JP4193330B2 - 新規な感染症対応型乳酸菌および該乳酸菌を主成分とした乳酸菌製剤 - Google Patents

新規な感染症対応型乳酸菌および該乳酸菌を主成分とした乳酸菌製剤 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、病原菌に対する生育阻害作用のみならず、病原菌の毒性減弱作用を示す抗生物質を産生するラクトバチラス カゼイ(Lactobacillus casei) 、該乳酸菌を主成分とした乳酸菌製剤、並びに人、動物および植物の、保健剤、感染症の予防剤および治療剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
抗生物質の歴史は、1928年ロンドンのセントメリー病院の研究室でエイ.フレミング(A. Fleming)がシャーレ上に偶然に生えた青カビの周りで、ブドウ球菌の発育が阻止されているのを観察したことに始まる。奇跡の薬「ペニシリン」の開発への幕開けとなった出来事であった。それ迄は見えない敵の猛威を前にただただ怯えるしかなかった。
【0003】
有史以来、すさまじい伝染病が多くの人々を殺し、軍隊を襲い、社会組織を破壊し、文明の盛衰に影響を与えた。特に恐れられたのはペストであった。黒死病と呼ばれ、全身の皮膚が黒紫色になって死んでいく、正に死病であった。中世ヨーロッパにおいて、しばしば大流行し、当時のヨーロッパの全人口の1/4がペストによって死亡したといわれている。その繰り返される流行により、当時支配していた社会体制や精神構造までもが崩壊し、それが米大陸への移民へと展開していったのも歴史的事実である。
【0004】
抗生物質の発見で、人類は病原体との闘いにおいて、輝かしい勝利への第一歩を踏み出したのである。それ以来、医薬品の開発でも治療の分野でも、抗生物質万能の概念が生まれ、今日までその考え方は細菌学のみならず、医学の源流となって脈々と受け継がれてきている。事実、次々と発見、開発される各種の抗生物質により、細菌によって起こる疾病からわれわれ人類を開放してくれたかに見えた。しかしながら、その劇的な効果を擁して、魔法の弾丸ともてはやされた抗生物質も、現在は徐々に翳りが見え始めてきた。
【0005】
すなわち、抗生物質が化学療法剤として広く利用されるようになってから、病院を中心にその薬剤に抵抗する細菌が次々と見つかってきた。そのため、これら耐性菌にも有効な新規抗生物質の開発が必要となり、そこに多くの労力が注がれていったのである。しかし、せっかく新しい抗生物質が登場しても、その投与が始まると、それに対する耐性菌が程なく現れてくる。薬剤の使用そのものが感受性菌を死滅させ、生き残った耐性菌の繁殖を促しているのである。従って、新規抗生物質をどんなに開発しても耐性菌の出現は避けられず、薬と菌とのいたちごっこが続いている。細菌は30数億年前に原始の海に誕生して以来、地球の環境の大変化にも耐え、存続をかけ培ってきた「変身の術」を駆使して薬剤耐性を獲得した。このメカニズムは以下のパターンに大別される。a)抗生物質を加水分解や側鎖を修飾する酵素を産生して不活化する。b)質的に変化して抗菌剤の結合親和性を低下させる。c)阻害を受ける標的の量的増加により抗菌剤の効果をなくす。d)薬剤の細胞内への透過性を抑制する。そして今や医療の現場で大問題となっている多剤耐性菌、例えば結核菌、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌:Methicillin Resistance Staphylococcus Aureus)、VRE(バンコマイシン耐性腸球菌:Vancomysin Resistance Enterococcus)、緑膿菌など、の出現と蔓延で、実際のところ人間側が敗北寸前なのである。
【0006】
折りしも、我が国においては高齢化社会を迎えて疾病予防の必要性が再認識され、今や視線は「予防医学」へと注がれ、病気になってから治療するのではなく、病気を未然に防ぐこと、自分の健康は自分で守るという考え方が主流になってきている。それにも関わらず、医療の現場も含めて我々の意識は未だ感染症=抗生物質の等式から抜け出せないのである。これが実は問題なのである。腸内には、100種100兆個もの腸内細菌が生息してその全重量は1kgにも及び、人の細胞総数60兆個よりはるかに多い。そして、人々および動物の健康や疾病に深く関わっていることが長年にわたる疫学的調査や研究により次第に明らかになり、専門家は腸内細菌叢を一つの重要な臓器と位置付けている。中でも善玉菌と称せられるラクトバチラス (Lactobacillus)属やビヒドバクテリウム(Bifidobacterium) 属は免疫機能を正常にしたり、高めたりする作用を始めとして、様々な有益作用を担っているのであるが、抗生物質の投与により、これらが破壊される。特に高齢者は、そうでなくとも加齢と共に免疫力の低下は免れず、感染症に罹る→抗生物質の投与→腸内細菌叢の破壊(善玉菌の激減、菌交代現象の発現、副作用)→免疫力のさらなる低下→感染症への悪循環に陥ることとなる。人の寿命120歳説などは夢のまた夢である。
【0007】
このため、先ず考えられる手段は、乱雑な抗生物質の使用を止め、計画性をもって使用することである。例えば、多剤耐性の結核菌に最近エタンブトールという薬がよく使用される。この薬は最近発見されたものではなく、1950年代にすでに開発され、使われていたものであるが、顕著な副作用があるため(腎障害など)敬遠されていたのである。エタンブトールには耐性菌が出にくいこともあるが、あまり使われていなかったので耐性菌が少ないからである。それにつけても副作用の点で見捨てられていた薬を止むなく使わねばならない現状は、はからずも人と細菌との闘いで、人の側の苦戦が垣間見られる。
【0008】
ある特定の抗生物質の使用を長期にわたって中断してみると、菌の側でも武装解除して、その抗生物質に対して耐性を示さないものが大勢を占めてくる。また、耐性獲得に関与するRプラスミドを落とすものも出てくる。多剤耐性菌は幾種類もの抗生物質を破壊したり、不活化する酵素をつくっている。抗生物質の存在するところでは、この性質は大層有利である。しかし、抗生物質のないところでは、無用の長物で、これらの破壊酵素を沢山産生するということは身軽な感受性菌との生存競争に遅れをとってしまう。従って、徐々にではあるが、これらの酵素をつくらなくなり、感受性菌へと変化していくのである。
【0009】
前記エタンブトールと同様、クロラムフェニコールも副作用の点で、使用が大幅に制限されていた。制限前は日本で見つかる赤痢菌の過半数はクロマイ耐性であったが、使用が制限されてから、十数年を経過した調査では10%以下となった。これらの事実から、抗生物質の乱用を慎めば耐性菌も減ってくる。抗生物質も効果を取り戻してくる。耐性菌の問題を解決するためには、慎重に薬を使うことが何よりも大切である。
【0010】
次の手段は、細菌に対して多量の抗生物質を投与して撲滅するという「力による政策」を転換することである。病原菌といわれる菌は厖大な数の細菌の中でも極めて少数派で、そのまた少数が実際に感染を起こし、そのまた例外的に少数部分が感染から感染症へと展開する。圧倒的大多数の細菌は無害か有益菌なのである。一部のアウトローの病原菌のために細菌全体を皆殺しにするようなことは、人一人を抹殺するのに核兵器を使うようなものである。
【0011】
この地球上に生息する生物は、相互に影響し合って生活している。競合関係であれ、共生関係であれ、結果として地球上では生物学的に調和のとれた状態が保たれていることに想いを馳せるべきである。極く少数派の病原菌も歴史的に見れば、その毒力は時の流れと共に変化している。当初、とてつもなく強い病原菌(またはウィルス)が出現し、大流行し、その後次第に弱いタイプに置き換わっていく現象が通例である。ペスト菌、コレラ菌(アジア型→エルトール型)、赤痢菌(志賀型→フレキシネル型)も梅毒スピロヘータもしかりである。その理由として、感染を受ける人の方もいろいろな生体防衛機能を総動員して対処することにもあるが、細菌の方も種の存続をかけて変貌するからである。
【0012】
強毒の菌は、人や動物を住み家として栄養を横取りして子孫を殖やしていくのであるが、宿主が死んでしまうと、それで終わりである。元も子もなくなる。一方、毒力の弱い菌は宿主が死ぬわけではないので、長期的に栄養の補給を受けて子孫も繁栄する。突然人類を襲う強毒の新型病原菌の多くは、元々動物の中に共存していたもので、それが偶然人に取りつき、環境の激変により強毒を出して殺してしまう。これが新型強毒伝染病の流行の出発点となる。その内、遺伝子受渡しなどにより環境に適応した弱毒型に変異した病原体が種の存続という本能ゆえに大勢を占めてゆく。細菌は単細胞生物であるが、人よりはるかに賢くて、したたかである。細菌は人(宿主)と共存共栄を図ろうとしている。それを拒まず歩み寄り、手をさしのべるべきである。つまり、自然界では徐々に進捗する強毒性から低毒株または無毒株への変換に手を貸して促進してやればよいのである。その促進物質なるものは、はたしてあるだろうか、あるとしたら何処にあるのだろうか。
【0013】
かってのペストやコレラの大流行、また最近の堺市でのO−157の学校給食による集団食中毒の発生の例でもわかるように、体内に同じように菌が侵入しても全員が発病したわけではなかった。また、発病しても重症に陥る人もいれば、軽症のまま経過する人もいる。これらの事実は何を物語っているのであろうか。単に、個人の免疫力の強弱、侵入菌の多寡、感染のタイミングなどで片づけられる問題であろうか。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上記の如き、従来の抗生物質の弊害、すなわち薬剤耐性菌、薬剤アレルギー、副作用、常在菌叢の異常にまつわる諸問題を解決し、一掃することが、現在の感染症対策として求められていた。
【0015】
【課題を解決するための手段】
人と菌との関わりの最大拠点は前記した如く腸内である。人には100種100兆個もの膨大な量の腸内細菌が住み着いている。恐らく人類誕生以来、腸内細菌と人とは共存関係にあったものと思われる。それが今日迄、脈々と受け継がれてきている。存在するものには必ず存在する理由がある。人の細胞総数60兆個よりはるかに多い腸内細菌が存在するということは、これが人の生命にとって欠け替えのないものとして考えるのは当然のことであり、腸内細菌のある種の菌が侵入してくる病原菌を別に殺さずとも、穏やかな性質にせしめたり、その毒性を減弱化または無効にするような働きを行っているのではないか。例えていえば、極悪人を矯正施設に入れ、心を正しくして社会復帰せしめたり、毒ヘビの牙を抜いてただの無毒のヘビにするような働きである。このような特別な菌が腸内に定着しているかどうか、またこのような菌にとって住みよい腸内環境であるかどうかが、体内に病原菌が侵入しても感染する人、感染しない人、また感染が成立してもその経過に大差が生じる大きな理由ではなかろうかとの推論に基づいて、本発明者らは腸内細菌を構成する菌群に着目した。
【0016】
なかでも、非病原性が確立されメチニコフの時代から、いやもっと古来から、体によいといわれ代々伝承されてきた乳酸菌、すなわち非病原性が確立され、粘膜親和性が高く腸内、口腔内、膣内を始め、自然界の極めて広い範囲を生活圏としているラクトバチラス属にターゲットを絞り、精力的に分離して調査することからスタートした。ラクトバチラス属のなかには抗生物質を産生する菌株が存在することは既知のことであり、すでに幾つか結晶として抽出され命名もされた。しかしながら、正当な評価を得られぬまま第3世代の抗生物質のなかに埋もれ、返り見られることはなかったようである。細菌を殺すことを主眼とする従来型の抗生物質の価値観では多分C級であったのであろう。別の視点から眺めれば超A級となりうる性質のものであったかも知れない。従って、ラクトバチラス属の中、アシドフィラス(L. acidophilus)、カゼイ(L. casei)、ブレービス(L.brevis)、サリバリウス(L.salivalius)、プランタラム(L. plantarum)、ファーメンタム(L. fermentum)のように腸内定着性を有する菌種を中心にその産生する抗生物質を洗い直すことから始めた。そして結果として、カゼイ種の中に本発明者らが求める「毒性減弱型抗生物質」を産生している菌株が存在していることを突き止め、その効能、効果を確認して終に本発明を成就せしめ得たのである。
【0017】
すなわち、病原菌に対して生育阻害作用および毒性減弱作用を示す抗生物質を産生し、既知の抗生物質に対して抵抗性を有していることを特徴とするラクトバチラス カゼイ(Lactobacillus casei)であって、既知の抗生物質が、β−ラクタム系抗生物質、アミノグルコシド系抗生物質、マクロライド系抗生物質、テトラサイクリン系抗生物質、キノロン系抗生物質およびグリコペプチド系抗生物質の少なくとも1種または2種以上であることが好ましく、ラクトバチラス カゼイが、FERM BP-6972、FERM BP-6971およびFERM BP-6973の少なくとも1種または2種以上であることが特に好ましい。また、病原菌は、病原菌がブドウ球菌 (Staphylococcus aureus) 、連鎖球菌 (Streptococcus pyogenes) 、サルモネラ菌 (Salmonella enteritidis) 、肺炎桿菌 (Klebsiella pneumoniae) 、腸球菌 (Enterococcus sp.) 、枯草菌 (Bacillus sp.) 、クロストリヂウム (Clostridium sp.) 、コリネバクテリウム (Corynebacterium sp.) 、抗酸菌 (Micobacterium sp.) 、リステリア (Listeria sp.) 、ナイセリア (Neisseria sp.) 、ブランハメラ (Branhamella sp.) 、ビブリオ (Vibriosp.) 、赤痢菌 (Shigella sp.) 、大腸菌 (Escherichia sp.) 、エンテロバクタ (Enterobacter sp.) 、シュードモナス (Pseudomonas sp.) 、バクテロイデス (Bacteroides sp.) 、カンジダ (Candida sp.) 、クリプトコッカス (Cryptococcus sp.) 、トリコフィトン (Trichophyton sp.) およびアスペルギルス (Aspergillus sp.) であることが好ましい。
【0018】
本発明の第二は、毒性減弱作用として、溶血性を示す病原菌に接触させたとき、該病原菌の溶血性を減弱させる作用を有することを特徴とする前記ラクトバチラス カゼイであ
【0019】
本発明の第三は、毒性減弱作用として、自然発生的にS−R変異を示す病原菌に接触させたとき、その変異を促進させる作用を有することを特徴とする前記ラクトバチラス カゼイであ
【0020】
本発明の第四は、病原菌に対して生育阻害作用および毒性減弱作用を示す抗生物質を産生し、既知の抗生物質に対して抵抗性を有しているラクトバチラス カゼイを主成分とすることを特徴とする乳酸菌製剤であって、既知の抗生物質が、β−ラクタム系抗生物質、アミノグルコシド系抗生物質、マクロライド系抗生物質、テトラサイクリン系抗生物質、キノロン系抗生物質およびグリコペプチド系抗生物質の少なくとも1種または2種以上であることが好ましく、ラクトバチラス カゼイが、FERM BP-6972、FERM BP-6971およびFERM BP-6973の少なくとも1種または2種以上であることが特に好ましい。また、病原菌は、病原菌がブドウ球菌 (Staphylococcus aureus) 、連鎖球菌 (Streptococcus pyogenes) 、サルモネラ菌 (Salmonella enteritidis) 、肺炎桿菌 (Klebsiella pneumoniae) 、腸球菌 (Enterococcus sp.) 、枯草菌 (Bacillus sp.) 、クロストリヂウム (Clostridium sp.) 、コリネバクテリウム (Corynebacterium sp.) 、抗酸菌 (Micobacterium sp.) 、リステリア (Listeria sp.) 、ナイセリア (Neisseria sp.) 、ブランハメラ (Branhamella sp.) 、ビブリオ (Vibriosp.) 、赤痢菌 (Shigella sp.) 、大腸菌 (Escherichia sp.) 、エンテロバクタ (Enterobacter sp.) 、シュードモナス (Pseudomonas sp.) 、バクテロイデス (Bacteroides sp.) 、カンジダ (Candida sp.) 、クリプトコッカス (Cryptococcus sp.) 、トリコフィトン (Trichophyton sp.) およびアスペルギルス (Aspergillus sp.) であることが好ましい。
【0021】
本発明の第五は、毒性減弱作用として、溶血性を示す病原菌に接触させたとき、該病原菌の溶血性を減弱させる作用を有するラクトバチラス カゼイを主成分とすることを特徴とする前記乳酸菌製剤であ
【0022】
本発明の第六は、毒性減弱作用として、自然発生的にS−R変異を示す病原菌に接触させたとき、その変異を促進させる作用を有するラクトバチラス カゼイを主成分とすることを特徴とする前記乳酸菌製剤であ
【0023】
本発明の第七は、前記第四、第五または第六の乳酸菌製剤からなることを特徴とする、人、動物または植物の、保健剤、感染症の予防剤または治療剤であ
【0024】
本発明の第八は、前記第四、第五または第六の乳酸菌製剤および既知の抗生物質からなることを特徴とする、人、動物または植物の、保健剤、感染症の予防剤または感染症の治療剤であって、既知の抗生物質が、β−ラクタム系抗生物質、アミノグルコシド系抗生物質、マクロライド系抗生物質、テトラサイクリン系抗生物質、キノロン系抗生物質およびグリコペプチド系抗生物質の少なくとも1種または2種以上であることが好ましい。なお、本発明に使用のFERM BP-6972、FERM BP-6971およびFERM BP-6973は、平成11年1月18日に、ラクトバチラスカゼイの変異株として、本発明者がラクトバチラス クリアランスと命名し、通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所特許微生物寄託センターに寄託した菌株である。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明にいうラクトバチラス カゼイ(Lactobacillus casei) は、次の手順により分離した菌株である。すなわち、ラクトバチラス属の選択培地および非選択培地とを組み合わせて使用し、嫌気性下および好気性下、28℃および37℃で、人および動物の腸内、口腔内からの試料、草の葉、フルーツ、農産物、土壌などからの試料、よりラクトバチラス属を分離した。ラクトバチラス属の選択培地として変法LBS培地を、非選択培地としてBCP培地および1L(pH7.2)中にカザミノ酸5g、酵母エキス3g、ラクトース10g、CaCO3 4g、K2 HPO4 2g、MgSO4 ・7H2 O1g、クロレラCGF1g、デオキシコール酸ナトリウム3g、0.2%BTB5ml、寒天15gを溶解した培地を例示することができる。分離したラクトバチラス属は、分類学の権威書「Bergey's Manual of Determinative Bacteriology 9 Edition 」に従って、各「種」に分類した。
【0026】
分離したラクトバチラスの抗生物質産生能についての検討は、1L中にペプトン8g、肉エキス2g、酵母エキス2g、ラクトース8g、トレハロース2g、クロレラCGF3g、L−シスチン1g、K2 HPO4 2g、MgSO4 ・7H2 O1g、NaCl1g、CaCO3 5g、クエン酸二アンモニウム2g、MnSO4 ・xH2 O0.3g、FeSO4 ・7H2 O0.03g、寒天15gを溶解した培地を主に、その他2〜3種類の平板培地をつくり、その中央に分離した菌を径10〜15mmの円型に塗布して、嫌気性下および好気性下、37℃および28℃で72時間先行培養し、培養後グラム陽性菌の代表としてブドウ球菌(Staphylococcus aureus) および連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)、グラム陰性菌の代表としてサルモネラ菌(Salmonella enteritidis)および肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae) 、を供試菌として交叉割線法にて塗抹し、好気性下にて培養を継続した。48時間後、供試菌の発育がどの程度阻止されているか否かを観察することによって、抗生物質産生の有無および程度を判定し、産生している菌株のみを選択した。なお、抗生物質を産生している菌株は色々な「種」にわたって存在していた。また、本明細書に記載の病原菌は、全て株式会社メディックより分譲を受けたものである。
【0027】
発育阻害のみならず、毒素の産生を司る遺伝子に影響を及ぼすものであれば、これは「属」の垣根を越えて作用することが考えられる。従って、抗菌スペクトルを指標として、広範囲の抗菌スペクトルを有する菌株のみをピックアップした。そのため、上記抗生物質産生能の検討に用いた菌株のほか、グラム陽性菌として、腸球菌(Enterococcus sp.)、枯草菌(Bacillus sp.)、クロストリヂウム(Clostridium sp.) 、コリネバクテリウム(Corynebacterium sp.) 、抗酸菌(Micobacterium sp.) 、リステリア(Listeria sp.)について、グラム陰性菌として、ナイセリア(Neisseria sp.) 、ブランハメラ(Branhamella sp.) 、ビブリオ(Vibrio sp.)、赤痢菌(Shigella sp.)、大腸菌(Escherichia sp.) 、エンテロバクタ(Enterobacter sp.)、シュードモナス(Pseudomonas sp.) 、バクテロイデス(Bacteroides sp.) について、真菌として、カンジダ(Candida sp.) 、クリプトコッカス(Cryptococcus sp.)、トリコフィトン(Trichophyton sp.)、アスペルギルス(Aspergillus sp.) について、検討を行った。
【0028】
ラクトバチラスが産生する広範囲スペクトルを有する抗生物質が毒性減弱型であるかについての検討を、先ず溶血性について行った。菌体外毒素の多くは、その程度に差はあっても溶血性を示す。従って、抗生物質産生能の検討を行った際に、平板培地上での交叉割線法にて生育してきた病原菌の乳酸菌に近い側の菌を釣菌し、それを再び交叉割線法にて塗抹、再び乳酸菌に近い側の菌を釣菌するということを数回繰り返して、乳酸菌の産生する抗生物質に何度もさらした病原菌を血液寒天培地(羊および馬の血液を使用)に塗布して独立したコロニーを結ばせ、その溶血性の程度を観察し、原株と比較して毒性の減弱度または毒素産生の減弱度を測定した。このとき供試菌として、MRSA(Staphylococcus aureus) 、溶血性連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)、肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、赤痢菌(Shigella flexneri) を採用した。
【0029】
次に、S−R変異について検討した。すなわち、大腸菌O−157およびサルモネラ エンテリティデス(Salmonella enteritidis)を、それぞれの単独培養と乳酸菌との混合培養を行い、その結果を比較した。培養に用いた培地組成は、1L中に肉エキス10g、ペプトン10g、ブドウ糖2g、NaCl2g、CaCO3 1gを含み、pH7.2に調整した。培養は37℃で嫌気的に行い、72時間毎に継代培養することを繰り返し、その都度平板培地に希釈塗布して、菌の消長、出現コロニーがS型(原型)か変異して毒性が減弱したR型か、その割合はどうかなどを観察した。
【0030】
毒性減弱型抗生物質を産生する本発明の乳酸菌FERM BP-6973と関連した上記病原菌との培養成績を表1、表2、表3および表4に示した。表1は大腸菌O−157の単独培養成績を示した表で、20代の継代を通して菌数は、ほぼ一定の4〜5×109 個/mlであって、この間R型が出現することはなかった。一方、大腸菌O−157とFERM BP-6973との混合培養では、表2から明らかなように、FERM BP-6973の菌数の変動は小さいが、大腸菌O−157の菌数の変動は大きく、継代5代目頃からR型が出現し、以降継代を重ねるに従って、R型の割合が増加し、18代目で全ての菌がR型を形成した。それ以降継代を続けても二度とS型が復活することはなかった。
【0031】
【表1】
Figure 0004193330
【0032】
【表2】
Figure 0004193330
【0033】
表3はサルモネラ エンテリティディスの単独培養成績を示した表で、菌数は3〜5×109 個/mlであって、14代目で自然発生的にR型が出現し、20代目でその割合は5%になり、以降継代毎に増減しながら50代目で最高数値23%を記録したが、それ以降のR型の割合は20%前後で終始した。一方、表4はサルモネラ エンテリティディスとFERM BP-6973との混合培養成績を示した表で、継代を重ねるに従い、R型の割合が増加し、10代目で50%、20代目で90%、47代目で終に100%になった。それ以降も継代を続けると、ときとしてS型が復活するがその割合は1%未満であり70代を過ぎるとS型は完全に消失し、再び復活することはなかった。
【0034】
【表3】
Figure 0004193330
【0035】
【表4】
Figure 0004193330
【0036】
次に、毒性が実際に減弱しているかどうかを見極めるため、実験動物に投与した。先ず、原株の100%致死量を調べ、溶血性の減少した病原菌およびR型に変異した病原菌のいずれか1種を原株の致死量に相当する菌数を投与して、その症状の経過を詳細に観察した。投与後、無投与のマウスとほとんど変わらない経過を示すものを最終的に選択したところ、残ったのはカゼイ種のみであった。その代表株が、FERM BP-6972、FERM BP-6971およびFERM BP-6973であった。表5に実験結果の1例を示した。なお、溶血性およびS−R変異の結果と、動物実験の結果とは高い相関関係を有することが明らかになった。
【0037】
【表5】
Figure 0004193330
【0038】
本発明のラクトバチラス カゼイを培養する培地は、アミノ酸として、トリプトファン、リジン、ロイシン、シスチンが、ビタミンとして、ビタミンB1 、ビタミンC、葉酸、パントテン酸カルシウムが、ミネラルとして、亜鉛、モリブデン、マンガンが含有していることが、毒性減弱型抗生物質の産生能力に深く関与していることを突き止め、次に培地成分に上記促進物質を適量添加し、形成されるコロニーを選択することを繰り返して、より強力な菌株を採取することができた。
【0039】
また、本発明のラクトバチラス カゼイが汎用されている抗生物質に対し、抵抗性を付与することができれば、該抗生物質との併用が可能であり、従来になかった新たな治療の分野が展開してくることになる。現在汎用されている抗生物質の中、β−ラクタム系抗生物質として、ABペニシリン、セフピロムなどを、アミノグリコシド系抗生物質として、ストレプトマイシン、フラジオマイシンなどを、マクロライド系抗生物質として、エリスロマイシン、オレアンドマイシンなどを、テトラサイクリン系抗生物質として、テトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、ミノマイシンなどを、キノロン系抗生物質として、ノルフロキサシン、トスクロキシンなどを、グリコペプチド系抗生物質として、バンコマイシンなどを選んで、その感受性ディスク(昭和ディスク株式会社製)を使用して、常法に従い抵抗株を作出した。一般的にラクトバチラスは抗生物質の感受性が高く、抵抗株は出にくいといわれているが、上記した本発明のラクトバチラス カゼイに有効に作用するアミノ酸、ビタミン、ミネラルを適宜、適量使用することにより、FERM BP-6972、FERM BP-6971およびFERM BP-6973などの耐性株の作出にも成功した。
【0040】
【実施例】
次に実施例によって、本発明を具体的に説明するが、本発明の趣旨はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、製造工程を変えたり、公知の増量剤または賦型剤を使用することにより、任意の菌数が得られることはいうまでもない。また、各製剤の剤型は粉末状、顆粒状、カプセル剤など通常の剤型を適当な賦型剤と共に適宜採用することができる。
【0041】
(実施例1)
1L中にスキムミルク100g、トレハロース1gを含むpH6.8の培地5Lに本発明の乳酸菌 FERM BP-6972)を接種し、37℃、72時間、通性嫌気性にて培養した。次に該培養液(ヨーグルト)を常法に従い真空凍結乾燥して、菌製剤510gを得た。菌数を測定したところ、3×109個/gであった。ここで得られた製剤は、凍結乾燥菌体と菌産生物質を含むものである。
【0042】
(実施例2)
1L中にペプトン8g、肉エキス3g、酵母エキス2g、ラクトース7g、トレハロース3g、酢酸ナトリウム2g、KH2 PO4 2g、CaCO3 5g、MgSO4 ・7H2 O0.5g、MnSO4 ・xH2 O0.1g、FeSO4 ・7H2 O0.02g、Tween80 1gを含有するpH7.2の培地10Lに本発明の乳酸菌(多剤耐性のFERM BP-6972)を接種し、37℃、72時間、通性嫌気性にて培養した。培養後、培養液をペーパーろ過し、CaCO3 を除去した後、ろ過液2Lを冷蔵保存し、残液を遠心分離し、菌塊9.2gを得た。該菌塊を500mlの生理食塩水でよく洗浄し、再度遠心分離し、集菌した。得られた清浄菌体をスキムミルク50g、豆乳500ml、トレハロース40g、タウリン2gよりなる保護液に添加し、攪拌した後、常法により真空凍結乾燥して、菌製剤154gを得た。菌数を測定したところ、2×1010個/g(菌体+保護剤)であった。ここで得られた製剤の中、凍結乾燥菌体は菌体と保護剤を含むものであって、菌数は2×1010個/gであり、また培養液は菌体と菌産生物質を含むものであって、菌数は3×109 個/mlであった。
【0043】
(試験例1)
感染症の原因菌が同じで類似の症状を呈している患者15名をそれぞれ5名ずつ、急性大腸炎、急性膀胱炎および急性気管支炎の3グループに分けた。各グループの治療方法は、A−グループでは抗生物質のみ1000mg/日を5日間投与し、B−グループでは抗生物質500mg/日を5日間投与すると共に実施例2と同様の方法で製造した該抗生物質耐性のFERM BP-6972の菌数が5×109 個/gの凍結乾燥菌製剤2g/日を10日間投与し、C−グループでは初めに抗生物質のみ1000mg/日を投与し、急性症状が緩和された時点で中止し(通常2〜3日間)、実施例2の方法で製造した該抗生物質耐性のFERM BP-6972の菌数が5×109 個/gの凍結乾燥菌製剤2g/日を10日間投与した。10日間にわたる各グループの治療成績を平均化して表6に示した。表6から明らかなように、急性感染症の対処法として、従来の抗生物質投与に加え、本発明の乳酸菌製剤を併用させることによって、あるいは抗生物質投与後に本発明の乳酸菌製剤を使用することによって、▲1▼抗生物質の投与量を減少することができる、▲2▼症状の軽減、緩和、さらには回復が早くなり、しかも体感するところの副作用がない、▲3▼腸内細菌叢の乱れが少ない、など従来の抗生物質一辺倒に比較して、菌交代現象の問題、耐性菌の問題を考慮すれば、医療の現場や患者にとっても、そのメリットは図り知れないものである。上記した急性感染症以外にも、食中毒として知られる腸管感染症、中耳炎のような耳鼻咽喉科領域感染症、術後感染症など様々な急性感染症に対して、試験していずれも高い治療効果を示すことが実証された。
【0044】
【表6】
Figure 0004193330
【0045】
(試験例2)
強力な抗生物質の存在にも関わらず、治療の困難さが常々いわれている慢性感染症の分野に対して試験を行った。A−グループでは抗生物質のみを投与し、B−グループでは抗生物質と共に実施例2と同様の方法で製造した凍結乾燥菌製剤と併用し、C−グループでは初めに抗生物質のみを投与し、その後、実施例2と同様の方法で製造した凍結乾燥菌製剤を投与し、D−グループでは実施例2と同様の方法で製造した凍結乾燥菌製剤のみを投与した。なお、試験に当たり、投与の抗生物質は原因菌や症状に応じて、最適抗生物質を投与した。その投与量は、A−グループの場合、1日量12歳以上1000mg、またB−グループの場合、A−グループの1/2量でいずれも4回/日とした。本発明の乳酸菌製剤の投与は、基本的には凍結乾燥菌体、1×109 個/g、2g/日としたが、症状に応じては若干増加させた。また、疾患場所によっては、実施例2の培養液、3×109 個/mlを使用した。治療成績の一部を抽出して、表7〜表10に示した。なお、本発明の乳酸菌製剤のうち、 FD-6972R 、 FD-6971R および FD-6973R はそれぞれFERM BP-6972、FERM BP-6971およびFERM BP-6973を使用した実施例2と同様の方法で製造した該抗生物質耐性の凍結乾燥製剤、 Br-6972R 、 Br-6971R および Br-6973R はそれぞれFERM BP-6972、FERM BP-6971およびFERM BP-6973を使用した実施例2と同様の方法で製造した培養液、 FD-6972S 、 FD-6971S および FD-6973S はそれぞれFERM BP-6972、FERM BP-6971およびFERM BP-6973を使用した実施例1と同様の方法で製造した凍結乾燥製剤並びに Br-6972S 、 Br-6971S および Br-6973S はそれぞれFERM BP-6972、FERM BP-6971およびFERM BP-6973を使用した実施例2と同様の方法で製造した培養液である。これらの表から明らかなように、抗生物質の投与のみでは、治療成績は上がらず、外科的手術に頼っていた慢性感染症に対しても、本発明の乳酸菌製剤を単独または他剤との併用によって良好な治療成績が得られた。なお、投与終了後も未だ原因菌を排出している場合、その原因菌を分離してテストしてみると、殆どの場合、その毒性は減弱していることを確認した。上記以外の慢性感染症、例えば、盲腸炎、尿道炎、膣炎、じゅく瘡などにおいても試験したが、程度の差はあれ、本発明の乳酸菌製剤は有効なことが実証された。
【0046】
【表7】
Figure 0004193330
【0047】
【表8】
Figure 0004193330
【0048】
【表9】
Figure 0004193330
【0049】
【表10】
Figure 0004193330
【0050】
(試験例3)
腸内細菌叢の消長と健康との関わり合いをみるために、本発明の乳酸菌の代表的な3株、すなわちFERM BP-6972、FERM BP-6971およびFERM BP-6973のそれぞれの凍結乾燥菌体を等量づつ混和させたものを製剤として、その2g(5×108 個/g)を連日服用し、腸内細菌叢の消長を経時的に測定した。善玉菌の代表としてビヒドバクテリウム(Bifidobacterium) およびラクトバチラス(Lactobacillus) の菌数/糞便1gを、悪玉菌の代表として、クロストリディウム(Clostridiumu perfrigens =ウエルシ菌)およびベーヨネラ(Vellonella)の菌数/糞便1gを、測定した。健常者においては、表11に示したように服用6ヶ月後にはビヒドバクテリウムは100%増、ラクトバチラスは400%増に、反対にクロストリディウムは80%減、ベーヨネラは60%減にまでなった。服用12ヶ月後には、その差はさらに拡大した。病弱者においては、表12に示したように服用6ヶ月後にはビヒドバクテリウムは50%増、ラクトバチラスは200%増に、逆にクロストリディウムは60%減、ベーヨネラは75%減にまでなった。服用12ヶ月後には、その差はさらに拡大した。
【0051】
【表11】
Figure 0004193330
【0052】
【表12】
Figure 0004193330
【0053】
健常者および病弱者の服用前の腸内細菌叢を調査したところ、健常者は病弱者に比べて善玉菌は平均220%多く、逆に悪玉菌は僅かに22.5%に過ぎなかった。このデータは腸内細菌叢の現状が現在の健康状態の指標となること、すなわち腸内細菌叢が如何に健康に深く関わっているかを示している。事実、実施した健常者全員がより健康を増進し、病弱者は日の経過と共に健康を回復していった。
【0054】
さらに、新たな知見として、本剤の服用によって、健常者は善玉菌が先ず増え、善玉菌が増加するに従い悪玉菌が徐々に、そしてどこ迄も減少していくというパターンをとり、病弱者は悪玉菌が先ず減少し始め、その後、善玉菌が漸次増大していくというパターンをとることもわかった。なお、服用後3ヶ月を経過した時点で40人全員にアンケート調査をしたところ、以下のような回答を得た。
a)以前に比べて風邪に罹らなくなった。また風邪を引いても軽い経過で済む。b)怪我をしても治りが早い。c)便通異常(下痢、便秘)が非常に改善された。d)アトピーが改善された。また、出なくなった。e)家族が食中毒になったのに自分は罹らなかった。f)肌に艶が出て、化粧ののりがよくなった。シミ、シワが薄くなった。g)血色が良くなり、健康に益々自信がもてるようになった。
【0055】
上記、試験例1、試験例2および試験例3の事実は、本発明乳酸菌製剤が感染症の予防および治療に多大に貢献し得ることを示している。また、真の意味での腸内細菌叢の改善効果で、腸内環境が美しくなり、結果としてそれが全身に波及して、生体の機能が活性化し、健康増進、健康回復、体質改善に繋がったものと思われる。なお、市販されている某社の乳酸菌を投与した実験も行ったが、投与前に比べれば、善玉菌は増え、悪玉菌は減少するという傾向は変わらなかったが、いずれも僅かの増減率であった。アンケート調査の結果でも、余り健康に効果があったようには感じられなかったという人が大半であった。理由の第一は、毒性減弱型抗生物質を産生しているか否かによるものであろう。
【0056】
(試験例4)
試験群は、実施例2の方法で製造した該抗生物質感受性のFERM BP-6972の凍結乾燥菌製剤により菌数2×107 個をゾンデを用いて連日2ヶ月間マウス(ICR系、日本クレア株式会社産)に経口投与し、毎週1回糞便を採取し、糞便1g当たりの各種腸内細菌を定量した。対照群のマウスとして、上記製剤と同様のラクトバチラス カゼイの標準株(ATCC 393)を投与した群および菌無投与群を設定した。試験群は、菌非投与群およびATCC株群に比較して、ビヒドバクテリウムとラクトバチラスの菌数が日を追って、増加あるいは自然経過での減少が抑制された。逆にクロストリデウムとベーヨネラに関しては、試験群では菌数は減少していった。投与開始9日目頃には、僅かではあるが、既に菌数の差がみられ投与開始2ヶ月後には、顕著な差が観察された。
【0057】
上記の結果より、試験群のマウスと対照群のマウスとの腸内細菌のバランスの差が顕著となった生菌投与2ヶ月目に、フレンド白血病ウイルスを感染させた。その結果、ウイルス感染症の少ない群のメスで試験群では、統計的に有意な生存延長効果を示す生存曲線が得られた。
【0058】
また、サルモネラ菌を経口感染させての実験においては、投与量の多い(1×107 個/マウス)場合にはいずれもが死亡したが、試験群はフレンド白血病ウイルス接種の場合と同様、生存の延長が確認された。また、投与量の少ない投与群(2×106 個/マウス)の場合には、対照群は結局のところ、全てのマウスが死亡したが、試験では、死亡率は20%に止まった。
【0059】
(試験例5)
生後10ヶ月の白色レグホンのメス300羽をA、B、Cの3群に分け、A群には抗生物質添加の標準飼料を与え、B群には上記標準飼料に実施例1と同様の方法で製造した凍結乾燥菌製剤を1×107 個/飼料gを混合したものを与えた。また、C群には抗生物質無添加の飼料に実施例1と同様の方法で製造した凍結乾燥菌製剤を1×107 個/飼料gを添加し、給餌させ、3ヶ月間飼育した。その結果を表13に示した。飼育期間中、感染症に罹患して斃死する鶏はいなかった。A群の中には下痢症状を呈し、元気のない鶏が若干存在したが、B群およびC群では皆無であった。産卵数は、C群>B群>A群の順で、卵1個当たりの重量もこの順位で、この成績は鶏の健康状態を反映しているものと考えられる。
【0060】
【表13】
Figure 0004193330
【0061】
(試験例6)
平均魚体重約90gのハマチ幼魚約1000匹を養殖している小割漁網生簀を4生簀用いてテストした。市販のハマチ用配合飼料とイワシのミンチとを2:1で混合したものを餌料とした。対照区にはそれのみを与え、試験1区にはテトラサイクリン系抗生物質を餌に添加し(10mg/餌kg)、試験2区には上記テトラサイクリン系抗生物質の1/2量に実施例2の培養液により1×108 個/餌gを餌料に添加した。次に、試験3区には実施例2の培養液により1×108 個/餌gのみを添加し、それぞれ2ヶ月間、給餌した。試験期間中の平均水温は22〜24℃であった。表13に魚体重および成長率を、また病気発生率、斃死数も示した。通常の養殖方法(餌+抗生物質)に比較して、実施例2の培養液を餌料に添加した場合は成長が早く、しかも斃死数も少なかった。すなわち、抗生物質の添加量を半減し得ること、および抗生物質を添加しなくても、本発明の乳酸菌製剤を餌料に添加すれば充分であることが明らかになった。
【0062】
【表14】
Figure 0004193330
【0063】
なお、子豚の飼育実験においても、上記試験例に類似の成績、すなわち本発明の乳酸菌製剤投与群は、その成長、罹患率において、抗生物質投与群に勝るとも劣らない成績を得た。
【0064】
(試験例7)
1200×400mmの大型プランター9個の下層土に化学肥料40g(N:8%、P:5%、K:5%)および溶性リン肥10gを混入させた。その上に畑の土壌に腐葉土を20%の割合で混和し、該土壌10Lに苦土石灰8gを混和した土壌を8分目の高さまで入れた。11月初旬にそれぞれのプランターに麗紅種のイチゴの苗を10株ずつ植え、2週間後から1ヶ月間、1週毎に液肥を施した。同時に試験1区のプランター3個には実施例2と同様の方法で製造した凍結乾燥菌製剤を水に溶解させ(1×108 個/ml)、霧吹きで苗全体に吹きかけた。試験2区のプランター3個には実施例2の培養液を水で300倍に希釈して散布した。対照区のプランター3個には、この間水のみを散布した。翌年3月にツボミが出た時点で、図1の如く、3つのグループに分け、Aグループは再び液肥と上記乳酸菌製剤を1週毎に散布した。Bグループは、これに加えて灰白カビ病の胞子を散布した。Cグループは灰白カビ病の胞子を散布後、1週目に防バイ剤(住友化学工業株式会社製、スミレックス)を規定量希釈して、霧吹きにて満遍なく散布し、さらに1週後に再び同様に散布した。開花後1〜2ヶ月の間、赤く熟した実から順次収穫した。Aグループの成績を表15に示した。表15から明らかなように、本発明の乳酸菌製剤を散布した試験1区および試験2区のイチゴは病気も発生せず、成長が早く、1株当たり220〜240gの品質のよい1級品のイチゴが収穫できた。これに対して対照区のイチゴは20%にベト病が発生し、発生を免れたイチゴも、いわゆる並級が多かった。灰白カビ病の原因菌の胞子を散布したBグループの場合、対照区のイチゴはほぼ全滅し、口にするようなイチゴは収穫できなかった。これに対して試験1区では、病気にかかり収穫できなかったイチゴは10%、試験2区では僅かに6%であった。なお、収穫できたイチゴはAグループの試験1区および試験2区に負けない1級品揃いであった。Cグループでは農薬の効果も手伝って、病気の発生は、全区とも2%未満であった。なお、収穫量および品質共にAグループの場合に比べていずれの区も若干劣ったように見受けられた。本試験の結果から、本発明の乳酸菌製剤を使用することによって、農薬を使用せずとも、可成りの確率で病気の発生を防ぎ得て、しかも収穫量も多く、品質の良いイチゴが栽培し得ることが分かった。さらに、病気に罹っているイチゴに対して、本発明の乳酸菌製剤を散布するという試験も行い、その治療効果を確認できたが、病気の発生から、早い時期ほど治りがよく、遅ければ残念ながら効果は認められなかった。
【0065】
【表15】
Figure 0004193330
【0066】
なお、上記のイチゴ以外にも、小松菜、ホウレン草、トマトなどの野菜類、ブドウ、ミカンなどの果樹、マッシュルーム、シイタケなどの茸類、ポトスなどの観葉植物、キクなどの花類、カモミールなどのハーブ類、についても、その品質と病気の発生率の比較試験を実施したが、いずれも対照区に比べ、優れた成績が得られた。
【0067】
次に、人、動物および植物の生体に対し、本発明の乳酸菌製剤を試験に供して、確認し得た成績と従来公知の抗生物質とをいろいろな角度から比較して、概念表を表16に示した。この表により本発明の乳酸菌製剤が如何に優れたものであるかが一目瞭然である。
【0068】
【表16】
Figure 0004193330
【0069】
【発明の効果】
ペニシリンとそれに続く様々な抗生物質の発明は、人類誕生以来、苦しめられてきた感染症の多くを撲滅した。ペニシリンの感染症に対する効果があまりにも劇的であり、それまで死に到るしかなかった多くの病気をまるで魔法のように治してしまったために、これからは全ての病気を薬が治してしまうのではないかと考えるようになった。この過信と錯覚が「薬の神話」を生むきっかけとなり、やがて薬の氾濫と乱用の時代がやってきた。その結果、薬効とは裏腹の薬禍という形で、様々な副作用を生み出し、多くの被害者を出してしまった。副作用は通常、個人の問題であるが、副作用のいわば鬼っ子として誕生した耐性菌は、個人の問題のみに止まらず、環境に排出され、子孫を増やし、環境全体の共有系の一部になる。危険にさらされるのは一地域や一国の住人だけではなく、グローバルに伝播し、世界中の人々が被害を蒙ることになった。ことに免疫力が加齢と共に低下する高齢者の社会にとっては、正に致命的となる。今後、被害を最小限に抑えるためには、鬼っ子のツノや牙を抜き、金棒を取り上げて、無力にするしかないことは、今日までの病原菌との闘いの過程で明白である。「目には目を」、「歯には歯を」の捉え方からいえば、天敵として本発明の乳酸菌ほどの適格な菌は見当たらない。該乳酸菌の産生する「毒性減弱型抗生物質」は、従来の抗生物質のように唯単に発育阻害一辺倒とは異なり、病原菌の毒素産生能に直接働きかけ、その毒性を減弱または消失せしめる作用を有しているからである。
【0070】
我々人類は、太古の昔より、微生物殊に乳酸菌には生体の内外で図り知れない恩恵を受けてきた。その研究の歴史はフランスのパスツール(1845〜1895)に端を発し、ロシアの生理学者メチニコフの不老長寿説を生み、以来、幾多の研究と臨床的応用がなされてきた。しかしながら、真の意味での実用性を獲得することはなかった。これは疫学的調査の示すものと実験が明らかにするものとが、旨くつながらなかったのでる。最近に到り、腸内細菌学の長足の進歩により乳酸菌は、生体調節機能として、免疫機能の活性化、腸内浄化作用など幾多の重要な役割を担っていることが解明されてきた。ここに、新たな機能を有する乳酸菌の存在が明らかになったことで、乳酸菌活用の新たな時代の幕開けを迎えた。
【0071】
本発明の乳酸菌は、その特質から腸内細菌叢のリーダーとなって、腸内善玉菌が圧倒的多数を占める腸内を作り上げ、この善玉菌と共に生体の生命活動を強力にサポートする作用をも有している。従って、本発明の乳酸菌製剤の投与は、予防医学の重要性を再認識させるものである。また、感染症に対する治療方法をも一変させるものである。従って、抗生物質の乱用はなくなり、その投与量も必要最小限となろう。本発明の乳酸菌製剤は、きたるべき高齢化社会における福音になることは間違いない。また、本剤の登場は、病原菌を敵視するのではなく、一般の細菌の一員としての再構築と生きとし生けるもの全てが共存共栄しうる理想社会の実現に向けての第一歩を踏み出したものとして、末永く認識されよう。
【図面の簡単な説明】
【図1】イチゴのプランターによる生育試験
(a)Aグループ:液肥と乳酸菌製剤を1週毎に散布
(b)Bグループ:液肥と乳酸菌製剤を灰白カビ病胞子と共に1週毎に散布
(c)Cグループ:灰白カビ病胞子散布後、1週目および2週目に防バイ剤を散布
【符号の説明】
1.試験1区
2.試験2区
3.対照区
4.散布された灰白カビ病胞子
5.散布された防バイ剤

Claims (7)

  1. ラクトバチラス カゼイ (Lactobacillus casei) FERM BP−6972。
  2. ラクトバチラス カゼイ (Lactobacillus casei) FERM BP−6971。
  3. ラクトバチラス カゼイ (Lactobacillus casei) FERM BP−6973。
  4. 病原性大腸菌O - 157及びサルモネラ菌に対して生育阻害作用を有し、毒性減弱作用を示す抗生物質を産生する請求項1乃至3のいずれか1項に記載のラクトバチラス カゼイ
  5. β−ラクタム系抗生物質、アミノグルコシド系抗生物質、マクロライド系抗生物質、テトラサイクリン系抗生物質、キノロン系抗生物質及びグリコペプチド系抗生物質に対して抵抗性を有する請求項1乃至4のいずれか1項に記載のラクトバチラス カゼイ。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載のラクトバチラス カゼイを主成分とすることを特徴とする乳酸菌製剤。
  7. 請求項に記載のラクトバチラス カゼイを主成分とする乳酸菌製剤からなることを特徴とする、人、動物または植物の、保健剤、感染症の予防剤または感染症の治療剤。
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