JP3025986U - 耐震室付き家屋 - Google Patents

耐震室付き家屋

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JP3025986U
JP3025986U JP1995014249U JP1424995U JP3025986U JP 3025986 U JP3025986 U JP 3025986U JP 1995014249 U JP1995014249 U JP 1995014249U JP 1424995 U JP1424995 U JP 1424995U JP 3025986 U JP3025986 U JP 3025986U
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忠彦 本吉
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Abstract

(57)【要約】 【課題】隣室等から容易に避難することができる開放的
なものでありながら上下と四囲の6面が一体化した剛構
造を有ししかも地盤と強固に一体結合され、瞬間的な大
荷重を確実に全面で支えることができるだけでなく既存
の建屋の頑丈な補強手段としても機能し、建屋そのもの
の揺れを減少させることができる即効姓のある耐震室付
き家屋を提供する。 【解決手段】既設建屋Aの一階の所望の室g内に、隣室
等と連絡する開口部k,k’を有する鉄骨組立構造の耐
震室Bを設けており、耐震室Bが、設置すべき室gに対
応する形状、寸法を持ち当該室gの基床領域の基礎コン
クリートhに埋設された鉄骨組土台1と、この鉄骨組土
台1の各辺に結合された複数本の鉄骨柱2,2’と、鉄
骨柱2,2’の上端部に結合された鉄骨組天井梁3とを
備え、隣りあう鉄骨柱2,2’と該鉄骨柱2,2’間の
鉄骨組土台1および鉄骨組天井梁3とが応力伝達部材4
cにより連結されて鉄骨組壁4となっている。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は耐震室付き家屋に関する。
【0002】
【従来の技術】
家屋は生活や営業、事業などを営む上で重要なものであり、高い安全性が要求 される。この観点から、土台、柱、梁、壁の開口面積などについて建築設計基準 が設けられ、これに沿って施工されている。 しかし、家屋がたとえば木造家屋で建築後かなりの年数が経て老朽化したもの であるような場合には、大震度の地震が発生したときに梁、桁、柱などに耐震度 を越える負荷かかって前記強度部材が損傷、破壊され、同時に屋根が大荷重とし て作用する。それにより建屋全体が崩れ、この倒壊、破損した部材や家具、家財 の下敷きになって人命を失ったり、大けがを負ったり、貴重な物品が破損したり 逸失するいった問題が起っている。 この対策としては、家屋全体に手を入れて土台、梁、柱などを耐震構造に改造 したり、あるいは耐震構造の住宅を新築することが必要であるが、これら方法は いずれも多大な費用と時間がかかり、経済性や即効性に乏しかった。
【0003】 この対策として、天井板と4本の支柱と床板と一面の側板を有し3面を開放し て出入口とした避難箱を建物内に配置することが提案されている。 しかしながら、このような先行技術は、金属板を主体としこれをつなぎ板で結 合した柔構造であることと3面が完全に開放されていることにより耐震度が低く 、2階の構造物が崩壊したときに、大荷重を確実に受け止めることが困難である という問題があった。しかも先行技術は単に避難箱が建物に自重で設置されるだ けであるため、地震発生時にそれ自体が移動して既存の建屋の柱などを破損させ る恐れがあった。
【0004】
【考案が解決しようする問題点】 本考案は前記のような問題点を解消するために研究して創案されたもので、そ の第1の目的は、隣室等から容易に避難することができる開放的なものでありな がら上下と四囲の6面が一体化した剛構造を有ししかも地盤と強固に一体結合さ れ、2階等の崩壊にともなう瞬間的な大荷重を確実に全面で支えることができる だけでなく既存の建屋の頑丈な補強手段としても機能し、建屋そのものの揺れを 減少させることができる即効姓のある耐震室付き家屋を提供することにある。 また、本考案の第2の目的は、第1の目的に加えて室内の有効スペースを減殺 することもなく既設の室と同等の広さを確保することができる耐震室付き家屋を 提供することにある。 なお、本考案において「家屋」とは、人が家庭生活や営業、事業などを営む 建屋であり、一般住宅、店舗、営業所、事業所、工場、あるいはそれらと一般住 宅を兼用したものなどをすべて含む。また家屋構造も、木質系の場合に特に好適 であるほか、木質・鉄骨系のものなども含み、2階建て、3階建て、平屋等のい ずれをも含む。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するため第1考案は、既設建屋の一階の所望の室内に、 隣室等と連絡する開口部を有する鉄骨組立構造の耐震室を設けたものであって、 前記耐震室が、設置すべき室に対応する形状、寸法を持ち当該室の基床領域に打 設した基礎コンクリートに埋設された鉄骨組土台と、この鉄骨組土台の各辺に結 合された複数本の鉄骨柱と、鉄骨柱の上端部に結合された鉄骨組天井梁とを備え 、隣りあう鉄骨柱と該鉄骨柱間の鉄骨組土台および鉄骨組天井梁とが応力伝達部 材により連結されて鉄骨組壁となっている構成としたものである。 鉄骨柱は好ましくは通し柱として鉄骨組土台の一部をなし下部が基礎コンクリ ートに埋設される。 また、第2の目的を達成するため第2考案は、既設建屋の一階の所望の室内に 、隣室等と連絡する開口部を有する鉄骨組立構造の耐震室を設けたものであって 、前記耐震室が、設置すべき室に対応する形状、寸法を持ち当該室の基床領域の 基礎コンクリートに埋設される鉄骨組土台と、複数本の鉄骨柱とこれらを横梁を 含む応力伝達部材で結合した鉄骨組壁と、設置すべき室に対応する形状、寸法を 持つ鉄骨組天井梁とを備え、前記鉄骨柱を含む鉄骨組壁が設置すべき室の既設柱 間の壁用空間に配されてその既設柱等と連結金具により結合されると共に、前記 鉄骨組土台および鉄骨組天井梁に連結金具で結合されている構成としたものであ る。
【0006】 第1考案、第2考案において、鉄骨組天井梁は枠フレームに補強桁を掛け渡し 結合するとともに、枠フレームと補強桁で構成される格子状空間に応力伝達部材 を連結固定することで構成されていることが好適である。 上記基本構成において、好適には鉄骨組土台は、フレームに補強桁を掛け渡し 結合して格子状に構成されている。 また、鉄骨組壁の応力伝達部材はブレースからなっていてもよいし、面板又は ブレース付きパネルからなっていてもよい。 鉄骨組天井梁の応力伝達部材は、ブレース、ブレース付きパネルあるいは面板 からなっていてもよい。面板の場合これの所要周辺が鉄骨組天井梁との間に空隙 を有していることが好ましい。 さらに本考案は、上記いずれかの構成において、鉄骨柱又は/及び鉄骨組天井 梁の外面が隣接する室の強度部材と緩衝材を介して接していることを含む。 また基礎コンクリートはアンカーとして斜め杭を用いたものを含む。本考案に おいてコンクリートはモルタルを含む概念である。
【0007】
【作用】
第1考案と第2考案は、既設の建屋Aの所望の室g内に内部に空間を有する鉄 骨組立構造からなる耐震室Bを有しているので、既設家屋Aの基本構造や外観を 何ら損なわずに所望の部屋を耐震構造の室とすることが出来る。 耐震室Bは隣室b,cなどに通じた開放型構造であるため、地震発生時に外部 から即座に室内に逃げ込むことができる。また、この鉄骨構造製の耐震室Bに貴 重品、避難用品など大事な物品を収容しておけば、地震時にそれら物品の破損や 逸失を確実に防ぐことが出来る。 しかも、本考案においては、鉄骨組土台1の各辺に結合された複数本の鉄骨柱 2,2’と、鉄骨柱2,2’の上端部に結合された鉄骨組天井梁3を備えている ことに加え、応力伝達部材4cが鉄骨組土台1と鉄骨組天井梁3および鉄骨柱2 ,2’の上下、左右を連結して鉄骨組壁4となっているため上下と4囲の計6面 を一体の剛構造することができる。 このため、上下、左右、斜めの圧縮荷重やずれ荷重に対してきわめて耐力を高 くすることができ、既存天井から上の建物部分が崩壊した場合にも、その大荷重 を瞬時に6面に分散して支えることができ、2階部分や屋根などの崩壊物を確実 に受け止め、耐震室への侵入を防止することができる。
【0008】 しかも、耐震室Bが当該室gの基床上に設置されるのでなく、少なくとも鉄骨 組土台1さらに好適にはこの鉄骨組土台1に結合された複数本の鉄骨柱2,2’ の下部とが基礎コンクリートhに埋設固定されている。 このため鉄骨組土台1と鉄骨柱2,2’とが大断面の鉄筋として機能し、耐震 室Bがきわめて強固になり、巨大地震が発生しても耐震室Bがずれ移動したりる ことがなく、この耐震室Bそのものが老朽建屋の筋交いや火打ちとして機能し、 地震による建屋自体の揺れをしっかりと受け止めて減衰させることができるから 、さらに一層安全性を高くすることができる。
【0009】 また、鉄骨組天井梁3が格子状をなしている上に、その格子状空間に応力伝達 部材3cを結合していることにより水平ブレース効果により面剛性が高くなり、 より一層耐力を高くすることができ、既存天井から上の建物部分が崩壊した場合 にも、その大荷重を瞬時に6面に分散して支えることができる。同時に、2階部 分や屋根などの崩壊物を確実に受け止め、崩壊物の耐震室Bへの侵入を防止する ことができる。
【0010】 また、格子状をなす鉄骨組天井梁3の格子空間ごとに応力伝達部材3cを組付 けることで天井強度メンバーを構成するようにしているため、限られた室g内へ の搬入や組付けが容易であると共に、耐震室Bの大きさが変わっても自在に対応 することができる。また照明器具や冷暖房器具などの取り付けも容易となる。 ことに、格子空間に対する応力伝達部材3cの少なくとも所要周辺が鉄骨組天井 梁3と隙間を持っているときには、既存建屋に装備されている配線や配管類の引 出しが容易になり、施工上も容易にボルト締めなどの作業を行うことができる。 鉄骨組土台1のフレーム1aと鉄骨組天井梁3の枠状フレーム3aに対し補強 桁1b,1b’,3b,3b’が連結金具11,13によって組付けられている ことから、設置すべき室gの室内で容易に鉄骨組土台1と鉄骨組天井梁3を組み 上げることができ、また、応力伝達部材4c,3cは予め独立したパーツとして 量産し、これを設置すべき室gに搬入することで簡単に壁や天井を形成すること ができる。したがって、溶接等の煩雑で危険を伴う作業を要さず、短期間内で熟 練を要さずに高度な耐震性の耐震室を得ることができる。 基礎コンクリートhは鉄筋を配筋埋設するだけでもよいが、アンカーとして複 数本の斜め杭を用いた場合には、支圧効果によりきわめて高い引抜き抵抗が得ら れるため、大重量の耐震室Bを確実、安定的に定着させることができる。
【0011】 第2考案においては、複数本の鉄骨柱2’,2’が設置すべき室gの既設柱間 の壁用空間tに位置され、その鉄骨柱2’,2’が横梁40,40’を含む応力 伝達部材4cで結合されて鉄骨組壁4として構成され、その鉄骨組壁4が鉄骨組 土台1と鉄骨組天井梁3に連結金具18で結合されるとともに、連結金具17に より既設柱等と結合されているため、設置すべき室gの室内には鉄骨組壁4が構 造物として突出しない。したがって設置すべき室gの有効面積(有効スペース) を広くとることができまた、壁面に凹凸を形成しないため体裁をよいものとする ことができる。
【0012】
【考案の実施の形態】
図1ないし図5は本考案による耐震室付き家屋の第1態様を一般住宅用木造家 屋に適用した実施例を示している。 Aは既設家屋であり、図3のように一階には玄関a,和室b、台所c、トイレ d、浴室eが設けられ、図1と図2のごとく二階には子供部屋など複数の室fが 設けられている。 Bは本考案による耐震室であり、設置すべき室gの大きさ(たとえば3畳、4 .5畳、6畳、8畳など)に則した形状と平面積に作られている。耐震室Bは一 階にある少なくとも1つの室g内に設置されており、その室gとしては、直接か または開閉戸などを有する開口部kを介して他の室b,cや廊下mなどと複数個 所において通じている室であることが好ましい。また、建屋内の位置や用途など からは、寝室などでもよいが、一般的には住人が集まりやすい室、たとえばリビ ングルーム、茶の間などが好適である。
【0013】 前記耐震室Bは、基本構造として、設置すべき室g内の基床領域に打設された 基礎コンクリートhに高さ方向の全部または所要範囲が埋設される鉄骨組土台1 と、この鉄骨組土台1の各辺に結合された複数本の鉄骨柱2,2’と、各鉄骨柱 2,2’の上端部に結合された鉄骨組天井梁3を備え、隣接する鉄骨柱2,2’ 同士およびこれらと鉄骨組土台1及び鉄骨組天井梁3間は応力伝達部材4cによ って剛に結合され、鉄骨組壁4となっている。 前記鉄骨柱2はこの実施例では鉄骨組土台1の各隅角部にあり、鉄骨柱2’は 鉄骨組土台1の隅角部間にあり、いずれも通し柱となっている。 そして、前記鉄骨組土台1の上には床6が張設され、鉄骨組天井梁3の下には 化粧天井3’が張設され、少なくとも鉄骨柱2,2’と鉄骨組壁4には化粧壁4 4’が施されている。
【0014】 上記耐震室Bは図6ないし図15に第1実施例が示されている。 まず、鉄骨組土台1は、図6と図7及び図9に示すように、フレーム1aと、 これの内側に掛け渡し結合された格子組状の補強桁1b,1b’とを有しており 、この実施例では鉄骨柱2,2’が通し柱であるため、それらの下部もフレーム 1aの一部を構成している。 フレーム1aは全体として設置すべき室gに則した輪郭形状を持ち、かつ設置 すべき室gの実効内寸法と同等かまたは適度に小さな外寸法を有している。この 実施例ではフレーム1aは平面矩形状となっている。 そして、フレーム1aは、図1,2、図5、6、図9、図10、11のように 設置すべき室g内の少なくとも各隅角の地盤pに打ち込んだアンカー7を含む基 礎コンクリートh中に埋設されている。基礎コンクリートhは縦横に鉄筋9を配 筋しており、この実施例ではフレーム1aの上面を含めて基礎コンクリートh中 に埋設されている。 前記アンカー7は通常の支持杭や摩擦杭などであってもよいが、この実施例で は複数本の斜め杭(支圧杭)を用いている。該斜め杭は図10と図11のように 、異なる方向に向いた複数本例えば3本のパイプ710の上部と下部の各外周を 固定プレート711,711に溶接したガイド71と、前記パイプ710を通し て地盤pに打ち込まれた杭本体70からなっている。前記杭本体70は中実なロ ッドでもよいしこの例のようにパイプでもよく、パイプの場合には内部にコンク リートh’を充填するとより効果的である。
【0015】 フレーム1aは、基礎コンクリートhとの接合をよくするため重量形鋼や軽量 形鋼たとえば溝形鋼、C形鋼からなる梁部材10a,10a,10a’,100 a,100a,100a’を平面略矩形状に配し、後述するように鉄骨柱2,2 ’と連結金具13で連結することにより組み立てられている。 この例では補強桁1bは長尺な3本からなり、補強桁1b’は短尺な12本か らなる。各補強桁1b,1b’はそれぞれ重量形鋼、軽量形鋼たとえば溝形鋼や C形鋼からなっており、3本の補強桁1bは、図6と図7のように長辺側の梁部 材10a,10a間に等間隔で渡され、また、12本の短尺な補強桁1b’は4 本ずつが1組となって短辺側の梁部材100aと各補強桁1bの間に全体として 直列状の桁となるように配され、それぞれ連結金具11とボルトナットの如き締 結具で緊締することにより、平行な3本の平行桁を構成している。そして端部の 補強桁1b,1b’はフレーム1aと連結金具13により剛結され、したがって 、鉄骨組土台1は全体として格子状となっている。 なお、床6の支持部材の固定を容易にするためフレーム1aを構成する全部ま たは一部の梁部材10a,10a,10a’,100a,100a,100a’ や補強桁1b,1b’の上面には釘の貫通が可能な薄肉形鋼110が溶接されて いる。床6はフローリング、畳など任意であり、隣室b,cの床と段差がないよ うに張設される。 フローリングの場合は、たとえば図5に例示するように鉄骨組土台1の前記薄 肉形鋼110上に支台6aを固定しこれに大引6bを配して固定し、それら大引 6bに根太木6cを受支固定し、それに合板など任意の仕上げ材6dを張設すれ ばよい。あるいはより簡便には薄肉形鋼110に根太6cを直接固定し、仕上げ 材6dを張設すればよい。畳の場合は、根太6cの上に粗床を張設し、仕上げ材 としての畳を配置すればよい。こうした床6はもちろん後述する天井と壁の仕上 げの際に行われる。
【0016】 鉄骨柱2,2’はそれぞれ重量形鋼または軽量形鋼たとえば角形鋼、あるいは 鋼管からなっており、この例では鉄骨柱2,2’はフレーム1aの各隅角部に通 し柱として立設されている。 鉄骨柱2,2’は頂部と底部にそれぞれベース金具20a,20bを溶接等に より予め一体に設けており、少なくともベース金具20aにはボルト孔が配設さ れている。 連結金具13はたとえばアングル材や2枚のフラットバーからなり、前者であ れば図8と図9のように隅角部が鉄骨柱2,2’に溶接され、後者であれば端部 が鉄骨柱2,2’に溶接され、いずれも張出し側に梁部材10a,10a’、1 00a、100a’の側面が当接されるとともに張出し側に予め設けておいたボ ルト孔にボルトを通しナットを螺合することなどにより強固に結合される。なお 、補強桁1b,1b’の端部はこれか梁部材10a,100aいずれかに片側を 溶接したアングル材またはフラットバーなどからなる連結金具13に同様にボル ト、ナットで強固に結合される。
【0017】 連結金具11はこの例ではたとえば図9に示すようにアングル材が用いられ、 片側面が補強桁1b,1b’に溶接等により接合され、残る片側面に設けたボル ト孔を予め連結すべき補強桁1b,1b’に設けたボルト孔と合致させ、ボルト を通してナットを螺合することで結合される。 もちろんこれに代えて、連結金具11として鉄鋼製の平プレートを用い、これ を補強桁1b,1b’の端部に溶接し、そのプレートの左右張り出し部分を連結 相手の梁部材10a,100aあるいは補強桁1bに当接させ、プレートから連 結相手方にボルトを挿通してナットを螺合緊締してもよい。
【0018】 鉄骨組天井梁3はこの実施例では、図1,2,4などに示されるように、設置 すべき室gの既設天井jに接するかまたはこれと若干の隙間を持たされるように 位置している。 鉄骨組天井梁3は、図6や図12のように、枠状フレーム3aと、これの内側 に格子状に掛け渡し結合された補強桁3b,3b’と、枠状フレーム3aや補強 桁3b,3b’で構成されるます状の空間に配置固定された応力伝達部材3cを 有している。 枠状フレーム3aは、設置すべき室gに則した輪郭形状を持ち、かつ設置すべ き室gの実効内寸法と同等かまたは適度に小さな外寸法を有している。枠状フレ ーム3aは平面から見て矩形状をなし、前記フレーム1aと同寸法に作られてい る。
【0019】 前記枠状フレーム3aは形鋼たとえば溝形鋼、C形鋼または角形鋼かもしくは 鋼管からなる2本ずつ2組の梁部材30a,30a,300a,300aを平行 状に配し、図6及び図12に示すように当接部位を連結金具12とボルトナット のごとき締結具で緊締することにより一体に組み立てられている。 この例では補強桁3bは長尺な3本からなり、補強桁3b’は短尺な12本か らなる。各補強桁3b,3b’はそれぞれ形鋼たとえば角形鋼もしくは鋼管から なっており、3本の補強桁3bは図6のように一対の梁部材30a,30a間に 等間隔で渡され、12本の短尺な補強桁3b’は梁部材300aと補強桁3bの 間および補強桁3b,3b間に配され、それぞれ連結金具12とボルトナットの ごとき締結具で緊締することにより格子状に組み立てられている。 連結金具12は前記連結金具13と同じくアングル材でもコ状材でも平プレー トでもよく、いずれにしても連結すべき一方に予め溶接等によって一部が固定さ れ、張り出し部分を連結相手の部材に当接させ、連結相手方に締結具としてのボ ルトを挿通してナットを螺合緊締している。 上記鉄骨組天井梁3は図12や図13などに示すように鉄骨柱2,2’の各頂 部ベース金具20aの上に載せられ、あらかじめ梁部材30a,300aに設け ておいたボルト孔に締結具としてのボルトを通しナットを螺合して頂部ベース金 具20aと緊締することにより鉄骨柱2,2’と強固に結合一体化される。
【0020】 前記応力伝達部材3cは、地震発生時に枠状フレーム3aや補強桁3b,3b ’と協働して荷重を水平方向に伝達するとともに歪みの発生を防止し、かつ上方 から加わる荷重を支え、既設天井jが破損して天井残骸やその上の構造物などが 崩壊、落下したときに、それらが鉄骨組土台1に張られた床6までの空間(耐震 室内)に侵入するのを防止する機能を発揮する。 応力伝達部材3cは補強桁3b,3b’や梁部材30a,300aに連結一体 化される。該応力伝達部材3cは格子状空間と合致したものでもよいが、好まし くは所要周辺が補強桁3b,3b’や梁部材30a,300aとの間に隙間を形 成しうる大きさ、形状とする。 この例では図12と図14のように、鋼板類を菱形ないし平行四辺形あるいは これらに類する形状にした面板からなり、各辺の頂点にはボルト孔が設けられて いる。このように応力伝達部材3cを菱形や平行四辺形状の面板とし、その各辺 の頂部を補強桁3b,3b’や梁部材30a,300aに支持させることにより 、工具やボルトナットなどの締結具を容易に挿入したり操作することができ、ま た既存天井に配されていた配線や配管を容易に耐震室内に導入することができ、 さらに軽量化を図ることができる。 補強桁3b,3b’や梁部材30a,300aには連結金具14が設けられて いる。連結金具14はたとえばアングル材からなり、その半部が補強桁3b,3 b’や梁部材30a,300aに予め溶接などにより接合され、水平に張り出す 半部にボルト孔が設けられ、この半部に応力伝達部材3cを当接させて締結具と してのボルトを通し、ナットを螺合して締め付けることで応力伝達部材3cは鉄 骨組天井梁3と一体化される。
【0021】 前記鉄骨組天井梁3の少なくとも補強桁3b,3b’あるいはさらに梁部材3 0a,300aの下面には釘の貫通が可能なタル木用の薄肉形鋼110が溶接さ れており、図14のように前記薄肉形鋼110に耐火ないし難燃性の構造用合板 たとえば石膏ボードに紙や布などの薄層仕上げ材を貼着した表装材35が張設さ れている。かかる表装材35は応力伝達部材3cを補強桁3b,3b’や梁部材 30a,300aに連結固定した後、鉄骨組天井梁3の下面に張設される。 なお、応力伝達部材3cは鉄骨組天井梁3の枠状フレーム3aや補強桁3b, 3b’で構成される空間にすべて設けられることが好ましい。そして枠状フレー ム3aや補強桁3b,3b’で構成される空間に照明器具や冷暖房器具を嵌めこ んで直付けする場合、応力伝達部材3cはそれら機器の取付け部材としても機能 することができる。
【0022】 前記鉄骨柱2,2’は応力伝達部材4cによって相互に結合され、かつ同時に 応力伝達部材4cによって鉄骨組土台1及び鉄骨組天井梁3とも結合されること で鉄骨組壁4を構成している。これは鉄骨組土台1,鉄骨柱2,2’及び鉄骨組 天井梁3と協働して地震荷重を伝達、分散させるためであり、したがって鉄骨組 壁4は鉄骨組土台1と鉄骨組天井梁3で画成される平面矩形枠の各辺に1個所以 上しかも設置すべき室gの隣室b,cや廊下mとの通路用開口部k、窓などの建 物外に通じる開口部k’を除く領域に設けられることが好ましい。 この実施例では鉄骨組壁4は各辺に1つづつであるが、後述する第2実施例の 図16で例示するように1組の対角線領域にはL状に設けられてもよい。耐震室 Bの広さが8畳など広い場合には、各対角線状にL状に設けることが好ましい。 この例では、応力伝達部材4cは、図6や図15のように、鉄骨柱2,2’間 を結合する横梁40,40’と、山形鋼やフラットバーなどからなる複数本のブ レース41が用いられている。 横梁40を組付け結合するため鉄骨柱2,2’の高さ方向中間部位にはそれぞ れアングル材などからなる連結金具15,15が溶接等により固着されており、 これら連結金具15,15に溝形鋼や鋼管などからなる横梁40が渡され、ボル トナットのような締結具により締結固定されている。 また下側の横梁40’は梁部材10a’の結合のために鉄骨柱2,2’の下部 に設けた前記連結金具13を利用してボルトナットのような締結具により締結固 定されている。もとより連結金具13とは別に上記の連結金具15を固定し、こ れに下側の横梁40’を締結固定してもよい。 そして、ブレース41を連結するため鉄骨組土台1のフレーム1aと、鉄骨柱 2,2’と前記横梁40,40’にはそれぞれ補強リブ付きの連結金具16が溶 接などで固着されており、それら連結金具16にはボルト孔が設けられていて、 これに前記ブレース41のボルト孔を合わせ、ボルトナットなどの締結具により 締結することで鉄骨組土台1と鉄骨柱2,2’と鉄骨組天井梁3を結んでいる。
【0023】 前記鉄骨柱2,2’の室内側表面又は側面には、タル木としての薄肉形鋼11 0が溶接されており、この薄肉形鋼110に壁用表装材45が張設される。壁用 表装材45は前記鉄骨組天井梁3の表装材35と同様の構成であり、鉄骨組壁4 を組付けした後、鉄骨組天井梁3の表装材35ともども内装工事として施工され 、したがって、耐震室Bの内部は既存の室gとほとんど変わらない美麗なものと なり、併せて襖、障子、壁など既存室内の表装も張替えればさらに見違えるよう な美麗な室となる。
【0024】 図16ないし図23は第1考案の第2実施例を示している。 この実施例も、設置すべき室g内の基床領域に打設された基礎コンクリートh に高さ方向の全部または所要範囲が埋設される鉄骨組土台1と、この鉄骨組土台 1の各辺に結合された複数本の鉄骨柱2,2’と、各鉄骨柱2,2’の上端部に 結合された鉄骨組天井梁3を備え、隣接する鉄骨柱2,2’同士およびこれらと 鉄骨組土台1及び鉄骨組天井梁3間は応力伝達部材4cによって剛に結合されて 鉄骨組壁4を構成している。 そして、前記鉄骨組土台1には床6が張設され、鉄骨組天井梁3には化粧天井 3’が張設され、鉄骨柱2,2’と応力伝達部材4cで構成される鉄骨組壁4に は化粧壁4’が張設されている。 上記各部の構造も基本的には第1実施例と同じであるから、異なる部分につい てのみ以下に説明を加える。
【0025】 この実施例では、鉄骨組土台1の補強桁1bが3本であるが補強桁1b’が8 本であり、図16と図17のように鉄骨柱2’がフレーム1aの対向する2つの 辺に2本設けられ、従って鉄骨組壁4が2つの対角線上でL状に構成されている 。 そして、鉄骨組天井梁3の応力伝達部材3cはこの実施例ではブレース付き パネルが用いられている。すなわち、ブレース付きパネルは山形鋼や鋼管等を溶 接して構成した枠フレーム31と、これに交差状に渡したフラットバーなどから なるブレース32とを備えている。前記枠フレーム31には所要位置たとえば各 辺の中間位置にボルト孔が配設され、これに対応する補強桁3b,3b’や梁部 材30a,300aには連結金具14が取り付けられており、これに枠フレーム 33を当接させるとともに両ボルト孔を合致させて締結具としてのボルトを通し 、ナットを螺合して締め付けることで応力伝達部材3cは鉄骨組天井梁3と一体 化される。
【0026】 また、この実施例では鉄骨組壁4を構成する応力伝達部材4cとして鉄骨柱2 ,2’間を結合する横梁40とブレース付きパネル44が用いられている。 ブレース付きのパネル44は、図19に示されるように、山形鋼や鋼管等を溶 接して構成した枠フレーム440と、これに渡したフラットバーなどからなるブ レース441とを有している。 そして、前記枠フレーム440には、所要位置たとえば4辺に2か所ずつ複数 のボルト孔が配設されており、これに対応する鉄骨組土台1のフレーム1aと、 鉄骨柱2,2’と横梁40および鉄骨組天井梁3の枠状フレーム3aにはそれぞ れアングル材などからなる連結金具16が溶接等により固着されている。 そして、それら連結金具16の張り出し側半部には対応するボルト孔が設けら れていて、これに前記枠フレーム440のボルト孔を合わせ、ボルトナットなど の締結具により締結することで鉄骨組土台1と鉄骨柱2,2’および鉄骨組天井 梁3に一体化された鉄骨組壁4が構成されている。 なお、この実施例では第1実施例の下側の横梁40’を用いていないが、もち ろん第1実施例と同じように使用してもよい。 その他は第1実施と同様であるから、説明の重複を避けるため同じ部分や部材 に同じ符号を付すに止める。
【0027】 図24ないし図29は第2考案の実施例を示している。 この第2考案は第1考案と異なり、鉄骨柱2’,2’と鉄骨組壁4が鉄骨組土 台1および鉄骨組天井梁3と垂直面内での位相がずれた位置に設けられているこ とが特徴である。 すなわち、鉄骨柱2’,2’と鉄骨組壁4は耐震室を設置すべき室gを画成す る既設柱q,qと既設梁(桁、胴差し)rおよび既設土台sで囲まれた壁用空間 tに内蔵され、それら既設部材と連結金具17によって結合されると共に、前記 鉄骨組土台1および鉄骨組天井梁3に連結金具18によって結合されている。
【0028】 詳しく述べると、鉄骨組壁4は応力伝達部材4cによって構成されており、こ の例では鉄骨柱2’,2’の中間と上,下端をそれぞれ結ぶ形鋼たとえば溝形鋼 からなる横梁40,40’40’と、横梁40,40’40’と鉄骨柱2’,2 ’を結合するブレース41からなっている。 鉄骨柱2’,2’の上端と下端と中間には前記第1考案の実施例と同じように 内方に向けて張り出す連結金具15,15が溶接などによって固着されており、 これら連結金具15,15に横梁40,40’40’を渡し、それらに予め設け たボルト孔を合致させボルトナットなどで緊締することにより結合される。 また、横梁40,40’40’と鉄骨柱2’,2’には内方に張り出す連結金 具16,16が溶接などでそれぞれ固着されており、それら連結金具16,16 にはボルト孔が設けられていて、これに前記ブレース41のボルト孔を合わせ、 ボルトナットなどの締結具により締結することで横梁40,40’40’と鉄骨 柱2’,2’を一体化する鉄骨組壁4が構成される。
【0029】 前記鉄骨柱2’,2’の上端と下端と中間には、図28のように側方に張り出 す1枚、2枚又はコ状などの連結金具17が溶接等によって固着されており、こ れら連結金具17はこれが一枚である場合には既設柱q,qの片側に当接し、2 枚あるいはコ状の場合には図25のように既設柱q,qを両側から挟むように外 嵌し、釘のごとき金具170によって既設柱q,qに固定されている。 また、上下の横梁40’40’には同様に外方に張り出すプレート状の連結金 具17が溶接等によって固着されており、これら連結金具17は既設梁rと既設 土台sに当接され、釘のごとき金具170によって既設梁rと既設土台sに固定 されている。 一方、鉄骨柱2’,2’の上端と下端には図25ないし図27のように連結金 具18の基部側が溶接等によってそれぞれ固着されている。それら連結金具18 はこの例ではアングル材が用いられ、張出し部180が室内側に向けて突出し、 図26と図27のように鉄骨組土台1のフレーム1aと鉄骨組天井梁3の枠フレ ーム3aにボルトナットなどの締結具によって緊締されている。 なお、応力伝達部材4cは第1考案の第2実施例のようなブレース付きパネル でもよいし、面板でもよい。また連結金具18はアングル材に限らずブロックな ど任意である。 さらに、この第2考案は連結金具17,18を含む鉄骨柱2’,2’と鉄骨組 壁4を予め一つのパネルとして構成してもよい。この場合は、鉄骨柱2’,2’ と横梁40,40’40’を溶接して枠状体にし、鉄筋や棒材あるいは形鋼から なるブレースをその枠状体に溶接するとともに連結金具17,18を溶接すれば よい。この場合、壁用空間tへの内装のため連結金具17は一枚プレートとする ことが好ましい。
【0030】 鉄骨組土台1は図24(b)のように枠状のフレーム1aと、これの内側に掛 け渡し結合された格子組状の補強桁1b,1b’とを有しており、全体としてフ レーム1aは、設置すべき室gに則した輪郭形状を持ち、かつ設置すべき室gの 実効内寸法と同等かまたは適度に小さな外寸法を有している。 フレーム1aは、基礎コンクリートhとの接合をよくするため重量形鋼や軽量 形鋼たとえば溝形鋼、C形鋼からなる梁部材10a,10a,100a,100 aを矩形状に配し、連結金具13で緊締することにより組み立てられている。 この例では補強桁1bは長尺な3本からなり、補強桁1b’は短尺な8本から なる。各補強桁1b,1b’はそれぞれ重量形鋼、軽量形鋼たとえば溝形鋼やC 形鋼からなっており、3本の補強桁1bは、梁部材10a,10a間に等間隔で 渡され、また、8本の短尺な補強桁1b’は4本ずつが1組となって短辺側の梁 部材100aと各補強桁1bの間に全体として直列状の桁となるように配され、 それぞれ連結金具11で緊締することにより、平行な2本の平行桁を構成してい る。そして端部の補強桁1b,1b’はフレーム1aと連結金具13により剛結 され、したがって、鉄骨組土台1は全体として格子状となっている。 この第2考案は鉄骨柱2’,2’が別位置にあるため、第1考案のように梁部 材10a’や100a’を用いない単純なものとすることができる。
【0031】 鉄骨組天井梁3は、図24(a)のように枠状フレーム3aと、これの内側に 格子状に掛け渡し結合された補強桁3b,3b’と、枠状フレーム3aや補強桁 3b,3b’で構成されるます状の空間に配置固定された応力伝達部材3cを有 している。 枠状フレーム3aは、設置すべき室gに則した輪郭形状を持ち、かつ設置すべ き室gの実効内寸法と同等かまたは適度に小さな外寸法を有している。枠状フレ ーム3aは平面から見て矩形状をなし、前記フレーム1aと同寸法に作られてい る。 前記枠状フレーム3aは形鋼たとえば溝形鋼、C形鋼または角形鋼かもしくは 鋼管からなる2本ずつ2組の梁部材30a,30a,300a,300aを平行 状に配し、当接部位を連結金具12とボルトナットのごとき締結具で緊締するこ とにより一体に組み立てられている。 この例では補強桁3bは長尺な3本からなり、補強桁3b’は短尺な8本から なる。各補強桁3b,3b’はそれぞれ形鋼たとえば角形鋼もしくは鋼管からな っており、3本の補強桁3bは一対の梁部材30a,30a間に等間隔で渡され 、8本の短尺な補強桁3b’は梁部材300aと補強桁3bの間および補強桁3 b,3b間に配され、それぞれ連結金具12とボルトナットのごとき締結具で緊 締することにより格子状に組み立てられている。 応力伝達部材3cはこの例では第1考案の第1実施例と同じ面板が用いられて いるが、これに限らず第2実施例のようなブレース付きパネルなどであってもよ い。応力伝達部材3cの取付けの詳細は前記第1考案を援用する。
【0032】 この第2考案における鉄骨柱2’,2’と鉄骨組壁4は、鉄骨組天井梁3を支 える関係から、設置すべき室gの各辺に少なくとも一つずつ設けられることが必 要であるが、この条件内で設置すべき室gの開口部の状態に則して任意に配置す ることができる。 図24(a)では鉄骨柱2’,2’を含む鉄骨組壁4が各辺の隅角領域に1つ ずつ配置し、一つの辺にはL状をなすようにさらに一つ追加されている。図24 (b)では1つの鉄骨柱2’,2’を含む鉄骨組壁4が1つの辺の隅角部でなく 中間部に配されており、一つの隅角部には独立した鉄骨柱2”が基礎コンクリー トhに埋設され、該鉄骨柱2”の下部と上端部とに固着した連結金具18が鉄骨 組土台1のフレーム1aと鉄骨組天井梁3の枠フレーム3aにボルトナットなど の締結具によって緊締されている。
【0033】 床6や化粧天井3’などは前記した第1考案の場合と同様である。化粧壁4’ は鉄骨柱2’,2’と鉄骨組壁4が既設壁空間tに格納されているため、鉄骨柱 2’,2’と鉄骨組壁4に張設しあるいは既設柱q,qを利用して施せばよく、 残余の壁については設置すべき室gの壁が汚れていない場合には既設壁をそのま ま利用することができる。
【0034】 なお、本考案は種々の態様を取り得るもので、前述した実施例に限定されるも のではない。 たとえば、鉄骨組土台1は場合によっては、枠状フレーム1aのます目に鉄骨 組天井梁に用いたものと同じ応力伝達部材を結合し、それらも基礎コンクリート hに埋設してもよい。 また、鉄骨組壁4の応力伝達部材4cはブレース、ブレース付きパネルに限定 されるものではなく、鉄骨組天井梁3に用いられているような面板であってもよ いのはもちろんである。 また、第1考案の場合、鉄骨柱2,2’又は/及び鉄骨組天井梁3の外面と室 gの強度部材(既設柱や既設梁)とを木質板や繊維補強プラスチックなどの緩衝 材8を介して接触させることも好適である。こうすれば、耐震室Bが地震発生時 に既設建屋の揺れを直接受け止めることができる。 第1考案においても、第2考案と同様に鉄骨柱2’,2’を含む鉄骨組壁4を 溶接などよってパネルとして作っておき、これを鉄骨組土台1のフレーム1aと 鉄骨組天井梁3の枠フレーム3aに連結金具で結合してもよい。この場合、好ま しくは梁部材10a’,100a’も溶接などして一体化しておく。 また第1考案の鉄骨柱2,2’は場合によっては通し柱でなくてもよく、この 場合には、鉄骨柱2,2’の下端にベース金具20bを固着し、これを鉄骨組土 台1のフレーム1aにボルトナット類で緊締固定すればよい。 さらに、アンカー7は必ずしも斜め杭を用いたものに限定されず、図31のよ うにUボルトなどであってもよく、この場合にはアンカーの上端はベース金具2 0bにナットなどによって結合される。
【0035】
【実施例の作用】
第1考案に示す耐震室Bを得るに当っては、まず、設置すべき室gの既存床あ るいはさらに既存天井を除去し、耐震室Bの4隅に相当する地盤pを適度に掘り 下げ、鉄筋9を縦横に配筋すると共に、ガイド71の各斜めパイプ710を通し て地盤pに杭本体70を打ち込み、この状態でガイド71を含めて地盤p上に下 部基礎コンクリートh’を打設する。この下部基礎コンクリートh’が固化した 状態でその上に鉄骨組土台1と鉄骨柱2,2’を設置する。 これは、予め外部で全部か又はフレーム1aだけを組み上げて設置すべき室g に搬入して行ってもよい。しかし、一般的には、鉄骨柱2,2’と各梁部材10 a,10a,10a’、100a,100a,100a’を設置すべき室gに搬 入し、鉄骨柱2,2’の下端のベース金具20b,20bを下部基礎コンクリー トh’の表面に設置し、各梁部材10a,10a,10a’、100a,100 a,100a’を配材して連結金具13とボルトナット類でフレーム1aを組立 てると同時にこれに4隅と中間の鉄骨柱2,2’とを剛結する。そして補強桁1 b,1b’を配材して連結金具11により格子状に組付ける。
【0036】 次に、鉄骨組天井梁3を鉄骨柱2,2’の上に配して剛結する。この作業は一 般的には、枠状フレーム3aをこれを構成する梁部材30a,30a,300a ,300aに分解した状態にして設置すべき室gに搬入し、鉄骨柱2,2’の上 に載せて、ベース金具20a,20aにより鉄骨柱2,2’と結合するとともに 連結金具12により枠状フレーム3aを構成し、次いで補強桁3b,3b’を連 結金具12により格子状に組立て、各応力伝達部材3cをます目空間に配して連 結金具14により連結固定する。 この場合、第1実施例では応力伝達部材3cは菱形ないし平行四辺形状となっ ているためこれと補強桁3b,3b’や梁部材30a,30a,300a,30 0aとの間の空隙38から工具を挿入して容易に締結を行うことができる。第2 実施例ではブレース付きパネルであるためこれまた緊締は容易である。 なお、スペース的な余裕があれば、鉄骨組天井梁3の全体を予め外部で組付け 連結し、全体を設置すべき室gに搬入してリフトアッフして行ってもよい。ある いはまた鉄骨組天井梁3の枠状フレーム3aだけを外部で組み立てて搬入し、鉄 骨柱2,2’の上に載せて鉄骨柱2,2’のベース金具20aと締結具によって 結合し、補強桁3b,3b’と応力伝達部材3cを別途搬入し、枠状フレーム3 aに補強桁3b,3b’を連結金具12により連結一体化させ、補強桁3b,3 b’に応力伝達部材3cを連結固定してもよい。
【0037】 こうして鉄骨組天井梁3を組み上げた後かあるいは鉄骨組天井梁3を組み上げ る前に、前記鉄骨組土台1には上部基礎コンクリートh”を打設し、図30(b )のように鉄骨組土台1を埋設する。鉄骨組土台1は縦横の梁部材10a,10 a,10a’、100a,100a,100a’と補強桁1b,1b’からなっ ているためこれが基礎コンクリートhに埋設されることによってきわめて強固な 土台となり、しかも4隅にはアンカー7が打ち込まれて強固に定着されるため、 耐震室Bの大荷重を安定して支え、かつ地震による大きな引抜力に対抗すること ができる。
【0038】 次いで応力伝達部材4cが搬入され、横梁40,40’が連結金具15により 鉄骨柱2,2’に結合され、第1実施例ではブレース41が各連結金具16に連 結される。第2実施例ではブレース付きパネル44が連結金具16に連結される 。前者は小型の部材であるため安価であると共に搬入や取扱いが容易であり、組 立て誤差も容易に吸収することができる。あとは、床6と化粧天井3’と化粧壁 4’を施せばよく、以上により第1考案の第1実施例の耐震室Bが完成する。
【0039】 この耐震室Bは鉄骨組土台1と鉄骨柱2,2’と鉄骨組天井梁3を有し、かつ 鉄骨柱2,2’間には応力伝達部材4cによりきわめて頑丈な鉄骨組壁4が構成 される。しかも、鉄骨組土台1と鉄骨組天井梁3は格子状をなし、鉄骨組土台1 は基礎コンクリートhに埋設されこれと一体化され、また鉄骨組天井梁3はます 目に応力伝達部材3cを配して連結一体化している。応力伝達部材3cは面板や 鉄骨組パネルであるため面剛性が高い。 このため、鉄骨組土台1、鉄骨組天井梁3、鉄骨柱2,2’、鉄骨組壁4およ び応力伝達部材3cが6面で一体化した剛構造となり、大荷重を瞬間的に分散さ せることができ、上下、左右、斜めからの圧縮荷重に対して極めて強く、またず れ変形力に対しても強力に耐えられる。 したがって、老朽化した建屋であっても、耐震室Bのある室gだけは耐震度が きわめて高く、他の室がすべて倒壊、損壊しても確実に残存し、2階の構造が崩 れてもこれをしっかりと受け止め、崩壊構造物の室内への侵入を防止することが できる。 しかも、耐震室Bはカプセルのように1か所の出入口しか無いものと違って、 隣室b,cや廊下mなどに通じた複数の開口部kを有している。このため、地震 の発生時に他室に居ても即座に逃げ込むことができる。また、貴重品や緊急防災 用品、保存食料なども耐震室Bの中に配置しておき、あるいは床6と鉄骨組土台 1の間の空間に配しておけば、確実に破損や逸失を防止することができる。
【0040】 そして、地震により当該家屋が倒壊ないし崩壊しても耐震室Bは残存し、その 耐震室Bは、鉄骨組土台1と鉄骨柱2,2’と鉄骨組天井梁3と周囲の複数個所 の鉄骨組壁4により箱型骨格構造をなし、下部には床6があり、鉄骨組天井梁3 の各格子空間には応力伝達部材3cが配されている。したがって、そのまま余震 に耐えられる簡易家屋として当座の生活を営むことが可能である。 なお、鉄骨柱2,2’又は/及び鉄骨組天井梁3の外側と既設建屋の強度部材 との間を緩衝材8で埋めておけば、建屋の振動を基礎コンクリートhによって不 動の耐震室Bによって直接受け止めることができ、既設建屋の倒壊そのものをも 防止することができる。
【0041】 第2考案においては、設置すべき室gに面する所要の壁を除去し、既設柱q, qと既設梁rおよび既設土台sで囲まれた壁用空間tを露出させる。この壁用空 間tに図29に示されるような鉄骨柱2’,2’と、横梁40,40’とブレー ス41を配材して組付ける。 すなわち、鉄骨柱2’,2’を壁用空間tに装入して連結金具17を既設柱q ,qに当接し、金具170によって既設柱q,qに固定させる。そして、次に横 梁40,40’を装入して連結金具16により鉄骨柱2’,2’の上下と中間に 掛け渡し結合するとともに、上下の横梁40’,40’は連結金具17によって 既設梁rと既設土台sとを結合させる。そして最後にブレース41を連結金具1 6に締結する。これで壁用空間tに鉄骨柱2’,2’を含む鉄骨組壁4が組み込 まれる。
【0042】 一方、鉄骨土台1は前記した第1考案と同様に図30(a)(b)のような2 段階で基礎コンクリートhを打設して埋設する。そして、この鉄骨組土台1のフ レーム1aに鉄骨柱2’,2’から突出している連結金具18を当接させてボル トナット類で結合一体化させる。 また、第1考案と同様に鉄骨組天井梁3の全体を組み上げるかまたは枠フレー ム3aないしはさらに補強桁を組み上げ、これをリフトアップして枠フレーム3 aに鉄骨柱2’,2’から突出している連結金具18を当接させてボルトナット 類で結合一体化させる。そして、各格子状のますに応力伝達部材3cを取り付け る。 これにより耐震室Bの骨格が完成し、あとは床6と仕上げ天井3’を張り、少 なくとも壁用空間tを覆うように仕上げ壁4’を施せばよい。 なお、鉄骨柱2’,2’を含む鉄骨組壁4と連結金具17,18を外部で予め パネルにしておいて場合には、このパネルを壁用空間tに装入して連結金具17 を既設柱q,qに固定し、鉄骨柱2’,2’から突出している連結金具18を鉄 骨組土台1と鉄骨組天井梁3に連結するだけでよいため、作業は非常に簡単にな る。 かかる第2考案においては、前記した第1考案の作用が得られるうえに、鉄骨 柱2’,2’を含む鉄骨組壁4が既設壁用空間tに内蔵されているため、鉄骨組 土台1と鉄骨組天井梁3よりも背後ないし外方にある。したがって、第1考案の ように鉄骨柱2,2’と鉄骨組壁4の厚さ分が室内に張出して有効面積を狭くす ることがなく、また室内に凹凸を形成することもなく、元の室の面積と同じ面積 の体裁のよい耐震室Bとすることができる。
【0043】
【考案の効果】
以上説明した本考案の請求項1によるときには次のようなすぐれた効果が得ら れる。 既設建屋Aの所望の室内gに、隣室b,cなどと連絡する開口部k,k’を有 する鉄骨組立構造の耐震室Bを設置したため、補強材などにより建屋全体を耐震 構造に改造するのに比べて簡単かつ経済的である。 耐震室Bの鉄骨組土台1が既存建屋Aの1階の設置すべき室gに対応する形状 、寸法を持ち、当該室の基床領域の基礎コンクリートhに埋設されているためき わめて堅牢であり、巨大地震によっても耐震室Bは不動であるから避難室として だけでなく既存建屋の筋交い火打ちとしても機能し、激震を吸収することがせで きる。しかも、この鉄骨組土台1は各辺に複数本の鉄骨柱2,2’が結合され、 その鉄骨柱2,2’の上端部に鉄骨組天井梁3が結合され、隣あう鉄骨柱2,2 ’が鉄骨組土台1および鉄骨組天井梁3とを結ぶ応力伝達部材4cにより連結さ れて鉄骨組壁4となっているため面剛性が極めて高く、6面が一体化した剛構造 となり、上下、左右、斜めの圧縮荷重、剪断力、ずれ変形力に対して全体が対抗 し、かつ瞬間的に加わる荷重を局部に集中させず、全体に効率よく伝達、分散さ せることができる。したがって地震発生時に他室や廊下等から容易に入室するこ とができるものでありなから耐震度がきわめて高く、地震によって当該家屋が倒 壊、損壊してもその荷重に耐えられる居住空間が確保され、家屋構成材などの下 敷きになるということを確実に回避することができる。 鉄骨組立て式であり、部材を当該室に搬入して組立てることができ、室の広さ にも自在に対応することができるため短期間で安価に施工することができる。
【0044】 請求項2によれば、請求項1の効果に加えて、鉄骨組天井梁3が、枠状フレー ム3aに補強桁3b,3b’を掛け渡し結合するとともに、枠状フレーム3aと 補強桁3b,3b’で構成される格子状空間に応力伝達部材3cを連結固定する ことで構成されているため、天井域の面剛性がさらに強化され、耐震度を高める ことができるとともに、上部構造物の崩壊物をしっかりと受け止め耐震室内への 落下を防止することができ、それでいて応力伝達部材3cの大きさが単位あたり 小さいため搬入や組付けが容易でまた、室の広さにも自在に対応することができ るというすぐれた効果が得られる。
【0045】 請求項3と請求項9によれば、鉄骨組土台1がフレーム1aに補強桁1b,1 b’を掛け渡し結合して格子状に構成されているため、基礎コンクリートhとの 結合力が強く、強固な土台を形成することができるというすぐれた効果が得られ る。 請求項4によれば、鉄骨柱2,2’が通し柱として基礎コンクリートhに埋設 されるため強度を高くすることができるというすぐれた効果が得られる。 請求項5と請求項10によれば、鉄骨柱2,2’と前記鉄骨組土台1および前 記鉄骨組天井梁3とを結ぶ応力伝達部材4cが横梁40,40’とブレース41 からなっているためコストが安く、室gへの搬入が容易であり、また鉄骨柱2, 2’と前記鉄骨組土台1および前記鉄骨組天井梁3の組立て状態にゆがみがあっ ても自在に対応することができるため組立てが容易であるというすぐれた効果が 得られる。 請求項6によれば、応力伝達部材4cが面板またはブレース付きパネルからな っているため、部材数を少なくすることができるというすぐれた効果が得られる 。
【0046】 請求項7によれば、設置すべき室gに対応する形状、寸法を持ち当該室gの基 床領域の基礎コンクリートhに埋設される鉄骨組土台1と、複数本の鉄骨柱2’ ,2’とこれらを横梁40,40’を含む応力伝達部材4cで結合した鉄骨組壁 4と、設置すべき室gに対応する形状、寸法を持つ鉄骨組天井梁3とを備え、前 記前記鉄骨組壁4が設置すべき室gの既設柱間の壁用空間tに内蔵され、既設柱 等と結合されると共に前記鉄骨組土台1と鉄骨組天井梁3に結合されているため 、請求項1の効果を有する上、体裁がよいとともに室の有効面積・有効スペース を減縮させず、既存の室と同じ広さにとることができるというすぐれた効果が得 られる。 請求項8によれば、請求項7の効果に加え、天井域の面剛性がさらに強化され 、耐震度を高めることができるとともに、上部構造物の崩壊物をしっかりと受け 止め耐震室内への落下を防止することができ、それでいて応力伝達部材3cの大 きさが単位あたり小さいため搬入や組付けが容易でまた、室の広さにも自在に対 応することができるというすぐれた効果が得られる。 請求項11によれば、鉄骨柱2’,2’を含む鉄骨組壁4が鉄骨組土台1や鉄 骨組天井梁3と独立したパネルとなっているため、工場において連結金具17, 18の固着を含めて量産しておくことができ、したがって、室gでの施工を迅速 簡易化することができるというすぐれた効果が得られる。 請求項12によれば、応力伝達部材3cとして面板が用いられているため上部 構造物の小さな崩壊物をも確実に受け止めることができ、それでいて鉄骨組天井 梁3に対する締結作業を容易に行うことができ、かつまた照明器具や冷暖房機器 あるいは配線や配管の取出しも容易に行えるというすぐれた効果が得られる。 請求項13によれば、部材数を少なくすることができるというすぐれた効果が 得られる。 請求項14によれば、アンカーとして複数本の斜め杭を用いているため、大重 量の耐震室Bを確実強固に地盤に定着させ、激震時にも高い耐引抜き性能を発揮 することができるというすぐれた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案による耐震室付き家屋の一例を示す縦断
側面図である。
【図2】本考案による耐震室付き家屋の一例を示す縦断
正面図である。
【図3】図2の部分切欠横断面図である。
【図4】本考案による耐震室付き家屋の部分切欠正面図
である。
【図5】本考案による耐震室付き家屋の床部分の断面図
である。
【図6】第1考案の第1実施例を示す斜視図である。
【図7】同じく第1実施例の鉄骨組土台を示す一部切欠
平面図である。
【図8】図7の一部拡大図である。
【図9】第1実施例の鉄骨組土台を示す斜視図である。
【図10】図7のX−X線に沿う断面図である。
【図11】図10のY−Y線に沿う断面図である。
【図12】第1実施例の鉄骨組天井梁の部分的見上げ図
である。
【図13】同じくその斜視図である。
【図14】図12のZ−Z線に沿う断面図である。
【図15】第1実施例の鉄骨柱と鉄骨組壁を示す正面図
である。
【図16】第1考案の第2実施例を示す斜視図である。
【図17】同じくその鉄骨組土台を示す横断面図であ
る。
【図18】同じくその鉄骨組天井梁の見上げ図である。
【図19】第2実施例における鉄骨組壁部分の拡大図で
ある。
【図20】第2実施例における鉄骨組壁と鉄骨組天井梁
との取り合いを示す部分的斜視図である。
【図21】第2実施例における鉄骨組土台と鉄骨組壁と
の取り合いを示す部分的斜視図である。
【図22】第2実施例における鉄骨組天井梁と応力伝達
部材の取り合いを示す部分的平面図である。
【図23】第2実施例における鉄骨組天井梁と鉄骨組壁
との取り合いを示す部分的断面図である。
【図24】第2考案の鉄骨柱と鉄骨組壁の例を示すもの
で、(a)はその一例を示す見上げ図であり、(b)は
別の例を示す平面図である。
【図25】第2考案の拡大正面図である。
【図26】図25のI−I線に沿う断面図である。
【図27】図26の部分的拡大図である。
【図28】図25のII−II線に沿う拡大断面図であ
る。
【図29】第2考案の鉄骨柱と鉄骨組壁の使用部材の斜
視図である。
【図30】第1考案と第2考案における基礎形成状態を
段階的に示す断面図である。
【図31】本考案における基礎の他の例を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
A 既存建屋 B 耐震室 b,c 室 g 設置すべき室 h 基礎コンクリート 1 鉄骨組土台 1a フレーム 1b,1b’ 補強桁 2,2’ 鉄骨柱 3 鉄骨組天井梁 3a 枠状フレーム 3b,3b’ 補強桁 3c 応力伝達部材 4 鉄骨組壁 4c 応力伝達部材 10a,10a’,30a,100a,100a’,3
00a 梁部材 11,12,13,15,16,17,18 連結金具 40,40’ 横梁 41 ブレース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 E04H 1/02

Claims (15)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】既設建屋Aの一階の所望の室g内に、隣室
    等と連絡する開口部k,k’を有する鉄骨組立構造の耐
    震室Bを設けたものにして、前記耐震室Bが、設置すべ
    き室gに対応する形状、寸法を持ち当該室gの基床領域
    の基礎コンクリートhに埋設された鉄骨組土台1と、こ
    の鉄骨組土台1の各辺に結合された複数本の鉄骨柱2,
    2’と、鉄骨柱2,2’の上端部に結合された鉄骨組天
    井梁3とを備え、隣りあう鉄骨柱2,2’と該鉄骨柱
    2,2’間の鉄骨組土台1および鉄骨組天井梁3とが応
    力伝達部材4cにより連結されて鉄骨組壁4となってい
    ることを特徴とする耐震室付き家屋。
  2. 【請求項2】既設建屋Aの一階の所望の室g内に、隣室
    等と連絡する開口部k,k’を有する鉄骨組立構造の耐
    震室Bを設けたものにして、前記耐震室Bが、設置すべ
    き室gに対応する形状、寸法を持ち当該室gの基床領域
    の基礎コンクリートhに埋設された鉄骨組土台1と、こ
    の鉄骨組土台1の各辺に結合された複数本の鉄骨柱2,
    2’と、鉄骨柱2,2’の上端部に結合された鉄骨組天
    井梁3とを備え、隣りあう鉄骨柱2,2’と該鉄骨柱
    2,2’間の鉄骨組土台1および鉄骨組天井梁3とが応
    力伝達部材4cにより連結されて鉄骨組壁4となってお
    り、鉄骨組天井梁3が、枠状フレーム3aに補強桁3
    b,3b’を掛け渡し結合するとともに、枠状フレーム
    3aと補強桁3b,3b’で構成される格子状空間に応
    力伝達部材3cを連結固定することで構成されているこ
    とを特徴とする耐震室付き家屋。
  3. 【請求項3】鉄骨組土台1がフレーム1aに補強桁1
    b,1b’を掛け渡し結合して構成されている請求項1
    または請求項2に記載の耐震室付き家屋。
  4. 【請求項4】複数本の鉄骨柱2,2’が鉄骨組土台1の
    一部を構成するように通し柱となっており、下部が基礎
    コンクリートhに埋設されているものを含む請求項1な
    いし請求項3のいずれかに記載の耐震室付き家屋。
  5. 【請求項5】応力伝達部材4cがブレース41からなっ
    ている請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の耐震
    室付き家屋。
  6. 【請求項6】応力伝達部材4cが面板又はブレース付き
    パネルからなっている請求項1ないし請求項4のいずれ
    かに記載の耐震室付き家屋。
  7. 【請求項7】既設建屋Aの一階の所望の室g内に、隣室
    等と連絡する開口部k,k’を有する鉄骨組立構造の耐
    震室Bを設けたものにして、前記耐震室Bが、設置すべ
    き室gに対応する形状、寸法を持ち当該室gの基床領域
    の基礎コンクリートhに埋設される鉄骨組土台1と、複
    数本の鉄骨柱2’,2’とこれらを横梁40,40’を
    含む応力伝達部材4cで結合した鉄骨組壁4と、設置す
    べき室gに対応する形状、寸法を持つ鉄骨組天井梁3と
    を備え、前記鉄骨柱2’,2’を含む鉄骨組壁4が設置
    すべき室gの既設柱間の壁用空間tに配されてその既設
    柱等と連結金具17により結合されると共に、前記鉄骨
    組土台1および鉄骨組天井梁3に連結金具18で結合さ
    れていることを特徴とする耐震室付き家屋。
  8. 【請求項8】既設建屋Aの一階の所望の室g内に、隣室
    等と連絡する開口部k,k’を有する鉄骨組立構造の耐
    震室Bを設けたものにして、前記耐震室Bが、設置すべ
    き室gに対応する形状、寸法を持ち当該室gの基床領域
    の基礎コンクリートhに埋設される鉄骨組土台1と、複
    数本の鉄骨柱2’,2’とこれらを横梁40,40’を
    含む応力伝達部材4cで結合した鉄骨組壁4と、設置す
    べき室gに対応する形状、寸法を持つ鉄骨組天井梁3と
    を備え、前記鉄骨柱2’,2’を含む鉄骨組壁4が設置
    すべき室gの既設柱間の壁用空間tに配されてその既設
    柱等と連結金具17により結合されると共に、前記鉄骨
    組土台1および鉄骨組天井梁3に連結金具18で結合さ
    れており、かつ鉄骨組天井梁3が枠状フレーム3aに補
    強桁3b,3b’を掛け渡し結合するとともに、枠状フ
    レーム3aと補強桁3b,3b’で構成される格子状空
    間に応力伝達部材3cを連結固定することで構成されて
    いることを特徴とする耐震室付き家屋。
  9. 【請求項9】鉄骨組土台1がフレーム1aに補強桁1
    b,1b’を掛け渡し結合している請求項7または請求
    項8に記載の耐震室付き家屋。
  10. 【請求項10】応力伝達部材4cがブレース41、面板
    又はブレース付きパネルのいずれである請求項7または
    請求項8に記載の耐震室付き家屋。
  11. 【請求項11】鉄骨柱2’,2’を含む鉄骨組壁4がパ
    ネルとなっているものを含む請求項7または請求項8に
    記載の耐震室付き家屋。
  12. 【請求項12】応力伝達部材3cが面板からなってお
    り、これの所要周辺が鉄骨組天井梁3との間に空隙を有
    している請求項3ないし請求項6、請求項8ないし請求
    項10のいずれかに記載の耐震室付き家屋。
  13. 【請求項13】応力伝達部材3cがブレース又はブレー
    ス付きパネルからなっている請求項3ないし請求項6、
    請求項8ないし請求項10のいずれかに記載の耐震室付
    き家屋。
  14. 【請求項14】基礎コンクリートhが複数本の斜め杭か
    らなるアンカー7を有しているものを含む請求項1ない
    し請求項13のいずれかに記載の耐震室付き家屋。
  15. 【請求項15】鉄骨柱2,2’又は/及び鉄骨組天井梁
    3の外面が隣接する室の強度部材と緩衝材8を介して接
    しているものを含む請求項1又は請求項2請求項7又は
    請求項8のいずれかに記載の耐震室付き家屋。
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