JP2015182954A - 抗糖化剤 - Google Patents

抗糖化剤 Download PDF

Info

Publication number
JP2015182954A
JP2015182954A JP2014057586A JP2014057586A JP2015182954A JP 2015182954 A JP2015182954 A JP 2015182954A JP 2014057586 A JP2014057586 A JP 2014057586A JP 2014057586 A JP2014057586 A JP 2014057586A JP 2015182954 A JP2015182954 A JP 2015182954A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metabolite
glycation
milk
fermented
life extension
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014057586A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5935155B2 (ja
Inventor
智香 小野池
Tomoka Onoike
智香 小野池
増田 隆史
Takashi Masuda
隆史 増田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Like Todo Japan Seiyaku Co Ltd
Original Assignee
Like Todo Japan Seiyaku Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Like Todo Japan Seiyaku Co Ltd filed Critical Like Todo Japan Seiyaku Co Ltd
Priority to JP2014057586A priority Critical patent/JP5935155B2/ja
Priority to TW103111213A priority patent/TWI640315B/zh
Publication of JP2015182954A publication Critical patent/JP2015182954A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5935155B2 publication Critical patent/JP5935155B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)
  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Abstract

【課題】所定の乳酸菌の発酵代謝物を含有する抗糖化剤、寿命延長剤及び老化抑制剤を提供する。【解決手段】本発明の一形態に係る抗糖化剤、、寿命延長剤及び老化抑制剤は、乳酸菌ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ クレモリス(Lactococcus lactis subsp. cremoris) H−61株の発酵代謝物を有効成分として含有することを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、所定の乳酸菌の発酵代謝物を含有する抗糖化剤、寿命延長剤及び老化抑制剤に関する。
高齢化社会を迎え、健康を促進することで、老化を抑制し、寿命を延長することに関心が集まっている。例えば、特許文献1には、アスタキサンチンを有効成分とする寿命延長剤、抗酸化機能向上剤が記載されている。
また、健康を促進する機能性食品として、プロバイオティクスが知られている。プロバイオティクスは、一般に、「宿主の腸内フローラのバランスを改善することにより宿主動物に有益に働く微生物添加物」と定義されている(非特許文献1参照)。この定義によると、プロバイオティクスは、乳酸菌等の生菌体であって、生きて腸に到達し、腸内フローラに働きかけることで、腸管免疫を高め、有益な作用をもたらすと考えられる。例えば特許文献2には、骨密度減少や皮膚潰瘍発生抑制により老化を抑制する乳酸菌が記載されている。
あるいは、死菌体であっても有益な作用を示すことがあり、プロバイオティクスの定義を広げようとする考えもある(非特許文献2参照)。例えば、特許文献2には、死菌体でも生菌体と同様の効果を有する旨、記載されている。
そこで近年、プロバイオティクスのほか、バイオジェニックスが提唱されている(非特許文献3参照)。バイオジェニックスとは、直接、あるいは腸内フローラを介して免疫賦活、コレステロール低下作用、血圧降下作用、整腸作用、抗腫瘍効果、抗血栓・造血作用などの生体調節、生体防御、疾病予防・回復、老化制御等に働く食品成分と定義されている。すなわちバイオジェニックスは、プロバイオティクスとは異なり、腸内フローラに作用するだけでなく、腸管免疫に直接作用し、健康を向上させることが期待される。上記定義を鑑みれば、死菌体は、バイオジェニックスとして上記の有益な作用をもたらすとも考えられる。
またバイオジェニックスの例としては、死菌等に含まれる乳酸菌の菌体成分のほか、乳酸菌発酵代謝物、及びこれらの混合物等も挙げられる。
特許4604207号 特開2012−72132号公報
Fuller,(1989)J.Appl.Bacteriol., 66,365-378 Salminen et al.,(1999) Trends Food Sci. Technol.,10,107-110 光岡知足編 プロバイオティクス・プレバイオティクス・バイオジェニック 財団法人日本ビフィズス菌センター 2006年6月
ここで、乳酸菌発酵代謝物は、菌体とは異なる成分を有するため、具体的な作用についての知見が少なかった。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、所定の乳酸菌の発酵代謝物を含有する抗糖化剤、寿命延長剤及び老化抑制剤を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る抗糖化剤は、乳酸菌ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ クレモリス(Lactococcus lactis subsp. cremoris) H−61株の発酵代謝物を有効成分として含有することを特徴とする。
本発明の抗糖化剤は、上記乳酸菌の発酵代謝物を有効成分として含有することで、非常に高い終末糖化産物(Advanced Glycation End-products;AGEs)生成抑制活性を有する。AGEsとは、グルコース(ブドウ糖)などの還元糖が、蛋白質のアミノ基と非酵素的に反応(メーラード反応)して生成される物質であって、心筋梗塞や脳梗塞、骨粗しょう症、白内障、糖尿病合併症の原因物質とも言われている。本発明の抗糖化剤は、AGEsの生成を抑制するため、これらの疾患を防止することが可能となる。
前記発酵代謝物は、菌体を含まなくてもよい。
本発明の発酵代謝物は、菌体を含まずとも、非常に高い抗糖化作用を有する。
前記発酵代謝物は、豆乳、牛乳、山羊乳及びめん羊乳の少なくともいずれか一方を含む培地で前記乳酸菌を発酵することで生成されてもよい。
本発明の一形態に係る寿命延長剤は、乳酸菌ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ クレモリス(Lactococcus lactis subsp. cremoris) H−61株の発酵代謝物を有効成分として含有することを特徴とする。
本発明の寿命延長剤は、生物の寿命を延長することができ、誕生から固体死に至るまでの期間を増加することができる。
また、寿命延長が、抗糖化に起因してもよい。
上述のように、上記発酵代謝物は、抗糖化作用を有し、心疾患、脳疾患等、死因となり得る疾患を防止することができるため、抗糖化に起因して寿命が延長し得る。
また、前記発酵代謝物は、菌体を含まなくてもよい。
前記発酵代謝物は、豆乳、牛乳、山羊乳及びめん羊乳の少なくともいずれか一方を含む培地で前記乳酸菌を発酵することで生成されてもよい。
本発明の一形態に係る老化抑制剤は、乳酸菌ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ クレモリス(Lactococcus lactis subsp. cremoris) H−61株の発酵代謝物を有効成分として含有することを特徴とする。
また、上記発酵代謝物は、抗糖化作用を有し、心疾患、脳疾患等、死因となり得る疾患を防止することができるため、老化抑制が、抗糖化に起因してもよい。
本発明の発酵代謝物を含む培養液で培養した線虫の寿命曲線を示すグラフである。
以下、本発明について詳細を説明する。
本発明は、発明者らの鋭意検討によって、乳酸菌ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ クレモリス(Lactococcus lactis subsp. cremoris) H−61株(以下、H−61株とする)の発酵代謝産物が、抗糖化作用及び寿命延長作用、並びにこれらに起因する老化抑制作用を有することを見出したことにより、完成された。従来より、乳酸菌の菌体自体についての老化抑制、健康増進に関する知見は得られていた(特許文献2等参照)。しかしながら、菌体が非常に少ない、あるいは菌体を含まない乳酸菌の発酵代謝物に関する知見はほとんど得られていない。本発明は、乳酸菌の発酵代謝物自体に、菌体から予期できない顕著な抗糖化作用、寿命延長作用及びこれらに伴う老化抑制作用を見出したことで、完成に至ったものである。
本発明のH−61株は、独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センターに寄託されており、その受託番号はNITE P−92である(特許文献2参照)。また上記H−61株は、独立行政法人農業生物資源研究所の農業生物資源ジーンバンクにも、MAFF No.400007として寄託されている。
本発明の発酵代謝物は、H−61株を任意の条件で発酵させた後、菌体を除去したものをいい、菌体が非常に少ない、又は菌体を含まないものである。すなわち、本発明の発酵代謝物は、主に乳酸、各種アミノ酸等を含む。「菌体を含まない」発酵代謝物とは、実質的に菌体を含まないことを示し、例えば発酵後、0.1〜0.5μm以下の径を有するフィルターによって培養液を濾過した濾過液、及び当該濾過液の処理物をいうものとする。なお、濾過前に、常法により培養液をホモジナイズしたものも含むものとする。
本発明の発酵代謝物の製造に用いる発酵培地は、例えば、牛乳、豆乳、山羊乳、めん羊乳又はこれらを混合させたものを含むことができる。これにより、H−61株の発酵効率を高めることができる。
本発明の発酵代謝物は、例えば、上記菌株を常法に従い培養し、発酵させた後、殺菌し、発酵液を濾過することで、製造することができる。発酵条件は特に限定されない。例えば、上記発酵代謝物は、20℃〜40℃の発酵温度で発酵されたものとすることができる。また上記発酵代謝物は、70時間以上、好ましくは70時間〜700時間発酵されたものとすることができる。
上記発酵液は、常法により加熱殺菌及び懸濁され、濾過される。濾過には、上述のように、0.1〜0.5μm以下の径を有するフィルターが用いられる。なお、径の比較的大きなフィルターで濾過した後、上記フィルターを用いた濾過を行うこともできる。
本発明の発酵代謝物は、上記濾過液に含まれる。なお、上記濾過液には、摂取形態に応じて適宜、エバポレータを用いた脱エタノール処理や、加熱殺菌処理等を施してもよい。上記濾過液を、以下、発酵代謝物含有液と称する。
本発明の抗糖化剤は、上記発酵代謝物を有効成分として含有することを特徴とする。上記抗糖化剤は、非常に高い終末糖化産物(Advanced Glycation End-products;AGEs)生成抑制活性を有することができる。AGEsとは、グルコース(ブドウ糖)などの還元糖が、蛋白質のアミノ基と非酵素的に反応(メーラード反応)して生成される物質である。AGEsが血管に蓄積すると心筋梗塞や脳梗塞、骨に蓄積すると骨粗しょう症、目に蓄積すると白内障の一因となる。また、AGEsは、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症などの糖尿病による合併症の原因物質とも言われている。すなわち、AGEsの生成を抑制することで、死因として多い心臓疾患や脳疾患、糖尿病による合併症等を効果的に抑制することが可能となり、老化抑制や、寿命延長につながると考えられる。
本発明の寿命延長剤は、上記発酵代謝物を有効成分として含有することを特徴とする。本発明の寿命延長剤は、生物の寿命を延長することができ、誕生から固体死に至るまでの期間を増加することができる。本発明の寿命延長剤は、生物の平均寿命を、例えば1.1〜1.5倍、増加させることができる。本発明の寿命延長剤における寿命延長は、一つとして抗糖化に起因し得るが、その他、種々の作用に起因するものとも考えられる。
本発明の老化抑制剤は、上記発酵代謝物を有効成分として含有することを特徴とする。上述のように、AGEsの蓄積により、老化に関連した病態である血管疾患や脳疾患等を抑制できる。したがって、本発明の老化抑制剤における老化抑制は、一つとして抗糖化に起因し得るが、その他、種々の作用に起因するものと考えられる。
本発明の抗糖化剤、寿命延長剤及び老化抑制剤は、使用目的に応じた手法により製剤化でき、例えば、凍結乾燥粉末、噴霧乾燥粉末、液体への懸濁などの手法を適用することができる。また、製剤化に伴い、適宜添加物を加えてもよい。
本発明の抗糖化剤、寿命延長剤及び老化抑制剤は、上記発酵代謝物含有液を、1日に体重1kg当たり、0.001〜2ml、好ましくは0.01ml〜0.2ml摂取可能に配合することができる。なお、投与量は、投与される人(動物)の年齢、症状の程度、投与形態に応じて調整することができる。なお、本発明の抗糖化剤、寿命延長剤及び老化抑制剤は、牛乳、豆乳等で培養された上記発酵代謝物含有液を用いた発酵乳として供されることも可能である。
(実施例1)
豆乳を500ml容器に加えて常法により加熱滅菌し、冷却して豆乳培地を用意した。H−61株は、常法に従い、予め7日間培養した。そして、培養したH−61株を豆乳培地に接種し、約35℃で一昼夜培養し、菌体を1×10CFU/mlまで増殖させた。そして、常法により加熱殺菌し、エタノールを加えてホモジナイズ処理し、1次濾過した。この1次濾過液を、さらに0.2μm径の中空糸膜を用いて2次濾過した。この2次濾過液を、エバポレータによる脱エタノール処理し、90%乳酸を加えて、常法により加熱殺菌した。これにより、実施例1に係る発酵代謝物含有液が製造された。
(実施例2)
実施例2は、豆乳に替えて牛乳(脱脂粉乳)を用いた牛乳培地による以外は、実施例1と同様に発酵代謝物含有液を製造した。
(試験例1 AGEs生成抑制活性測定)
実施例1及び実施例2を用いて、AGEs生成抑制活性の測定を行った。
まず、試料を準備した。本試験例の試料として、実施例1及び実施例2各々に係る発酵代謝物含有液(以下、原液とする)、並びに各原液をバッファーを用いて10倍希釈したもの及び100倍希釈したものを作製した(後述する表1参照)。バッファーは、リン酸バッファー(pH7.4)を用いた。
各試料について、蛍光測定法によりAGEs生成抑制活性を測定した。すなわち、360mg/mLのグルコース水溶液0.5mL、40mg/mLのBSA(Bovine Serum Albumin)水溶液1.0mL、リン酸バッファー(pH7.4)2.5mL及び純水0.5mLに各試料を0.5mL添加して測定液を生成した。また試料に替えて、純水0.5mLを加えたコントロールも生成した。続いて、各測定液及びコントロールを、60℃、40時間インキュベーションした。その後、インキュベーションした測定液及びコントロールについて、蛍光分光光度計にて励起波長270mm、蛍光波長440mmにおける蛍光強度を測定した。コントロールの蛍光強度に対する各試料添加時の蛍光強度の減少率を算出し、AGEs生成抑制率とした。
表1は、本試験例の結果を示す表である。同表に示すように、実施例1及び実施例2ともにAGEs生成抑制活性が見られた。希釈率が低いほどAGEs生成抑制率が高いこと、及び、豆乳を用いて発酵した実施例1と牛乳を用いて発酵した実施例2とで同様の結果が得られていることから、本試験例の抗糖化活性が、本発明のH−61の発酵代謝物によるものであることが確認された。
Figure 2015182954
特に、実施例1及び実施例2の原液において、ほぼ100%のAGEs生成抑制率を有する。したがって、本発明のH−61の発酵代謝物は、非常に高いAGEs生成抑制活性を有することが確認された。
(試験例2 線虫寿命測定)
実施例1及び実施例2を与えた線虫の寿命について測定した。
線虫(Caenorhabditis elegans)は、は寿命が3〜4週間(培養温度20℃)と短く、全ゲノムが解明されたモデル生物として用いられている。また、老化と酸化ストレスの関係について多くの研究が行われており、寿命に影響を与える物質の探索にも用いられている。本試験例には、fer-15変異株を用いた。fer-15変異株は、25℃以上で次世代の産生が抑制される特徴を持ち、寿命測定の際に次世代の線虫が混入しないメリットがある。
まず、表2の組成のS-mediumを調製した。S-medium中のTrace metals solutionの組成は、表3に示す。S-medium にエサとなる大腸菌OP−50株を懸濁させ線虫の培養液とした。この培養液を用いて線虫が成虫になるまで培養(20℃、200rpm)を行った。その後、表4に示すS-bufferにて線虫を回収、洗浄後、NaOH溶液および液体塩素系漂白剤(商品名 ハイター、花王株式会社)を用いて線虫の体を溶解させ、体内から卵を回収した。回収した卵は20℃で1晩培養し孵化させた。孵化させたL1幼虫は、培養フラスコを用い26℃、100rpmで大腸OP−50株を餌として同調培養を行った。このとき、培養フラスコ1本あたり線虫2000匹になるように調整した。卵回収後5日目にアンピシリン及び各試料を培養フラスコに加えた。各試料は、実施例1及び実施例2の発酵代謝物含有液(原液)を、培養液中終濃度が11倍希釈及び101倍希釈されるように添加した。また、コントロールとして、純水を添加した。その後、数日ごとに培養液を一定量取得し、線虫の生存数を調べ、5日目の生存数を100%として生存曲線を描き、平均寿命および最長寿命を算出した。
Figure 2015182954
Figure 2015182954
Figure 2015182954
図1は、線虫の寿命曲線を示すグラフであり、表5は線虫の平均寿命、最長寿命及び寿命延長率を示す表である。寿命延長率は、コントロールの平均寿命を100%とした際の各試料の平均寿命のこれらの図表に示すように、コントロールに対して線虫の寿命が有意に延長し、本発明の各実施例について寿命延長作用が確認された。特に、寿命延長率を参照すると、実施例1を11倍希釈したものでは30%以上も平均寿命が延長し、実施例1を101倍希釈したもの、及び実施例2を11倍希釈したものでは、20%以上平均寿命が延長した。また、実施例2を101倍希釈したものは、10%以上平均寿命が延長した。
Figure 2015182954
また、培養液中の発酵代謝物含有液の濃度が高いほど寿命が延長する傾向が見られた。これにより、本試験例における寿命延長が、本発明の発酵代謝物によるものと確認された。
加えて、豆乳を含む培地で発酵された実施例1の方が、牛乳を含む培地で発酵された実施例2よりも若干高い寿命延長作用を有することが確認された。
以上より、本発明の発酵代謝物が、非常に高い抗糖化作用及び寿命延長作用があることが確認された。寿命延長作用は、種々の作用機序により実現すると考えられるが、作用機序の一つとして、抗糖化作用が関与していると考えられる。また、その他、抗酸化、チロシナーゼ阻害活性、コラゲナーゼ阻害活性、リパーゼ阻害活性、アンジオテンシン変換酵素阻害活性等が関与していると考えられている。
また、実施例1は豆乳、実施例2は牛乳を含む培地をそれぞれ用いたが、牛乳と同様の組成を有する山羊乳、めん羊乳を含む培地や、他の培地でH−61株を発酵した発酵代謝物であっても、実施例1及び実施例2と同様の結果が得られることは明らかである。
さらに、本発明の発酵代謝物は、寿命延長作用及び抗糖化作用を有することから、これらに関連する老化抑制作用を有すると言える。
(考察)
特許文献1を参照し、上記H−61株の生菌体及び死菌体には、骨密度減少抑制作用、皮膚潰瘍発生抑制作用、及びこれらに起因する老化抑制作用があることが報告されていた。この場合には、生菌体及び死菌体に共通して含まれる成分、すなわち、主に菌体を構成する蛋白質、核酸、その他の微量成分が腸管免疫等に作用し、上記作用を発現するものと考えられる。但し、特許文献1に係る骨密度減少抑制剤、皮膚潰瘍発生抑制剤及び老化抑制剤は、培養した上記H−61株を集菌し、洗浄した菌体を用いているため(特許文献1 段落[0015][0018][0020]参照)、上記H−61株が生成した発酵代謝物は実質的に含まれていないものと考えられる。
本発明においては、菌体を除去した発酵代謝物において、非常に高い抗糖化作用及び寿命延長作用が確認された。当然ながら、菌体と発酵代謝物では、含有している成分が大きく異なり、菌体では、主に菌体を構成するタンパク質、脂質等が含まれるのに対し、発酵代謝物では、主に、乳酸、各種アミノ酸が含まれる。したがって、本発明に係る発酵代謝物は、少なくとも菌体とは異なる機序により、顕著な抗糖化作用及び寿命延長作用を発揮するものと考えられる。したがって、本発明は、乳酸菌の発酵代謝物自体が老化抑制作用等を有するという、新たな知見を示すものである。

Claims (9)

  1. 乳酸菌ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ クレモリス(Lactococcus lactis subsp. cremoris) H−61株の発酵代謝物を有効成分として含有することを特徴とする
    抗糖化剤。
  2. 請求項1に記載の抗糖化剤であって、
    前記発酵代謝物は、菌体を含まない
    抗糖化剤。
  3. 請求項1又は2に記載の抗糖化剤であって、
    前記発酵代謝物は、豆乳、牛乳、山羊乳及びめん羊乳の少なくともいずれか一方を含む培地で前記乳酸菌を発酵することで生成される
    抗糖化剤。
  4. 乳酸菌ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ クレモリス(Lactococcus lactis subsp. cremoris) H−61株の発酵代謝物を有効成分として含有することを特徴とする
    寿命延長剤。
  5. 請求項4に記載の寿命延長剤であって、
    寿命延長が、抗糖化に起因する
    寿命延長剤。
  6. 請求項4又は5に記載の寿命延長剤であって、
    前記発酵代謝物は、菌体を含まない
    寿命延長剤。
  7. 請求項4から6のいずれか一つに記載の寿命延長剤であって、
    前記発酵代謝物は、豆乳、牛乳、山羊乳及びめん羊乳の少なくともいずれか一方を含む培地で前記乳酸菌を発酵することで生成される
    寿命延長剤。
  8. 乳酸菌ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ クレモリス(Lactococcus lactis subsp. cremoris) H−61株の発酵代謝物を有効成分として含有することを特徴とする
    老化抑制剤。
  9. 請求項8に記載の老化抑制剤であって、
    老化抑制が、抗糖化に起因する
    老化抑制剤。
JP2014057586A 2014-03-20 2014-03-20 抗糖化剤の製造方法 Active JP5935155B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014057586A JP5935155B2 (ja) 2014-03-20 2014-03-20 抗糖化剤の製造方法
TW103111213A TWI640315B (zh) 2014-03-20 2014-03-26 抗糖化劑的製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014057586A JP5935155B2 (ja) 2014-03-20 2014-03-20 抗糖化剤の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015182954A true JP2015182954A (ja) 2015-10-22
JP5935155B2 JP5935155B2 (ja) 2016-06-15

Family

ID=54349903

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014057586A Active JP5935155B2 (ja) 2014-03-20 2014-03-20 抗糖化剤の製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP5935155B2 (ja)
TW (1) TWI640315B (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110506106A (zh) * 2017-04-06 2019-11-26 韩国食品研究院 具有降低糖基化终末产物的活性的新型菌株及其用途
EP3943094A4 (en) * 2018-03-22 2023-04-19 Korea Food Research Institute COMPOSITION FOR INHIBITING NON-FLUORESCENT ADVANCED GLYCATION END PRODUCTS, AND USE THEREOF

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101841021B1 (ko) * 2017-04-06 2018-03-22 한국식품연구원 최종당화산물 저감 활성을 갖는 신규한 락토코쿠스 락티스 균주 및 이의 용도
JP7140027B2 (ja) 2019-03-27 2022-09-21 いすゞ自動車株式会社 ブレーキ装置
JP7140026B2 (ja) 2019-03-27 2022-09-21 いすゞ自動車株式会社 ブレーキ装置

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01281073A (ja) * 1988-05-06 1989-11-13 Kanebo Ltd 抗腫瘍活性を有する乳酸菌株およびその培養物
JP4604207B2 (ja) * 2005-03-16 2011-01-05 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 老化抑制作用を有する乳酸菌およびその用途
JP2011135832A (ja) * 2009-12-28 2011-07-14 Showa Sangyo Co Ltd 乳酸発酵大豆食品の製造方法
JP2013537427A (ja) * 2010-08-17 2013-10-03 セーホーエル.ハンセン アクティーゼルスカブ ビタミンk2高生産性ラクトコッカス・ラクティス株

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01281073A (ja) * 1988-05-06 1989-11-13 Kanebo Ltd 抗腫瘍活性を有する乳酸菌株およびその培養物
JP4604207B2 (ja) * 2005-03-16 2011-01-05 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 老化抑制作用を有する乳酸菌およびその用途
JP2011135832A (ja) * 2009-12-28 2011-07-14 Showa Sangyo Co Ltd 乳酸発酵大豆食品の製造方法
JP2013537427A (ja) * 2010-08-17 2013-10-03 セーホーエル.ハンセン アクティーゼルスカブ ビタミンk2高生産性ラクトコッカス・ラクティス株

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
LETTERS IN APPLIED MICROBIOLOGY, vol. 55, no. 2, JPN6015009922, 2012, pages 135 - 140, ISSN: 0003028517 *

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110506106A (zh) * 2017-04-06 2019-11-26 韩国食品研究院 具有降低糖基化终末产物的活性的新型菌株及其用途
JP2020515296A (ja) * 2017-04-06 2020-05-28 コリア フード リサーチ インスティテュート 終末糖化産物の低減活性を有する新規な菌株およびその用途
EP3943094A4 (en) * 2018-03-22 2023-04-19 Korea Food Research Institute COMPOSITION FOR INHIBITING NON-FLUORESCENT ADVANCED GLYCATION END PRODUCTS, AND USE THEREOF

Also Published As

Publication number Publication date
JP5935155B2 (ja) 2016-06-15
TW201540307A (zh) 2015-11-01
TWI640315B (zh) 2018-11-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5935155B2 (ja) 抗糖化剤の製造方法
Sahadeva et al. Survival of commercial probiotic strains to pH and bile
CN109475169A (zh) 促进哺乳动物免疫系统成熟的方法
CN1867258A (zh) 一种稳定的液体益生组合物、其制备和应用
CN103649304B (zh) 分离的微生物菌株植物乳杆菌(lactobacillus plantarum)mcc1 dsm 23881及其用途
CN111172074B (zh) 一株具有缓解改善阿尔茨海默症状的乳双歧杆菌Probio-M8及应用
JP2017533197A (ja) プロバイオティクス組成物及びプレバイオティクス組成物
EA030356B1 (ru) Штамм bifidobacterium animalis ssp. animalis
KR20150000157A (ko) 누에 면역반응 유도용 조성물 및 이에 의해 면역이 유도되어 항균활성이 부가된 누에
CN109563473B (zh) 唾液乳杆菌cjls1511,含该菌或死细胞的动物饲料添加组合物及生产死细胞的方法
JP6129294B2 (ja) 新たに分離したバチルス・リケニフォルミス及びこれを利用したプロバイオティクス
JP4762987B2 (ja) 乳酸菌培養により得られる血圧低下剤
JPWO2018034047A1 (ja) 乳酸菌、該乳酸菌由来の血糖低下剤、糖尿病治療薬、及び飲食品
TWI829090B (zh) 抗憂鬱劑、抗老化劑及抗肥胖劑
JP5918290B2 (ja) 乳酸菌生産物質の製造方法及び乳酸菌生産物質並びにアレルギー性皮膚炎抑制剤及び全身性アレルギー反応抑制剤
Wadoum et al. In vitro antimicrobial characterization of Lactobacillus Isolates towards their use as probiotic alternatives to antibiotic growth promoters
JP6061530B2 (ja) Nash予防治療剤
JP5006198B2 (ja) 病原菌の細胞への付着阻害能を有するビフィズス菌、その処理物及びそれを含有する食品・医薬品組成物
Moustafa et al. Nutritional efficiency and economic traits of silkworm Bombyx mori, L. reared on mulberry leaves fortified with synbiotics
JP6670251B2 (ja) 小胞体ストレス抑制剤
JP2015167474A (ja) ラクトバチルス属乳酸菌培養用食品グレード培地、ラクトバチルス属乳酸菌の培養方法及びラクトバチルス属乳酸菌培養物の製造方法
RU2510416C1 (ru) Питательная среда для выделения лактобактерий
Alziadi et al. REDUCING CHOLESTEROL LEVELS AND MICROBIAL LOAD FOR CAMEL HUMP TISSUE BY PROBIOTICS BACTERIA
Raju et al. Isolation, Characterization and Sequencing of Lactobacillus from the Oral and Fecal Samples of Healthy Dogs
JP2008520202A (ja) バクテリア培養物の調製方法及びその方法によって調製される製品

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151013

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151105

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160412

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160419

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5935155

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250