、Wを含有する場合であっても、Wの含有量は6.0%以下とすることが好ましい。より好ましくは5.5%以下であり、さらに好ましくは5.0%以下である。特に好ましくは4.5%以下である。そして、Wを無添加レベル(原料の不可避不純物レベル)としてもよい場合は、Wの下限を0%とする。そして、Wを1.0%未満とすることができ、さらには0.8%未満とすることができる。
なお、Wの含有による上記の効果を得る場合、Wの含有量は1.0%以上とすることが好ましい。そして、WとMoとを複合で含有することにより、上記の固溶強化の発揮に効果的である。Moと複合で含有する場合のWの含有量は、0.8%以上とすることが好ましい。
<Nb:4.0%以下>
Nbは、AlやTiと同様に、ガンマプライムを形成し、ガンマプライムを固溶強化して高温強度を高める選択元素の一つである。但し、Nbの過度の含有は、有害なδ(デルタ)相を形成し、熱間加工性を劣化させる。よって、Nbを含有する場合であっても、Nbの含有量は4.0%以下とすることが好ましい。より好ましくは3.5%以下であり、さらに好ましくは3.0%以下である。特に好ましくは2.5%以下である。そして、Nbを無添加レベル(原料の不可避不純物レベル)としてもよい場合は、Nbの下限を0%とする。そして、Nbを0.5%未満とすることができる。
なお、Nbの含有による上記の効果を得る場合、Nbの含有量は0.5%以上とすることが好ましい。より好ましくは1.0%以上であり、さらに好ましくは1.5%以上である。特に好ましくは2.0%以上である。
<Ta:3.0%以下>
Taは、AlやTiと同様に、ガンマプライムを形成し、ガンマプライムを固溶強化して高温強度を高める選択元素の一つである。但し、Taの過度の添加は、ガンマプライム相が高温で不安定となって高温での粗大化を招くとともに、有害なη(イータ)相を形成し、熱間加工性を劣化させる。よって、Taを含有する場合であっても、Taの含有量は3.0%以下とすることが好ましい。より好ましくは2.5%以下であり、さらに好ましくは2.0%以下である。特に好ましくは1.5%以下である。そして、Taを無添加レベル(原料の不可避不純物レベル)としてもよい場合は、Taの下限を0%とする。そして、Taを0.3%未満とすることができる。
なお、Taの含有による上記の効果を得る場合、Taの含有量は0.3%以上とすることが好ましい。より好ましくは0.5%以上であり、さらに好ましくは0.7%以上である。特に好ましくは1.0%以上である。
<Fe:10.0%以下>
Feは、高価なNi、Coの代替として含有させることができる、合金コストの低減に有効な選択元素の一つである。但し、Feを過剰に含有すると、σ相などの脆化相を形成して、強度、熱間加工性を低下させる。よって、Feを含有する場合であっても、Feの含有量は10.0%以下とすることが好ましい。より好ましくは8.0%以下であり、さらに好ましくは6.0%以下である。特に好ましくは3.0%以下である。そして、Feを無添加レベル(原料の不可避不純物レベル)としてもよい場合は、Feの下限を0%とする。そして、Feを0.1%未満とすることができる。
なお、Feの含有による上記の効果を得る場合、NiやCoの含有量と代替させたFeの含有量は、例えば、0.1%以上とすることが好ましい。より好ましくは0.4%以上であり、さらに好ましくは0.6%以上である。特に好ましくは0.8%以上である。
<V:1.2%以下>
Vは、マトリックスの固溶強化、炭化物生成による粒界強化に有用な選択元素の一つである。但し、Vの過度の添加は、製造過程における高温不安定相の生成を招き、製造性および高温力学性能に悪影響を及ぼす。よって、Vを含有する場合であっても、Vの含有量は1.2%以下とすることが好ましい。より好ましくは1.0%以下であり、さらに好ましくは0.8%以下である。特に好ましくは0.7%以下である。そして、Vを無添加レベル(原料の不可避不純物レベル)としてもよい場合は、Vの下限を0%とする。そして、Vを0.1%未満とすることができる。
なお、Vの含有による上記の効果を得る場合、Vの含有量は0.1%以上とすることが好ましい。より好ましくは0.2%以上であり、さらに好ましくは0.3%以上である。特に好ましくは0.5%以上である。
<Hf:1.0%以下>
Hfは、合金の耐酸化性向上、炭化物生成による粒界強化に有用な選択元素の一つである。但し、Hfの過度の添加は、製造過程の酸化物生成、高温不安定相の生成を招き、製造性および高温力学性能に悪影響を及ぼす。よって、Hfを含有する場合であっても、Hfの含有量は1.0%以下とすることが好ましい。より好ましくは0.7%以下であり、さらに好ましくは0.5%以下である。特に好ましくは0.3%以下である。そして、Hfを無添加レベル(原料の不可避不純物レベル)としてもよい場合は、Hfの下限を0%とする。そして、Hfを0.02%未満とすることができる。
なお、Hfの含有による上記の効果を得る場合、Hfの含有量は0.02%以上とすることが好ましい。より好ましくは0.05%以上であり、さらに好ましくは0.1%以上である。特に好ましくは0.15%以上である。
<B:0.300%以下>
Bは、粒界強度を向上させ、クリープ強度、延性を改善することができる選択元素の一つである。一方で、Bの過度の添加は、合金の融点を大きく低下させて、また、粗大なホウ化物の形成によって加工性を劣化させる。よって、Bを含有する場合であっても、Bの含有量は0.300%以下であることが好ましい。より好ましくは0.100%以下であり、さらに好ましくは0.050%以下である。特に好ましくは0.020%以下である。そして、Bを無添加レベル(原料の不可避不純物レベル)としてもよい場合は、Bの下限を0%とする。そして、Bを0.001%未満とすることができる。
なお、Bの含有による上記の効果を得る場合、Bの含有量は0.001%以上とすることが好ましい。より好ましくは0.003%以上であり、さらに好ましくは0.005%以上である。特に好ましくは0.007%以上である。
<Zr:0.30%以下>
Zrは、Bと同様に、粒界強度を向上させる効果を有した選択元素の一つである。但し、Zrを過剰に含有すると、合金の融点の低下を招き、高温強度、熱間加工性が劣化する。よって、Zrを含有する場合であっても、Zrの含有量は0.30%以下とすることが好ましい。より好ましくは0.25%以下であり、さらに好ましくは0.20%以下である。特に好ましくは0.15%以下である。そして、Zrを無添加レベル(原料の不可避不純物レベル)としてもよい場合は、Zrの下限を0%とする。そして、Zrを0.001%未満とすることができる。
なお、Zrの含有による上記の効果を得る場合、Zrの含有量は0.001%以上とすることが好ましい。より好ましくは0.005%以上であり、さらに好ましくは0.01%以上である。特に好ましくは0.03%以上である。
そして、本発明において押出成形されるビレットは、上記の700℃におけるガンマプライムの平衡析出量が「40モル%以上」となる析出強化型のNi基超耐熱合金の成分組成を有した溶湯を、鋳造して得た「インゴット」である。つまり、上記の成分組成を有したインゴットは、その鋳造凝固時において偏析が強い傾向があり、凝固後の鋳造組織には脆性相が多く形成され得るものである。従来では、このような脆性相が多く形成されたインゴットをビレットとして、これに押出成形を行うと、押出成形中のビレットが、その鋳造組織の結晶粒界から割れて、微細な再結晶組織を有した押出材を得られ難かった。本発明に係るNi基超耐熱合金押出材の製造方法は、このような押出成形が難しいNi基超耐熱合金のインゴットをビレットとして、このビレットの押出成形を可能とするものである。
(2)本発明のNi基超耐熱合金押出材の製造方法は、上記のインゴットでなるビレットの熱間加工温度を、「1030℃以上」であり、上記したNi基超耐熱合金のビレットの「ガンマプライムソルバス温度未満」の温度とするものである。
押出成形用のビレットが、700℃におけるガンマプライムの平衡析出量が40モル%以上となる析出強化型のNi基超耐熱合金の成分組成を有しており、しかも、鋳造で得たインゴットである場合、従来、このビレットの押出成形は困難であった。しかし、このようなビレットの押出成形性は、ビレットの変形抵抗の大小だけで“直接的に”評価できるような単純なものではないことを、本発明者は知見した。
つまり、ビレットの押出成形時において、その熱間加工温度がガンマプライムソルバス温度から下がっていくと、それと共にビレット中のガンマプライムの析出量も大きく増加する。その結果、ビレットの変形抵抗が著しく増加すると、ビレットの変形による加工発熱が十分に生じずに、特に、ビレットが収縮するダイス孔の付近(ビレットの収縮部)でビレット内に“温度むら”が生じて、これがビレットの変形抵抗が大きいこと自体と相まって、ビレットの塑性変形の不均一性を増幅する。そして、この結果、微細な再結晶組織を有した押出材は得られ難い。
そこで、本発明の場合、上記したビレットの押出成形性の向上は、その変形抵抗の低減の知見からだけではなくて、その変形によって生じる加工発熱の利用という知見からも検討することが有効であると考えた。そして、この加工発熱を十分に得ることができるビレットの変形抵抗は、上記の熱間加工温度によって非常に敏感に反応するので、この熱間加工温度の管理が重要である。そして、本発明の場合、上記の熱間加工温度を「1030℃以上」とすることで、上記の加工発熱を効果的に利用できて、ビレット中にガンマプライムが存在した条件でも(つまり、ガンマプライムソルバス温度未満の熱間加工温度でも)、ビレットの総合的な押出成形性を向上することができる。上記の熱間加工温度について、好ましくは1050℃以上である。より好ましくは1080℃以上である。さらに好ましくは1100℃以上である。特に好ましくは1130℃以上である。
一方、上記の熱間加工温度がガンマプライムソルバス温度に向けて上昇すると、ビレット中のガンマプライムの析出量が減少して(固溶して)、ビレットの変形抵抗は小さくなる。そして、このことは、ビレットの押出成形性の向上に働く。
しかし、上記の熱間加工温度がガンマプライムソルバス温度にまで上昇すると、再結晶粒の成長が著しく、粗大な再結晶組織となり、押出材が脆性的となる。そして、重要なのは、上記の熱間加工温度がガンマプライムソルバス温度を超えると、700℃におけるガンマプライムの平衡析出量が40モル%以上となる成分組成を有したNi基超耐熱合金の場合、上記のガンマプライムソルバス温度から固相線温度までの間の非常に狭い温度領域で、ビレットは“ゼロ延性”の状態となり、押出成形が困難となる。よって、本発明では、上記の熱間加工温度を、上記したNi基超耐熱合金のビレットの「ガンマプライムソルバス温度未満」の温度とすることで、上記の加工発熱の利用によるビレットの押出成形性の向上に加えて、かつ、押出材の組織を微細な再結晶組織にすることができる。上記の熱間加工温度について、好ましくは1180℃以下である。より好ましくは1170℃以下である。更に好ましくは1150℃以下である。
なお、本発明に関する析出強化型のNi基超耐熱合金のビレットにおいて、上記のガンマプライムソルバス温度は、このNi基超耐熱合金が有する成分組成で決めることができる値である。このとき、上記のガンマプライムソルバス温度は、熱力学平衡計算による解析で求めることができる。そして、熱力学平衡計算による解析の場合、各種の熱力学平衡計算ソフトを用いることで、精度よく、かつ、容易に求めることができる。
(3)本発明のNi基超耐熱合金押出材の製造方法は、上記のインゴットでなるビレットを押出すときの押出速度を「10〜300mm/s」とするものである。
押出成形用のビレットが、700℃におけるガンマプライムの平衡析出量が40モル%以上となる析出強化型のNi基超耐熱合金の成分組成を有しており、しかも、鋳造で得たインゴットである場合、このようなビレットの押出成形性を向上させるには、その押出成形時の「押出速度」を調整することも重要である。
図3は、アロイ713C(700℃におけるガンマプライムの平衡析出量:69モル%、ガンマプライムソルバス温度:1185℃)を用いたときの、その1150℃における引張試験結果である。ガンマプライムソルバス温度を下回る温度域において、その「絞り」の値が「ひずみ速度」が大きくなるに連れて大きくなり、析出強化型のNi基超耐熱合金の成形性の向上には加工速度を大きくすることが効果的であることがわかる。そして、この効果的な現象は、押出成形においても同様であると思われ、つまり、析出強化型のNi基超耐熱合金の「延性」は、そのガンマプライムソルバス温度を下回る温度域で、「押出速度」を大きくすることで向上する。そして、本発明の場合、この押出速度は「10mm/s以上」の速い値とする。なお、この押出速度は、押出成形でビレットを押しているときの「ステム」の移動速度とすることができる。押出速度が10mm/s未満になると、そのときのビレットの延性が低下して、押出材に割れが発生する懸念が生じる。上記の押出速度について、好ましくは12mm/s以上である。より好ましくは14mm/s以上である。
押出速度を大きくすることでビレットの延性が向上するメカニズムは、以下の通りと推測される。つまり、Ni基超耐熱合金中のガンマプライムは、その熱間加工中における動的再結晶を阻害して、Ni基超耐熱合金の円滑な変形を阻害すると考えられる。よって、700℃におけるガンマプライムの平衡析出量が40モル%以上のNi基超耐熱合金では、熱間加工中において、円滑な変形を可能にする動的再結晶を発生させる程の、より高い「ひずみエネルギー」の導入が必要である。そして、熱間加工中において、上記の「ひずみ速度(押出速度)」を大きくすることで、Ni基超耐熱合金に導入された上記のひずみエネルギーが開放され難くなって、十分な動的再結晶が発生し、Ni基超耐熱合金の円滑な変形が可能になると思われる。
一方、本発明の場合、上記の押出速度は「300mm/s以下」とする。押出速度を大きくすることにより、ビレットの延性向上に有利である。但し、押出速度がある一定値に達すると、ビレットの延性向上の程度が鈍化して、この効果が飽和する。また、押出装置の能力を考えれば、上記の押出速度(ステムの移動速度)の上限は、300mm/s程度が現実的である。上記の押出速度について、好ましくは280mm/s以下である。より好ましくは260mm/s以下である。そして、この押出速度が100mm/s以下や90mm/s以下の場合であっても、本発明の効果を得ることができる。
(4)好ましくは、本発明のNi基超耐熱合金押出材の製造方法においては、上記のビレットが、インゴットを熱処理したものである。
本発明の場合、“溶湯を鋳造したままの状態の”インゴットをビレットとしても、上述した手法により、このビレットの押出成形が可能である。そして、この溶湯を鋳造したままの状態のインゴットに熱処理を行ってから、これをビレットとすることで、ビレット中の偏析を軽減して、より押出成形性に優れたビレットとすることができる。上記の熱処理の温度範囲は、Ni基超耐熱合金のガンマプライムソルバス温度付近の範囲とすることが好ましい。そして、具体例として、「1170〜1250℃」の温度範囲とすることが好ましい。より好ましくは1240℃以下とする。更に好ましくは1230℃以下とする。
上記の熱処理温度が低くなり過ぎると、偏析の軽減効果が小さくなる。また、上記の熱処理を行った場合は、その熱処理温度が高くなって、例えば、上記のガンマプライムソルバス温度を大きく超えてしまうと、鋳造時に形成されたガンマ相の粗大な結晶粒が更に成長する。そして、ビレットにおける粒界脆化を促進する。この粒界脆化が生じる原因は、微量元素の粒界への偏析によるものと推定する。
なお、熱処理時間は、各種の鋳塊に行われる一般的なソーキング処理(均熱処理)のそれに従うことができる。例えば、3〜30時間の熱処理時間とすることができる。好ましくは10時間以上の熱処理時間とすることができる。
本発明であれば、上記の熱間加工温度と押出速度とすることで、700℃におけるガンマプライムの平衡析出量が40モル%以上となる析出強化型のNi基超耐熱合金の成分組成を有したビレットを、鋳造したままのインゴットの状態で供給しても、押出成形を行うことができる。そして、上記のビレットについて、その断面組織中の平均結晶粒径が、円相当径で6.3mm以上、さらには7mm以上にも及ぶ粗大なものであっても(現実的には30mm程度が上限である)、押出成形を行うことができる。
そして、例えば、上記の押出成形によって作製された押出材は、微細な再結晶組織とすることができる。例えば、押出材の断面組織中の平均結晶粒径が、円相当径で20μm以下の微細な再結晶組織とすることができる(現実的には2μm程度が下限である)。さらには、円相当径で15μm以下や、10μm以下の微細な再結晶組織とすることができる。また、押出材の断面組織中の平均結晶粒径を、例えば、ビレットの断面組織中の平均結晶粒径の400分の1以下のレベルにまで、さらには1000分の1以下のレベルにまで、微細にすることができる。
上記の平均結晶粒径を測定する断面組織は、ビレットおよび押出材の両方において、その押出方向に半割したときの断面(つまり、ビレットまたは押出材の長手方向における中心軸を含んだ断面)の中心軸の位置から採取することができる。そして、この中心軸の位置から採取した断面で確認される個々の結晶粒の円相当径から、上記の平均結晶粒径を求めることができる。
押出成形の際の押出比(ビレットの断面積/押出材の断面積)は、通常の押出成形で適用されている押出比とすることができる。例えば、押出比を2〜40とすることができる。そして、この押出比は、30以下であってもよいし、20以下であってもよい。このようにして得られた押出材は、例えば、線材の様態を有している。また、この線材は、例えば、断面の直径が1.4〜20mmである。そして、このような押出材を出発材として、これに更なる熱間加工や冷間加工を行うことで、例えば、断面の直径が1〜3mmといった細いワイヤを作製することも可能である。
真空溶解によって準備した所定の成分組成を有した溶湯を鋳造して、直径110mm×長さ120mmのインゴットを作製した。次に、このインゴットを熱処理炉に入れて、大気雰囲気で1200℃×20時間の熱処理を施した後、炉冷した。そして、この熱処理後のインゴットを直径82mm×長さ105mmの寸法形状に機械加工して、押出用のビレットとした。なお、上記と同じ要領で、断面組織中の平均結晶粒径を測定するためのビレットも作製した。そして、このビレットの長手方向における中心軸の位置の断面を塩化第二鉄液で腐食して、その腐食後の断面を倍率10倍の光学顕微鏡で観察した。そして、この観察した50mm×40mmの視野面積に確認される結晶粒において、画像解析を行った結果、その断面組織中の平均結晶粒径は、円相当径で10mm程度であった。
上記の溶湯の成分組成(つまり、ビレットの成分組成)を表1に示す。なお、Co、W、Ta、V、Hfは不純物元素であるため、Co≦28.0%、W≦6.0%、Ta≦3.0%、V≦1.2%、Hf≦1.0%を満たしていた。また、これら溶湯の成分組成において、700℃におけるガンマプライムの平衡析出量およびガンマプライムソルバス温度を、熱力学平衡計算ソフト「JMatPro(Version8.0.1,Sente Software Ltd.社製)」を用いて求めた。この熱力学平衡計算ソフトに、表1に列挙された各元素の含有量を入力して計算した結果、表1の成分組成の範囲において、700℃におけるガンマプライムの平衡析出量は66〜67モル%であり、ガンマプライムソルバス温度は1185〜1188℃であった。
Figure 0006660042
上記のビレットを加熱炉に入れて、所定の熱間加工温度に加熱した(第1の工程)。そして、上記の熱間加工温度で2時間保持した後のビレットを、加熱炉から取り出して、押出装置のコンテナに装入し、所定の押出速度(ステムの移動速度)による直接押出を実施した(第2の工程)。このとき、上記の直接押出は、ビレットを加熱炉から取り出してから3秒以内に開始した。そして、作製された押出材を評価して、押出材の外部または内部に“割れ”が生じていないかを確認した。結果を、押出条件と共に、表2に示す。
Figure 0006660042
表2より、700℃におけるガンマプライムの平衡析出量が40モル%以上となる析出強化型のNi基超耐熱合金の成分組成を有したビレット(インゴット)に対して、本発明の熱間加工温度および押出速度による押出成形を行って得た押出材No.1〜4には、割れが生じていなかった。そして、押出材No.1〜4は、微細な再結晶組織を有していた。
これに対して、熱間加工温度が上記のガンマプライムソルバス温度を超えて高かった押出材No.5は、押出成形時のビレットで延性が失われて、割れが生じていた。また、押出速度が小さかった押出材No.6も、押出成形時のビレットで延性が失われて、割れが生じていた。そして、押出材No.6は、動的再結晶が十分に進んでおらず、未再結晶組織を有していた。
図1は、押出材No.4における、押出成形時のビレットの収縮部の断面マクロ組織を示したものである。図1において、収縮前のビレットの位置では、結晶粒径が概ね10mm程度の粗大な鋳造組織1であるものが、収縮後のビレット(押出材)の位置では、微細な再結晶組織2に変化していることがわかる。そして、図2は、押出材No.4の断面ミクロ組織のEBSD像を示したものである。なお、EBSDの測定条件は、スキャンステップ:0.1μmとし、結晶粒の定義は方位差15°以上を粒界とした。また、この断面ミクロ組織は、押出材の長手方向に半割した断面における、その中心軸の位置のものである。そして、図2の視野面積(200μm×150μm)でカウントされた結晶粒より、本発明例によって作製した押出材No.4は、円相当径による平均粒径が約2.1μmの微細な再結晶組織を有していた。そして、押出材No.4に比べて、押出時の熱間加工温度が高めであった押出材No.1〜3においても、上記と同じ平均結晶粒径の測定要領で、円相当径による平均結晶粒径が20μm以下の微細な再結晶組織を有していた。
なお、押出材No.1について、その押出の際の熱間加工温度を「1025℃」に低めた以外は、同じ条件による押出を実施して、別の押出材を作製した。その結果、この別の押出材の場合、ビレットの変形抵抗が著しく増加したことに加えて、十分な加工発熱を得ることもできず、微細な再結晶組織を有した押出材を得ることができなかった。
1 鋳造組織
2 再結晶組織

Claims (5)

  1. Ni基超耐熱合金のビレットを熱間加工温度に加熱する第1の工程と、
    前記熱間加工温度に加熱したビレットをコンテナに挿入し、前記コンテナの一端側より前記ビレットに圧縮力を付与して、前記コンテナの他端側に設置したダイスの孔から前記ビレットを押出し、Ni基超耐熱合金の押出材を得る第2の工程とを有し、
    前記Ni基超耐熱合金のビレットは、熱力学平衡計算による解析で求められる700℃におけるガンマプライムの平衡析出量が40モル%以上となる析出強化型のNi基超耐熱合金の成分組成を有した溶湯を、鋳造して得たインゴットであり、
    前記熱間加工温度を、1030℃以上であり、前記Ni基超耐熱合金のビレットのガンマプライムソルバス温度未満の温度とするとともに、前記ビレットを押出すときの押出速度を10〜300mm/sとすることを特徴とするNi基超耐熱合金押出材の製造方法。
  2. 前記Ni基超耐熱合金のビレットは、前記インゴットを熱処理したものであることを特徴とする請求項1に記載のNi基超耐熱合金押出材の製造方法。
  3. 前記熱処理は、熱処理温度を1170〜1250℃とすることを特徴とする請求項2に記載のNi基超耐熱合金押出材の製造方法。
  4. 前記熱処理は、熱処理時間を3〜30時間とすることを特徴とする請求項2または3に記載のNi基超耐熱合金押出材の製造方法。
  5. 熱力学平衡計算による解析で求められる700℃におけるガンマプライムの平衡析出量が40モル%以上となる析出強化型のNi基超耐熱合金の成分組成を有し、
    断面組織中の平均結晶粒径が、円相当径で20μm以下であることを特徴とするワイヤ用Ni基超耐熱合金押出材。
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