JP6429667B2 - 天井構造およびその構築方法 - Google Patents

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Description

本発明は、天井構造およびこの天井構造の構築方法に関する。
従来より、地震時の建物の挙動により、天井下地や天井材に大きな慣性力が作用し、これら天井下地や天井材が破損したり落下したりする場合があるため、例えば、以下のような天井構造が提案されている(特許文献1参照)。
すなわち、特許文献1の天井構造は、天井裏空間に設けられた天井下地と、この天井下地に取り付けられる板状の石膏ボードなどの天井材と、を備える。天井材に、天井面側から天井材を貫通する天井材貫通取付部材と、天井材の裏面側に設けられて天井材貫通取付部材に接続される天井裏側取付部材と、を設ける。さらに、天井構造を構成する天井支持部材にワイヤーロープなどの吊り材を取り付けて、このワイヤーロープの先端を天井裏側取付部材に接続する。
このような構造によれば、地震時に天井材が落下しそうになっても、この天井材は、ワイヤーロープを通じて天井支持部材に接続されているので、天井材の脱落を防止できる。
特開2014−114594号公報
しかしながら、以上のような構造では、天井材貫通取付部材を天井材に貫通させるので、天井材が柔らかくないと、天井材貫通取付部材の取付けに大幅に手間がかかってしまう。例えば天井材が石膏ボードである場合、石膏ボードはある程度硬いため、下穴を開ける必要があり、手間がかかり、コスト高となる。
一方、天井材が柔らかすぎると、天井材貫通取付部材の周囲に亀裂が入りやすく、また、天井材貫通取付部材そのものが天井材を突き抜けてしまうため、地震時に天井材が脱落してしまう。
また、ワイヤーロープの先端を天井裏側取付部材に接続する際、部分的に天井材を取り付けた状態で作業を行う必要があるが、この作業を天井裏空間に横から手を入れて行うことになり、施工効率が低下し、コストが上昇する、という問題があった。
また、天井材貫通取付部材を別途製作する必要があり、コスト高となっていた。
本発明は、天井材や天井下地に水平力や鉛直力が作用したり、天井材や天井下地が劣化あるいは破損したりしても、これら天井材や天井下地が床面まで落ちるのを低コストで防止できる天井構造を提供することを目的とする。
請求項1に記載の天井構造(例えば、後述の天井構造1、1A)は、天井裏空間に設けられた天井下地(例えば、後述の軽量鉄骨下地10)と、当該天井下地に取り付けられる板状の天井材(例えば、後述の天井ボード20)と、を備える天井構造であって、前記天井下地は、棒状の下地部材(例えば、後述の野縁13)を備え、当該下地部材から前記天井材同士の隙間を通って下方に延びて、前記天井材の下面に貼り付けられたシート(例えば、後述のシート33)を備えることを特徴とする。
シートとしては、ガラスクロスが代表的であるが、これに限らず、アラミド繊維やカーボン繊維、樹脂などの繊維によるクロス、不織布、さらに樹脂シート(繊維でないもの)などでもよく、引張強度が高くて柔軟性および耐久性があれば、材質は何でもよい。
また、シートの繊維の織り方については、特に限定されない。
また、シートと天井材との接着面積は、必要な強度を満足すれば、特に限定されない。
また、シートの形状は、正方形、長方形、円形など、どのような形状でもよい。
シートを天井材の下面に貼り付ける接着剤は、両面テープでもよく、必要な接着力を満足すれば、成分や構造は限定されない。
天井材としては、石膏ボード、珪酸カルシウム板、セメント系ボード、岩綿吸音板、金属板などが挙げられる。
この発明によれば、天井材の表面に貼り付けたシートにより天井材に亀裂が入りにくくなるから、天井材や天井下地に水平力や鉛直力が作用したり、天井材や天井下地が劣化あるいは破損しても、天井材が下地部材から外れるのを防止できる。
また、シートを挟み込むように天井材を取り付けるので、シートの貼り付け作業を室内側から行うことができるから、天井裏空間に横から手を入れて作業を行う必要がない。
また、シートは、天井材同士の隙間を通って、下地部材と天井材の下面とを接続しているので、天井材が下地部材から外れるのを抑制できる。
また、シートを介して天井材同士が互いに連結されるので、天井材が下地部材から外れても、これら天井材により天井下地の落下を受け止めることができる。
また、従来の天井材貫通取付部材のように天井材を貫通させる必要がないので、天井材の硬軟にかかわらず、取り付けることができる。
また、従来の天井材貫通取付部材のように特殊な金物を別途製作する必要がなく、シートをカットするだけでよいので、低コストであり、取り扱いが容易である。
さらに、天井材を複数重ねて貼り付けた場合、従来では、天井材貫通取付部材の強度を向上させる必要があるが、そのようにすると、天井材貫通取付部材厚みや重量が増大し、取り扱い性が低下する。一方、本願発明のようにシートを用いた場合には、貼り付け面積およびシート自体の強度を調整するだけで引張強度を適宜調整でき、取り扱いやすい。
本発明では、前記天井材は、平板状であり、前記シートは、複数の天井材が突き合わされた部分に、当該複数の天井材に跨がって設けられていることが好ましい。
このようにすれば、1枚のシートでできる限り多くの天井材を支持できることになり、施工コストを低減できる。
請求項2に記載の天井構造は、天井裏空間の上部構造体に取り付けられて平板状で弾性変形可能な構造体接続部(例えば、後述の構造体接続部31)と、当該構造体接続部から延びて前記下地部材の前記シートが設けられた部分に接続される紐状の紐状部材(例えば、後述の落下防止ワイヤ32、シート33)と、を備え、当該構造体接続部の長さ方向中央部は、前記上部構造体に固定され、前記紐状部材は、前記構造体接続部の長さ方向端部に接続されることを特徴とする。
ここで、紐状部材には、ワイヤ、ロープ、シートが含まれる。
また、ワイヤの材質としては、金属、樹脂、合成繊維などが上げられる。
この発明によれば、天井材および下地部材が一体となって天井下地から外れたり、天井材および天井下地が一体となって上部構造体から外れたりしても、天井材に貼り付けられたシートが下地部材を介してワイヤに接続されているので、一体となった天井材および下地部材、あるいは、一体となった天井材および下地部材は、ワイヤによって所定高さまで落ちた状態で吊下げ支持されるので、床面まで落ちるのをより確実に防止できる。
また、構造体接続部の長さ方向中央部を上部構造体に固定するとともに、ワイヤを構造体接続部の長さ方向端部に接続した。よって、天井材および下地部材が一体となって天井下地から外れたり、天井材および天井下地が一体となって上部構造体から外れたりした場合、ワイヤが下方に引っ張られる。すると、構造体接続部の端部が下方に引っ張られて、構造体接続部は、中央部を支点としたが片持ち梁となって弾性変形し、このワイヤによる衝撃を吸収する。
このように構造体接続部が弾性変形して衝撃を吸収することにより、構造体接続部やワイヤなどの部材に必要な強度を抑えることができ、特別な材料を用いたり補強材で補強したりする必要がなくなる。また、ばね設計により構造体接続部の変形量を制御することで、衝撃荷重をコントロールできるため、各部材の強度設計を合理的に行うことができる。
請求項3に記載の天井構造の構築方法は、天井裏空間に設けられた天井下地と、当該天井下地に取り付けられる板状の複数の天井材と、を備える天井構造の構築方法であって、前記天井下地として、棒状の下地部材を設ける工程(例えば、後述のステップS1)と、当該下地部材にシートを上から被せて当該下地部材の下方に垂らす工程(例えば、後述のステップS2、S3)と、当該シートの下地部材の下方に垂れた部分を挟み込むように前記下地部材の下面に天井材を取り付ける工程(例えば、後述のステップS4)と、前記天井材同士の間から露出したシートを当該天井材の表面に貼り付ける工程(例えば、後述のステップS5)と、を備えることを特徴とする。
請求項4に記載の天井構造の構築方法は、天井裏空間に設けられた天井下地と、当該天井下地に取り付けられる板状の複数の天井材と、を備える天井構造の構築方法であって、前記天井下地として、棒状の下地部材を設ける工程(例えば、後述のステップS1)と、前記天井裏空間の上部構造体と前記下地部材とを紐状の紐状部材で連結するとともに、当該下地部材にシートを取り付けて当該シートを下方に垂らす工程(例えば、後述のステップS2、S3)と、当該シートの下地部材の下方に垂れた部分を挟み込むように前記下地部材の下面に天井材を取り付ける工程(例えば、後述のステップS4)と、前記天井材同士の間から露出したシートを当該天井材の表面に貼り付ける工程(例えば、後述のステップS5)と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、シートを天井材の表面に貼り付けたので、このシートにより天井材に亀裂が入りにくくなるから、天井材や天井下地に水平力や鉛直力が作用したり、天井材や天井下地が劣化あるいは破損したりしても、天井材が下地部材から外れて床面まで落ちるのを防止できる。また、シートを挟み込むように天井材を取り付けるので、室内側から貼り付け作業を行うことができるから、天井裏空間に横から手を入れて作業を行う必要がなく、施工効率が低下するのを防止でき、低コストとなる。
本発明の第1実施形態に係る天井構造の天井見上げ図である。 前記実施形態に係る天井構造を室内側から見上げた斜視図である。 前記実施形態に係る天井構造の落下防止装置の断面図である。 前記実施形態に係る落下防止装置の配置を示す天井見上げ図である。 前記実施形態に係る天井構造の施工手順のフローチャートである。 前記実施形態に係る天井構造の施工手順の説明図(その1)である。 前記実施形態に係る天井構造の施工手順の説明図(その2)である。 前記実施形態に係る天井構造の施工手順の説明図(その3)である。 前記実施形態に係る天井構造の施工手順の説明図(その4)である。 本発明の第2実施形態に係る天井構造の天井見上げ図である。 本発明の第3実施形態に係る天井構造の落下防止装置の断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態の説明にあたって、同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る天井構造1を室内側から見上げた図で、図2は、天井構造1を室内側から見上げた斜視図である。なお、図1では、天井ボード20の1枚当たりの大きさを、天井ボード20の2本の対角線からなるXで表示している。
天井構造1は、天井裏空間に設けられた天井下地としての軽量鉄骨下地10と、この軽量鉄骨下地10に取り付けられる矩形板状の複数の天井ボード20と、この天井ボード20の落下を防止する落下防止装置30(図3参照)と、を備える。
軽量鉄骨下地10は、天井裏の鉄筋コンクリートや鉄骨などの構造体から吊下げ支持された複数の吊りボルト11と、これら吊りボルト11に支持されて略水平かつ互いに略平行に棒状に延びる複数の野縁受け12と、これら野縁受け12に支持されて野縁受け12に略直交しかつ略水平で互いに略平行に棒状に延びる下地部材としての野縁13と、を備える。
吊りボルト11の下端側には、ハンガー111が取り付けられ、野縁受け12は、このハンガー111に嵌め込まれている。
野縁13は、上側が開放された断面略コの字形状の鋼材である。すなわち、この野縁13は、平板状で所定方向に延びる底部131と、この底部131の幅方向両端に立設された一対の壁部132と、を備える(図3参照)。
この野縁13は、クリップ121で野縁受け12に固定されている。この野縁13としては、幅が所定寸法であるシングル野縁13Aと、幅が所定寸法の2倍であるダブル野縁13Bとがある。
天井ボード20は、軽量鉄骨下地10の野縁13の底部131の下面に取り付けられるので、この天井ボード20の下面は室内に面しており、上面は、天井裏に面している。
この天井ボード20は、平面視で、長辺同士がダブル野縁13Bの下面にて突き合わされるように、図1中縦横に並んで配置されている。
また、天井ボード20は、ビス21で野縁13に固定されており、この天井ボード20の下面には、仕上げボード22が設けられる(図3参照)。
図3は、落下防止装置30の断面図である。図4は、落下防止装置30の配置を示す天井見上げ図である。
落下防止装置30は、天井裏空間の鉄筋コンクリート造の上部構造体40に取り付けられた構造体接続部31と、この構造体接続部31から延びてダブル野縁13Bに接続された紐状部材としての落下防止ワイヤ32と、ダブル野縁13Bから下方に延びて天井ボード20の室内側の表面に至るシート33と、を備える。
構造体接続部31は、平面視で、天井ボード20の略中央の位置に配置されている。
この構造体接続部31は、側面視で略コの字形状であり、平板状の板ばねであり弾性変形可能な底部311と、この底部311の両端部に折り曲げ形成された壁部312と、を備える。この構造体接続部31は、あと施工アンカー41により、長さ方向中央部で上部構造体40に固定されている。
落下防止ワイヤ32の一端側は、構造体接続部31の長さ方向端部側に接続されており、落下防止ワイヤ32の他端側は、ダブル野縁13Bの壁部132を貫通して環状となって、このダブル野縁13Bに接続されている。
また、落下防止ワイヤ32は、1つの構造体接続部31につき4本接続されている。具体的には、構造体接続部31の長さ方向一端側の壁部312には、2本の落下防止ワイヤ32が接続され、この構造体接続部31の長さ方向他端側の壁部312には、残る2本の落下防止ワイヤ32が接続される。
シート33は、ガラスクロスであり、天井ボード20の室内側の表面には接着剤で貼り付けられている。具体的には、このシート33は、矩形状であり、4枚の天井ボード20の角部が突き合わされた部分に跨がって貼り付けられている。
シート33は、ダブル野縁13Bから2つの天井ボード20同士の隙間を通って下方に延びて、天井ボード20の下面に貼り付けられる。
また、この天井ボード20は、シート33の下方からシート33および天井ボード20を貫通して野縁13の底部131に至るビス21を打ち込むことで、ダブル野縁13Bに固定されている。
以上の落下防止装置30では、図4に示すように、落下防止ワイヤ32とこの落下防止ワイヤ32に接続されたシート33とを1組とすると、1つの構造体接続部31には4組の落下防止ワイヤ32およびシート33が接続されることになる。
また、各構造体接続部31は、天井ボード20の1つおきに設けられることになる。
落下防止装置30の動作は、以下のようになる。
地震などにより天井ボード20および野縁13が一体となって野縁受け12から外れたり、天井ボード20、野縁13、および野縁受け12が一体となって吊りボルト11から外れたり、天井ボード20、野縁13、野縁受け12、および吊りボルト11が一体となって外れたりした場合、落下防止ワイヤ32が下方に引っ張られる。すると、図3中破線で示すように、構造体接続部31は、端部が下方に引っ張られて、中央部を支点としたが片持ち梁となって弾性変形し、落下防止ワイヤ32による衝撃を吸収する。
このとき、上述のように、1つの構造体接続部31には4組の落下防止ワイヤ32およびシート33が接続されるので、図4中破線で示すように、1つの構造体接続部31につき4枚分の広さの天井ボード20を負担していることになる。
上述の天井構造1の施工手順を、図5のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1では、図6に示すように、軽量鉄骨下地10を構築する。すなわち、天井裏の上部構造体40から吊りボルト11を吊下げて、これら吊りボルト11に野縁受け12を取り付ける。そして、これら野縁受け12に野縁13A、13Bを取り付ける。
ステップS2では、図6に示すように、天井裏空間の上部構造体40に構造体接続部31を取り付けて、この構造体接続部31に落下防止ワイヤ32の一端側を接続して、下方に垂らしておく。また、ダブル野縁13Bにシート33を上から被せて、このシート33を両面テープなどでダブル野縁13Bに仮止めし、シート33の端部をダブル野縁13Bの下方に垂らしておく。
ステップS3では、図7に示すように、下方に垂らした落下防止ワイヤ32の長さを調整し、この落下防止ワイヤ32の他端側を、ダブル野縁13Bに接続する。これにより、天井裏空間の上部構造体40とダブル野縁13Bとを落下防止ワイヤ32で連結する。
ステップS4では、図8に示すように、シート33のダブル野縁13Bから下方に垂れた部分を挟み込むように、野縁13A、13Bの下面に天井ボード20をビス21で取り付ける。
ステップS5では、図9に示すように、天井ボード20同士の間から露出したシート33を接着剤で天井ボード20の下面に貼り付ける。
ステップS6では、天井ボード20の下面に仕上げボード22を取り付ける。
本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)シート33を天井ボード20の表面に貼り付けたので、このシート33により天井ボード20に亀裂が入りにくくなるから、天井ボード20や軽量鉄骨下地10に水平力や鉛直力が作用したり天井ボード20や軽量鉄骨下地10が劣化あるいは破損したりしても、天井ボード20が野縁13から外れるのを防止できる。したがって、天井ボード20や軽量鉄骨下地10が床面まで落ちるのを防止できる。
また、シート33を挟み込むように天井ボード20を取り付けるので、シート33の貼り付け作業を室内側から行うことができるから、天井裏空間に横から手を入れて作業を行う必要がなく、施工効率が低下するのを防止でき、低コストとなる。
また、シート33は、天井ボード20同士の隙間を通って、野縁13と天井ボード20の下面とを接続しているので、天井ボード20が野縁13から外れるのを抑制できる。
また、シート33を介して天井ボード20同士が互いに連結されるので、天井ボード20が野縁13から外れても、これら天井ボード20により天井下地の落下を受け止めることができる。また、余震が発生しても、軽量鉄骨下地10から吊り下がった天井ボード20が暴れたり、天井ボード20同士が衝突して割れて落下するのを防止できる。
(2)シート33を、4つの天井ボード20の角部が突き合わされた部分にのみ、これら4つの天井ボード20に跨がって設けた。よって、1枚のシート33でできる限り多くの天井ボード20を支持できることになり、施工コストを低減できる。
(3)天井ボード20および野縁13が一体となって野縁受け12から外れたり、天井ボード20、野縁13、および野縁受け12が一体となって吊りボルト11から外れたり、天井ボード20、野縁13、野縁受け12、および吊りボルト11が一体となって外れたりしても、野縁13が落下防止ワイヤ32に接続されているので、一体となった天井ボード20および野縁13、あるいは、一体となった天井ボード20、野縁13、および野縁受け12は、落下防止ワイヤ32によって所定高さまで落ちた状態で吊下げ支持されるので、床面まで落ちるのをより確実に防止できる。
また、構造体接続部31の長さ方向中央部を上部構造体40に固定するとともに、落下防止ワイヤ32を構造体接続部31の長さ方向端部に接続した。よって、天井ボード20および野縁13が一体となって野縁受け12から外れたり、天井ボード20、野縁13、および野縁受け12が一体となって吊りボルト11から外れたり、天井ボード20、野縁13、野縁受け12、および吊りボルト11が一体となって外れたりした場合、落下防止ワイヤ32が下方に引っ張られる。すると、構造体接続部31の端部が下方に引っ張られて、構造体接続部31は、中央部を支点としたが片持ち梁となって弾性変形し、この落下防止ワイヤ32による衝撃を吸収する。
このように構造体接続部31が弾性変形して衝撃を吸収することにより、構造体接続部31や落下防止ワイヤ32などの部材に必要な強度を抑えることができ、特別な材料を用いたり補強材で補強したりする必要がなくなる。また、ばね設計により構造体接続部31の変形量を制御することで、衝撃荷重をコントロールできるため、各部材31、32の強度設計を合理的に行うことができる。
(4)天井ボード20の下面は、塗装やクロスで仕上げを行うため、平滑性が要求されるが、本発明によれば、天井ボード20の下面にガラスクロスであるシート33のみが露出するので、天井ボード20の外観が平滑となり、天井仕上げの自由度が高まる。
〔第2実施形態〕
図10は、本発明の第2実施形態に係る天井構造1Aの天井見上げ図である。
本実施形態では、天井ボード20が割れて落下するのを防止するために、シート33を格子状に設けた点が、第1実施形態と異なる。
すなわち、シート33を帯状として、天井ボード20同士の突き合わされた全ての部分に設けるとともに、天井ボード20の長さ方向中央部にも設けている。
なお、シート33の格子のピッチは、必要に応じて適宜設定されてよい。格子のピッチを細かくするほど、天井ボード20や野縁13が落ちるのをより確実に防止できる。
本実施形態によれば、上述の(1)、(3)、(4)と同様の効果がある。
〔第3実施形態〕
図11は、本発明の第3実施形態に係る落下防止装置30Bの断面図である。
本実施形態では、落下防止ワイヤを設けず、シート33で構造体接続部31Bとダブル野縁13Bとを連結する点が、第1実施形態と異なる。
構造体接続部31Bは、側面視で略コの字形状の2つの組み合わせ部材50を組み合わせたものである。各組み合わせ部材50は、平板状の板ばねであり弾性変形可能な底部311と、この底部311の両端部に折り曲げ形成された壁部312と、を備える。
また、シート33は、帯状となっている。一対のシート33を重ねて、その後、これら一対のシート33を2つの組み合わせ部材50を組み合わせて、組み合わせ部材50同士をビス51で固定することで、一対のシート33は構造体接続部31Bに固定される。
また、各シート33は、余った部分を畳み込んで長さを調整した後、ダブル野縁13Bの壁部132にワッシャ52を通したビス53で固定される。
また、天井構造1の施工手順では、ステップS2において、天井裏空間の上部構造体40に構造体接続部31Bを取り付けて、この構造体接続部31Bからシート33を下方に垂らしておく。そして、ステップS3では、この垂らしたシート33の中間部分をダブル野縁13Bに取り付けて、天井裏空間の上部構造体40とダブル野縁13Bとをシート33で連結するとともに、このシート33の端部をダブル野縁13Bの下方に垂らしておく。
本実施形態によれば、上述の(1)〜(4)に加えて、以下のような効果がある。
(5)シート33で構造体接続部31Bとダブル野縁13Bとを連結したので、落下防止ワイヤが不要となるから、施工手間を軽減でき、低コストとなる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
上述の各実施形態では、構造体接続部31を鉄筋コンクリート造の上部構造体40に取り付けたが、例えば、鉄骨梁などの十分な強度を有する構造体に取り付けてもよい。
また、上述の各実施形態では、落下防止ワイヤ32を設けたが、これに限らず、ボードの落下防止のみを目的とする場合には、落下防止ワイヤを設けなくてもよい。
また、上述の各実施形態では、シート33をダブル野縁13Bに取り付けたが、これに限らず、シングル野縁13Aや野縁受け12に取り付けてもよい。
また、上述の各実施形態では、1つの構造体接続部31に4組の落下防止ワイヤ32およびシート33を接続したが、これに限らず、1つの構造体接続部31に3組以下あるいは5組以上の落下防止ワイヤ32およびシート33を接続してもよい。
また、上述の各実施形態では、各構造体接続部31を、天井ボード20の1つおきに設けたが、これに限らず、2つおきに設けてもよいし、千鳥状に設けてもよい。
また、上述の各実施形態では、構造体接続部31を、平板状の板ばねとしたが、これに限らず、コイルばねやトーションばねとしてもよい。
また、上述の各実施形態では、構造体接続部31を弾性変形可能としたが、これに限らず、落下防止ワイヤ32を弾性変形可能とし、構造体接続部31を弾性変形しない材料で形成してもよいし、また、構造体接続部31および落下防止ワイヤ32の両方を弾性変形しない材料で形成してもよい。
また、上述の各実施形態では、構造体接続部31を側面視で略コの字形状としたが、これに限らず、構造体接続部31の形状、材質、サイズ、板厚は特に限定されず、所定の加重に対して所定量だけ変形し、落下防止ワイヤ32を接続できればよい。
また、上述の各実施形態では、構造体接続部31をあと施工アンカー41で上部構造体40に取付けたが、これに限らず、埋め込みアンカーに取り付けてもよいし、上部構造体40にインサートを打ち込み、このインサートにボルト固定してもよい。また、構造体接続部31を鋼材に取り付ける場合には、溶接、打ち込みピン、ボルト接合で取り付けてもよく、要するに確実に固定できればよい。
また、落下防止ワイヤ32の材質、太さ、構成、撚り方は特に限定されず、JIS規格品でも、JIS規格外のものでもよい。
また、落下防止ワイヤ32の環状の部分の固定方法は、特に限定されず、スリーブでも編み込みでもよく、落下防止ワイヤ32の必要な強度を確保できればよい。
また、本実施形態では、落下防止ワイヤ32を環状にしてダブル野縁13Bの壁部132を貫通させたが、これに限らず、接続金具を介して留めつけてもよく、要するに落下防止ワイヤ32を確実に接続できればよい。
また、上述の各実施形態では、仕上げボード22を設けたが、これに限らず、仕上げボードを設けなくてもよい。
1、1A…天井構造、10…軽量鉄骨下地(天井下地)、11…吊りボルト
12…野縁受け、13…野縁(下地部材)、13A…シングル野縁、13B…ダブル野縁
20…天井ボード(天井材)、21…ビス、22…仕上げボード
30、30B…落下防止装置、31、31B…構造体接続部、32…落下防止ワイヤ(紐状部材)、33…シート(紐状部材)
40…上部構造体、41…あと施工アンカー
50…組み合わせ部材、51…ビス、52…ワッシャ、53…ビス
111…ハンガー、121…クリップ、131…野縁の底部、132…野縁の壁部
311…構造体接続部の底部、312…構造体接続部の壁部

Claims (4)

  1. 天井裏空間に設けられた天井下地と、当該天井下地に取り付けられる板状の天井材と、を備える天井構造であって、
    前記天井下地は、棒状の下地部材を備え、
    当該下地部材に上から被せられて前記天井材同士の隙間を通って下方に延びて、前記天井材の下面に貼り付けられたシートを備えることを特徴とする天井構造。
  2. 天井裏空間の上部構造体に取り付けられて平板状で弾性変形可能な構造体接続部と、
    当該構造体接続部から延びて前記下地部材の前記シートが設けられた部分に接続される紐状の紐状部材と、を備え、
    当該構造体接続部の長さ方向中央部は、前記上部構造体に固定され、
    前記紐状部材は、前記構造体接続部の長さ方向端部に接続されることを特徴とする請求項1に記載の天井構造。
  3. 天井裏空間に設けられた天井下地と、当該天井下地に取り付けられる板状の複数の天井材と、を備える天井構造の構築方法であって、
    前記天井下地として、棒状の下地部材を設ける工程と、
    当該下地部材にシートを上から被せて当該下地部材の下方に垂らす工程と、
    当該シートの下地部材の下方に垂れた部分を挟み込むように前記下地部材の下面に天井材を取り付ける工程と、
    前記天井材同士の間から露出したシートを当該天井材の表面に貼り付ける工程と、を備えることを特徴とする天井構造の構築方法。
  4. 天井裏空間に設けられた天井下地と、当該天井下地に取り付けられる板状の複数の天井材と、を備える天井構造の構築方法であって、
    前記天井下地として、棒状の下地部材を設ける工程と、
    前記天井裏空間の上部構造体と前記下地部材とを紐状の紐状部材で連結するとともに、当該下地部材にシートを取り付けて当該シートを下方に垂らす工程と、
    当該シートの下地部材の下方に垂れた部分を挟み込むように前記下地部材の下面に天井材を取り付ける工程と、
    前記天井材同士の間から露出したシートを当該天井材の表面に貼り付ける工程と、を備えることを特徴とする天井構造の構築方法。
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