JP2018109341A - 天井パネル - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、下記特許文献1には、ロックウール繊維からなる天井板が開示されている。
なお、以下の各実施形態では、各実施形態に係る天井パネルを施工した状態を基準として上下方向等の方向を説明する。
図1及び図2は、第1実施形態に係る天井パネルの一例を模式的に示す図である。
また、この天井パネル1は、適宜の天井下地2に保持(固定)される。このような天井下地2としては、木造天井下地でもよく、鋼製天井下地でもよい。また、天井下地2を、軽鉄材を用いたいわゆる軽天下地としてもよい。また、天井下地2としては、吊木や吊ボルト等の吊部材を用いたいわゆる吊天井の野縁等に限られず、種々の構成とされたものでもよい。
また、天井パネル1の質量(単位面積(1m2)当たりの質量)は、好ましくは、1.5kg/m2以下としてもよく、より好ましくは、1.0kg/m2以下としてもよい。また、この天井パネル1の質量を、上記のような軽天下地からなる天井下地2を含んだ天井システム全体の質量が2.0kg/m2以下となるような質量としてもよい。
また、天井パネル1は、本実施形態では、凹凸繊維強化樹脂層15が天井下地2側に配され、平板状繊維強化樹脂層13が室内側に配される構成とされている。
平板状繊維強化樹脂層13は、薄平板状(シート状)とされ、繊維シート14に未硬化の樹脂組成物が含浸されて樹脂組成物が硬化した構成とされている。この平板状繊維強化樹脂層13の厚さは、凹凸繊維強化樹脂層15の厚さよりも小とされている。この平板状繊維強化樹脂層13の厚さは、例えば、0.1mm〜1.0mm程度でもよく、好ましくは0.2mm〜0.5mm程度でもよい。
繊維シート14の目付としては、例えば、100g/m2以上700g/m2以下の範囲が例示され、好ましくは150g/m2以上としてもよい。これによれば、平板状繊維強化樹脂層13に適度な強度を付与することが可能でありながらも、軽量化を図ることができる。
また、繊維シート14としては、上記のような目付範囲となるように複数枚のガラス繊維の織布、不織布またはマット(ガラス繊維シート)を積層したものや、ガラス繊維シートと、植物繊維の織布、不織布、フィルム、紙またはマットと、が積層されたものでもよい。植物繊維としては、植物繊維マットや製紙に用いられる植物繊維であれば特に限定されないが、繊維シート14の強度や耐久性、寸法安定性等を考慮すると、麻系天然繊維、ヤシ繊維または農産廃棄物繊維のいずれか1種以上であることが好ましい。
例えば、この樹脂組成物の樹脂主成分としては、ウレタン(ポリウレタン)樹脂やフェノール樹脂等の種々の熱硬化性樹脂を単独または2種類以上を併用したものが例示されるが、本実施形態では、ポリウレタン樹脂としている。また、このようなポリウレタン樹脂としては、耐水性を有したエーテル系やひまし油系のポリウレタン樹脂が好ましく例示される。なお、樹脂組成物には、硬化剤や難燃材等の各種添加剤を添加することができる。
また、樹脂組成物の繊維シート14への含浸は、樹脂組成物を貯留する容器内に繊維シート14を浸漬させた後に、余剰分を適宜、絞り取る態様や、繊維シート14にスプレーやローラー等によって塗布する態様としてもよい。また、後記するように、平板状繊維強化樹脂層13の室内側に更に他のシート材(難燃性シート11)が積層されている場合には、このシート材の裏面側となる天井下地2側に、スプレーやローラー等によって塗布された樹脂組成物に繊維シート14を積層することで、繊維シート14に結果的に樹脂組成物が含浸される態様等としてもよい。
この凹凸繊維強化樹脂層15は、平板状繊維強化樹脂層13と同様、繊維シート19に未硬化の樹脂組成物が含浸されて樹脂組成物が硬化した構成とされている。この凹凸繊維強化樹脂層15を構成する樹脂組成物としては、上記同様、低温硬化性の熱硬化性樹脂としてもよい。
本実施形態では、この凹凸繊維強化樹脂層15を構成する樹脂組成物の樹脂主成分を、上記した平板状繊維強化樹脂層13を構成する樹脂組成物の樹脂主成分と同一としている。つまり、この凹凸繊維強化樹脂層15を構成する樹脂組成物の樹脂主成分を、ポリウレタン樹脂としている。
また、この凹凸繊維強化樹脂層15に含まれる繊維シート19としては、上記した平板状繊維強化樹脂層13の繊維シート14として例示したもののうちのいずれかとしてもよい。この繊維シート19としては、好ましくは、上記同様、ガラス繊維シートのうちガラスマットまたはガラスクロスとしてもよく、平板状繊維強化樹脂層13の繊維シート14と同一または同種のものとしてもよく、異種のものとしてもよい。
また、この繊維シート19に含浸させる樹脂組成物の量は、平板状繊維強化樹脂層13を構成する樹脂組成物の量と略同量でもよいが、大としてもよい。例えば、この繊維シート19に含浸させる樹脂組成物の量を、上記同様な観点から、80g/m2以上400g/m2以下としてもよく、好ましくは100g/m2以上300g/m2以下としてもよい。また、この樹脂組成物の量を、上記同様、繊維シート19の目付に対して比較的に少ない量としてもよい。例えば、上記と概ね同様、凹凸繊維強化樹脂層15は、樹脂と繊維との質量比が1:1〜1:10程度、好ましくは、1:1.5〜1:6とされたものでもよい。
本実施形態では、凸部18の突出方向先端部(凹部17の底部)となる部位を、平板状繊維強化樹脂層13と平行状の先端平板部としている。また、これら凹部17及び凸部18の周囲に平板状繊維強化樹脂層13と平行状となる基部側平板部16が形成されるように、これら凹部17及び凸部18を、互いに間隔を空けて設けた構成としている。また、凸部18の先端部(凹部17の底部)に連なる側周壁部の厚さ寸法を、先端平板部及び基部側平板部16の厚さと略同厚さとしている。
この凹凸繊維強化樹脂層15の各部の厚さ寸法は、平板状繊維強化樹脂層13の厚さと略同厚さとしてもよいが、本実施形態では、平板状繊維強化樹脂層13の厚さよりも僅かに大としている。この凹凸繊維強化樹脂層15の各部の厚さ寸法を、平板状繊維強化樹脂層13の厚さの1.1倍〜1.3倍程度としてもよい。
また、本実施形態では、多数の凹部17及び凸部18を、互いに同寸同形状とされたものとしている。また、凸部18の先端部及び凹部17の開口を、厚さ方向(天井パネル1の厚さ方向に沿う方向)に見て、略円形状としている。つまり、凸部18を、先端平板部を底部とする略円筒状としている。
この凸部18のピッチや凸部18の径(基端部外径)は、成形性や、当該凹凸繊維強化樹脂層15と平板状繊維強化樹脂層13との接合性等の観点から適宜、設定するようにしてもよい。例えば、凸部18の径(基端部外径)を、5mm〜20mm程度としてもよく、8mm〜15mm程度としてもよい。また、凸部18のピッチ(厚さ方向に見た状態における隣り合う凸部18,18の中心(円心)間寸法)を、凸部18の径(基端部外径)より大とすればよく、例えば、1.2倍〜5倍程度としてもよく、好ましくは1.5倍〜3倍程度としてもよい。
なお、凸部18の径やピッチ、配列は、上記した例に限られず、種々の変形が可能である。また、厚さ方向に見た状態における凸部18(凹部17)の形状も上記した例に限られず、多角形状等とされたものでもよい。つまり、凸部18を、略多角柱状や略多角錐台状等とされたものとしてもよい。
また、このような凹凸繊維強化樹脂層15は、例えば、互いに向き合う面のうちの一方面側に多数の凸部が設けられ、他方面側に多数の凹部が設けられた上下の成形型を用いて形成するようにしてもよい。
また、この凹凸繊維強化樹脂層15の天井下地2側に、更に上記同様な平板状繊維強化樹脂層が積層された構成としたり、他のシート材が積層された構成としたりしてもよい。
また、当該天井パネル1の室内側に設けられる難燃性シート11としては、上記のような構成とされたものに限られず、その他、種々の構成とされたものの採用が可能である。例えば、吸熱性金属水酸化物を含む樹脂含浸ガラス繊維不織布板等としてもよい。
また、このガラス繊維シート10と難燃性シート11とは、適宜の接着剤等によって積層一体化されたものでもよい。
また、当該天井パネル1の室内側に向く面、つまり、ガラス繊維シート10の表面を、印刷や塗装等の適宜の表面化粧処理が施された化粧面としてもよい。または、当該天井パネル1の室内側に向く面を、適宜の化粧シートが貼着される下地面としてもよい。
つまり、繊維シート19を含む凹凸繊維強化樹脂層15と、この凹凸繊維強化樹脂層15に接着され、繊維シート14を含む平板状繊維強化樹脂層13と、を備えた構成とし、かつ、質量を2.0kg/m2以下としている。従って、凹凸繊維強化樹脂層15及び平板状繊維強化樹脂層13によって剛性を向上させることができ、垂れや寸法変化等の変形を抑制することができる。また、吸湿し難い構成であるので、より効果的に変形を抑制することができる。また、凹凸繊維強化樹脂層15を設けているので、適度な厚さを確保しながらも、軽量化を図ることができ、また、中実平板状としたものと比べて、吸音効果も期待できる。また、ファイバーグラスボードやロックウールボードは、止具を用いれば凹みが発生するためジョイナー等を用いて施工する必要があるが、当該天井パネル1は、止具による凹みが生じ難く、止具によって天井下地2に言わば直貼状に固定することができる。
また、本実施形態では、室内側に難燃性シート11を積層した構成としている。従って、難燃性を付与することができる。
また、本実施形態では、凹凸繊維強化樹脂層15が天井下地2側に配され、平板状繊維強化樹脂層13が室内側に配される構成としたが、平板状繊維強化樹脂層13が天井下地2側に配され、凹凸繊維強化樹脂層15が室内側に配される構成としてもよい。この場合は、凹凸繊維強化樹脂層15の凸部18を天井下地2側に向け、この凸部18の先端部と平板状繊維強化樹脂層13とが接着された構成としてもよい。本実施形態に係る天井パネル1の具体的構成としては、その他、種々の変形が可能である。
なお、以下の各実施形態では、上記第1実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
本実施形態に係る天井パネル1Aは、上記した凹凸繊維強化樹脂層15の表裏を反転させて平板状繊維強化樹脂層13と接着した構成とされている。つまり、凹凸繊維強化樹脂層15は、凹部17を平板状繊維強化樹脂層13側(室内側)に向けて平板状繊維強化樹脂層13に積層されている。つまりは、凹凸繊維強化樹脂層15の基部側平板部16と平板状繊維強化樹脂層13とが接着されている。これにより、凹部17の開口が平板状繊維強化樹脂層13によって覆われ、凹部17内が略密閉された構成とされている。また、凹凸繊維強化樹脂層15は、多数の凸部18が天井下地2(図1参照)側に向けて突出した構成とされている。
上記構成とされた本実施形態に係る天井パネル1Aにおいても、上記第1実施形態と概ね同様の効果を奏する。また、本実施形態によれば、上記第1実施形態と比べて、凹凸繊維強化樹脂層15と平板状繊維強化樹脂層13との接着面積を大きくすることができる。
本実施形態に係る天井パネル1Bは、図4(b)及び図5に示すように、その四周端部に、中央側部位よりも薄板状とされた薄板状平板部19Aを全周に亘って設けた構成とされている。また、本実施形態に係る天井パネル1Bは、凹凸繊維強化樹脂層15Aの構成が上記各実施形態とは主に異なる。
本実施形態では、凹凸繊維強化樹脂層15Aは、その四周端部に、薄板状平板部19Aを構成する端部平板部16Aaを全周に亘って設けた構成とされている。この凹凸繊維強化樹脂層15Aの端部平板部16Aaが平板状繊維強化樹脂層13、難燃性シート11及びガラス繊維シート10の四周端部に積層されて薄板状平板部19Aが構成される。この薄板状平板部19Aは、図4(b)に示すように、天井下地2に止着される(捩じ込まれるまたは打ち込まれる)ねじや釘等の止具の固定部として機能する。つまり、本実施形態では、天井パネル1Bの四周端部に止具が止着される固定部を設けた構成としている。また、この薄板状平板部19Aは、室内側面が他の部位の室内側面と略面一状とされ、天井下地2側が他の部位よりも凹むように設けられている。なお、天井パネル1Bの四周端部の全周に亘って薄板状平板部19Aを設けた態様に代えて、天井パネル1Bの一方向両側端部のみに薄板状平板部19Aを設けた態様としてもよい。
また、凹凸繊維強化樹脂層15Aの四周端部に上記した端部平板部16Aaが形成されるように、凹部17A及び凸部18Aを一方向両側端部及び他方向両側端部には設けていない構成としている。また、凸部18Aの先端面と端部平板部16Aaの平板状繊維強化樹脂層13側に向く面とが略同一平面状となるように端部平板部16Aaを四周端部に設けた構成としている。また、凹部17Aの周囲に設けられた基部側平板部16Aの四周縁部から平板状繊維強化樹脂層13に向けて傾斜するように設けられた周壁部を介して端部平板部16Aaを設けた構成としている。この端部平板部16Aaは、平板状繊維強化樹脂層13と接着されている。この端部平板部16Aaが平板状繊維強化樹脂層13に接着されることで、隣り合う凸部18A間に形成される凹溝の開口側が覆われ、略密閉された構成とされている。
また、隣り合う凸部18Aのピッチ(一方の凸部18Aの幅方向中心から他方の凸部18Aの幅方向中心までの寸法)や、凸部18Aの先端面の幅寸法は、上記同様の観点から適宜の寸法としてもよい。この凸部18Aの先端面の幅寸法を、隣り合う凸部18Aのピッチの2/5〜7/10程度としてもよい。つまりは、凸部18Aの先端面を足し合わせた面積がこれら凹部17A及び凸部18Aが設けられた部位を厚さ方向に見た面積の40%〜70%程度となる構成としてもよい。
なお、上記各実施形態において説明した互いに異なる構成の一部を組み替えたり、組み合わせたりして適用するようにしてもよい。また、上記各実施形態に係る天井パネル1,1A,1Bの上記した各部の構成は、一例に過ぎず、その他、種々の変形が可能である。
11 難燃性シート
13 平板状繊維強化樹脂層
14 繊維シート
15,15A 凹凸繊維強化樹脂層
17,17A 凹部
18,18A 凸部
19 繊維シート
Claims (4)
- 厚さ方向一方側に開口する凹部が形成されるように厚さ方向他方側に向けて突出する多数の凸部が設けられ、繊維シートを含む凹凸繊維強化樹脂層と、この凹凸繊維強化樹脂層に接着され、繊維シートを含む平板状繊維強化樹脂層と、を備え、かつ、質量が2.0kg/m2以下であることを特徴とする天井パネル。
- 請求項1において、
前記凹凸繊維強化樹脂層及び前記平板状繊維強化樹脂層に含まれる樹脂主成分がポリウレタン樹脂であることを特徴とする天井パネル。 - 請求項1または2において、
室内側に難燃性シートが更に積層されていることを特徴とする天井パネル。 - 請求項1乃至3のいずれか1項において、
前記凹凸繊維強化樹脂層及び前記平板状繊維強化樹脂層に含まれる前記繊維シートの目付が100g/m2以上700g/m2以下であること特徴とする天井パネル。
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Cited By (1)
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