JP2016056672A - 吊天井下地組等野縁材の吊金物付緊結接合金物 - Google Patents

吊天井下地組等野縁材の吊金物付緊結接合金物 Download PDF

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Abstract

【課題】 平滑な段差の無い平滑強固な天井下地等野縁組を簡便に作ることを可能にする。
【解決手段】 下地組等野縁材の交点に集合する夫々の野縁材の上部から接合金物を被せるか、端部開口、底部開口から挿入し支持板側面からビス、釘等で緊結固定し、専用吊金物にて横架材に固定して横架材との間の隙間を確保し平滑な天井下地等の野縁組を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、木造建築物及び天井が存在する建築物の吊天井を構成する天井下地材組みの吊り下げ工法に用いられる野縁材の接合に用いる吊天井下地組等野縁材(以降野縁材と云う)の緊結接合金物(以降接合金物と云う)に関する。
従来、吊天井は天井懐と称し在来軸組工法建築物等天井裏の存在する建築物には殆ど必要とされなかったが、昨今の建築物にあっては高さ制限等によりその最高高さの制限が建築基準法により定められ高さが取れない建築物も多い、その影響が二階建建築物等比較的低層複層階の建築物の床高等にまで及んでいる。
昨今の建築物は上述する高さ制限、低コスト化の影響により横架材等の構造材に直接床用構造用面材や厚床材を直張りする根太レス工法と称する施工法が主流となっている。
上記構造、工法により天井裏に空間を構成することが難しく、更に梁等横架材下面に天井面材を張り上げるため床面材と天井面材を皮とし、横架材を胴とした太鼓状態となり防振、防音処理や振動伝達を遮断する工法を採用しない限り上階床面で発生した音の共鳴や直接床面で発生した振動を低減させることが難しく下階天井面に伝搬している。
多くの吊天井金物はその伝搬を遮断する目的から樹脂製のワッシャーや樹脂等を野縁材と吊金物の接合部に設け振動音の伝搬等の低減を図っているがその効果は限定的である。
上述の如く、従来の吊天上井金物では水平を保ちながら各々の部材を接合し交差部を構成するには斜め釘打ち、斜めビス留等が必要で熟練した技術が要求される。
又、その施工は高所で上を向いた状態での作業であり正確簡便強固な施工を行うにはビス、釘等の斜め打ちは不向きである。
現在他形状の吊天井用野縁吊金物が用いられ施工されているが吊天井の多くは、野縁材の交差部に用い野縁材を接合し吊るすものでは無く、ただ単に長尺野縁材を吊るし横架材と天井野縁材の間に任意の隙間寸法を確保するために用いられているもので野縁材交差接合部に配置される野縁材同士の接合は斜め釘打ちや斜めビス留の不安定不確実な施工に頼っている。
又、野縁材の下面(天井面材の裏側)は天井面材が直接張られる部位であり野縁材同士の接合による接合部の段差は面材等の施工をする場合には甚だ不都合で照明等による影を想定すると天井面材は不陸無く平滑面が構成されなければならない。
本発明はこのような点を鑑みなされたもので、その目的は従来の施工よりも簡便且つ正確な施工により短時間に野縁材接合部の強度と野縁材同士の平滑精度を簡便に確保し天井の高強度化と吊天井として上階横架材との隙間を維持し上階からの衝撃音等を間接的に受け低減することにある。
接合金物両側の側面部の野縁材支持板中央部に野縁材を支持する単片の支持板を形成するため左右両側外側に向け左右対称に野縁材幅の支持板を切り出し、一辺の支持板を片側一方は長くその反対片側は短くして左右両外側に90度折曲げ、長い板金片は支持板としてビス孔を開け、短い板金片は転止板とした。
野縁材は長い支持板からビス等により接合金物と緊結して向側の転止板は野縁材と天井面材の荷重等による支持板の転びを防止する転止板として具えたものである。
これにより長尺材(主材野縁材)、短尺材の優先施工順位等の制約が無くなり全ての釘、ビス等が支持板の外側から打たれ接合金物を介し交点に集合する全ての野縁材が緊結接合され高精度且つ簡便短時間に施工することができる。
上述の目的を達成する本発明の吊天井野縁材の接合金物は板金の折曲により形成され、大まかには所定の長さのコの字型加工をした板金の支持板の中央部を野縁材の幅分切り開き、その部分を90度外側に向け長辺と短辺に切分け折曲したもので、接合金物と吊金物により横架材との間に空間を設けたり、天井面の高さを調節したり、野縁材交差部に四方向から集合する野縁材を効率良く簡便に緊結接合することができるようにしたものである。
一例として、野縁材は長尺材が短尺材に先行して取り付けられ野縁材全体の高さ、底面位置の基準となり横架材下部に並行した状態に取り付けられることが多く野縁材の水平の基準とされる。
梁間方向の短辺方向を優先して長尺材を取り付けその長尺材間に短尺材を挿入して野縁組を構成することが一般的であるが、その配置方向については横架材から吊るすため接合金物を使用することにより野縁材の長短とは無関係に野縁組を構成でき、この接合金物は野縁組交差部に被せ接合するため床上で組む場合後付け施工で交差部を構成できる。
又、交差部に集合する野縁材同士を緊結接合するには、闇雲に既設野縁材に後設野縁材を突きつけ接合すれば良いのではなく野縁材同士の下端は段差なく接合しなければならない、この作業を行うには片手で後設野縁材を押えながら、もう一方の手で工具やビス、釘を持っての作業となる。
この不安定な作業を安定的に高精度且つ簡便に行うため仮留のための半円形突起を支持板内側に設けその先端にビス、釘で本留するための孔を開け、仮留から本留の作業がスムーズに高精度且つ簡便に行えるようにした。
以上説明したように本発明によれば、天井下地組等に用いる野縁材は長短材とも同一寸法断面の部材が用いられることが多く先行して取り付けられている長尺野縁材(主材野縁材)に短尺野縁材の下端を合わせることで野縁材同士を不陸なく水平に組むことが可能となり野縁材の正確施工と施工時間の短縮、以後の施工に寄与し野縁材等接合部の高強度化は住宅等建物の安全性の向上に資する。
又、接合金物天端裏面は接合金物天端を吊金物の厚さ分しぼり上方に突出させ、吊金物が挿入されても平且なため天端裏面に野縁材の天端を押し当て施工することにより野縁材の取り付け高さと水平の基準となる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1〜図6は本発明の実施の形態に係り、図1は接合金物に野縁材を取り付け横架材から吊り下げた状態を示す部分断面斜視図、図2は横架材から吊り下げた状態を示す縦断面図、図3は交差部に集合する野縁材の斜視図、図4は接合金物の外観斜視図、図5は接合金物を吊り下げる吊り下げ金物斜視図、図6は仮留突起を持つ支持板の斜視図である。
図1に示すように接合金物Aは主材野縁材1を支持板Fと対角向い合わせ外側に折曲し成形した支持板Eからビス等により取り付けられている。
この取り付け状態は主材である野縁材1が支持板FとEとの間を貫通しているため若干の距離をおいて対角斜め両側から取り付けられており野縁材1を回転させ支持板E,Fを捩る様な力等は生じない。
また、直交する短尺野縁材2と3は両側の支持板aとbからビスqにて接合金物Aと接合されているため回転等は生じない。
然しながら、短尺野縁材が上記とは反対に支持板EとFに接合されている場合には、片側の支持板EとFからの接合になるため荷重が掛ると支持板EとFの支持板側とは反対側前方に回転力が生じ垂れ下がる可能性がある。
この前方へ回転し垂れ下がりを防止するため僅かな面積ながら転止板e、fを設けている。
この転止板は野縁材2と3が支持板EとFに固定され、仕上げ材等の荷重を負担した場合に生じる前方へ回転させ捩る様な力を低減し支持板EとFの前方への垂れ下がりを防止することができる。
この回転力を低減する転止板eとfは支持板aとbの中央部の一部を野縁材の幅分左右に切り出され成形されたもので、その長さを転止板側eとfは短く、支持板側E,Fを長く不等分に分けて向い合わせ互いに同一方向外側に折曲し成形したものである。
転止板eとfはその部分に短尺野縁材を取り付けた場合に天井面材等の荷重が掛るとその荷重は野縁材を互いの前方に回転させ支持板EとFを捩るような形で前方に脱落させるような力として作用するが、転止板eとfが面として抵抗するため短尺野縁材2と3はこの転止板e、f面で拘束されるため荷重による回転力を打ち消すことができる。
また、長尺野縁材1がこの支持板aとbの間に貫通して挿入された場合には支持板aとbからのビス、釘等qの留めつけにより長尺野縁材1はAの支持板aとbの両面から拘束されている。
これとは反対に直交する短尺野縁材は支持板Eと転止板e、支持板Fと転止板fが両側から挟み込むため脱落することが無く夫々の支持板EとFからのビス、釘等qのせん断耐力によりその位置が保持され夫々の野縁材同士が緊結される。
接合金物Aの天端Tには接合金物Aによって組まれた野縁材1、2、3を横架材4から吊るすための吊金物挿入孔であると角孔Hとその周囲四か所に吊金物の固定片kと同幅のスリット状の固定孔h1,h2,h3,h4を設けている。
この吊金物Kから折曲げられ水平に伸びた固定片kは吊金物Kが挿入孔Hに挿入されると同時にこの四か所のスリット状の固定孔h1、h2、h3、h4、の何れかの孔に進入し接合金物Aと吊金物Kを固定し同時に三か所の固定片k1、k2、k4によってガタツキ無く固定される。
吊金物Kが挿入される挿入孔及び固定片kの挿入孔部分底部は接合金物の天端底部を平坦に保つため接合金物天端底部を天端に向け突出させている。
この固定片kは野縁材が接合金物Aの支持板Eと転止板eの間、又は支持板Fと転止板fの間に挿入されると荷重により固定片kの吊金物Kの水平に伸びた部分jは下方に向って開こうとするが野縁材1の天端が固定片kと密着しているためその力は阻害されそれ以上働かず、開くことができない、更に固定片kの接合金物Aの天端Tより突出した部分のkをAの天端Tで水平に折曲げることにより安定的に接合金物と吊金物は固定状態を保つことができる。
野縁材は施工者が使い慣れた寸法の野縁材を使用することが多いが、規格化された寸法の野縁材を使用することにより高精度に安定した平滑さを必要とされる部位に施工できる。接合ビスや釘等の長さも決まるため施工工具も多く必要無く、床面等平滑な場所が有る等その場の状況によっては接合部が固められているため吊あげる際に変形が少ないため野縁材を床面に並べ地組等で格子上に野縁組を組み上げ構成することもできる。
更に野縁材交点に集合する野縁材で短尺野縁材を接合する場合に仮留突起p部分を接合金物Aの支持板a,bの外側からプライヤー等の工具で挟み込めば簡単に仮留でき、ビス、釘等をビス、釘孔mから打ち込めばそのままで本留することができる。
以上、本発明の実施の形態及び実施例を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、例えば木材を使用した照明の器具シェードに使用したりすることもできるため、その状況に応じ適宜選択されるものである。
産業上の利用の可能性
本発明は接合金物を製造する分野、建築施工を行う分野、内装工事等を行う分野等で利用することができる。
本発明第1の実施の形態に係る野縁材交点の接合状態と横架材の関係を示す斜視図である。 野縁材接合部と横架材との関係を示す縦断面図である。 交点に集合する野縁材である。 接合金物斜視図である。 支持板に設けた仮止めと本留め兼用ビス孔付突起と支持板の関係を示す斜視図である。 吊金物斜視図である。
1 長尺野縁材
2,3 短尺野縁材
4 横架材
A 接合金物
E 支持板
F 支持板
H 吊金物挿入孔
K 吊金物
Q 天端突出部分
T 接合金物天端
a,b 支持板
e,f 転止板
h1,h2,h3,h4
j 吊金物固定片水平部分
k1,k2,k3,k4 吊金物固定片
m ビス、釘孔
p 仮留突起
q 固定ビス、釘等
s 取付け調整孔
t 取付け調整ビス

Claims (5)

  1. 天井仕上げ面等の下地組となる野縁材等下地組みの交点に取り付け直交する野縁材同志を緊結接合し一体化し横架材等から吊り下げる野縁材等下地組の緊結接合金物で、
    交点部に直交し集合する仕口を持たない天井等下地組の野縁材の交点上部から被せるか底部開口、端部開口から差し込まれた野縁材を挟み込み掴みあげることを特徴とする天井下地組等野縁材の緊結接合金物。
  2. コの字型溝形状板金の折下げた両側の壁を支持板としその両側の支持板中央部左右同位置から野縁材と同幅に切り出し90度外側に折曲げられた支持板と対角位置に存在する支持板とその各々の向い側に前方への垂れ下がりを防止する転止板を具えたことを特徴とする請求項1記載の天井下地組等野縁材の緊結接合金物。
  3. 接合金物天端裏面を基準面にして主材野縁材を押し当て後設野縁材の底面を既設野縁材の底面に合わせ接合金物側面から釘、ビス留めにより自然の内に段差無く水平十字に野縁材が組まれ無段差に緊結接合できることを特徴とする請求項2記載の天井下地組等野縁材の緊結接合金物。
  4. 野縁材同士の接合を行うため、先端中心部に仮留固定孔付突起を支持板内側に突出させその支持板外側両側から挟み込み突起を野縁材に打ち込み野縁材を挟持するビス孔付仮留突起とビス、釘を用いる本留固定孔を兼用したことを特徴とする請求項3記載の天井下地組等野縁材の緊結接合金物。
  5. 天端中央部に角型溝形状の吊金物を挿入する正角吊り下げ金物挿入孔とその周囲四か所に固定用突起片挿入孔を設け吊り下げ金物の突起片を挿入孔から突出させその先端を外側方向に折曲し吊り下げ金物を固定することを特徴とする請求項4記載の天井下地組等野縁材の緊結接合金物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021095729A (ja) * 2019-12-17 2021-06-24 株式会社加美家 連結金具および天井下地
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