JP6796388B2 - 天井材落下防止構造 - Google Patents
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Description
すなわち、この例では、同図1Aに示すように、落下防止構造として、天井板25’から下方の離れた位置に防護ネット31’が配置されており、また、同防護ネット31’の周縁部31e’が、その側方に位置する既存建物1’の壁部15’,15’に連結されることによって、同防護ネット31’は支持されている。そして、図1Bに示すように天井材22’が破損等して落下した際には、落下する同天井材22’を防護ネット31’で受け止める。
上部構造体の下方に配された天井材の落下を防止する天井材落下防止構造であって、
前記天井材が有する天井板の下方に位置しつつ前記天井板に固定された補強用面材と、
前記補強用面材の下面における所定領域を囲むように前記補強用面材の下方に位置しつつ前記補強用面材に固定された補強用帯材と、
前記天井板、前記補強用面材、及び前記補強用帯材を上下方向に貫通して設けられ、前記補強用帯材を前記上部構造体に連結する連結部材と、を有し、
前記天井板の下面に沿った所定方向に複数の前記補強用面材が並んで配置されているとともに、前記複数の前記補強用面材のうちで前記所定方向に隣り合う補強用面材同士は、面材用重ね継手部を介して接続されており、
前記所定方向に沿って複数の補強用帯材が並んで配置されているとともに、前記複数の補強用帯材のうちで前記所定方向に隣り合う補強用帯材同士は、帯材用重ね継手部を介して接続されており、
前記面材用重ね継手部の位置と前記帯材用重ね継手部の位置とは、前記所定方向に関してずれていることを特徴とする天井材落下防止構造である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
上部構造体の下方に配された天井材の落下を防止する天井材落下防止構造であって、
前記天井材が有する天井板の下方に位置しつつ前記天井板に固定された補強用面材と、
前記補強用面材の下面における所定領域を囲むように前記補強用面材の下方に位置しつつ前記補強用面材に固定された補強用帯材と、
前記天井板、前記補強用面材、及び前記補強用帯材を上下方向に貫通して設けられ、前記補強用帯材を前記上部構造体に連結する連結部材と、を有することを特徴とする天井材落下防止構造である。
また、受け止めた際には、補強用面材に作用する天井材の自重に基づいて同補強用面材は下方に撓むが、この撓む際に生じる水平方向の内側の力には上記天井材の天井板の高い耐圧縮性で対抗することができる。よって、補強用面材が水平方向の内側へ移動してしまうことを抑制することができて、その結果、水平方向の広い範囲で補強用面材は天井材を受け止め可能となる。
更に、補強用面材には補強用帯材が固定されている。よって、この補強用帯材による補強用面材の補強効果に基づいて、補強用面材の下方の撓みを抑制することができる。そして、これにより、水平方向に隣り合う連結部材同士の間の水平方向の間隔を大きくすることができて、その結果、連結部材の設置数の削減を図れる。
前記連結部材は、前記補強用帯材の下面に対向しつつ当該下面に固定された面状部材を有するのが望ましい。
前記天井板の下面に沿った所定方向に複数の前記補強用面材が並んで配置されているとともに、前記複数の前記補強用面材のうちで前記所定方向に隣り合う補強用面材同士は、面材用重ね継手部を介して接続されており、
前記所定方向に沿って複数の補強用帯材が並んで配置されているとともに、前記複数の補強用帯材のうちで前記所定方向に隣り合う補強用帯材同士は、帯材用重ね継手部を介して接続されており、
前記面材用重ね継手部の位置と前記帯材用重ね継手部の位置とは、前記所定方向に関してずれているのが望ましい。
前記面材用重ね継手部の平面位置及び前記帯材用重ね継手部の平面位置は、それぞれ、前記連結部材の平面位置とずれているのが望ましい。
前記天井板と前記補強用面材とは、エポキシ樹脂又はアクリル樹脂のうちの少なくとも一方で接着されており、
前記補強用面材と前記補強用帯材とは、エポキシ樹脂で接着されているのが望ましい。
前記天井板、前記補強用面材、及び前記補強用帯材は、前記天井板の側方に位置する壁部と接続されていないのが望ましい。
前記補強用面材の上面において前記補強用帯材が下方に位置する部分では、第1接着剤で前記補強用面材と前記天井板とが接着されており、
前記補強用面材の前記上面において前記第1接着剤が存在しない部分では、第2接着剤で前記補強用面材と前記天井板とが接着されており、
前記補強用面材と前記補強用帯材とは、前記第1接着剤で接着されており、
前記第1接着剤の接着強度は、前記第2接着剤の接着強度よりも高いのが望ましい。
図3乃至図5は、本実施形態の天井材落下防止構造30の説明図である。図3は、天井材落下防止構造30を側方から見た概略断面図である。また、図4は、図3中のIV−IV矢視図であり、つまり、天井材落下防止構造30の概略下面図である。更に、図5は、図3中のV部の概略拡大図である。なお、図3乃至図5の何れの図でも、野縁受けや野縁等の一部の部材を不図示としている。
また、同連結部材50は、図3に示すように、鉄骨屋根10の鉄骨梁等に吊下されて下方に延びていて、天井板25、補強用面材31、及び補強用帯材41を貫通し、そして、同連結部材50の下端50edが補強用帯材41の下面に固定されている。詳しくは、図3及び図5に示すように、連結部材50は、鉄骨屋根10の鉄骨梁等に係止されて下方に延びた鋼製のワイヤー51と、補強用帯材41の下方に配されて補強用帯材41の下面にエポキシ樹脂等の接着剤で固定されて上記の下端50edをなす鋼製円板58(面状部材に相当)と、この鋼製円板58を上記ワイヤー51の下端のループ状部分51Lに接続する接続部材53と、を有している。そして、図5に示すように、この例では、当該接続部材53は、鋼製円板58の上面に立設状態に溶接等で固定されたボルト53bと、ナット53nと、アイボルト形状の鋼材53ibと、シャックル53sと、を有している。よって、鋼製円板58の上面の上記ボルト53bが、天井板25、補強用面材31、及び補強用帯材41のそれぞれに対して上下方向に沿って形成された貫通孔に下方から通されるとともに、天井板25から上方に突出する同ボルト53bの上端部の雄ねじに上記ナット53nが螺合され、そして、同ナット53nの上部に上記アイボルト形状の鋼材53ibの下部の雄ねじが螺合され、更に、同アイボルト形状の鋼材53ibの上部のリング部53ibrと上記ワイヤー51の下端のループ状部分51Lとが上記シャックル53sで連結されることにより、上記ワイヤー51と上記鋼製円板58とが接続されている。
地震時に上下方向荷重が天井板25に作用して図6のように天井板25が下方に若干撓むと、同板25には曲げ応力が発生する。そして、この曲げ応力に起因して天井板25の上端には略水平方向に圧縮力Fpが発生するが、ここで、天井板25たるモルタル板の耐圧縮性は高い。よって、この圧縮力Fpについては天井板25で対抗することができる。一方、同じく曲げ応力に起因して天井板25の下端には略水平方向に引張力Ftが発生するが、この引張力Ftには、耐引っ張り性の高い補強用面材31及び補強用帯材41が対抗する。よって、耐引っ張り性の低いモルタル板たる天井板25の破損は効果的に防止される。すなわち、補強用面材31及び補強用帯材41による天井板25の補強効果が発揮される。
地震時に、天井板25等の天井材と、その近傍の設備類やキャットウオーク等とが衝突等して天井材が破損した場合には、吊りボルト21や野縁受け、野縁などで天井板25を支持不能になるが、そうすると、天井板25の自重等の上下方向荷重を補強用面材31が受けることになる。そして、この受けた荷重は、速やかに補強用帯材41及び連結部材50を介して鉄骨屋根10に伝達されて、これにより、同天井板25を支持することができる。よって、天井板25等の天井材の落下を防止することができる。
そして、このようになっていれば、これら重ね継手部31j,41jという比較的低強度の部分を前後方向に分散配置することができて、これにより、これら重ね継手部31j,41jでの破損を有効に防ぐことができる。
そして、このようになっていれば、比較的大きな鉛直力が作用し得る連結部材50から各重ね継手部31j,41jを離すことができて、これにより、当該鉛直力が各重ね継手部31j,41jに直接入力されることを防ぐことができる。よって、これら各重ね継手部31j,41jでの破損を有効に防ぐことができる。
例えば、鋼製円板58が埋設されるような厚さで、ガラス繊維ネット31の下面、アラミド繊維シート41の下面、及び鋼製円板58の下面にそれぞれアクリル樹脂等の樹脂材を塗布して、平滑な下面を形成する。そして、この平滑な下面に対してストーン調等の適宜な色で塗装をすることにより、当該下面の見栄えを良好にしても良い。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更や改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれるのはいうまでもない。例えば、以下に示すような変形が可能である。
15 既存壁部、
20 天井、
21 吊りボルト、
25 天井板、25d 破損部、25nd 未破損部、
30 天井材落下防止構造、30d 下面、
31 補強用面材、31j 面材用重ね継手部、
41 補強用帯材(前後帯材、左右帯材)、41j 帯材用重ね継手部、
50 連結部材、50ed 下端、
51 ワイヤー、51L ループ状部分、
53 接続部材、53b ボルト、53ib アイボルト形状の鋼材、53ibr リング部、
53n ナット、53s シャックル、54 ナット、
58 鋼製円板(面状部材)、
A41 矩形領域(所定領域)、SP 空間、
Claims (6)
- 上部構造体の下方に配された天井材の落下を防止する天井材落下防止構造であって、
前記天井材が有する天井板の下方に位置しつつ前記天井板に固定された補強用面材と、
前記補強用面材の下面における所定領域を囲むように前記補強用面材の下方に位置しつつ前記補強用面材に固定された補強用帯材と、
前記天井板、前記補強用面材、及び前記補強用帯材を上下方向に貫通して設けられ、前記補強用帯材を前記上部構造体に連結する連結部材と、を有し、
前記天井板の下面に沿った所定方向に複数の前記補強用面材が並んで配置されているとともに、前記複数の前記補強用面材のうちで前記所定方向に隣り合う補強用面材同士は、面材用重ね継手部を介して接続されており、
前記所定方向に沿って複数の補強用帯材が並んで配置されているとともに、前記複数の補強用帯材のうちで前記所定方向に隣り合う補強用帯材同士は、帯材用重ね継手部を介して接続されており、
前記面材用重ね継手部の位置と前記帯材用重ね継手部の位置とは、前記所定方向に関してずれていることを特徴とする天井材落下防止構造。 - 請求項1に記載の天井材落下防止構造であって、
前記連結部材は、前記補強用帯材の下面に対向しつつ当該下面に固定された面状部材を有することを特徴とする天井材落下防止構造。 - 請求項1又は2に記載の天井材落下防止構造であって、
前記面材用重ね継手部の平面位置及び前記帯材用重ね継手部の平面位置は、それぞれ、前記連結部材の平面位置とずれていることを特徴とする天井材落下防止構造。 - 請求項1乃至3の何れかに記載の天井材落下防止構造であって、
前記天井板と前記補強用面材とは、エポキシ樹脂又はアクリル樹脂のうちの少なくとも一方で接着されており、
前記補強用面材と前記補強用帯材とは、エポキシ樹脂で接着されていることを特徴とする天井材落下防止構造。 - 請求項1乃至4の何れかに記載の天井材落下防止構造であって、
前記天井板、前記補強用面材、及び前記補強用帯材は、前記天井板の側方に位置する壁部と接続されていないことを特徴とする天井材落下防止構造。 - 請求項1乃至5の何れかに記載の天井材落下防止構造であって、
前記補強用面材の上面において前記補強用帯材が下方に位置する部分では、第1接着剤で前記補強用面材と前記天井板とが接着されており、
前記補強用面材の前記上面において前記第1接着剤が存在しない部分では、第2接着剤で前記補強用面材と前記天井板とが接着されており、
前記補強用面材と前記補強用帯材とは、前記第1接着剤で接着されており、
前記第1接着剤の接着強度は、前記第2接着剤の接着強度よりも高いことを特徴とする天井材落下防止構造。
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