JP5789696B1 - 超電導電流リード及び超電導電流リードの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】超電導線材と金属電極を好適に接続することにより、大電流を流すことができる信頼性の高い超電導電流リードを提供する。【解決手段】超電導電流リード10は、金属基板111上に中間層112、超電導層113、安定化層114が順に積層されたテープ状の超電導線材11と、超電導線材11の両端部に接合される第1及び第2の電極12−1、12−2と、超電導線材11と第1、第2の電極12−1、12−2とを含むリード本体を、所定の電極間距離となるように位置決めした状態で収容する補強部材14と、を備える。複数の超電導線材11は、両端部で一体的に導通可能に接続されたユニット端子101−1、101−2を介して、電極12−1、12−2に電気的に接続されている。【選択図】図8

Description

本発明は、超電導を応用した低温機器、例えば、超電導マグネットに電源からの電流を供給するために酸化物超電導線材を用いた超電導電流リードに関し、特に、超電導線材及び金属電極が補強部材に収容されて構成される超電導電流リード及びこの製造方法に関する。
近年、超電導ケーブルや超電導マグネット等、超電導を利用した超電導応用機器について、実用化に向けてさかんに研究、開発が行われている。一般に、超電導応用機器は、低温部(低温容器)に設置され、常温部に設置された外部機器(例えば電源)と、電流リードを介して接続される。
超電導応用機器の運転は、極低温環境下で行われるため、低温部の断熱性が極めて重要となる。低温部の断熱性が悪く、低温部への熱侵入が大きいと、超電導応用機器の冷却効率が低下して超電導状態を維持するための冷却コストが増大することとなり、場合によっては超電導応用機器を運転できなくなってしまうためである。この低温部への熱侵入の経路としては、低温容器を伝熱する経路、電流リードを伝熱する経路が考えられる。
低温容器を介した熱侵入を防止するための手法としては、液体窒素等の冷媒及び超電導応用機器を収容する冷媒槽と、冷媒槽の外側に設けられる真空槽とを有する二重構造の低温容器が知られている。この低温容器によれば、真空断熱により低温部への熱侵入が低減される。
電流リードを介した熱侵入を防止するための手法としては、酸化物超電導体を用いた超電導電流リードが提案されている。酸化物超電導体は、液体窒素温度以下では電気抵抗がゼロ、かつ熱伝導率が小さい(銅の数10分の1)。そのため、超電導電流リードにおいては、通電時にジュール熱の発生はなく、低温部への伝熱量も極めて小さくなる。したがって、超電導電流リードによれば、低温部への熱侵入が低減される。
一般に、超電導電流リードは、テープ状の超電導線材、超電導線材の一端部(高温側)に配置される第1の金属電極、及び超電導線材の他端部(低温側)に配置される第2の金属電極を備える。超電導線材と第1の金属電極及び第2の金属電極は、例えば半田付けにより接合される。この構成において、電流容量を増加する際には、例えば、特許文献1に示すように、超電導線材の本数を増加するとともに第1の金属電極及び第2の金属電極も大きくして、複数の超電導線材の両端部のそれぞれと金属電極とを半田で接続することにより対応している。
特開2011−211110号公報
しかしながら、上述したような超電導線材を増加することにより電流容量を大きくする超電導電流リードの構成では、超電導線材と第1の金属電極及び第2の金属電極との半田接続箇所が増加するため、互いの接続抵抗の均一化は困難である。各接続箇所の接続抵抗に均一性がなく、ばらつきが生じている場合、通電時に偏流が生じ、超電導線材の本数に対応する十分な大電流を流すことが困難となる。
本発明の目的は、超電導線材と金属電極を好適に接続することにより、大電流を流すことができる信頼性の高い超電導電流リードを提供することである。
本発明の超電導電流リードの一つの態様は、
金属基板上に中間層、超電導層、安定化層が順に積層されたテープ状の超電導線材を複数備え、並列した前記複数の超電導線材の一方の端部同士と、他方の端部同士とに、それぞれ導電性を有する端子部材通電可能に一体的に接続され、かつ、前記一方の端部同士と前記他方の端部同士は前記端子部材でそれぞれ挟持されている線材ユニットと、
前記線材ユニットの両端部の端子部材にそれぞれ接続される金属電極と、
前記金属電極を、所定の電極間距離となるように収容する補強部材と、
を備え、
前記複数の超電導線材は、前記端子部材を介して前記金属電極に電気的に接続されている、
構成を採る。
本発明の超電導電流リードの製造方法の一つの態様は、
金属基板上に中間層、超電導層、安定化層が順に積層されたテープ状の超電導線材を複数用いて、これら複数の前記超電導線材を並列にして、前記複数の超電導線材の一方の端部同士と、他方の端部同士とに、それぞれ導電性を有する端子部材で挟持して通電可能に一体的に接続して線材ユニットを作成するユニット製作工程と、
前記線材ユニットの両端部の端子部材にそれぞれ金属電極を接続する電極接続工程と、
前記金属電極を、所定の電極間距離となるように補強部材に収容する収容工程とを有し、
前記ユニット製作工程では、前記端子部材で、前記複数の超電導線材の一方の端部及び他方の端部のそれぞれを挟持した状態で、前記端子部材と前記超電導線材を半田で一体的に接続する、
ようにした。
本発明によれば、超電導線材と金属電極を好適に接続することにより、大電流を流すことができる信頼性の高い超電導電流リードを提供できる。
本発明の一実施の形態に係る超電導電流リードを用いた超電導磁石装置を示す図 本発明の一実施の形態に係る超電導電流リードにおける超電導線材の構成を模式的に示す図 本発明の一実施の形態の超電導電流リードの斜視図 線材ユニットの要部構成を示す斜視図 本発明の一実施の形態の超電導電流リードを示す図であり、図5Aは超電導電流リードの平面図、図5Bは、同超電導電流リードの側面図 図5におけるII−II線矢視断面図 図5におけるIII−III線矢視断面図 図5におけるIV−IV線矢視断面図 比較例としての従来の電極と超電導線材との接続を示す要部断面図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る超電導電流リード10を用いた超電導磁石装置1を示す図である。図2は、本発明の一実施の形態に係る超電導電流リード10における超電導線材11の構成を模式的に示す図である。図3は、本発明の一実施の形態の超電導電流リード10の斜視図である。
図1に示す超電導磁石装置1は、超電導電流リード10、常電導電流リード35、超電導コイル20、電源30、及び低温容器40等を備える。
低温容器40は、内側の容器41と外側の真空槽42とからなる二重構造を有する。容器41は冷凍機(図示略)に接続される。真空槽42は真空ポンプ(図示略)に接続され、内部を真空状態に保持される。
超電導コイル20は、超電導線材を巻線したコイルである。超電導コイル20は、低温部となる容器41内に配置される。超電導コイル20は、超電導電流リード10と接続するためのコイル電極21を有する。
電源30は、低温容器40外である常温部に配置される。電源30は、常電導電流リード35及び超電導電流リード10を介して、超電導コイル20に電流を供給する。常電導電流リード35は、例えば銅線である。
超電導電流リード10は、図1に示すように複数のテープ状の超電導線材11を有する線材ユニット100、第1の電極12−1、第2の電極12−2、及び補強部材14を有する。超電導電流リード10における線材ユニット100は、図3に示すように外観上、補強部材14により覆われている。超電導電流リード10は、容器41内に配置される。
線材ユニット100は、並列に一様に並べた複数の超電導線材11と、これら複数の超電導線材11の端部同士をそれぞれ通電可能に接続した導電性を有するユニット端子(端子部材)101−1、101−2(図4参照)とを含む。すなわち、線材ユニット100は、並列した複数の超電導線材11の一方の端部同士と、他方の端部同士とに、それぞれユニット端子101−1、101−2を通電可能に一体的に接続して構成されている。
線材ユニット100は、複数の超電導線材11を一体のユニットとして構成する。つまり、線材ユニット100を、第1の電極12−1、第2の電極12−2のそれぞれに接続すると、各超電導線材11はそれぞれ第1の電極12−1、第2の電極12−2に接続される。具体的には、並列の複数の超電導線材11の高温側となる一端部のそれぞれが、第1の電極12−1に電気的に接続され、低温側となる他端部のそれぞれが、第2の電極12−2に電気的に接続される。
線材ユニット100は、第1の電極12−1で、所定位置に配置された常電導電流リード35に接続された導体引出部(図示略)に接続され、第2の電極12−2で、所定位置に配置された超電導コイル20のコイル電極21に接続されている。
線材ユニット100は、複数の超電導線材11として、10本の超電導線材11を備える。なお、本実施の形態の超電導電流リード10では、10本の超電導線材11を有する線材ユニット100を2つ用いて、それぞれの端部を一様に、第1の電極12−1、第2の電極12−2のそれぞれに接続しているが、これに限らない。一つの線材ユニット100(超電導線材11を10本)を用いた構成としてもよいし、3つ以上の線材ユニットを備えた構成にしてもよい。
超電導線材11は、図2に示すように、超電導層113を有するテープ状の線材である。超電導線材11は、例えばテープ状の金属基板111上に、中間層112、超電導層113、安定化層114が順に形成された積層構造を有しており、可撓性を有する。
金属基板111は、例えば、Ni−Cr系(具体的には、Ni−Cr−Fe−Mo系のハステロイ(登録商標)B、C、X等)、W−Mo系、Fe−Cr系(例えば、オーステナイト系ステンレス)、又は、Fe−Ni系(例えば、非磁性の組成系のもの)等の材料に代表される低磁性の結晶粒無配向・耐熱高強度金属基板である。
中間層112は、例えば金属基板111からの元素の拡散が超電導層113に及ぶのを防止するための第1の中間層(拡散防止層)と、超電導層113の結晶を一定の方向に配向させるための第2の中間層(配向層)など、複数の中間層を有する。第1の中間層は、例えばガリウムドープ酸化亜鉛層(GZO)又はイットリウム安定化ジルコニア層(YSZ)で構成される。第1の中間層の成膜には、例えばイオンビームアシスト蒸着法(IBAD:Ion Beam Assisted Deposition)を適用できる。第2の中間層は、例えば酸化セリウム層(CeO)で構成される。第2の中間層の成膜には、例えばRFスパッタ法を適用できる。また、2層以上の構造を有する中間層112として、第1の中間層としてのGZO層と、CeO層との間に、IBAD法によりなるMgO層、スパッタリング法によりなるLaMnO層を順に積層したものとしてもよい。
超電導層113は、例えばREBaCu系超電導体(REは、Y、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びYbから選択される1又は2種以上の希土類元素であり、y≦2及びz=6.2〜7)等の酸化物超電導体で構成される。RE系超電導体としては、YBaCuで表されるイットリウム系超電導体が代表的である。超電導層113の成膜には、有機金属体積法(MOD:Metal-organic deposition)、パルスレーザー蒸着法(PLD:Pulsed Laser Deposition)、スパッタ法、又は有機金属気相成長法(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)を適用できる。
超電導層113には、Zr、Sn、Ce、Ti、Hf、Nbのうち少なくとも1つを含む50[nm]以下の酸化物粒子が磁束ピンニング点として分散していることが好ましい。この場合、超電導層113の成膜法としては、三フッ化酢酸塩(TFA)を用いたTFA−MOD法が好適である。例えば、TFAを含むBa溶液中に、Baと親和性の高いZr含有ナフテン酸塩等を混合することにより、RE系超電導体からなる超電導層113に、Zrを含む酸化物粒子(BaZrO)を磁束ピンニング点として分散させることができる。なお、超電導層113中に磁束ピンニング点を分散する手法は、公知の技術を適用することができる(例えば特開2012−059468号公報)。
超電導層113中に磁束ピンニング点を分散させることにより、超電導線材11が湾曲した状態で用いられても、磁場の影響を受けにくく、安定した超電導特性が発揮される。
安定化層114は、主に水分等から超電導層113を保護するとともに、超電導状態が部分的に破れて抵抗が発生(常電導転移)した場合に電流を迂回させるための層である。安定化層114は、電気抵抗率が低く、熱伝導率の高い材料で構成されるのが好ましく、例えばAg又はCuで構成される。安定化層114の成膜には、例えばスパッタ法を適用できる。
超電導線材11において、超電導層113側(安定化層114側)の面を第1面11aと称し、金属基板111側の面を第2面11bと称する。
図4は、線材ユニット100の要部構成を示す斜視図である。
図4に示すように、線材ユニット100において、複数の超電導線材11は、超電導線材11の第2面11b同士を貼り合わせて、2枚一組の超電導線材11の組(線材対)を構成している。これら超電導線材11の線材対では、上下面、つまり線材の組の表裏面にそれぞれ超電導層13側の面である第1面11aが配設されている。
線材ユニット100は、2つの超電導線材11を、基板側の面、つまり、第2面11b同士を貼り合わせて線材対を形成し、これら線材対を5つ並列に一様に並べられている。そして、これら線材対の各対の端部同士、つまり、同じ向きの端子同士が、ユニット端子101−1、101−2により通電可能な状態で一体的に接続されている。
ユニット端子101−1、101−2は、ここでは、それぞれ、超電導線材11の端部どうしをそれぞれ挟み込む一対の金属平板(金属板)、つまり、2枚の挟持板103、104により構成されている。挟持板103、104は、導電性を有している。挟持板103、104は、各超電導線材11の高温側となる一端部のそれぞれを、ユニット端子101−1として挟持し、且つ、半田接合で一体化する。また、挟持板103、104は、各超電導線材11の低温側となる他端部のそれぞれを、ユニット端子101−2として挟持し、且つ、半田接合で一体化している。このように構成された線材ユニット100の高温側となる一端部が、第1の電極12−1に接続され、線材ユニット100の低温側となる他端部が、第2の電極12−2に接続されている(図7参照)。
図5は、本発明の一実施の形態の超電導電流リード10を示す図であり、図5Aは超電導電流リード10の平面図、図5Bは、同超電導電流リード10の側面図である。図6は、図5におけるII−II線矢視断面図であり、図7は、図5におけるIII−III線矢視で示す部分の全体の断面図である。図8は、図5におけるIV−IV線矢視断面図である。
第1の電極12−1(高温側電極)及び第2の電極12−2(低温側電極)は、銅又は銅合金等の金属材料で構成される。第1の電極12−1は、容器41の底面近傍に配置され、導体引出部(図示略)を介して常電導電流リード35に接続される。第1の電極12−1の近傍の温度は、例えば77Kである。第2の電極12−2は、超電導コイル20の近傍に配置され、超電導コイル20のコイル電極21に接続される。第2の電極12−2の近傍の温度は、例えば4.2Kである。
図6及び図8に示すように、第1の電極12−1及び第2の電極12−2は、それぞれ接続する超電導線材11の延在方向(超電導電流リードの長手方向でもある)における一方の端面(電極同士の互いに対向する端面)に超電導線材11が取り付けられている。
なお、第1の電極12−1と第2の電極12−2は、本実施の形態では同形状に構成され、超電導線材11の両端部のそれぞれに、同様の状態で接合されている。これにより、第1の電極12−1と第2の電極12−2の構成を電極12とも称して、超電導線材11との接続構造とともに説明する。
電極12(第1、第2の電極12−1、12−2)は、長さ方向(X方向)における一方の端面に、線材ユニット100を固定するための固定溝(切欠部)12aを有する。固定溝12aの幅方向(Y方向)両端は、開放されていてもよいし、閉塞されていてもよい。開放されている場合は、固定溝12aは電極12にスリット状に形成される。固定溝12aの高さ(Z方向)は、線材ユニット100の端部(つまり、超電導線材11と超電導線材11に接合されたユニット端子101)の厚みよりも若干大きく設定される。ここでは、固定溝12aの高さ(Z方向)は、固定溝12a内に、2つの線材ユニット100の端部が挿入されるため、線材ユニット100の端部×2つ分の厚みよりも若干大きく設定されている。固定溝12aの深さ(X方向)は、線材ユニット100と強固に接合し、接続抵抗が充分小さく、かつ支持できる程度であればよい。
固定溝12aには、線材ユニット100の一方の端部が固定溝12aの底部に突き当たるまで挿入される。線材ユニット100と固定溝12aの隙間には、半田が充填されている。これにより、線材ユニット100、100と、第1の電極12−1及び第2の電極12−2は、半田付けにより接合され、電気的に接続されている。
このように、超電導電流リード10においては、固定溝12aに線材ユニット100が挿入されて接合されている。これにより、複数の超電導線材11を有する超電導電流リード10の構成であっても、固定溝12aに線材ユニット100を挿入して接合するだけで、電極12に複数の超電導線材11を一度に一様に接合できる。これにより、従来と異なり、超電導線材11のそれぞれと電極12との接続を個々に行うことがないため、それぞれの接続部分の接続抵抗にばらつきが生じることなく、均一の接続抵抗で接続できる。よって、大容量の通電が可能な超電導電流リード10を容易に製造できるとともに、超電導電流リード10の小型化を図ることができる。
補強部材14は、超電導線材11を覆う筒状体であり、線材ユニット100の両端部に接合された第1及び第2の電極12−1、12−2を、電極12−1、12−2間を所定距離空けた状態で収容し、支持する。補強部材14は、線材ユニット100を覆うように、電極12(12−1、12−2)間に架設されている。
ここでは、補強部材14は、線材ユニット100を収容した際に、超電導線材11が、第1の電極12−1と第2の電極12−2との電極間において撓みを有する(図8参照)。補強部材14は、その両端部内に配置される第1の電極12−1、第2の電極12−2に対して、外面側から固定ピン15を圧入することによって、第1の電極12−1、第2の電極12−2を固定している。
補強部材14は、低熱伝導性の材料(例えば繊維強化プラスチック(GFRP:Glass Fiber Reinforced Plastics)、ステンレス合金、ニッケル基合金、チタン合金等)で構成される。
補強部材14は、超電導線材11よりも熱伝導率が低いことが望ましい。これにより、外部からの熱侵入量を低減することができる。熱侵入量を低減する観点からは、GFRPが好適である。77KにおけるGFRPの熱伝導率は0.39W/(m・K)であり、超電導線材11の熱伝導率よりも著しく小さい。また、77KにおけるGFRPの熱収縮率は0.213%であり、超電導線材11の熱収縮率よりも大きい。
一方、超電導線材11が破損したときに超電導磁石装置1を保護する観点からは、バイパスとして機能するステンレス合金、ニッケル基合金、チタン合金等が好適である。77Kにおけるステンレス合金(SUS304、SUS316)の熱伝導率は7.9W/(m・K)であり、超電導線材11の熱伝導率よりも小さい。また、77Kにおけるステンレス合金(SUS304)の熱収縮率は0.281であり、超電導線材11の熱収縮率よりも大きい。
次に、本実施の形態の超電導電流リード10の製造方法について説明する。
先ず、超電導線材11の基板側の第2面11b同士を貼り合わせる等して重ね合わせた一対の超電導線材11である線材対を、複数(ここでは5つの対)並列に並べて、超電導線材11の高温側である一方側の端部と、ユニット端子101−1とを半田で接続する。同様に、超電導線材11の低温側である他方側の端部と、ユニット端子101−2とを半田で接続する。これら超電導線材11の端部とユニット端子101との半田接続(第1半田接続部)は、線材ユニット100(具体的にはユニット端子101)と電極12の接続(第2半田接続部)で用いられる半田よりも高い融点(例えば、融点の差50[℃]以上)の半田で実行される。例えば、超電導線材11とユニット端子101とを接続する第1半田接続部における半田の融点は、約190[℃]、電極12とユニット端子101とを接続する第2半田接続部における半田の融点は、約140[℃]であることが好ましい。
また、超電導線材11の両端部のそれぞれに接合されるユニット端子101は、ここでは、複数の超電導線材11の端部をそれぞれ挟持する2枚の挟持板で構成されている。よって、複数の超電導線材11の両端部のそれぞれを、ユニット端子101−2、ここでは2枚の挟持板103、104で挟み込み押圧しつつ、双方の接続部分(第1半田接続部に相当)を融点約190[℃]の半田で接続できる。これにより、一層、複数の超電導線材11と第1及び第2の電極12−1、12−2は、互いを強固に均一に電気的に接合される。このとき、超電導線材11の対は、上下面(表裏面)のそれぞれで電極12の内面に半田を介して接続される。なお、ユニット端子101−1、101−2(具体的には、2枚の金属平板である挟持板)で、複数の超電導線材11を挟み込み押圧しつつ互いを半田で接続する場合、双方の接続部分を半田の融点温度まで加熱した後で、ユニット端子101−1、101−2(具体的には、2枚の挟持板)で超電導線材11を押圧する。
なお、この押圧については、例えば、超電導線材11から構成される線材対を間に配置したユニット端子101(具体的には、2枚の金属平板である挟持板)を挟むように、上下に更に、一対の金属板部を配置する。加えて、これら一対の金属板部にボルト(直径4[mm])を架設して、一対の金属板部間が狭くなるように、所定のトルク(0.1[N・m])で管理して締め付ける。すると、ユニット端子101に対し超電導線材11を挟持する方向に圧力がかかり、ユニット端子101は、線材対に押し付けられる。これにより、ユニット端子は、超電導線材11に対して、接続強度が高くなり、且つ、接続抵抗値が下がった状態で接合されることになる。
このように超電導線材11の両端部のそれぞれにユニット端子101を接合して線材ユニット100を構成する。
そして、線材ユニット100の両端部、つまり、超電導線材11を挟持したユニット端子101−1、101−2をそれぞれ電極12−1、12−2の固定溝12a、12aに挿入する。そして、固定溝12a、12aとユニット端子101−1、101−2との接続部分(第2半田接続部に相当)を、融点約140[℃]の低温半田で接続する。これにより、超電導線材11を均一の接続抵抗で接続したユニット端子101と、第1及び第2の電極12−1、12−2とを接続するだけで、線材ユニット100の複数の超電導線材11と電極12とを電気的に効率良く確実に接続できる。すなわち、複数の超電導線材11のそれぞれを電極12に直接接続する構成と比較して、超電導電流リード10では、備える超電導線材11の略本数分に対応する送電容量を得ることができ、設計通りの電流値を確保することを容易に行うことができる。
次いで、線材ユニット100を、補強部材内に収容しつつ、第1及び第2の電極12−1、12−2を、所定間隔を空けて補強部材14に固定ピン15を介して固定する。
これにより、超電導電流リードとして、例え、複数の超電導線材11を備える構成であっても、電極12−1、12−2との接続抵抗を低減して、超電導線材11と電極12を好適に接続できる。よって、大電流を流すことができる信頼性の高い安定して大容量送電が可能な信頼性の高い超電導電流リードを実現できる。
実施例1として、77K,自己磁場中に置ける1本当たりの臨界電流値(Ic)が150[A]以上の超電導線材11を20本用意して、図1〜図8で示す実施の形態における超電導電流リード10を制作した。具体的には、第2面11b(図3参照)どうしを貼り合わせてなる一対の超電導線材11(線材対)を5つ並列で並べ、それぞれの端部に電極12−1、12−2で挟み込みつつ融点約190[℃]の半田で接合して線材ユニット100を形成した。この線材ユニット100を2つ作成して重ね合わせて、5本4段の超電導線材を構成し、それぞれの端部を電極12−1、12−2に挿入して融点約140[℃]の半田により接続した。次いで、線材ユニット100を、補強部材内に収容しつつ、第1及び第2の電極12−1、12−2を、所定間隔を空けて補強部材14に固定ピン15を介して固定し、超電導電流リード10を作製した。そして、超電導電流リード10を液体窒素中(77K)に配置し、超電導線材の送電容量の測定を行い、3000[A]以上のIcが得られることがわかった。
比較例1として、77K,自己磁場中に置ける1本当たりのIcが150[A]以上の超電導線材11を20本用意して、図9に示す電極と超電導線材との接続構造を有する超電導電流リード120を製作した。具体的には、図9に示すように、2面を有する一対の電極120(図9では超電導電流リード120において超電導線材の両端にそれぞれ接続される一対の電極120のうち、一方の電極122のみ図示)を用意し、電極120のそれぞれの面に、超電導線材11を10本ずつ融点約190[℃]の半田で接続し、補強部材内に収容しつつ、第1及び第2の電極121、122を、所定間隔を空けて補強部材14に固定ピン15を介して固定することで、電極120間に20本の超電導線材11が架設された超電導電流リード122を構成した。そして、超電導電流リード122を液体窒素中(77K)に配置し、超電導線材の送電容量の測定を行ったところ、1000[A]未満のIcであった。
この結果、複数の超電導線材11を直接電極に接合するよりも、ユニット端子101に一様に接合して、線材ユニット100を形成し、この線材ユニットを電極12に接合する構成の方が、送電容量が大きく、大容量の超電導電流リードを確保できる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以上、本発明の実施の形態について説明した。なお、以上の説明は本発明の好適な実施の形態の例証であり、本発明の範囲はこれに限定されない。つまり、上記装置の構成や各部分の形状についての説明は一例であり、本発明の範囲においてこれらの例に対する様々な変更や追加が可能であることは明らかである。
本発明に係る超電導電流リード及び超電導電流リードの製造方法は、接続抵抗を低減して安定的に得ることができるとともに、接続強度が高く、安定した超電導特性を有する超電導電流リードを提供するものとして有用である。
1 超電導磁石装置
10 超電導電流リード
11 超電導線材
11a 第1面
11b 第2面
12 電極
12a 固定溝(切り欠き部)
12−1 第1の電極(常温側電極)
12−2 第2の電極(低温側電極)
14 補強部材
15 固定ピン
20 超電導コイル
21 コイル電極
30 電源
35 常電導電流リード
40 低温容器
41 容器
42 真空槽
100 線材ユニット
103、104 挟持板(金属板)
101 ユニット端子(端子部材)
111 金属基板
112 中間層
113 超電導層
114 安定化層

Claims (5)

  1. 金属基板上に中間層、超電導層、安定化層が順に積層されたテープ状の超電導線材を複数備え、並列した前記複数の超電導線材の一方の端部同士と、他方の端部同士とに、それぞれ導電性を有する端子部材通電可能に一体的に接続され、かつ、前記一方の端部同士と前記他方の端部同士は前記端子部材でそれぞれ挟持されている線材ユニットと、
    前記線材ユニットの両端部の端子部材にそれぞれ接続される金属電極と、
    前記金属電極を、所定の電極間距離となるように収容する補強部材と、
    を備え、
    前記複数の超電導線材は、前記端子部材を介して前記金属電極に電気的に接続されている、
    ことを特徴とする超電導電流リード。
  2. 前記端子部材は、前記複数の超電導線材の端部を挟む2枚の金属板で構成されている、
    ことを特徴とする請求項1記載の超電導電流リード。
  3. 前記金属電極は、通電方向と同方向に切り欠かれた切り欠き部を備え、
    前記切り欠き部に、前記線材ユニットの端部を構成する前記端子部材が、電気的に接続された状態で挿入されている、
    ことを特徴とする請求項1または2記載の超電導電流リード。
  4. 前記超電導層がTFA−MOD法により形成され、
    前記超電導層中に、Y、Zr、Sn、Ti、Ceのうち少なくとも1つを含む50nm以下の酸化物粒子が磁束ピンニング点として分散している、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の超電導電流リード。
  5. 金属基板上に中間層、超電導層、安定化層が順に積層されたテープ状の超電導線材を複数用いて、これら複数の前記超電導線材を並列にして、前記複数の超電導線材の一方の端部同士と、他方の端部同士とに、それぞれ導電性を有する端子部材で挟持して通電可能に一体的に接続して線材ユニットを作成するユニット製作工程と、
    前記線材ユニットの両端部の端子部材にそれぞれ金属電極を接続する電極接続工程と、
    前記金属電極を、所定の電極間距離となるように補強部材に収容する収容工程とを有し、
    前記ユニット製作工程では、前記端子部材で、前記複数の超電導線材の一方の端部及び他方の端部のそれぞれを挟持した状態で、前記端子部材と前記超電導線材を半田で一体的に接続する、
    ことを特徴とする超電導電流リードの製造方法。
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