JP2004067599A - 腟内洗浄剤 - Google Patents
腟内洗浄剤 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004067599A JP2004067599A JP2002230034A JP2002230034A JP2004067599A JP 2004067599 A JP2004067599 A JP 2004067599A JP 2002230034 A JP2002230034 A JP 2002230034A JP 2002230034 A JP2002230034 A JP 2002230034A JP 2004067599 A JP2004067599 A JP 2004067599A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- soymilk
- extract
- vagina
- lactic acid
- liquid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K36/00—Medicinal preparations of undetermined constitution containing material from algae, lichens, fungi or plants, or derivatives thereof, e.g. traditional herbal medicines
- A61K36/18—Magnoliophyta (angiosperms)
- A61K36/185—Magnoliopsida (dicotyledons)
- A61K36/48—Fabaceae or Leguminosae (Pea or Legume family); Caesalpiniaceae; Mimosaceae; Papilionaceae
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K35/00—Medicinal preparations containing materials or reaction products thereof with undetermined constitution
- A61K35/66—Microorganisms or materials therefrom
- A61K35/74—Bacteria
- A61K35/741—Probiotics
- A61K35/744—Lactic acid bacteria, e.g. enterococci, pediococci, lactococci, streptococci or leuconostocs
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K9/00—Medicinal preparations characterised by special physical form
- A61K9/0012—Galenical forms characterised by the site of application
- A61K9/0034—Urogenital system, e.g. vagina, uterus, cervix, penis, scrotum, urethra, bladder; Personal lubricants
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P15/00—Drugs for genital or sexual disorders; Contraceptives
- A61P15/02—Drugs for genital or sexual disorders; Contraceptives for disorders of the vagina
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P17/00—Drugs for dermatological disorders
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P31/00—Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
- A61P31/04—Antibacterial agents
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P31/00—Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
- A61P31/10—Antimycotics
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P33/00—Antiparasitic agents
- A61P33/02—Antiprotozoals, e.g. for leishmaniasis, trichomoniasis, toxoplasmosis
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- Pharmacology & Pharmacy (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Public Health (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- Natural Medicines & Medicinal Plants (AREA)
- Microbiology (AREA)
- Epidemiology (AREA)
- Mycology (AREA)
- Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Gynecology & Obstetrics (AREA)
- Reproductive Health (AREA)
- Medical Informatics (AREA)
- Urology & Nephrology (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- Oncology (AREA)
- Alternative & Traditional Medicine (AREA)
- Communicable Diseases (AREA)
- Botany (AREA)
- Biotechnology (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Tropical Medicine & Parasitology (AREA)
- Dermatology (AREA)
- Endocrinology (AREA)
- Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
- Medicinal Preparation (AREA)
- Medicines Containing Plant Substances (AREA)
- Devices For Medical Bathing And Washing (AREA)
Abstract
【課題】細菌性腟症、クラミジア頚管炎、トリコモナス腟炎、カンジダ腟炎などの腟感染症の罹患者が家庭内において、腟内の自浄作用を回復させ、腟内に細菌、真菌、原虫などが侵入することを防止し、進入したものを殺菌することのできる、取り扱いが容易で毒性が無く、効果の優れた腟内洗浄剤の提供。
【解決手段】複数の乳酸菌の共棲培養によって、豆乳を発酵させて得た豆乳醗酵液、または、該豆乳醗酵液をアルコール抽出、特に半年以上の期間を掛けて注出して得たエキスを腟内洗浄剤とする。
【選択図】 なし
【解決手段】複数の乳酸菌の共棲培養によって、豆乳を発酵させて得た豆乳醗酵液、または、該豆乳醗酵液をアルコール抽出、特に半年以上の期間を掛けて注出して得たエキスを腟内洗浄剤とする。
【選択図】 なし
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、細菌性腟症、クラミジア頚管炎、トリコモナス腟炎、カンジダ腟炎などの腟感染症に罹患した腟内を洗浄するための洗浄剤に関するもので、治療薬としても有効なもので、医療および医薬品技術に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
初潮を迎えた以降の健康な成人女性の腟内には、例えば、デーデルライン杆菌など多数の乳酸杆菌属の菌類が存在し、これらの乳酸杆菌の存在によって、腟内は正常な細菌均衡が維持され、かつ病原性微生物による生殖器感染が防止されている。
【０００３】
この乳酸杆菌類は、腟粘膜から分泌されるグリコーゲンをエネルギー源として利用することで繁殖し、かつ後方からの病原体と競合し、他の細菌による攻撃から腟腔を防御しているが、近年における多数の抗生物質の開発に伴ない、抗生物質製剤が頻繁に使用されるにともない、腟内に存在する乳酸杆菌類も駆除させられてきている。
【０００４】
その結果、感染したバクテロイデス属（Ｂａｃｔｅｒｏｉｄｅｓ）、ペプトストレプトコッカス属（Ｐｅｐｔｏｓｔｒｅｐｔｏｃｏｃｃｕｓ）、ペプトコッカス属（Ｐｅｐｔｏｃｏｃｃｕｓ）、モビルンクス・Ｇ．バギナリス（Ｍｏｂｉｌｕｎｃｕｓ Ｇ． ｖａｇｉｎａｌｉｓ）を初めとする多数の嫌気性細菌が、腟内で繁殖し、それらの細菌類の相互作用で、細菌性腟炎が発症し、また、腟トリコモナス（Ｔ．Ｖａｇｉｎａｌｉｓ）又はカンジダ属（Ｃａｎｄｉｄａ；上記の全てのＣａｎｄｉｄａ
ａｌｂｉｃａｎｓ）の感染により腟炎が現れる。
【０００５】
これら疾患の治療は、主にスルホンアミド類、抗生物質および抗菌剤類が使用されるが、これらの抗生物質類の投与は、発疹、掻痒、局所の発赤、刺激、びらんなどの副作用が心配されるほか、腟に内在する乳酸杆菌類をも死に至らせるものであり、さらには病原性細菌（例えば、ブドウ球菌属；Ｓｔａｐｈｙｌｏｃｏｃｃｕｓ）のなかには、抗生物質に類に対する耐性を獲得するものがあるため、抗生物質投与により、これらの疾患を治療することも難しくなってきている。
【０００６】
一方、特開平１１−３２２６２１号公報においては、腟感染症の治療に、死亡したものを補充するという考えからと推測されるが、例えば、ラクトバシルス・カセイ（カセイ菌；Ｌａｃｔｏｂａｃｉｌｌｕｓ ｃａｓｅｉ）、ラクトバシルス・ガスセリ（Ｌａｃｔｏｂａｃｉｌｌｕｓ ｇａｓｓｅｒｉ）、ラクトバシルス・フェルミンツム（Ｌａｃｔｏｂａｃｉｌｌｕｓ ｆｅｒｍｉｎｔｕｍ）、ラクトバシルス・カセイ・シュードプランタルム亜種（Ｌａｃｔｏｂａｃｉｌｌｕｓ ｃａｓｅｉ ｓｕｂｓ． ｐｕｓｅｕｄｏｐｌａｎｔａｒｕｍ）およびラクトバシルス・クリスパツス（Ｌａｃｔｏｂａｃｉｌｌｕｓ ｃｒｉｓｐａｔｕｓ）などの乳酸杆菌類を使用することを提案している。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、抗生物質の乱用、さらには免疫力の低下や性行動の活発化などによって、細菌性腟症、クラミジア頚管炎、トリコモナス腟炎、カンジダ腟炎などに罹患する女性は増加しているが、多くの女性は、これらの罹病により婦人科医を受診することに躊躇いを感じ、症状を悪化させるケースも増えている。
【０００８】
発明者はこのような状況を改善するために、従来技術を踏まえ、罹患者が家庭内において、腟内の自浄作用を回復させ、腟内に細菌、真菌、原虫などが侵入することを防止し、進入したものを殺菌することのできる、取り扱いが容易で毒性が無く、より効果の優れた洗浄剤を開発し、罹患者が自己治療できる、すなわち、腟洗浄が自分でできるようにすべく検討を行った。
【０００９】
その結果、発明者は、腸内微生物の状態を改善する効果を有するとされ市販されている、乳酸菌の産生ないし分泌すると推定される物質（以下、乳酸菌醗酵液エキスという。）が、上記課題を解決し、細菌性腟症、クラミジア頚管炎、トリコモナス腟炎、カンジダ腟炎などに罹患した女性の腟内の洗浄剤として優れたものであること、更には、それらの腟感染症の治療薬として有効であることを見出して、この発明を完成させたものである。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
すなわち、この発明の請求項１に記載の発明は、
複数の乳酸菌の共棲培養によって、豆乳を発酵させて得た豆乳醗酵液からなること
を特徴とする腟内洗浄剤である。
【００１１】
また、この発明の請求項２に記載の発明は、
複数の乳酸菌の共棲培養によって、豆乳を発酵させて得た豆乳醗酵液をアルコール抽出して得たエキスからなること
を特徴とする腟内洗浄剤である。
【００１２】
また、この発明の請求項３に記載の発明は、
複数の乳酸菌の共棲培養によって、豆乳を発酵させて得た豆乳醗酵液を殺菌した後、アルコールを加え、半年以上の期間を掛けてアルコールによる抽出を行なって得られたエキスからなること
を特徴とする腟内洗浄剤である。
【００１３】
また、この発明の請求項４に記載の発明は、
複数の乳酸菌の共棲培養によって、豆乳を発酵させて得た豆乳醗酵液をアルコール抽出して得たエキスからなるものであって、
前記エキスが下記の条件で測定した液体クロマトグラフによる保持時間が、１０分以上の成分を総計で２０％以上含有するものであること
を特徴とする腟内洗浄剤である。
液体クロマトグラフの測定条件
カラム ：Ａｓａｈｉｐａｋ ＧＳ＝２２０Ｈ
移動相 ：１００ｍＭりん酸ナトリウム緩衝液
流量 ：１．０／ｍｉｎ
カラム温度：温度４０℃
【００１４】
また、この発明の請求項５に記載の発明は、
複数の乳酸菌の共棲培養によって、豆乳を発酵させて得た豆乳醗酵液をアルコール抽出して得たエキスからなるものであって、
前記エキスが下記の条件で測定した液体クロマトグラフによる保持時間が、７分以上の成分を総計で２５％以上含有するものであること
を特徴とする腟内洗浄剤である。
液体クロマトグラフの測定条件
カラム ：Ａｓａｈｉｐａｋ ＧＳ＝２２０Ｈ
移動相 ：１００ｍＭりん酸ナトリウム緩衝液
流量 ：１．０／ｍｉｎ
カラム温度：温度４０℃
【００１５】
また、この発明の請求項６に記載の発明は、
複数の乳酸菌の共棲培養によって、豆乳を発酵させて得た豆乳醗酵液をアルコール抽出して得たエキスからなるものであって、
前記エキスが下記の条件で測定した液体クロマトグラフによる保持時間が、７分以上の成分を総計で２５％以上、１０分以上の成分を総計で２０％以上含有するものであること
を特徴とする腟内洗浄剤である。
液体クロマトグラフの測定条件
カラム ：Ａｓａｈｉｐａｋ ＧＳ＝２２０Ｈ
移動相 ：１００ｍＭりん酸ナトリウム緩衝液
流量 ：１．０／ｍｉｎ
カラム温度：温度４０℃
【００１６】
【発明の実施の形態】
この発明に係る腟内洗浄剤は、豆乳醗酵液を有効成分とするものであって、豆乳醗酵液としては、複数の乳酸菌の共棲培養によって、豆乳を発酵させて得られる豆乳発酵液、好ましくは１００時間〜３００時間程度培養して得られる、豆乳醗酵液そのものである。
【００１７】
より具体的には、豆乳発酵液エキス以外に種々の挟雑物を含むもの、又は個液分離して得た固体や液体で、豆乳発酵液エキスを含むものが挙げられるが、豆乳発酵液エキスを有効に利用するためには、有機溶媒で抽出されたエキスを有効成分とするものが好ましく、より好ましくは、複数の乳酸菌の共棲培養によって、豆乳を発酵させて得られる豆乳発酵液をアルコール抽出して得られるエキスを成分とするものである。
【００１８】
共棲培養による醗酵で得られる豆乳醗酵液中に存在する、乳酸菌の産生ないし分泌すると推定される物質（以下、豆乳発酵エキスという。）が、人間の健康に優れた効果を奏することは知られており、また、それらを含む市販品も少なからず販売されている。
【００１９】
この発明における豆乳醗酵液エキスは、複数の乳酸菌による共棲培養によって豆乳を醗酵させた豆乳醗酵液から得られるもの、特に、その豆乳醗酵液からアルコール抽出により得られるもので、アルコール抽出の条件としては、
１）アルコールとしては、食品とされることからエタノールであることが望まし
く、豆乳醗酵液に等量程度加えて抽出する。
２）抽出に使用する豆乳醗酵液には、滅菌されたものが用いられ、滅菌方法とし
ては、加熱滅菌や菌体破壊滅菌などの方法が採用される。
のような条件が挙げられる。
【００２０】
前記の抽出は、加熱下に行うことも可能であるが、熱による変質を避けるために常温で行うのが好ましく、また、長期に亘る光の影響も避けるために、冷暗所で行うのが好ましい。
【００２１】
この抽出を常温下で行うと、抽出の速度が遅いことが予測されるが、豆乳醗酵液から優れたエキスを得るためには、半年以上、好ましくは１年以上という長期間をかけて抽出を行うのが好ましく、それだけの時間をかけることにより優れた豆乳菌醗酵液エキスが得られる。
【００２２】
複数の乳酸菌による共棲醗酵によって得られた豆乳醗酵液を、滅菌したのちにアルコールを加え、半年以上の期間をかけてエキスを抽出すると、後述の実施例で明らかにされるように、特定の条件で測定した液体クロマトグラフによる保持時間が１０分以上の成分が総計で２０％以上、好ましいものは２５％以上存在する豆乳醗酵液エキスが得られるもので、また、その成分の種類も増加する。
【００２３】
なお、成分に関して、さらに詳細に定義すれば、液体クロマトグラフによる保持時間が７分以上の成分が総計で２５％以上、好ましくは３０％以上存在する豆乳醗酵液エキス、又は液体クロマトグラフによる保持時間が７分以上の成分が総計で２５％以上、１０分以上の成分が総計で２０％以上の豆乳醗酵液エキス、好ましくはそれぞれ３０％以上、２５％以上存在する豆乳醗酵液エキスである。
【００２４】
この発明の腟内洗浄剤である、豆乳醗酵液又はそのエキスは、そのまま又は希釈して外陰部に塗布することによって、あるいはガーゼなどに沁み込ませ、それを患部に貼付しておくことによって、さらには腟内にスポイトなどを用いて送入散布し、綿球やタンポンなどを暫く挿入しておくことにより、腟壁を清浄化することができるものである。
【００２５】
この発明の豆乳醗酵液又はそのエキスは、健康維持食品として幅広く摂取されているもので、副作用が認めらないとともに、塗布量に厳しい制限の課せられるものでなく、自由に使用することが可能であるので、この発明の腟内洗浄剤は毎日でも、隔日でも、数日おきに使用してもよく、それにより、腟内が清浄化され、細菌性腟症、クラミジア頚管炎、トリコモナス腟炎、カンジダ腟炎などの症状が緩和され、あるいは消滅する。
【００２６】
【作用】
複数の乳酸菌による共棲培養で豆乳を醗酵させて得られた豆乳醗酵液、特に以上のような構成の豆乳醗酵液エキスについては、成分の同定もある程度行われ、核酸、アミノ酸、ビタミン類などが成分として挙げられているが、未知の状態にあると言えるものである。
【００２７】
また、豆乳醗酵液エキスが有している機能についても、腸内微生物の状態を改善し、ホルモンの合成、ビタミンや酵素の合成、コレステロールの代謝、血糖値の調節、血圧の調整などを行うのを助けることなどの働きが知られ、あるいは、肝炎、慢性関節炎、アトピー性皮膚炎、狭心症、さらには各種の癌に対する抗癌作用など種々の効能が挙げられているが、具体的に薬理効果が認められているものは少ないのが現状で、この発明の奏する効果の作用機序についても現在明らかではない。
【００２８】
【実施例】
以下、この発明の腟内洗浄剤を、実施例に基づいてさらに詳細に説明する。
実施例１
＜醗酵液エキスの調製＞
下記表１に示される、４種４群に組み合せの乳酸菌と酵母を用意する。
なお、表中Ａ，Ｂとか１、２、３、４は、菌株は異なることを意味している。
【００２９】
【表１】
【００３０】
それぞれの群の乳酸菌を、豆乳を培養基として、温度２０℃から温度４０℃に徐々に昇温しながら別個に４８時間培養した。
４８時間培養したのち、１つの容器に移し、温度２０℃から温度４０℃に徐々に昇温しながら、さらに９６時間培養した。
培養が完了して得られた豆乳醗酵液を加熱殺菌した後、等量のアルコールを加え、冷暗所に１年間保管し抽出を行った。
抽出後の豆乳醗酵液をろ過し、固液分離し、微黄色透明の豆乳醗酵液エキスＩを得た。
【００３１】
得られた醗酵液エキスを、液体クロマトグラフを用いて、以下の条件で分析した結果を表２及び図１に示す。
液体クロマトグラフの測定条件
カラム ：Ａｓａｈｉｐａｋ ＧＳ＝２２０Ｈ
移動相 ：１００ｍＭりん酸ナトリウム緩衝液
流量 ：１．０／ｍｉｎ
カラム温度：温度４０℃
検出器：紫外分光光度計
検出波長：２１０ｎｍ
【００３２】
【表２】
【００３３】
＜洗浄効果確認試験＞
腟分泌物の増加や悪臭を訴えて受診してきた１９歳から２９歳までの女性７名の外来患者に、インフォームドコンセントを得た後、上記で得られた醗酵液エキス１ｃｃを、腟内を直視しながらスポイトで、腟壁に満遍なく散布、その後高圧殺菌済のめん球を挿入、４時間後に抜去（自分で）した。
腟内洗浄をするに際し、腟内の腟分泌物（ｖａｇｉｎａｌ ｄｉｓｃｈａｒｇｅ）を採取、クラミジア、トリコモナス、カンジダの検査を施行し、クラミジア、トリコモナス、カンジダがいずれも陰性で、黄色アミン臭の腟分泌物のあるものを臨床的に細菌性腟症と診断し、上記７名の内訳は細菌性腟症５名、クラミジア頚管炎１名、カンジダ腟炎１名であった。
【００３４】
各患者における洗浄効果は以下のとおりであった。なお、試験期間は、平成１４年３月から４月にかけて行った。
１）患者（Ａ．Ｍ．）２０歳 細菌性腟症
３月２８日 初回洗浄 黄色腟分泌物、臭い多し
３月３０日 ２回目洗浄 腟分泌物、臭いともやや減少（初回より２日後）
４月 ６日 ３回目洗浄 腟分泌物、臭いとも１００％改善（初回より８日後）
４月 ９日 ４回目洗浄 腟分泌物、臭いとも１００％改善状態が維持
【００３５】
２）患者（Ｆ．Ｙ．）２９歳 細菌性腟症
４月 ９日 初回洗浄 黄色腟分泌物、臭い多し
４月１１日 ２回目洗浄 変化なし（初回より２日後）
４月１３日 ３回目洗浄 腟分泌物、臭いとも５０％改善（初回より４日後）
４月１５日 ４回目洗浄 腟分泌物、臭いとも５０％改善状態が維持
【００３６】
３）患者（Ｙ．Ｅ．）１９歳 細菌性腟症
４月 ９日 初回洗浄 黄色腟分泌物、臭い多し
４月１１日 ２回目洗浄 腟分泌物、臭い変化なし（初回より２日後）
４月１５日 ３回目洗浄 腟分泌物３０％減少、臭い４０％改善
【００３７】
４）患者（Ｙ．Ｃ．）２４歳 細菌性腟症
３月 ８日 初回洗浄 黄色腟分泌物、臭い多し
３月１２日 ２回目洗浄 腟分泌物、臭いともやや減少（初回より４日後）
３月１５日 ３回目洗浄 腟分泌物５０％、臭い１００％改善
３月２２日 ４回目洗浄 腟分泌物５０％、臭い１００％改善状態が維持
【００３８】
５）患者（Ｋ．Ｈ．）２９歳 細菌性腟症
３月 ５日 初回洗浄 黄色腟分泌物、臭い多し
３月１１日 ２回目洗浄 腟分泌物、臭いともやや減少（初回より６日後）
３月１４日 ３回目洗浄 腟分泌物、臭いさらに改善（初回より９日後）
３月２２日 ４回目洗浄 腟分泌物、臭いともに１００％改善
【００３９】
６）患者（Ｍ．Ｓ．）２１歳 クラミジア頚管炎
４月 ６日 初回洗浄 黄色腟分泌物、臭い多し
４月 ８日 ２回目洗浄 腟分泌物、臭いともやや減少（初回より２日後）
４月 ９日 ３回目洗浄 腟分泌物４０％、臭い１００％改善
４月１２日 ４回目洗浄 腟分泌物４０％、臭い１００％改善状態が維持
【００４０】
７）患者（Ｓ．Ｍ．）２７歳 カンジダ腟炎
３月 ８日 初回洗浄 白色腟分泌物多し
３月１１日 ２回目洗浄 腟分泌物やや減少（初回より３日後）
３月１４日 ３回目洗浄 腟分泌物８０％減少（初回より６日後）
４月１５日 ４回目洗浄 腟分泌物、臭いとも５０％改善状態が維持
【００４１】
【発明の効果】
これらの臨床結果から明らかなように、この発明の腟内洗浄剤である豆乳醗酵液又はそのエキスは、細菌性腟症、クラミジア頚管炎およびカンジダ腟炎に対して有効な薬剤（洗浄剤）で、しかも、その効果は速効性で、投与３日目位から明らかな症状改善を示し、投与しない期間が一週間以上であっても効果を持続するという優れたものである。
【００４２】
このような効果は、従来の有効率が６０％程度の乳酸菌錠剤や、約５０％の有効率で、洗浄剤としての使用時に違和感・不快感のある乳酸菌を含むヨーグルトに比して格別に優れたものである。また、乳酸菌が産生する乳酸などよりも３０日を治療効果判定エンドポイントとした場合、効力において優れ、皮膚表面の改善においても明白な差を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】乳酸菌醗酵液エキスの液体クロマトグラフのチャートである。
【符号の説明】
なし
【発明の属する技術分野】
この発明は、細菌性腟症、クラミジア頚管炎、トリコモナス腟炎、カンジダ腟炎などの腟感染症に罹患した腟内を洗浄するための洗浄剤に関するもので、治療薬としても有効なもので、医療および医薬品技術に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
初潮を迎えた以降の健康な成人女性の腟内には、例えば、デーデルライン杆菌など多数の乳酸杆菌属の菌類が存在し、これらの乳酸杆菌の存在によって、腟内は正常な細菌均衡が維持され、かつ病原性微生物による生殖器感染が防止されている。
【０００３】
この乳酸杆菌類は、腟粘膜から分泌されるグリコーゲンをエネルギー源として利用することで繁殖し、かつ後方からの病原体と競合し、他の細菌による攻撃から腟腔を防御しているが、近年における多数の抗生物質の開発に伴ない、抗生物質製剤が頻繁に使用されるにともない、腟内に存在する乳酸杆菌類も駆除させられてきている。
【０００４】
その結果、感染したバクテロイデス属（Ｂａｃｔｅｒｏｉｄｅｓ）、ペプトストレプトコッカス属（Ｐｅｐｔｏｓｔｒｅｐｔｏｃｏｃｃｕｓ）、ペプトコッカス属（Ｐｅｐｔｏｃｏｃｃｕｓ）、モビルンクス・Ｇ．バギナリス（Ｍｏｂｉｌｕｎｃｕｓ Ｇ． ｖａｇｉｎａｌｉｓ）を初めとする多数の嫌気性細菌が、腟内で繁殖し、それらの細菌類の相互作用で、細菌性腟炎が発症し、また、腟トリコモナス（Ｔ．Ｖａｇｉｎａｌｉｓ）又はカンジダ属（Ｃａｎｄｉｄａ；上記の全てのＣａｎｄｉｄａ
ａｌｂｉｃａｎｓ）の感染により腟炎が現れる。
【０００５】
これら疾患の治療は、主にスルホンアミド類、抗生物質および抗菌剤類が使用されるが、これらの抗生物質類の投与は、発疹、掻痒、局所の発赤、刺激、びらんなどの副作用が心配されるほか、腟に内在する乳酸杆菌類をも死に至らせるものであり、さらには病原性細菌（例えば、ブドウ球菌属；Ｓｔａｐｈｙｌｏｃｏｃｃｕｓ）のなかには、抗生物質に類に対する耐性を獲得するものがあるため、抗生物質投与により、これらの疾患を治療することも難しくなってきている。
【０００６】
一方、特開平１１−３２２６２１号公報においては、腟感染症の治療に、死亡したものを補充するという考えからと推測されるが、例えば、ラクトバシルス・カセイ（カセイ菌；Ｌａｃｔｏｂａｃｉｌｌｕｓ ｃａｓｅｉ）、ラクトバシルス・ガスセリ（Ｌａｃｔｏｂａｃｉｌｌｕｓ ｇａｓｓｅｒｉ）、ラクトバシルス・フェルミンツム（Ｌａｃｔｏｂａｃｉｌｌｕｓ ｆｅｒｍｉｎｔｕｍ）、ラクトバシルス・カセイ・シュードプランタルム亜種（Ｌａｃｔｏｂａｃｉｌｌｕｓ ｃａｓｅｉ ｓｕｂｓ． ｐｕｓｅｕｄｏｐｌａｎｔａｒｕｍ）およびラクトバシルス・クリスパツス（Ｌａｃｔｏｂａｃｉｌｌｕｓ ｃｒｉｓｐａｔｕｓ）などの乳酸杆菌類を使用することを提案している。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、抗生物質の乱用、さらには免疫力の低下や性行動の活発化などによって、細菌性腟症、クラミジア頚管炎、トリコモナス腟炎、カンジダ腟炎などに罹患する女性は増加しているが、多くの女性は、これらの罹病により婦人科医を受診することに躊躇いを感じ、症状を悪化させるケースも増えている。
【０００８】
発明者はこのような状況を改善するために、従来技術を踏まえ、罹患者が家庭内において、腟内の自浄作用を回復させ、腟内に細菌、真菌、原虫などが侵入することを防止し、進入したものを殺菌することのできる、取り扱いが容易で毒性が無く、より効果の優れた洗浄剤を開発し、罹患者が自己治療できる、すなわち、腟洗浄が自分でできるようにすべく検討を行った。
【０００９】
その結果、発明者は、腸内微生物の状態を改善する効果を有するとされ市販されている、乳酸菌の産生ないし分泌すると推定される物質（以下、乳酸菌醗酵液エキスという。）が、上記課題を解決し、細菌性腟症、クラミジア頚管炎、トリコモナス腟炎、カンジダ腟炎などに罹患した女性の腟内の洗浄剤として優れたものであること、更には、それらの腟感染症の治療薬として有効であることを見出して、この発明を完成させたものである。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
すなわち、この発明の請求項１に記載の発明は、
複数の乳酸菌の共棲培養によって、豆乳を発酵させて得た豆乳醗酵液からなること
を特徴とする腟内洗浄剤である。
【００１１】
また、この発明の請求項２に記載の発明は、
複数の乳酸菌の共棲培養によって、豆乳を発酵させて得た豆乳醗酵液をアルコール抽出して得たエキスからなること
を特徴とする腟内洗浄剤である。
【００１２】
また、この発明の請求項３に記載の発明は、
複数の乳酸菌の共棲培養によって、豆乳を発酵させて得た豆乳醗酵液を殺菌した後、アルコールを加え、半年以上の期間を掛けてアルコールによる抽出を行なって得られたエキスからなること
を特徴とする腟内洗浄剤である。
【００１３】
また、この発明の請求項４に記載の発明は、
複数の乳酸菌の共棲培養によって、豆乳を発酵させて得た豆乳醗酵液をアルコール抽出して得たエキスからなるものであって、
前記エキスが下記の条件で測定した液体クロマトグラフによる保持時間が、１０分以上の成分を総計で２０％以上含有するものであること
を特徴とする腟内洗浄剤である。
液体クロマトグラフの測定条件
カラム ：Ａｓａｈｉｐａｋ ＧＳ＝２２０Ｈ
移動相 ：１００ｍＭりん酸ナトリウム緩衝液
流量 ：１．０／ｍｉｎ
カラム温度：温度４０℃
【００１４】
また、この発明の請求項５に記載の発明は、
複数の乳酸菌の共棲培養によって、豆乳を発酵させて得た豆乳醗酵液をアルコール抽出して得たエキスからなるものであって、
前記エキスが下記の条件で測定した液体クロマトグラフによる保持時間が、７分以上の成分を総計で２５％以上含有するものであること
を特徴とする腟内洗浄剤である。
液体クロマトグラフの測定条件
カラム ：Ａｓａｈｉｐａｋ ＧＳ＝２２０Ｈ
移動相 ：１００ｍＭりん酸ナトリウム緩衝液
流量 ：１．０／ｍｉｎ
カラム温度：温度４０℃
【００１５】
また、この発明の請求項６に記載の発明は、
複数の乳酸菌の共棲培養によって、豆乳を発酵させて得た豆乳醗酵液をアルコール抽出して得たエキスからなるものであって、
前記エキスが下記の条件で測定した液体クロマトグラフによる保持時間が、７分以上の成分を総計で２５％以上、１０分以上の成分を総計で２０％以上含有するものであること
を特徴とする腟内洗浄剤である。
液体クロマトグラフの測定条件
カラム ：Ａｓａｈｉｐａｋ ＧＳ＝２２０Ｈ
移動相 ：１００ｍＭりん酸ナトリウム緩衝液
流量 ：１．０／ｍｉｎ
カラム温度：温度４０℃
【００１６】
【発明の実施の形態】
この発明に係る腟内洗浄剤は、豆乳醗酵液を有効成分とするものであって、豆乳醗酵液としては、複数の乳酸菌の共棲培養によって、豆乳を発酵させて得られる豆乳発酵液、好ましくは１００時間〜３００時間程度培養して得られる、豆乳醗酵液そのものである。
【００１７】
より具体的には、豆乳発酵液エキス以外に種々の挟雑物を含むもの、又は個液分離して得た固体や液体で、豆乳発酵液エキスを含むものが挙げられるが、豆乳発酵液エキスを有効に利用するためには、有機溶媒で抽出されたエキスを有効成分とするものが好ましく、より好ましくは、複数の乳酸菌の共棲培養によって、豆乳を発酵させて得られる豆乳発酵液をアルコール抽出して得られるエキスを成分とするものである。
【００１８】
共棲培養による醗酵で得られる豆乳醗酵液中に存在する、乳酸菌の産生ないし分泌すると推定される物質（以下、豆乳発酵エキスという。）が、人間の健康に優れた効果を奏することは知られており、また、それらを含む市販品も少なからず販売されている。
【００１９】
この発明における豆乳醗酵液エキスは、複数の乳酸菌による共棲培養によって豆乳を醗酵させた豆乳醗酵液から得られるもの、特に、その豆乳醗酵液からアルコール抽出により得られるもので、アルコール抽出の条件としては、
１）アルコールとしては、食品とされることからエタノールであることが望まし
く、豆乳醗酵液に等量程度加えて抽出する。
２）抽出に使用する豆乳醗酵液には、滅菌されたものが用いられ、滅菌方法とし
ては、加熱滅菌や菌体破壊滅菌などの方法が採用される。
のような条件が挙げられる。
【００２０】
前記の抽出は、加熱下に行うことも可能であるが、熱による変質を避けるために常温で行うのが好ましく、また、長期に亘る光の影響も避けるために、冷暗所で行うのが好ましい。
【００２１】
この抽出を常温下で行うと、抽出の速度が遅いことが予測されるが、豆乳醗酵液から優れたエキスを得るためには、半年以上、好ましくは１年以上という長期間をかけて抽出を行うのが好ましく、それだけの時間をかけることにより優れた豆乳菌醗酵液エキスが得られる。
【００２２】
複数の乳酸菌による共棲醗酵によって得られた豆乳醗酵液を、滅菌したのちにアルコールを加え、半年以上の期間をかけてエキスを抽出すると、後述の実施例で明らかにされるように、特定の条件で測定した液体クロマトグラフによる保持時間が１０分以上の成分が総計で２０％以上、好ましいものは２５％以上存在する豆乳醗酵液エキスが得られるもので、また、その成分の種類も増加する。
【００２３】
なお、成分に関して、さらに詳細に定義すれば、液体クロマトグラフによる保持時間が７分以上の成分が総計で２５％以上、好ましくは３０％以上存在する豆乳醗酵液エキス、又は液体クロマトグラフによる保持時間が７分以上の成分が総計で２５％以上、１０分以上の成分が総計で２０％以上の豆乳醗酵液エキス、好ましくはそれぞれ３０％以上、２５％以上存在する豆乳醗酵液エキスである。
【００２４】
この発明の腟内洗浄剤である、豆乳醗酵液又はそのエキスは、そのまま又は希釈して外陰部に塗布することによって、あるいはガーゼなどに沁み込ませ、それを患部に貼付しておくことによって、さらには腟内にスポイトなどを用いて送入散布し、綿球やタンポンなどを暫く挿入しておくことにより、腟壁を清浄化することができるものである。
【００２５】
この発明の豆乳醗酵液又はそのエキスは、健康維持食品として幅広く摂取されているもので、副作用が認めらないとともに、塗布量に厳しい制限の課せられるものでなく、自由に使用することが可能であるので、この発明の腟内洗浄剤は毎日でも、隔日でも、数日おきに使用してもよく、それにより、腟内が清浄化され、細菌性腟症、クラミジア頚管炎、トリコモナス腟炎、カンジダ腟炎などの症状が緩和され、あるいは消滅する。
【００２６】
【作用】
複数の乳酸菌による共棲培養で豆乳を醗酵させて得られた豆乳醗酵液、特に以上のような構成の豆乳醗酵液エキスについては、成分の同定もある程度行われ、核酸、アミノ酸、ビタミン類などが成分として挙げられているが、未知の状態にあると言えるものである。
【００２７】
また、豆乳醗酵液エキスが有している機能についても、腸内微生物の状態を改善し、ホルモンの合成、ビタミンや酵素の合成、コレステロールの代謝、血糖値の調節、血圧の調整などを行うのを助けることなどの働きが知られ、あるいは、肝炎、慢性関節炎、アトピー性皮膚炎、狭心症、さらには各種の癌に対する抗癌作用など種々の効能が挙げられているが、具体的に薬理効果が認められているものは少ないのが現状で、この発明の奏する効果の作用機序についても現在明らかではない。
【００２８】
【実施例】
以下、この発明の腟内洗浄剤を、実施例に基づいてさらに詳細に説明する。
実施例１
＜醗酵液エキスの調製＞
下記表１に示される、４種４群に組み合せの乳酸菌と酵母を用意する。
なお、表中Ａ，Ｂとか１、２、３、４は、菌株は異なることを意味している。
【００２９】
【表１】
それぞれの群の乳酸菌を、豆乳を培養基として、温度２０℃から温度４０℃に徐々に昇温しながら別個に４８時間培養した。
４８時間培養したのち、１つの容器に移し、温度２０℃から温度４０℃に徐々に昇温しながら、さらに９６時間培養した。
培養が完了して得られた豆乳醗酵液を加熱殺菌した後、等量のアルコールを加え、冷暗所に１年間保管し抽出を行った。
抽出後の豆乳醗酵液をろ過し、固液分離し、微黄色透明の豆乳醗酵液エキスＩを得た。
【００３１】
得られた醗酵液エキスを、液体クロマトグラフを用いて、以下の条件で分析した結果を表２及び図１に示す。
液体クロマトグラフの測定条件
カラム ：Ａｓａｈｉｐａｋ ＧＳ＝２２０Ｈ
移動相 ：１００ｍＭりん酸ナトリウム緩衝液
流量 ：１．０／ｍｉｎ
カラム温度：温度４０℃
検出器：紫外分光光度計
検出波長：２１０ｎｍ
【００３２】
【表２】
＜洗浄効果確認試験＞
腟分泌物の増加や悪臭を訴えて受診してきた１９歳から２９歳までの女性７名の外来患者に、インフォームドコンセントを得た後、上記で得られた醗酵液エキス１ｃｃを、腟内を直視しながらスポイトで、腟壁に満遍なく散布、その後高圧殺菌済のめん球を挿入、４時間後に抜去（自分で）した。
腟内洗浄をするに際し、腟内の腟分泌物（ｖａｇｉｎａｌ ｄｉｓｃｈａｒｇｅ）を採取、クラミジア、トリコモナス、カンジダの検査を施行し、クラミジア、トリコモナス、カンジダがいずれも陰性で、黄色アミン臭の腟分泌物のあるものを臨床的に細菌性腟症と診断し、上記７名の内訳は細菌性腟症５名、クラミジア頚管炎１名、カンジダ腟炎１名であった。
【００３４】
各患者における洗浄効果は以下のとおりであった。なお、試験期間は、平成１４年３月から４月にかけて行った。
１）患者（Ａ．Ｍ．）２０歳 細菌性腟症
３月２８日 初回洗浄 黄色腟分泌物、臭い多し
３月３０日 ２回目洗浄 腟分泌物、臭いともやや減少（初回より２日後）
４月 ６日 ３回目洗浄 腟分泌物、臭いとも１００％改善（初回より８日後）
４月 ９日 ４回目洗浄 腟分泌物、臭いとも１００％改善状態が維持
【００３５】
２）患者（Ｆ．Ｙ．）２９歳 細菌性腟症
４月 ９日 初回洗浄 黄色腟分泌物、臭い多し
４月１１日 ２回目洗浄 変化なし（初回より２日後）
４月１３日 ３回目洗浄 腟分泌物、臭いとも５０％改善（初回より４日後）
４月１５日 ４回目洗浄 腟分泌物、臭いとも５０％改善状態が維持
【００３６】
３）患者（Ｙ．Ｅ．）１９歳 細菌性腟症
４月 ９日 初回洗浄 黄色腟分泌物、臭い多し
４月１１日 ２回目洗浄 腟分泌物、臭い変化なし（初回より２日後）
４月１５日 ３回目洗浄 腟分泌物３０％減少、臭い４０％改善
【００３７】
４）患者（Ｙ．Ｃ．）２４歳 細菌性腟症
３月 ８日 初回洗浄 黄色腟分泌物、臭い多し
３月１２日 ２回目洗浄 腟分泌物、臭いともやや減少（初回より４日後）
３月１５日 ３回目洗浄 腟分泌物５０％、臭い１００％改善
３月２２日 ４回目洗浄 腟分泌物５０％、臭い１００％改善状態が維持
【００３８】
５）患者（Ｋ．Ｈ．）２９歳 細菌性腟症
３月 ５日 初回洗浄 黄色腟分泌物、臭い多し
３月１１日 ２回目洗浄 腟分泌物、臭いともやや減少（初回より６日後）
３月１４日 ３回目洗浄 腟分泌物、臭いさらに改善（初回より９日後）
３月２２日 ４回目洗浄 腟分泌物、臭いともに１００％改善
【００３９】
６）患者（Ｍ．Ｓ．）２１歳 クラミジア頚管炎
４月 ６日 初回洗浄 黄色腟分泌物、臭い多し
４月 ８日 ２回目洗浄 腟分泌物、臭いともやや減少（初回より２日後）
４月 ９日 ３回目洗浄 腟分泌物４０％、臭い１００％改善
４月１２日 ４回目洗浄 腟分泌物４０％、臭い１００％改善状態が維持
【００４０】
７）患者（Ｓ．Ｍ．）２７歳 カンジダ腟炎
３月 ８日 初回洗浄 白色腟分泌物多し
３月１１日 ２回目洗浄 腟分泌物やや減少（初回より３日後）
３月１４日 ３回目洗浄 腟分泌物８０％減少（初回より６日後）
４月１５日 ４回目洗浄 腟分泌物、臭いとも５０％改善状態が維持
【００４１】
【発明の効果】
これらの臨床結果から明らかなように、この発明の腟内洗浄剤である豆乳醗酵液又はそのエキスは、細菌性腟症、クラミジア頚管炎およびカンジダ腟炎に対して有効な薬剤（洗浄剤）で、しかも、その効果は速効性で、投与３日目位から明らかな症状改善を示し、投与しない期間が一週間以上であっても効果を持続するという優れたものである。
【００４２】
このような効果は、従来の有効率が６０％程度の乳酸菌錠剤や、約５０％の有効率で、洗浄剤としての使用時に違和感・不快感のある乳酸菌を含むヨーグルトに比して格別に優れたものである。また、乳酸菌が産生する乳酸などよりも３０日を治療効果判定エンドポイントとした場合、効力において優れ、皮膚表面の改善においても明白な差を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】乳酸菌醗酵液エキスの液体クロマトグラフのチャートである。
【符号の説明】
なし
Claims (6)
- 複数の乳酸菌の共棲培養によって、豆乳を発酵させて得た豆乳醗酵液からなること
を特徴とする腟内洗浄剤。 - 複数の乳酸菌の共棲培養によって、豆乳を発酵させて得た豆乳醗酵液をアルコール抽出して得たエキスからなること
を特徴とする腟内洗浄剤。 - 前記アルコール抽出は、
殺菌された豆乳発酵液にアルコールを加え、半年以上の期間を掛けて行なわれるものであること
を特徴とする腟内洗浄剤。 - 前記エキスは、
下記の条件で測定した液体クロマトグラフによる保持時間が、１０分以上の成分を総計で２０％以上含有するものであること
を特徴とする請求項２又は３記載の腟内洗浄剤。
液体クロマトグラフの測定条件
カラム ：Ａｓａｈｉｐａｋ ＧＳ＝２２０Ｈ
移動相 ：１００ｍＭりん酸ナトリウム緩衝液
流量 ：１．０／ｍｉｎ
カラム温度：温度４０℃ - 前記エキスは、
下記の条件で測定した液体クロマトグラフによる保持時間が、７分以上の成分を総計で２５％以上含有するものであること
を特徴とする請求項２又は３記載の腟内洗浄剤。
液体クロマトグラフの測定条件
カラム ：Ａｓａｈｉｐａｋ ＧＳ＝２２０Ｈ
移動相 ：１００ｍＭりん酸ナトリウム緩衝液
流量 ：１．０／ｍｉｎ
カラム温度：温度４０℃ - 前記エキスは、
下記の条件で測定した液体クロマトグラフによる保持時間が、７分以上の成分を総計で２５％以上、１０分以上の成分を総計で２０％以上含有するものであること
を特徴とする請求項２又は３記載の腟内洗浄剤。
液体クロマトグラフの測定条件
カラム ：Ａｓａｈｉｐａｋ ＧＳ＝２２０Ｈ
移動相 ：１００ｍＭりん酸ナトリウム緩衝液
流量 ：１．０／ｍｉｎ
カラム温度：温度４０℃
Priority Applications (5)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002230034A JP2004067599A (ja) | 2002-08-07 | 2002-08-07 | 腟内洗浄剤 |
| AU2003252415A AU2003252415A1 (en) | 2002-08-07 | 2003-08-06 | Intravaginal washing agent |
| EP03784536A EP1541162A1 (en) | 2002-08-07 | 2003-08-06 | Intravaginal washing agent |
| US10/523,721 US20060018984A1 (en) | 2002-08-07 | 2003-08-06 | Intravaginal washing agent |
| PCT/JP2003/009989 WO2004014408A1 (ja) | 2002-08-07 | 2003-08-06 | 膣内洗浄剤 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002230034A JP2004067599A (ja) | 2002-08-07 | 2002-08-07 | 腟内洗浄剤 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004067599A true JP2004067599A (ja) | 2004-03-04 |
Family
ID=31711671
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2002230034A Pending JP2004067599A (ja) | 2002-08-07 | 2002-08-07 | 腟内洗浄剤 |
Country Status (5)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US20060018984A1 (ja) |
| EP (1) | EP1541162A1 (ja) |
| JP (1) | JP2004067599A (ja) |
| AU (1) | AU2003252415A1 (ja) |
| WO (1) | WO2004014408A1 (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2015177748A (ja) * | 2014-03-19 | 2015-10-08 | 株式会社バイオジェノミクス | 乳酸菌生産物質の製造方法及び乳酸菌生産物質並びにアレルギー性皮膚炎抑制剤 |
| CN106729247A (zh) * | 2017-02-18 | 2017-05-31 | 成都市飞龙水处理技术研究所青白江第分所 | 一种治疗妇女带下的中药组合物及其制备方法 |
Families Citing this family (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7668325B2 (en) * | 2005-05-03 | 2010-02-23 | Earlens Corporation | Hearing system having an open chamber for housing components and reducing the occlusion effect |
| CN102138340B (zh) | 2008-06-17 | 2014-10-08 | 依耳乐恩斯公司 | 利用由功率和信号组成的结构的光机电听觉设备 |
| CN102695541B (zh) * | 2009-12-16 | 2015-04-22 | 迈克罗普拉塔公司 | 用于治疗胃肠道损伤的基本为刚性和稳定的腔内外科手术套件 |
| WO2014106541A1 (en) * | 2013-01-04 | 2014-07-10 | Ellen Ab | Dermal composition for use in the external genital area in females |
| WO2018035036A1 (en) * | 2016-08-15 | 2018-02-22 | Earlens Corporation | Hearing aid connector |
| RU2629592C1 (ru) * | 2016-09-29 | 2017-08-30 | Владимир Федорович Корсун | Средство для лечения хламидиоза |
| EP3388063A1 (en) * | 2017-04-14 | 2018-10-17 | Adamed sp. z o.o. | Treatment of a bacterial vaginal infection |
Citations (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH11322621A (ja) * | 1998-04-30 | 1999-11-24 | Ved Vesely Renata Maria Anna Cavaliere | 乳酸杆菌属の菌類を含有する膣感染症を治療するための薬学的組成物 |
| WO2000021501A1 (fr) * | 1998-10-09 | 2000-04-20 | Kabushiki Kaisha Yakult Honsha | Preparations dermatologiques a usage externe |
| JP2001158743A (ja) * | 1999-12-02 | 2001-06-12 | Wakamoto Pharmaceut Co Ltd | 乳酸菌含有組成物、医薬及び食品 |
| JP2001333766A (ja) * | 2000-05-24 | 2001-12-04 | Bhph Co Ltd | 新規な感染症対応型乳酸菌および該乳酸菌を主成分とした乳酸菌製剤 |
| JP2002187838A (ja) * | 2000-12-19 | 2002-07-05 | Yakult Honsha Co Ltd | 皮膚外用剤 |
Family Cites Families (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP3549008B2 (ja) * | 1995-04-18 | 2004-08-04 | アサマ化成株式会社 | 食品用保存剤 |
| US6093394A (en) * | 1997-04-11 | 2000-07-25 | Gynelogix, Inc. | Vaginal lactobacillus medicant |
| CN1304313A (zh) * | 1998-06-05 | 2001-07-18 | 若素制药株式会社 | 含乳酸菌的组合物、药物和食物 |
| JP3276929B2 (ja) * | 1998-10-22 | 2002-04-22 | ヤング株式会社 | 炎症抑制作用及び感染症防御作用のある濃縮飲料 |
| JP2003513649A (ja) * | 1999-11-08 | 2003-04-15 | ガネデン バイオテック， インコーポレイテッド | Ｂａｃｉｌｌｕｓｃｏａｇｕｌａｎｓによる病原体の阻害 |
-
2002
- 2002-08-07 JP JP2002230034A patent/JP2004067599A/ja active Pending
-
2003
- 2003-08-06 EP EP03784536A patent/EP1541162A1/en not_active Withdrawn
- 2003-08-06 WO PCT/JP2003/009989 patent/WO2004014408A1/ja active Application Filing
- 2003-08-06 US US10/523,721 patent/US20060018984A1/en not_active Abandoned
- 2003-08-06 AU AU2003252415A patent/AU2003252415A1/en not_active Abandoned
Patent Citations (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH11322621A (ja) * | 1998-04-30 | 1999-11-24 | Ved Vesely Renata Maria Anna Cavaliere | 乳酸杆菌属の菌類を含有する膣感染症を治療するための薬学的組成物 |
| WO2000021501A1 (fr) * | 1998-10-09 | 2000-04-20 | Kabushiki Kaisha Yakult Honsha | Preparations dermatologiques a usage externe |
| JP2001158743A (ja) * | 1999-12-02 | 2001-06-12 | Wakamoto Pharmaceut Co Ltd | 乳酸菌含有組成物、医薬及び食品 |
| JP2001333766A (ja) * | 2000-05-24 | 2001-12-04 | Bhph Co Ltd | 新規な感染症対応型乳酸菌および該乳酸菌を主成分とした乳酸菌製剤 |
| JP2002187838A (ja) * | 2000-12-19 | 2002-07-05 | Yakult Honsha Co Ltd | 皮膚外用剤 |
Non-Patent Citations (1)
| Title |
|---|
| AM. J. OBSTET. GYNECOL., vol. 153(7), JPN4006012277, 1985, pages 740 - 743, ISSN: 0000751738 * |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2015177748A (ja) * | 2014-03-19 | 2015-10-08 | 株式会社バイオジェノミクス | 乳酸菌生産物質の製造方法及び乳酸菌生産物質並びにアレルギー性皮膚炎抑制剤 |
| CN106729247A (zh) * | 2017-02-18 | 2017-05-31 | 成都市飞龙水处理技术研究所青白江第分所 | 一种治疗妇女带下的中药组合物及其制备方法 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| WO2004014408A1 (ja) | 2004-02-19 |
| AU2003252415A1 (en) | 2004-02-25 |
| EP1541162A1 (en) | 2005-06-15 |
| US20060018984A1 (en) | 2006-01-26 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| CA2609754C (en) | Compositions of benzoic acid and saccharides for regulating and maintaining bacterial flora and acidity in the vagina | |
| KR101885403B1 (ko) | 신규 락트산 박테리아 및 그를 함유하는 조성물 | |
| CN103547670B (zh) | 新的乳酸菌和含有其的抗细菌性感冒的组合物 | |
| JP5112444B2 (ja) | カンジダ症及び尿路感染の予防及び／または治療のための発酵乳酸桿菌Ｅｓｓ−１、ＤＳＭ１７８５１及びそれの使用 | |
| CN1888051B (zh) | 一株植物乳杆菌及其应用 | |
| CN107815432B (zh) | 一种人用灭活乳酸菌制剂及其用途 | |
| US8765819B2 (en) | Composition comprising benzoic acid in combination with organic acid preservatives as active ingredients and the use thereof | |
| EP3233098B1 (en) | Cvs transplantation for treatment of bacterial vaginosis | |
| KR20210114436A (ko) | 로도코커스 루버로부터 유래하는 생성물 및 이의 약학 용도 | |
| AU2019245430A1 (en) | Compositions and methods for treating inflammatory bowel diseases | |
| JP2004067599A (ja) | 腟内洗浄剤 | |
| CN110831610A (zh) | 阴道乳杆菌用于提高体外受精成功率的用途 | |
| CN113278548B (zh) | 卷曲乳杆菌及在生产改善人体阴道环境的产品中的应用 | |
| CN101134051A (zh) | 酪酸梭菌、凝结芽孢杆菌、双歧杆菌在制备治疗肠易激综合征、冷凉泻、喝酒泻药物中的应用 | |
| TWI383798B (zh) | 改善口腔內細菌群的發酵乳酸桿菌ＳＧ－Ａ９５（Ｌａｃｔｏｂａｃｉｌｌｕｓ ｆｅｒｍｅｎｔｕｍ ＳＧ－Ａ９５）及其保健組合物 | |
| CN113512509B (zh) | 卷曲乳杆菌及其用途 | |
| CN101357142B (zh) | 酪酸梭菌在制备防治心脑血管疾病药物组合物中的应用 | |
| JP2004135669A6 (ja) | ヘリコバクターピロリ（Ｈｅｌｉｃｏｂａｃｔｅｒｐｙｌｏｒｉ）及びリステリアモノサイトゲネス（Ｌｉｓｔｅｒｉａｍｏｎｏｃｙｔｏｇｅｎｅｓ）の生育を抑制する抗菌活性物質を生産するペディオコッカスペントサセウス（Ｐｅｄｉｏｃｏｃｃｕｓｐｅｎｔｏｓａｃｅｕｓ）ＣＢＴ−８と命名される乳酸菌株、これを利用した抗菌特性を持つ抗菌物質製造方法、並びに生菌剤抗菌物質を機能性食品及び医薬品に利用する方法 | |
| CN112402463A (zh) | 一种用于抑制阴道炎症的复合益生菌及其制品和应用 | |
| JPH09263539A (ja) | 抗真菌作用を有する皮膚疾患治療剤 | |
| CN111718873B (zh) | 一株具有缓解骨质疏松功效的发酵乳杆菌及其应用 | |
| US20220233618A1 (en) | Composition containing a yeast for preventing simple and/or recurring cystitis | |
| CN114891692B (zh) | 一种改善人体阴道环境的菌株及其应用 | |
| TW201121580A (en) | Vaginal cleaner and manufacture method thereof | |
| Adelia et al. | Non-antibiotic Treatment Modalities for Bacterial Vaginosis |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060725 |
|
| A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060925 |
|
| A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20061110 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070814 |
|
| A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20071015 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090623 |