JPH09165936A - 耐震室付き家屋 - Google Patents
耐震室付き家屋Info
- Publication number
- JPH09165936A JPH09165936A JP34839395A JP34839395A JPH09165936A JP H09165936 A JPH09165936 A JP H09165936A JP 34839395 A JP34839395 A JP 34839395A JP 34839395 A JP34839395 A JP 34839395A JP H09165936 A JPH09165936 A JP H09165936A
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- Japan
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- steel
- steel frame
- frame
- room
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- Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】隣室等から容易に避難することができる開放的
なものでありながら、上下と四囲の6面が一体化した剛
構造を有し、2階等の崩壊にともなう瞬間的な大荷重を
確実に全面で支えることができ、しかも、既存家屋の大
幅な改造を要さず、既設家屋内で容易に短期間内で容易
に施工できる安価で即効姓のある耐震室付き家屋を提供
する。 【解決手段】既設建屋Aの所望の室g内に、隣室等と連
絡する開口部kを有する鉄骨組立構造の耐震室Bを設置
しており、前記耐震室Bは、設置すべき室gに対応する
形状、寸法を持ち当該室gの基床h上に設置される鉄骨
組土台1と、この鉄骨組土台1の各辺に結合された複数
本ずつの鉄骨柱2,2’と、それら鉄骨柱2,2’の上
端部に結合された鉄骨組梁3と、隣接する鉄骨柱2,
2’間および鉄骨柱2,2’間の鉄骨組土台1及び鉄骨
組梁3間とを結合する鉄骨壁4を備え、鉄骨組土台1の
上には床6が設けられ、鉄骨柱2,2’と鉄骨壁4の室
内側表面には表装壁7が張設され、鉄骨組梁3の下面に
は表装天井8が張設されている。
なものでありながら、上下と四囲の6面が一体化した剛
構造を有し、2階等の崩壊にともなう瞬間的な大荷重を
確実に全面で支えることができ、しかも、既存家屋の大
幅な改造を要さず、既設家屋内で容易に短期間内で容易
に施工できる安価で即効姓のある耐震室付き家屋を提供
する。 【解決手段】既設建屋Aの所望の室g内に、隣室等と連
絡する開口部kを有する鉄骨組立構造の耐震室Bを設置
しており、前記耐震室Bは、設置すべき室gに対応する
形状、寸法を持ち当該室gの基床h上に設置される鉄骨
組土台1と、この鉄骨組土台1の各辺に結合された複数
本ずつの鉄骨柱2,2’と、それら鉄骨柱2,2’の上
端部に結合された鉄骨組梁3と、隣接する鉄骨柱2,
2’間および鉄骨柱2,2’間の鉄骨組土台1及び鉄骨
組梁3間とを結合する鉄骨壁4を備え、鉄骨組土台1の
上には床6が設けられ、鉄骨柱2,2’と鉄骨壁4の室
内側表面には表装壁7が張設され、鉄骨組梁3の下面に
は表装天井8が張設されている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐震室付き家屋に関
する。
する。
【0002】
【従来の技術】家屋は生活や営業、事業などを営む上で
重要なものであり、高い安全性が要求される。この観点
から、土台、柱、梁、壁の開口面積などについて建築設
計基準が設けられ、これに沿って施工されている。しか
し、家屋がたとえば木質系やセメントブロックの積み上
げなどで作られ、建築後かなりの年数が経て老朽化した
ものであるような場合には、大震度の地震が発生したと
きに梁、桁、柱などに耐震度を越える負荷かかって前記
強度部材が損傷、破壊され、同時に屋根が大荷重として
作用する。それにより建屋全体が崩れ、この倒壊、破損
した部材や家具、家財の下敷きになって人命を失った
り、大けがを負ったり、貴重な物品が破損したり逸失す
るいった問題が起っている。この対策としては、家屋全
体に手を入れて土台、梁、柱などを耐震構造に改造した
り、あるいは耐震構造の住宅を新築することが必要であ
るが、これら方法はいずれも多大な費用と時間がかか
り、経済性や即効性に乏しかった。
重要なものであり、高い安全性が要求される。この観点
から、土台、柱、梁、壁の開口面積などについて建築設
計基準が設けられ、これに沿って施工されている。しか
し、家屋がたとえば木質系やセメントブロックの積み上
げなどで作られ、建築後かなりの年数が経て老朽化した
ものであるような場合には、大震度の地震が発生したと
きに梁、桁、柱などに耐震度を越える負荷かかって前記
強度部材が損傷、破壊され、同時に屋根が大荷重として
作用する。それにより建屋全体が崩れ、この倒壊、破損
した部材や家具、家財の下敷きになって人命を失った
り、大けがを負ったり、貴重な物品が破損したり逸失す
るいった問題が起っている。この対策としては、家屋全
体に手を入れて土台、梁、柱などを耐震構造に改造した
り、あるいは耐震構造の住宅を新築することが必要であ
るが、これら方法はいずれも多大な費用と時間がかか
り、経済性や即効性に乏しかった。
【0003】この対策としては、天井板と4本の支柱と
床板と一面の側板(3面を開放して出入口とする)から
なる避難箱を建物内に配置することが考えられる。しか
しながら、この構造では、第1に金属板を主体としこれ
をつなぎ板で結合した柔構造であることと、3面が完全
に開放されていることにより、耐震度が低く、2階の構
造物が崩壊したときに、大荷重を確実に受け止めること
が困難である。第2に天井板が側板と支柱の間につなぎ
板を渡して溶接する構造をあるため、溶接機を建物内で
使用しなければならず、危険である。
床板と一面の側板(3面を開放して出入口とする)から
なる避難箱を建物内に配置することが考えられる。しか
しながら、この構造では、第1に金属板を主体としこれ
をつなぎ板で結合した柔構造であることと、3面が完全
に開放されていることにより、耐震度が低く、2階の構
造物が崩壊したときに、大荷重を確実に受け止めること
が困難である。第2に天井板が側板と支柱の間につなぎ
板を渡して溶接する構造をあるため、溶接機を建物内で
使用しなければならず、危険である。
【0004】
【発明が解決しようする問題点】本発明は前記のような
問題点を解消するために研究して創案されたもので、そ
の目的とするところは、隣室等から容易に避難すること
ができるものでありながら、上下と四囲の6面が一体化
した剛構造を有し、2階等の崩壊にともなう瞬間的な大
荷重を確実に全面で支えることができ、しかも、通常の
部屋と外観上全く変わらず体裁がよく、それでいて既存
家屋の大幅な改造を要さず既設家屋内で容易に短期間内
で容易に施工できる安価で即効姓のある耐震室付き家屋
を提供することにある。なお、本発明において「家屋」
とは、人が家庭生活や営業、事業などを営む建屋であ
り、一般住宅、店舗、営業所、事業所、工場、あるいは
それらと一般住宅を兼用したものなどをすべて含む。ま
た家屋構造も、木質系の場合に特に好適であるほか、木
質・無機物系、鉄骨系のものも含み、2階建て、3階建
て、平屋等のいずれをも含む。
問題点を解消するために研究して創案されたもので、そ
の目的とするところは、隣室等から容易に避難すること
ができるものでありながら、上下と四囲の6面が一体化
した剛構造を有し、2階等の崩壊にともなう瞬間的な大
荷重を確実に全面で支えることができ、しかも、通常の
部屋と外観上全く変わらず体裁がよく、それでいて既存
家屋の大幅な改造を要さず既設家屋内で容易に短期間内
で容易に施工できる安価で即効姓のある耐震室付き家屋
を提供することにある。なお、本発明において「家屋」
とは、人が家庭生活や営業、事業などを営む建屋であ
り、一般住宅、店舗、営業所、事業所、工場、あるいは
それらと一般住宅を兼用したものなどをすべて含む。ま
た家屋構造も、木質系の場合に特に好適であるほか、木
質・無機物系、鉄骨系のものも含み、2階建て、3階建
て、平屋等のいずれをも含む。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、既設建屋の所望の室内に、隣室等と連絡する
開口部を有する鉄骨組立構造の耐震室を設置してなり、
前記耐震室が、設置すべき室に対応する形状、寸法を持
ち当該室の基床上に設置される鉄骨組土台と、この鉄骨
組土台の各辺に結合された複数本ずつの鉄骨柱と、それ
ら鉄骨柱の上端部に結合された鉄骨組梁と、隣接する鉄
骨柱間および鉄骨柱間の鉄骨組土台及び鉄骨組梁間とを
結合する鉄骨壁を備え、鉄骨組土台の上には床が設けら
れ、鉄骨柱と鉄骨壁の室内側表面には表装壁が張設さ
れ、鉄骨組梁の下面には表装天井が張設されている構成
としたものである。
本発明は、既設建屋の所望の室内に、隣室等と連絡する
開口部を有する鉄骨組立構造の耐震室を設置してなり、
前記耐震室が、設置すべき室に対応する形状、寸法を持
ち当該室の基床上に設置される鉄骨組土台と、この鉄骨
組土台の各辺に結合された複数本ずつの鉄骨柱と、それ
ら鉄骨柱の上端部に結合された鉄骨組梁と、隣接する鉄
骨柱間および鉄骨柱間の鉄骨組土台及び鉄骨組梁間とを
結合する鉄骨壁を備え、鉄骨組土台の上には床が設けら
れ、鉄骨柱と鉄骨壁の室内側表面には表装壁が張設さ
れ、鉄骨組梁の下面には表装天井が張設されている構成
としたものである。
【0006】前記鉄骨組梁は、好適には枠状フレームに
補強桁を掛け渡し結合し、しかも枠状フレームと補強桁
で構成される格子状空間にパネルを連結固定している。
このパネルとしては好適には面板からなり、該面板の所
要周辺と枠状フレームや補強桁との間に空隙が形成され
ているものである。また、鉄骨壁はブレース、パネル
(ブレース付き枠または面板)などから構成される。鉄骨
組土台は、フレームに補強桁を掛け渡し結合するととも
に、フレームと補強桁で構成される格子状空間に応力伝
達部材を連結固定したものが適している。この場合、応
力伝達部材としては面板、鉄骨筋交い付き枠、ブレー
ス、桁などが用いられる。面板を用いた場合には鉄骨組
梁と共通部材とすることができる。鉄骨柱は上下端を鉄
骨組梁と鉄骨組土台に挟まれるように結合したものであ
ってもよいが、下端側が鉄骨組土台の一部を構成するよ
うに通し柱となっているものでもよい。また、鉄骨柱又
は/及び鉄骨組梁の外面が隣接する室の強度部材と緩衝
材を介して接していてもよい。
補強桁を掛け渡し結合し、しかも枠状フレームと補強桁
で構成される格子状空間にパネルを連結固定している。
このパネルとしては好適には面板からなり、該面板の所
要周辺と枠状フレームや補強桁との間に空隙が形成され
ているものである。また、鉄骨壁はブレース、パネル
(ブレース付き枠または面板)などから構成される。鉄骨
組土台は、フレームに補強桁を掛け渡し結合するととも
に、フレームと補強桁で構成される格子状空間に応力伝
達部材を連結固定したものが適している。この場合、応
力伝達部材としては面板、鉄骨筋交い付き枠、ブレー
ス、桁などが用いられる。面板を用いた場合には鉄骨組
梁と共通部材とすることができる。鉄骨柱は上下端を鉄
骨組梁と鉄骨組土台に挟まれるように結合したものであ
ってもよいが、下端側が鉄骨組土台の一部を構成するよ
うに通し柱となっているものでもよい。また、鉄骨柱又
は/及び鉄骨組梁の外面が隣接する室の強度部材と緩衝
材を介して接していてもよい。
【0007】
【作用】本考案は、既設の建屋Aの所望の室g内に、鉄
骨組土台1と、この鉄骨組土台1の各辺に結合された複
数本ずつの鉄骨柱2,2’と、鉄骨柱2,2’の上端部
に結合された鉄骨組梁3と、隣接しあう鉄骨柱2,2’
間および鉄骨柱2,2’間の領域の鉄骨組土台1と鉄骨
組梁3間とを結合する複数枚の鉄骨壁4を備えた鉄骨組
立構造からなる耐震室Bを設置したので、既設家屋Aの
基本構造を損なわず、外観を何ら損なわずに所望の部屋
を耐震シェルターとすることが出来る。前記耐震室Bは
鉄骨組土台1の上には床6が設けられ、鉄骨柱2,2’
と鉄骨壁パネル4の室内側表面には表装壁7が張設さ
れ、鉄骨組梁3の下面には表装天井8が張設されている
ため、普通の部屋と全く変わりがなく、外観も優れ、居
住性も良好である。そして、耐震室Bは隣室b,cなど
に通じた開放型構造であるため、地震発生時に外部から
即座に室内に逃げ込むことができる。また、この鉄骨構
造製の耐震室Bに貴重品、避難用品など大事な物品を収
容しておけば、地震時にそれら物品の破損や逸失を確実
に防ぐことが出来る。
骨組土台1と、この鉄骨組土台1の各辺に結合された複
数本ずつの鉄骨柱2,2’と、鉄骨柱2,2’の上端部
に結合された鉄骨組梁3と、隣接しあう鉄骨柱2,2’
間および鉄骨柱2,2’間の領域の鉄骨組土台1と鉄骨
組梁3間とを結合する複数枚の鉄骨壁4を備えた鉄骨組
立構造からなる耐震室Bを設置したので、既設家屋Aの
基本構造を損なわず、外観を何ら損なわずに所望の部屋
を耐震シェルターとすることが出来る。前記耐震室Bは
鉄骨組土台1の上には床6が設けられ、鉄骨柱2,2’
と鉄骨壁パネル4の室内側表面には表装壁7が張設さ
れ、鉄骨組梁3の下面には表装天井8が張設されている
ため、普通の部屋と全く変わりがなく、外観も優れ、居
住性も良好である。そして、耐震室Bは隣室b,cなど
に通じた開放型構造であるため、地震発生時に外部から
即座に室内に逃げ込むことができる。また、この鉄骨構
造製の耐震室Bに貴重品、避難用品など大事な物品を収
容しておけば、地震時にそれら物品の破損や逸失を確実
に防ぐことが出来る。
【0008】さらに、複数枚の鉄骨壁4を鉄骨組土台1
と鉄骨組梁3および鉄骨柱2,2’に上下、左右を連結
固定しており、少なくとも鉄骨組梁3あるいはさらに鉄
骨組梁3と鉄骨組土台1とが、それぞれ形鋼からなるフ
レーム1a,3aに補強桁1b,1b’,3b,3b’
を十字状に掛け渡した格子状空間を有し、その格子状空
間にパネル3cや応力伝達部材1cを配して連結固定す
ることで構成されている。このような構造のため、水平
ブレース効果により面剛性が高く、上下と4囲の計6面
を一体の剛構造することができる。このため、上下、左
右、斜めの圧縮荷重やずれ荷重に対してきわめて衝撃耐
久力を高くすることができ、既存天井から上の建物部分
が崩壊した場合にも、その大荷重を瞬時に6面に分散し
て支えることができ、2階部分や屋根などの崩壊物を確
実に受け止め、耐震室への侵入を防止することができ
る。
と鉄骨組梁3および鉄骨柱2,2’に上下、左右を連結
固定しており、少なくとも鉄骨組梁3あるいはさらに鉄
骨組梁3と鉄骨組土台1とが、それぞれ形鋼からなるフ
レーム1a,3aに補強桁1b,1b’,3b,3b’
を十字状に掛け渡した格子状空間を有し、その格子状空
間にパネル3cや応力伝達部材1cを配して連結固定す
ることで構成されている。このような構造のため、水平
ブレース効果により面剛性が高く、上下と4囲の計6面
を一体の剛構造することができる。このため、上下、左
右、斜めの圧縮荷重やずれ荷重に対してきわめて衝撃耐
久力を高くすることができ、既存天井から上の建物部分
が崩壊した場合にも、その大荷重を瞬時に6面に分散し
て支えることができ、2階部分や屋根などの崩壊物を確
実に受け止め、耐震室への侵入を防止することができ
る。
【0009】また、側壁を鉄骨壁4で構成するため、既
存建屋に対応するように隣室等への通行用の連絡部を自
由かつ簡便に形成することができ、さらに格子状をなす
鉄骨組梁3の格子空間にパネル3cを組付けることで天
井強度メバーを構成するようにしているため、耐震室の
大きさが変わっても自在に対応することができる。こと
に、パネル3cを面板としこれの所要周辺とフレーム3
aや補強桁3b,3b’との間に隙間sを形成した場合
には、大重量の崩壊物をもしっかりと受け止めることが
でき、それでいて施工時に運搬、搬入が容易であり、ま
た工具や金具類の挿入が容易なため鉄骨組梁3連結作業
も簡単迅速に行える。また、既存建屋に装備されている
配線や配管の導出も自在であり、照明器具や冷暖房器具
の直付けプレートとしても使用することができ、したが
って既設の照明器具や冷暖房器具を有効に活用すること
ができる。また、パネル3cや応力伝達部材1c,4c
は予め独立したパーツとして量産し、これを設置すべき
室gに搬入することで簡単に壁や天井を形成することが
できる。したがって、溶接等の煩雑で危険を伴う作業を
要さず、短期間内で熟練を要さずに高度な耐震室を得る
ことができる。
存建屋に対応するように隣室等への通行用の連絡部を自
由かつ簡便に形成することができ、さらに格子状をなす
鉄骨組梁3の格子空間にパネル3cを組付けることで天
井強度メバーを構成するようにしているため、耐震室の
大きさが変わっても自在に対応することができる。こと
に、パネル3cを面板としこれの所要周辺とフレーム3
aや補強桁3b,3b’との間に隙間sを形成した場合
には、大重量の崩壊物をもしっかりと受け止めることが
でき、それでいて施工時に運搬、搬入が容易であり、ま
た工具や金具類の挿入が容易なため鉄骨組梁3連結作業
も簡単迅速に行える。また、既存建屋に装備されている
配線や配管の導出も自在であり、照明器具や冷暖房器具
の直付けプレートとしても使用することができ、したが
って既設の照明器具や冷暖房器具を有効に活用すること
ができる。また、パネル3cや応力伝達部材1c,4c
は予め独立したパーツとして量産し、これを設置すべき
室gに搬入することで簡単に壁や天井を形成することが
できる。したがって、溶接等の煩雑で危険を伴う作業を
要さず、短期間内で熟練を要さずに高度な耐震室を得る
ことができる。
【0010】
【実施例】図1ないし図4は本発明による耐震耐震室付
き家屋を一般住宅用木造家屋に適用した例を示してい
る。Aは既設家屋であり、一階には玄関a,和室b、台
所c、トイレd、浴室eが設けられ、二階には子供部屋
など複数の室fが設けられている。Bは本考案による耐
震室であり、既設家屋Aが二階建であれば、一階にある
少なくとも1つの室g内に設置されている。室gとして
は、直接かまたは開閉戸などの開口部kを介して他の室
b,cや廊下mなどと複数個所において通じている室で
あることが好ましい。また、建屋内の位置や用途などか
らは、寝室あるいは住人が集まりやすい室、たとえば居
間、茶の間などが好適である。
き家屋を一般住宅用木造家屋に適用した例を示してい
る。Aは既設家屋であり、一階には玄関a,和室b、台
所c、トイレd、浴室eが設けられ、二階には子供部屋
など複数の室fが設けられている。Bは本考案による耐
震室であり、既設家屋Aが二階建であれば、一階にある
少なくとも1つの室g内に設置されている。室gとして
は、直接かまたは開閉戸などの開口部kを介して他の室
b,cや廊下mなどと複数個所において通じている室で
あることが好ましい。また、建屋内の位置や用途などか
らは、寝室あるいは住人が集まりやすい室、たとえば居
間、茶の間などが好適である。
【0011】前記耐震室Bは耐震室Bは設置すべき室g
の大きさ(たとえば3畳、4.5畳、6畳、8畳など)
に則した平面積に作られており、設置すべき室g内の基
床領域に設置される鉄骨組土台1と、この鉄骨組土台1
の少なくとも隅角部に結合された複数本の鉄骨柱2,
2’と、鉄骨柱2,2’の上端部に結合された鉄骨組梁
3と、隣接する鉄骨柱2,2’の間を結ぶと共に鉄骨柱
2,2’間の領域の鉄骨組土台1と及び鉄骨組梁3間と
を結ぶ少なくとも各辺に一枚ずつの鉄骨壁4とを備えて
いる。そして、鉄骨組土台1の上には床6が設けられ、
鉄骨柱2,2’と鉄骨壁4の室内側表面には表装壁7が
張設され、鉄骨組梁3の下面には表装天井8が張設され
ている。
の大きさ(たとえば3畳、4.5畳、6畳、8畳など)
に則した平面積に作られており、設置すべき室g内の基
床領域に設置される鉄骨組土台1と、この鉄骨組土台1
の少なくとも隅角部に結合された複数本の鉄骨柱2,
2’と、鉄骨柱2,2’の上端部に結合された鉄骨組梁
3と、隣接する鉄骨柱2,2’の間を結ぶと共に鉄骨柱
2,2’間の領域の鉄骨組土台1と及び鉄骨組梁3間と
を結ぶ少なくとも各辺に一枚ずつの鉄骨壁4とを備えて
いる。そして、鉄骨組土台1の上には床6が設けられ、
鉄骨柱2,2’と鉄骨壁4の室内側表面には表装壁7が
張設され、鉄骨組梁3の下面には表装天井8が張設され
ている。
【0012】上記耐震室Bは図5ないし図14に第1実
施例が示されている。まず、鉄骨組土台1は、図5と図
9及び図10に示すように、フレーム1aと、これの内
側に掛け渡し結合された格子組状の補強桁1b,1b’
を備えており、この第1実施例では、鉄骨柱2,2’が
通し柱であるためそれらの下部もフレーム1aの一部を
構成し、フレーム1aは全体として平面矩形枠状となっ
ている。そして、フレーム1aと補強桁1b,1b’と
で構成されるます状の空間に応力伝達部材1cを配置固
定している。フレーム1aは、設置すべき室gに則した
輪郭形状を持ち、かつ設置すべき室gの実効内寸法と同
等かまたは適度に小さな外寸法を有している。フレーム
1aは、設置すべき室g内の土または打設コンクリート
からなる基床hの上に直接設置されるか、あるいは、図
1,2,4のように基床hの上に配したコンクリート製
または免震機能を有する受支部材5によって少なくとも
隅角部が支えられている。
施例が示されている。まず、鉄骨組土台1は、図5と図
9及び図10に示すように、フレーム1aと、これの内
側に掛け渡し結合された格子組状の補強桁1b,1b’
を備えており、この第1実施例では、鉄骨柱2,2’が
通し柱であるためそれらの下部もフレーム1aの一部を
構成し、フレーム1aは全体として平面矩形枠状となっ
ている。そして、フレーム1aと補強桁1b,1b’と
で構成されるます状の空間に応力伝達部材1cを配置固
定している。フレーム1aは、設置すべき室gに則した
輪郭形状を持ち、かつ設置すべき室gの実効内寸法と同
等かまたは適度に小さな外寸法を有している。フレーム
1aは、設置すべき室g内の土または打設コンクリート
からなる基床hの上に直接設置されるか、あるいは、図
1,2,4のように基床hの上に配したコンクリート製
または免震機能を有する受支部材5によって少なくとも
隅角部が支えられている。
【0013】枠状フレーム1aは、重量形鋼や軽量形鋼
たとえば溝形鋼、C形鋼または角形鋼(断面が矩形状の
閉鎖輪郭となったもの)あるいは鋼管からなる梁部材1
0a,10a,,10a’と100a,100a,10
0a’の2組を平行状に配し、当接部位を連結金具11
とボルトナットなどの締結具で緊締することにより組立
てられている。また、この例では鉄骨柱2,2’が通し
柱であるためこれらとの間も後述するように連結金具1
1とボルトナットなどの締結具によって緊締連結されて
いる。この実施例では、補強桁1bは長尺な3本からな
り、補強桁1b’は短尺な12本からなる。各補強桁1
b,1b’はそれぞれ重量形鋼、軽量形鋼の角形鋼もし
くは鋼管からなっており、3本の補強桁1bは、梁部材
10a,10a間に等間隔で渡され、また、12本の短
尺な補強桁1b’は4本ずつが梁部材100aと各補強
桁1bの間に全体として直列状の桁となるように配さ
れ、それぞれ連結金具11と締結具で緊締することによ
り、梁部材10a,10aと平行な3本の平行桁を構成
している。そして両端の補強桁1b,1b’はフレーム
1aと連結金具11により剛結され、したがって、鉄骨
組土台1は全体として格子状となっている。
たとえば溝形鋼、C形鋼または角形鋼(断面が矩形状の
閉鎖輪郭となったもの)あるいは鋼管からなる梁部材1
0a,10a,,10a’と100a,100a,10
0a’の2組を平行状に配し、当接部位を連結金具11
とボルトナットなどの締結具で緊締することにより組立
てられている。また、この例では鉄骨柱2,2’が通し
柱であるためこれらとの間も後述するように連結金具1
1とボルトナットなどの締結具によって緊締連結されて
いる。この実施例では、補強桁1bは長尺な3本からな
り、補強桁1b’は短尺な12本からなる。各補強桁1
b,1b’はそれぞれ重量形鋼、軽量形鋼の角形鋼もし
くは鋼管からなっており、3本の補強桁1bは、梁部材
10a,10a間に等間隔で渡され、また、12本の短
尺な補強桁1b’は4本ずつが梁部材100aと各補強
桁1bの間に全体として直列状の桁となるように配さ
れ、それぞれ連結金具11と締結具で緊締することによ
り、梁部材10a,10aと平行な3本の平行桁を構成
している。そして両端の補強桁1b,1b’はフレーム
1aと連結金具11により剛結され、したがって、鉄骨
組土台1は全体として格子状となっている。
【0014】連結金具11は片側面が梁部材10a,1
0a,100a,100aに溶接等により接合され、残
る片側面に設けたボルト孔を予め梁部材10a,10
a,100a,100aや補強桁1b,1b’に設けた
ボルト孔と合致させ、ボルトを通してナットを螺合する
ことで結合する。なお、連結金具11はアングル材だけ
なく鉄鋼製のコ状プレートや平プレートを用い、これを
補強桁1b,1b’の端部に溶接し、そのプレートの左
右張り出し部分を連結相手の梁部材10a,10a,1
00a,100aあるいは補強桁1bに当接させ、プレ
ートから連結相手方にボルトを挿通してナットを螺合緊
締してもよい。
0a,100a,100aに溶接等により接合され、残
る片側面に設けたボルト孔を予め梁部材10a,10
a,100a,100aや補強桁1b,1b’に設けた
ボルト孔と合致させ、ボルトを通してナットを螺合する
ことで結合する。なお、連結金具11はアングル材だけ
なく鉄鋼製のコ状プレートや平プレートを用い、これを
補強桁1b,1b’の端部に溶接し、そのプレートの左
右張り出し部分を連結相手の梁部材10a,10a,1
00a,100aあるいは補強桁1bに当接させ、プレ
ートから連結相手方にボルトを挿通してナットを螺合緊
締してもよい。
【0015】応力伝達部材1cは、地震発生時にフレー
ム1aや補強桁1b,1b’と協働して荷重を水平方向
に伝達するとともに歪みの発生を防止しする機能を発揮
するもので、この実施例では後述する鉄骨組梁3に対す
るもの共通な鋼板類で作られた面板が用いられている。
該面板は格子空間に合致する寸法形状でもよいが、好ま
しくは、所要周辺がフレーム1aや補強桁1b,1b’
の間に隙間sを形成しうるように菱形ないし平行四辺形
などとしたものが用いられる。かかる面板は各辺の頂部
に相当する部分にボルト孔が設けられている。一方、こ
れに対応する補強桁1b,1b’や梁部材10a,10
a’,100a,100a’には連結金具13が取り付
けられている。連結金具13はたとえばアングル材から
なり、その半部が補強桁1b,1b’や梁部材10a,
10a’,100a,100a’に予め溶接などにより
接合されており、水平に張り出す半部にボルト孔が設け
られ、この半部に面板を受支させるとともに両ボルト孔
を合致させて締結具としてのボルトを通し、ナットを螺
合して締め付けることで補強桁1b,1b’やフレーム
1aと一体化される。前記応力伝達部材1cは必ずしも
全部の格子状空間に取り付けられることは要しさず、た
とえば鉄骨組土台1の中央領域は省略されてもよい。
ム1aや補強桁1b,1b’と協働して荷重を水平方向
に伝達するとともに歪みの発生を防止しする機能を発揮
するもので、この実施例では後述する鉄骨組梁3に対す
るもの共通な鋼板類で作られた面板が用いられている。
該面板は格子空間に合致する寸法形状でもよいが、好ま
しくは、所要周辺がフレーム1aや補強桁1b,1b’
の間に隙間sを形成しうるように菱形ないし平行四辺形
などとしたものが用いられる。かかる面板は各辺の頂部
に相当する部分にボルト孔が設けられている。一方、こ
れに対応する補強桁1b,1b’や梁部材10a,10
a’,100a,100a’には連結金具13が取り付
けられている。連結金具13はたとえばアングル材から
なり、その半部が補強桁1b,1b’や梁部材10a,
10a’,100a,100a’に予め溶接などにより
接合されており、水平に張り出す半部にボルト孔が設け
られ、この半部に面板を受支させるとともに両ボルト孔
を合致させて締結具としてのボルトを通し、ナットを螺
合して締め付けることで補強桁1b,1b’やフレーム
1aと一体化される。前記応力伝達部材1cは必ずしも
全部の格子状空間に取り付けられることは要しさず、た
とえば鉄骨組土台1の中央領域は省略されてもよい。
【0016】次に、鉄骨柱2,2’はそれぞれ重量形鋼
または軽量形鋼たとえば角形鋼、あるいは鋼管からなっ
ており、強度と耐震性を高くするため、鉄骨柱2はフレ
ーム1aの各隅角部に通し柱として立設されている。ま
た鉄骨柱2’は隅角部に近い部分のフレーム1aに通し
柱として立設されている。隅角部の鉄骨柱2,2は頂部
と底部にそれぞれベース金具20a,20bを溶接等に
より予め一体に設けており、ベース金具20aにはボル
ト孔が配設されている。底部のベース金具20bは図9
などに示すように、梁部材10aと10a’、100a
と100a’にまたがる大きさを持っている。頂部のベ
ース金具20bも梁部材30aと300aにまたがる大
きさを持ち、ボルト孔を有している。同様に中間の鉄骨
柱2’も頂部と底部にそれぞれ平面矩形状のベース金具
20a,20bを溶接等により一体に設けており、すく
なくとも頂部のベース金具20aにはボルト孔が設けら
れている。前記鉄骨柱2,2’はたとえば図5のように
アングル状や2枚のフラットバーなどからなる連結金具
11を有している。前者の場合には隅角部が鉄骨柱2,
2’に溶接され、後者であれば端部が鉄骨柱2,2’に
溶接され、いずれも張出し側に梁部材10,10a’、
100a,100a’の側面が当てられ、張出し側に設
けておいたボルト孔にボルトを通してナットを螺合すこ
となどにより強固に結合される。なお、図5の例では鉄
骨柱2’もアングル状の連結金具11を固着しているた
め、2方向の張出し部によって梁部材10または100
aと補強桁1b,1b’との連結を行っている。
または軽量形鋼たとえば角形鋼、あるいは鋼管からなっ
ており、強度と耐震性を高くするため、鉄骨柱2はフレ
ーム1aの各隅角部に通し柱として立設されている。ま
た鉄骨柱2’は隅角部に近い部分のフレーム1aに通し
柱として立設されている。隅角部の鉄骨柱2,2は頂部
と底部にそれぞれベース金具20a,20bを溶接等に
より予め一体に設けており、ベース金具20aにはボル
ト孔が配設されている。底部のベース金具20bは図9
などに示すように、梁部材10aと10a’、100a
と100a’にまたがる大きさを持っている。頂部のベ
ース金具20bも梁部材30aと300aにまたがる大
きさを持ち、ボルト孔を有している。同様に中間の鉄骨
柱2’も頂部と底部にそれぞれ平面矩形状のベース金具
20a,20bを溶接等により一体に設けており、すく
なくとも頂部のベース金具20aにはボルト孔が設けら
れている。前記鉄骨柱2,2’はたとえば図5のように
アングル状や2枚のフラットバーなどからなる連結金具
11を有している。前者の場合には隅角部が鉄骨柱2,
2’に溶接され、後者であれば端部が鉄骨柱2,2’に
溶接され、いずれも張出し側に梁部材10,10a’、
100a,100a’の側面が当てられ、張出し側に設
けておいたボルト孔にボルトを通してナットを螺合すこ
となどにより強固に結合される。なお、図5の例では鉄
骨柱2’もアングル状の連結金具11を固着しているた
め、2方向の張出し部によって梁部材10または100
aと補強桁1b,1b’との連結を行っている。
【0017】次に鉄骨組梁3は前記鉄骨柱2,2’に結
合され、この実施例では、図1,2,4などに示される
ように、設置すべき室gの既設天井jに接するかまたは
これと若干の隙間を持たされるように位置している。鉄
骨組梁3は、図9,図11,12のように、枠状フレー
ム3aと、これの内側に格子状に掛け渡し結合された補
強桁3b,3b’と、枠状フレーム3aや補強桁3b,
3b’で構成されるます状の空間に配置固定されたパネ
ル3cを有している。枠状フレーム3aは、設置すべき
室gに則した輪郭形状を持ち、かつ設置すべき室gの実
効内寸法と同等かまたは適度に小さな外寸法を有してい
る。枠状フレーム3aは平面から見て矩形状をなし、前
記鉄骨組土台1の枠状フレーム1aと同寸法に作られて
いる。
合され、この実施例では、図1,2,4などに示される
ように、設置すべき室gの既設天井jに接するかまたは
これと若干の隙間を持たされるように位置している。鉄
骨組梁3は、図9,図11,12のように、枠状フレー
ム3aと、これの内側に格子状に掛け渡し結合された補
強桁3b,3b’と、枠状フレーム3aや補強桁3b,
3b’で構成されるます状の空間に配置固定されたパネ
ル3cを有している。枠状フレーム3aは、設置すべき
室gに則した輪郭形状を持ち、かつ設置すべき室gの実
効内寸法と同等かまたは適度に小さな外寸法を有してい
る。枠状フレーム3aは平面から見て矩形状をなし、前
記鉄骨組土台1の枠状フレーム1aと同寸法に作られて
いる。
【0018】前記枠状フレーム3aは鉄骨組土台1の枠
状フレーム1aと同じように、形鋼たとえば溝形鋼、C
形鋼または角形鋼かもしくは鋼管からなる2本ずつ2組
の梁部材30a,30a,300a,300aを平行状
に配し、各当接部位を連結金具11と締結具で緊締する
ことにより一体に組み立てられている。補強桁3b,3
b’のうち補強桁3bは長尺な3本からなり、補強桁3
b’は短尺な12本からなる。各補強桁3b,3b’は
それぞれ形鋼たとえば角形鋼もしくは鋼管からなってお
り、3本の補強桁3bは図9と図11のように梁部材3
0a,30a間に等間隔で渡され、12本の短尺な補強
桁3b’は梁部材300aと補強桁3bの間および補強
桁3b,3b間に配され、それぞれ連結金具11と締結
具で緊締することにより格子状に組み立てられている。
格子は前記鉄骨組土台1と大きさ、形状が合致してい
る。連結金具11はアングル材でもよいし平プレートで
もよく、いずれにしても補強桁3b,3b’の両端部に
予め溶接等によって一部が固定され、張り出し部分を連
結相手の梁部材30a,30a,300a,300aあ
るいは補強桁3bに当接させ、連結相手方に締結具とし
てのボルトを挿通してナットを螺合緊締している。上記
鉄骨組梁3は図9などに示すように鉄骨柱2,2’の各
頂部ベース金具20aの上に載せられ、あらかじめそれ
ら梁部材30a,300aに設けておいたボルト孔に締
結具としてのボルトを通しナットを螺合して緊締するこ
とにより鉄骨柱2,2’と強固に結合され、一体化され
る。
状フレーム1aと同じように、形鋼たとえば溝形鋼、C
形鋼または角形鋼かもしくは鋼管からなる2本ずつ2組
の梁部材30a,30a,300a,300aを平行状
に配し、各当接部位を連結金具11と締結具で緊締する
ことにより一体に組み立てられている。補強桁3b,3
b’のうち補強桁3bは長尺な3本からなり、補強桁3
b’は短尺な12本からなる。各補強桁3b,3b’は
それぞれ形鋼たとえば角形鋼もしくは鋼管からなってお
り、3本の補強桁3bは図9と図11のように梁部材3
0a,30a間に等間隔で渡され、12本の短尺な補強
桁3b’は梁部材300aと補強桁3bの間および補強
桁3b,3b間に配され、それぞれ連結金具11と締結
具で緊締することにより格子状に組み立てられている。
格子は前記鉄骨組土台1と大きさ、形状が合致してい
る。連結金具11はアングル材でもよいし平プレートで
もよく、いずれにしても補強桁3b,3b’の両端部に
予め溶接等によって一部が固定され、張り出し部分を連
結相手の梁部材30a,30a,300a,300aあ
るいは補強桁3bに当接させ、連結相手方に締結具とし
てのボルトを挿通してナットを螺合緊締している。上記
鉄骨組梁3は図9などに示すように鉄骨柱2,2’の各
頂部ベース金具20aの上に載せられ、あらかじめそれ
ら梁部材30a,300aに設けておいたボルト孔に締
結具としてのボルトを通しナットを螺合して緊締するこ
とにより鉄骨柱2,2’と強固に結合され、一体化され
る。
【0019】前記パネル3cは、地震発生時に枠状フレ
ーム3aや補強桁3b,3b’と協働して荷重を水平方
向に伝達するとともに歪みの発生を防止し、かつ上方か
ら加わる荷重を支え、既設天井jが破損して天井残骸や
その上の構造物などが崩壊、落下したときに、それらが
鉄骨組土台1(正確には後述する床)との空間すなわち耐
震室内に侵入するのを防止する機能を発揮する。パネル
3cは補強桁3b,3b’や梁部材30a,300aに
連結一体化される。該パネル3cは格子状空間に合致す
る大きさ形状のものでもよいが、好ましくは所要周辺が
補強桁3b,3b’や梁部材30a,300aとの間に
隙間sを形成しうる大きさ、形状となっている。この例
では鋼板類を菱形ないしは平行四辺形状にした面板から
なっており、かかる面板は各辺の頂部に相当する部分に
ボルト孔が設けられている。一方、これに対応する補強
桁3b,3b’や梁部材30a,300aには連結金具
13が取り付けられている。連結金具13はたとえばア
ングル材からなり、その半部が補強桁3b,3b’や梁
部材30a,300aに予め溶接などにより接合されて
おり、水平に張り出す半部にボルト孔が設けられ、この
半部に面板を受支させるとともに両ボルト孔を合致させ
て締結具としてのボルトを通し、ナットを螺合して締め
付けることで補強桁3b,3b’や枠状フレーム3aと
一体化される。部材の種類を減じコストダウンを図る意
味から、この実施例では前記のように前記鉄骨組土台1
の応力伝達部材1cとして前記パネル3cと同じものが
用いられているのである。
ーム3aや補強桁3b,3b’と協働して荷重を水平方
向に伝達するとともに歪みの発生を防止し、かつ上方か
ら加わる荷重を支え、既設天井jが破損して天井残骸や
その上の構造物などが崩壊、落下したときに、それらが
鉄骨組土台1(正確には後述する床)との空間すなわち耐
震室内に侵入するのを防止する機能を発揮する。パネル
3cは補強桁3b,3b’や梁部材30a,300aに
連結一体化される。該パネル3cは格子状空間に合致す
る大きさ形状のものでもよいが、好ましくは所要周辺が
補強桁3b,3b’や梁部材30a,300aとの間に
隙間sを形成しうる大きさ、形状となっている。この例
では鋼板類を菱形ないしは平行四辺形状にした面板から
なっており、かかる面板は各辺の頂部に相当する部分に
ボルト孔が設けられている。一方、これに対応する補強
桁3b,3b’や梁部材30a,300aには連結金具
13が取り付けられている。連結金具13はたとえばア
ングル材からなり、その半部が補強桁3b,3b’や梁
部材30a,300aに予め溶接などにより接合されて
おり、水平に張り出す半部にボルト孔が設けられ、この
半部に面板を受支させるとともに両ボルト孔を合致させ
て締結具としてのボルトを通し、ナットを螺合して締め
付けることで補強桁3b,3b’や枠状フレーム3aと
一体化される。部材の種類を減じコストダウンを図る意
味から、この実施例では前記のように前記鉄骨組土台1
の応力伝達部材1cとして前記パネル3cと同じものが
用いられているのである。
【0020】次に鉄骨壁4は鉄骨組土台1,鉄骨柱2,
2’及び鉄骨組梁3と協働して地震荷重を伝達、分散さ
せるもので、鉄骨組み土台1と鉄骨組梁3で構成される
平面矩形枠の各辺に1個所以上、しかも設置すべき室g
の隣室b,cや廊下mとの通路用開口部k、窓などの建
物外に通じる開口部kを除く領域に設けられる。この実
施例では、鉄骨壁4は各辺に1つずつであるが、後述す
るように少なくとも1組の対角線領域に平面から見てL
状に設けられてもよい。耐震室Bの広さが8畳など広い
場合には、各対角線状にL状に設けることが好ましい。
この実施例では、鉄骨壁4は、図13に示されるよう
に、溝形鋼や鋼管などからなる横梁40と山形鋼やフラ
ットバーなどからなる複数本のブレース41が応力伝達
部材4cとして用いられている。前記横梁40を組付け
連結するため鉄骨柱2,2’間の高さ方向中間部位には
アングル材などからなる連結金具15の半部が溶接等に
より固着されており、これら連結金具15,15に横桟
40が渡され、ボルトナットのような締結具により締結
固定されている。そしてブレース41を結合するため鉄
骨組土台1のフレーム1aと鉄骨柱2,2’と前記横桟
40には補強リブ付きの連結金具16が溶接などで固着
されており、それら連結金具16に設けられたボルト孔
に前記ブレース41のボルト孔を併せてボルトナットな
どの締結具で緊締することにより、鉄骨組土台1と鉄骨
柱2,2’と鉄骨組梁3とを連結しかつ空間部を有する
鉄骨壁4となっている。
2’及び鉄骨組梁3と協働して地震荷重を伝達、分散さ
せるもので、鉄骨組み土台1と鉄骨組梁3で構成される
平面矩形枠の各辺に1個所以上、しかも設置すべき室g
の隣室b,cや廊下mとの通路用開口部k、窓などの建
物外に通じる開口部kを除く領域に設けられる。この実
施例では、鉄骨壁4は各辺に1つずつであるが、後述す
るように少なくとも1組の対角線領域に平面から見てL
状に設けられてもよい。耐震室Bの広さが8畳など広い
場合には、各対角線状にL状に設けることが好ましい。
この実施例では、鉄骨壁4は、図13に示されるよう
に、溝形鋼や鋼管などからなる横梁40と山形鋼やフラ
ットバーなどからなる複数本のブレース41が応力伝達
部材4cとして用いられている。前記横梁40を組付け
連結するため鉄骨柱2,2’間の高さ方向中間部位には
アングル材などからなる連結金具15の半部が溶接等に
より固着されており、これら連結金具15,15に横桟
40が渡され、ボルトナットのような締結具により締結
固定されている。そしてブレース41を結合するため鉄
骨組土台1のフレーム1aと鉄骨柱2,2’と前記横桟
40には補強リブ付きの連結金具16が溶接などで固着
されており、それら連結金具16に設けられたボルト孔
に前記ブレース41のボルト孔を併せてボルトナットな
どの締結具で緊締することにより、鉄骨組土台1と鉄骨
柱2,2’と鉄骨組梁3とを連結しかつ空間部を有する
鉄骨壁4となっている。
【0021】床6はフローリング、畳など任意であり、
隣室b,cの床と段差がないように張設される。床6の
支持部材の固定を容易にするためフレーム1aを構成す
る全部または一部の梁部材10a,10a,10a’,
100a,100a,100a’や補強桁1b,1b’
の上面には釘の貫通が可能な薄肉形鋼110が溶接され
ている。フローリングの場合は、たとえば図14に例示
するように鉄骨組土台1の前記薄肉形鋼110上に支台
6aを固定しこれに大引6bを配して固定し、それら大
引6bに根太木6cを受支固定し、それに合板など任意
の仕上げ材6dを張設すればよい。また、より簡便には
薄肉形鋼110に根太6cを直接固定し、仕上げ材6d
を張設すればよい。畳の場合は、根太6cの上に粗床を
張設し、仕上げ材としての畳を配置すればよい。こうし
た床6はもちろん後述する天井と壁の仕上げの際に行わ
れる。また、表装天井8も木質系、繊維系など任意であ
り、鉄骨組梁3の少なくとも補強桁3b,3b’あるい
はさらに梁部材30a,300aの下面には釘の貫通が
可能なタル木用の薄肉形鋼110が溶接されている。そ
して、図7と図8のように前記薄肉形鋼110に耐火な
いし難燃性の構造用合板たとえば石膏ボードのようなバ
ックアップ材80が釘などによって張設され、これに化
粧材81が施されている。かかる表装天井8はパネル3
cを補強桁3b,3b’や梁部材30a,300aに連
結固定した後、鉄骨組天井梁3の下面に張設される。前
記表装壁7は、少なくとも鉄骨壁4と鉄骨柱2,2’の
表面に施される。そのため、前記鉄骨柱2,2’の室内
側表面又は側面には、タル木としての薄肉形鋼110が
溶接されており、この薄肉形鋼110を介して前記表装
天井8と同じように耐火ないし難燃性の構造用合板たと
えば石膏ボードのようなバックアップ材70が釘などに
よって張設され、これに化粧材71が施されている。こ
の表装壁7は鉄骨組壁4を組付けした後、鉄骨組天井梁
3の表装天井8ともども内装工事として施工され、した
がって、耐震室Bの内部は既存の室gとほとんど変わら
ない美麗なものとなり、併せて襖、障子、壁など既存室
内の表装も張替えればさらに見違えるような美麗な室と
なる。その他図19は鉄骨柱2,2’や鉄骨組天井梁3
の該面と室gの強度部材としての既設柱qや既設梁nと
の間に介装した緩衝材であり、木質板などからなり、こ
れにより耐震室Bで地震発生時の揺れを直接受け止める
ことができる。
隣室b,cの床と段差がないように張設される。床6の
支持部材の固定を容易にするためフレーム1aを構成す
る全部または一部の梁部材10a,10a,10a’,
100a,100a,100a’や補強桁1b,1b’
の上面には釘の貫通が可能な薄肉形鋼110が溶接され
ている。フローリングの場合は、たとえば図14に例示
するように鉄骨組土台1の前記薄肉形鋼110上に支台
6aを固定しこれに大引6bを配して固定し、それら大
引6bに根太木6cを受支固定し、それに合板など任意
の仕上げ材6dを張設すればよい。また、より簡便には
薄肉形鋼110に根太6cを直接固定し、仕上げ材6d
を張設すればよい。畳の場合は、根太6cの上に粗床を
張設し、仕上げ材としての畳を配置すればよい。こうし
た床6はもちろん後述する天井と壁の仕上げの際に行わ
れる。また、表装天井8も木質系、繊維系など任意であ
り、鉄骨組梁3の少なくとも補強桁3b,3b’あるい
はさらに梁部材30a,300aの下面には釘の貫通が
可能なタル木用の薄肉形鋼110が溶接されている。そ
して、図7と図8のように前記薄肉形鋼110に耐火な
いし難燃性の構造用合板たとえば石膏ボードのようなバ
ックアップ材80が釘などによって張設され、これに化
粧材81が施されている。かかる表装天井8はパネル3
cを補強桁3b,3b’や梁部材30a,300aに連
結固定した後、鉄骨組天井梁3の下面に張設される。前
記表装壁7は、少なくとも鉄骨壁4と鉄骨柱2,2’の
表面に施される。そのため、前記鉄骨柱2,2’の室内
側表面又は側面には、タル木としての薄肉形鋼110が
溶接されており、この薄肉形鋼110を介して前記表装
天井8と同じように耐火ないし難燃性の構造用合板たと
えば石膏ボードのようなバックアップ材70が釘などに
よって張設され、これに化粧材71が施されている。こ
の表装壁7は鉄骨組壁4を組付けした後、鉄骨組天井梁
3の表装天井8ともども内装工事として施工され、した
がって、耐震室Bの内部は既存の室gとほとんど変わら
ない美麗なものとなり、併せて襖、障子、壁など既存室
内の表装も張替えればさらに見違えるような美麗な室と
なる。その他図19は鉄骨柱2,2’や鉄骨組天井梁3
の該面と室gの強度部材としての既設柱qや既設梁nと
の間に介装した緩衝材であり、木質板などからなり、こ
れにより耐震室Bで地震発生時の揺れを直接受け止める
ことができる。
【0022】図15は本発明の第2実施例を示してい
る。この実施例においては、鉄骨組土台1の格子状空間
に連結固定される応力伝達部材1cとしてブレース付き
パネルを用いている。このブレース付きパネルは、山形
鋼や鋼管等を溶接して構成した枠フレーム31と、これ
に交差状に渡したフラットバーなどからなるブレース3
2とを備え、枠フレーム31には所要位置たとえば各辺
の中間位置にボルト孔が配設され、これに対応する補強
桁1b,1b’や梁部材10a,100aには連結金具
15の半部が溶接等で固着されており、残る半部に枠フ
レーム31が載置されボルト孔を合致させて締結具とし
てのボルトを通し、ナットを螺合して締め付けることで
補強桁1b,1b’や梁部材10a,100aと一体化
されている。図16は本考案の第3実施例を示してい
る。(a)では鉄骨組土台1の応力伝達部材1cとして桁
またはブレースが用いられ、その応力伝達部材1cがフ
レーム1aの格子状空間に掛け渡し結合されている。図
示するものでは隅角領域だけであるがもちろん全部の格
子状空間に設けられてもよい。また隅角領域の格子状空
間に桁またはブレースを用い、他の格子状空間には第1
実施例や第2実施例のようにパネル型の応力伝達部材1
cを固定してもよい。(a)は仮想的にブレース付パネル
1cを1つだけ示している。(b)は主として小型の耐
震室の場合に適用されるもので、中間領域を補強桁1b
のみとし中間の1b’が省略されている。桁はそれぞれ
形鋼たとえば溝形鋼、C形鋼または角形鋼あるいは鋼管
からなっており、梁部材10a,10a’,100a,
100a’に予め半部を溶接等で固定してある連結金具
11と締結具としてのボルトナットで両端部を緊締する
ことにより組付けられている。他の構成は第1実施例と
同じてあるから、同じ部分に同じ符号を付し、説明は第
1実施例を援用する。
る。この実施例においては、鉄骨組土台1の格子状空間
に連結固定される応力伝達部材1cとしてブレース付き
パネルを用いている。このブレース付きパネルは、山形
鋼や鋼管等を溶接して構成した枠フレーム31と、これ
に交差状に渡したフラットバーなどからなるブレース3
2とを備え、枠フレーム31には所要位置たとえば各辺
の中間位置にボルト孔が配設され、これに対応する補強
桁1b,1b’や梁部材10a,100aには連結金具
15の半部が溶接等で固着されており、残る半部に枠フ
レーム31が載置されボルト孔を合致させて締結具とし
てのボルトを通し、ナットを螺合して締め付けることで
補強桁1b,1b’や梁部材10a,100aと一体化
されている。図16は本考案の第3実施例を示してい
る。(a)では鉄骨組土台1の応力伝達部材1cとして桁
またはブレースが用いられ、その応力伝達部材1cがフ
レーム1aの格子状空間に掛け渡し結合されている。図
示するものでは隅角領域だけであるがもちろん全部の格
子状空間に設けられてもよい。また隅角領域の格子状空
間に桁またはブレースを用い、他の格子状空間には第1
実施例や第2実施例のようにパネル型の応力伝達部材1
cを固定してもよい。(a)は仮想的にブレース付パネル
1cを1つだけ示している。(b)は主として小型の耐
震室の場合に適用されるもので、中間領域を補強桁1b
のみとし中間の1b’が省略されている。桁はそれぞれ
形鋼たとえば溝形鋼、C形鋼または角形鋼あるいは鋼管
からなっており、梁部材10a,10a’,100a,
100a’に予め半部を溶接等で固定してある連結金具
11と締結具としてのボルトナットで両端部を緊締する
ことにより組付けられている。他の構成は第1実施例と
同じてあるから、同じ部分に同じ符号を付し、説明は第
1実施例を援用する。
【0023】なお、本発明は種々の態様を取り得るもの
で、前述した実施例に限定されるものではない。すなわ
ち、鉄骨柱2,2’の双方または片方たとえば鉄骨柱
2’を通し柱とせずに、鉄骨組土台1の上に載置結合さ
れてもよい。図16はこのこの場合を示しており、鉄骨
組土台1のフレーム1aは実施例1のような梁部材10
a’100a’が用いられず、2本ずつの梁部材10
a,100aによって枠状に組付け連結されている。そ
して、鉄骨柱2,2’の下端のベース金具20bをフレ
ーム1aの梁部材10aまたは100aの上に設置し、
予め梁部材10a,100aに設けておいたボルト孔に
締結具としてのボルトを通しナットを螺合して緊締する
ことにより強固に結合される。かかる態様を第1,第2
の各実施例に置き換えることができる。また、鉄骨柱
2,2’を含む鉄骨壁4は第1実施例と第2実施例のよ
うに隅角部を含む各辺に1つでなく、図16に示すよう
に対角線上にL状をなすごとく設けてもよい。さらに
は、既設家屋の室gの広さや開口部kの配置によって
は、フレーム1aの隅角領域だけでなく図17(a)のよ
うに中間領域に設けてもよい。この場合、鉄骨柱2’,
2’は通し柱形式であっても、そうでなくてもよい。ま
た、本発明において鉄骨壁4の応力伝達部材4cとして
は、ブレースに限らずパネルであってもよい。このパネ
ルとしては図17(b)のような面板のほか、図17(a)
で仮想的に示すように鉄骨枠にブレースを張ったブレー
ス付きパネルを含んでいる。応力伝達部材4cと鉄骨組
土台1の応力伝達部材1cおよび鉄骨組梁3のパネル1
cとして面板をそれぞれ使用した場合には部材の種類を
少なくしてコストを削減できるとともに、室gの上方や
側方からの崩壊物の突入を確実に防止することができ
る。また、鉄骨柱2,2'(2',2')を含む鉄骨壁4は、
鉄骨柱と横梁と応力伝達部材を組付けて溶接などよりユ
ニットパネルとして作っておき、これを設置すべき室g
に搬入し、鉄骨組土台1のフレーム1aと鉄骨組天井梁
3の枠フレーム3aに連結金具で結合してもよい。鉄骨
柱2,2’が通し柱のときには好ましくは梁部材10
a’,100a’も溶接などにより鉄骨柱2,2'(2',
2')と一体化しておく。設置すべき室gの天井が高い場
合には、既存天井jの下に鉄骨組梁3が位置するように
してもよいが、作業性などの面からは、吊り木と既存天
井jを除去して既存梁nや2階土台pを露出させ、既存
梁nに近接するレベルに鉄骨組梁3を位置させるように
鉄骨柱2,2’の寸法を設定すればよい。こうすれば、
鉄骨組梁3の組付け作業が容易となり、また、鉄骨組梁
3に化粧天井8を張設しても有効室内高さを十分にとる
ことができるため、圧迫感も解消できる。
で、前述した実施例に限定されるものではない。すなわ
ち、鉄骨柱2,2’の双方または片方たとえば鉄骨柱
2’を通し柱とせずに、鉄骨組土台1の上に載置結合さ
れてもよい。図16はこのこの場合を示しており、鉄骨
組土台1のフレーム1aは実施例1のような梁部材10
a’100a’が用いられず、2本ずつの梁部材10
a,100aによって枠状に組付け連結されている。そ
して、鉄骨柱2,2’の下端のベース金具20bをフレ
ーム1aの梁部材10aまたは100aの上に設置し、
予め梁部材10a,100aに設けておいたボルト孔に
締結具としてのボルトを通しナットを螺合して緊締する
ことにより強固に結合される。かかる態様を第1,第2
の各実施例に置き換えることができる。また、鉄骨柱
2,2’を含む鉄骨壁4は第1実施例と第2実施例のよ
うに隅角部を含む各辺に1つでなく、図16に示すよう
に対角線上にL状をなすごとく設けてもよい。さらに
は、既設家屋の室gの広さや開口部kの配置によって
は、フレーム1aの隅角領域だけでなく図17(a)のよ
うに中間領域に設けてもよい。この場合、鉄骨柱2’,
2’は通し柱形式であっても、そうでなくてもよい。ま
た、本発明において鉄骨壁4の応力伝達部材4cとして
は、ブレースに限らずパネルであってもよい。このパネ
ルとしては図17(b)のような面板のほか、図17(a)
で仮想的に示すように鉄骨枠にブレースを張ったブレー
ス付きパネルを含んでいる。応力伝達部材4cと鉄骨組
土台1の応力伝達部材1cおよび鉄骨組梁3のパネル1
cとして面板をそれぞれ使用した場合には部材の種類を
少なくしてコストを削減できるとともに、室gの上方や
側方からの崩壊物の突入を確実に防止することができ
る。また、鉄骨柱2,2'(2',2')を含む鉄骨壁4は、
鉄骨柱と横梁と応力伝達部材を組付けて溶接などよりユ
ニットパネルとして作っておき、これを設置すべき室g
に搬入し、鉄骨組土台1のフレーム1aと鉄骨組天井梁
3の枠フレーム3aに連結金具で結合してもよい。鉄骨
柱2,2’が通し柱のときには好ましくは梁部材10
a’,100a’も溶接などにより鉄骨柱2,2'(2',
2')と一体化しておく。設置すべき室gの天井が高い場
合には、既存天井jの下に鉄骨組梁3が位置するように
してもよいが、作業性などの面からは、吊り木と既存天
井jを除去して既存梁nや2階土台pを露出させ、既存
梁nに近接するレベルに鉄骨組梁3を位置させるように
鉄骨柱2,2’の寸法を設定すればよい。こうすれば、
鉄骨組梁3の組付け作業が容易となり、また、鉄骨組梁
3に化粧天井8を張設しても有効室内高さを十分にとる
ことができるため、圧迫感も解消できる。
【0024】
【実施例の作用】第1実施例に示す耐震室Bを得るに当
っては、まず、設置すべき室gの既存床rあるいはさら
に必要に応じて既存天井jの解体を行う。図18(a)は
この状態を示している。そして基床h上に受支部材5を
少なくとも四隅に配置する。そして次に受支部材5の上
に鉄骨組土台1を設置する。これは、予め外部で組み上
げた鉄骨組土台1を設置すべき室gに搬入して行っても
よいし、外部でフレーム1aだけを組み上げて設置すべ
き室gに搬入し、補強桁1b,1b’を別に搬入し、フ
レーム1aに組付け連結してもよい。しかし、一般的に
は、各梁部材10a,10a,10a’,100a,1
00a,100a’を設置すべき室gに搬入し、ここで
配材して上記各梁部材に予め固定されている連結金具1
1に締結具を緊締してフレーム1aを組立てるととも
に、4隅と中間の鉄骨柱2,2’とを連結金具11によ
り剛結し、そして補強桁1b,1b’を配材して連結金
具11と締結具により格子状に組付ける。そして、各梁
部材10a,10a,100a,100aと補強桁1
b,1b’で構成されるます目の全部又は所要範囲に応
力伝達部材1cを配して連結する。応力伝達部材1cが
パネルの場合には、ます目内に突出するように予め固定
されている各連結金具13にパネルを載置させ、締結具
を操作することにより簡単に行うことができる。
っては、まず、設置すべき室gの既存床rあるいはさら
に必要に応じて既存天井jの解体を行う。図18(a)は
この状態を示している。そして基床h上に受支部材5を
少なくとも四隅に配置する。そして次に受支部材5の上
に鉄骨組土台1を設置する。これは、予め外部で組み上
げた鉄骨組土台1を設置すべき室gに搬入して行っても
よいし、外部でフレーム1aだけを組み上げて設置すべ
き室gに搬入し、補強桁1b,1b’を別に搬入し、フ
レーム1aに組付け連結してもよい。しかし、一般的に
は、各梁部材10a,10a,10a’,100a,1
00a,100a’を設置すべき室gに搬入し、ここで
配材して上記各梁部材に予め固定されている連結金具1
1に締結具を緊締してフレーム1aを組立てるととも
に、4隅と中間の鉄骨柱2,2’とを連結金具11によ
り剛結し、そして補強桁1b,1b’を配材して連結金
具11と締結具により格子状に組付ける。そして、各梁
部材10a,10a,100a,100aと補強桁1
b,1b’で構成されるます目の全部又は所要範囲に応
力伝達部材1cを配して連結する。応力伝達部材1cが
パネルの場合には、ます目内に突出するように予め固定
されている各連結金具13にパネルを載置させ、締結具
を操作することにより簡単に行うことができる。
【0025】鉄骨柱2,2’を設置すべき室gに搬入
し、それら鉄骨柱2,2’を鉄骨組土台1の枠状フレー
ム1aの上に配し、下端のベース金具20a,20aと
締結具12により枠状フレーム1aに剛結する。それか
ら、鉄骨組梁3を鉄骨柱2,2’の上に配して剛結す
る。この作業は一般的には、枠状フレーム3aをこれを
構成する梁部材30a,30a,300a,300aに
分解した状態にして設置すべき室gに搬入し、鉄骨柱
2,2’の上に載せて、連結金具11により鉄骨柱2,
2’と結合するとともに枠状フレーム3aを構成し、次
いで補強桁3b,3b’を連結金具11により格子状に
組立て、各パネル3cを所要のます目空間に配して連結
金具13により連結固定する方法が取られる。したがっ
て、狭い空間でも容易に組立てを行うことができる。各
パネル3cは面板でありかつ各辺の外縁と枠状フレーム
3aや補強桁3b,3b’との間に隙間sがありここか
ら工具やボルトナットなどを装入して工具操作できるた
め、作業が容易である。もちろんスペース的な余裕があ
れば、鉄骨組梁3の全体を予め外部で組付け連結し、全
体を設置すべき室gに搬入してリフトアップして行って
もよい。あるいはまた、鉄骨組梁3の枠状フレーム3a
だけを外部で組み立てて搬入し、鉄骨柱2,2’の上に
載せて鉄骨柱2,2’のベース金具20aによって結合
し、補強桁3b,3b’とパネル3cを別途搬入し、枠
状フレーム3aに補強桁3b,3b’を連結金具11に
より連結一体化させ、枠状フレーム3aと補強桁3b,
3b’の格子空間にパネル3cをはめて連結固定しても
よい。
し、それら鉄骨柱2,2’を鉄骨組土台1の枠状フレー
ム1aの上に配し、下端のベース金具20a,20aと
締結具12により枠状フレーム1aに剛結する。それか
ら、鉄骨組梁3を鉄骨柱2,2’の上に配して剛結す
る。この作業は一般的には、枠状フレーム3aをこれを
構成する梁部材30a,30a,300a,300aに
分解した状態にして設置すべき室gに搬入し、鉄骨柱
2,2’の上に載せて、連結金具11により鉄骨柱2,
2’と結合するとともに枠状フレーム3aを構成し、次
いで補強桁3b,3b’を連結金具11により格子状に
組立て、各パネル3cを所要のます目空間に配して連結
金具13により連結固定する方法が取られる。したがっ
て、狭い空間でも容易に組立てを行うことができる。各
パネル3cは面板でありかつ各辺の外縁と枠状フレーム
3aや補強桁3b,3b’との間に隙間sがありここか
ら工具やボルトナットなどを装入して工具操作できるた
め、作業が容易である。もちろんスペース的な余裕があ
れば、鉄骨組梁3の全体を予め外部で組付け連結し、全
体を設置すべき室gに搬入してリフトアップして行って
もよい。あるいはまた、鉄骨組梁3の枠状フレーム3a
だけを外部で組み立てて搬入し、鉄骨柱2,2’の上に
載せて鉄骨柱2,2’のベース金具20aによって結合
し、補強桁3b,3b’とパネル3cを別途搬入し、枠
状フレーム3aに補強桁3b,3b’を連結金具11に
より連結一体化させ、枠状フレーム3aと補強桁3b,
3b’の格子空間にパネル3cをはめて連結固定しても
よい。
【0026】鉄骨壁4は鉄骨組土台1のフレーム1aと
鉄骨柱2,2’と横桟40および鉄骨組梁3の枠状フレ
ーム3aに連結金具16により連結固定される。図18
(b)はこの状態を示している。いずれも締結具として
はボルト類が用いられるため、動力工具で簡単に短時間
で作業を行うことができる。以上で既存の室g内に図9
に示すような耐震室Bの基本構造が完成する。あとは、
図18(c)のように鉄骨組梁3に表装天井8をまた鉄
骨柱2,2’を含む鉄骨壁4に表装壁7を張設し、図1
8(d)のように鉄骨組土台1の上にフローリング、畳
敷きなどによって床6を施せばよく、これで図18
(e)のような耐震室Bがごく短期間内で完成する。こ
の耐震室Bは既存の室gに比べて若干容積が狭いだけで
内装等は全く普通の室と変わらず、したがって、居間、
寝室など普通の部屋として使用することができる。それ
でいて、鉄骨組土台1と鉄骨柱2,2’と鉄骨組梁3を
有し、かつ鉄骨柱2,2’間には鉄骨壁4を有し、その
鉄骨壁4は面板、ブレース付き枠、プレースなどからな
るため極めて頑丈である。しかもそれに加えて、鉄骨組
梁3は格子状をなし、そのます目にパネル3cを配して
連結一体化している。パネル3cは鋼板製の面板のため
面剛性が高い。このため、鉄骨組土台1、鉄骨組梁3、
鉄骨柱2,2’、鉄骨壁4およびパネル3cが6面で一
体化した剛構造となり、大荷重を瞬間的に分散させるこ
とができ、上下、左右、斜めからの圧縮荷重に対して極
めて強く、またずれ変形力に対しても強力に耐えられ
る。また、この第1実施例では、鉄骨組土台1も格子状
をなし、そのます目に応力伝達部材1cを配して連結一
体化している。その応力伝達部材1cはこの例ではやは
り鋼板製の面板のため面剛性が高い。したがって、老朽
化した建屋であっても、耐震室Bのある室gだけは耐震
度がきわめて高く、他の室がすべて倒壊、損壊してもこ
れをしっかりと受け止めることができ、しかも天井側が
格子状の梁と面板で構成されているため、2階の崩壊物
の室内への侵入を完全に防止することができる。しか
も、耐震室Bはカプセルのように1か所の出入口しか無
いものと違って、鉄骨壁4以外は開放されて隣室b,c
や廊下mなどに通じた複数の開口部kを有している。こ
のため、地震の発生時に他室に居ても即座に避難用構造
物内に逃げ込むことができる。また、貴重品や緊急防災
用品、保存食料なども耐震室Bの中に配置しておき、あ
るいは床6と鉄骨組土台1の間の空間に配しておけば、
確実に破損や逸失を防止することができる。
鉄骨柱2,2’と横桟40および鉄骨組梁3の枠状フレ
ーム3aに連結金具16により連結固定される。図18
(b)はこの状態を示している。いずれも締結具として
はボルト類が用いられるため、動力工具で簡単に短時間
で作業を行うことができる。以上で既存の室g内に図9
に示すような耐震室Bの基本構造が完成する。あとは、
図18(c)のように鉄骨組梁3に表装天井8をまた鉄
骨柱2,2’を含む鉄骨壁4に表装壁7を張設し、図1
8(d)のように鉄骨組土台1の上にフローリング、畳
敷きなどによって床6を施せばよく、これで図18
(e)のような耐震室Bがごく短期間内で完成する。こ
の耐震室Bは既存の室gに比べて若干容積が狭いだけで
内装等は全く普通の室と変わらず、したがって、居間、
寝室など普通の部屋として使用することができる。それ
でいて、鉄骨組土台1と鉄骨柱2,2’と鉄骨組梁3を
有し、かつ鉄骨柱2,2’間には鉄骨壁4を有し、その
鉄骨壁4は面板、ブレース付き枠、プレースなどからな
るため極めて頑丈である。しかもそれに加えて、鉄骨組
梁3は格子状をなし、そのます目にパネル3cを配して
連結一体化している。パネル3cは鋼板製の面板のため
面剛性が高い。このため、鉄骨組土台1、鉄骨組梁3、
鉄骨柱2,2’、鉄骨壁4およびパネル3cが6面で一
体化した剛構造となり、大荷重を瞬間的に分散させるこ
とができ、上下、左右、斜めからの圧縮荷重に対して極
めて強く、またずれ変形力に対しても強力に耐えられ
る。また、この第1実施例では、鉄骨組土台1も格子状
をなし、そのます目に応力伝達部材1cを配して連結一
体化している。その応力伝達部材1cはこの例ではやは
り鋼板製の面板のため面剛性が高い。したがって、老朽
化した建屋であっても、耐震室Bのある室gだけは耐震
度がきわめて高く、他の室がすべて倒壊、損壊してもこ
れをしっかりと受け止めることができ、しかも天井側が
格子状の梁と面板で構成されているため、2階の崩壊物
の室内への侵入を完全に防止することができる。しか
も、耐震室Bはカプセルのように1か所の出入口しか無
いものと違って、鉄骨壁4以外は開放されて隣室b,c
や廊下mなどに通じた複数の開口部kを有している。こ
のため、地震の発生時に他室に居ても即座に避難用構造
物内に逃げ込むことができる。また、貴重品や緊急防災
用品、保存食料なども耐震室Bの中に配置しておき、あ
るいは床6と鉄骨組土台1の間の空間に配しておけば、
確実に破損や逸失を防止することができる。
【0027】そして、地震により当該家屋が倒壊ないし
崩壊しても耐震室Bは残存し、その耐震室Bは、鉄骨組
土台1と鉄骨柱2,2’と鉄骨組梁3と周囲の複数個所
の鉄骨壁4により箱型骨格構造をなし、下部には床6が
あり、少なくとも鉄骨組梁3の各格子空間には面板から
なるパネル3cが配されている。したがって、そのまま
余震に耐えられる簡易家屋として当座の生活を営むこと
が可能である。なお、鉄骨壁4をブレースで構成した場
合には、部材が小型軽量のため搬入が容易であるととも
に、組立て誤差や歪があってもこれに対応することがで
きる。鉄骨組土台1の応力伝達部材1cとして面板から
なるパネルを用いた場合には、天井用と共通部材となる
ためコストが安くなり、また施工時の足場としても機能
するため工事が容易となる。第2実施例のように鉄骨組
土台1の応力伝達部材1cとしてブレース付枠を用いた
場合、軽量化を図ることができる。
崩壊しても耐震室Bは残存し、その耐震室Bは、鉄骨組
土台1と鉄骨柱2,2’と鉄骨組梁3と周囲の複数個所
の鉄骨壁4により箱型骨格構造をなし、下部には床6が
あり、少なくとも鉄骨組梁3の各格子空間には面板から
なるパネル3cが配されている。したがって、そのまま
余震に耐えられる簡易家屋として当座の生活を営むこと
が可能である。なお、鉄骨壁4をブレースで構成した場
合には、部材が小型軽量のため搬入が容易であるととも
に、組立て誤差や歪があってもこれに対応することがで
きる。鉄骨組土台1の応力伝達部材1cとして面板から
なるパネルを用いた場合には、天井用と共通部材となる
ためコストが安くなり、また施工時の足場としても機能
するため工事が容易となる。第2実施例のように鉄骨組
土台1の応力伝達部材1cとしてブレース付枠を用いた
場合、軽量化を図ることができる。
【0028】
【発明の効果】以上説明した本発明の請求項1によると
きには、既設建屋Aの所望の室内gに、隣室b,cなど
と連絡する開口部k,k’を有する鉄骨組立構造の耐震
室Bを設置したため、補強材などにより建屋全体を耐震
構造に改造するのに比べて簡単かつ経済的である。しか
も、耐震室Bが、既存建屋Aの1階の設置すべき室gに
対応する形状、寸法を持ち当該室の基床上に設置される
鉄骨組土台1と、この鉄骨組土台1の各辺に結合された
複数本の鉄骨柱2,2’と、鉄骨柱2,2’の上端部に
結合された鉄骨組梁3とを有している上に、隣接する鉄
骨組土台1と鉄骨柱2,2’及び鉄骨組梁3間には鉄骨
壁4を設けているため、地震発生時に他室や廊下等から
容易に入室することができるものでありなから耐震度が
きわめて高く、地震によって当該家屋が倒壊、損壊して
もその荷重に耐えられる居住空間が確保され、家屋構成
材などの下敷きになるということを確実に回避すること
ができる。しかもそれでいて、鉄骨組土台1の上には床
6が設けられ、鉄骨柱2,2’と鉄骨壁4の室内側表面
には表装壁7が張設され、鉄骨組梁3の下面には表装天
井8が張設されているため体裁がよく、外見上普通の部
屋と全く変わらず、居間や寝室などとし従来どおり使用
することができる。また、鉄骨組立て方式であり、部材
を当該室に搬入してボルト類を締め付けることだけで足
りるので、熟練を要さず、少ない人数で短期間内に施工
することができ、また室の広さにも自在に対応すること
ができるため安価に施工することができる。
きには、既設建屋Aの所望の室内gに、隣室b,cなど
と連絡する開口部k,k’を有する鉄骨組立構造の耐震
室Bを設置したため、補強材などにより建屋全体を耐震
構造に改造するのに比べて簡単かつ経済的である。しか
も、耐震室Bが、既存建屋Aの1階の設置すべき室gに
対応する形状、寸法を持ち当該室の基床上に設置される
鉄骨組土台1と、この鉄骨組土台1の各辺に結合された
複数本の鉄骨柱2,2’と、鉄骨柱2,2’の上端部に
結合された鉄骨組梁3とを有している上に、隣接する鉄
骨組土台1と鉄骨柱2,2’及び鉄骨組梁3間には鉄骨
壁4を設けているため、地震発生時に他室や廊下等から
容易に入室することができるものでありなから耐震度が
きわめて高く、地震によって当該家屋が倒壊、損壊して
もその荷重に耐えられる居住空間が確保され、家屋構成
材などの下敷きになるということを確実に回避すること
ができる。しかもそれでいて、鉄骨組土台1の上には床
6が設けられ、鉄骨柱2,2’と鉄骨壁4の室内側表面
には表装壁7が張設され、鉄骨組梁3の下面には表装天
井8が張設されているため体裁がよく、外見上普通の部
屋と全く変わらず、居間や寝室などとし従来どおり使用
することができる。また、鉄骨組立て方式であり、部材
を当該室に搬入してボルト類を締め付けることだけで足
りるので、熟練を要さず、少ない人数で短期間内に施工
することができ、また室の広さにも自在に対応すること
ができるため安価に施工することができる。
【0029】請求項2によれば、鉄骨組梁3が枠状フレ
ーム3aに補強桁3b,3b’を掛け渡し結合するとと
もに、枠状フレーム3aと補強桁3b,3b’で構成さ
れる格子状空間にパネル3cを配して連結固定すること
で構成されているため、面剛性が極めて高く、6面が一
体化した剛構造となり、上下、左右、斜めの圧縮荷重、
剪断力、ずれ変形力に対して全体が対抗し、かつ瞬間的
に加わる荷重を局部に集中させず、全体に効率よく伝
達、分散させることができる。また、パネル3cを格子
空間に取り付けて天井強度メンバーを構成するため、2
階の崩壊物の大きいものを補強桁3b,3b’で受け止
め、細かい崩壊物をパネル3cで受け止めることがで
き、室内への崩壊物の落下を防止することができるとい
うすぐれた効果が得られる。請求項3によればさらに鉄
骨組土台1がフレーム1aに補強桁1b,1b’を掛け
渡し結合するとともに、フレーム1aと補強桁1b,1
b’で構成される格子状空間に応力伝達部材1cを連結
しているため、さらに一段と面剛性が高くなり、どのよ
うな大地震にも完壁に耐える強度を実現することができ
る。請求項4によれば、鉄骨組梁3の格子空間に取り付
けられるパネル3cが面板からなっているため、面剛性
が高いとともに室内への崩壊物の落下を完壁に防止する
ことができ、しかも、該面板の所要周辺が枠状フレーム
3aや補強桁3b,3b’との間に隙間sを有するた
め、この隙間から工具類を挿入してパネル3cの固定作
業を簡易迅速に行うことができるとともに、配線や配管
を隙間から耐震室内へ導入できるため、所望の部位に照
明器具や冷暖房機器を装置することができるなどのすぐ
れた効果が得られる。
ーム3aに補強桁3b,3b’を掛け渡し結合するとと
もに、枠状フレーム3aと補強桁3b,3b’で構成さ
れる格子状空間にパネル3cを配して連結固定すること
で構成されているため、面剛性が極めて高く、6面が一
体化した剛構造となり、上下、左右、斜めの圧縮荷重、
剪断力、ずれ変形力に対して全体が対抗し、かつ瞬間的
に加わる荷重を局部に集中させず、全体に効率よく伝
達、分散させることができる。また、パネル3cを格子
空間に取り付けて天井強度メンバーを構成するため、2
階の崩壊物の大きいものを補強桁3b,3b’で受け止
め、細かい崩壊物をパネル3cで受け止めることがで
き、室内への崩壊物の落下を防止することができるとい
うすぐれた効果が得られる。請求項3によればさらに鉄
骨組土台1がフレーム1aに補強桁1b,1b’を掛け
渡し結合するとともに、フレーム1aと補強桁1b,1
b’で構成される格子状空間に応力伝達部材1cを連結
しているため、さらに一段と面剛性が高くなり、どのよ
うな大地震にも完壁に耐える強度を実現することができ
る。請求項4によれば、鉄骨組梁3の格子空間に取り付
けられるパネル3cが面板からなっているため、面剛性
が高いとともに室内への崩壊物の落下を完壁に防止する
ことができ、しかも、該面板の所要周辺が枠状フレーム
3aや補強桁3b,3b’との間に隙間sを有するた
め、この隙間から工具類を挿入してパネル3cの固定作
業を簡易迅速に行うことができるとともに、配線や配管
を隙間から耐震室内へ導入できるため、所望の部位に照
明器具や冷暖房機器を装置することができるなどのすぐ
れた効果が得られる。
【0030】請求項8によれば、鉄骨組土台1と鉄骨組
梁3の格子空間が同等大きさを持ち、パネル3cと応力
伝達部材1cが面板として共通部材となっているため、
部材種類の減少によりコストダウンを図ることができる
とともに組付けや取扱いも容易であり、また、面剛性が
高いため耐震性も向上できるいうすぐれた効果が得られ
る。請求項10によれば緩衝材19により既存建屋の振
動を耐震室に伝達し、耐震室が既存建屋の筋交いなどと
して機能するため既存建屋そのものの倒壊も防止できる
というすぐれた効果が得られる。
梁3の格子空間が同等大きさを持ち、パネル3cと応力
伝達部材1cが面板として共通部材となっているため、
部材種類の減少によりコストダウンを図ることができる
とともに組付けや取扱いも容易であり、また、面剛性が
高いため耐震性も向上できるいうすぐれた効果が得られ
る。請求項10によれば緩衝材19により既存建屋の振
動を耐震室に伝達し、耐震室が既存建屋の筋交いなどと
して機能するため既存建屋そのものの倒壊も防止できる
というすぐれた効果が得られる。
【図1】本発明による耐震室付き家屋の一例を示す縦断
側面図である。
側面図である。
【図2】本発明による耐震室付き家屋の一例を示す縦断
正面図である。
正面図である。
【図3】本発明による耐震室付き家屋の一例を示す横断
面図である。
面図である。
【図4】本発明による耐震室付き家屋の第1実施例の部
分切欠正面図である。
分切欠正面図である。
【図5】第1実施例の土台構造部分を示す斜視図であ
る。
る。
【図6】第1実施例の梁構造部分を示す斜視図である。
【図7】第1実施例の天井構造を示す部分的断面図であ
る。
る。
【図8】図7の一部拡大図である。
【図9】第1実施例の耐震室を単体で示す斜視図であ
る。
る。
【図10】第1実施例の横断平面図である。
【図11】同じくその天井見上げ図である。
【図12】図11の一部拡大図である。
【図13】第1実施例における鉄骨柱と鉄骨壁および鉄
骨組梁の取り合いを示す正面図である。
骨組梁の取り合いを示す正面図である。
【図14】本発明における鉄骨組土台と床との取り合い
を示す部分的断面図である。
を示す部分的断面図である。
【図15】本発明による耐震室付き家屋の第2実施例の
横断面図である。
横断面図である。
【図16】(a)は第3実施例の横断面図である。
(b)は別な態様の横断面図である。
(b)は別な態様の横断面図である。
【図17】本発明の鉄骨柱と鉄骨壁の他の例を示す部分
的正面図である。
的正面図である。
【図18】本発明による耐震室付き家屋の工事概要を段
階的に示す説明図である。
階的に示す説明図である。
A 既存建屋 B 耐震室 b,c 室 g 設置すべき室 h 基床 1 鉄骨組土台 1a フレーム 1b,1b’ 補強桁 1c 応力伝達部材 2,2’ 鉄骨柱 3 鉄骨組梁 3a 枠状フレーム 3b,3b’ 補強桁 3c パネル 4 鉄骨壁 4c 応力伝達部材 6 床 7 表装壁 8 表装天井 10a,10a’,30a,100a,100a’,3
00a 梁部材 11,13,15,16 連結金具
00a 梁部材 11,13,15,16 連結金具
Claims (10)
- 【請求項1】既設建屋Aの所望の室g内に、隣室等と連
絡する開口部kを有する鉄骨組立構造の耐震室Bを設置
してなり、前記耐震室Bが、設置すべき室gに対応する
形状、寸法を持ち当該室gの基床h上に設置される鉄骨
組土台1と、この鉄骨組土台1の各辺に結合された複数
本ずつの鉄骨柱2,2’と、それら鉄骨柱2,2’の上
端部に結合された鉄骨組梁3と、隣接する鉄骨柱2,
2’間および鉄骨柱2,2’間の鉄骨組土台1及び鉄骨
組梁3間とを結合する鉄骨壁4を備え、鉄骨組土台1の
上には床6が設けられ、鉄骨柱2,2’と鉄骨壁4の室
内側表面には表装壁7が張設され、鉄骨組梁3の下面に
は表装天井8が張設されていることを特徴とする耐震室
付き家屋。 - 【請求項2】既設建屋Aの所望の室g内に、隣室等と連
絡する開口部kを有する鉄骨組立構造の耐震室Bを設置
してなり、前記耐震室Bが、設置すべき室gに対応する
形状、寸法を持ち当該室gの基床h上に設置される鉄骨
組土台1と、この鉄骨組土台1の各辺に結合された複数
本ずつの鉄骨柱2,2’と、それら鉄骨柱2,2’の上
端部に結合された鉄骨組梁3と、隣接する鉄骨柱2,
2’間および鉄骨柱2,2’間の鉄骨組土台1及び鉄骨
組梁3間とを結合する鉄骨壁4を備え、鉄骨組梁3が、
枠状フレーム3aに補強桁3b,3b’を掛け渡し結合
しており、しかも枠状フレーム3aと補強桁3b,3
b’で構成される格子状空間にパネル3cを連結固定し
ており、鉄骨組土台1の上には床6が設けられ、鉄骨柱
2,2’と鉄骨壁4の室内側表面には表装壁7が張設さ
れ、鉄骨組梁3の下面には表装天井8が張設されている
ことを特徴とする耐震室付き家屋。 - 【請求項3】既設建屋Aの所望の室g内に、隣室等と連
絡する開口部kを有する鉄骨組立構造の耐震室Bを設置
してなり、前記耐震室Bが、設置すべき室gに対応する
形状、寸法を持ち当該室gの基床h上に設置される鉄骨
組土台1と、この鉄骨組土台1の各辺に結合された複数
本ずつの鉄骨柱2,2’と、それら鉄骨柱2,2’の上
端部に結合された鉄骨組梁3と、隣接する鉄骨柱2,
2’間および鉄骨柱2,2’間の鉄骨組土台1及び鉄骨
組梁3間とを結合する鉄骨壁4を備え、鉄骨組梁3が、
枠状フレーム3aに補強桁3b,3b’を掛け渡し結合
ししかも枠状フレーム3aと補強桁3b,3b’で構成
される格子状空間にパネル3cを連結固定しており、鉄
骨組土台1が、フレーム1aに補強桁1b,1b’を掛
け渡し結合するとともに、フレーム1aと補強桁1b,
1b’で構成される格子状空間に応力伝達部材1cを連
結固定しており、鉄骨組土台1の上には床6が設けら
れ、鉄骨柱2,2’と鉄骨壁4の室内側表面には表装壁
7が張設され、鉄骨組梁3の下面には表装天井8が張設
されていることを特徴とする耐震室付き家屋。 - 【請求項4】パネル3cが面板からなり、該面板の所要
周辺と枠状フレーム3aや補強桁3b,3b’との間に
空隙sが形成されている請求項2ないし請求項3のいず
れかに記載の耐震室付き家屋。 - 【請求項5】鉄骨壁4が応力伝達部材としてブレースま
たはパネルを用いている請求項1ないし請求項3のいず
れかに記載の耐震室付き家屋。 - 【請求項6】パネルが面板やブレース付き枠を含む請求
項5に記載の耐震室付き家屋。 - 【請求項7】応力伝達部材1cが面板またはブレース付
きのパネル、ブレース、桁のいずれかで構成されている
請求項3に記載の耐震室付き家屋。 - 【請求項8】鉄骨組土台1と鉄骨組梁3の格子空間が同
等の大きさを有し、パネル3cと応力伝達部材1cとが
共通部材であるものを含む請求項の範囲3に記載の耐震
室付き家屋。 - 【請求項9】鉄骨柱2,2’の少なくとも一方が鉄骨組
土台1に対し通し柱となっているものを含む請求項1に
記載の耐震室付き家屋。 - 【請求項10】鉄骨柱2,2’又は/及び鉄骨組梁3の
外面が隣接する室の強度部材と緩衝材19を介して接し
ているものを含む請求項1ないし請求項9のいずれかに
記載の耐震室付き家屋。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34839395A JPH09165936A (ja) | 1995-12-18 | 1995-12-18 | 耐震室付き家屋 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34839395A JPH09165936A (ja) | 1995-12-18 | 1995-12-18 | 耐震室付き家屋 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09165936A true JPH09165936A (ja) | 1997-06-24 |
Family
ID=18396727
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34839395A Pending JPH09165936A (ja) | 1995-12-18 | 1995-12-18 | 耐震室付き家屋 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09165936A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006207325A (ja) * | 2005-01-31 | 2006-08-10 | Kamita Sogo Setsubi Kk | 構築物 |
CN101899865A (zh) * | 2009-05-26 | 2010-12-01 | 大场喜和 | 抗震结构体以及抗震施工法 |
CN111236709A (zh) * | 2020-03-04 | 2020-06-05 | 贵州电网有限责任公司 | 一种应用于综合能源系统的集装箱式监控站 |
-
1995
- 1995-12-18 JP JP34839395A patent/JPH09165936A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006207325A (ja) * | 2005-01-31 | 2006-08-10 | Kamita Sogo Setsubi Kk | 構築物 |
CN101899865A (zh) * | 2009-05-26 | 2010-12-01 | 大场喜和 | 抗震结构体以及抗震施工法 |
JP2010275711A (ja) * | 2009-05-26 | 2010-12-09 | Yoshikazu Oba | 耐震構造体、及び耐震工法 |
JP4665041B2 (ja) * | 2009-05-26 | 2011-04-06 | 喜和 大場 | 耐震構造体、及び耐震工法 |
CN111236709A (zh) * | 2020-03-04 | 2020-06-05 | 贵州电网有限责任公司 | 一种应用于综合能源系统的集装箱式监控站 |
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