JP2019190573A - 取付構造、及び取付方法 - Google Patents
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Abstract
Description
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、下地材に対してパネル材を取り付ける取付構造、及び取付方法に関する。
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
まず、本実施の形態に係る取付構造が適用される天井構造の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る取付構造が適用される天井構造を示す斜視図であり、図2は、天井構造の断面図であり、図3は、天井構造の一部の分解斜視図である。なお、図1においては、一部のパネル材が取り外された状態の天井構造1が図示されており、また、壁91の図示が省略されている。図2においては、天井構造1における壁91側の一部の断面が図示されており、ビス22は実際には見えない状態となっているが、説明の便宜上、実線で図示されている。図3においては、−X側の一部及び+X側の一部が破断された状態の天井構造1の一部が図示されている。
吊りボルト11は、天井構造1の各要素(例えば、野縁受け12等)を保持する保持手段である。この吊りボルト11の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、天井構造1の床スラブや梁等の主要構造体に設けられたインサートに、当該吊りボルト11の上端(+Z方向)が固定されて当該主要構造体から垂下している部材であり、また、棒状のものであり、また、金属製のものである。
野縁受け12は、天井構造1の各要素(例えば、野縁13等)を保持する保持手段である。この野縁受け12の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、図1に示すように、吊りボルト11の下端(−Z方向)に固定される公知の接合金物としてのいわゆるハンガーを介して固定する手法を含む任意の手法で固定される部材であり、また、水平方向において延在している棒状の部材であり、また、金属製のものである。なお、ハンガーを介して固定する手法は公知であるが、例えば、野縁受け12を挟持して支持するハンガーのフック部に当該野縁受け12を嵌め込むことにより、吊りボルト11の下端に固定されているハンガーにて野縁受け12が固定される。
野縁13は、下地材であり、具体的には、天井構造1の各要素(例えば、パネル材14等)を保持する保持手段である。この野縁13の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、図2に示すように、野縁受け12の下端(−Z方向)に設けられる部材であり、また、公知の固定手段としてのいわゆるクリップである固定具121を用いて野縁受け12に固定されるものであり、また、図1に示すように、水平方向において野縁受け12に対して直交して延在している棒状のものであり、また、金属製のものである。なお、クリップである固定具121を用いて固定する手法は公知であるが、例えば、図2の固定具121の下端(図2の図面左側に図示されている野縁13に至る部分)が任意の手法(例えば、具体的には不図示であるが、固定具121の下端が図3のコ字状の野縁13の両側面の間に配設された状態で当該野縁13の両側面に保持されて野縁13に取り付けられる手法等)で野縁13に取り付けられ、固定具121の上側のフック部(図2の図面上側に図示されているコ字状の部分)にて野縁受け12を保持することにより、野縁13が野縁受け12に固定される。
パネル材14は、野縁13に取付られる部材である。このパネル材14の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、図2に示すように、野縁13の下側(−Z方向)に取り付けられるものであり、また、図1に示すように、水平方向に広がる矩形の平板状のものであり、また、いわゆる石膏ボードとして構成されているものである。
取付構造2は、野縁13に対してパネル材14を取り付ける構造である。この取付構造2の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、図2に示すように、面ファスナー21、及びビス22を備える。
面ファスナー21は、前述の取付手段である。この面ファスナー21の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、野縁13とパネル材14との間に設けられるものであり、また、面接合するのであり、また、第1ファスナー211、及び第2ファスナー212を備えるものである。
第1ファスナー211は、例えば、野縁13の下側(−Z方向)の面の全体に任意の手法(例えば、粘着剤又は接着剤等を用いる手法等)で固定されるものであり、また、当該第1ファスナー211の野縁13とは反対側(−Z方向)の面に公知のループ構造が設けられているものである。
第2ファスナー212は、例えば、パネル材14の上側(+Z方向)の面における第1ファスナー211と対向する面全体に任意の手法(例えば、粘着剤又は接着剤等を用いる手法等)で固定されるものであり、また、当該第2ファスナー212のパネル材14とは反対側(+Z方向)の面に公知のフック構造であって、面接合するために前述のループ構造と係合するフック構造が設けられているものである。
ビス22は、前述の接合手段である。このビス22の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、野縁13及びパネル材14に加えて面ファスナー21にも点接合するものであり、図2及び図3に示すように、パネル材14の下側(−Z方向)から上側(+Z方向)に向かって打ち込まれるものであり、また、不図示ではあるが、図1の野縁13が延在する方向(X軸方向)に沿って所定間隔毎に設けられる複数のものである。なお、ここでのビス22を設ける「所定間隔」の実際の距離は任意であるが、例えば、前述の面ファスナー21と共にビス22を用いることができるので、面ファスナー21を用いない従来の場合に比べて、より長い距離を設定することが可能となる。すなわち、ビス22の個数を従来よりも低減することが可能となる。
次に、このようにして構成された天井構造1の施工手法について説明する。なお、天井構造1における吊りボルト11、野縁受け12、及び野縁13の施工手法としては、従来と同様な手法を用いることができるので、これらの施工手法については概略を説明し、また、野縁13に対してパネル材14を取り付ける施工手法である取付手法については、詳細を説明する。
次に、地震等の任意の原因により天井構造1が設けられている建物が揺れた場合の、当該揺れによる力の伝達について説明する。ここでは、例えば、揺れが発生した場合、図2の天井構造1が揺れて、パネル材14が壁91に衝突してすることがあるが、この場合、当該衝突によって発生する水平方向の力は、第1ファスナー211及び第2ファスナー212の相互に面接合している部分に分散させることになるので、ビス22に付加されるせん断力(つまり、前述の水平方向の力のうちの一部の力)が減少することになる。このために、ビス22自体の損傷が引き起こされる可能性を低減することができ、また、パネル材14又は野縁13おけるビス22の周辺の部分の損傷が引き起こされる可能性を低減することができる。また、仮に、パネル材14又は野縁13おけるビス22の周辺の部分の損傷が引き起こされて、ビス22の頭抜けが引き起こされたとしても、パネル材14は野縁13に対して面ファスナー21にて固定された状態となっているので、当該パネル材14が落下することを防止して安全性を確保することが可能となる。
本実施の形態によれば、野縁13とパネル材14との間に設けられて、野縁13に対してパネル材14を取り付ける面ファスナー21を備えることにより、例えば、ビス22による点接合に加えて面ファスナー21による面接合にて野縁13に対してパネル材14を取り付けることができるので、野縁13に対してパネル材14を確実に固定することが可能となる。特に、例えば、地震等の影響でビス22側にせん断力が付与されることにより、ビス22がゆるんだとしても(例えば、ビスの頭抜け等が引き起こされたとしても)、面ファスナー21にてパネル材14を野縁13に対して固定することができるので、野縁13に対してパネル材14を確実に固定することが可能となる。また、例えば、野縁13とパネル材14との間に設けられる面ファスナー21を用いることにより、面ファスナー21のオス面であるフック構造が設けられている面とメス面であるループ構造体が設けられている面との間の相互間の係合の柔軟性により、野縁13とパネル材14との相互間の水平相対変位に対して面ファスナー21の係合を追従させて維持することができるので、野縁13に対するパネル材14の固定を維持することが可能となる。また、例えば、面ファスナー21が野縁13とパネル材14との相互間に設けられているので、視認不可能に隠蔽することができるので、パネル材14が設けられている空間(例えば、建物の室内空間等)の意匠性を維持することが可能となる。また、例えば、従来は接合手段(一例としては、ビス等)のみで負担していた水平力と鉛直力を、本願においては、当該接合手段であるビス22及び面ファスナー21それぞれに割り振ることができるため、ビス22の頭抜けでパネル材14が落下する恐れを緩和することが可能となる。また、例えば、前述の水平力及び鉛直力を、ビス22及び面ファスナー21それぞれに割り振ることができるため、地震時の短期荷重から解放されたあるビス22を、長期荷重の負担に専念させることがきるので、ビス22の打ち付け本数を減らすことが可能となる。
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏したりすることがある。
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値(個数)、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
また、接合手段を、面ファスナーが設けられていない位置において、下地材及びパネル材に点接合してもよい。図4は、天井構造の断面図である。なお、図4においては、図2の天井構造1の取付構造2を取付構造2aに変更した天井構造1aの断面図である。
付記1の取付構造は、下地材に対してパネル材を取り付ける取付構造であって、前記下地材と前記パネル材との間に設けられて、前記下地材に対して前記パネル材を取り付ける取付手段と、前記下地材及び前記パネル材に点接合して、前記下地材に対して前記パネル材を取り付ける接合手段と、を備え、前記取付手段は、面ファスナーである。
付記1に記載の取付構造によれば、下地材とパネル材との間に設けられて、下地材に対してパネル材を取り付ける面ファスナーを備えることにより、例えば、接合手段による点接合に加えて面ファスナーによる面接合にて下地材に対してパネル材を取り付けることができるので、下地材に対してパネル材を確実に固定することが可能となる。特に、例えば、地震等の影響で接合手段側にせん断力が付与されることにより、接合手段がゆるんだとしても(例えば、ビスの頭抜け等が引き起こされたとしても)、面ファスナーにてパネル材を下地材に対して固定することができるので、下地材に対してパネル材を確実に固定することが可能となる。また、例えば、下地材とパネル材との間に設けられる取付手段として面ファスナーを用いることにより、面ファスナーのオス面とメス面との間の相互間の係合の柔軟性により、下地材とパネル材との相互間の水平相対変位に対して面ファスナーの係合を追従させて維持することができるので、下地材に対するパネル材の固定を維持することが可能となる。また、例えば、面ファスナーが下地材とパネル材との相互間に設けられているので、視認不可能に隠蔽することができるので、パネル材が設けられている空間(例えば、建物の室内空間等)の意匠性を維持することが可能となる。また、例えば、従来は接合手段(一例としては、ビス等)のみで負担していた水平力と鉛直力を、本願においては、当該接合手段及び面ファスナーそれぞれに割り振ることができるため、接合手段であるビスの頭抜けでパネル材が落下する恐れを緩和することが可能となる。また、例えば、前述の水平力及び鉛直力を、接合手段及び面ファスナーそれぞれに割り振ることができるため、地震時の短期荷重から解放された接合手段を、長期荷重の負担に専念させることがきるので、接合手段の打ち付け本数を減らすことが可能となる。
1a 天井構造
2 取付構造
2a 取付構造
11 吊りボルト
12 野縁受け
13 野縁
14 パネル材
21 面ファスナー
22 ビス
91 壁
92 隙間
121 固定具
211 第1ファスナー
211a 第1ファスナー
212 第2ファスナー
212a 第2ファスナー
Claims (4)
- 下地材に対してパネル材を取り付ける取付構造であって、
前記下地材と前記パネル材との間に設けられて、前記下地材に対して前記パネル材を取り付ける取付手段と、
前記下地材及び前記パネル材に点接合して、前記下地材に対して前記パネル材を取り付ける接合手段と、を備え、
前記取付手段は、面ファスナーである、
取付構造。 - 前記接合手段は、前記下地材及び前記パネル材に加えて前記面ファスナーにも点接合する、
請求項1に記載の取付構造。 - 前記面ファスナーは、前記下地材と前記パネル材との間の一部に設けられており、
前記接合手段は、前記面ファスナーが設けられていない位置において、前記下地材及び前記パネル材に点接合する、
請求項1に記載の取付構造。 - 面ファスナーの第1面が取り付けられている下地材に対して、前記面ファスナーの第2面であって前記第1面と係合する前記第2面が取り付けられているパネル材を取り付ける取付方法であって、
前記第2面を前記第1面に係合させることにより、前記下地材に対して前記パネル材を仮止めする仮止めステップと、
前記パネル材及び前記下地材に接合手段を点接合することにより、前記下地材に対して前記パネル材を取り付ける取付ステップと、
を含む取付方法。
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