WO2004014408A1

WO2004014408A1 - 膣内洗浄剤

Info

Publication number: WO2004014408A1
Application number: PCT/JP2003/009989
Authority: WO
Inventors: Kunihiko Tominaga
Original assignee: B & S Corporation
Priority date: 2002-08-07
Filing date: 2003-08-06
Publication date: 2004-02-19
Also published as: US20060018984A1; JP2004067599A; EP1541162A1; AU2003252415A1

Abstract

　細菌性膣症、クラミジア頚管炎、トリコモナス膣炎、カンジダ膣炎などの膣感染症の罹患者が家庭内において、膣内の自浄作用を回復させ、膣内に細菌、真菌、原虫などが侵入することを防止し、進入したものを殺菌することのできる、取り扱いが容易で毒性が無く、効果の優れた膣内洗浄剤であり、複数の乳酸菌の共棲培養によって、豆乳を発酵させて得た豆乳醗酵液、または、該豆乳醗酵液をアルコール抽出、特に半年以上の期間を掛けて抽出して得たエキスからなる。

Description

明細書膣内洗浄剤技術分野

この発明は、細菌性膣症、クラミジァ顏管炎、トリコモナス膣炎、カンジダ膣炎などの膣感染症に罹患した膣内を洗滌するための洗浄剤に関するもので、治療薬としても有効なもので、医療および医薬品技術に関するものである。背景技術

初潮を迎えた以降の健康な成人女性の膣内には、例えば、デーデルライン杆菌など多数の乳酸杆菌属の菌類が存在し、これらの乳酸杆菌の存在によって、膣内は正常な細菌均衡が維持され、かつ病原性微生物による生殖器感染が防止されている。この乳酸杆菌類は、膣粘膜から分泌されるグリコーゲンをエネルギー源として利用することで繁殖し、かつ後方からの病原体と競合し、他の細菌による攻撃から膣腔を防御しているが、近年における多数の抗生物質の開発に伴ない、抗生物質製剤が頻繁に使用されるにともない、膣内に存在する乳酸杆菌類も駆除させられてきている。その結果、感染したバクテロイデス属（Bacteroides) 、ぺプトストレプトコッカス属（Peptostreptococcus) 、ぺプトコッカス属 (Peptococcus) 、モビレンクス · G. バギナリス（Mobiluncus G. vaginalis) を初めとする多数の嫌気性細菌が、膣内で繁殖し、それらの細菌類の相互作用で、細菌性膣炎が発症し、また、膣トリコモナス（T. Vaginalis)又はカンジダ属（Candida；上記の全ての Candida albicans) の感染により膣炎が現れる。これら疾患の治療は、主にスルホンアミド類、抗生物質および抗菌剤類が使用されるが、これらの抗生物質類の投与は、発疹、搔痒、局所の発赤、刺激、びらんなどの副作用が心配されるほか、膣に内在する乳酸杆菌類をも死に至らせるものであり、さらには病原性細菌（例えば、ブドウ球菌属； Staphylococcus) のなかには、抗生物質類に対する耐性を獲得するものがあるため、抗生物質投与によりこれらの疾患を治療することも難しくなつてきている。一方、特開平 11— 322621号公報においては、膣感染症の治療に、死亡したものを補充するという考えからと推測されるが、例えば、ラクトバシルス ' カセィ（カセィ菌； Lactobacillus casei) 、ラクトバシルス ' ガスセリ (Lactobacillus gasseri) 、ラクトノシレス 'フエレミンツム (Lactobacillus fermintum) ,ラクトバシルス ·カセィ ·シュ一ドプラン夕ルム亜種（Lactobaci llus casei subs. Puseudoplantarum) およびラクトバシルス · クリスパッス (Lactobacillus crispatus) などの乳酸杆菌類を使用することを提案している。しかしながら、抗生物質の乱用、さらには免疫力の低下や性行動の活発化などによって、細菌性膣症、クラミジァ顏管炎、トリコモナス膣炎、カンジダ膣炎などに罹患する女性は増加しているが、多くの女性は、これらの罹病により婦人科医を受診することに躊躇いを感じ、症状を悪化させるケースも増えている。発明者はこのような状況を改善するために、従来技術を踏まえ、罹患者が家庭内において、膣内の自浄作用を回復させ、膣内に細菌、真菌、原虫などが侵入することを防止し、進入したものを殺菌することのできる、取り扱いが容易で毒性が無く、より効果の優れた洗浄剤を開発し、罹患者が自己治療できる、すなわち、膣洗浄が自分でできるようにすべく検討を行ったのである。その結果、発明者は、腸内微生物の状態を改善する効果を有するとされ市販されている、乳酸菌が産生ないし分泌すると推定される物質（以下、乳酸菌醱酵液エキスという。）が、上記課題を解決し、細菌性膣症、クラミジァ類管炎、トリコモナス膣炎、カンジダ膣炎などに罹患した女性の膣内の洗浄剤として優れたものであること、更には、それらの膣感染症の治療薬として有効であることを見出してこの発明を完成したのである。発明の開示すなわち、この発明の請求項 1に記載の発明は、

複数の乳酸菌の共棲培養によって、豆乳を発酵させて得た豆乳醱酵液からなること

を特徴とする膣内洗浄剤である。また、この発明の請求項 2に記載の発明は、

複数の乳酸菌の共棲培養によって、豆乳を発酵させて得た豆乳醱酵液をアルコール抽出して得たエキスからなること

を特徴とする膣内洗浄剤である。また、この発明の請求項 3に記載の発明は、

複数の乳酸菌の共棲培養によって、豆乳を発酵させて得た豆乳醱酵液を殺菌した後、アルコールを加え、半年以上の期間を掛けてアルコールによる抽出を行なって得られたエキスからなること

を特徴とする膣内洗浄剤である。また、この発明の請求項 4に記載の発明は、

複数の乳酸菌の共棲培養によって、豆乳を発酵させて得た豆乳醱酵液をアルコール抽出して得たエキスからなるものであって、

前記エキスが下記の条件で測定した液体クロマトグラフによる保持時間が、 1 0分以上の成分を総計で 20%以上含有するものであること

を特徴とする膣内洗浄剤である。

液体クロマトグラフの測定条件

カラム A s a h i p a k GS = 22 OH

移動相 100 mMりん酸ナトリゥム緩衝液

流】 1. 0 / m i n

カラム温度温度 40°C また、この発明の請求項 5に記載の発明は、

前記エキスが下記の条件で測定した液体クロマトグラフによる保持時間が、 7 分以上の成分を総計で 25 %以上含有するものであること

を特徴とする膣内洗浄剤である。

液体クロマトグラフの測定条件

カラム： As ah i p ak GS = 22 OH

移動相： 100 mMりん酸ナトリゥム緩衝液

,流量： 1. 0 Zm i n

カラム温度：温度 40°C また、この発明の請求項 6に記載の発明は、複数の乳酸菌の共棲培養によって、豆乳を発酵させて得た豆乳醱酵液をアルコール抽出して得たエキスからなるものであって、

前記エキスが下記の条件で測定した液体クロマトグラフによる保持時間が、 7 分以上の成分を総計で 2 5 %以上、 1 0分以上の成分を総計で 2 0 %以上含有するものであること

を特徴とする膣内洗浄剤である。

液体クロマトグラフの測定条件

カラム A s a h i p a k G S = 2 2 O H

移動相 1 0 0 mMりん酸ナトリゥム緩衝液

1 , 0 /m i n

カラム温度温度 4 0 °C 図面の簡単な説明

第 1図は、この発明における乳酸菌醱酵液エキスの液体クロマ

一卜である。発明を実施するための最良の形態この発明に係る膣内洗浄剤は、豆乳醱酵液を有効成分とするものであって、豆乳醱酵液としては、複数の乳酸菌の共棲培養によって、豆乳を発酵させて得られる豆乳発酵液、好ましくは 1 0 0時間〜 3 0 0時間程度培養して得られる豆乳醱酵液そのものである。より具体的には、豆乳発酵液エキス以外に種々の挟雑物を含むもの、又は固液分離して得た固体や液体で、豆乳発酵液エキスを含むものが挙げられるが、豆乳発酵液エキスを有効に利用するためには、有機溶媒で抽出されたエキスを有効成分とするものが好ましい。より好ましくは、複数の乳酸菌の共棲培養によって、豆乳を発酵させて得られる豆乳発酵液を、アルコール抽出して得られるエキスを成分とするものである。共棲培養による醱酵で得られる豆乳醱酵液中に存在する、乳酸菌が産生ないし分泌すると推定される物質（以下、豆乳発酵エキスという。）が、人間の健康に優れた効果を奏することは知られており、また、それらを含む市販品も少なからず販売されている。この発明における豆乳醱酵液エキスは、複数の乳酸菌による共棲培養によって豆乳を醱酵させた豆乳醱酵液から得られるもの、特に、その豆乳醱酵液からアルコール抽出により得られるもので、アルコール抽出の条件としては、

1 ) アルコールとしては、食品とされることからエタノールであることが望ましく、豆乳醮酵液に等量程度加えて抽出する。

2 ) 抽出に使用する豆乳醱酵液には、滅菌されたものが用いられ、滅菌方法としては、加熱滅菌ゃ菌体破壊滅菌などの方法が採用される。

のような条件が挙げられる。前記の抽出は、加熱下に行うことも可能であるが、熱による変質を避けるために常温で行うのが好ましく、また、長期に亘る光の影響も避けるために、冷暗所で行うのが好ましい。この抽出を常温下で行うと、抽出の速度が遅いことが予測されるが、豆乳醱酵液から優れたエキスを得るためには、半年以上、好ましくは 1年以上という長期間をかけて抽出を行うのが好ましく、それだけの時間をかけることにより優れた豆乳菌醱酵液エキスが得られる。複数の乳酸菌による共棲醱酵によって得られた豆乳醱酵液を、滅菌したのちにアルコールを加え、半年以上の期間をかけてエキスを抽出すると、後述の実施例で明らかにされるように、特定の条件で測定した液体クロマトグラフによる保持時間が 1 0分以上の成分が総計で 2 0 %以上、好ましいものは 2 5 %以上存在する豆乳醱酵液エキスが得られるもので、また、その成分の種類も増加する。なお、成分に関して、さらに詳細に定義すれば、液体クロマトグラフによる保持時間が 7分以上の成分が総計で 2 5 %以上、好ましくは 3 0 %以上存在する豆乳醱酵液エキス、又は液体ク口マトグラフによる保持時間が 7分以上の成分が総計で 2 5 %以上、 1 0分以上の成分が総計で 2 0 %以上の豆乳醱酵液エキス、好ましくはそれぞれ 3 0 %以上、 2 5 %以上存在する豆乳醱酵液エキスである。なお、抽出を長期に渡って行なえば、豆乳醱酵液エキス中における、それぞれの成分は、徐々に増加していくが、抽出効果が低下し、抽出操作が効率的でなくなるので、通常は、それらの成分が 4 0 %以下、 3 5 %以下、好ましくは 3 5 % 以下、 3 0 %以下のものが用いられる。この発明の膣内洗浄剤である、豆乳醱酵液又はそのエキスは、そのまま又は希釈して外陰部に塗布することによって、あるいはガーゼなどに染み込ませ、それを患部に貼付しておくことによって、さらには膣内にスポィトなどを用いて送入散布し、綿球やタンポンなどを暫く挿入しておくことにより、膣壁を清浄化することができるものである。この発明の豆乳醱酵液又はそのエキスは、健康維持食品として幅広く摂取されているもので、副作用が認められないとともに、塗布量に厳しい制限の課せられるものでなく、自由に使用することが可能であるので、この発明の膣内洗浄剤は毎日でも、隔日でも、数日おきに使用しても良く、それにより、膣内が清浄化され、細菌性膣症、クラミジァ類管炎、トリコモナス膣炎、カンジダ膣炎などの症状が緩和され、あるいは消滅する。

<実施例 >

以下、この発明の膣内洗浄剤を、実施例に基づいて更に詳細に説明する。

実施例 1

<醱酵液エキスの調製 >

下記表 1に示される、 4種 4群に組み合せの乳酸菌と酵母を用意する。

なお、表中、 A， Bとか 1 , 2 , 3， 4は、菌株が異なることを意味している, 表 1

それぞれの群の乳酸菌を、豆乳を培養基として、温度 2 0 °Cから温度 4 0 °Cに徐々に昇温しながら別個に 4 8時間培養した。

4 8時間培養したのち、 1つの容器に移し、温度 2 0 °Cから温度 4 0 °Cに徐々に昇温しながら、さらに 9 6時間培養した。

培養が完了して得られた豆轧醱酵液を加熱殺菌した後、等量のアルコールを加え、冷暗所に 1年間保管し抽出を行った。

抽出後の豆乳醱酵液をろ過し、固液分離し、微黄色透明の豆乳醱酵液エキス I を得た。得られた醱酵液エキスを、液体クロマトグラフを用いて、以下の条件で分析した結果を、表 2及び図 1に示す。

液体クロマ卜グラフの測定条件

カラム As ah i p ak GS = 22 OH

移動相 100 mMりん酸ナトリゥム緩衝液

1. 0 /m i n

カラム温度温度 40°C

検出器：紫外分光光度計

検出波長： 210 nm 表 2

<洗浄効果確認試験一 1>

膣分泌物の増加や悪臭を訴えて受診してきた 19歳から 29歳までの女性 7名の外来患者に、インフォ一ムドコンセントを得た後、上記で得られた醱酵液ェキス l c cを、膣内を直視しながらスポイトで、膣壁に満遍なく散布、その後高圧殺菌済の綿球を挿入、 4時間後に抜去（自分で）した。

膣内洗浄をするに際し、膣内の膣分泌物（vaginal discharge) を採取、クラミジァ、トリコモナス、カンジダの検査を施行し、クラミジァ、トリコモナス、力ンジダがいずれも陰性で、黄色アミン臭の膣分泌物のあるものを臨床的に細菌性膣症と診断した。上記 7名の内訳は、細菌性膣症 5名、クラミジァ穎管炎 1名、カンジダ膣炎 1名であった。各患者における洗浄効果は、以下のとおりであった。なお、試験期間は、平成 14年 3月から 4月にかけて行った。

1) 患者（A. M. ) 20歳細菌性膣症

3月 28日 ' 初回洗浄黄色膣分泌物、臭い多し

3月 30日 2回目洗浄膣分泌物、臭いともやや減少（初回より 2日後） 4月 6日 3回目洗浄膣分泌物、臭いとも 100%改善（初回より 8日後）

4月 9日 4回目洗浄膣分泌物、臭いとも 100 %改善状態が維持

2) 患者（F. Y. ) 29歳細菌性膣症

4月 9日初回洗浄黄色膣分泌物、臭い多し

4月 1 1日 2回目洗浄変化なし（初回より 2日後）

4月 13日 3回目洗浄膣分泌物、臭いとも 50%改善（初回より 4日後） 4月 15日 4回目洗浄膣分泌物、臭いとも 50 %改善状態が維持

3) 患者（Y. E. ) 19歳細菌性膣症

4月 9日初回洗浄黄色膣分泌物、臭い多し

4月 11日 2回目洗浄膣分泌物、臭い変化なし（初回より 2日後） 4月 15日 3回目洗浄膣分泌物 30%減少、臭い 40%改善 ) 患者（Y. C. ) 24歳細菌性膣症

3月 8日初回洗浄黄色膣分泌物、臭い多し

3月 12日 2回目洗浄膣分泌物、臭いともやや減少（初回より 4日後） 3月 15日 3回目洗浄膣分泌物 50%、臭い 100%改善

3月 22日 4回目洗浄膣分泌物 50%、臭い 100 %改善状態が維持 ) 患者（ . ：《. ) 29歳細菌性膣症

3月 5日初回洗浄黄色膣分泌物、臭い多し

3月 1 1日 2回目洗浄膣分泌物、臭いともやや減少（初回より 6日後） 3月 14日 3回目洗浄膣分泌物、臭いさらに改善（初回より 9日後） 3月 22日 4回目洗浄膣分泌物、臭いともに 100%改善

6) 患者（M. S. ) 21歳クラミジァ類管炎

4月 6日初回洗浄黄色膣分泌物、臭い多し

4月 8日 2回目洗浄膣分泌物、臭いともやや減少（初回より 2日後）

4月 9日 3回目洗浄膣分泌物 40%、臭い 100%改善

4月 12日 4回目洗浄膣分泌物 40 %、臭い 100 %改善状態が維持

7) 患者（S. M. ) 27歳カンジダ膣炎

3月 8日初回洗浄白色膣分泌物多し

3月 1 1日 2回目洗诤膣分泌物やや減少（初回より 3日後）

3月 14日 3回目洗浄膣分泌物 80 %減少（初回より 6曰後）

4月 15日 4回目洗浄膣分泌物、臭いとも 50 %改善状態が維持

<洗浄効果確認試験 - 2 > 悪臭を伴う帯下を主訴として来院した患者の中から、

1. 灰色帯下

2. 膣内 pH>4. 5 (5. 0)

3. ァミン臭の検出

4. C l u e c e l lの検出（上皮細胞の 20 %以上）

の症状の内、 3項目が陽性であった者 30名の内、一週間通院治療が可能な者 2 3名に対して、インフォームドコンセントを得た後、上記で得られた醱酵液ェキスを経膣投与し、通院不可能の者 7名に対しては、クロマイ膣錠を投与した。悪臭や帯下の程度の評価方法としては、 VAS (V i s u a l An a l og S c a l e) を用いて、外来で被験者に自ら評価させた。

評価の結果は表 3 (醱酵液エキス投与）、表 4 (クロマイ膣錠）に示したが、その結果以下のことが明白となった。

1) 醱酵液エキスを経膣投与した群では、投与後一週間は投与前と比較して、有意に悪臭や帯下の程度が低下していた（それぞれ、 P<0. 001、 P<0. 0

01) 。

2) クロマイ膣錠を投与した群では、投与後一週間は投与前と比較して、有意に悪臭や帯下の程度が低下していた（それぞれ、 p = 0. 0016、 P=0. 00

18) 。

3) 悪臭や帯下の程度の変化を％減少率 [ (投与前 -投与後） Z投与前] で表した場合、醱酵液エキスを経膣投与した群とクロマイ膣錠を投与した群で、統計学的に有意の差はなかつた。

4) 結論として、醱酵液エキスの経膣投与は、クロマイ膣錠に劣らない治療効果が得られるもので、副作用の全く認められないものであった。 OAV7〕Kd< :

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表 4

産業上の利用分野

複数の乳酸菌による共棲培養で豆乳を醱酵させて得られた豆乳醱酵液、特に以上のような構成の豆乳醱酵液エキスについては、成分の同定もある程度行われ、核酸、アミノ酸、ビタミン類などが成分として挙げられているが、未知の状態にあると言えるものである。また、豆乳醱酵液エキスが有している機能についても、腸内微生物の状態を改善し、ホルモンの合成、ビタミンや酵素の合成、コレステロールの代謝、血糖値の調節、血圧の調整などを行うのを助けることなどの働きが知られ、あるいは、肝炎、慢性関節炎、アトピー性皮膚炎、狭心症、さらには各種の癌に対する抗癌作用など種々の効能が挙げられているが、具体的に薬理効果が認められているものは少ないのが現状で、この発明の奏する効果の作用機序についても現在明らかではない。しかしながら、上記の臨床結果から明らかなように、この発明の膣内洗浄剤である豆乳醱酵液又はそのエキスは、細菌性膣症、クラミジァ類管炎およびカンジダ膣炎に対して有効な薬剤（洗浄剤）であり、し力 ^も、その効果は速効性であり、投与 3日目位から明らかな症状改善を示した。投与しない期間が一週間以上であつても、効果を持続するという優れたものである。このような効果は、従来の有効率が 6 0 %程度の乳酸菌錠剤や、約 5 0 %の有効率で、洗浄剤としての使用時に違和感 ·不快感のある乳酸菌を含むヨーグルトに比して格別に優れたものである。また、乳酸菌が産生する乳酸などよりも 3 0 日を治療効果判定エンドポイントとした場合、効力において優れ、皮膚表面の改善においても明白な差を有するものである。また、この発明の膣内洗浄剤である豆乳醱酵液又はそのエキスは、市販されているク口マイ膣錠に劣らない治療効果が得られるもので、副作用の全く認められないものであった。以上のことから明らかなように、腸内微生物の状態を改善する効果を有するとされ、市販されている、乳酸菌が産生ないし分泌すると推定される物質（以下、乳酸菌醱酵液エキスという。）は、細菌性膣症、クラミジァ顏管炎、トリコモナス膣炎、カンジダ膣炎などに罹患した女性の膣内の洗浄剤として優れたものであること、更には、それらの膣感染症の治療薬として有効なものであり、医療、更には医薬、製薬の分野で幅広く利用され得るものである。

Claims

請求の範囲

1. 複数の乳酸菌の共棲培養によって、豆乳を発酵させて得た豆乳醱酵液からなること

を特徴とする膣内洗浄剤。

2. 複数の乳酸菌の共棲培養によって、豆乳を発酵させて得た豆乳醱酵液をアルコール抽出して得たエキスからなること

を特徴とする膣内洗浄剤。

3. 前記アルコール抽出は、

殺菌された豆乳発酵液にアルコールを加え、半年以上の期間を掛けて行なわれるものであること

を特徴とする請求項 2記載の膣内洗浄剤。

4. 前記エキスは、

下記の条件で測定した液体クロマトグラフによる保持時間が、 10分以上の成分を総計で 20 %以上含有するものであること

を特徴とする請求項 2又は 3記載の膣内洗浄剤。

液体クロマトグラフの測定条件

カラム： As ah i pak GS= 22 OH

移動相： 100 ηιΜりん酸ナトリウム緩衝液

流量： 1. 0 Zm i n

カラム温度：温度 40°C

5. 前記エキスは、下記の条件で測定した液体クロマトグラフによる保持時間が、 7分以上の成分を総計で 25 %以上含有するものであること

を特徴とする請求項 2又は 3記載の膣内洗浄剤。

液体クロマトグラフの測定条件

カラム A s a h i p a k GS = 22 OH

移動相 100 mMりん酸ナトリゥム緩衝液

流量 1. 0 / m i n

カラム温度温度 40 °C

6. 前記エキスは、

下記の条件で測定した液体クロマトグラフによる保持時間が、 7分以上の成分を総計で 25%以上、 10分以上の成分を総計で 20%以上含有するものであること

を特徴とする請求項 2又は 3記載の膣内洗浄剤。

液体クロマトグラフの測定条件

カラム： As ah i p ak GS = 22 OH

移動相： 100 mMりん酸ナトリゥム緩衝液

流量 : 1. 0 /m i n

カラム温度：温度 40°C