JP2014179526A - 電流リード - Google Patents

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貞憲 岩井
Hiroshi Miyazaki
寛史 宮崎
Taizo Tosaka
泰造 戸坂
Kenji Tazaki
賢司 田崎
Yusuke Ishii
祐介 石井
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Abstract

【課題】超電導体にクエンチが生じても、バイパス導体のジュール発熱を抑制可能な電流リードを提供する。
【解決手段】実施形態によれば、電流リード1において、超電導テープ線材10は、テープ状をなしており、且つ超電導体で構成された超電導層17を有する部材である。バイパス導体22は、超電導テープ線材10の長手方向に並行して延びており、超電導テープ線材10のうち一方の面10aに結合されて超電導層17と電気的に接続されている導体であり、当該超電導層を迂回して電流を流すことが可能なものである。超電導層17のうちクエンチが発生した領域17cのみを迂回してバイパス導体22にバイパス電流が流れる。
【選択図】図4

Description

本発明の実施形態は、超電導機器に電流を供給するために用いられる電流リードに関する。
超電導コイル等の超電導機器は、例えば磁気共鳴画像診断装置(MRI)や、超電導磁気エネルギー貯蔵装置(SMES)、単結晶引き上げ装置などの種々の用途に用いられている。超電導機器は、超電導状態を維持するため、極低温、例えば、120K以下の環境下に配置される。極低温の環境下にある超電導機器には、通常、室温の環境下にある電源装置から電流が供給される。電源装置から超電導機器には、室温の環境下の装置から極低温の環境下の装置に電流を送る導体、いわゆる「電流リード」を介して電流が供給される。
超電導機器の超電導状態を維持するために、電流リードには、室温の環境から超電導機器が配置される極低温の環境への熱の伝達を、極力抑制することが求められている。超電導体は、電気抵抗が極めて低いため、通常の導体に比べて電流が導体(抵抗体)を流れることにより生じるジュール発熱が少なく、加えて熱伝導率が低いという性質もある。このため、超電導体は、上述した電流リードを構成する導体として適しており、超電導体を含んで構成された電流リード(いわゆる超電導電流リード)が提案されている。超電導電流リードは、超電導体ではなく通常の導体で構成された電流リード(いわゆる常電導電流リード)に対して直列に接続して用いられる。
また、超電導電流リードを構成する超電導体としては、例えば、テープ状の金属基板に対し、中間層、RE系酸化物超電導層および保護金属層を積層した多層構造の高温超電導テープ線材が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2011−211110号公報 特開2008−159828号公報
ところで、超電導機器を冷却する冷凍機が停止した場合など、超電導電流リードの温度が上昇すると、これを構成する高温超電導テープ線材等が超電導臨界温度を超えて、いわゆるクエンチ(quench)が生じることがあり、場合によっては、高温超電導テープ線材が断線することがある。上記の特許文献2には、超電導体と並列にバイパス導体を接続し、超電導体にクエンチが発生した場合には、電流をバイパス導体にバイパスさせる技術が提案されている。これにより、クエンチが発生した場合に超電導体を保護することができる。
しかし、電流リードを構成する超電導体にクエンチが生じてバイパス導体に電流が流れる状態になると、当該バイパス導体のジュール発熱により、超電導機器が配置されている極低温の環境への熱の侵入量が急激に増大してしまうという問題がある。したがって、電流リードを構成する超電導体にクエンチが生じても、当該超電導体を保護しつつ、バイパス導体のジュール発熱により、超電導機器が配置されている極低温の環境への熱の伝達を抑制する技術が要望されている。
そこで、本発明の実施形態は、超電導体にクエンチが生じても、バイパス導体のジュール発熱を抑制可能な電流リードを提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明の実施形態は、テープ状をなしており、且つ超電導体で構成された超電導層を有する部材である超電導テープ線材と、当該超電導テープ線材の長手方向に並行して延びており、且つ当該超電導テープ線材のうち一方の面に結合されて前記超電導層と電気的に接続されている導体であり、当該超電導層を迂回して電流を流すことが可能なバイパス導体と、を有することを要旨とする。
本発明の実施形態によれば、超電導層のうちクエンチが発生した領域のみを迂回してバイパス導体にバイパス電流が流れる。クエンチ発生領域において断線等の損傷が生じることを抑制しつつ、バイパス導体のうちバイパス電流が流れる部位を、クエンチ発生領域を迂回する部位のみとすることができ、バイパス導体のジュール発熱を抑制することができる。
実施形態の超電導テープ線材の構成を示す斜視図である。 実施形態の電流リードの構成を示す縦断面図である。 図2のIII−III線による断面図である。 図3のうち金属電極と超電導テープ線材が結合されている部位を拡大した拡大断面図である。 実施形態の電流リードが適用された構成例を示す模式図である。 実施形態の変形例の電流リードの構成を示す縦断面図である。 実施形態の変形例の電流リードの構成を示す縦断面図である。 実施形態のバイパス導体の形状を説明する説明図である。
以下に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態により、本発明が限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
まず、本実施形態の電流リードを構成する超電導テープ線材の構成について図1を用いて説明する。図1は、本実施形態の超電導テープ線材の構成を示す斜視図である。
図1に示すように、超電導テープ線材10は、平らで長い帯状(以下、テープ状と記す)をなしている導体である。超電導テープ線材10は、金属製の基板(以下、テープ基板と記す)11と、超電導体で構成された超電導層17と、テープ基板11と超電導層17との間に設けられた中間層15とを有している。
テープ基板11は、テープ状をなしている金属製の薄膜である。テープ基板11は、例えば、ステンレス鋼、ニッケル合金、銀合金等の金属で構成されている。テープ基板11は、例えば、ニッケル合金の一種であるハステロイ(HASTELLOY(登録商標))等で構成することができる。
超電導層17は、テープ状をなしている薄膜であり、所定の条件下で超電導を示す超電導体で構成されている。超電導層17は、酸素を構成元素として含む酸化物超電導体で構成されており、例えば25K以上の臨界温度を有する超電導体、いわゆる高温超電導体として構成されている。
超電導層17は、例えば、RE123系の組成(RE1B2C3O7等)を有する超電導体で構成されている。なお、「RE1B2C3O7」の「RE」は希土類元素(例えば、ネオジム(Nd)、ガドリニウム(Gd)、ホルミニウム(Ho)、サマリウム(Sm)等)及びイットリウム元素の少なくともいずれかを、「B」はバリウム(Ba)を、「C」は銅(Cu)を、「O」は酸素(O)を意味している。
中間層15は、テープ状をなしている金属製の薄膜である。中間層15は、いわゆる拡散防止層として構成されており、テープ基板11からのニッケルやモリブデン等のカチオン(陽イオン)の拡散が超電導層17に到達しないよう、当該カチオンの通過を制限する物質で構成されている。中間層15は、例えば、酸化セリウム、イットリア安定化ジルコニア(YSZ:yttria-stabilized zirconia)、酸化マグネシウム、酸化イットリウム、酸化イッテルビウム、バリウムジルコニア等で構成されている。
加えて、本実施形態の超電導テープ線材10において、中間層15とテープ基板11の間には、配向層13が配設されている。配向層13は、テープ基板11に中間層15を配向させて形成する目的で設けられる。配向層13は、例えば、酸化マグネシウム(MgO)で構成される。なお、配向層13は、テープ基板11の種類によっては、省略することができる。
また、超電導テープ線材10には、空気中の水分から超電導層17を保護する保護層19が設けられている。保護層19は、超電導テープ線材10のうち超電導層17の外側に、当該超電導層17に隣接して設けられている。保護層19は、銀等の導電性を有する金属で構成されている。超電導層17が空気中の水分に触れて劣化することを防止する。
以上に説明した、テープ基板11、配向層13、中間層15、超電導層17、及び保護層19は、略同一の形状に形成されており、これらが積層されて超電導テープ線材10は構成されている。
本実施形態の電流リードの構成について、図2〜図4を用いて説明する。図2は、本実施形態の電流リードの構成を示す縦断面図である。なお、図2には、超電導テープ線材及び金属電極を通り、且つ超電導テープ線材の厚さ方向に直交する断面を示している。図3は、図2のIII−III線による断面図である。図4は、図3のうち金属電極と超電導テープ線材が結合されている部位を拡大した拡大断面図である。
図2に示すように、本実施形態の電流リード1においては、複数の超電導テープ線材10が、並列して所定の方向に延びている。超電導テープ線材10の両端には、それぞれ金属製の電極(以下、金属電極と記す)3,5が結合されている。金属電極3,5は、銅や銀等の導電性が良好な金属で構成されている。
なお、以下の説明において、超電導テープ線材10が延びている方向を、単に「長手方向」と記し、図において矢印Aで示す。これに対して、超電導テープ線材10の厚さ方向を、単に「厚さ方向」と記し、図において矢印Tで示す。加えて、長手方向及び厚さ方向に直交する方向、すなわち超電導テープ線材10の幅方向を、単に「幅方向」と記し、各図において矢印Wで示す。
また、電流リード1において、超電導テープ線材10及び後述するバイパス導体22を補強するための部材(以下、補強部材と記す)7が設けられている。補強部材7は、一方の金属電極3から他方の金属電極5まで、超電導テープ線材10と重なるように長手方向に延びている。補強部材7は、絶縁体で構成されており、例えば、繊維強化プラスチック(FRP)等の機械的強度が比較的高い部材で構成されている。なお、補強部材7の内部を、樹脂等で含浸(充填)させた部材とすることも好適である。
図3に示すように、本実施形態の電流リード1には、超電導層17のうちクエンチが生じた領域を迂回して電流を流すことが可能な導体(以下、バイパス導体と記す)22が設けられている。バイパス導体22は、導電性金属で構成されており、テープ状をなしている薄膜導体である。パイパス導体22は、超電導テープ線材10と並行して長手方向に延びており、その両端は、それぞれ金属電極3,5に結合されている。
バイパス導体22は、例えば、銅、黄銅、リン脱酸銅、銅ニッケル合金、ニッケル、ニッケル基合金、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金からなる群より選ばれた少なくとも一種の金属で構成されている。つまり、バイパス導体22は、いわゆる常電導金属で構成されている。
バイパス導体22と超電導テープ線材10は、これらと並行して長手方向に延びており、半田(solder)で構成された層(以下、半田層と記す)21を介して結合されている。半田層21は、主に鉛及び錫で構成されており、超電導テープ線材10とバイパス導体22とを結合させる。これにより、超電導テープ線材10の超電導層17とバイパス導体22は、電気的に接続され、パイパス導体22は、超電導層17からの電流を受けることが可能となっている。つまり、バイパス導体22は、半田層21を介して超電導テープ線材10に貼り合わされ、超電導層7に電気的に接続されている。また、バイパス導体22と、金属電極3のうち超電導テープ線材10側の端部3aは、半田層23を介して結合されている。
図4の拡大断面図で示すように、本実施形態の電流リード1において、超電導テープ線材10は、その超電導層17が、保護層19及び半田層21を挟んでバイパス導体22と対向するよう配置されている。すなわち、超電導テープ線材10は、超電導層17を有する側の面10aすなわちテープ基板11側とは反対側の面10aが、バイパス導体22側を向くように配置されている。
このように超電導テープ線材10を配置することにより、超電導層17とバイパス導体22との間の距離が近くなり、且つこれらの間には、導電性を有する保護層19と半田層21のみが配置される。このため、本実施形態の電流リード1は、超電導層17を有する側の面10aが、補強部材7側を向くよう配設された場合に比べて、超電導層17とバイパス導体22との間の電気抵抗が小さくなる。
このように構成された電流リード1は、温度が上昇すると、超電導テープ線材10の超電導層17において、超電導状態から常電導状態への転移現象、いわゆるクエンチが生じる場合がある。例えば、超電導層17のうち、金属電極3側の領域17cにクエンチが生じると、反対側の金属電極5側(図3参照)から超電導層17を流れてきた電流は、図に矢印Cで示すように、クエンチが生じた領域17cを迂回するよう、保護層19及び半田層21を通ってバイパス導体22に流れる。超電導層17からの電流は、バイパス導体22を金属電極3に向けて流れる。このようにして電流リード1は、超電導層17のうちクエンチが生じた領域17cを迂回させて、バイパス導体22に電流を流す。これにより、電流リード1は、金属電極3と金属電極5との間において電流を流すことが可能となっている。
以上のように構成された電流リード1の適用例について、図5を用いて説明する。図なお、図5において、超電導機器を収容する真空容器については、その一部の断面のみを示している。
本適用例において、超電導機器である超電導コイル50は、真空容器60内に収容されている。真空容器60内は、真空状態に保たれて密閉されており、真空容器60から超電導コイル50に対して熱が伝達されることを抑制している。真空容器60には、図示しない外部電源からの電流を、超電導コイル50に導入するための端子(以下、導入端子と記す)70が結合されている。
本実施形態の電流リード1は、導入端子70と超電導コイル50とを接続し、導入端子70からの電流を超電導コイル50に流す。導入端子70と超電導コイル50との間には、本実施形態の電流リード1の他に、電流リード1と導入端子70とを接続する電流リード(以下、高温側電流リードと記す)72と、電流リード1と超電導コイル50とを接続する電流リード(以下、低温側電流リードと記す)75が設けられている。高温側電流リード72及び低温側電流リード75は、超電導体を含んでおらず、通常の導体いわゆる常電導体から構成されている。導入端子70からの電流は、高温側電流リード72、本実施形態の電流リード1、及び低温側電流リード75を通って、超電導コイル50に供給される。
超電導コイル50は、例えば、GM(Gifford-Macmahon)式冷凍機(図示せず)のような極低温まで冷却可能な冷凍機により、運転温度まで冷却される。なお、超電導コイル50が、高温超電導線材が巻かれた高温超電導コイルである場合には、4.2Kを超えるような、より高い温度での運転が可能となるため、単段式のGM冷凍機を用いることが可能となる。
このような適用例において、冷凍機が停止した場合、導入端子70から熱が高温側電流リード72を介して電流リード1に伝達されて、当該電流リード1の温度が上昇する。このとき、電流リード1には、高温側電流リード72側から、低温側電流リード75すなわち超電導コイル50に向かうに従って低温となる温度勾配が形成される。
電流リード1においては、超電導テープ線材10のうち、比較的温度の高い領域でクエンチが生じた場合、当該領域(以下、クエンチ発生領域と記す)を迂回するようにバイパス導体22に電流(以下、バイパス電流と記す)が流れる。一方、超電導テープ線材10のうち比較的温度が低いため超電導層17において超電導状態が維持されている領域においては、当該超電導層17に電流が流れる。
このように本実施形態の電流リード1は、超電導テープ線材10の超電導層17のうちクエンチ発生領域のみを迂回してバイパス導体22にバイパス電流が流れる。クエンチ発生領域には電流が流れないため、当該クエンチ発生領域において断線等の損傷が生じることを抑制される。加えて、超電導層17のうち超電導状態が維持されている領域には、当該領域に電流が流れるため、バイパス導体22のうちバイパス電流が流れる部位を、クエンチ発生領域を迂回する部位のみとすることができ、バイパス導体22のジュール発熱を抑制することができる。これにより、クエンチが生じた場合であっても、電流リード1から超電導機器(超電導コイル50)に侵入する熱量(以下、熱侵入量と記す)を極力抑制することが可能となる。
以上に説明したように、本実施形態の電流リード1は、テープ状をなしており、且つ超電導体で構成された超電導層17を有する部材である超電導テープ線材10と、超電導テープ線材10の長手方向(図に矢印Aで示す)に並行して延びており、当該超電導テープ線材10のうち一方の面10aに結合されて前記超電導層17と電気的に接続されている導体であり、当該超電導層を迂回して電流を流すことが可能なバイパス導体22とを有するものとした。
超電導層17のうちクエンチ発生領域のみを迂回してバイパス導体22にバイパス電流が流れる。クエンチ発生領域において断線等の損傷が生じることを抑制しつつ、バイパス導体22のうちバイパス電流が流れる部位を、クエンチ発生領域を迂回する部位のみとすることができ、バイパス導体22のジュール発熱を抑制することができる。よって、クエンチが生じた場合であっても、電流リード1から超電導機器に伝達される熱侵入量を極力抑制することができる。
なお、本実施形態の電流リード1は、図3に示すように、厚さ方向(図に矢印Tで示す)において、当該超電導テープ線材10とバイパス導体22が半田層21を介して結合され、これらの両端に金属電極3,5が結合されているものとしたが、本発明に係る電流リードの態様は、これに限定されるものではない。例えば、図6に示す変形例のように、電流リード1Bは、超電導テープ線材10、バイパス導体22、金属電極3,5で構成される一つのユニットが、超電導テープ線材10の厚さ方向に複数積層して構成されているものとしても良い。各ユニットの金属電極3,5は、それぞれ半田層25を介して結合されて電気的に接続されている。このように構成された電流リード1Bは、金属電極3と金属電極5との間において、より大容量の電流を流すことが可能となる。
また、本実施形態の電流リード1は、図4に示すように、2つの超電導テープ線材10が、幅方向(図に矢印Wで示す)おいて並行して延びており、金属電極3と金属電極5との間において並列接続されているものとしたが、本発明に係る電流リードの態様は、これに限定されるものではない。例えば、図7に示す変形例のように、電流リード1Cは、幅方向において、より多くの数(この例では4つ)の超電導テープ線材10を幅方向に配列するものとしても良い。この態様の電流リード1Cによっても、金属電極3Cと金属電極5Cとの間において、より大容量の電流を流すことが可能となる。なお、超電導テープ線材10を、より幅が広いものにすることも好適である。
〔バイパス導体の形状の設定手法〕
本実施形態の電流リードを構成するバイパス導体の形状の設定手法について、図5及び図8を用いて説明する。図8は、本実施形態のバイパス導体の形状を説明する説明図である。なお、上述したバイパス導体と略共通の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図5に示すように、極低温の環境下にある超電導機器への熱侵入量は、電流リードに通電することにより生じるジュール発熱と、電流リードを介しての熱伝導によるものの総和となる。例えば、電流リードが比較的細い場合には、ジュール発熱による熱侵入量は大きくなるのに対し、電流リードを介しての熱伝導による超電導機器への熱侵入は小さくなることが知られている。
文献「j.r.Hull:“HIGH−TEMPERATURE SUPERCONDUCTING CURRENT LEADS FOR CRYOGENIC APPARATUS” Cryogenics, Vol.29, No.12, 1989,p.1116」によれば、電流リードの材質、通電電流値I、高温側の端(一例として図5に示す金属電極3)の温度T、低温側の端(一例として図5に示す金属電極5)の温度Tが定まれば、超電導機器(一例として図5に示す超電導コイル50)への熱侵入量が最小となるように、電流リードの断面積S及び長さLを最適化することができる。最適化された電流リードの断面積Sと長さLの比(L/S)opt、およびその時の熱侵入量Qminは、下記の式(1)及び式(2)で表される。
Figure 2014179526
Figure 2014179526
式(1)及び式(2)において、ρは電気抵抗率、λは熱伝導率を示しており、電流リードの材質や残留抵抗比によって異なる。
本実施形態に係るバイパス導体22Bは、図8に示すように、断面積S(=幅w×厚さt)と長さLを、超電導機器(低温部)への熱侵入量が最小となる値の2倍以下となるように調整した構成となっている。ここで、2倍以下としたのは、バイパス導体22Bに電流が流れるのは、電流リード1の超電導テープ線材10にクエンチが生じ、温度が上昇している場合であるためである。この場合、電流リードの高温端の温度と低温端の温度は、一定とはならず、またバイパス導体22Bの材質や残留抵抗比にも依存することから、超電導機器(低温部)への熱侵入量は、上述した式(2)で算出される理想的な最小値に対して、最大で2倍程度の誤差を生じると想定されるためである。
以上の理由から、電流リード1において、バイパス導体22Bは、超電導機器への熱侵入量が最小となる値の2倍以下となるように、断面積S(=幅w×厚さt)と長さLが設定されている。なお、本実施形態のバイパス導体22Bは、熱伝導機器への熱侵入量が最小となるように断面積と長さが設定されている。
このように構成された電流リード1は、クエンチが生じた場合に、バイパス導体22Bを介しての超電導機器への熱侵入量を、最小値の2倍以下とすることができる。クエンチが生じた場合に、超電導機器への急激な熱侵入量の増大を抑制することができる。
〔バイパス導体の熱伝導率の設定手法〕
本実施形態の電流リードを構成するバイパス導体の熱伝導率の設定手法について、図3を参照して説明する。なお、上述したバイパス導体と略共通の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の電流リード1において、バイパス導体22は、超電導テープ線材10の熱伝導率に比べて高いか同等の熱伝導率を有している。すなわち、バイパス導体22の熱伝導率は、超電導テープ線材10の熱伝導率以上の値に設定されている。
このように構成された本実施形態の電流リード1においては、バイパス導体22の熱伝導率が、超電導テープ線材10の熱伝導率よりも高いか同等であるため、電流リード1においてクエンチが生じた場合に、高温側の端の温度と低温側の端の温度との温度差を大きくすることができる。このように構成された電流リード1は、クエンチが生じた場合に、高温側の端の温度と低温側の端の温度の差が大きくなるため、超電導層17において超電導状態を維持している領域が増大し、バイパス導体22のジュール発熱が抑制されるため、超電導機器への熱侵入量が増大することを抑制することができる。
〔バイパス導体の熱収縮率の設定手法〕
本実施形態の電流リードを構成するバイパス導体の熱収縮率の設定手法について、図3を参照して説明する。なお、上述したバイパス導体の略共通の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の電流リード1において、バイパス導体22は、超電導テープ線材10の熱収縮率よりも低いか同等の熱収縮率を有している。すなわち、バイパス導体22の熱収縮率は、超電導テープ線材10の熱収縮率以下の値に設定されている。
超電導テープ線材は、一般的に、厚さが0.1〜0.2mm程度と非常に薄いため比較的座屈しやすく、仮に座屈した場合には、通電特性が劣化してしまうことが知られている。本実施形態の電流リード1において、バイパス導体22の熱収縮率は、超電導テープ線材10の熱収縮率よりも低いか同等であるため、低温環境下にあっても、バイパス導体22が収縮することにより、超電導テープ線材10を座屈させてしまうことがない。このように構成された電流リード1は、バイパス導体22の熱収縮による超電導テープ線材10の座屈を回避できるため、当該超電導テープ線材10の通電特性が劣化しない。このため、電流リード1にクエンチが生じた場合においても、超電導層17において超電導状態を維持する領域が大きくなり、超電導機器への急激な熱侵入量の増大を抑制することができる。
〔他の実施形態〕
上述した実施形態において、超電導テープ線材10は、図1に示すように、テープ基板11、配向層13、中間層15、超電導層17、及び保護層19が積層されて構成されるものとしたが、本発明に係る超電導テープ線材の態様は、これに限定されるものではない。例えば、超電導テープ線材は、配向層13や保護層19が省略された構成としても良い。
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態はその他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形例は、発明の要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明と均等の範囲に含まれる。
1,1B,1C 電流リード
3,3C 金属電極(高温側の端)
5,5C 金属電極(低温側の端)
7 補強部材
10 超電導テープ線材
11 テープ基板
13 配向層
15 中間層
17 超電導層
19 保護層
21 半田層
22,22B バイパス導体
23 半田層
25 半田層
50 超電導コイル(超電導機器)
60 真空容器
70 導入端子
72 高温側電流リード
75 低温側電流リード

Claims (6)

  1. テープ状をなしており、且つ超電導体で構成された超電導層を有する部材である超電導テープ線材と、
    前記超電導テープ線材の長手方向に並行して延びており、且つ当該超電導テープ線材のうち一方の面に結合されて前記超電導層と電気的に接続されている導体であり、当該超電導層を迂回して電流を流すことが可能なバイパス導体と、
    を有することを特徴とする電流リード。
  2. 前記バイパス導体の熱伝導率は、前記超電導テープ線材の熱伝導率以上の値に設定されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の電流リード。
  3. 前記バイパス導体の熱収縮率は、前記超電導テープ線材の熱収縮率以下の値に設定されている
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電流リード。
  4. 前記バイパス導体と前記超電導テープ線材は、
    半田で構成されており、当該超電導テープ線材の長手方向に並行して延びており、且つ当該超電導テープ線材のうち一方の面に結合された半田層を、介して電気的に接続されている
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の電流リード。
  5. 前記超電導テープ線材は、
    テープ状をなしている基板であるテープ基板と、
    当該テープ基板と前記超電導層との間に設けられた中間層と、
    を有するものであり、
    当該テープ基板側とは反対側の面が、前記バイパス導体側を向くように配置されている
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の電流リード。
  6. 前記バイパス導体は、銅、黄銅、リン脱酸銅、銅ニッケル合金、ニッケル、ニッケル基合金、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金からなる群より選ばれた少なくとも一種の金属で構成されている
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の電流リード。
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