JP5882402B2 - 超電導電流リード - Google Patents

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Description

本発明は、酸化物超電導線材を用いた超電導電流リードに関し、特に、超電導線材と、超電導線材と接合する金属電極とを備える超電導電流リードに関する。
近年、超電導ケーブルや超電導マグネット等、超電導を利用した超電導応用機器の分野では、実用化に向けてさかんに研究、開発が行われている。一般に、超電導応用機器は低温部(低温容器)に設置され、常温部に設置された外部機器(例えば電源)と、電流リードを介して接続される。
超電導応用機器の運転は、極低温環境下で行われるため、低温部の断熱性が極めて重要となる。低温部の断熱性が悪く、低温部への熱侵入が大きいと、超電導応用機器の冷却効率が低下して超電導状態を維持するための冷却コストが増大することとなり、場合によっては超電導応用機器を運転できなくなってしまうためである。この低温部への熱侵入の経路の一つとして、電流リードを伝熱する経路が考えられる。
電流リードを介した熱侵入を防止するための手法としては、酸化物超電導体を用いた超電導電流リードが提案されている。酸化物超電導体は、液体窒素温度以下では電気抵抗がゼロ、かつ熱伝導率が小さい(銅の数10分の1)。そのため、超電導電流リードにおいては、通電時にジュール熱の発生はなく、低温部への伝熱量も極めて小さくなる。したがって、超電導電流リードによれば、低温部への熱侵入が低減される。
一般に、超電導電流リードは、テープ状の超電導線材、超電導線材の一端部(高温側)に配置される第1の金属電極、及び超電導線材の他端部(低温側)に配置される第2の金属電極を備える。超電導線材は第1の金属電極及び第2の金属電極に対して、半田付けにより接合されたり、超電導線材の両端部を各金属電極でそれぞれ挟み込むことで固定したりして、各金属電極から突出するように配置される。
例えば、特許文献1では、直線的に配置した超電導線材の両端部に金属電極が接合され、これら金属電極どうしを荷重支持体の両端に取り付けることで、超電導線材は、荷重支持体により支持されている。
特開2013−69664号公報
ところで、上述した超電導電流リードの構成では、超電導線材は、金属電極において、超電導線材が接合された面と直交する一端面からそれぞれ突出して取り付けられている。これより、超電導電流リードを現場に運搬する際に、超電導線材自体が接合面と一端面との接合部分である角部に接触して損傷し、超電導特性(例えば臨界電流値Ic)の低下を招き、大電流を流すことが困難になる可能性がある。
また、超電導応用機器として超電導磁石装置を接続する場合、超電導コイルに電流が流れることによって磁場が発生するため、この磁場によるローレンツ力が超電導電流リードに作用することになる。特に、磁場の向きが、超電導線材の幅方向と一致するように超電導電流リードを配置する等のように、超電導電流リードを高磁場環境下で用いる場合、超電導線材の幅広面(以下「テープ面」)に作用するローレンツ力が大きくなる。そして、超電導線材の両端が金属電極に固定され、かつ、中間部分は固定されていないため、このローレンツ力により超電導線材が撓み、超電導線材の厚さ方向の曲げ歪み(以下「フラットワイズ曲げ歪み」)が生じる。このフラットワイズ曲げ歪みが生ずることに起因して、超電導線材自体は、金属電極端部にて曲がることにより金属電極の上述の角部に接触して損傷し、上述したように大電流を流すことが困難になる可能性がある。
本発明の目的は、例えば、磁場中に配置されたとき等において、超電導線材が変位して超電導線材にフラットワイズ曲げ歪みが生じても、フラットワイズ曲げ歪みに起因する超電導特性の劣化を防止でき、信頼性の高い超電導電流リードを提供することである。
本発明に係る超電導電流リードは、テープ状の超電導線材と、前記超電導線材の一端部が接合する接合面を備える金属電極と、を有し、前記超電導線材は、前記接合面の角部から延出するように配置され、前記角部は、面取り形状をなしている構成を採る。
本発明によれば、例えば、磁場中に配置されたとき等において、超電導線材が変位して、超電導線材にフラットワイズ曲げ歪みが生じ、金属電極に接触しても、超電導線材において接触による損傷、つまり、フラットワイズ曲げ歪みに起因する超電導特性(例えば臨界電流値Ic)の劣化を防止でき、高い信頼性を確保できる。
本発明の一実施の形態に係る超電導電流リードを用いた超電導磁石装置を示す図 同実施の形態に係る超電導電流リードの外観図 超電導線材の一般的な構成を示す図 超電導電流リードをY方向基端側から見た正面図 超電導電流リードをZ方向先端側から見た平面図 図4におけるIV−IV矢視断面図 図5におけるVI−VI矢視断面図 超電導線材と電極との接合部分の説明に供する部分拡大図 超電導線材に形成される撓みを示す図である。 本発明の一実施の形態に係る超電導電流リードの変形例1の要部構成を模式的に示す部分拡大図 本発明の一実施の形態に係る超電導電流リードの変形例2の要部構成を模式的に示す部分拡大図
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る超電導電流リード10を用いた超電導磁石装置1を示す図である。図2は、超電導電流リード10の外観図である。図3は、超電導線材11の一般的な構成を示す図である。図4は、超電導電流リードをY方向基端側から見た正面図である。図5は、超電導電流リードをZ方向先端側から見た平面図である。図6は、図4におけるIV−IV矢視断面図である。図7は、図5におけるVI−VI矢視断面図である。
図1に示すように、超電導磁石装置1は、超電導電流リード10、常電導電流リード15、超電導コイル20、電源30、及び低温容器40等を備える。
低温容器40は、内側の容器41と外側の真空槽42とからなる二重構造を有する。容器41は冷凍機(図示略)に接続される。真空槽42は真空ポンプ(図示略)に接続され、内部を真空状態に保持される。
超電導コイル20は、超電導線材を巻線したコイルである。超電導コイル20は、低温部となる容器41内に配置される。超電導コイル20は、超電導電流リード10と接続するためのコイル電極21を有する。
電源30は、常温部となる低温容器40外に配置される。電源30は、常電導電流リード15及び超電導電流リード10を介して、超電導コイル20に電流を供給する。常電導電流リード15は、例えば銅線である。
超電導電流リード10は、超電導線材11、第1の電極12、第2の電極13、及び補強部材14を有する。超電導電流リード10は、容器41内に配置される。超電導線材11の高温側となる一端部は第1の電極12に接合され、低温側となる他端部は第2の電極13に接合される。これら超電導線材11、第1の電極12及び第2の電極13は、リード本体を構成する。
本実施の形態では、超電導線材11を1本用いた超電導電流リード10について説明するが、本発明は、超電導線材11を複数本有する超電導電流リードに適用することもできる。
超電導線材11は、図3に示すように、超電導層113を有するテープ状の線材である。超電導線材11は、例えばテープ状の金属基板111上に、中間層112、超電導層113、安定化層114が順に形成された積層構造を有する。
金属基板111は、例えば、Ni−Cr系(具体的には、Ni−Cr−Fe−Mo系のハステロイ(登録商標)B、C、X等)、W−Mo系、Fe−Cr系(例えば、オーステナイト系ステンレス)、又は、Fe−Ni系(例えば、非磁性の組成系のもの)等の材料に代表される低磁性の結晶粒無配向・耐熱高強度金属基板である。
中間層112は、例えば金属基板111からの元素の拡散が超電導層113に及ぶのを防止するための第1の中間層(拡散防止層)と、超電導層113の結晶を一定の方向に配向させるための第2の中間層(配向層)など、複数の中間層を有する。第1の中間層は、例えばガリウムドープ酸化亜鉛層(GZO)又はイットリウム安定化ジルコニア層(YSZ)で構成される。第1の中間層の成膜には、例えばイオンビームアシスト蒸着法(IBAD:Ion Beam Assisted Deposition)を適用できる。第2の中間層は、例えば酸化セリウム層(CeO)で構成される。第2の中間層の成膜には、例えばRFスパッタ法を適用できる。また、2層以上の構造を有する中間層112として、第1の中間層としてのGZO層と、CeO層との間に、IBAD法によりなるMgO層、スパッタリング法によりなるLaMnO層を順に積層したものとしてもよい。
超電導層113は、例えばREBaCu系超電導体(REは、Y、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びYbから選択される1又は2種以上の希土類元素であり、y≦2及びz=6.2〜7)等の酸化物超電導体で構成される。RE系超電導体としては、YBaCuで表されるイットリウム系超電導体が代表的である。超電導層113の成膜には、有機金属体積法(MOD:Metal-organic deposition)、パルスレーザー蒸着法(PLD:Pulsed Laser Deposition)、スパッタ法、又は有機金属気相成長法(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)を適用できる。
超電導層113には、Zr、Sn、Ce、Ti、Hf、Nbのうち少なくとも1つを含む50[nm]以下の酸化物粒子が磁束ピンニング点として分散していることが好ましい。この場合、超電導層113の成膜法としては、三フッ化酢酸塩(TFA)を用いたTFA−MOD法が好適である。例えば、TFAを含むBa溶液中に、Baと親和性の高いZr含有ナフテン酸塩等を混合することにより、RE系超電導体からなる超電導層113に、Zrを含む酸化物粒子(BaZrO)を磁束ピンニング点として分散させることができる。なお、超電導層113中に磁束ピンニング点を分散する手法は、公知の技術を適用することができる(例えば特開2012−059468号公報)。
超電導層113中に磁束ピンニング点を分散させることにより、超電導線材11が湾曲した状態で用いられても、磁場の影響を受けにくく、安定した超電導特性が発揮される。
安定化層114は、主に水分等から超電導層113を保護するとともに、超電導状態が部分的に破れて抵抗が発生(常電導転移)した場合に電流を迂回させるための層である。安定化層114は、電気抵抗率が低く、熱伝導率の高い材料で構成されるのが好ましく、例えばAg又はCuで構成される。安定化層114の成膜には、例えばスパッタ法を適用できる。
なお、超電導線材11の熱収縮率は、主として金属基板111に依存する。室温から77Kに冷却した際のハステロイの熱収縮率は、0.204[%]である。また、超電導線材11の熱伝導率は、主として金属基板111及び安定化層114に依存する。77Kにおけるハステロイの熱伝導率は5.164[W/(m・K)]であり、Agの熱伝導率は237.3[W/(m・K)]である。
第1の電極12(高温側電極)及び第2の電極13(低温側電極)は、銅又は銅合金等の金属材料で構成される。例えば、第1の電極12(高温側電極)及び第2の電極13(低温側電極)は、表面に錫めっき処理が施された無酸素銅製の金属電極で構成される。
第1の電極12は、容器41の底面近傍に配置され、導体引出部(図示略)を介して常電導電流リード15に接続される。第1の電極12の近傍の温度は、例えば77[K]である。第2の電極13は、超電導コイル20の近傍に配置され、超電導コイル20のコイル電極21に接続される。第2の電極13の近傍の温度は、例えば4.2[K]である。
第1の電極12及び第2の電極13は、それぞれ長さ方向(X方向)における一方の端面(端面部121、131)に、超電導線材11を固定するための固定溝120、130を有する。固定溝120、130の幅方向(Y方向)両端は、開放されていてもよいし、閉塞されていてもよい。固定溝120、130の高さ(Z方向)は、超電導線材11の厚みよりも若干大きく設定される。固定溝120、130の深さ(X方向)は、超電導線材11と強固に接合し、接続抵抗が充分小さく、かつ支持できる程度であればよい。
第1の電極12の固定溝120には、超電導線材11の一方の端部が固定溝120の底部に突き当たるまで挿入される。第2の電極13の固定溝130には、超電導線材11の他方の端部が固定溝130の底部に突き当たるまで挿入される。超電導線材11と固定溝120、130の隙間には溶融半田が充填される。すなわち、超電導線材11と第1の電極12及び第2の電極13は、半田付けにより接合され、機械的及び電気的に接続される。
図8は、固定溝130の要部構成を示す拡大断面図である。
固定溝130を有する第2の電極13と、第1の電極12とは同様に構成されている。このため、以下では、第2の電極13の構成を主に説明し、第1の電極12における構成は、第2の電極13と同様であることから、図面では第1の電極12における構成要素を示す符号を、第2の電極13において同名称を示す符号に対応して記載して、第1の電極12の構成の詳細な説明を省略する。
固定溝130では、超電導線材11の延在方向に沿って互いに対向する接合面132(132−1、132−2)間に超電導線材11の一方の端部11aが挿入された状態で半田140により導通可能に接続されている。具体的には、接合面132−1、132−2は、固定溝130において互いに対向する内側壁面を構成し、これら接合面132のそれぞれが、超電導線材11の端部11aに、半田140を介して接合されている。接合面132−1、132−2は、電極13の一端面131と交差して連続する(ここでは直交する)とともに接合面132−1、132−2の角部、つまり、固定溝130の開口縁部135を構成する。
このように、超電導線材11は、電極13、12に対して、電極13、12の一端面131、121から張り出すように、一端面131、121と隣り合う固定溝130、120を形成する内側壁面である接合面132、122で電極13、12に電気的に接合されている。
固定溝130(120)において幅方向に延在する開口縁部135(125)は、面取り加工されることにより、面取り形状をなしている。ここでは、固定溝130(120)の角部である開口縁部135(125)はR面の面取り加工が施され、その外面は、R面となっている。なお、開口縁部135(125)の面取り形状は、丸みを帯びた形状(R面形状)など、面取りされていればどのような形状でもよい。後述するように、90度超180度未満の角度の面取り形状、より好ましくは100度以上160度以下の角度の面取り形状である。
この湾曲する開口縁部135(125)のR面を構成する曲げ半径(R)は、外部磁場下に超電導電流リード10が設置された際に、ローレンツ力によって線材が引っ張られ、電極縁部(ここでは、開口縁部135(125)に相当)と接触して曲がる超電導線材11のフラットワイズ曲げ歪みが0.3%を超えないように設定される。超電導線材11は、フラットワイズ曲げ歪みにより、電極13(12)に当接した際(具体的には、開口縁部135、125)に、通電特性が劣化するためである。ここでは、開口縁部125(135)の曲げ半径を20[mm]以上とする。
これにより、外部磁場により、超電導線材が開口縁部135(125)に接触するように、変位しても、開口縁部135(125)によって損傷することがなく、通電時における超電導特性の低下を防ぐことができる。
超電導線材11は、補強部材14内に、所定の電極間距離(第1の電極12と第2の電極13の離間距離)を空けて収容されている。
補強部材14は、中空の直方体部材であり、天面が開口した収容部142及び開口を閉塞する蓋部141を有する。収容部142にリード本体が収容された後、収容部142の開口を閉塞するように蓋部141が接着される。なお、収容部142及び蓋部141には、部分的に開口が形成されていてもよい。
なお、補強部材14がGFRPやステンレス合金等で構成される場合、超電導線材11の熱収縮率は補強部材14の熱収縮率よりも小さい。この場合、熱伝導率の高い超電導線材11の方が冷却の進行が速く、冷却初期の収縮量は補強部材14よりも超電導線材11の方が大きくなる。これにより、超電導線材11の開口縁部135(125)が直交した鋭角形状であれば、超電導線材11が第1の電極12及び第2の電極13のそれぞれに接触して、損傷する恐れがある。
超電導電流リード10によれば、冷却時に超電導線材11と補強部材14に生じる熱収縮量の差に起因して超電導線材11にフラットワイズ曲げ歪みが生じることにより、超電導線材11が変位しても、超電導線材11と第1の電極12及び第2の電極13との接触により、超電導線材11自体が損傷することがない。よって、好適な超電導特性を確保して、超電導電流リードとして高い信頼性を実現できる。
また、本実施の形態では、リード本体が補強部材14に収容されたときに、超電導線材11が第1の電極12と第2の電極13との電極間において撓みを有する場合がある。超電導線材11に形成される撓みを図9に示す。
図9に示す超電導線材11の露出長は、超電導線材11の全長から固定溝120、130の深さ(X方向の長さ)を除いた長さである。このリード本体を補強部材14に収容したときの電極間距離が超電導線材11の露出長よりも短ければ、図9に示すように、超電導線材11に撓み量で示す撓みが形成される。
このように金属電極12、13間において超電導線材11が撓みを有する場合でも、固定溝120(130)の開口縁部(接合面132、122の角部)135(125)が、面取り形状である(ここでは、R面形状であり、丸みを帯びている)ため、超電導線材11が撓むことで開口縁部135(125)に接触しても損傷することはない。よって、好適な超電導特性を得ることでき、超電導電流リードとしての高い信頼性を確保できる。
なお、超電導電流リード10において、第1の電極12及び第2の電極13のうちの少なくとも一つの固定溝部の開口縁部が、90度超180度未満の角度の面取り形状をなす構成としてもよい。これは、開口縁部に面取り加工を施こすなどして形成できる。この一例を図10に変形例1として示す。
図10は、本発明の一実施の形態に係る超電導電流リードの変形例1の要部構成を模式的に示す部分拡大図である。
図10に示す超電導電流リード10Aは、超電導電流リード10構成と比較して、超電導電流リード10における開口縁部125、135の形状のみ異なり、その他の構成要素は同様である。よって、同一の構成要素には同一の名称とそれに対応する符号を付し、その説明を省略する。
図10に示す超電導電流リード10Aは、テープ状の超電導線材11と、超電導線材11の両端部がそれぞれ接合する接合面132A、122Aを備える金属製の電極12A、13Aとを有する。超電導電流リード10Aでは、超電導線材11は、接合面132A(132A−1、132A−2)の角部である開口縁部135A(125A)から延出するように配置されている。加えて、開口縁部135A(125A)は、90度超180度未満の角度の面取り形状をなしている。例えば、開口縁部となる角を、直角二等辺三角形等のように辺の長さが所定の長さの直角三角形で切り取ることで形成する。この構成によれば、開口縁部135(125)を有する超電導電流リード10と同様の作用効果を得ることができる。
また、超電導線材11と電極12、13との接合構造としては、例えば、図11に示す超電導電流リード10Bのように、超電導線材11の一端部11aを電極12Bの外面である接合面128に半田付けした構造でもよい。なお、図11は、本発明の一実施の形態に係る超電導電流リードの変形例2の要部構成を模式的に示す部分拡大図である。この図11では、超電導電流リード10Bにおいて超電導線材11の両端に接続される電極のうち、一方の電極12Bと超電導線材11との接続部分を模式的に示している。
図11に示すように、電極12Bでは、超電導線材11の一端部11aが半田140Bで接合された外面としての接合面128の角部129は、面取り形状(ここではR面形状)に形成されている。これにより、電極12Bの外面から延出する超電導線材11は、湾曲形状の角部129の上を通過するように配置される。なお、超電導線材11の他端部が接合される他の電極の角部(縁部)の外面も、同様に面取り形状をなすように、超電導電流リード10Bは構成される。これにより、冷却時に超電導線材11が熱収縮して超電導線材11自体が変位して電極の角部129に接触しても、損傷することがない。すなわち、超電導線材において接触による損傷、つまり、フラットワイズ曲げ歪みに起因する臨界電流値Ic等の超電導特性の劣化を防止でき、高い信頼性を確保できる。
[実施例1]
実施例1では、TFA−MOD法により形成したYBCOからなる超電導層を有する1本の超電導線材を用意し、この両端部に、溝端部に面取りを施し、且つ、表面に錫めっき処理が施された無酸素銅製の金属電極を接合した。さらに、超電導線材をGFRP製の補強部材内に収容して、図10に示す超電導電流リード10Aを作製した。すなわち、実施例1の超電導電流リードにおいて金属製の第1及び第2の電極の固定溝部の開口縁部の形状は、135度の形状である。超電導線材の線材長は150[mm]、電極間距離は100mmであり、超電導線材自体には撓みはない。
[実施例2]
実施例2では、実施例1と同様の構成を有する超電導電流リードにおいて、図1〜図8に示すように、金属電極の開口縁部を、R面形状(半径20[mm])にして超電導電流リードを製作した。なお、この実施例2の超電導電流リードにおいて、超電導線材の撓みはない。
[実施例3]
実施例3では、電極間の超電導線材を撓ませて、実施例1と同様の超電導電流リードを製作した。
[実施例4]
実施例4では、電極間の超電導線材を撓ませて、実施例2と同様の超電導電流リードを製作した。
[比較例1]
比較例1では、実施例1と同様の構成を有する超電導電流リードにおいて、金属電極の固定溝部の開口縁部の形状を直角にし、且つ、電極間の超電導線材に撓みがない超電導電流リードを製作した。
[比較例2]
比較例2では、実施例1と同様の構成を有する超電導電流リードにおいて、金属電極の固定溝部の開口縁部の形状を直角にし、且つ、電極間の超電導線材が撓みを有する超電導電流リードを製作した。
実施例1〜実施例4、比較例1及び比較例2に係る超電導電流リードについて、極低温環境下において、臨界電流特性を評価した。具体的には、超電導電流リードの金属電極に熱伝導板を取り付け、伝導冷却により超電導電流リードが77[K](高温側)−4.2[K](低温側)となるように冷却し測定した。なお、外部磁場は高磁場である0.5[T]とした。評価結果を表1に示す。
Figure 0005882402
表1に示すように、金属製の電極の固定溝部の開口縁部(溝端部)における面取りの有無によって超電導電流リードの通電特性に差が生じることが判った。すなわち、超電導線材が接合された部分の角部が面取り形状であれば、通電特性、つまり、超電導特性は低下しない。一方、比較例1、2では、通電特性が劣化している。これは、実施例1〜4では、ローレンツ力による超電導線材の撓みによって金属電極に接触しても、それにより損傷することがなく、比較例1、2では、電極の固定溝部の開口縁部(角部)が直角であるので、これに超電導線材が接触して超電導特性が低下したと考えられる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 超電導磁石装置
10、10A、10B 超電導電流リード
11 超電導線材
11a 超電導線材の一端部
111 金属基板
112 中間層
113 超電導層
114 安定化層
12、12A 第1の電極(金属電極)
12B 電極
13、13A 第2の電極(金属電極)
14 補強部材
15 常電導電流リード
20 超電導コイル
30 電源
40 低温容器
120、120A、130、130A 固定溝(固定溝部)
121、121A、131、131A 一端面
122、122A、128、132、132A 接合面
125、125A、135、135A 開口縁部(角部)
129 角部
140、140B 半田

Claims (6)

  1. テープ状の超電導線材と、
    前記超電導線材の一端部が接合する接合面を備える金属電極と、
    を有し、
    前記超電導線材は、前記接合面の角部から延出するように配置され、
    前記角部は、面取り形状をなしている、
    超電導電流リード。
  2. 前記金属電極は、前記超電導線材が挿入される固定溝部を有し、
    前記接合面は、前記固定溝部において互いに対向する内側壁面の少なくとも一方の壁面であり、
    前記角部は、前記固定溝部の開口縁部である、
    請求項1に記載の超電導電流リード。
  3. 前記角部は、90度超180度未満の角度の面取り形状をなしている、
    請求項1又は2に記載の超電導電流リード。
  4. 前記角部は、R面形状である、
    請求項1又は2に記載の超電導電流リード。
  5. 前記金属電極は、前記超電導線材の両端部に接合され、
    前記超電導線材と前記金属電極とを含むリード本体を、所定の電極間距離となるように位置決めした状態で収容する補強部材を更に備え、
    前記超電導線材は、前記金属電極間において撓みを有する、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の超電導電流リード。
  6. 前記超電導線材は、金属基板上に中間層、超電導層、安定化層を順に積層して形成されており、
    前記超電導層は、TFA−MOD法により形成され、
    前記超電導層中に、Zr、Sn、Ti、Ceのうち少なくとも1つを含む50nm以下の酸化物粒子が磁束ピンニング点として分散している、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の超電導電流リード。
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