JP2015183154A - ポリアリーレンスルフィド組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた摺動性、撥水性、耐熱性及び成形加工性を併せて有するポリアリーレンスルフィド組成物の提供。
【解決手段】ポリアリーレンスルフィド(A)100重量部に対し、繊維径0.5〜50μm、繊維長0.2〜10mmを有するポリテトラフルオロエチレン短繊維(B)を5〜50重量部を含んでなるポリアリーレンスルフィド組成物。さらに、無機充填剤(C)20〜150重量部及び熱可塑性ポリオレフィンを含んでなることが望ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、摺動性に優れるポリアリーレンスルフィド組成物に関するものであり、より詳細には、ポリテトラフルオロエチレン短繊維を含んでなることにより、摺動性、機械強度及び成形加工性に優れるポリアリーレンスルフィド組成物に関するものである。
従来、ポリフェニレンサルファイド樹脂よりなる成形体に摩擦特性や摩耗特性等の摺動性を付与する方法として摺動性に優れるポリ四フッ化エチレンや二硫化モリブデン等を添加するものが提案されており、例えばポリフェニレンサルファイド樹脂、ホウ酸アルミニウム及び粉末状ポリ四フッ化エチレンよりなる樹脂組成物(例えば特許文献1参照。)等が提案され、また、撥水性を付与する方法として、ポリテトラフルオロエチレン粒子を添加するものが提案されており、例えばポリフェニレンスルフィド樹脂、平均粒径1〜5μmのポリテトラフルオロエチレン粒子、ポリオレフィン及び繊維状充填材よりなる樹脂組成物(例えば特許文献2参照。)、ポリフェニレンスルフィド樹脂、平均粒径2〜7μmのポリテトラフルオロエチレン粒子、平均粒径10〜25μmのポリテトラフルオロエチレン粒子、ポリオレフィン及び繊維状充填材よりなる樹脂組成物(例えば特許文献3参照。)等が提案されている。
これら樹脂組成物は、その改良効果は見られるものの、摺動性、マトリックス樹脂であるポリフェニレンスルフィドへの分散性という点では、まだ改良の余地を残すものであった。
特開平08−113711号公報(例えば特許請求の範囲参照。) 特開平10−017771号公報(例えば特許請求の範囲参照。) 特開2003−073544号公報(例えば特許請求の範囲参照。)
しかし、特許文献1〜3に提案された樹脂組成物においても、摺動性と機械強度に課題があり、その効果としてはまだまだ改良の余地を有するものであった。
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ポリアリーレンスルフィドに優れた摺動性、機械強度及び成形加工性を付与するポリアリーレンスルフィド組成物の提供を目的とするものである。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ポリアリーレンスルフィドにポリテトラフルオロエチレン短繊維を配合することにより、ポリアリーレンスルフィドの優れた摺動性、機械強度等の特性を付与する組成物を見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、ポリアリーレンスルフィド(A)100重量部に対して、ポリテトラフルオロエチレン短繊維(B)5〜50重量部を含んでなることを特徴とするポリアリーレンスルフィド組成物に関するものである。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明のポリアリーレンスルフィド組成物は、ポリアリーレンスルフィド(A)100重量部に対して、ポリテトラフルオロエチレン短繊維(B)5〜50重量部を含んでなるものである。
本発明のポリアリーレンスルフィド組成物を構成するポリアリーレンスルフィド(A)としては、ポリアリーレンスルフィドと称される範疇に属するものであれば如何なるものを用いても良く、その中でも、得られるポリアリーレンスルフィド組成物が機械的強度、靭性、耐衝撃性に優れたものとなることから測定温度315℃、荷重10kgの条件下、直径1mm、長さ2mmのダイスを装着した高化式フローテスターで測定した溶融粘度が100〜30000ポイズであるポリアリーレンスルフィドが好ましく、特に200〜20000ポイズであるものが好ましい。
該ポリアリーレンスルフィド(A)としては、その構成単位としてp−フェニレンスルフィド単位を70モル%以上、特に90モル%以上含有しているものが好ましい。そして、他の構成成分としては、m−フェニレンスルフィド単位、o−フェニレンスルフィド単位、フェニレンスルフィドスルホン単位、フェニレンスルフィドケトン単位、フェニレンスルフィドエーテル単位、ジフェニレンスルフィド単位、置換基含有フェニレンスルフィド単位、分岐構造含有フェニレンスルフィド単位等を挙げることができ、その中でも靭性、耐衝撃性、機械的強度のバランスに優れたポリアリーレンスルフィド組成物となることからポリ(p−フェニレンスルフィド)が好ましい。
該ポリアリーレンスルフィド(A)の製造方法としては、特に制限はなく、一般的にポリアリーレンスルフィドの製造方法として知られている方法により製造すればよく、例えば重合溶媒中で、アルカリ金属硫化物とジハロ芳香族化合物とを反応する方法により製造することが可能である。アルカリ金属硫化物としては、例えば硫化リチウム、硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫化ルビジウム、硫化セシウム及びそれらの混合物が挙げられ、これらは水和物の形で使用しても差し支えない。また、これらアルカリ金属硫化物は、水硫化アルカリ金属とアルカリ金属塩基とを反応させることによって得られるが、ジハロ芳香族化合物の重合系内への添加に先立ってその場で調製されても、また系外で調製されたものを用いても差し支えない。また、ジハロ芳香族化合物としては、例えばp−ジクロロベンゼン、p−ジブロモベンゼン、p−ジヨードベンゼン、m−ジクロロベンゼン、m−ジブロモベンゼン、m−ジヨードベンゼン、1−クロロ−4−ブロモベンゼン、4,4’−ジクロロジフェニルスルフォン、4,4’−ジクロロジフェニルエーテル、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロジフェニル等が挙げられる。また、アルカリ金属硫化物とジハロ芳香族化合物との仕込み比は、アルカリ金属硫化物/ジハロ芳香族化合物=1/0.9〜1.1(モル比)の範囲とすることが好ましい。
重合溶媒としては、極性溶媒が好ましく、特に非プロトン性で高温でのアルカリに対して安定な有機アミドが好ましい溶媒である。該有機アミドとしては、例えばN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、N−メチル−ε−カプロラクタム、N−エチル−2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、テトラメチル尿素及びその混合物、等が挙げられる。また、該重合溶媒は、重合によって生成するポリマーに対し150〜3500重量%で用いることが好ましく、特に250〜1500重量%となる範囲で使用することが好ましい。重合は200〜300℃、特に220〜280℃にて0.5〜30時間、特に1〜15時間攪拌下にて行うことが好ましい。
さらに、ポリアリーレンスルフィド(A)は、直鎖状のものであっても、酸素存在下高温で処理し、架橋したものであっても、トリハロ以上のポリハロ化合物を少量添加して若干の架橋または分岐構造を導入したものであっても、窒素等の非酸化性の不活性ガス中で加熱処理を施したものであってもかまわないし、さらにこれらの構造の混合物であってもかまわない。そして、直鎖状ポリアリーレンスルフィドとしては、直鎖状ポリアリーレンスルフィドと称される範疇に属するものであれば如何なるものを用いても良く、例えば特公昭52−12240号公報に記載の方法により製造することが可能である。
そして、本発明のポリアリーレンスルフィド組成物を構成するポリテトラフルオロエチレン短繊維(B)は、テトラフルオロエチレン重合体の短繊維であり、この範疇に属するものであれば如何なるものも使用できる。該ポリテトラフルオロエチレン短繊維(B)の製造方法としては、例えばエマルジョン法、スプリット剥離法、ペースト押出法等の方法で製造されたポリテトラフルオロエチレン長繊維を、延伸後、裁断する方法が挙げられるが、この方法に限定されるものではない。また、市販品として、例えば(商品名)トヨフロンカットファイバー(東レ(株)製)等を挙げることができる。
該ポリテトラフルオロエチレン短繊維(B)としては、とりわけ摺動特性と機械的強度に優れたポリアリーレンスルフィド組成物となることから、繊維径が0.5〜50μm、繊維長が0.2〜10mm、繊維長/繊維径で表わされるアスペクト比が20〜1000であることが好ましい。
本発明のポリアリーレンスルフィド組成物を構成する該ポリテトラフルオロエチレン短繊維(B)の配合量は、ポリアリーレンスルフィド(A)100重量部に対し、5〜50重量部である。該ポリテトラフルオロエチレン短繊維(B)の配合量が5重量部未満である場合、得られる組成物は摺動特性に劣るものとなる。一方、該ポリテトラフルオロエチレン短繊維(B)の配合量が50重量部を越える場合、得られる組成物は機械的強度に劣るものとなる。
本発明のポリアリーレンスルフィド組成物は、さらに無機充填材(C)を含むものであっても良い。無機充填材(C)としては、一般的な樹脂組成物に配合されている無機充填材であってもよく、該無機充填材(C)としては、繊維状無機充填材として、例えばガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウムウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、硼酸アルミニウムウィスカ、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、アスベスト繊維、石コウ繊維、金属繊維等が例示でき、その中でも、特に機械的強度に優れるポリアリーレンスルフィド組成物となることから、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウムウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、硼酸アルミニウムウィスカが好ましい。また、非繊維状無機充填材としては、例えばワラストナイト、ゼオライト、セリサイト、カオリン、マイカ、パイロフィライト、ベントナイト、タルク、アルミナシリケート等の珪酸塩;酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄等の酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト等の炭酸塩;硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の硫酸塩;窒化珪素、窒化硼素、窒化アルミニウム等の窒化物;ガラスフレーク、ガラスビーズ等を例示でき、その中でも、特に寸法安定性に優れるポリアリーレンスルフィド組成物となることから、マイカ、タルク、炭酸カルシウム、ガラスフレーク、ガラスビーズが好ましい。
本発明のポリアリーレンスルフィド組成物において無機充填材(C)を含む場合、ポリアリーレンスルフィド組成物が耐熱性、力学特性、成形加工性に優れるものとなることからポリアリーレンスルフィド(A)100重量部に対して、該無機充填材(C)20〜150重量部、特に20〜100重量部を含んでなるものであることが好ましい。
また、本発明のポリアリーレンスルフィド組成物は、特に摺動特性に優れたものとなることから、平均粒径が100μm以下のポリテトラフルオロエチレン粉末、二硫化モリブデン粉末を含むものであることが好ましく、この際のポリテトラフルオロエチレン粉末、二硫化モリブデン粉末の配合量としては、ポリアリーレンスルフィド(A)100重量部に対し、5〜30重量部であることが好ましい。
さらに、オルガノポリシロキサン化合物を配合してなるものであることが好ましく、該オルガノポリシロキサン化合物としては、オルガノポリシロキサンの範疇に属するものであれば如何なるものも使用できる。中でも、とりわけ摺動特性に優れたポリアリーレンスルフィド組成物となることから、オルガノポリシロキサンオイルが好ましい。オルガノポリシロキサンオイルとしては、例えばジメチルシリコーンオイル、ジフェニルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル等のストレートオイルや、アミノ、エポキシ、カルボキシル、カルビノール、メタクリル、メルカプト等の1種以上の官能基で変性された変性シリコーンオイル等を挙げることができる。この際のオルガノシロキサン化合物の配合量としては、ポリアリーレンスルフィド(A)100重量部に対し、0.1〜10重量部であることが好ましい。
本発明のポリアリーレンスルフィド組成物は、特に成形加工性に優れるものとなることから熱可塑性ポリオレフィンをも含むものであることが好ましく、該熱可塑性ポリオレフィンとしては、例えば高密度ポリエチレン、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体、エチレン−オクテン−1共重合体、エチレン−4−メチル−ペンテン−1共重合体、高圧法低密度ポリエチレン等のポリエチレン;プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンブロックマー等のポリプロピレン等を挙げることができる。
本発明のポリアリーレンスルフィド組成物の製造方法としては、従来使用されている加熱溶融混練方法を用いることができる。例えば単軸または二軸押出機、ニーダー、ミル、ブラベンダー等による加熱溶融混練方法が挙げられ、特に混練能力に優れた二軸押出機による溶融混練方法が好ましい。
また、本発明のポリアリーレンスルフィド組成物を製造する際に、ポリアリーレンスルフィド(A)とポリテトラフルオロエチレン短繊維(B)とを溶融混練する場合、組成物中のポリテトラフルオロエチレン短繊維(B)の分散が優れるものとなり、摺動特性に優れるものとなることから組成物の温度が290〜320℃とすることが好ましい。
さらに、本発明のポリアリーレンスルフィド組成物は、射出成形機、押出成形機、トランスファー成形機、圧縮成形機等を用いて任意の形状に成形することができる。
本発明のポリアリーレンスルフィド組成物は、本発明の目的を逸脱しない範囲で、従来公知の熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、結晶核剤、発泡剤、金型腐食防止剤、難燃剤、難燃助剤、染料、顔料等の着色剤、帯電防止剤等の添加剤を1種以上併用しても良い。
また、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、液晶ポリマー等のポリエステル;ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−12、ナイロン−4,6、半芳香族ナイロン等のポリアミド;ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンオキサイド、変性ポリフェニレンオキサイド等のポリエーテル;ポリカーボネート;ポリアセタール、ポリイミド;ポリエーテルイミド等に代表されるエンジニアリングプラスチックはもとより、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレア樹脂、ポリウレタンに代表される熱硬化性樹脂の硬化前の原材料等を配合することもできる。
本発明のポリアリーレンスルフィド組成物は、マトリックス材であるポリアリーレンスルフィドへの分散性に優れ、耐熱性、耐摩耗性、耐摩擦性、力学特性、撥水性に優れる組成物を提供するものとなる。
以下に、実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により制限されるものではない。なお、断りのない限り、用いた試薬等は市販品、あるいは既知の方法に従って合成したものを用いた。
実施例におけるポリアリーレンスルフィド及びポリアリーレンスルフィド組成物の評価は、以下に示す方法により行なった。
〜溶融粘度の測定〜
直径1mm、長さ2mmのダイスを装着した高化式フローテスター((株)島津製作所製、(商品名)CFT−500)にて、測定温度315℃、荷重10kgの条件下で溶融粘度の測定を行った。
〜摩擦係数の測定〜
外径25.6mm、内径20mm、高さ15mmの中空円筒試験片を作成し、炭素鋼(S45C)でできた同様の形状の試験片と摺動させて摩擦係数を測定した。測定は、荷重5kg/cm、滑り速度50m/秒、滑り距離3kmの条件でスラフト型摺動試験機を用いて測定した。
〜曲げ強度の測定〜
ASTM D−790に準拠し測定を行った。
合成例1
<合成例1(PPS(A1〜3)の合成)>
攪拌機を装備する50リットルオートクレーブに、フレーク状硫化ソーダ(NaS・2.9HO)6214g及びN−メチル−2−ピロリドン17000gを仕込み、窒素気流下攪拌しながら徐々に205℃まで昇温して、1359gの水を留去した。この系を140℃まで冷却した後、p−ジクロロベンゼン7291g、N−メチル−2−ピロリドン5000gを添加し、窒素気流下に系を封入した。この系を2時間かけて225℃に昇温し、225℃にて2時間重合させた後、30分かけて250℃に昇温し、さらに250℃にて3時間重合を行った。重合終了後、室温まで冷却しポリマーを遠心分離機により単離した。該固形分を温水でポリマーを繰り返し洗浄し100℃で一昼夜乾燥することにより、溶融粘度が400ポイズのポリ(p−フェニレンスルフィド)(以下、PPS(A1)と記す。)を得た。このPPS(A1)を、さらに酸素雰囲気下250℃で3時間硬化を行い溶融粘度1800ポイズを有するポリ(p−フェニレンスルフィド)(以下、PPS(A2)を得た。
また、別途、このPPS(A1)を、酸素雰囲気下250℃で5時間硬化を行い溶融粘度2400ポイズを有するポリ(p−フェニレンスルフィド)(以下、PPS(A3)を得た。
実施例及び比較例において、ポリテトラフルオロエチレン短繊維(B)、無機充填材(C)として以下のものを用いた。
<ポリテトラフルオロエチレン短繊維(B)>
ポリテトラフルオロエチレン短繊維(B1)(以下、PTFE短繊維(B1)と記す。):東レ(株)製、(商品名)トヨフロンカットファイバー1/64インチ(繊維径20μm、繊維長0.4mm、アスペクト比20)。
ポリテトラフルオロエチレン短繊維(B2)(以下、PTFE短繊維(B2)と記す。):東レ(株)製、(商品名)トヨフロンカットファイバー1/4インチ(繊維径20μm、繊維長6.4mm、アスペクト比320)。
<無機繊維状物(C)>
カーボン短繊維(C1)(以下、無機充填材(C1)と記す。);大阪ガスケミカル(株)製、(商品名)ドナカーボン・ミルドS−343(繊維径18μm、平均繊維長0.7mmm、アスペクト比39)。
酸化亜鉛ウィスカ(以下、無機充填材(C2)と記す。);松下アムテック社製、(商品名)パナテトラ0511。
<ポリテトラフルオロエチレン粉末(D)>
ポリテトラフルオロエチレン粉末(D1);旭硝子(株)製、(商品名)Fluon PTFEルブリカントL−169(平均粒子径17μm)。
実施例1
合成例1で得られたPPS(A2)100重量部に対して、PTFE短繊維(B1)15重量部を300℃に加熱した二軸押出機(東芝機械製、(商品名)TEM−35−102B)のホッパーに投入し、スクリュー回転数200rpmにて溶融混練し、ダイより流出する溶融樹脂を冷却後裁断し、ペレット状のPPS組成物を作製した。
該PPS組成物を、310℃に加熱した射出成形機(住友重機械工業製、(商品名)SE75)のホッパーに投入し、摩擦係数、曲げ強度を測定するための試験片をそれぞれ成形した。これら試験片を用い、物性評価を行なった。その結果を表1に示す。
実施例2〜6
ポリアリーレンスルフィドとしてPPS(A2,A3)、PTFE短繊維(B1、B2)、無機充填材として無機充填材(C1,C2)、ポリテトラフルオロエチレン粉末(D1)を用い、表1に示す配合割合とした以外は、実施例1と同様の方法によりPPS組成物を得、その評価を行なった。その結果を表1に示す。
比較例1〜6
ポリアリーレンスルフィドとしてPPS(A2,A3)、PTFE短繊維(B1、B2)、無機充填材として無機充填材(C1,C2)、ポリテトラフルオロエチレン粉末(D1)を用い、表2に示す配合割合とした以外は、実施例1と同様の方法により組成物を得、その評価を行なった。その結果を表2に示す。
Figure 2015183154
Figure 2015183154
本発明のポリアリーレンスルフィド組成物は、ポリテトラフルオロエチレン短繊維を配合することにより、ポリアリーレンスルフィドに優れた摺動性、機械強度等の特性を付与する組成物であり、それら特性を有する成形加工品を提供することが可能であり、その産業上の利用可能性は極めて高いものである。

Claims (4)

  1. ポリアリーレンスルフィド(A)100重量部に対し、ポリテトラフルオロエチレン短繊維(B)を5〜50重量部を含んでなることを特徴とするポリアリーレンスルフィド組成物。
  2. ポリテトラフルオロエチレン短繊維(B)が、繊維径0.5〜50μm、繊維長0.2〜10mmを有するポリテトラフルオロエチレン短繊維であることを特徴とする請求項1に記載のポリアリーレンスルフィド組成物。
  3. さらに、無機充填材(C)20〜150重量部を含んでなることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリアリーレンスルフィド組成物。
  4. さらに、熱可塑性ポリオレフィンを含んでなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリアリーレンスルフィド組成物。
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