JP2015185423A - 超電導電流リード - Google Patents

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Abstract

【課題】低温部への熱侵入を抑制できるとともに小型化を図ることができる超電導電流リードを提供する。【解決手段】超電導電流リードは、金属基板上に中間層、超電導層、安定化層が順に積層されたテープ状の超電導線材と、超電導線材の両端部に接合される金属電極と、超電導線材と金属電極とを含むリード本体を収容する補強部材と、を備える。金属電極と補強部材とはピンにより固定される。具体的には、補強部材は、長手方向に直交する方向において軸線を挟んで対向する位置に貫通して形成される外側挿通孔を有し、金属電極は、外側挿通孔に対する位置に貫通して形成される内側挿通孔を有する。ピンが外側挿通孔及び内側挿通孔に挿通されることにより、金属電極と補強部材が固定される。【選択図】図2

Description

本発明は、酸化物超電導線材を用いた超電導電流リードに関し、特に、超電導線材及び金属電極が補強部材に収容されてなる超電導電流リードに関する。
近年、超電導ケーブルや超電導磁石装置等、超電導を利用した超電導応用機器の分野では、実用化に向けてさかんに研究、開発が行われている。一般に、超電導応用機器は低温部(低温容器)に設置され、常温部に設置された外部機器(例えば電源)と、電流リードを介して接続される。
超電導応用機器の運転は、極低温環境下で行われるため、低温部の断熱性が極めて重要となる。低温部の断熱性が悪く、低温部への熱侵入が大きいと、超電導応用機器の冷却効率が低下して超電導状態を維持するための冷却コストが増大することとなり、場合によっては超電導応用機器を運転できなくなってしまうためである。この低温部への熱侵入の経路としては、低温容器を伝熱する経路、電流リードを伝熱する経路が考えられる。
低温容器を介した熱侵入を防止するための手法としては、液体窒素等の冷媒及び超電導応用機器を収容する冷媒槽と、冷媒槽の外側に設けられる真空槽とを有する二重構造の低温容器が知られている。この低温容器によれば、真空断熱により低温部への熱侵入が低減される。
電流リードを介した熱侵入を防止するための手法としては、酸化物超電導体を用いた超電導電流リードが提案されている。酸化物超電導体は、液体窒素温度以下では電気抵抗がゼロであり、かつ熱伝導率が小さい(銅の数10分の1)。そのため、超電導電流リードにおいては、通電時にジュール熱の発生はなく、低温部への伝熱量も極めて小さくなる。したがって、超電導電流リードによれば、低温部への熱侵入が低減される。
一般に、超電導電流リードは、テープ状の超電導線材、超電導線材の一端部(高温側)に配置される第1の金属電極、及び超電導線材の他端部(低温側)に配置される第2の金属電極を備える。超電導線材と第1の金属電極及び第2の金属電極は、例えば半田付けにより接合される。
また、超電導線材、第1の金属電極、及び第2の金属電極とからなるリード本体は、補強部材内に位置決めした状態で収容され、支持される(例えば特許文献1、2)。従来は、補強部材とリード本体(第1の金属電極及び第2の金属電極)とは、ボルトを用いて締結する方法や、エポキシ樹脂系の接着剤で接着する方法によって固定されている。
特開平07−297025号公報 特開2011−211110号公報
しかしながら、補強部材と金属電極とを接着剤で固定する場合では、十分な固定強度を得るために補強部材と金属電極との接触面積を大きくする必要がある。つまり、補強部材と金属電極を接着剤にて塗布する領域を大きく確保するために、ある程度の大きさを有する金属電極が必要となる。
また、補強部材と金属電極とをボルトで固定する場合は、金属電極にタップ加工を施す必要があるため、金属電極の厚さと幅が大きくなる。
このように、従来の固定方法では、金属電極を小型にすることが困難であるため、超電導電流リードが大型になり、設置時の作業性が低下する。さらには、金属電極が大きくなることから低温部への熱侵入量も当然に大きくなる。
本発明の目的は、低温部への熱侵入を抑制できるとともに小型化を図ることができる超電導電流リードを提供することである。
本発明に係る超電導電流リードは、金属基板上に中間層、超電導層、安定化層が順に積層されたテープ状の超電導線材と、
前記超電導線材の両端部に接合される金属電極と、
前記超電導線材と前記金属電極とを含むリード本体を収容する補強部材と、を備え、
前記金属電極と前記補強部材がピンにより固定されることを特徴とする。
本発明によれば、ピンを用いて補強部材と金属電極とを固定するので、従来の超電導電流リードに比較して小さな金属電極を適用できる。したがって、低温部への熱侵入を格段に抑制することができるとともに、小型化を図ることができる。
本発明の一実施の形態に係る超電導電流リードを用いた超電導磁石装置を示す図である。 超電導リードの外観図である。 超電導線材の一般的な構成を示す図である。 超電導電流リードをZ方向先端側から見た平面図である。 図6におけるV−V矢視断面図である。 超電導電流リードをY方向基端側から見た正面図である。 図4におけるVII−VII矢視断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る超電導電流リード10を用いた超電導磁石装置1を示す図である。図2は、超電導電流リード10の外観図である。図3は、超電導線材11の一般的な構成を示す図である。図4は、超電導電流リードをZ方向先端側から見た平面図である。図5は、図6におけるV−V矢視断面図である。図6は、超電導電流リードをY方向基端側から見た正面図である。図7は、図4におけるVII−VII矢視断面図である。
図1に示すように、超電導磁石装置1は、超電導電流リード10、常電導電流リード31、超電導コイル20、電源30、及び低温容器40等を備える。
低温容器40は、内側の容器41と外側の真空槽42とからなる二重構造を有する。容器41は冷凍機(図示略)に接続される。真空槽42は真空ポンプ(図示略)に接続され、内部を真空状態に保持される。
超電導コイル20は、超電導線材を巻線したコイルである。超電導コイル20は、低温部となる容器41内に配置される。超電導コイル20は、超電導電流リード10と接続するためのコイル電極21を有する。
電源30は、常温部となる低温容器40外に配置される。電源30は、常電導電流リード31及び超電導電流リード10を介して、超電導コイル20に電流を供給する。常電導電流リード31は、例えば銅線である。
超電導電流リード10は、超電導線材11、第1の金属電極12、第2の金属電極13、及び補強部材14を有する。超電導電流リード10は、容器41内に配置される。超電導線材11の高温側となる一端部は第1の金属電極12に接続され、低温側となる他端部は第2の金属電極13に接続される。
超電導線材11は、図3に示すように、超電導層113を有するテープ状の線材である。超電導線材11は、例えばテープ状の金属基板111上に、中間層112、超電導層113、安定化層114が順に形成された積層構造を有する。
金属基板111は、Ni合金(例えばハステロイ(登録商標))、W−Mo系、Fe−Cr系(例えばオーステナイト系ステンレス)、又はFe−Ni系の材料に代表される低磁性の無配向金属基板である。
中間層112は、例えば金属基板111からの元素の拡散が超電導層113に及ぶのを防止するための第1の中間層(拡散防止層)と、超電導層113の結晶を一定の方向に配向させるための第2の中間層(配向層)など、複数の中間層を有する。第1の中間層は、例えばガリウムドープ酸化亜鉛層(GZO)又はイットリウム安定化ジルコニア層(YSZ)で構成される。第1の中間層の成膜には、例えばイオンビームアシスト蒸着法(IBAD:Ion Beam Assisted Deposition)を適用できる。第2の中間層は、例えば酸化セリウム層(CeO)で構成される。第2の中間層の成膜には、例えばRFスパッタ法を適用できる。
超電導層113は、例えばRE系超電導体(RE:Y、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びYbから選択される1又は2種以上の希土類元素)等の酸化物超電導体で構成される。RE系超電導体としては、YBaCuで表されるイットリウム系超電導体が代表的である。超電導層113の成膜には、有機金属堆積法(MOD:Metal-organic deposition)、パルスレーザー蒸着法(PLD:Pulsed Laser Deposition)、スパッタ法、又は有機金属気相成長法(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)を適用できる。
超電導層113には、Y、Zr、Sn、Ti、Ceのうち少なくとも1つを含む50μm以下の酸化物粒子が磁束ピンニング点として分散していることが好ましい。この場合、超電導層113の成膜法としては、三フッ化酢酸塩(TFA)を用いたTFA−MOD法が好適である。例えば、TFAを含むBa溶液中に、Baと親和性の高いZr含有ナフテン酸塩等を混合することにより、RE系超電導体からなる超電導層113に、Zrを含む酸化物粒子(BaZrO)を磁束ピンニング点として分散させることができる。なお、超電導層113中に磁束ピンニング点を分散する手法は、公知の技術を適用することができる(例えば特開2012−059468号公報)。
超電導層113中に磁束ピンニング点を分散させることにより、超電導線材11が湾曲した状態で用いられても、磁場の影響を受けにくく、安定した超電導特性が発揮される。
安定化層114は、超電導層113を保護するとともに、超電導状態が部分的に破れて抵抗が発生(常電導転移)した場合に電流を迂回させるための層である。安定化層114は、電気抵抗率が低く、熱伝導率の高い材料で構成されるのが好ましく、例えばAg又はCuで構成される。安定化層114の成膜には、例えばスパッタ法を適用できる。
超電導線材11の熱収縮率は、主として金属基板111に依存する。室温から77Kに冷却した際のハステロイの熱収縮率は、0.204%である。また、超電導線材11の熱伝導率は、主として金属基板111及び安定化層114に依存する。77Kにおけるハステロイの熱伝導率は5.164W/(m・K)であり、Agの熱伝導率は237.3W/(m・K)である。
第1の金属電極12(高温側電極)及び第2の金属電極13(低温側電極)は、銅又は銅合金等の金属材料で構成される。第1の金属電極12は、容器41の底面近傍に配置され、導体引出部(図示略)を介して常電導電流リード31に接続される。第1の金属電極12の近傍の温度は、例えば77Kである。第2の金属電極13は、超電導コイル20の近傍に配置され、超電導コイル20のコイル電極21に接続される。第2の金属電極13の近傍の温度は、例えば4.2Kである。
第1の金属電極12は、補強部材14から外部に引き出される引出部121と、補強部材14内に収容される被収容部122を有する。引出部121のY方向における幅は被収容部122の幅よりも狭い。すなわち、引出部121と被収容部122の連設箇所は段部となっている。また、引出部121は、Y方向に貫通して形成された小径(例えば直径1mm)の内側挿通孔121aを有する。
第2の金属電極13は、第1の金属電極12と同様に、引出部131と被収容部132を有し、引出部131と被収容部132の連設箇所は段部となっている。また、引出部131は、Y方向に貫通して形成された小径の内側挿通孔131aを有する。
第1の金属電極12の被収容部122及び第2の金属電極13の被収容部132は、それぞれ長さ方向(X方向)における一方(内側)の端面に、超電導線材11を固定するための固定溝122a、132aを有する。固定溝122a、132aの幅方向(Y方向)両端は、開放されていてもよいし、閉塞されていてもよい。固定溝122a、132aの高さ(Z方向)は、超電導線材11の厚みよりも若干大きく設定される。固定溝122a、132aの深さ(X方向)は、超電導線材11と強固に接合し、接続抵抗が充分小さく、かつ支持できる程度であればよい。
第1の金属電極12の固定溝122aには、超電導線材11の一方の端部が固定溝122aの底部に突き当たるまで挿入される。第2の金属電極13の固定溝132aには、超電導線材11の他方の端部が固定溝132aの底部に突き当たるまで挿入される。超電導線材11と固定溝122a、132aの隙間には溶融半田が充填される。すなわち、超電導線材11と第1の金属電極12及び第2の金属電極13は、半田付けにより接合され、電気的に接続される。
このように、超電導電流リード10においては、固定溝122a、132aに超電導線材11が挿入されて接合されるので、リード本体の組立工程が極めて容易であり、また超電導電流リード10の小型化を図る上でも有用である。
補強部材14は、超電導線材11の両端部に第1の金属電極12と第2の金属電極13が接合されたリード本体を、所定の電極間距離(第1の金属電極12と第2の金属電極13の離間距離)となるように位置決めした状態で収容する。
補強部材14は、中空の直方体部材であり、天面が開口した収容部14A及び収容部14Aの開口を閉塞する蓋部14Bを有する。収容部14Aは、底壁141と、底壁141の幅方向(Y方向)縁部から垂直に起立する板状の側壁142、142を有する。
図5に示すように、側壁142、142の長さ方向の一端部(図5では左端部)は、中央部よりもY方向の幅が広く形成される。側壁142から幅方向内側に膨出する部分を膨出部142aと称する。膨出部142aの幅(側壁142の幅との差分、段部の幅)は、第1の金属電極12の長さ方向外側への移動を規制できる程度であればよく、例えば2mmである。すなわち、膨出部142aは、第1の金属電極12が長さ方向外側に移動するのを規制する第1の規制部を構成する。
長さ方向の軸線を挟んで対向する膨出部142a、142aの離間幅は、第1の金属電極12の引出部121の幅と同じである。また、膨出部142a、142aは、第1の金属電極12の内側挿通孔121aと同径でY方向に貫通して形成された外側挿通孔142b、142bを有する。
同様に、側壁142、142の長さ方向の他端部(図5では右端部)は、中央部よりもY方向の幅が広く形成される。側壁142から幅方向内側に膨出する部分を膨出部142cと称する。膨出部142cの幅(側壁142の幅との差分、段部の幅)は、第2の金属電極13の長さ方向外側への移動を規制できる程度であればよく、例えば2mmである。すなわち、膨出部142cは、第2の金属電極13が長さ方向外側に移動するのを規制する第2の規制部を構成する。
長さ方向の軸線を挟んで対向する膨出部142c、142cの離間幅は、第2の金属電極13の引出部131の幅と同じである。また、膨出部142c、142cは、第2の金属電極13の内側挿通孔131aと同径でY方向に貫通して形成された外側挿通孔142d、142dを有する。
図7に示すように、底壁141の中央部は、両端部よりもZ方向の厚さが厚く形成される。底壁141から厚さ方向内側に膨出する部分を凸部141aと称する。凸部141aの厚さ(底壁141の厚さとの差分、段部の厚さ)は、第1の金属電極12及び第2の金属電極13の長さ方向内側への移動を規制できる程度であればよく、例えば2mmである。すなわち、凸部141aは、第1の金属電極12及び第2の金属電極13が長さ方向内側へ移動するのを規制する第2の規制部を構成する。
側壁142の膨出部142aから底壁141の凸部141aまでの長さが第1の金属電極12の被収容部122の長さと同じであり、側壁142の膨出部142cから底壁141の凸部141aまでの長さが第2の金属電極13の被収容部132の長さと同じである。
補強部材14は、超電導線材11よりも熱伝導率が低い材料で構成される。これにより、補強部材14を介して外部から侵入する熱量(熱侵入量)を低減することができる。
熱侵入量を低減する観点からは、繊維強化プラスチック(GFRP:Glass Fiber Reinforced Plastics)が好適である。77KにおけるGFRPの熱伝導率は0.39W/(m・K)であり、超電導線材11の熱伝導率よりも著しく小さい。一方、超電導線材11が破損したときに超電導磁石装置1を保護する観点からは、バイパスとして機能するステンレス合金、ニッケル基合金、チタン合金等が好適である。77Kにおけるステンレス合金(SUS304、SUS316)の熱伝導率は7.9W/(m・K)であり、超電導線材11の熱伝導率よりも小さい。
収容部14Aにはリード本体が収容され、所定の電極間距離となるように位置決めされる。具体的には、第1の金属電極12は、被収容部122が第1の規制部である膨出部142aと第2の規制部である凸部141aとの間に挟装されるように配置される。被収容部122の外側端面122bが補強部材14の側壁142の膨出部142aに係合し、被収容部122の内側端面122cが補強部材14の底壁141の凸部141aに係合することになる。第1の金属電極12の配置位置が、膨出部142aと凸部141aとで規定されているので、補強部材14の外側挿通孔142b、142bと第1の金属電極12の内側挿通孔121aの位置を容易に一致させることができる。
同様に、第2の電極13は、被収容部132が第1の規制部である膨出部142cと第2の規制部である凸部141aとの間に挟装されるように配置される。被収容部132の外側端面132bが補強部材14の側壁142の膨出部142cに係合し、被収容部132の内側端面132cが補強部材14の底壁141の凸部141aに係合することになる。第2の金属電極12の配置位置が、膨出部142cと凸部141aとで規定されているので、補強部材14の外側挿通孔142d、142dと第2の金属電極13の内側挿通孔131aの位置を容易に一致させることができる。
補強部材14の外側挿通孔142bと第1の金属電極12の内側挿通孔121aには、固定ピン15Aが圧入される。また、補強部材14の外側挿通孔142dと第2の金属電極13の内側挿通孔131aには、固定ピン15Bが圧入される。
これにより、前記超電導線材と前記金属電極とを含むリード本体は補強部材14内に位置決めした状態で収容される。補強部材14と第1の金属電極12及び第2の金属電極13とは規制部によって長さ方向に移動不能に係合するので、ボルトを用いて固定する場合と同等の引張強度を容易に実現することができる。
固定ピン15A、15Bは、中空ピンであることが好ましい。これにより、固定ピン15A、15Bを熱伝達経路とする熱侵入を低減することができる。また、固定ピン15A、15Bは、薄板を円筒状に巻いて形成されるスプリングピンであることが好ましい。これにより、固定ピン15A、15Bを熱伝達経路とする熱侵入を低減することができるだけでなく、第1の金属電極12、第2の金属電極13の内側挿通孔121a、131a及び補強部材14の外側挿通孔142b、142dに内圧が作用するので、固定ピン15A、15Bの抜け落ちを効果的に防止することができる。
また、固定ピン15A、15Bは、耐久性に優れるステンレス製であることが好ましい。
さらには、固定ピン15A、15Bは、所定の強度を有する範囲で、できるだけ小径であることが好ましい。これにより、固定ピン15A、15Bを熱伝達経路とする熱侵入を低減することができる。
収容部14Aにリード本体が収容された後、収容部14Aの開口を閉塞するように蓋部14Bが接着される。なお、収容部14A及び蓋部14Bには、部分的に開口が形成されていてもよい。
このように、実施の形態に係る超電導電流リード10は、金属基板111上に中間層112、超電導層113、安定化層114が順に積層されたテープ状の超電導線材11と、超電導線材11の両端部に接合される第1の金属電極12、第2の金属電極13と、超電導線材11、第1の金属電極12、及び第2の金属電極13を含むリード本体を位置決めした状態で収容する補強部材14と、を備え、第1の金属電極12及び第2の金属電極13と補強部材14が固定ピン15A、15Bにより固定される。
具体的には、補強部材14は長さ方向に直交するY方向において軸線を挟んで対向する位置に貫通して形成される外側挿通孔142b、142dを有し、第1の金属電極12は外側挿通孔142bに対応する位置に貫通して形成される内側挿通孔121aを有し、第2の金属電極13は外側挿通孔142dに対応する位置に貫通して形成される内側挿通孔131aを有する。固定ピン15Aが外側挿通孔142b及び内側挿通孔121aに挿通され、固定ピン15Bが外側挿通孔142d及び内側挿通孔131aに挿通されることにより、第1の金属電極12及び第2の金属電極13と補強部材14が固定される。
超電導電流リード10によれば、固定ピン15A、15Bを用いて補強部材14と第1の金属電極12及び第2の金属電極13とを固定するので、第1の金属電極12及び第2の金属電極13として従来の超電導電流リードに比較して小さな金属電極を適用できる。したがって、低温部への熱侵入を格段に抑制することができるので、超電導電流リード10は超電導応用機器用の電流リードとして好適である。
また、ボルトや接着剤を用いて補強部材14と第1の金属電極12及び第2の金属電極13とを固定する場合に比較して、小型化を図ることができる。さらに、補強部材14と第1の金属電極12及び第2の金属電極13とを、固定ピン14A、15Bを圧入するという極めて簡単な作業により固定することができる。
[実施例]
実施例では、YBCOからなる超電導層を有する1本(4枚積層×1束)の超電導線材を用意し、この両端部に、表面に錫めっき処理が施された無酸素銅製の金属電極(第1の金属電極、第2の金属電極)を接合し、さらにGFRP製の補強部材に収容して、実施の形態で説明した超電導電流リードを作製した。金属電極には、所定の引張強度が得られ、かつ、定格電流を通電できる断面積を持つ範囲でできるだけ小さいものを用いた。超電導電流リードにおける超電導線材の線材長(電極間距離)は100mm、線材幅は5mmとした。
[比較例1]
比較例1では、固定ピンではなく、ボルトを用いて補強部材と金属電極を固定した。ボルトを用いて固定するため、金属電極には、実施例で用いた金属電極よりも大きいものを用いた。超電導電流リードのサイズ及び金属電極の固定方法以外は、実施例と同様である。
[比較例2]
比較例2では、固定ピンではなく、エポキシ樹脂製の接着剤を用いて補強部材と金属電極を固定した。金属電極には、比較例1で用いた金属電極と同じものを用い、金属電極の被収容部の全域を接着面とした。超電導電流リードのサイズ及び金属電極の固定方法以外は、実施例と同様である。
実施例及び比較例1、2に係る超電導電流リードについて、極低温環境下における臨界電流特性を評価した。具体的には、超電導電流リードの金属電極に熱伝導板を取り付け、伝導冷却により超電導電流リード全体が77Kとなるように冷却し、熱侵入量及び臨界電流値Icを測定した(自己磁場)。評価結果を表1に示す。
Figure 2015185423
表1に示すように、実施例では、比較例1、2に比べて熱侵入量が格段に低減された。また、実施例に係る超電導電流リードは、ボルトを用いて補強部材と金属電極とを固定した比較例1と同等の引張強度を有していた。一方、接着剤を用いて補強部材と金属電極とを固定した比較例2は、熱侵入量は比較例1と同等であったが、引張強度は比較例1よりも低かった。比較例2において実施例及び比較例1と同等の引張強度が得られるようにするには、接着面積をより大きくする、すなわち金属電極をより大きくする必要があり、その場合、熱侵入量はさらに大きくなるといえる。これより、固定ピンを用いて補強部材と金属電極を固定するという本発明の有効性が確認された。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、実施の形態では、補強部材14に第1の金属電極12及び第2の金属電極13が長さ方向に移動するのを規制する規制部を設けているが、必ずしも規制部を設けなくてもよい。すなわち、固定ピン15A、15Bにより補強部材14と第1の金属電極12及び第2の金属電極13とを固定するだけで、本発明の効果は得られる。ただし、規制部によって超電導電流リード10の引張強度を向上できるとともに、補強部材14に対して第1の金属電極12及び第2の金属電極13を容易に位置決めすることができるので、規制部を設けるのが好ましい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 超電導磁石装置
10 超電導電流リード
11 超電導線材
111 金属基板
112 中間層
113 超電導層
114 安定化層
12 第1の金属電極
121 引出部
122 被収容部
13 第2の金属電極
131 引出部
132 被収容部
14 補強部材
14A 収容部
141 底壁
141a 凸部(第2の規制部)
142 側壁
142a、142c 膨出部(第1の規制部)
142b、142d 外側挿通孔
14B 蓋部
15A、15B 固定ピン
20 超電導コイル
30 電源
40 低温容器

Claims (7)

  1. 金属基板上に中間層、超電導層、安定化層が順に積層されたテープ状の超電導線材と、
    前記超電導線材の両端部に接合される金属電極と、
    前記超電導線材と前記金属電極とを含むリード本体を収容する補強部材と、を備え、
    前記金属電極と前記補強部材がピンにより固定されることを特徴とする超電導電流リード。
  2. 前記補強部材は、長手方向に直交する方向において軸線を挟んで対向する位置に貫通して形成される外側挿通孔を有し、
    前記金属電極は、前記外側挿通孔に対する位置に貫通して形成される内側挿通孔を有し、
    前記ピンが前記外側挿通孔及び前記内側挿通孔に挿通されることにより、前記金属電極と前記補強部材が固定されることを特徴とする請求項1に記載の超電導電流リード。
  3. 前記ピンは、中空ピンであることを特徴とする請求項1又は2に記載の超電導電流リード。
  4. 前記ピンは、薄板を円筒状に巻いて形成されるスプリングピンであることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の超電導電流リード。
  5. 前記補強部材は、前記金属電極が長手方向外側に移動するのを規制する第1の規制部と、前記金属電極が長手方向中央側に移動するのを規制する第2の規制部と、を有し、
    前記金属電極は、前記第1の規制部と前記第2の規制部の間に挟装されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の超電導電流リード。
  6. 前記補強部材は、前記超電導線材よりも熱伝導性の低い材料で構成されることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の超電導電流リード。
  7. 前記補強部材は、繊維強化プラスチックで構成されることを特徴とする請求項6に記載の超電導電流リード。
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