JP5918290B2 - 乳酸菌生産物質の製造方法及び乳酸菌生産物質並びにアレルギー性皮膚炎抑制剤及び全身性アレルギー反応抑制剤 - Google Patents

乳酸菌生産物質の製造方法及び乳酸菌生産物質並びにアレルギー性皮膚炎抑制剤及び全身性アレルギー反応抑制剤 Download PDF

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Description

本発明は、複数の乳酸菌を用いる乳酸菌生産物質の製造方法及び乳酸菌生産物質に関する。
近年の食生活の多様化・大量消費化が進行するのに伴い、食生活・食習慣の改善が謳われている。特に、栄養過多や運動不足を原因とする生活習慣病やメタボリック症候群等に注目が集まっているが、これらに対する有効な予防法が確立されておらず、生活習慣の改善以外に有効な打開策が存在しない状況にある。
この状況において、摂取することで健康増進につながる健康食品に注目が集まっており、そのような健康食品として特に乳酸菌を含有するものが着目されている。乳酸菌は、免疫力の向上、成人病の予防等、様々な健康維持にあたり有益な効果を得られることが期待されている。これは、外部から取り込んだ乳酸菌によって腸内環境が整えられ、腸管免疫機能が向上することから得られる効果であると考えられている(例えば特許文献1参照)。
この乳酸菌を摂取する方法としては、例えば乳酸菌の生菌を含有するヨーグルトなどの発酵食品や飲料、健康食品などの形で摂取する方法が知られている。しかし、実際には、乳酸菌を外部から摂取した場合であっても、その多くは例えば胃酸及び消化酵素の作用によって死滅し、小腸まで届くものはわずかであると言われている。そこで、本発明者らは乳酸菌の生菌を摂取するよりも、乳酸菌を培養することによって得られる物質(乳酸菌生産物質)を摂取することに着目した。
特開2004−18469
上記の乳酸菌生産物質を摂取することで免疫力向上等の健康促進効果につなげるためには、まず、乳酸菌を効率よく培養して乳酸菌生産物質を大量に製造する方法を確立する必要がある。また、乳酸菌は数百種類が発見されているが、それぞれ性質が異なっており、得られる乳酸菌生産物質の効果にも大きな違いがある。そこで、本発明者らは、乳酸発酵に用いる乳酸菌の種類、組み合わせ、栄養源(培地)等を選択し、組み合わせてさまざまな研究を行った。
本発明は、より効率良く、高い健康増進効果を有する乳酸菌生産物質の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、ラクトバシラス(Lactobacillus)属に属する乳酸菌と、ラクトコッカス(Lactococcus)属に属する乳酸菌と、エンテロコッカス(Enterococcus)属に属する乳酸菌とを共棲培養する乳酸菌生産物質の製造方法であって、前記乳酸菌から選択した2、3または4種以上の乳酸菌を組み合わせて、その組み合わせに含まれる乳酸菌が異なる複数のグループを作り、そのグループごとに共棲培養する予備培養工程を含む乳酸菌生産物質の製造方法を提供する。
前記本発明は、ラクトバシラス(Lactobacillus)属に属する乳酸菌とラクトコッカス(Lactococcus)属に属する乳酸菌を含むグループを作り、ラクトコッカス(Lactococcus)属に属する乳酸菌とエンテロコッカス(Enterococcus)属に属する乳酸菌を含むグループを作り、エンテロコッカス(Enterococcus)属に属する乳酸菌とラクトバシラス(Lactobacillus)属に属する乳酸菌を含むグループを作り、それぞれのグループで共棲培養する予備培養工程を含むものとすることができる。
前記本発明は、前記ラクトバシラス属に属する乳酸菌として、L.アシドフィラス(Lactobacillus acidophilus)、L.ブレビス(Lactobacillus brevis)、L.カゼイ(Lactobacillus casei)、L.デルブリッキィ(Lactobacillus delbrueckii)、L.デルブリッキィ亜種ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus)、L.ガセリ(Lactobacillus gasseri)、L.ヘルベティカス(Lactobacillus helveticus)、L.パラカゼイ亜種パラカゼイ(Lactobacillus paracasei subsp. paracasei)、L.プランタラム(Lactobacillus plantarum)、L.ラモナウサス(Lactobacillus rhamnosus)、L.サリバリウス(Lactobacillus salivarius)の何れかを用い、前記ラクトコッカス属に属する乳酸菌として、L.ガルビアエ(Lactococcus garvieae)、L.ラクティス亜種ラクティス(Lactococcus lactis subsp. lactis)の何れかを用い、前記エンテロコッカス属に属する乳酸菌として、E.デュランス(Enterococcus durans)、E.フェカリス(Enterococcus faecalis)、E.フェシウム(Enterococcus faecium)の何れかを用いるものとすることができる。
前記本発明は、前記E.フェシウムと前記ラクトバシラス属に属する乳酸菌とを含むグループを作り共棲培養する予備培養工程を含むものとすることができる。
前記本発明は、前記E.デュランスと前記ラクトバシラス属に属する乳酸菌とを含むグループを作り共棲培養する予備培養工程を含むものとすることができる。
前記本発明は、前記E.フェシウムと前記E.デュランスとを含むグループを作り共棲培養する予備培養工程を含むものとすることができる。
前記本発明は、前記E.フェシウムと前記E.デュランスとを含むグループを作り、それとは別に前記E.フェシウムと前記E.デュランスとL.ガルビアエとを含むグループを作りそれぞれ共棲培養する予備培養工程を含むものとすることができる。
前記本発明は、前記E.フェシウムを含み他に含まれる乳酸菌がそれぞれ異なる複数のグループを作ってそれぞれ共棲培養する予備培養工程を含むものとすることができる。
前記本発明は、前記予備培養工程を、前記E.フェシウムと前記E.デュランスと前記L.ガルビアエとを含むグループは作らずに行うものとすることができる。
前記本発明は、豆乳を発酵させる工程を含むものとすることができる。
前記本発明は、氷温保存した大豆を原料として用いるものとすることができる。
前記本発明は、用いる乳酸菌を全て含めた共棲培養を行う本培養工程を前記予備培養後に行うものとすることができる。
前記本発明は、前記本培養工程で得られた培養液を粉砕処理する粉砕処理工程を含むものとすることができる。
前記本発明は、前記本培養工程で得られた培養液をろ過するろ過工程を含むものとすることができる。
本発明は、前記ろ過工程によって得られるろ過液を有効成分として含有する乳酸菌生産物質を提供する
前記本発明は、前記ろ過液が、前記大豆成分と、前記乳酸菌の菌体成分とを含有するものとすることができる。
前記本発明は、前記ろ過液が、前記乳酸菌の死菌に由来する菌体成分を含むものとすることができる。
前記本発明は、前記ろ過液が、前記乳酸菌の生菌を含まないものとすることができる。
本発明によれば、効率の良い乳酸菌生産物質の製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、免疫力の向上などの健康増進効果が高い乳酸菌生産物質を提供することができる。
耳介の肥厚の経時変化を示すグラフである。 耳介のIL−13 mRNAの発現量を示すグラフである。 耳介のペリオスチン mRNAの発現量を示すグラフである。 耳介のTSLP mRNAの発現量を示すグラフである。 脾臓のIL−4 mRNAの発現量を示すグラフである。 血中IgE量を示すグラフである。 血中IgA量を示すグラフである。
本発明の乳酸菌生産物質の製造方法と、これによって得られる乳酸菌生産物質について、以下に詳細に説明する。
乳酸菌生産物質を製造する方法は、複数の乳酸菌を共棲培養する工程を含むものである。用いる乳酸菌としては、ラクトバシラス(Lactobacillus)属に属する乳酸菌と、ラクトコッカス(Lactococcus)属に属する乳酸菌と、エンテロコッカス(Enterococcus)属に属する乳酸菌である。
上記乳酸菌としては、以下の乳酸菌を好適に例示することができる。
まずラクトバシラス属に属する菌としては、例えばL.アシドフィラス(Lactobacillus acidophilus)、L.ブレビス(Lactobacillus brevis)、L.カゼイ(Lactobacillus casei)、L.デルブリッキィ(Lactobacillus delbrueckii)、L.デルブリッキィ亜種ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus)、L.ガセリ(Lactobacillus gasseri)、L.ヘルベティカス(Lactobacillus helveticus)、L.パラカゼイ亜種パラカゼイ(Lactobacillus paracasei subsp. paracasei)、L.プランタラム(Lactobacillus plantarum)、L.ラモナウサス(Lactobacillus rhamnosus)、L.サリバリウス(Lactobacillus salivarius)を挙げることができる。
また、ラクトコッカス属に属する菌としては、例えばL.ガルビアエ(Lactococcus garvieae)、L.ラクティス亜種ラクティス(Lactococcus lactis subsp. lactis)を挙げることができる。
さらにエンテロコッカス属に属する菌としては、例えばE.デュランス(Enterococcus durans)、E.フェカリス(Enterococcus faecalis)、E.フェシウム(Enterococcus faecium)を挙げることができる。
これらラクトバシラス属、ラクトコッカス属、エンテロコッカス属の各属から1種以上の乳酸菌を選択して用いる。同一種の乳酸菌でも株が異なるものを含んでいても良い。
これらの乳酸菌について、好気条件下において以下の1次培養〜4次培養を行う。
1次培養は、それぞれの乳酸菌を単独で培養する培養工程である。例えば乳酸菌を不活化させて保存している場合には、この1次培養によって活性化することができる。また、2次培養で使用するために必要な菌数になるまで増殖するものである。
2次培養は、前記乳酸菌から2、3または4種以上選択して組み合わせたグループを複数作り、それぞれのグループで乳酸菌を共棲培養する培養工程である。これらの各グループに含まれる乳酸菌の組み合わせは、各乳酸菌を様々に組み合わせて共棲培養を行い、継代培養しても各乳酸菌の割合が一定に保たれ、生存競争によりいずれかが淘汰されるといった事態の生じないものの中から見出すことができる。また、このグループを複数作る際には、同一種の乳酸菌が複数のグループに含まれても良い。
したがって、こうしたグループ分けにより、単独では増殖しにくく他の乳酸菌との混合で増殖しやすくなる乳酸菌の培養に好適である。
また、グループ分けすれば、グループごとに適した原料培地、培養温度、培養時間、雰囲気条件等の培養環境下で培養することが可能となる。さらに、後述する3次培養を行う前に各乳酸菌を他の乳酸菌と培養する条件に慣らし、3次培養への移行をスムーズに行うことができる。
こうした2次培養までの工程が予備培養工程である。
より具体的な2次培養で行うグループ分けとして、以下のAグループ〜Iグループの組み合わせを例として挙げることができる。下記グループは、発明者らが腸内環境における、複数種の乳酸菌が各細菌叢を形成し共棲した状態を再現するために組み合わせたものである。
この乳酸菌の組み合わせは、効率的に各乳酸菌を培養し、乳酸菌生産物質を得ることができるものである。しかし、継代培養しても各乳酸菌の割合が一定に保たれる組み合わせであれば、これらの組み合わせに限定されるものではない。
まず、L.アシドフィラスを単独でAグループとする。
またL.カゼイと、L.ラクティス亜種ラクティスの2種をBグループとし、L.デルブリッキィ亜種ブルガリクスと、L.パラカゼイ亜種パラカゼイの2種をCグループとし、E.デュランスと、E.フェシウムの2種をDグループとする。
さらに、L.ブレビスと、L.プランタラムと、E.フェシウムの3種をEグループとし、L.デルブリッキィと、L.ヘルベティカスと、E.フェカリスの3種をFグループとし、L.ガセリと、L.ラモナウサスと、E.フェシウムの3種をGグループとし、L.ガセリと、L.サリバリウスと、E.デュランスの3種をHグループとし、L.ガルビアエと、E.デュランスと、E.フェシウムの3種をIグループとする。
これらの各組合せは以下の〔表1〕にまとめた。なお、表中のAはAグループを示し、B〜Iについても同様にBグループ〜Iグループを示すものとする。
なお、グループAは、L.アシドフィラスを単独で培養するものであり共棲培養ではないが、後述する3次培養以降でL.アシドフィラスの混合を忘れないために、一つのグループとしておくものである。
Figure 0005918290
上記のIグループは、DグループにL.ガルビアエを加えた組み合わせである。このL.ガルビアエは豆乳培地の含有成分である大豆イソフラボンを分解し、高い健康増進効果を有するエクオールを産生することが知られている。そこで特にL.ガルビアエと共棲培養しやすいE.デュランス、E.フェシウム(Dグループの組み合わせ)にL.ガルビアエを追加することで、前記のエクオール含有量の多い乳酸菌生産物質を得やすいIグループを設けた。
上記グループ分けによれば、全グループとも同一の培地を用い、全グループを32℃〜36℃で12時間〜48時間培養するという、同一の培養器で同条件で一度に培養できる組み合わせである。
また、上記グループ分けによれば、各グループから得られる乳酸菌数をほぼ同数とすることができる。したがって、後の3次培養で増殖させにくい菌株や含有量を多くしたい菌株は複数のグループに含ませておくことができる。また、各グループの等量を混合することで後の培養工程に移ることができるため、混合工程が容易で工程間の移行をスムーズに行うことができる。
2次培養では、各グループごとに培養した培養液の中からいくつかの培養液を混合してさらに培養する工程を設けることもできる。即ち、適宜グループの細分化も可能である。
上記グループ分けを用いて説明すれば、例えば、A〜Iグループを別個に作製してそれぞれのグループを培養する方法に代えて、あらかじめDグループを作って培養し、その一部を取り出してL.ガルビアエを加えてIグループとすることができる。あるいは、後述する3次培養の前にGグループとIグループを混ぜたグループを作成し培養することでE.フェシウムの含有量を減らすことができる。
3次培養は、2次培養で分けたグループごとに得られた培養液を混合し、全ての乳酸菌を同時に一つの培養器で培養する培養工程である。この3次培養は、前記選択した全ての乳酸菌を共棲培養するものであって、各種乳酸菌を環境に慣れさせて、後工程である4次培養でより効率よく培養するための中間培養段階である。
3次培養では、2次培養での各グループで培養した培養液を所定の割合、混合量で混合し、所定の培地のもとで培養を行う。
本来、2次培養で得られた乳酸菌を4次培養で用いる大量の培地に直接添加すると、乳酸菌液が薄まってしまい、培養の効率が悪くなる場合がある。そこで予備的培養として3次培養を行い、菌数を増やすことでスムーズに4次培養に移行することができる。
またこの場合、各グループの混合割合、混合量は、3次培養に必要な各乳酸菌の菌体数から導く等して適宜求めることができる。しかしながら作業の便宜のため、各グループの等量を混合することが好ましい。
3次培養工程では各乳酸菌を他の乳酸菌と混合した環境に慣れさせるため、30℃〜36℃の比較的低温で12時間〜72時間培養する。
また、培地となる原料には、乳酸菌で発酵させ得る種々の原料を用いることができるが、豆乳を用いることが好ましい。こうすることで、乳酸菌を培養することで得られる乳酸菌生産物質に、生体にとって好ましい植物性の栄養成分である大豆由来成分を含有させることができる。したがって、栄養価が高く健康増進効果を得られやすい乳酸菌生産物質を得ることができる。
また、こうした豆乳も所定の大豆から得られた豆乳であることが好ましい。例えば、好ましい大豆として氷温保存を施した大豆が挙げられる。氷温保存とは、大豆が凍結せずに不凍液が漏出する低温で静置保存する処理である。温度としては、−3℃〜−1℃が好ましく、保存期間としては2日〜3日が好ましい。この氷温保存については様々な効果が知られている。例えば食パンであれば遊離アミノ酸量を従来品よりも約2倍に増加させることができ、納豆であればグルタミン酸などのアミノ酸含有量を従来品よりも増加させることができるといった報告もある。大豆については、氷温保存することで有害微生物の減少及び生物の呼吸代謝を抑制させ、長時間にわたって大豆の鮮度を保つことができるため、豆乳培地の品質を保持することができるといった利点がある。したがって、上記のような種々の効果を得るため本発明では氷温保存した大豆を用いた豆乳を使用することが好ましい。
豆乳の調製には、氷温保存した大豆を用いる場合は、その氷温庫から出した大豆を、氷温より高いが常温より低い5℃〜15℃で6時間〜24時間静置した後、常温に戻した大豆を用いることができる。
培地には豆乳の他、必要に応じて種々の原料を加えることができる。例えば、ブドウ糖やグルコースなどの糖類、酵母エキス、脱脂乳等が挙げられる。
4次培養は、3次培養で得た培養液をさらに培養する本培養工程である。
4次培養としては、以下の3ステップを有していることが好ましい。まずステップ1は、32℃〜37℃において、25時間〜30時間培養する段階である。
ステップ1は、3次培養と同様に比較的低温で各乳酸菌を慣らすステップである。この4次培養でも3次培養と同様の工程を設けたのは、培地を3次培養とは変えることができ、その場合に各乳酸菌が環境に慣れない場合が生じるからである。
その後ステップ2として、38℃〜43℃において、46時間〜51時間培養する。
このステップ2は、本格的に乳酸菌を増殖し、乳酸菌発酵を進めるステップである。したがって、培養に最も好ましい温度を設定し、最も乳酸菌が増える時間を設定する。
最後にステップ3として、63℃〜67℃において、16時間〜21時間培養する。このステップ3は、熱処理により殺菌することで乳酸菌の培養を止める工程である。こうした4次培養を行って得た培養液が乳酸菌生産物質となる。
4次培養を経て得られた乳酸菌培養液は、例えばホモジナイザーによって粉砕処理(ホモジナイズ処理)することが好ましい。この処理により、乳酸菌を粉砕して死菌とし、より確実に培養を停止させることができる。また、前記4次培養におけるステップ3の結果、培養液中のタンパク質が熱変性し、部分的に固形化する場合がある。そこで、このホモジナイズ処理を行うことで均一な懸濁液とすることができる。得られた均一な懸濁液である乳酸菌生産物質は、生菌を含まず、変性の起こりにくい品質の安定した乳酸菌生産物質である。
その後、さらにこの懸濁液をろ過する工程を含めることができる。具体的には、前記ホモジナイズ処理を行った後の乳酸菌培養液をろ過布袋に入れて、重石を載せた状態で数日間(3日間から4日間)掛けてろ過する工程が挙げられる。これにより、上記の乳酸菌培養液はろ過液と醗酵残渣とに分離される。
ろ過液としての乳酸菌生産物質は、固形分を含まない透明な液体として得られることから見た目に優れ、これを摂取する者に不純物が含まれていないという安心感を与えることができる。一方、発酵残渣としての乳酸菌生産物質にはろ過液の乳酸菌生産物質及び大豆成分が含有されており、外用・服用の健康食品等として使用できる。
ろ過液は更に次の工程へ導くことができる。即ち、小さな貫通孔が設けられているフィルターを用いてろ過を行うフィルターろ過処理工程である。このフィルターろ過処理工程は、十分に粉砕されなかった乳酸菌成分を除去する工程であり、生菌が残っていれば完全に取り除く工程である。その際、前記の貫通孔の大きさは乳酸菌を除去する程度の大きさとするが、より具体的には0.2μm〜0.3μm程度のフィルターを用いることができる。0.2μm〜0.3μmとすれば、ろ過液からほとんどの乳酸菌を除去することができるからであり、0.2μmより小さいとろ過効率が悪くなり、0.3μmを超えると乳酸菌が分離できないからである。このフィルターろ過処理は、複数回繰り返して行うことで、より確実にろ過液から乳酸菌を除去することができる。
こうして得られる最終ろ過液が乳酸菌生産物質の中でも最高品質の最高級品であり、発明者が安心して提供することができる高品位乳酸菌生産物質または純乳酸菌生産物質とも呼べるものである。
実験例
1.乳酸菌生産物質の生成
〔1次培養〕
本発明に係る乳酸菌生産物質を生成するため、まず、ラクトバシラス属と、ラクトコッカス属と、エンテロコッカス属とに属する乳酸菌を培養した
具体的には、ラクトバシラス属の乳酸菌としてはL.アシドフィラス、L.ブレビス、L.カゼイ、L.デルブリッキィ、L.デルブリッキィ亜種ブルガリクス、L.ガセリ、L.ヘルベティカス、L.パラカゼイ亜種パラカゼイ、L.プランタラム、L.ラモナウサス、L.サリバリウスの11種類の乳酸菌を用いた。
また、ラクトコッカス属に属する乳酸菌としては、L.ガルビアエ、L.ラクティス亜種ラクティスの2種類の乳酸菌を用いた。
さらにエンテロコッカス属に属する乳酸菌としては、E.デュランス、E.フェカリス、E.フェシウムの3種類の乳酸菌を用いた。これらの各乳酸菌は、常法により得た各種乳酸菌を−80℃で保存しておいたものである。
上記16種類の各乳酸菌は1次培養として、MRS培地に個別に植菌し、好気環境下において34℃で単独培養し、OD660nm=約1.3とした。
〔2次培養〕
続いて、2次培養として上記16種類の乳酸菌を、1種または複数種の乳酸菌群からなる9つのグループを作った。そして、前記1種の乳酸菌でなるグループは乳酸菌を1種のみ単独で培養し、前記複数の乳酸菌群でなるグループではそれら複数の乳酸菌を共棲培養した。
2次培養における各グループに含まれる乳酸菌の組み合わせを示す。
まず、L.アシドフィラスをAグループとした。
またL.カゼイと、L.ラクティス亜種ラクティスの2種をBグループとし、L.デルブリッキィ亜種ブルガリクスと、L.パラカゼイ亜種パラカゼイの2種をCグループとし、E.デュランスと、E.フェシウムの2種をDグループとした。
さらに、L.ブレビスと、L.プランタラムと、E.フェシウムの3種をEグループとし、L.デルブリッキィと、L.ヘルベティカスと、E.フェカリスの3種をFグループとし、L.ガセリと、L.ラモナウサスと、E.フェシウムの3種をGグループとし、L.ガセリと、L.サリバリウスと、E.デュランスの3種をHグループとし、L.ガルビアエと、E.デュランスと、E.フェシウムの3種をIグループとした。
これらの各組合せは以下の〔表2〕にまとめた。なお、表中のAはAグループを示し、B〜Iについても同様にBグループ〜Iグループを示すものとする。
Figure 0005918290
この2次培養は、前記1次培養液を後述する豆乳培地に加えて混合した後、好気環境下において32℃〜36℃で約1日培養した。これにより得られた培養液を「2次培養液」とする。
ここで、2次培養で使用した豆乳培地の製造方法について説明する。
−3℃〜−1℃で2〜3日間静置保存して氷温保存した大豆を冷蔵庫にしばらく静置して常温に戻したものを使用して豆乳を調製した。こうして得られた豆乳は、121℃で15分間、高圧蒸気滅菌に供することで「培地用豆乳」とした。
そして、この培地用豆乳100mlを水で2倍に希釈し、脱脂粉乳、グルコース、酵母エキスを混合して、溶解させた後、115℃で15分間高圧蒸気滅菌を行うことで、「2次培養用の豆乳培地」を得た。
前記各2次培養液を希釈後、MRS寒天プレート(φ90mm)に播種した。34℃で24時間培養後に形成されたコロニー数から、前記Aグループ〜Iグループの各2次培養液に含まれる乳酸菌数は平均で2.6×10cfu/mlであった。
〔3次培養〕
前記16種類の乳酸菌を全て混合し、共棲培養を行った。具体的には、前記Aグループ〜Iグループの各2次培養液を等量ずつ混合した。この混合液を下記の「3次培養用の豆乳培地」に添加して、好気環境下において32℃〜36℃で1日培養し、「3次培養液」とした。この3次培養液は、MRS寒天プレートに播種し、34℃で24時間培養後に形成されたコロニー数から、3次培養原液に含まれる乳酸菌数は約2.6×10cfu/mlであった。
なお、前記3次培養用の豆乳培地は、前記培地用豆乳100mlにその1/4量の水を加えて希釈し、脱脂粉乳、グルコース、酵母エキスを混合し、溶解させた後、115℃で15分間、高圧蒸気滅菌を行うことで得たものである。
〔4次培養〕
引き続き4次培養を行った。具体的には、3次培養液を下記「4次培養用の豆乳培地」に添加し、好気環境下で培養を行った。この4次培養は、32℃〜37℃において、25時間〜30時間培養するステップ1と、38℃〜43℃において、46時間〜51時間培養するステップ2と、63℃〜67℃において、16時間〜21時間培養するステップ3との3段階で構成される。まずステップ1は、3次培養と同様に比較的低温で各乳酸菌を慣らすステップである。この4次培養でも3次培養と同様の工程を設けたのは、培地を3次培養とは変えることができ、その場合に各乳酸菌が環境に慣れない場合が生じるからである。その後のステップ2では、本格的に乳酸菌を増殖して乳酸菌発酵を進めることができる。最後にステップ3によって、タンパク質が変性することを防ぎながら乳酸菌の培養を止めることができる。また、前記ステップ1を開始して約24時間後には、例えばスパチュラ等の棒状の器具を3次培養液の底部まで挿し入れ混和した。こうすることで、3次培養液の表面から離れた位置にあって空気に触れにくい乳酸菌を好気環境下においた。この操作によって、乳酸菌をより効率良く培養することができる。これらの操作の結果、「4次培養液」を得た。
ステップ1とステップ2の培養液を段階希釈して、MRS寒天プレート(φ90mm)に播種した。34℃で24時間培養後に形成されたコロニー数から、ステップ1で約1.5×10cfu/ml、ステップ2では約2.1×10cfu/mlであった。なお、ステップ3は、高温で処理することによる菌の不活性化工程であるため、生菌数の測定を行わなかった。
また、前記4次培養用の豆乳培地は、前記培地用豆乳を約1/4の量の水で希釈し、脱脂粉乳、グルコース、酵母エキスを混合し、溶解させた後、115℃で15分間、高圧蒸気滅菌を行うことで得たものである。
〔ホモジナイズ〕
4次培養液をホモジナイザーを用いて6,000rpmで15分間粉砕処理(ホモジナイズ処理)し、「4次培養懸濁液」を得た。この作業により、乳酸菌を粉砕し、培養を完全に停止させることができる。また、前記ステップ3の高温処理により熱変性が生じ、得られた培養液が部分的に固形化してくるが、このホモジナイズによって培養液を均一な懸濁液にすることができる。
〔ろ過〕
4次培養懸濁液の全量をろ過布袋に入れ、袋の口を封じた。これに重石(6kg)を載せて約3日間ろ過し、ろ過液と発酵残差とを得た。
0.3μmフィルターを用いて前記ろ過液をさらに2回フィルターろ過することで、最終ろ過液として「乳酸菌生産物質」を得た。この乳酸菌生産物質中には乳酸菌の死菌由来の菌体成分、乳酸菌による生成物、培地の原料である大豆や豆乳に由来する液状成分が含まれている。
2.試料の作製
2−1.実験動物の準備
本発明に係る乳酸菌生産物質の摂取による免疫力向上効果を検証するために、アレルギー性皮膚炎を誘導したモデルマウスを作製した。
具体的には、4週齢のBALB/c 雄性マウスを用意し、各マウスの両耳介にアセトン溶解ジニトロフルオロベンゼン(以下、DNFB:SIGMA−ALDRICH社製)を週2回(3日または4日に1回の頻度)、計16回塗布した。こうすることで、接触性皮膚炎の症状を示すアレルギー性皮膚炎を誘導することができる。
飼育期間中、マウスは人工照明による明暗環境下(明期8:00〜20:00、暗期20:00〜8:00)、一定温度(22℃±2℃)、湿度未調節の動物実験室内で飼育し、水及び飼料を自由摂取させた。通常飼料(CE−2:日本クレア社製)及び、この通常飼料に本発明の乳酸菌生産物質を含有させた飼料を与えた。
2−2.乳酸菌生産物質を含有する飼料の調製方法
上記通常飼料に粉末状の本発明に係る乳酸菌生産物質を質量比3%となるように混合し、3%乳酸菌生産物質含有飼料とした。また、これと同様に上記通常飼料に粉末状の本発明に係る乳酸菌生産物質を質量比5%となるように混合し、5%乳酸菌生産物質含有飼料とした。
2−3.アレルギー性皮膚炎モデル動物への乳酸菌生産物質の投与
実験に供する動物として、DNFB塗布開始20日目から52日目まで上記で得られた乳酸菌生産物質を3%含有する飼料を与えた治療群3%と、同様に乳酸菌生産物質を5%含有する飼料を与えた治療群5%と、DNFB塗布を開始する14日前から塗布52日目まで上記乳酸菌生産物質を3%含有する飼料を与えた予防群3%と、同様に本発明の乳酸菌生産物質を5%含有する飼料を与えた予防群5%と、DNFBの塗布は行ったものの通常飼料のみを与えた対照群と、及びDNFB塗布を行わず通常飼料のみを与えたDNFB(−)群との計5つの群を用意した(n=5)。
本実験で使用した全マウスの平均体重は27.3gであり、平均摂取食餌量は4.2g/day程度であった。したがって前記治療群3%、予防群3%は1日に0.126g程度の乳酸菌生産物質を摂取したものと考えられる。これに対し、前記治療群5%、予防群5%は1日に0.210g程度の乳酸菌生産物質を摂取したものと考えられる。
治療群3%、治療群5%、予防群3%、予防群5%、対照群の各群はDNFB塗布の開始から52日目に採血し、耳介、脾臓を回収した。またDNFB(−)群は他の群と同じ週齢で同様に採血し、耳介、脾臓を回収した。
各群をジエチルエーテルにより麻酔し、頸椎脱臼後、注射針を用いて心臓から採血を行った。採取した血液は4℃で一晩静置後、遠心(5℃、10,000rpm×10分)し、上清として血清を回収した。こうして得られた血清は解析時まで−20℃で保管した。
耳介及び脾臓は後述のRT−PCRで使用するためにRNA Stabilization Solution(製品名:RNA later Soln(登録商標)、Ambion社製)内で保存し、耳介は4℃で、脾臓は−80℃で、解析時まで保管した。
3.アレルギー性の炎症抑制効果の検証
本発明に係る乳酸菌生産物質の、アレルギー性の炎症抑制効果を測定するために、上記各群の耳介肥厚の経時変化、各種サイトカイン及び炎症性メディエーター mRNA発現量を測定した。
3−1.耳介肥厚の測定
上記の各マウスについて耳介肥厚をアレルギー症状の指標とし、DNFB塗布後の耳介肥厚の変化を測定することで、上記乳酸菌生産物質とアレルギー症状の関係を検証した。この測定は毎回のDNFB塗布から24時間後に行い、計16回行った。またDNFB(−)群についても、同時期に耳介肥厚の測定を行った。
DNFB感作によるアレルギー性皮膚炎への耳介肥厚の測定結果を図1に示す。対照群ではDNFB塗布開始から11日目以降に耳介の肥厚化が急速に進み、20日目にピーク値(0.575mm)を示した。しかしその後は微減しほぼ一定の厚み(0.55mm前後)を維持した。これに対して治療群3%及び治療群5%では、同じようにDNFB塗布開始から11日目以降に耳介の肥厚化が急速に進んだが、19日目に上記乳酸菌生産物質を添加した飼料の摂取を開始すると、間もなく厚みが減少し始めた。その結果、治療群3%では20日目にピーク値(0.532mm)を示し、治療群5%では20日目でピーク値(0.543mm)を示した。したがって、いずれも対照群のピーク値よりも耳介の肥厚化が抑制された。
また、予防群3%及び予防群5%では他の群と同様にDNFB塗布開始から11日目以降に肥厚化が急速に進み始めたが、その進行は対照群、治療群3%及び治療群5%と比較して緩やかであり、13日目以降ではさらに肥厚化が緩和された。また予防群3%、予防群5%のいずれにおいても27日目にピーク値を示したが、予防群3%では0.500mm、予防群5%では0.457mmと、他の群よりもピーク値が低かった。
以上の結果より、本発明に係る乳酸菌生産物質の摂取がアレルギー性皮膚炎部位における炎症の抑制に有効であることが示唆された。また同時に、感作以前から上記の乳酸菌生産物質を摂取し続けることで、より高い炎症抑制効果を得られることが示唆された。
3−2.耳介におけるサイトカイン及び炎症性メディエータータンパク質のmRNA発現量の測定
炎症性メディエータータンパク質として、現在、ペリオスチン、TSLPが注目されている。ペリオスチンは慢性皮膚炎部位において高発現するタンパク質である。アレルゲンが皮膚組織に浸入すると2型ヘルパーT細胞(以下、Th2細胞と略記する)が活性化され、活性化されたTh2細胞はIL−4やIL−13を産生する。IL−4やIL−13は線維芽細胞を刺激し、ペリオスチンの産生を促す。このペリオスチンは表皮細胞を刺激して、表皮細胞からTSLPなどの炎症性メディエーターが産生される。そして、TSLPは樹状細胞を刺激し再びTh2細胞が活性化することで上記のサイクルが繰り返され、慢性的にアレルギー性の皮膚炎が持続する原因となっている。従って、各群の耳介におけるペリオスチン及びTSLPのmRNA発現レベルの測定を行うことで、乳酸菌生産物質の慢性的なアレルギー性皮膚炎に対する影響を図ることができる。そこで、さらにアレルギー性皮膚炎への影響を図るべく、耳介におけるIL−13、ペリオスチン、TSLPのmRNA発現量を測定した。
3−2−1.RNAの抽出
上述のように、回収したマウスの耳介からtotal RNAを調製した。
具体的には、まず上述のRNA Stabilization Solutionに保管されている耳介をセラミックビーズ(1.4mm:エムエス機器株式会社製)及びTRIZOL(登録商標) Reagent(invitrogen社製)入り容器内に移した。そして、これに遠心分離処理(6.300rpm、23秒)を6回行うことで組織を破砕した。
こうして得られた耳介について、TORIZOL付属のプロトコールに従ってtotal RNAを抽出し、−20℃で保存した。
3−2−2.RT−PCRのためのcDNAの調製
上記で得られたtotal RNAからRever Tra Ace qPCR RT kit(TOYOBO社製)を用いてcDNAを調製した。
具体的には、まず上記で得られたtotal RNAの吸光度を測定し、total RNA濃度が1μg/μlとなるようにミリQ水で希釈した。上記キット付属のHO 6μlに対しこのtotal RNAを1μl加え、65℃で5分間インキュベートした後、氷上に静置した。これに上記キット付属の5×Buffer 2μl、RT Enzyme Mix 0.5μl及びPrimer Mix 0.5μlからなるMix溶液を3μl添加した後、37℃で15分間、さらに98℃で5分間インキュベートし、その後、氷上に静置して反応を停止させた。こうして得られた濃度10ng/μlのcDNA10μlに対し、ミリQ水90μlを添加して全量が100μlのcDNA溶液とし、−20℃で保存した。
3−2−3.定量的RT−PCR
上記cDNAをRT−PCR法により増幅した。
具体的には、上記で得られたcDNA溶液を384穴プレートの各ウェルに2μlずつ滴下し、さらにミリQ水 6.4μl、2×SYBR GREEN(製品名:THUNDERBIRD SYBR(登録商標) qPCR Mix (TOYOBO社製) 10μl、10μM フォワードプライマー 0.6μl、10μM リバースプライマー 0.6μl及び50倍希釈したROX(TOYOBO社製) 0.4μlとからなるMaster Mix 溶液を18μl添加し、最終液量を20μlとした。使用したフォワードプライマー、リバースプライマーの塩基配列はそれぞれ以下のとおりであった。各試料について95℃で60秒間の熱変性を行い、その後95℃で15秒間のアニーリングと60℃で60秒間の伸長を40サイクル繰り返した。
こうして得られたcDNAに基づき、耳介における各種サイトカイン及び炎症性メディエーターmRNAの発現量を測定した。
・使用したプライマーの塩基配列
(IL−13)
F:5´―AGACCAGACTCCCCTGTGCA―3´
R:5´―TGGGTCCTGTAGATGGCATTG―3´
(ぺリオスチン)
F:5´―GAACGAATCATTACAGGTCC―3´
R:5´―GGAGACCTCTTTTTGCAAGA―3´
(TSLP)
F:5´―CTGAGAGAAATGACGGTACTCAGG―3´
R:5´―GGAGATTGCATGAAGGAATACCAC―3´
3−3.IL−13のmRNA発現抑制作用
炎症性サイトカインであるIL−13の耳介におけるmRNA発現量を図2に示す。対照群におけるIL−13 mRNAの発現量1に対し治療群3%では0.167、治療群5%では0.250、予防群3%では0.078、予防群5%では0.101であった。よって乳酸菌生産物質を摂取しなかった対照群と比較してIL−13 mRNAの発現はいずれも劇的に抑制されたことが分かった。
3−3−1.ペリオスチン及びTSLPのmRNA発現抑制作用
各群のアレルギー性皮膚炎(耳介)におけるペリオスチンmRNAの発現量を図3に、TSLP mRNAの発現量を図4に示す。対照群におけるペリオスチンmRNAの発現量を1とすると、治療群3%では0.901、治療群5%では0.120、予防群3%では0.472、予防群5%では0.355であった。また、TSLPmRNA発現量については、対照群1に対して、治療群3%では0.941、治療群5%では0.614、予防群3%では0.506、予防群5%では0.457であった。
したがって、本発明の乳酸菌生産物質を摂取しなかった対照群と比較してペリオスチン、TSLPのいずれにおいてもmRNAの発現が抑制されることが分かった。
上記で得られた結果より、本発明に係る乳酸菌生産物質はアレルギー性皮膚炎部位におけるIL−13、ペリオスチン及びTSLPなどのサイトカイン及び炎症性メディエーターの産生を抑制する、アレルギー性炎症の抑制効果を有することが示唆された。
4.全身性アレルギー反応抑制効果の検証
上記の結果により、本発明に係る乳酸菌生産物質はアレルギー性皮膚炎部位における炎症抑制効果を有することが見出された。これに対し、乳酸菌生産物質の全身性アレルギー反応に対する効果を測定するために、炎症性サイトカインであるIL−4、血中IgE及び血中IgAの発現量の測定を行った。
4−1.脾臓IL−4 mRNA発現量
脾臓はマウスから採取後、破砕してからTRIZOLに保存した。また、前述の方法でtotal RNAの抽出、cDNAの調製及びRT−PCRを行った。また、RT−PCRで使用したフォワードプライマー、リバースプライマーの塩基配列はそれぞれ以下のとおりであった。
(IL−4)
F:5´―TCTCGAATGTACCAGGAGCCATATC―3´
R:5´―AGCACCTTGGAAGCCCTACAGA―3´
DNFB(−)群における脾臓IL−4 mRNA発現量を1とし、これに対する他の群でのmRNA発現量の相対値を図5で示す。DNFB(−)群で1であったのに対し対照群が5.757であり、DNFB感作によるアレルギー性皮膚炎の炎症部位以外においてもIL−4の産生が促進されていることが分かった。また、これに対し、治療群3%では2.438、治療群5%では2.310、予防群3%では3.110、予防群5%では2.164であり、いずれの群においてもmRNA発現の劇的な低下が見られた。
4−2.ELISA法による血中IgE及び血中IgAの定量
ELISA法により血中IgE及び血中IgAの定量を行った。
ELISAキットとしては、血中IgEの定量にはレビス IgE−ELISA キット(マウス) AKRIE−10(株式会社シバヤギ)を用い、血中IgAの定量にはMouse IgA Ready−SET−Go! ELISA 88−50450(eBioscience)を用い、それぞれのキットに付属のプロトコールに従って測定を行った。
4−2−1.血中IgE濃度の定量結果
ELISA法による血中IgE量の測定結果を図6で示す。血中IgE濃度はDNFB(−)群が1.18(μg/ml)であったのに対し、対照群が12.23(μg/ml)であり、DNFB感作によって血中IgE濃度が有意に上昇することが確認された。その一方で、治療群3%では10.82(μg/ml)、治療群5%では8.60(μg/ml)、予防群3%では8.81(μg/ml)、予防群5%では10.00(μg/ml)であり、対照群に対していずれにおいても低下していた。
4−2−2.血中IgA濃度の定量結果
ELISA法による血中IgA濃度の測定結果を図7に示す。血中IgA濃度はDNFB(−)群が50.13(μg/ml)であったのに対し、対照群が29.69(μg/ml)であり、血中IgEとは反対にDNFB感作によって血中IgA濃度が有意に低下することが確認された。その一方で、治療群3%では36.80(μg/ml)、治療群5%では43.01(μg/ml)、予防群3%では48.03(μg/ml)、予防群5%では49.63(μg/ml)であり、いずれにおいても有意に増加した。
4−3.全身性アレルギー反応抑制効果の検証結果
以上の結果より、脾臓におけるIL−4の発現が抑制されたことでIgMからIgEへのクラススイッチが抑制され、反対にIgAへのクラススイッチが促進されたことにより、血中IgE濃度が低下したことが示唆された。
通常、過剰なIgE産生に伴いアレルギー症状が生じるものであるが、乳酸菌生産物質を摂取することで、全身レベルにおいてもアレルギー症状抑制効果を発揮することが示された。
5.統計学的処理及び検定法
図1〜図7で示す各グラフにおいて、測定値は全て平均値±標準偏差で示している。統計学的検定法としてt検定を用い、対照群との間で両側検定を行った。各グラフにおいて、p<0.05の場合を有意差ありと判定し、p<0.05を*で示し、p<0.01を**で示した。

Claims (18)

  1. ラクトバシラス(Lactobacillus)属に属する乳酸菌と、ラクトコッカス(Lactococcus)属に属する乳酸菌と、エンテロコッカス(Enterococcus)属に属する乳酸菌から選択した2、3または4種以上の乳酸菌を組み合わせて、その組み合わせに含まれる乳酸菌が異なる複数のグループを作り、そのグループごとに共棲培養する予備培養工程を含む乳酸菌生産物質の製造方法であって、
    前記ラクトバシラス属に属する乳酸菌として、L.アシドフィラス(Lactobacillus acidophilus)、L.ブレビス(Lactobacillus brevis)、L.カゼイ(Lactobacillus casei)、L.デルブリッキィ(Lactobacillus delbrueckii)、L.デルブリッキィ亜種ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus)、L.ガセリ(Lactobacillus gasseri)、L.ヘルベティカス(Lactobacillus helveticus)、L.パラカゼイ亜種パラカゼイ(Lactobacillus paracasei subsp. paracasei)、L.プランタラム(Lactobacillus plantarum)、L.ラモナウサス(Lactobacillus rhamnosus)、L.サリバリウス(Lactobacillus salivarius)の何れかを用い、前記ラクトコッカス属に属する乳酸菌として、L.ガルビアエ(Lactococcus garvieae)、L.ラクティス亜種ラクティス(Lactococcus lactis subsp. lactis)の何れかを用い、前記エンテロコッカス属に属する乳酸菌として、E.デュランス(Enterococcus durans)、E.フェカリス(Enterococcus faecalis)、E.フェシウム(Enterococcus faecium)の何れかを用い、
    前記L.アシドフィラスを単独でAグループとし、前記L.カゼイと前記L.ラクティス亜種ラクティスの2種をBグループとし、前記L.デルブリッキィ亜種ブルガリクスと前記L.パラカゼイ亜種パラカゼイの2種をCグループとし、前記E.デュランスと前記E.フェシウムの2種をDグループとし、前記L.ブレビスと前記L.プランタラムと前記E.フェシウムの3種をEグループとし、前記L.デルブリッキィと前記L.ヘルベティカスと前記E.フェカリスの3種をFグループとし、前記L.ガセリと前記L.ラモナウサスと前記E.フェシウムの3種をGグループとし、前記L.ガセリと前記L.サリバリウスと前記E.デュランスの3種をHグループとし、前記L.ガルビアエと前記E.デュランスと前記E.フェシウムの3種をIグループとして、そのグループごとに共棲培養する予備培養工程と、
    前記予備培養工程後に、用いる乳酸菌を全て含めた共棲培養工程と、を行う乳酸菌生産物質の製造方法。
  2. 前記E.デュランスと前記E.フェシウムとを含むグループを作り、これに前記L.ガルビアエを加えてグループを作る請求項1記載の乳酸菌生産物質の製造方法。
  3. 前記予備培養工程が、上記AグループからIグループまでの全てのグループを同一の培地を用いて培養する請求項1または請求項2記載の乳酸菌生産物質の製造方法。
  4. 前記予備培養工程が、上記AグループからIグループまでの全てのグループを32℃〜36℃で12時間〜48時間培養する請求項1〜請求項3何れか1項記載の乳酸菌生産物質の製造方法。
  5. 前記用いる乳酸菌を全て含めた共棲培養工程として、30℃〜36℃で12時間〜72時間培養する3次培養工程を含む請求項1〜請求項4何れか1項記載の乳酸菌生産物質の製造方法。
  6. 前記用いる乳酸菌を全て含めた共棲培養工程として、38℃〜43℃で46時間〜51時間培養する4次培養工程を含む請求項1〜請求項5何れか1項記載の乳酸菌生産物質の製造方法。
  7. 前記グループごとに共棲培養する予備培養工程における培地に豆乳培地を用いる請求項1〜請求項6何れか1項記載の乳酸菌生産物質の製造方法。
  8. 氷温保存した大豆を前記豆乳培地の原料として用いる請求項7記載の乳酸菌生産物質の製造方法。
  9. 前記大豆は、氷温庫から出した後、氷温より高いが常温より低い5℃〜15℃で6時間〜24時間静置したものである請求項8記載の乳酸菌生産物質の製造方法。
  10. 前記用いる乳酸菌を全て含めた共棲培養工程で得られた培養液を粉砕処理する粉砕処理工程を含む請求項1〜請求項9何れか1項記載の乳酸菌生産物質の製造方法。
  11. 記培養工程で得られた培養液をろ過するろ過工程を含む請求項1〜請求項10何れか1項記載の乳酸菌生産物質の製造方法。
  12. 請求項11記載のろ過工程によって得られるろ過液を有効成分として含有する乳酸菌生産物質。
  13. 前記ろ過液が、前記大豆成分と、前記乳酸菌の菌体成分とを含有する請求項12記載の乳酸菌生産物質。
  14. 前記ろ過液が、前記乳酸菌の死菌に由来する菌体成分を含む請求項12または請求項13記載の乳酸菌生産物質。
  15. 前記ろ過液が、前記乳酸菌の生菌を含まない請求項12〜請求項14何れか1項記載の乳酸菌生産物質。
  16. 請求項11記載のろ過工程によって得られる発酵残渣を有効成分として含有する乳酸菌生産物質。
  17. 請求項12〜請求項16何れか1項記載の乳酸菌生産物質を主成分とするアレルギー性皮膚炎抑制剤。
  18. 請求項12〜請求項16何れか1項記載の乳酸菌生産物質を主成分とする全身性アレルギー反応抑制剤。
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