JP2015183457A - 天井落下防止構造およびその施工方法 - Google Patents

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Motoi Kanagawa
基 金川
仁治 木村
Jinji Kimura
仁治 木村
悦雄 桜井
Etsuo Sakurai
悦雄 桜井
静雄 川崎
Shizuo Kawasaki
静雄 川崎
信一 飯塚
Shinichi Iizuka
信一 飯塚
高井 茂光
Shigemitsu Takai
茂光 高井
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Abstract

【課題】 既存の吊り部材から天井板が脱落しても、天井板が床面に落下するのを防止することができる天井落下防止構造およびその施工方法を提供する。【解決手段】 この天井落下防止構造は、複数の第1吊り部材により上部構造体に吊り下げられた天井板22の落下を防止するための構造で、天井板22の下側面に貼着されるシート部材と、天井板22およびシート部材を貫通するように設けられ、一端が上部構造体に連結された棒状の複数の第2吊り部材と、各第2吊り部材の他端に取り付けられ、天井板22の荷重がかからないようにシート部材に隣接して配置される複数の支持部材とを含む。【選択図】 図2

Description

本発明は、複数の吊り部材により吊り下げられた天井板の落下を防止するための天井落下防止構造およびその施工方法に関する。
マンション、商用ビルや倉庫等の鉄筋コンクリートにより構築された構造物では、吊りボルトにより上階床(スラブ)から天井板を吊し、その天井板を支持する吊り天井が一般的である。吊り天井は、地震等により破損し、その破片等が落下して人的被害をもたらすため、天井落下防止対策が施されている。
天井落下防止対策として、一般に、天井裏において天井板を補強材でつなぐという補強工事が行われる。図1に示すように、構造物の上階スラブ10から天井板11が複数の吊り部材である吊りボルト12で吊り下げられている場合、天井裏に足場13を組み、耐震補強材である斜め部材14を、天井裏空間を横切るように取り付ける工事が行われる。
天井裏には、換気ダクトや配管等が設置され、非常に狭い作業空間しか存在しないため、斜め部材14を取り付けるにしても、それらの影響を受けやすく、施工効率が悪い。そこで、天井との取り合いの鉛直部材、例えば柱や壁等に、アンカー等を埋め込み、天井面の下方に防護ネットを張り、天井裏において補強工事を行わない補強方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−87530号公報
しかしながら、上記従来の補強方法では、天井との取り合いの柱や壁等にアンカーを埋め込んだ上で、防護ネットを張る必要があり、大空間の天井ではそのような施工が難しく、また、美観や音響特性を損なうという問題があった。既存の吊りボルト12で防護ネットを吊り下げるため、その吊りボルト12に耐力が必要で、地震等により吊りボルト12が破断した場合、その他の部位に過大な力が加わることで、防護ネットを受ける部分が連鎖的に損傷し、天井落下を防止する機能を喪失する可能性があるという問題もあった。
本発明は、上記課題を解決するために、複数の既存の吊り部材(第1吊り部材)により上部構造体に吊り下げられた天井板の落下を防止するための天井落下防止構造であって、天井板の下側面に貼着されるシート部材と、天井板およびシート部材を貫通するように設けられ、一端が上部構造体に連結された棒状となった、複数の追加設置する別吊り材(第2吊り部材)と、各第2吊り部材の他端に取り付けられ、天井板の荷重がかからないようにシート部材に隣接して配置される複数の支持部材とを含む、天井落下防止構造が提供される。
また、本発明は、複数の既存の吊り部材(第1吊り部材)により上部構造体に吊り下げられた天井板の落下を防止するための天井落下防止構造を施工する方法であって、天井板の下側面にシート部材を貼着する段階と、天井板およびシート部材に複数の貫通孔を形成する段階と、棒状の複数の追加設置する別吊り材(第2吊り部材)の各々を複数の貫通孔の各々に挿通させ、上部構造体に各第2吊り部材の一端を固定する段階と、各第2吊り部材の他端に、天井板の荷重がかからないようにシート部材に隣接して配置される複数の支持部材を取り付ける段階とを含む、天井落下防止構造の施工方法も提供される。
本発明によれば、既存の吊り部材から天井板が脱落しても、天井板が床面に落下するのを防止することができる。また、柱や壁等にアンカーを埋め込む必要がなく、大空間の天井に対しても簡易に施工を実施することができ、美観や音響特性面の問題も少なくなる。
従来の天井落下防止対策として施工される補強工事の一例を示した図。 本発明の天井落下防止構造の一例を示した図。 図2に示した天井落下防止構造を別の角度から見た図。 図2に示した天井落下防止構造で使用される棒状の別吊り材と受け材とを拡大して示した図。 本発明の天井落下防止構造を施工する工事の流れを例示したフローチャート。 本発明の天井落下防止構造を施工しているところを例示した図。 紐状の別吊り材と受け材とにより天井板を吊り下げている様子を例示した第1断面図。 紐状の別吊り材と受け材とにより天井板を吊り下げている様子を例示した第2断面図。 紐状の別吊り材および受け材の別の態様を例示した図。
図2は、本発明の天井落下防止構造の一例を示した図である。この構造は、鉄筋コンクリート等により構築された吊り天井を有する既存の構造物の天井落下防止対策として施工される。まず、既存の吊り天井および構造物について説明する。既存の構造物は、上部構造体として、例えば上階スラブ20と呼ばれる床版を有する。吊り天井は、上階スラブ20に埋設されたインサート金物に螺合する等して、上階スラブ20から垂れ下がるように固定される吊りボルト21と、吊りボルト21により吊り下げ支持される天井板22とを有する。
上階スラブ20は、例えば、200mmや250mmといった所定の厚さを有する、充分な強度をもった上部構造体である。ここでは、上階スラブ20を例示したが、充分な強度をもつ上部構造体であれば、これに限られるものではない。上階スラブ20は、コンクリートのみであってもよいし、鉄筋コンクリートであってもよい。上部構造体は、木材、鋼板、鋼材等であってもよい。
吊りボルト21は、表面がねじ切りされていて、一端が上階スラブ20に埋設された雌ネジを有するインサート金物に螺合される等して固定され、他端には、ハンガーがナットを用いて連結される。ハンガーは、野縁受けと呼ばれる天井板を取り付けるための所定の方向に延びるように配置される棒状部材を引っ掛けるようにして支持する。野縁受けは、クリップと呼ばれる連結部材を用いて野縁と呼ばれる棒状部材を連結する。野縁は、野縁受けに対して垂直方向に延びるように配置される。天井板22は、この野縁に、ボルトおよびナット等の連結部材を用いて連結される。天井板22は、吊りボルト21に取り付けるハンガーの高さ位置をナットにより調整することで、その高さ位置が調整される。
天井板22は、所定サイズ、厚さの木板や石膏ボード(プラスターボード)等を用いることができ、上記の野縁にボルトで固定するため、複数の穴が設けられている。なお、この天井構造は一例であるので、吊り天井であれば、これ以外の構成や構造であってもよい。
天井落下防止構造は、地震等により天井板22が破片状に分解するのを抑止するために、天井板22の下側に向いた面(下側面)に貼着され、その下側面を覆うシート部材として破損防止シート23を有する。破片状に分解されなければ、吊りボルト21から脱落しない限り、天井板22が床面へ落下するのを回避することができる。また、破損防止シート23は、天井板22が吊りボルト21から脱落したとしても、その天井板22が床面まで落下しないように、後述する別吊り材24および受け材25とともにその天井板22を支えることができる。
破損防止シート23としては、天井板22が脱落した場合に、その天井板22を支えることができるフィルムや網(ネット)等を用いることができる。破損防止シート23は、接着剤やピン等を用いて、天井板22の下側面の全面に均一に貼り付け、天井板22と一体化することができる。
フィルムとしては、所定の厚みを有する樹脂フィルムを用いることができ、ネットとしては、化学繊維糸により編まれた化学繊維網を用いることができる。樹脂フィルムに用いられる樹脂材料としては、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン(登録商標)、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ABS樹脂等を用いることができる。化学繊維糸に用いられる化学繊維材料としては、ナイロン(登録商標)、ポリエステル、アクリル、ポリプロピレン、ビニロン、レーヨン、ガラス繊維、炭素繊維等を用いることができる。なお、これに限らず、金属製の金網等であってもよい。
また、フィルムやネットのほか、シートの機能を期待して、厚塗り塗膜を塗り固めたものを、破損防止シート23として用いることも可能である。塗膜を形成するために使用される塗料としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂を挙げることができる。塗料は、上記の順に耐久性が高くなるので、天井板22の脱落や天井板22が破片状に分解するのに対して充分な抑止能力をもつ材料として、耐久性が高い樹脂を用いることが望ましい。そのほか、ゴムシート等を用いることもできる。
樹脂フィルムや塗膜、ゴムシートは、天井板22の分解を抑制し、別吊り材24および受け材25とともに脱落した天井板22を支えることができれば、1枚の穴のないシート部材に限られるものではなく、1以上の穴を備えるものであってもよいし、複数の細長い短冊状のもので構成されていてもよい。
天井落下防止構造は、破損防止シート23とともに用いられる、吊り部材としての複数の別吊り材24と、支持部材としての複数の受け材25とを有する。別吊り材24は、既存の吊りボルト21とは別に設けられ、例えば、上階スラブ20を穿孔し、雌ネジアンカー等のインサート金物を埋め込み、そのインサート金物に一端を螺合することにより、上階スラブ20に固定される。受け材25は、別吊り材24の他端にナット等を用いて緊結され、天井板22が脱落した場合のその天井板22の荷重を別吊り材24へ伝達する。
別吊り材24としては、吊りボルトを含む、炭素鋼やステンレス鋼等の金属製の棒状部材を用いることができ、そのほか、合成樹脂製の棒状部材を用いることもできる。合成樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート、繊維強化プラスチック(FRP)、ガラス繊維、炭素繊維等を用いることができる。棒状部材は、断面が円形、楕円形、矩形、多角形のいずれであってもよく、内部が中空の管であってもよい。その外表面は、ねじ切りされていなくてもよく、この場合、接着剤、溶接、溶着等により上階スラブ20あるいは上階スラブ20に取り付けられた金物等に接合し、固定することができる。
別吊り材24は、上側の固定端である上階スラブ20から真下の床面に向けて鉛直方向(鉛直下向き)に延びるように、上階スラブ20に取り付けられるが、それに限られるものではなく、その鉛直下向きに対して斜めに傾斜させて取り付けられていてもよい。
別吊り材24は、上階スラブ20から吊りボルト21とは別に設けられ、天井板22および天井板22に貼着された破損防止シート23を貫通するように取り付けられる。受け材25は、天井板22の荷重がかからないように破損防止シート23に隣接させて別吊り材24に緊結される。受け材25の緊結方法としては、ナットにより緊結することができるが、そのほか、接着剤、溶接や溶着により接合することも可能である。なお、この接合は、天井板22が吊りボルト21が外れたり、折れたりして、天井板22が脱落した場合に、その天井板22を支えるのに充分な強度をもった接合とされる。なお、吊りボルト21が外れたり、折れたりした場合、その外れたり、折れたりした吊りボルト21も同時に支えることができる強度をもった接合とされる。
緊結あるいは接合においては、別吊り材24の余長さをわずかにとり、通常時において、天井板22の荷重が別吊り材24および受け材25にかからない状態となるように緊結あるいは接合することができる。
受け材25は、破損防止シート23が貼着された天井板22が脱落した場合にバックアップとしてそれを支える。受け材25は、支えることができればいかなる形状であってもよいが、破損防止シート23の下面を支える平坦な支持面を有する形状であることが望ましい。例えば、その支持面が円形、楕円形、矩形、多角形とされた板状物や、底面がそれらの形状とされた錐状物等を用いることができる。高い強度を有し、確実に天井板22を支えることができる点で錐状物が好ましい。受け材25は、天井板22の重量を支えるのに充分な強度をもつ材料であればいかなる材料であってもよく、上記の金属や合成樹脂等を用いることができる。
受け材25は、破損防止シート23に隣接して配置される。このため、天井板22が吊りボルト21から脱落したとしても、荷重がかかるだけで、天井板22が落下して受け材25に衝突し、天井板22が破損することはない。
本発明の天井落下防止構造は、一例として、図3に示す構成および構造とされる。複数の別吊り材24が、向かって左右方向である幅方向およびその奥行き方向に等間隔で、向かって上下方向である鉛直方向に延びるように配置される。各別吊り材24の上側の一端は、図示しない上階スラブに固定される。破損防止シート23は、その幅方向および奥行き方向に等間隔に所定の径の貫通孔が形成され、各貫通孔に各別吊り材24が通される。各別吊り材24は、破損防止シート23に設けられた各貫通孔に挿通された後、破損防止シート23の下側に延びたその他端に、破線で示される各受け材25が取り付けられる。
これにより、天井板22が吊りボルト21から脱落しても、天井板22を、破損防止シート23、別吊り材24および複数の受け材25により支えることができるので、床面への天井板22の落下を防止することができる。なお、天井板22に破損防止シート23を貼り付けたことによる重量増加は、破損防止シート23が比較的軽量なので、多くの場合は吊りボルト21の余力で負担できる。また、それでは不十分の場合は、受け材25の一部を、通常は天井板22の荷重がかからないものとするところ、破損防止シート23による重量増加分を補償するものとして荷重がかかるようにすることができる。
別吊り材24と受け材25は、図4に示すように、ナット26を用いて緊結することができる。ここには図示しないが、溶接や溶着により接合することも可能である。図4では、ナット26を用いて受け材25を緊結している。具体的には、別吊り材24を、天井板22に形成した貫通孔22aおよび破損防止シート23に形成した貫通孔23aに通し、その上側の一端を上階スラブに固定する。そして、受け材25の中央に形成された穴に別吊り材24を通す。最後に、ナット26を別吊り材24に螺合し、天井板22の荷重がかからず、破損防止シート23の下面には隣接する高さ位置に調整し、受け材25を緊結して固定する。
ここで、図5に示すフローチャートを参照し、天井落下防止構造の施工方法を説明する。図2に示したような既存の吊り天井が存在し、その吊り天井の天井落下防止対策としてこの施工を行うものとする。ステップ500からこの作業を開始し、ステップ510では、吊り天井を構成する天井板22の下側面、すなわち床面に向いた面に、破損防止シート23を貼着する。破損防止シート23は、上記のように、接着剤やピン等を使用して貼り付けられる。
ステップ520では、破損防止シート23が貼り付けられた天井板22の所定位置に別吊り材24の径より大きい径の貫通孔を形成する。貫通孔は、ドリル等の穴開け装置を使用して形成される。貫通孔の径は、別吊り材24の径よりわずかに大きい程度が好ましい。貫通孔の径が大きすぎると、天井板22が落下しないように、受け材25を大きくしなければならず、それに伴い、材料コストがかかり、その重量も大きくなるので、別吊り材24の強度を高める必要があるからである。
ステップ530では、上階スラブ20に、予めまたは後施工で、別吊り材24を固定するためのアンカー等を施す。例えば、雌ネジを有するインサート金物を埋設する。後施工で埋設する場合、雌ネジアンカー等を押し込み、または叩き込む等して埋設することができる。ステップ540では、天井板22および破損防止シート23に形成した貫通孔に、別吊り材24を通し、上記のアンカー等に一端を固定し、上階スラブ20から吊り下げる。
ステップ550では、天井板22の荷重が加わらないように別吊り材24に取り付ける高さ位置を調整しながら、受け材25を別吊り材24と緊結する。上記のようにナットを用い、受け材25の下側をナットで締め付けることにより、高さ位置を調整しつつ、受け材25を別吊り材24と緊結することができる。このようにして、すべての受け材25を緊結したところで、ステップ560へ進み、この施工を終了する。
この天井落下防止構造の施工では、図6に示すように、屋内から立ち上げた足場30と天井裏に組まれた足場31とを利用する。従来の補強方法では、図1に示すように天井裏に組まれた足場13のみを利用している。このため、足場の数が多くなるが、屋内では、天井裏のようなダクトや配管等の支障物がないため、施工は容易であり、天井裏でも、別吊り材24周囲の鉛直方向に向いた空間のみを確保すればよいため、従来の補強方法に比べて、施工は簡易である。
これまで、別吊り材24として、棒状部材を用いる例について説明してきたが、別吊り材24は、棒状部材に限らず、紐状のもの(紐状部材)であってもよい。紐状部材としては、ワイヤーやロープ等を挙げることができる。ワイヤーやロープは、上記の金属製および合成樹脂製のものを用いることができる。なお、紐状部材を用いる場合、紐状部材が延びる方向を鉛直下向きにする必要がなく、自由に変えられるため、凹凸や曲面を有する天井板22に対しても対応が可能となる。
紐状部材を用いる場合の受け材25との連結方法について、図7および図8を参照して説明する。ここでは、紐状部材としてワイヤーを用いるものとする。ワイヤーは、材質がステンレスや鋼材等の金属製で、天井板22の重量を支えるのに充分な強度をもった材料から製造されるものとする。
受け材25は、所定の厚さを有する平板状のものとされ、ワイヤー40が、頭部がリング状とされた連結材、例えばアイボルト41を介して緊結されている。例えば、受け材25には、アイボルト41が螺合可能な雌ネジが形成され、天井板22および破損防止シート23の貫通孔を介してその雌ネジにアイボルト41の雄ネジを螺合することにより、受け材25とアイボルト41とを連結することができる。なお、これに限らず、溶接等により接合されていてもよい。ワイヤー40は、アイボルト41が有するリング部の中央の穴を通した後、その折り返し部分を、ワイヤー留め金具42により折り返し前の部分と一緒に留めることにより、アイボルト41と連結される。なお、ワイヤー留め金具42を用いず、溶接して留めることも可能である。
図7では、アイボルト41が貫通孔に隙間なく挿入されているのが図示されているが、実際には差し込んで取り付けるために多少の隙間を有し、また、アイボルト41頭部のリング部と天井板22との間にも多少の隙間が存在する。このため、天井板22の脱落等によりアイボルト41が延びる方向が鉛直方向に対して傾斜する場合があり、それに伴い、受け材25も斜めになる。このとき、破損防止シート23に隣接する受け材25の支持面の角部が鋭利であると、その鋭利な角部と天井板22とが接触して天井板22が破損する可能性がある。
そこで、この鋭利な部分をなくすべく、角部25aを面取りし、角部25aにテーパを設けることができる。テーパ角度は、図7に示すような約45°に限られるものではなく、適切な角度とすることができる。また、受け材25を、角部25aが存在しない楕円体や球体とし、鋭利な角部が存在しない形態とすることもできる。
図7では、角部25aにテーパを設けた形態を例示したが、図8に示すように、角部25aを鋭利なままとし、受け材25と破損防止シート23との間に緩衝材43を設けて、鋭利な角部25aによる天井板22の破損を防止することもできる。緩衝材43は、受け材25の破損防止シート23に向いた面より大きく形成され、受け材25の鋭利な角部25aが直接天井板22に接触しないようにすることが望ましい。
緩衝材43としては、ゴム等の弾性材、綿や布、ポリウレタンやポリスチレン等の合成樹脂を発泡成形して作られる気泡緩衝材を用いることができる。緩衝材43は、図8に示すように、受け材25上側の支持面を覆うように板状に形成されているが、鋭利な角部の部分(支持面の縁部)のみをカバーする形状のものとすることができる。例えば、受け材25の支持面が円形である場合、その板状のものの中央部分が円形にくり抜かれたリング状のものとすることができる。
これまで説明してきた天井落下防止構造は、破損防止シート23と、受け材25とが別の部材とされ、受け材25が破損防止シート23の下方に露出している。破損防止シート23は天井板22に貼り付けられて一体化されるため、美観および音響特性面の問題は少ない。しかしながら、受け材25が露出しているため、受け材25の大きさ、数、形状によっては、美観的に問題となる場合がある。
そこで、図9に示すように、受け材25をなくし、破損防止シート23と別吊り材24とを同じ繊維で編まれた紐により構成することができる。具体的には、まず、その紐で作られたネット44を、破損防止シート23として天井板22の下側面に貼り付ける。次に、上階スラブ20に取り付けられた支持部材、例えばぶどう棚に、別吊り材24としての紐45の一端を結び、他端をほどく。天井板22の貫通孔22aを覆う部分のネット44を貫通孔22a内に折り込み、その折り込んだ先端部分を、ほどいた紐45の他端に編み込む。編み込んだ部分は、接着剤等により充分な強度に固定し、一体化する。
ネット44を、貫通孔22a内に折り込む際、その角部でその折り込んだ部分の紐が切れないように、貫通孔22aの周辺をテーパ仕上げとする。図9では、約45°にテーパが形成されている。これにより、その部分で紐にかかるせん断力を低減させ、紐が切れるのを防止することができる。なお、このテーパ角度も、約45°に限られるものではなく、適切な角度とすることができる。また、別吊り材24が下方に露出しないため、美観的に優れたものとすることができる。
これ以上の美観を求める場合は、最後に、貫通孔22aを、図9に示す詰め栓46等の閉鎖部材で塞ぎ、プラスチック樹脂系の接着剤やパテ47で埋め、ネット44以外を隠蔽することができる。貫通孔22aの部分が完全に埋められてしまうため、天井板22の下側面には、ネット44のみが貼り付けられた状態となり、より美観的に優れたものとすることができる。
これまで本発明の天井落下防止構造およびその施工方法について図面に示した実施形態を参照しながら詳細に説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態や、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
10…上階スラブ、11…天井板、12…吊りボルト、13…足場、14…斜め部材、20…上階スラブ、21…吊りボルト、22…天井板、22a…貫通孔、23…破損防止シート、23a…貫通孔、24…別吊り材、25…受け材、25a…角部、26…ナット、30、31…足場、40…ワイヤー、41…アイボルト、42…ワイヤー留め金具、43…緩衝材、44…ネット、45…紐、46…詰め栓、47…プラスチック樹脂系の接着剤またはパテ

Claims (5)

  1. 複数の第1吊り部材により上部構造体に吊り下げられた天井板の落下を防止するための天井落下防止構造であって、
    前記天井板の下側面に貼着されるシート部材と、
    前記天井板および前記シート部材を貫通するように設けられ、一端が前記上部構造体に連結された棒状の複数の第2吊り部材と、
    各前記第2吊り部材の他端に取り付けられ、前記天井板の荷重がかからないように前記シート部材に隣接して配置される複数の支持部材とを含む、天井落下防止構造。
  2. 前記シート部材は、樹脂フィルムもしくは化学繊維網または塗膜である、請求項1に記載の天井落下防止構造。
  3. 前記第2吊り部材は、金属製または合成樹脂製の棒状部材である、請求項1または2に記載の天井落下防止構造。
  4. 前記支持部材は、前記シート部材に隣接する支持面を有し、前記複数の支持部材が有する複数の前記支持面は、前記天井板が前記複数の第1吊り部材から脱落した場合に、前記天井板を前記シート部材ごと支持する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の天井落下防止構造。
  5. 複数の第1吊り部材により上部構造体に吊り下げられた天井板の落下を防止するための天井落下防止構造を施工する方法であって、
    前記天井板の下側面にシート部材を貼着する段階と、
    前記天井板および前記シート部材に複数の貫通孔を形成する段階と、
    棒状の複数の第2吊り部材の各々を前記複数の貫通孔の各々に挿通させ、前記上部構造体に各前記第2吊り部材の一端を固定する段階と、
    各前記第2吊り部材の他端に、前記天井板の荷重がかからないように前記シート部材に隣接して配置される複数の支持部材を取り付ける段階とを含む、天井落下防止構造の施工方法。
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