JP2005344492A - 木造家屋の耐震補強工法とこれに用いる補強金具及び柱抜け防止装置 - Google Patents

木造家屋の耐震補強工法とこれに用いる補強金具及び柱抜け防止装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 壁や家内部を壊したり、家財道具を動かすような生活環境の変化を必要とすることなく、外部工事と天井裏の工事だけで木造家屋の耐震性を根本的に向上させることができる木造家屋の耐震補強工法を提供する。
【解決手段】 各補強金具を用いて木造軸組みの各接続部分を、地震の揺れを緩衝する可曲部のある下部アングルプレート4と、クレセント金具5と、上部アングルプレート8と、蝶形金物9と、下部中間プレート11と、下部内側プレート12と、中間柱用上部プレート13と、裏当て金具14等の各補強金具を用いて結合することによる補強と、外壁面への筋交い15の張設、対角位置の隅柱1間における水平の筋交いワイヤロープ16の張設、相互に対面する中間柱10間のワイヤロープ17の直引きの張設、内側ロープ18による隅柱1のXY方向の締付けにより、木造軸組みの内部から外部への膨張力を極めて強くすることができ、各柱と梁や床との外れや地震の揺れから起こる柱抜けや木組みの外れ、家形の斜め崩れからくる柱の折れを各プレートの機材を相互一体化して座屈を防ぐ。
【選択図】図1

Description

この発明は、既設の木造家屋に耐震性を導入するための耐震補強工法と、この工法の実施に用いる補強金具及び柱抜け防止装置に関する。
一般的に木造家屋は、地中に構築した基礎上に土台を配置し、その上に柱を主体とする軸組構造を組み立て、柱間の中間や上端間に梁を設けて周囲に壁部を構築すると共に、柱間の上端に屋根組みを設けた構造になっている。
このような、木造家屋は、常時において、木組みにおける柱と梁等のつなぎが、埋め込みや楔,かすがい、鉄金物による局部補強などで、揺れに対して相互に離れないように工夫され、また、柱と梁等は、垂直荷重に対して柱が傾斜しないかぎり十分に対応している。
ところで、木造家屋の木組みは、双方の相対する柱や横梁、床張りにより、外部から内部への圧縮力に対する反力に強いが、内部から外部への膨張力には弱いため、地震による横揺れや上下の揺れを受けると、それぞれの木組みの部分に家具等の重量が加わり、異なる固有慣性でバラバラに揺れ、柱と梁等の結合部が上下左右に抜けたり損傷し、加えて、筋交いの不備や建物に散在している偏荷重等により柱に折れが生じ、また、柱が土台から抜けると建物の下部が脚払いを食らい、特に、木組みにホゾのある一階と二階の接合部の柱は強度的に弱く、損傷して折れやすく、この部分からの建物全体の座屈や損傷にいたることになることは、先の阪神大震災による木造家屋の倒壊例からも明らかである。
従来、このような地震に対して極めて弱い構造である木造家屋の耐震性を向上させる改造方法は、木組みにおける柱と梁などのつなぎ部分を別途鉄金物等で局部的に補強したり、筋交いの数を増やすような周壁の改造や、室内壁部の増設や移設による内部工事によって行われている。
しかし、上記のような周壁の改造は、筋交い1本を増やすにしても、壁や部屋内部を壊す必要があり、壊した壁や部屋内部を再修復して元通りにしなければならないし、復元のために手間と時間がかかり、このため実施は容易ではなく、新築の場合はともかく、既存の家屋に対する耐震性の向上には難かある。
また、内部工事による方法は、新たな壁を設けたり、間取りを変えるために家財道具を動かし、生活換気用の変化をもたらすことになり、相当な決意と家族の同意を要し、加えて、工事期間の長期かと多額の費用必要とするという問題がある。
そこで、この発明の課題は、壁や家内部を壊したり、家財道具を動かすような生活環境の変化を必要とすることなく、外部工事と天井裏の工事だけで木造家屋の耐震性を根本的に向上させることができ、しかも、短期間でコスト的にも安価に施工できる木造家屋の耐震補強工法とこの工法に用いる補強金具を提供することにある。
上記のような課題を解決するため、請求項1の発明は、木造建築の基礎から土台や隅柱の外部より、隅柱用下部プレートを内部床下部からクレセント金物で締付け、また、隅柱の梁や二階床下部の外部から外部上部アングルプレートと、それに合わせて、一階天井裏には、蝶形金物と隅柱を貫通する長いねじにて固定し、このねじの先端に螺合したアイナットにて、同層の対角隅柱間に水平交差するロープを張設し、また、中間柱の基礎や土台中間柱に中間柱用下部プレートを、床下から中間柱用内部プレートを沿わせ、更に、二階張床下天井裏相当部位に中間柱用外部プレートをその内部側には中間柱用内部プレートを沿わし、何れの上下内外プレートは、柱を抱く如く締め合い、加えて蝶形金物を用いて隅柱間の内部XY方向をロープによって、隅柱や二階梁を締め、また、対面する中間柱間もロープにて相互直引きすると共に、XY方向のロープを途中にて拘束し、一方、外部隅柱用アングルプレートと知友間プレートの上下には、縦の筋交いを施し、これらによって、地震の揺れからくる柱の抜けや柱と梁の外れ、木組みの離脱,家形の斜めくずれから柱の折れや座屈を防ぐ構成を採用したものである。
請求項2の発明は、木造建築の各隅柱に外部より二面に沿わせて固定するアングルプレートの直角に折れ曲がる両側のプレートに、基礎と土台や隅柱等に対する取付け孔を設け、この両側プレートの途中で両側の位置に、両側の外縁に向けて広がるテーパ状の可曲部を設け、両側プレート間の上部が切れ目によって切り離されている構成を採用したものである。
上記両側プレートの上部側方には筋交い用の結合孔があり、隅柱の内側には外部の下部アングルプレートに対応するクレセント金物がボルトにより固定されることになる。
請求項3の発明は、木造建築の中間柱に外部より固定する外部用下部中間プレートに、基礎と土台や梁及び中間柱等に対する取付け孔を設け、この外部用下部中間プレートの途中で両側の位置に、両側の外縁に向けて広がるテーパ状の可曲部を逆テーパの配置で設け、この外部用下部中間プレートの途中に、互に相反する面側へ水平に屈曲する厚み方向の可曲部を設けた構成を採用したものである。
上記外部用下部中間プレートの上部側方には、縦筋交いを結合する取り付け孔が設けられ、また、中間柱の内側にも、外部用下部中間プレートと対応する位置に同様の構造の内部用下部プレートが設けられ、中間柱を挟むようにして外部用下部プレートと互いに締結されるようになっている。
請求項4の発明は、木造建築の各隅柱に対して、梁や二階床下部の一階天井裏や二階天井裏の位置に内面側から沿わせて固定する蝶形金具の両側に、XY方向の隅柱間に張設する内側引っ張りロープの結合部を設け、前記蝶形金具のコーナ部分の外面側に、隅柱を貫通させてこの蝶形金具を隅柱に固定するためのねじに螺合したナットを受ける締結座を設け、その先端にアイナットを螺合し、対角柱間を水平筋交いロープで締定する構成を採用したものである。
請求項5の発明は、木造建築の壁面の外部に沿わせ、土台や基礎と柱にそれぞれ締結具で固定するプレートと、柱に締結具で固定する十字金具とからなり、前記プレートの柱と対応する位置に、柱に固定した十字金具に遊嵌する孔を設け、このプレートの外面で十字金具の上下の位置に設けたばね受けと十字金具の間にばねを縮設し、前記プレートと壁面の間に滑り板を介在させ、揺れを緩衝すると共に柱の抜けを防止する構成を採用したものである。
この発明によると、木造家屋の各隅柱に外部から沿わせて基礎から土台の位置に下部アングルプレートを固定し、梁や二階床下の一階天井裏や二階天井裏の位置に貫入した長いねじにて上部アングルプレートを固定し、前記ねじの先端に螺合したアイナットにて同層の対角隅柱間に水平のロープ筋交いを張設し、相互に対面する中間柱に外部から沿わせて基礎から土台の位置に下部中間プレートを固定し、梁や二階床下下部の一階天井裏や二階天井裏の位置に上部中間プレートを固定し、この上部中間プレートの対面する中間柱間をロープで直線引きし、一方、隅柱間のXY方向の隅柱とのロープによる家形の総締め付けなどと、外部壁面に施す筋交いの設置を行うようにしたので、柱と梁や床との外れ地震の揺れから起こる柱抜けや木組みの外れ、家形の斜め崩れからくる柱の折れや座屈を防ぐことができ、木造家屋の耐震性を大幅に向上させることができる。
また、蝶形金物により、建物構造の内部において、XY方向をロープで締め付け、このロープの途中を中間柱の裏当て金具にて、ロープの揺れを防ぐようにキャッチするようにしたので、建物を包括して一体化することができ、しかも、隅柱の下部と上部のアングルプレートと、中間柱の同じく下部と上部のアングルプレートの両端部にある筋交い又はバー用の孔から、相互に縦の大きく長い効果のある筋交い又は外部より設置することができ、これらにより、家の方形を保ち。座屈を防ぐことができる。
また、請求項5の柱抜け防止装置によると、地震による振動で土台に対して柱が上下動するのを上下のばねで緩衝し、柱が土台から抜けるのを有効に防止することができると共に、滑り板の介在により、壁の外面に損傷を生じさせることがない。
以下、この発明の実施の形態を図示例に基づいて説明する。
図1は、この発明の耐震補強工法を実施した概略的な説明図であり、長方形の独立家屋の例を示している。
この耐震補強工法に用いる補強金具の種類は、木造家屋の各隅柱1の外部に沿わせて基礎2から土台3の位置に固定する下部アングルプレート4と、各隅柱1の内側で下部アングルプレート4と対応する位置に固定する裏当て用のクレセント金具5と、各隅柱1の外部に沿わせて梁6や二階床7の天井裏の位置に固定する上部アングルプレート8と、隅柱1の内側で上部アングルプレート8と対応する位置に固定する蝶形金物9と、中間柱10の外部に沿わせて基礎2から土台3の位置に固定する下部中間プレート11と、中間柱10の内側で下部中間プレート11と対応する位置に固定する下部内側プレート12と、中間住10の外部に沿わせて梁6や二階床7の天井裏の位置に固定する中間柱用上部プレート13と、中間柱10の内側で上部プレート13と対応する位置に固定する裏当て金具14とからなる。
この耐震補強工法は、上記した各補強金具を隅柱1及び中間柱10等に固定すると共に、対角位置にある、下部アングルプレート4と中間柱上部プレート13間、下部中間プレート11と上部アングルプレート8間を傾斜状の筋交い15で結合し、各対角位置にある隅柱1間に水平のワイヤロープ16を張設し、対面する中間柱10間をワイヤロープ17で直線引きし、更に、各隅柱1間の内側XY方向に内側ロープ18を張設し、この内側ロープ18の途中を前記裏当て金具14でクランプするようになっている。
上記下部アングルプレート4は、図2のように、鉄やステンレス等で柱を抱いて合成強化柱とし、隅柱1に外部から二面に沿わせて固定する両側のプレート19が直角に折れ曲がり、両側のプレート19に、基礎2と土台3及び隅柱1にそれぞれボルト(図示省略)で固定する取り付け孔20を上下に並べて設け、前記両プレート19の途中に、外縁に向けて広がるテーパ状の可曲部21を設け、両プレート19の外縁で可曲部21よりも上位の位置に、ボルトやピンによる筋交い15の結合孔22が設けられ、両プレート19間の上部が切れ目23によって切り離された構造になっている。
上記両プレート19は、切れ目23によって切り離された上部に可撓性が付与され、テーパ状の可曲部21は、図2において、隅柱1が左へ傾けば左側プレート19の可曲部21が縮み、右側プレート19の可曲部21が伸び、隅柱1の左右の揺れに対して両側の可曲部21は互いに相反する作用をにし、隅柱1の傾きを緩衝することになり、隅柱1が元に戻れば、鉄やステンレス等の剛性により、両可曲部21は復元する。
各隅柱1の内側で下部アングルプレート4と対応する位置に固定する裏当て用のクレセント金具5は、図3のように、鉄やステンレス等を用い、基礎2と土台3の内側コーナ部分に沿わせる直角の下部プレート24と、この下部プレート24の上端に土台3上に重なるよう設けた水平板25と、水平板25上に起立し、隅柱1の内側二面に重なる直角の上部プレート26からなり、下部プレート24には、基礎2と土台3にそれぞれボルトで固定する取り付け孔27を上下に並べて設け、上部プレート26に、隅柱1へボルトで固定するための取り付け孔28を設けた構造になっている。
上記上部アングルプレート8は、図4のように、鉄やステンレス等を用い、隅柱1に外部から二面に沿わせて固定する両側のプレート29が直角に折れ曲がり、両側のプレート29の下部と上部に、隅柱1にボルトで固定する取り付け孔30を設け、両側のプレート29の中間で両プレート29の屈曲コーナ部分に、隅柱1の対角位置を外部から内側に貫通させる長いねじ31の挿通孔32が設けられ、前記両プレート29の途中に、外縁に向けて広がるテーパ状の可曲部33を設け、両プレート29の上端部で外縁の位置に二階用筋交い15aの結合孔34が設けられ、両プレート29の下部外面に筋交い15の結合用ヒンジ35が溶接され、更に、両プレート29間の上部が切れ目36によって切り離された構造になっている。
この上部アングルプレート8も、下部アングルプレート4と同様に、テーパ状の可曲部33と切れ目36によって、両プレート29の上部に可撓性が生じることになる。
上記隅柱1の内側で上部アングルプレート8と対応する位置に固定する蝶形金物9は、図5と図6のように、隅柱1の内側二面に沿わせる直角プレート37の上下に隅柱1にボルトで固定する取り付け孔38を設け、この直角プレート37の両側に折り返しプレート39を設け、この折り返しプレート39の先端部に外方へ屈曲する張り出しプレート40を設け、両側直角プレート37の先端間に、隅柱1の対角位置を外部から内側に貫通させた長いねじ31のナット41を受ける締結座42が設けられ、このねじ31により上部アングルプレート8とで隅柱1を挟むように固定され、前記張り出しプレート40には、隅柱1間のXY方向に張設する内側ロープ18の結合部43が設けられている。
上記長いねじ31の先端には、対角位置の隅柱1間に水平のワイヤロープ16を張設するためのアイナット44が螺合されている。
上記中間柱10の外部に沿わせて基礎2から土台3の位置に固定する下部中間プレート11は、図7のように、鉄やステンレス等を用い、下部が広幅で上部が狭くなる上下に長い略五角形に形成され、下部の両側に基礎2と土台3にそれぞれボルトで固定する取り付け孔45を上下に並べて設け、中央部の上下に中間柱10にボルトで固定する取り付け孔46を上下に並べて設け、中間部の両側に筋交い15の結合孔47が設けられている。
また、下部中間プレート11の途中で両側の位置に、両側外縁に向けて広がるテーパ状の可曲部48を逆テーパの配置で設け、更に、下部中間プレート11の途中で可曲部48の下部位置に、互に油相反する面側へ水平に屈曲する厚み方向への可曲部49を設け、下部中間プレート11の上部に、前記したテーパ状の可曲部48で幅方向への可撓性と、面方向の可曲部49で面方向の可撓性を付与している。
上記中間柱10の内側で下部中間プレート11と対応する位置に固定する下部内側プレート12は図8のように、下部中間プレート11と略同様の構造を有するので、下部中間プレート11と同一部分に同一符号を付して説明に代える。
上記中間柱10の外部に沿わせて梁や二階床の天井裏の位置に固定する中間柱上部プレート13は、図9のように、鉄やステンレス等を用い、上下に長い略矩形状に形成され、中央部の上下に中間柱10にボルトで固定する取り付け孔50を上下に並べて設け、中間部に、上記した下部中間プレート11と同様、両側外縁に向けて広がるテーパ状の可曲部48と、互に油相反する面側へ水平に屈曲する厚み方向への可曲部49が設けられ、下端部の両側に筋交い15の結合用ヒンジ51が溶接され、上端部の両側に二階用筋交い15aの結合孔52が設けられている。
この中間柱上部プレート13も、上部に前記したテーパ状の可曲部48で幅方向への可撓性と、面方向の可曲部49で面方向の可撓性を付与している。
前記中間柱10の内側で上部プレート13と対応する位置に固定する裏当て金具14は、図10と図11のように、鉄やステンレス等を用い、上下に長い略矩形状に形成され、上下に中間柱10にボルトで固定する取り付け孔53を上下に並べて設け、略中央位置に、中間柱上部プレート13から中間柱10を貫通させた通しボルト54の挿通孔55が設けられ、この通しボルト54には、ナット56の締付けによって、隅柱1間に張設したXY方向の内側ワイヤロープ16の途中をキャッチして安定を保ち、内側ワイヤロープ16の弛みを無くすための押さえ金具57が取り付けられ、更に、通しボルト54の先端に、対面位置の中間柱10間に水平のワイヤロープ17を張設するためのアイナット58が螺合されている。
図12と図13は、柱抜け防止装置61の構造を示し、土台3や基礎2と隅柱1にそれぞれ、ねじ等の締結具62で固定する上下に長いプレート63と、隅柱1や中間柱10にねじ等の締結具64で固定する十字金具65とからなり、前記プレート63の隅柱1と対応する位置に隅柱1へ固定した十字金具65に遊嵌する孔66を設け、このプレート63の外面で十字金具65の上下の位置に設けたばね受け67と十字金具65の間にばね68を縮設し、前記プレート63と外壁1aの外面の間にPP等の合成樹脂板からなる滑り板69を介在させている。
上記プレート63を土台3や基礎2と隅柱1に固定するため、このプレート63に設ける締結具62の孔66は、上下の長孔になっていると共に、上記十字金具65は、円形大径部70の前面に筒軸71を突設し、この筒軸71にばね受け軸72を上下に突出するよう外嵌し、筒軸71から円形大径部70を貫通する取り付けねじ64で隅柱1に固定するものであり、外壁1aから隅柱1には円形大径部70が納まる凹孔73が形成されている。
上記プレート63は基礎2や土台3に固定化され、十字金具65は隅柱1や中間柱10に固定化されており、地震による振動で基礎2や土台3に対して隅柱1が上下動するのを上下のばね68で緩衝し、これによって、隅柱1が土台3から抜けるのを有効に防止することができると共に、プレート63と外壁1aの間に滑り板69を介在させることにより、外壁1aの外面に損傷を生じさせることがないようになっている。
上記した柱抜け防止装置61は、隅柱1以外に中間柱10の何れにも使用することができる。
次に、この発明の木造家屋の耐震補強工法を説明する。
既設の木造建築において、図2のように、各隅柱1の下部に、外壁1aの外面から隅柱1に沿わせて基礎2から土台3の位置に下部アングルプレート4と、隅柱1の内側から沿わせて基礎2から土台3の位置に裏当て用のクレセント金具5を、共通もしくは単独のボルトを用いて固定する。
図4のように、隅柱1の外面で梁6や二階床7の一階天井裏や二階天井裏の位置に、上部アングルプレート8と、隅柱1の内側で上部アングルプレート8と対応する位置に蝶形金物9を、ボルト及び隅柱1を貫通する長いねじ31で固定し、また、中間柱10の下部に、外部に沿わせて基礎2から土台3の位置に固定する下部中間プレート11と、中間柱10の内側で下部中間プレート11と対応する位置に固定する下部内側プレート12を共通もしくは単独のボルトを用いて固定する。
また、図9のように、中間柱10の上部で、梁6や二階床7の一階天井裏や二階天井裏の位置に、中間柱上部プレート13と、中間柱10の内側で上部プレート13と対応する位置に裏当て金具14とを共通もしくは単独のボルトを用いて固定する。
上記下部アングルプレート4と中間柱上部プレート13、上部アングルプレート8と下部中間プレート11を、それぞれに設けたヒンジ35と51間に外部壁面に沿う筋交い15の張設によって結合し、対角位置の隅柱1間で上部アングルプレート8と蝶形金物9を貫通するながいねじ31の先端間に、アイナット44を用いて水平のワイヤロープ16を張設する。
上記筋交い15の上端側は、図9のように、ヒンジ51と締付けナット59の間にスプリング60を縮設し、揺れに対するゆとりがあるようになっている。
また、相互に対面する中間柱10間に、中間柱上部プレート13と裏当て金具14を貫通する通しボルト54の先端間に、アイナット58を用いて水平のワイヤロープ17を張設し、対面する中間柱10間を直線引きる。
更に、隅柱1間の内部に、両端を蝶形金物9と結合することにより隅柱1のXY方向を内側ロープ18により引っ張って締付け、中間柱10の内側に設けた裏当て金具14の押さえ金具57で、内側ロープ18の途中を固定し、内側ロープ18の弛みを無くすようにする。
また、隅柱用外部の下部プレートや中間柱の下部プレートの側方には、縦筋交いバーの取り付け孔があり、また、それら上部プレートの下方には縦筋交いバーのねじ止まりかあり、これにより、縦筋交いバーは、先端のねじにスプリングを介入させて締め付ける。これにより、前述の柱の僅かな揺れに対応して、この筋交いバーも緊張して受け、地震の揺れを各プレートと共に緩衝する。
なお、木造建築が二階建て以上の場合は、二階の二階天井裏の位置に、上部アングルプレート8、蝶形金物9、上部プレート13、裏当て金具14、筋交い15a等を用いて上記と同様の補強を行うようにする。
上記のような各補強金具を用いて木造軸組みの各接続部分を結合することによる補強と、外壁面への筋交い15の張設、対角位置の隅柱1間における水平のワイヤロープ16の張設、相互に対面する中間柱10間のワイヤロープ17の張設、内側ロープ18による隅柱1のXY方向の締付けにより、木造軸組みの内部から外部への膨張力を極めて強くすることができ、各柱と梁や床との外れや地震の揺れから起こる柱抜けや木造軸組みの外れ、家形の斜め崩れからくる柱の折れや座屈を防ぐことができ、かつ、木造軸組みの横方向のねじれ現象を防ぎ、揺れに対する自立性を高め、木造建築の耐震性を向上させることができる。
また、柱の抜けや折損は、土台や四隅と知友間の通し柱の2階梁との彫り込み接合部に多くみられる。
本プレートは、地震の左右の揺れに対してテーパー凸部や前後の揺れには水平の凹凸部を設け、勤続の曲がりや復旧を利用して物性形状によるショックアブソーバーとして緩衝し、また、通し柱と2階梁との彫り込み接合部などの局所破壊に対し、応力面積の広い上下に長いプレートに内外ともに抱き合わせて、局所破壊を防いでいる。
この発明に係る木造家屋の耐震補強工法を実施した木造建築の概略構造を示す二階部分での横断平面図 この発明に係る木造家屋の耐震補強工法に用いる補強金具である下部アングルプレートの使用状態を示す斜視図 この発明に係る木造家屋の耐震補強工法に用いる補強金具であるクレセント金具の使用状態を示す斜視図 この発明に係る木造家屋の耐震補強工法に用いる補強金具である上部アングルプレートの使用状態を示す斜視図 この発明に係る木造家屋の耐震補強工法に用いる補強金具である蝶形金物の使用状態を示す斜視図 この発明に係る木造家屋の耐震補強工法に用いる補強金具である上部アングルプレートと蝶形金物の使用状態を示す横断した斜視図 この発明に係る木造家屋の耐震補強工法に用いる補強金具である下部中間プレートの使用状態を示す斜視図 この発明に係る木造家屋の耐震補強工法に用いる補強金具である下部内側プレートの使用状態を示す斜視図 この発明に係る木造家屋の耐震補強工法に用いる補強金具である中間柱上部プレートの使用状態を示す斜視図 この発明に係る木造家屋の耐震補強工法に用いる補強金具である中間柱上部プレートと裏当金具の使用状態を示す斜視図 この発明に係る木造家屋の耐震補強工法に用いる補強金具である中間柱上部プレートと裏当金具の使用状態を示す縦断側面図 この発明に係る木造家屋の耐震補強工法に用いる柱抜け防止装置の使用状態を示す斜視図 (A)は柱抜け防止装置の使用状態を示す縦断面図、(B)は十字金具の斜視図
符号の説明
1 隅柱
2 基礎
3 土台
4 下部アングルプレート
5 クレセント金具
6 梁
7 二階床
8 上部アングルプレート
9 蝶形金物
10 中間柱
11 下部中間プレート
12 下部内側プレート
13 中間柱上部プレート
14 裏当金具
15 筋交い
16 ワイヤロープ
17 ワイヤロープ
18 内側ロープ
19 プレート
20 取りつけ孔
21 可曲部
22 結合孔
23 切れ目
24 下部プレート
25 水平板
26 上部プレート
27 取り付け孔
28 取り付け孔
29 プレート
30 取り付け孔
31 長いねじ
32 挿通孔
33 可曲部
34 結合孔
35 結合用ヒンジ
36 切れ目
37 直角プレート
38 取り付け孔
39 折り返しプレート
40 張り出しプレート
41 ナット
42 締結座
43 結合部
44 アイナット
45 取り付け孔
46 取り付け孔
47 結合孔
48 可曲部
49 可曲部
50 取り付け孔
51 結合用ヒンジ
52 結合孔
53 取り付け孔
54 通しボルト
55 挿通孔
56 ナット
57 押さえ金具
58 アイナット
61 柱抜け防止装置
62 締結具
63 プレート
64 締結具
65 十字金具
66 孔
67 ばね受け
68 ばね
69 滑り板
70 円形大径部
71 筒軸
72 ばね受け軸
73 凹孔

Claims (5)

  1. 木造建築の基礎から土台や隅柱の外部より、隅柱用下部プレートを内部床下部からクレセント金物で締付け、また、隅柱の梁や二階床下部の外部から外部上部アングルプレートと、それに合わせて、一階天井裏には、蝶形金物と隅柱を貫通する長いねじにて固定し、このねじの先端に螺合したアイナットにて、同層の対角隅柱間に水平交差するロープを張設し、また、中間柱の基礎や土台中間柱に中間柱用下部プレートを、床下から中間柱用内部プレートを沿わせ、更に、二階張床下天井裏相当部位に中間柱用外部プレートをその内部側には中間柱用内部プレートを沿わし、何れの上下内外プレートは、柱を抱く如く締め合い、加えて蝶形金物を用いて隅柱間の内部XY方向をロープによって、隅柱や二階梁を締め、また、対面する中間柱間もロープにて相互直引きすると共に、XY方向のロープを途中にて拘束し、一方、外部隅柱用アングルプレートと知友間プレートの上下には、縦の筋交いを施し、これらによって、地震の揺れからくる柱の抜けや柱と梁の外れ、木組みの離脱,家形の斜めくずれから柱の折れや座屈を防ぐ木造家屋の耐震補強工法。
  2. 木造建築の各隅柱に外部より二面に沿わせて固定するアングルプレートの直角に折れ曲がる両側のプレートに、基礎と土台や隅柱等に対する取付け孔を設け、この両側プレートの途中で両側の位置に、両側の外縁に向けて広がるテーパ状の可曲部を設け、両側プレート間の上部が切れ目によって切り離されている木造家屋の耐震補強工法用補強金具。
  3. 木造建築の中間柱に外部より固定する中間プレートに、基礎と土台や梁及び中間柱等に対する取付け孔を設け、この中間プレートの途中で両側の位置に、両側の外縁に向けて広がるテーパ状の可曲部を逆テーパの配置で設け、この中間プレートの途中に、互に相反する面側へ水平に屈曲する厚み方向の可曲部を設けた木造家屋の耐震補強工法用補強金具。
  4. 木造建築の各隅柱に対して、梁や二階床下部の一階天井裏や二階天井裏の位置に内面側から沿わせて固定する蝶形金具の両側に、XY方向の隅柱間に張設する内側引っ張りロープの結合部を設け、前記蝶形金具のコーナ部分の外面側に、隅柱を貫通させてこの蝶形金具を隅柱に固定するためのねじに螺合したナットを受ける締結座を設け、その先端にアイナットを螺合し、対角柱間を水平筋交いロープで締定する木造家屋の耐震補強工法用補強金具。
  5. 木造建築の壁面の外部に沿わせ、土台や基礎と柱にそれぞれ締結具で固定するプレートと、柱に締結具で固定する十字金具とからなり、前記プレートの柱と対応する位置に、柱に固定した十字金具に遊嵌する孔を設け、このプレートの外面で十字金具の上下の位置に設けたばね受けと十字金具の間にばねを縮設し、前記プレートと壁面の間に滑り板を介在させ、揺れを緩衝すると共に柱の抜けを防止する木造家屋の耐震補強装置。
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