JP2015173409A - 方向性結合器 - Google Patents

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Abstract

【課題】広帯域で使用可能で、結合ポートでの信号の反射が少ない方向性結合器を実現する。【解決手段】方向性結合器1は、入力ポート11と出力ポート12を接続する主線路10と、結合ポート13と終端ポート14を接続する副線路20を備えている。副線路20は、終端ポート14に接続された結合線路部20Aと、結合ポート13に接続された結合線路部20Bと、ローパスフィルタ30を備えている。ローパスフィルタ30は、結合線路部20Aと結合線路部20Bの間に設けられたインダクタL1と、一端がインダクタL1と結合線路部20Bとの接続点に接続されたキャパシタC1と、キャパシタC1の他端とグランドとを接続する抵抗器R1と、インダクタL1と結合線路部20Aとの接続点とグランドとを接続するキャパシタC2を有している。【選択図】図1

Description

本発明は、広帯域で使用可能な方向性結合器に関する。
方向性結合器は、例えば、携帯電話機、無線LAN通信機器等の無線通信機器の送受信回路において、送受信信号のレベルを検出するために用いられている。
従来の方向性結合器としては、以下のような構成のものが知られている。この方向性結合器は、入力ポートと、出力ポートと、結合ポートと、終端ポートと、主線路と、副線路を備えている。主線路の一端は入力ポートに接続され、主線路の他端は出力ポートに接続されている。副線路の一端は結合ポートに接続され、副線路の他端は終端ポートに接続されている。主線路と副線路は、電磁界結合する。終端ポートは、例えば50Ωの抵抗値を有する終端抵抗を介して接地されている。入力ポートには高周波信号が入力され、この高周波信号は出力ポートから出力される。結合ポートからは、入力ポートに入力された高周波信号の電力に応じた電力を有する結合信号が出力される。
方向性結合器の特性を表す主要なパラメータとしては、挿入損失、結合度、アイソレーション、方向性および結合ポートの反射損失がある。以下、これらの定義について説明する。まず、入力ポートに電力P1の高周波信号が入力された場合に、出力ポートから出力される信号の電力をP2、結合ポートから出力される信号の電力をP3、終端ポートから出力される信号の電力をP4とする。また、結合ポートに電力P5の高周波信号が入力された場合に、結合ポートで反射される信号の電力をP6とする。また、挿入損失、結合度、アイソレーション、方向性および結合ポートの反射損失を、それぞれ記号IL、C、I、D、RLで表す。これらは、以下の式で定義される。
IL=10log(P2/P1)[dB]
C=10log(P3/P1)[dB]
I=10log(P3/P2)[dB]
D=10log(P4/P3)[dB]
RL=10log(P6/P5)[dB]
従来の方向性結合器では、入力ポートに入力される高周波信号の周波数が高くなるほど結合度が大きくなるため、結合度の周波数特性が平坦ではなく、その結果、広帯域で使用することができないという問題点があった。結合度が大きくなるというのは、結合度を−c(dB)と表したときに、cの値が小さくなることである。
特許文献1,2には、上記の問題点を解決するための方向性結合器が記載されている。すなわち、特許文献1には、第1ないし第4の端子と、第1の端子と第2の端子を接続する主線路と、第3の端子と第4の端子の間に設けられた副線路と、第3の端子と副線路の間に設けられたローパスフィルタとを備えた方向性結合器が記載されている。
特許文献2には、第1ないし第4の端子と、第1の端子と第2の端子を接続する主線路と、第3の端子に接続された第1の副線路と、第4の端子に接続された第2の副線路と、第1の副線路と第2の副線路との間に設けられたローパスフィルタとを備えた方向性結合器が記載されている。
また、特許文献1,2には、第1ないし第4の端子と、第1の端子と第2の端子を接続する主線路と、第3の端子と第4の端子の間に設けられた副線路と、第3の端子と副線路の間に設けられた第1のローパスフィルタと、第4の端子と副線路の間に設けられた第2のローパスフィルタとを備えた方向性結合器が記載されている。第1のローパスフィルタは、第3の端子と副線路との間に設けられた第1のインダクタと、副線路と第1のインダクタとの接続点とグランドとの間に設けられた第1のキャパシタとで構成されている。第2のローパスフィルタは、第4の端子と副線路との間に設けられた第2のインダクタと、副線路と第2のインダクタとの接続点とグランドとの間に設けられた第2のキャパシタとで構成されている。特許文献1,2には、更に、第1のキャパシタとグランドとの間と、第2のキャパシタとグランドとの間に、それぞれ終端抵抗を設けた方向性結合器が記載されている。
国際公開第2011/074370号 特開2013−5076号公報
無線通信機器で使用される方向性結合器には、終端ポートに接続される終端抵抗の抵抗値(例えば50Ω)と等しい出力インピーダンスを有する信号源が結合ポートに接続されたときの、結合ポートでの信号の反射を少なくすることが求められている。具体的には、方向性結合器には、結合ポートの反射損失を−r(dB)と表したときに、方向性結合器の使用周波数帯域においてrの値が十分な大きさになることが求められている。結合ポートに上記信号源が接続される場合の例としては、2つの方向性結合器がタンデム接続されて使用される場合が挙げられる。この場合には、2つの方向性結合器の結合ポート同士が接続される。
特許文献1,2では、終端ポートに接続される終端抵抗の抵抗値と等しい出力インピーダンスを有する信号源が結合ポートに接続されたときの、結合ポートでの信号の反射を少なくすることは、考慮されていない。また、特許文献1,2に記載されているような、ローパスフィルタを備えた方向性結合器において、ローパスフィルタを構成するインダクタのインダクタンスと、ローパスフィルタを構成するキャパシタのキャパシタンスの調整だけで、上記結合ポートでの信号の反射を少なくすることは難しい。
なお、前述のように、特許文献1,2には、第1および第2のローパスフィルタを備え、第1のローパスフィルタにおける第1のキャパシタとグランドとの間と、第2のローパスフィルタにおける第2のキャパシタとグランドとの間に、それぞれ終端抵抗を設けた方向性結合器が記載されている。しかし、この方向性結合器では、2つのローパスフィルタと2つの終端抵抗が必要になり、方向性結合器が大型化するという問題点がある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、大型化することなく、広帯域で使用可能で、且つ、終端ポートに接続される終端抵抗の抵抗値と等しい出力インピーダンスを有する信号源が結合ポートに接続されたときの、結合ポートでの信号の反射を少なくすることができるようにした方向性結合器を提供することにある。
本発明の方向性結合器は、入力ポートと、出力ポートと、結合ポートと、終端ポートと、入力ポートと出力ポートを接続する主線路と、結合ポートと終端ポートを接続する副線路とを備えている。副線路は、主線路に対して電磁界結合する第1の結合線路部と、ローパスフィルタとを備えている。第1の結合線路部は、互いに反対側に位置する第1の端部および第2の端部を有している。第1の端部は、終端ポートに接続されている。ローパスフィルタは、第1の結合線路部の第2の端部と結合ポートとの間に設けられた第1の経路と、第1の経路に接続された第2の経路とを有している。第1の経路は、第1の結合線路部の第2の端部に接続された第3の端部と、その反対側の第4の端部と、第3の端部と第4の端部の間に設けられた少なくとも1つのインダクタとを有している。第2の経路は、一端が第1の経路の第4の端部に接続された第1のキャパシタと、第1のキャパシタの他端とグランドとを接続する抵抗器とを有している。
本発明の方向性結合器において、ローパスフィルタは、更に、第1の経路の第3の端部とグランドとを接続する第2のキャパシタを有していてもよい。
また、本発明の方向性結合器において、副線路は、更に、主線路に対して電磁界結合する第2の結合線路部を備えていてもよい。第2の結合線路部は、互いに反対側に位置する第5の端部および第6の端部を有している。第5の端部は、結合ポートに接続されている。第6の端部は、第1の経路の第4の端部に接続されている。
また、本発明の方向性結合器において、第1の経路は、少なくとも1つのインダクタとして、直列に接続された第1のインダクタと第2のインダクタを有していてもよい。また、ローパスフィルタは、更に、第1のインダクタと第2のインダクタとの接続点とグランドとを接続する第3のキャパシタを有していてもよい。
また、本発明の方向性結合器において、抵抗器は、20〜90Ωの範囲内の抵抗値を有していてもよい。
本発明の方向性結合器では、第1の結合線路部と電磁界結合する主線路の部分と第1の結合線路部とを合わせて第1の結合部と呼ぶと、入力ポートと結合ポートの間には、第1の結合部およびローパスフィルタを経由する信号経路が形成される。ローパスフィルタを通過する際の信号の減衰量は、信号の周波数によって変化する。これにより、入力ポートに入力される高周波信号の周波数の変化に伴う方向性結合器の結合度の変化を抑制することが可能になる。また、本発明の方向性結合器では、ローパスフィルタが、第1のキャパシタの他端とグランドとを接続する抵抗器を含むことにより、簡単な構成で、終端ポートに接続される終端抵抗の抵抗値と等しい出力インピーダンスを有する信号源が結合ポートに接続されたときの、結合ポートでの信号の反射を少なくすることが可能になる。これらのことから、本発明によれば、大型化することなく、広帯域で使用可能で、且つ、終端ポートに接続される終端抵抗の抵抗値と等しい出力インピーダンスを有する信号源が結合ポートに接続されたときの、結合ポートでの信号の反射を少なくすることができる方向性結合器を実現することが可能になるという効果を奏する。
本発明の第1の実施の形態に係る方向性結合器の回路構成を示す回路図である。 本発明の第1の実施の形態に係る方向性結合器の外観を示す斜視図である。 図2に示した方向性結合器の構造を説明するための説明図である。 図2に示した方向性結合器の構造を説明するための説明図である。 図2に示した方向性結合器の構造を説明するための説明図である。 図2に示した方向性結合器の構造を説明するための説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係る方向性結合器における結合度の周波数特性を示す特性図である。 本発明の第1の実施の形態に係る方向性結合器における挿入損失の周波数特性を示す特性図である。 本発明の第1の実施の形態に係る方向性結合器における結合ポートの反射損失の周波数特性を示す特性図である。 本発明の第1の実施の形態に係る方向性結合器において、抵抗器の抵抗値を上限値にしたときの結合ポートの反射損失の周波数特性を示す特性図である。 本発明の第1の実施の形態に係る方向性結合器において、抵抗器の抵抗値を下限値にしたときの結合ポートの反射損失の周波数特性を示す特性図である。 本発明の第2の実施の形態に係る方向性結合器の回路構成を示す回路図である。 本発明の第2の実施の形態に係る方向性結合器における結合度の周波数特性を示す特性図である。 本発明の第2の実施の形態に係る方向性結合器における挿入損失の周波数特性を示す特性図である。 本発明の第2の実施の形態に係る方向性結合器における結合ポートの反射損失の周波数特性を示す特性図である。 本発明の第3の実施の形態に係る方向性結合器の回路構成を示す回路図である。 本発明の第3の実施の形態に係る方向性結合器における結合度の周波数特性を示す特性図である。 本発明の第3の実施の形態に係る方向性結合器における挿入損失の周波数特性を示す特性図である。 本発明の第3の実施の形態に係る方向性結合器における結合ポートの反射損失の周波数特性を示す特性図である。 比較例の方向性結合器の回路構成を示す回路図である。 比較例の方向性結合器における結合度の周波数特性を示す特性図である。 比較例の方向性結合器における挿入損失の周波数特性を示す特性図である。 比較例の方向性結合器における結合ポートの反射損失の周波数特性を示す特性図である。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。始めに、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る方向性結合器の回路構成について説明する。図1に示したように、本実施の形態に係る方向性結合器1は、入力ポート11と、出力ポート12と、結合ポート13と、終端ポート14とを備えている。方向性結合器1は、更に、入力ポート11と出力ポート12を接続する主線路10と、結合ポート13と終端ポート14を接続する副線路20とを備えている。終端ポート14は、終端抵抗15を介して接地されている。すなわち、終端抵抗15の一端は終端ポート14に接続され、終端抵抗15の他端はグランドに接続されている。本実施の形態では、終端抵抗15の抵抗値は50Ωである。
副線路20は、それぞれ主線路10に対して電磁界結合する第1の結合線路部20Aおよび第2の結合線路部20Bと、ローパスフィルタ30とを備えている。第1の結合線路部20Aは、互いに反対側に位置する第1の端部20A1および第2の端部20A2を有している。第1の端部20A1は、終端ポート14に接続されている。
ローパスフィルタ30は、第1の結合線路部20Aの第2の端部20A2と結合ポート13との間に設けられた第1の経路31と、第1の経路31に接続された第2の経路32とを有している。第1の経路31は、第1の結合線路部20Aの第2の端部20A2に接続された第3の端部31Aと、その反対側の第4の端部31Bと、第3の端部31Aと第4の端部31Bの間に設けられた少なくとも1つのインダクタとを有している。本実施の形態では、第1の経路31は、少なくとも1つのインダクタとして、1つのインダクタL1を有している。第2の経路32は、一端が第1の経路31の第4の端部31Bに接続された第1のキャパシタC1と、第1のキャパシタC1の他端とグランドとを接続する抵抗器R1とを有している。抵抗器R1は、20〜90Ωの範囲内の抵抗値を有していることが好ましい。ローパスフィルタ30は、更に、第1の経路31の第3の端部31Aとグランドとを接続する第2のキャパシタC2を有している。
第2の結合線路部20Bは、互いに反対側に位置する第5の端部20B1および第6の端部20B2を有している。第5の端部20B1は、結合ポート13に接続されている。第6の端部20B2は、第1の経路31の第4の端部31Bに接続されている。
主線路10は、第1の結合線路部20Aと電磁界結合する部分と、第2の結合線路部20Bと電磁界結合する部分を有している。これらの部分は、主線路10における同じ部分であってもよいし、主線路10における互いに異なる部分であってもよい。ここで、第1の結合線路部20Aと電磁界結合する主線路10の部分を第1の部分10Aと言い、第2の結合線路部20Bと電磁界結合する主線路10の部分を第2の部分10Bと言う。また、第1の部分10Aと第1の結合線路部20Aとを合わせて第1の結合部40Aと言い、第2の部分10Bと第2の結合線路部20Bとを合わせて第2の結合部40Bと言う。第1の部分10Aと第1の結合線路部20Aの結合の強さは、第2の部分10Bと第2の結合線路部20Bの結合の強さと同じでもよいし、異なっていてもよい。第1の部分10Aと第1の結合線路部20Aの結合は、第2の部分10Bと第2の結合線路部20Bの結合よりも強い方が好ましい。
ローパスフィルタ30は、方向性結合器1の使用周波数帯域において、ローパスフィルタ30を通過する際の信号の減衰量が、信号の周波数によって変化するように設計される。具体的には、ローパスフィルタ30は、方向性結合器1の使用周波数帯域の少なくとも一部の周波数領域において、ローパスフィルタ30を通過する際の信号の減衰量が、信号の周波数が高くなるに従って大きくなるように設計される。ローパスフィルタ30の遮断周波数は、方向性結合器1の使用周波数帯域内に存在していてもよいし、方向性結合器1の使用周波数帯域外に存在していてもよい。本実施の形態に係る方向性結合器1の使用周波数帯域は、例えば0.7〜2.7GHzである。
また、ローパスフィルタ30は、方向性結合器1の使用周波数帯域において、第2の結合線路部20B側から見たインピーダンスが、50Ωまたはそれに近い値になるように設計される。これにより、終端ポート14が抵抗値50Ωの終端抵抗15を介して接地され、終端抵抗15の抵抗値(50Ω)と等しい出力インピーダンスを有する信号源が結合ポート13に接続された場合に、方向性結合器1の使用周波数帯域において、結合ポート13から終端ポート14側を見たときの反射係数の絶対値が0またはその近傍の値になり、結合ポート13での信号の反射が少なくなる。
次に、本実施の形態に係る方向性結合器1の作用および効果について説明する。入力ポート11には高周波信号が入力され、この高周波信号は出力ポート12から出力される。結合ポート13からは、入力ポート11に入力された高周波信号の電力に応じた電力を有する結合信号が出力される。
入力ポート11と結合ポート13の間には、第1の結合部40Aおよびローパスフィルタ30を経由する第1の信号経路と、第2の結合部40Bを経由する第2の信号経路とが形成される。入力ポート11に高周波信号が入力されたとき、結合ポート13から出力される結合信号は、第1の信号経路を通過した信号と第2の信号経路を通過した信号が合成されて得られる合成信号である。第1の信号経路を通過した信号と第2の信号経路を通過した信号との間には位相差が生じる。方向性結合器1の結合度は、第1の結合部40Aと第2の結合部40Bのそれぞれ単独の結合度と、第1の信号経路を通過した信号と第2の信号経路を通過した信号の位相差と、ローパスフィルタ30を通過する際の信号の減衰量とに依存する。
本実施の形態において、第1の結合部40A、第2の結合部40Bおよびローパスフィルタ30は、高周波信号の周波数の変化に伴う方向性結合器1の結合度の変化を抑制する機能を有する。以下、これについて詳しく説明する。第1の結合部40Aと第2の結合部40Bのそれぞれ単独の結合度は、いずれも、方向性結合器1の使用周波数帯域において、高周波信号の周波数が高くなるほど大きくなる。これは、高周波信号の周波数が高くなるほど、第1の信号経路を通過する信号と第2の信号経路を通過する信号の電力を増加させるように作用する。
一方、ローパスフィルタ30を通過する際の信号の減衰量は、信号の周波数によって変化する。具体的には、方向性結合器1の使用周波数帯域の少なくとも一部の周波数領域において、ローパスフィルタ30を通過する際の信号の減衰量は、信号の周波数が高くなるに従って大きくなる。従って、ローパスフィルタ30は、方向性結合器1の使用周波数帯域の少なくとも一部の周波数領域において、高周波信号の周波数が高くなるほど、第1の信号経路を通過する信号の電力を減少させるように作用する。少なくとも、このローパスフィルタ30の作用により、高周波信号の周波数の増加に伴う結合信号の電力の変化、すなわち方向性結合器1の結合度の変化を抑制することができる。
また、方向性結合器1の使用周波数帯域において、高周波信号の周波数の増加に伴って、第1の信号経路を通過した信号と第2の信号経路を通過した信号の位相差が0°から180°の範囲内で増加するように、ローパスフィルタ30を設計してもよい。これによっても、高周波信号の周波数の増加に伴う結合信号の電力の変化、すなわち方向性結合器1の結合度の変化を抑制することが可能である。
また、本実施の形態では、ローパスフィルタ30が、第1のキャパシタC1の他端とグランドとを接続する抵抗器R1を含んでいる。これにより、本実施の形態によれば、抵抗器R1を含まないローパスフィルタに抵抗器R1を付加しただけの簡単な構成で、終端ポート14に接続される終端抵抗15の抵抗値(50Ω)と等しい出力インピーダンスを有する信号源が結合ポート13に接続されたときの、方向性結合器1の使用周波数帯域における結合ポート13での信号の反射を少なくすることが可能になる。
次に、図2ないし図6を参照して、方向性結合器1の構造の一例について説明する。図2は、方向性結合器1の外観を示す斜視図である。図2に示した方向性結合器1は、積層された5つの誘電体層を含んでいる。以下、5つの誘電体層を、上から順に、第1誘電体層51、第2誘電体層52、第3誘電体層53、第4誘電体層54、第5誘電体層55と呼ぶ。第1誘電体層51の上面には、抵抗器R1を構成する抵抗膜51R1が配置されている。第5誘電体層55の下面には、入力端子T1と、出力端子T2と、結合端子T3と、終端端子T4と、グランド端子T5と、使用されない端子T6が配置されている。入力端子T1、出力端子T2、結合端子T3、終端端子T4は、それぞれ、図1に示した入力ポート11、出力ポート12、結合ポート13、終端ポート14に対応している。グランド端子T5は、グランドに接続される。
次に、図3ないし図6を参照して、図2に示した方向性結合器1の構造について詳しく説明する。図3における(a)は、第1誘電体層51の上面上の要素を示している。上述のように、第1誘電体層51の上面には、前述の抵抗膜51R1が配置されている。抵抗膜51R1は、NiCr等の金属よりなる薄膜で構成されている。
図3における(b)は、第1誘電体層51と、第1誘電体層51を貫通する要素とを示している。第1誘電体層51には、第1誘電体層51を貫通する導体部51V1,51V2が形成されている。導体部51V1,51V2は、図3における(a)に示した抵抗膜51R1に接続されている。
図3における(c)は、第2誘電体層52の上面上の要素を示している。第2誘電体層52の上面には、導体層52T1,52T2,52T3,52T4,52T5,52T6が配置されている。第2誘電体層52の上方から見たときに、導体層52T1,52T2,52T3,52T4,52T5,52T6は、それぞれ、端子T1,T2,T3,T4,T5,T6と重なる位置に配置されている。導体層52T5は、図3における(b)に示した導体部51V1に接続されている。
第2誘電体層52の上面には、更に、導体層52Mが配置されている。導体層52Mは、主線路10を構成する。導体層52Mの一端は導体層52T1に接続され、導体層52Mの他端は導体層52T2に接続されている。導体層52Mは、直線的に延びた部分52Maを含んでいる。この部分52Maは、第1の部分10Aおよび第2の部分10Bを構成する。
第2誘電体層52の上面には、更に、導体層52C1R,52C1L,52C2Gが配置されている。導体層52C1Rは、図3における(b)に示した導体部51V2に接続されている。
第2誘電体層52の上面には、更に、導体層52SB,52L1が配置されている。導体層52SBの一端は導体層52T3に接続され、導体層52SBの他端は導体層52C1Lに接続されている。導体層52SBは、導体層52Mの部分52Maと並行して延びる部分52SBaを含んでいる。この部分52SBaは、第2の結合線路部20Bを構成する。導体層52L1は、渦巻き形状を有している。導体層52L1の一端は、導体層52C1Lの近傍において、導体層52SBに接続されている。導体層52L1は、インダクタL1の一部を構成する。
図4における(a)は、第2誘電体層52と、第2誘電体層52を貫通する要素とを示している。第2誘電体層52には、第2誘電体層52を貫通する導体部52V1,52V2,52V3,52V4,52V5,52V6,52V7,52V8,52V9が形成されている。導体部52V1,52V2,52V3,52V4,52V5,52V6は、それぞれ、図3における(c)に示した導体層52T1,52T2,52T3,52T4,52T5,52T6に接続されている。導体部52V7は、図3における(c)に示した導体層52C1Rに接続されている。導体部52V8は、図3における(c)に示した導体層52L1における他端の近傍部分に接続されている。導体部52V9は、図3における(c)に示した導体層52C2Gに接続されている。
図4における(b)は、第3誘電体層53の上面上の要素を示している。第3誘電体層53の上面には、導体層53C1R,53C2Lが配置されている。導体層53C1Rは、第2誘電体層52を介して、図3における(c)に示した導体層52C1Lに対向している。導体層52C1L,53C1Rと、それらの間の第2誘電体層52は、第1のキャパシタC1を構成する。導体層53C2Lは、第2誘電体層52を介して、図3における(c)に示した導体層52C2Gに対向している。導体層52C2G,53C2Lと、それらの間の第2誘電体層52は、第2のキャパシタC2を構成する。
図4における(c)は、第3誘電体層53と、第3誘電体層53を貫通する要素とを示している。第3誘電体層53には、第3誘電体層53を貫通する導体部53V1,53V2,53V3,53V4,53V5,53V6,53V7,53V8,53V9,53V10,53V11が形成されている。導体部53V1,53V2,53V3,53V4,53V5,53V6,53V7,53V8,53V9は、それぞれ、図4における(a)に示した導体部52V1,52V2,52V3,52V4,52V5,52V6,52V7,52V8,52V9に接続されている。導体部53V10は、図4における(b)に示した導体層53C1Rに接続されている。導体部53V11は、図4における(b)に示した導体層53L2Lに接続されている。
図5における(a)は、第4誘電体層54の上面上の要素を示している。第4誘電体層54の上面には、導体層54T1,54T2,54T3,54T4,54T5,54T6が配置されている。導体層54T1,54T2,54T3,54T4,54T5,54T6は、それぞれ、図4における(c)に示した導体部53V1,53V2,53V3,53V4,53V5,53V6に接続されている。
第4誘電体層54の上面には、更に、導体層54C1R,54C2L,54C2Gが配置されている。導体層54C1Rは、図4における(c)に示した導体部53V7,53V10に接続されている。導体層54C2Lは、図4における(c)に示した導体部53V11に接続されている。導体層54C2Gは、図4における(c)に示した導体部53V9に接続されている。
第4誘電体層54の上面には、更に、導体層54SA,54L1が配置されている。導体層54SAの一端は導体層54T4に接続され、導体層54SAの他端は導体層54C2Lに接続されている。導体層54SAは、第2誘電体層52および第3誘電体層53を介して、図3における(c)に示した導体層52Mの部分52Maに対向する部分54SAaを含んでいる。この部分54SAaは、第1の結合線路部20Aを構成する。導体層54L1は、渦巻き形状を有している。導体層54L1の一端は、導体層54SAの他端に接続されている。図4における(c)に示した導体部53V8は、導体層54L1における他端の近傍部分に接続されている。導体層54L1は、インダクタL1の他の一部を構成する。
図5における(b)は、第4誘電体層54と、第4誘電体層54を貫通する要素とを示している。第4誘電体層54には、第4誘電体層54を貫通する導体部54V1,54V2,54V3,54V4,54V5,54V6,54V7が形成されている。導体部54V1,54V2,54V3,54V4,54V5,54V6,54V7は、それぞれ、図5における(a)に示した導体層54T1,54T2,54T3,54T4,54T5,54T6,54C2Gに接続されている。
図5における(c)は、第5誘電体層55の上面上の要素を示している。第5誘電体層55の上面には、グランド用導体層55Gと、導体層55T1,55T2,55T3,55T4,55T6が配置されている。グランド用導体層55Gは、図5における(b)に示した導体部54V5,54V7に接続されている。導体層55T1,55T2,55T3,55T4,55T6は、それぞれ、図5における(b)に示した導体部54V1,54V2,54V3,54V4,54V6に接続されている。
図6における(a)は、第5誘電体層55と、第5誘電体層55を貫通する要素とを示している。第5誘電体層55には、第5誘電体層55を貫通する導体部55V1,55V2,55V3,55V4,55V5,55V6が形成されている。導体部55V1,55V2,55V3,55V4,55V5,55V6は、それぞれ、図5における(c)に示した導体層55T1,55T2,55T3,55T4,55G,55T6に接続されている。
図6における(b)は、第5誘電体層55の下面の下の要素を示している。第5誘電体層55の下面には、図2に示した端子T1,T2,T3,T4,T5,T6が配置されている。端子T1,T2,T3,T4,T5,T6は、それぞれ、図6における(a)に示した導体部55V1,55V2,55V3,55V4,55V5,55V6に接続されている。
次に、図7ないし図9を参照して、本実施の形態に係る方向性結合器1の特性の一例について説明する。この例では、抵抗器R1の抵抗値を43Ωにしている。図7は、方向性結合器1における結合度の周波数特性を示す特性図である。図8は、方向性結合器1における挿入損失の周波数特性を示す特性図である。図9は、方向性結合器1における結合ポート13の反射損失の周波数特性を示す特性図である。図7ないし図9における横軸は、周波数である。図7における縦軸は、結合度である。図8における縦軸は、挿入損失である。図9における縦軸は、結合ポート13の反射損失である。
図7に示した結合度の周波数特性では、方向性結合器1の使用周波数帯域0.7〜2.7GHzにおける結合度の最小値と最大値の差は約2dBであり、結合度の変化は十分に抑制されている。
図8に示した挿入損失の周波数特性では、挿入損失を−x(dB)と表すと、0.7〜2.7GHzにおいて、xの値は、0.2以下であり、十分に小さい。
図9に示した結合ポート13の反射損失の周波数特性では、反射損失を−r(dB)と表すと、0.7〜2.7GHzにおいて、rの値は、15以上であり、十分に大きい。
次に、図10および図11を参照して、抵抗器R1の抵抗値の好ましい範囲について説明する。図10は、抵抗器R1の抵抗値を90Ωにした場合における結合ポート13の反射損失の周波数特性を示している。図11は、抵抗器R1の抵抗値を20Ωにした場合における結合ポート13の反射損失の周波数特性を示している。これらの図に示した特性では、0.7〜2.7GHzにおけるrの最小値が約10になっている。抵抗器R1の抵抗値が20〜90Ωの範囲内では、0.7〜2.7GHzにおけるrの最小値は約10以上になる。しかし、抵抗器R1の抵抗値が20〜90Ωの範囲外になると、0.7〜2.7GHzにおけるrの最小値は、10未満になり、十分な大きさではなくなる。そのため、抵抗器R1の抵抗値は、20〜90Ωの範囲内であることが好ましい。
以上説明したように、本実施の形態によれば、大型化することなく、広帯域で使用可能で、且つ、終端ポート14に接続される終端抵抗15の抵抗値と等しい出力インピーダンスを有する信号源が結合ポート13に接続されたときの、結合ポート13での信号の反射を少なくすることができる方向性結合器1を実現することが可能になる。
[第2の実施の形態]
次に、図12を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る方向性結合器1について説明する。図12は、本実施の形態に係る方向性結合器1の回路構成を示す回路図である。本実施の形態に係る方向性結合器1では、ローパスフィルタ30の構成が第1の実施の形態と異なっている。
本実施の形態におけるローパスフィルタ30は、第1の実施の形態と同様に、第1の経路31と、第2の経路32と、第2のキャパシタC2とを有している。第1の経路31は、第1の結合線路部20Aの第2の端部20A2に接続された第3の端部31Aと、その反対側の第4の端部31Bと、第3の端部31Aと第4の端部31Bの間に設けられた少なくとも1つのインダクタとを有している。本実施の形態では、第1の経路31は、少なくとも1つのインダクタとして、直列に接続された第1のインダクタL11と第2のインダクタL12を有している。本実施の形態における第2の経路32の構成は、第1の実施の形態と同じである。
本実施の形態におけるローパスフィルタ30は、更に、第1のインダクタL11と第2のインダクタL12との接続点とグランドとを接続する第3のキャパシタC3を有している。
次に、図13ないし図15を参照して、本実施の形態に係る方向性結合器1の特性の一例について説明する。図13は、方向性結合器1における結合度の周波数特性を示す特性図である。図14は、方向性結合器1における挿入損失の周波数特性を示す特性図である。図15は、方向性結合器1における結合ポート13の反射損失の周波数特性を示す特性図である。図13ないし図15における横軸は、周波数である。図13における縦軸は、結合度である。図14における縦軸は、挿入損失である。図15における縦軸は、結合ポート13の反射損失である。
図13に示した結合度の周波数特性では、方向性結合器1の使用周波数帯域0.7〜2.7GHzにおける結合度の最小値と最大値の差は約3dBであり、結合度の変化は十分に抑制されている。本実施の形態におけるローパスフィルタ30の構成によれば、図13に示した結合度の周波数特性において、約2GHzにおいて形成される減衰極の深さを容易に調整することが可能になる。
図14に示した挿入損失の周波数特性では、挿入損失を−x(dB)と表すと、0.7〜2.7GHzにおいて、xの値は、0.2以下であり、十分に小さい。
図15に示した結合ポート13の反射損失の周波数特性では、反射損失を−r(dB)と表すと、0.7〜2.7GHzにおいて、rの値は、15以上であり、十分に大きい。
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
[第3の実施の形態]
次に、図16を参照して、本発明の第3の実施の形態に係る方向性結合器1について説明する。図16は、本実施の形態に係る方向性結合器1の回路構成を示す回路図である。本実施の形態に係る方向性結合器1では、副線路20は、第1の結合線路部20Aとローパスフィルタ30を備えているが、第2の結合線路部20Bを備えていない。また、本実施の形態に係る方向性結合器1では、主線路10は、第1の部分10Aを備えているが、第2の部分10Bを備えていない。また、本実施の形態に係る方向性結合器1では、第1の結合部40Aは存在するが、第2の結合部40Bは存在しない。
本実施の形態におけるローパスフィルタ30の構成は、第1の実施の形態と同じであってもよいし、第2の実施の形態と同じであってもよい。図16には、ローパスフィルタ30の構成が第1の実施の形態と同じである場合の例を示している。本実施の形態において、第1の経路31の第4の端部31Bは、直接、結合ポート13に接続されている。
次に、本実施の形態に係る方向性結合器1の作用および効果について説明する。本実施の形態では、入力ポート11と結合ポート13の間には、第1の結合部40Aおよびローパスフィルタ30を経由する第1の信号経路のみが形成される。入力ポート11に高周波信号が入力されると、第1の信号経路を通過した信号が結合ポート13から出力される。方向性結合器1の結合度は、第1の結合部40Aの単独の結合度と、ローパスフィルタ30を通過する際の信号の減衰量とに依存する。
本実施の形態において、第1の結合部40Aの単独の結合度は、方向性結合器1の使用周波数帯域において、高周波信号の周波数が高くなるほど大きくなる。これは、高周波信号の周波数が高くなるほど、第1の信号経路を通過する信号の電力を増加させるように作用する。
一方、ローパスフィルタ30を通過する際の信号の減衰量は、信号の周波数によって変化する。具体的には、方向性結合器1の使用周波数帯域の少なくとも一部の周波数領域において、ローパスフィルタ30を通過する際の信号の減衰量は、信号の周波数が高くなるに従って大きくなる。従って、ローパスフィルタ30は、方向性結合器1の使用周波数帯域の少なくとも一部の周波数領域において、高周波信号の周波数が高くなるほど、第1の信号経路を通過する信号の電力を減少させるように作用する。本実施の形態によれば、このローパスフィルタ30の作用により、高周波信号の周波数の増加に伴う方向性結合器1の結合度の変化を抑制することができる。
次に、図17ないし図19を参照して、本実施の形態に係る方向性結合器1の特性の一例について説明する。図17は、方向性結合器1における結合度の周波数特性を示す特性図である。図18は、方向性結合器1における挿入損失の周波数特性を示す特性図である。図19は、方向性結合器1における結合ポート13の反射損失の周波数特性を示す特性図である。図17ないし図19における横軸は、周波数である。図17における縦軸は、結合度である。図18における縦軸は、挿入損失である。図19における縦軸は、結合ポート13の反射損失である。
図17に示した結合度の周波数特性では、方向性結合器1の使用周波数帯域0.7〜2.7GHzにおける結合度の最小値と最大値の差は約3dBであり、結合度の変化は十分に抑制されている。
図18に示した挿入損失の周波数特性では、挿入損失を−x(dB)と表すと、0.7〜2.7GHzにおいて、xの値は、第1および第2の実施の形態に比べると大きい。このことから、第1および第2の実施の形態によれば、第3の実施の形態に比べて、xの値を小さくすることができると言える。
図19に示した結合ポート13の反射損失の周波数特性では、反射損失を−r(dB)と表すと、0.7〜2.7GHzにおいて、rの値は、15以上であり、十分に大きい。
以下、比較例の方向性結合器と比較しながら、本実施の形態に係る方向性結合器1の効果について更に説明する。始めに、図20を参照して、比較例の方向性結合器101の回路構成について説明する。比較例の方向性結合器101は、本実施の形態におけるローパスフィルタ30の代わりに、ローパスフィルタ130を備えている。
ローパスフィルタ130は、第1の結合線路部20Aと結合ポート13の間に設けられたインダクタL21と、インダクタL21と結合ポート13との接続点とグランドとを接続するキャパシタC21と、インダクタL21と第1の結合線路部20Aとの接続点とグランドとを接続するキャパシタC22とを有している。ローパスフィルタ130は、抵抗器R1を有していない。比較例の方向性結合器101のその他の構成は、本実施の形態に係る方向性結合器1と同じである。
図21は、方向性結合器101における結合度の周波数特性を示す特性図である。図22は、方向性結合器101における挿入損失の周波数特性を示す特性図である。図23は、方向性結合器101における結合ポート13の反射損失の周波数特性を示す特性図である。図21ないし図23における横軸は、周波数である。図21における縦軸は、結合度である。図22における縦軸は、挿入損失である。図23における縦軸は、結合ポート13の反射損失である。
図21に示した結合度の周波数特性では、方向性結合器101の使用周波数帯域0.7〜2.7GHzにおける結合度の最小値と最大値の差は約3.7dBであり、これは、図17に示した本実施の形態に係る方向性結合器1に比べて大きい。
図22に示した挿入損失の周波数特性では、挿入損失を−x(dB)と表すと、0.7〜2.7GHzにおいて、xの値は、本実施の形態に係る方向性結合器1に比べるとわずかに小さいが、第1および第2の実施の形態に比べると大きい。
図23に示した結合ポート13の反射損失の周波数特性では、反射損失を−r(dB)と表すと、0.7〜2.7GHzにおいて、rの値は、10未満であり、十分な大きさではない。
本実施の形態に係る方向性結合器1と比較例の方向性結合器101では、図19と図23に示した結合ポート13の反射損失の周波数特性が大きく異なる。比較例の方向性結合器101に比べて、本実施の形態に係る方向性結合器1によれば、明らかに、結合ポート13での信号の反射を少なくすることができる。これは、本実施の形態に係る方向性結合器1におけるローパスフィルタ30が抵抗器R1を含むことによる効果である。この効果は、第1および第2の実施の形態についても当てはまる。
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、本発明におけるローパスフィルタの構成は、各実施の形態に示したものに限定されず、特許請求の範囲に記載された要件を満たすことを前提として、種々の変更が可能である。
1…方向性結合器、10…主線路、11…入力ポート、12…出力ポート、13…結合ポート、14…終端ポート、15…終端抵抗、20A…第1の結合線路部、20B…第2の結合線路部、30…ローパスフィルタ、31…第1の経路、32…第2の経路、L1…インダクタ、C1…第1のキャパシタ、C2…第2のキャパシタ、R1…抵抗器。
図4における(c)は、第3誘電体層53と、第3誘電体層53を貫通する要素とを示している。第3誘電体層53には、第3誘電体層53を貫通する導体部53V1,53V2,53V3,53V4,53V5,53V6,53V7,53V8,53V9,53V10,53V11が形成されている。導体部53V1,53V2,53V3,53V4,53V5,53V6,53V7,53V8,53V9は、それぞれ、図4における(a)に示した導体部52V1,52V2,52V3,52V4,52V5,52V6,52V7,52V8,52V9に接続されている。導体部53V10は、図4における(b)に示した導体層53C1Rに接続されている。導体部53V11は、図4における(b)に示した導体層53C2Lに接続されている。

Claims (5)

  1. 入力ポートと、
    出力ポートと、
    結合ポートと、
    終端ポートと、
    前記入力ポートと前記出力ポートを接続する主線路と、
    前記結合ポートと前記終端ポートを接続する副線路とを備えた方向性結合器であって、
    前記副線路は、前記主線路に対して電磁界結合する第1の結合線路部と、ローパスフィルタとを備え、
    前記第1の結合線路部は、互いに反対側に位置する第1の端部および第2の端部を有し、
    前記第1の端部は、前記終端ポートに接続され、
    前記ローパスフィルタは、前記第1の結合線路部の前記第2の端部と前記結合ポートとの間に設けられた第1の経路と、前記第1の経路に接続された第2の経路とを有し、
    前記第1の経路は、前記第1の結合線路部の前記第2の端部に接続された第3の端部と、その反対側の第4の端部と、前記第3の端部と前記第4の端部の間に設けられた少なくとも1つのインダクタとを有し、
    前記第2の経路は、一端が前記第1の経路の前記第4の端部に接続された第1のキャパシタと、前記第1のキャパシタの他端とグランドとを接続する抵抗器とを有することを特徴とする方向性結合器。
  2. 前記ローパスフィルタは、更に、前記第1の経路の前記第3の端部とグランドとを接続する第2のキャパシタを有することを特徴とする請求項1記載の方向性結合器。
  3. 前記副線路は、更に、前記主線路に対して電磁界結合する第2の結合線路部を備え、
    前記第2の結合線路部は、互いに反対側に位置する第5の端部および第6の端部を有し、
    前記第5の端部は、前記結合ポートに接続され、
    前記第6の端部は、前記第1の経路の前記第4の端部に接続されていることを特徴とする請求項1または2記載の方向性結合器。
  4. 前記第1の経路は、前記少なくとも1つのインダクタとして、直列に接続された第1のインダクタと第2のインダクタを有し、
    前記ローパスフィルタは、更に、前記第1のインダクタと前記第2のインダクタとの接続点とグランドとを接続する第3のキャパシタを有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の方向性結合器。
  5. 前記抵抗器は、20〜90Ωの範囲内の抵抗値を有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の方向性結合器。
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