JP5190904B1 - 木造家屋の耐震補強構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 木造家屋内に設置した鉄骨組立構造の耐震避難室を利用して、木造家屋自体を低コストで効果的に耐震補強することができる木造家屋の耐震補強構造を提供する。
【解決手段】木造家屋一階の所定の部屋1A内に設置した鉄骨組立構造の耐震避難室2の天井枠2Bを、上方周囲に縦横に配置されている胴差に複数の緊結金物を介して連結固定し、部屋1Aに隣接する部屋1B、1Cの上方で縦横に配置されている胴差の各交差部の近傍に、火打兼用ブレース連結具10を固定して部屋の対角方向に渡されたブレース11を連結している。また、これらの部屋1B、1Cの周りに2本の柱が隣合って立設されている箇所Pでは、これらの柱間に矩形状の鋼製枠部の内側に矩形状の鋼板が溶接固定された筋交プレートを固定して補強している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、木造家屋内に設置した鉄骨組立構造の耐震避難室を利用した木造家屋の耐震補強構造に関する。
近年、1995年1月17日に発生した兵庫県南部地震によって引き起こされた阪神淡路大震災や、2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震によって引き起こされた東日本大震災等、巨大地震による大災害が発生している。
前述したような巨大地震の発生時においては、特に、老朽化した木造家屋は、震動による過大な負荷に耐えられずに倒壊して多数の死者や負傷者が出たり、大切な家財を逸失するといった問題が発生している。
そこで、このような問題を解決するべく、従来より様々な提案がなされており、例えば、特許文献1には、既設家屋の所望の室内に、隣室等に開口する開口部を有する頑丈な鉄骨組立構造の耐震避難室を組み込み、地震発生時には、前記開口部から当該耐震避難室へ避難して、家屋が倒壊や損壊した際に、落下物の下敷きになることを回避しようとする提案がなされている。
登録実用新案3025986号公報
図13は、このような鉄骨組立構造の耐震避難室を組み込んだ既設の家屋の一例を示す分解斜視図であって、同図に示すように、耐震避難室A1は、家屋Hの一階の所望の室内に設置されるものであり、鉄骨で組まれた土台A2や支柱A3、梁A4等によって直方体状に枠組みされていて、格子状に組まれた梁A4には、地震発生時に上方からの落下物を防ぐために、多数の鋼板製の天井パネルA5が取り付けられている。
前記耐震避難室A1の内部は、平常時は居室として日常生活に使用できるように、床板Fや内壁W等の内装が施され、また、この耐震避難室A1の前後左右の各側面には、家屋Hの隣室や躯体壁Bに設けられた外窓等と連絡する矩形状の開口部A6がそれぞれ設けられている。
また、この耐震避難室A1は、これが設置される家屋Hの室内の床板や、根太等を撤去して、その床下に図示されていない鉄筋入りのコンクリート基礎を形成して、この基礎の上にそれぞれの支柱A3の下端を固定してある。
前述したような耐震避難室を組み込んだ木造家屋は、大地震の発生時に、堅牢な鉄骨組立構造の耐震避難室内部は安全が確保されるものの、家屋自体は損壊したり倒壊する虞があり、高齢者や身体障害者等が他の居室から耐震避難室に逃げ遅れた場合には、生命の危険が生じたり、また、居室内に置かれていた高価な家財等が天井等の落下によって破壊される虞があった。
そこで、本発明は、前述したような従来技術における問題を解消し、木造家屋に大幅な改修工事を行う必要が無く、木造家屋内に設置した鉄骨組立構造の耐震避難室を利用して、木造家屋自体を低コストで効果的に耐震補強することができる木造家屋の耐震補強構造を提供することを目的とする。
前記目的のために提供される本発明の木造家屋の耐震補強構造は、木造家屋一階の少なくとも1つの部屋内のコンクリート基礎上に固定して設置された、直方体状の鉄骨組立構造を有する耐震避難室の矩形状天井枠の各辺と、前記部屋の上方周囲に縦横に配置されている胴差のそれぞれが、所定間隔で設けた複数の緊結金物を介して相互に連結固定されていることを1つの特徴としている。
また、少なくとも、前記部屋に隣接する一つの部屋の4隅の柱に上方で連結されている縦横の胴差の各交差部の近傍にはそれぞれ、水平面内でL字形に直交するように一体に連結された一対の取付片と、これらの取付片に両端部が固定された火打梁と、これらの取付片間の下方に垂設されたブレース連結部からなる火打兼用ブレース連結具が設置され、これらの火打兼用ブレース連結具は、一対の取付片のそれぞれが、対向する胴差の側面にコーチボルトで固定されているとともに、ブレース連結部が、当該部屋の上方でその対角方向に渡された各ブレースの端部と連結されていることも特徴としている。
さらにまた、少なくとも、ブレースが上方に渡されている部屋の周りに立設されている、一対の隣合う柱の間には、複数のかまちが上下方向に所定の間隔で固定されているとともに、前記一対の柱と上下に対向するかまちで囲まれて形成されるそれぞれの矩形状空間内には、これらの矩形状空間に適合する矩形状の鋼製枠部を有し、その内側に矩形状の鋼板が溶接固定されてなる筋交プレートが嵌め込まれ、これらの筋交プレートの鋼製枠部の4辺はそれぞれ、両側の柱と上下に対向するかまちの各側面に木ねじで複数箇所固定されていることも特徴としている。
本発明の木造家屋の耐震補強構造においては、隣合う柱間の最下部に配置される筋交プレートの鋼製枠部の下辺が固定されるかまちは、木造家屋の土台の上面に当接して配置され、前記鋼製枠部の下辺を前記かまちに固定している木ねじの少なくとも一部は、先端部が当該かまちを貫通して前記土台内まで螺入されていることが望ましい。
また、本発明の木造家屋の耐震補強構造においては、緊結金物は、鋼鉄製の水平片と垂直片がL字形に連結された側面形状を有するとともに、前記水平片と垂直片間には直角三角形状の補強リブが溶接され、前記水平片には、これを耐震避難室の天井枠に固定する高張力ボルトの取付孔が形成されているとともに、前記垂直片には、これを耐震避難室が設置された部屋の上方周囲の胴差の側面に固定するコーチボルトの取付孔が形成されていることも望ましい。
請求項1に記載された発明に係る木造家屋の耐震補強構造によれば、既設の木造家屋の内部に組み込んだ耐震避難室を耐震補強構造の一部として利用しているため、木造家屋に大幅な改修工事を行う必要が無く、低コストで短期間に効果的な耐震補強構造を実現することができる。
また、本発明の耐震補強構造によれば、耐震避難室が組み込まれている部屋の4隅に設置されている柱間にそれぞれ縦横に渡されている胴差のそれぞれが、複数の緊結金物を介してコンクリート基礎上に固定して設置されている鉄骨組立構造の耐震避難室の天井枠に連結されているため、地震発生時において当該部屋周囲の柱や胴差の揺れを抑えることができる。そのため、特に、上階が剛床構造になっていない古い木造家屋においては、極めて有効な耐震補強効果が得られる。
また、耐震避難室が設置されている部屋に隣接して、火打兼用ブレース連結具が配置され、対向する火打兼用ブレース連結具間にブレースが掛け渡されている部屋は、上方周囲に縦横に配置されている胴差相互間が4隅に配置されている火打兼用ブレース連結具とそれぞれの火打ち兼用ブレース連結具間に連結されているブレースによって一体化され、しかも一つの胴差は、耐震避難室の天井枠に緊結金物を介して連結固定されているため、震動による縦横の胴差間の角度変位を効果的に抑制することができる。
さらに、少なくとも、ブレースが上方に渡されている部屋も周りの一対の隣合う柱の間に設置されている筋交プレートによって、これらの柱が補強されて壁面の剛性を高めることができるため、震動による部屋の横揺れやねじれ等を抑制することができる。
請求項2に記載された発明に係る木造家屋の耐震補強構造によれば、隣合う柱間の最下部に配置される筋交プレートの鋼製枠部の下辺をかまちに固定するねじ部材の少なくとも一部の先端部が、当該かまちを貫通して土台に螺入されているため、地震発生時に、これらの柱の震動による土台からの抜け出しを防ぐことができ、木造家屋の耐震性をさらに高めることができる。
請求項3に記載された発明に係る木造家屋の耐震補強構造によれば、緊結金物が、鋼鉄製の水平片と垂直片をL字形に連結した側面形状とし、水平片と垂直片間には直角三角形状の補強リブが溶接されているため、耐震避難室の天井枠より高い位置に設けられている胴差に作用する震動による加振力を、緊結金物を介して堅固な耐震避難室の天井枠で確実に受けることができる。また、緊結金物の構造が簡単であるため、耐震避難室の設置状況等に応じて、最適な寸法の水平片と垂直片を容易に低コストで製作することができる。
本発明の木造家屋の耐震補強構造の1実施形態を示す、耐震補強された木造家屋一階内部の平面図である。 本発明の木造家屋の耐震補強構造の1実施形態における耐震避難室が組み込まれている部屋の縦断面図である。 本発明の木造家屋の耐震補強構造の1実施形態において用いられる緊結金物の形状を示す斜視図である。 耐震避難室の天井枠への緊結金物の取付状態を示す部分側面図である。 耐震避難室の天井枠への緊結金物の取付状態を示す部分平面図である。 本発明の木造家屋の耐震補強構造の1実施形態において用いられる火打兼用ブレース連結具の斜視図である。 本発明の木造家屋の耐震補強構造の1実施形態において用いられる火打兼用ブレース連結具の平面図である。 本発明の木造家屋の耐震補強構造の1実施形態において用いられる火打兼用ブレース連結具を裏側から見た斜視図である。 図7のA−A断面を示す図である。 本発明の木造家屋の耐震補強構造の1実施形態において用いられる筋交プレートの取付構造を示す側面図である。 図10のB−B断面を示す図である。 本発明の木造家屋の耐震補強構造の1実施形態において用いられる筋交プレートの詳細構造を示す部分断面図である。 鉄骨組立構造の耐震避難室を組み込んだ家屋の一例を示す分解斜視図である。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の1実施形態を示す、耐震補強構造を備えた木造家屋の一階内部の平面図であって、同図に示す木造家屋1は2階建てであり、一階中央の部屋1Aの内部には、前述した図13に示すものと同様な直方体状の鉄骨組立構造の耐震避難室2が設置されている。
前記耐震避難室2は、図2に示すように、部屋1Aの既設の床板を撤去して、その床下に形成したコンクリート基礎3の上に複数のアンカーボルト3Aで固定して設置されている。
また、耐震避難室2の4隅に配置されている鉄骨柱2Aの上部には、複数のH形鋼の鉄骨梁で矩形状に組まれた天井枠2Bが設けられており、図1に示すように、前記天井枠2Bの内側には、複数の鋼板製の天井パネル2Cが取り付けられている。
前記天井枠2Bの各辺にはそれぞれ、図2に示すように、緊結金物4が所定の間隔で複数取り付けられていて、これらの緊結金物4を介して天井枠2Bの各辺と、部屋1Aの上方4隅の柱5の間に縦横に渡されている胴差6、6’のそれぞれが相互に連結固定されている。
図3に示すように、緊結金物4は、鋼鉄製の水平片4Aと垂直片4BがL字形に連結された側面形状を有するとともに、これらの水平片4Aと垂直片4B間には、これらの幅方向の中央部に、直角三角形状の補強リブ4Cが溶接されている。また、水平片4Aと垂直片4Bにはそれぞれ、補強リブ4Cを間に挟んで2つずつ取付孔4D、4Eが形成されている。
耐震避難室2の天井枠2Bの、緊結金物4の取付位置には水平片4Aの取付孔4Dに対向させて図示しない取付孔が形成されていて、各緊結金物4は、図4及び図5に示すようにこれらの取付孔に高張力ボルト7を通してナット8を装着することにより天井枠2Bに固定されているとともに、垂直片4Bの取付孔4Eに通したコーチボルト9によって、対向する胴差6、6’の側面に固定されている。
なお、本実施形態のものにおいては、水平片4Aの取付孔4Dは長孔に形成され、緊結金物4の天井枠2Bに対する取付位置を天井枠2Bを構成するH形鋼の長手方向と直交方向に進退調整できるようにしてある。
このような構造により、耐震避難室2が設置されている部屋1Aの上方の周囲に縦横に配置されている胴差6、6’は、耐震避難室2と緊結金物4を介して一体に連結されているため、地震発生時には、これらの胴差6、6’の揺れや相互間の角度変位がコンクリート基礎3上に堅固に固定設置されている耐震避難室2によって抑制されて、木造家屋の耐震性を高めることができる。
なお、この実施形態においては、図1に示すように、耐震避難室2の設置されている部屋1Aは、居住者が常時在室している頻度が高い、居室の部屋1Bとダイニングキッチンの部屋1Cの間に配置されていて、地震発生時には、いずれの部屋1B、1Cからも耐震避難室2内へ直ちに避難できるようにしてある。
これらの部屋1B、1Cの上方4隅の柱の間に縦横に渡されている胴差の各交差部近傍にはそれぞれ、火打兼用ブレース連結具10が設けられており、これらの火打兼用ブレース連結具10には各々、ブレース11の一端が連結されている。これらのブレース11の他方の端部は、各部屋1B、1Cの中央部上方位置で、連結環12に連結されている。
ここで用いられている火打兼用ブレース連結具10は、全て同一構造であり、図6及び図7に示すように、水平面内で略L字形に直交するように連結された一対の取付片10A、10Bと、これらの取付片10A、10B間に斜めに固定された火打梁10Cと、これらの取付片10A、10B間の下方に、支持板10Dを介して垂設されたブレース連結部10Eから構成されている。
これらの取付片10A、10Bは、同じ長さの山型鋼で形成されており、斜め45度に切断加工されたそれぞれの一端側どうしを突き合わせて溶接してあり、それぞれの垂直片には図8に示すように、複数のボルト孔10Fが形成されている。
これらのボルト孔10Fには、図6に示すように、コーチボルト13が差し込まれ、それぞれの取付片10A、10Bを、柱5と直交する胴差6の側面にこれらのコーチボルト13で固定することで、両方の胴差6と火打兼用ブレース連結具10どうしが一体的に連結固定されるようにしてある。
火打梁10Cは、横断面が上下に扁平な矩形状の角形鋼管の両端面を斜め45度に切断加工して形成されており、両端近傍の下面を、取付片10A、10Bのそれぞれの水平片の上面に当接し、両端面をそれぞれの垂直片に当接した状態で、これらの取付片10A、10Bに溶接されている。
また、支持板10Dは、図8に示すように、直角2等辺三角形状の鋼板で形成されており、その直角な角部を2つの取付片10A、10Bどうしの直角な接合部の縁に合わせて、それぞれの取付片10A、10Bの水平片の下面に溶接固定されている。
また、ブレース連結部10Eは、図8及び図9に示すように、幅の狭い帯状鋼板を側面視Z字状折り曲げて形成した上下2つの水平部10Ea、10Ebと、これらの水平部10Ea、10Eb間を連結する垂直部10Ecと、水平部10Ea、10Ebとそれぞれ等しい長さの平行な上辺と下辺を有する、左右一対の4辺形状の側板10Edから構成されていて、これらの側板10Edの内側の面はそれぞれ、上下2つの水平部10Ea、10Ebと垂直部10Ecの両側の端縁に溶接されている。
図8に示すように、ブレース連結部10Eの下方の水平部10Ebには、ブレース11を連結するための取付孔10Eeが形成されている。ブレース11は、上下に扁平な矩形断面を有する平鋼で製作されており、図9に示すように、その一端部に形成された取付孔11Aと前記取付孔10Eeを合わせて高張力ボルト14を貫通させてナット15を装着することにより、前記水平部10Ebの下面に固定している。
ブレース11の火打兼用ブレース連結具10に連結される端部と反対側の端部には、図6に示すように先端部にねじが形成されている鋼鉄製のねじ棒11Bが溶接固定されていて、これらのねじ棒11Bの先端部は、連結環12の周囲4箇所にそれぞれ形成されている図示していない取付孔を貫通させて、連結環の内周側でダブルナット16を螺着して連結環に対して抜け止めされている。
図1に示すように、部屋1B、1Cの4隅の配置されている火打兼用ブレース連結具10と連結されているそれぞれのブレース11は、火打兼用ブレース連結具10どうしの対角線上に位置するように、連結環に対するそれぞれのねじ棒11の連結位置を軸方向にダブルナット16を回動させて調整して適正位置に固定する。
なお、ダブルナット16の調整は、各火打兼用ブレース連結具10側の高張力ボルト14とナット15を少しだけ緩めた状態で行い、調整終了後に、高張力ボルト14とナット15を確実に締め付け固定する。
なお、火打兼用ブレース連結具10は、ブレース11を連結する位置を、2つの取付片10A、10Bの取付位置よりも下位に設けているため、これらの部屋1B、1Cの中央に、取付片10A、10Bよりも下端面が低い位置にある梁が設けられている場合においても、その梁の下方にブレース11を渡すことが可能である。
また、図1において、耐震避難室2のある部屋1Aの両側に隣接している部屋1B、1Cの、それぞれ斜線で表している箇所Pには、以下に説明する筋交プレートが組み込まれて補強されている。
図10及び図11に示すように、筋交プレート17は、これらの箇所にそれぞれ隣合って立設されている一対の柱5と、これらの柱5の間に上下方向に所定の間隔で取り付けた、かまち18A、18B、18C、18Dによって、これらの間に形成される3つの矩形状空間内にそれぞれ嵌め込まれている。
図12に示すように、これらの筋交プレート17は、全て同じサイズの矩形状の鋼製枠部17Aを有し、その内側に矩形状の鋼板17Bが溶接固定されて構成されている。なお、本実施形態のものにおいては、鋼製枠部17Aは、山型鋼どうしを溶接して矩形状に組み立てており、その各辺には、所定間隔で複数の取付孔17Cが形成されている。
図10及び図11に示すように、これらの筋交プレート17は、鋼製枠部17Aの4辺がそれぞれ、両側の柱5及び、かまち18A、18B、18C、18Dの各々の対向面に、前記取付孔17Cに木ねじ20、21を通して固定してある。
また、最下部のかまち18Aは、土台19の上面に当接しており、また、最上部のかまち18Dは、胴差6の下面に当接している。なお、既設の土台19と胴差6の上下間隔に応じて、各かまち18A、18B、18C、18Dの上下幅を選択するとともに、柱5間のそれぞれの取付高さを設定する。
また、図10に示すように、本実施形態のものにおいては、最下部に配置されている筋交プレート17の鋼製枠部17Aの下辺の両端付近をかまち18Aに固定している一部の木ねじ21は、他の木ねじ20よりさらに長寸のものが用いられており、これらの木ねじ21先端部は、当該かまち18Aを貫通して土台19の中に深く螺入されている。
このような構造により、両側の柱5は、筋交プレート17を介して土台19からの抜け出しが抑止されるため、地震発生時における耐震性がより高められている。
なお、最下部の筋交プレート17の鋼製枠部17Aの下辺には、全て長寸の木ねじ21を用いてもよく、また、これらの長寸の木ねじ21は、同様にして、最上部に配置されている筋交プレート17の鋼製枠部17Aの上辺に用い、かまち18Dを貫通させて胴差6の中まで螺入させるようにしてもよい。
本発明は、以上に説明した実施形態のものに限定するものではなく、少なくとも、耐震避難室が組み込まれている部屋に隣接する1つの部屋が、図1に示す部屋1B、1Cのように上方の4隅に火打兼用ブレース連結具を配置して、これらの間にブレースが渡され、且つ、その部屋の周囲の少なくとも1箇所の隣合う柱間に筋交プレートが設置されていればよい。
また、火打兼用ブレース連結具やブレース、筋交プレートの設置箇所は、図1に示す部屋1B、1Cのように、耐震避難室2が設置されている部屋1Aと隣接している部屋のみに限定するものではなく、例えば2階等の耐震避難室に隣接していない部屋にも、必要に応じて設置してもよい。
なお、木造家屋に本発明の耐震補強構造を施す工事は、既設の木造家屋内に耐震避難室を設置する工事と同時でも設置の完了後でも何れも可能であり、さらに、木造家屋の新築時に同時に行うことも可能である。
本発明の木造家屋の耐震補強構造は、一階の少なくとも1つの部屋内に、鉄骨組立構造の耐震避難室が設置された住宅等の木造家屋の効果的な耐震補強を低コストで実現できる耐震補強構造として広く利用可能である。
1 木造家屋
1A、1B、1C 部屋
2 耐震避難室
2A 鉄骨柱
2B 天井枠
2C 天井パネル
3 コンクリート基礎
3A アンカーボルト
4 緊結金物
4A 水平片
4B 垂直片
4C 補強リブ
4D 取付孔
5 柱
6、6’ 胴差
7 高張力ボルト
8 ナット
9 コーチボルト
10 火打兼用ブレース連結具
10A、10B 取付片
10C 火打梁
10D 支持板
10E ブレース連結部
10Ea、10Eb 水平部
10Ec 垂直部
10Ed 側板
10Ee 取付孔
11 ブレース
11A 取付孔
11B ねじ棒
12 連結環
13 コーチボルト
14 高張力ボルト
15 ナット
16 ダブルナット
17 筋交プレート
17A 鋼製枠部
17B 鋼板
17C 取付孔
18A、18B、18C、18D かまち
19 土台
20、21 木ねじ

Claims (3)

  1. 木造家屋一階の少なくとも1つの部屋内のコンクリート基礎上に固定して設置された、直方体状の鉄骨組立構造を有する耐震避難室の矩形状天井枠の各辺と、前記部屋の上方周囲に縦横に配置されている胴差のそれぞれが、所定間隔で設けた複数の緊結金物を介して相互に連結固定されているとともに、
    少なくとも、前記部屋に隣接する一つの部屋の4隅の柱に上方で連結されている縦横の胴差の各交差部の近傍にはそれぞれ、水平面内でL字形に直交するように一体に連結された一対の取付片と、これらの取付片に両端部が固定された火打梁と、これらの取付片間の下方に垂設されたブレース連結部からなる火打兼用ブレース連結具が設置され、
    これらの火打兼用ブレース連結具は、一対の取付片のそれぞれが、対向する胴差の側面にコーチボルトで固定されているとともに、ブレース連結部が、当該部屋の上方でその対角方向に渡された各ブレースの端部と連結され、
    少なくとも、ブレースが上方に渡されている部屋の周りに立設されている、一対の隣合う柱の間には、複数のかまちが上下方向に所定の間隔で固定されているとともに、
    前記一対の柱と上下に対向するかまちで囲まれて形成されるそれぞれの矩形状空間内には、これらの矩形状空間に適合する矩形状の鋼製枠部を有し、その内側に矩形状の鋼板が溶接固定されてなる筋交プレートが嵌め込まれ、
    これらの筋交プレートの鋼製枠部の4辺はそれぞれ、両側の柱と上下に対向するかまちの各側面に木ねじで複数箇所固定されていることを特徴とする木造家屋の耐震補強構造。
  2. 隣合う柱間の最下部に配置される筋交プレートの鋼製枠部の下辺が固定されるかまちは、木造家屋の土台の上面に当接して配置され、前記鋼製枠部の下辺を前記かまちに固定している木ねじの少なくとも一部は、先端部が当該かまちを貫通して前記土台内まで螺入されていることを特徴とする請求項1に記載の木造家屋の耐震補強構造。
  3. 緊結金物は、鋼鉄製の水平片と垂直片がL字形に連結された側面形状を有するとともに、前記水平片と垂直片間には直角三角形状の補強リブが溶接され、前記水平片には、これを耐震避難室の天井枠に固定する高張力ボルトの取付孔が形成されているとともに、前記垂直片には、これを耐震避難室が設置された部屋の上方周囲の胴差の側面に固定するコーチボルトの取付孔が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の木造家屋の耐震補強構造。
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