JP2015169736A - クリーニングブレード、クリーニング装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置、およびクリーニング方法 - Google Patents
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Abstract
Description
請求項1に係る発明は、
駆動する被クリーニング部材に接触して前記被クリーニング部材の表面をクリーニングする接触角部と、前記接触角部が1つの辺を構成し且つ前記駆動の方向の上流側を向くよう配置される先端面と、を有し、
前記先端面の、前記被クリーニング部材が駆動していないときに該被クリーニング部材に接触しない領域であって且つ前記被クリーニング部材が駆動しているときに該被クリーニング部材との摩擦によって撓むことで該被クリーニング部材に接触する領域に、固体潤滑剤を含有する潤滑部材を備え、
一方、前記先端面の、前記被クリーニング部材が駆動していないときに該被クリーニング部材に接触する領域には、前記潤滑部材を備えないクリーニングブレードである。
前記潤滑部材から前記接触角部までの距離が0.1mm以上0.7mm以下である請求項1に記載のクリーニングブレードである。
前記接触角部と前記被クリーニング部材とが接触する方向に沿う方向の全域にわたって前記潤滑部材を備える請求項1または請求項2に記載のクリーニングブレードである。
請求項1〜請求項3の何れか一項に記載のクリーニングブレードを備えたクリーニング装置である。
請求項4に記載のクリーニング装置を備え、画像形成装置に対して脱着自在であるプロセスカートリッジである。
像保持体と、
前記像保持体を帯電する帯電装置と、
帯電した前記像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成装置と、
前記像保持体の表面に形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、
前記像保持体上に形成されたトナー像を記録媒体上に転写する転写装置と、
前記転写装置によって前記トナー像が転写された後の前記像保持体の表面に、前記クリーニングブレードを接触させてクリーニングする請求項4に記載のクリーニング装置と、
を備える画像形成装置である。
請求項1〜請求項3の何れか一項に記載のクリーニングブレードの前記接触角部を、駆動する被クリーニング部材に接触させて該被クリーニング部材の表面をクリーニングし、
且つ前記被クリーニング部材が駆動していないときには該被クリーニング部材表面に前記潤滑部材から固体潤滑剤が供給されず、前記被クリーニング部材が駆動し摩擦によって前記クリーニングブレードが撓んだ際には、前記潤滑部材が前記被クリーニング部材に接触することにより、該被クリーニング部材表面に前記潤滑部材から固体潤滑剤が供給されるクリーニング方法である。
本実施形態に係るクリーニングブレードは、駆動する被クリーニング部材に接触して前記被クリーニング部材の表面をクリーニングする接触角部と、前記接触角部が1つの辺を構成し且つ前記駆動の方向の上流側を向くよう配置される先端面と、を有する。
そして、前記先端面の、前記被クリーニング部材が駆動していないときに該被クリーニング部材に接触しない領域であって且つ前記被クリーニング部材が駆動しているときに該被クリーニング部材との摩擦によって撓むことで該被クリーニング部材に接触する領域に、固体潤滑剤を含有する潤滑部材を備える。一方、前記先端面の、前記被クリーニング部材が駆動していないときに該被クリーニング部材に接触する領域には、前記潤滑部材を備えない。
本実施形態に係るクリーニングブレードは、図1に示すごとく、駆動する被クリーニング部材(図1では像保持体、所謂感光体ドラム)31に接触して被クリーニング部材(像保持体)31の表面をクリーニングする接触角部(エッジ部)3Aと、接触角部3Aが1つの辺を構成し且つ前記駆動の方向(矢印A方向)の上流側を向く先端面3Bと、接触角部3Aが1つの辺を構成し且つ前記駆動の方向(矢印A方向)の下流側を向く腹面3Cと、先端面3Bと1つの辺を共有し且つ腹面3Cに対向する背面3Dと、を有する。
また、接触角部3Aと被クリーニング部材31とが接触する方向に沿う方向(図1では奥行き方向)を奥行き方向と、接触角部3Aから先端面3Bが形成されている側の方向(図1では左斜め下から右斜め上に向かう方向)を厚み方向と、接触角部3Aから腹面3Cが形成されている側の方向(図1では右斜め下から左斜め上に向かう方向)を幅方向と称す。
尚、図1には便宜上、被クリーニング部材(像保持体)31が駆動する方向を矢印Aとして描いたが、図1は像保持体31が停止している状態を示している。
一方で、前記接触部での摩擦力を低減してクリーニングブレードの摩耗を抑制する観点からクリーニングブレードと被クリーニング部材との接触部分に外部から潤滑剤を供給する方法が行われてきた。しかしながら、外部から潤滑剤を供給する場合、接触部に適度な量の潤滑剤が供給されて被クリーニング部材とクリーニングブレードとの摺動が安定している状態であっても、また接触部での潤滑剤の量が低減し摺動が不安定になった状態であっても、外部から一定量の潤滑剤が供給されるため効率的でなかった。更には、余剰の潤滑剤が他の部材を汚染することもあった。
そのため、クリーニングブレードの摺動の状態に応じて潤滑剤の供給量を制御することが求められていた。
具体的に説明すると、上記クリーニングブレード342は、被クリーニング部材31との摩擦力が大きいほど撓みが大きくなり、そのため先端面3Bにおける被クリーニング部材31表面との接触面積が大きくなる。
この特性により、クリーニングブレード342と被クリーニング部材31との摩擦力が定められた値を超えるまでは潤滑部材4が被クリーニング部材31に接触しないよう制御される。
また、クリーニングブレード342と被クリーニング部材31との摩擦力が上記の定められた値を超えた場合には潤滑部材4が被クリーニング部材31に接触するよう制御され、接触した部分の潤滑部材4から被クリーニング部材31表面に潤滑剤が供給される。
更に、クリーニングブレード342と被クリーニング部材31との摩擦力が大きくなるほどクリーニングブレード342の撓みが大きくなることから、被クリーニング部材31に接触する潤滑部材4の面積も大きくなり、これによって、潤滑部材4から被クリーニング部材31表面に供給される潤滑剤の量も多くなる。尚、潤滑剤の潤滑機能によって、クリーニングブレード342と被クリーニング部材31との接触部に掛かる摩擦力は次第に低減される。そのため、クリーニングブレード342の姿勢は安定化して、クリーニングブレード342の撓みも小さくなり、クリーニングブレード342と被クリーニング部材31との接触面積も次第に小さくなる。これにより、被クリーニング部材31表面に存在する清掃すべき異物のすり抜けが抑制されると考えられる。
尚、本実施形態のクリーニングブレードを利用して被クリーニング部材をクリーニングする場合、クリーニングの対象となる被クリーニング部材としては、図1および図3に示した像保持体(感光体)には限られない。例えば、画像形成装置内において、表面のクリーニングが要求される部材であれば特に限定されず、例えば、中間転写体や、帯電ロール、転写ロール、被転写材搬送ベルト、用紙搬送ロール、像保持体からトナーを除去するクリーニングブラシからさらにトナーを除去するデトーニングロール等も挙げられる。但し、本実施形態においては、像保持体であることが特に望ましい。
まず、クリーニングブレードの本体、つまり潤滑部材以外の部分の構成について説明する。
−樹脂−
本実施形態に係るクリーニングブレード本体は、樹脂を含有する。
樹脂としてはゴムが望ましく、例えば、ポリウレタンゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、プロピレンゴム、ブタジエンゴム等が挙げられる。尚、特にポリウレタンゴムが望ましく、更には高結晶化されたポリウレタンゴムがより望ましい。
ここで、「ハードセグメント」および「ソフトセグメント」とは、ポリウレタンゴム材料中で、前者を構成する材料の方が、後者を構成する材料よりも相対的に硬い材料からなり、後者を構成する材料の方が前者を構成する材料よりも相対的に柔らかい材料からなるセグメントを意味する。
まず、ソフトセグメント材料としては、ポリオールとして、ジオールと二塩基酸との脱水縮合で得られるポリエステルポリオール、ジオールとアルキルカーボネートの反応により得られるポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエーテルポリオール等が挙げられる。なお、ソフトセグメント材料として用いられる上記ポリオールの市販品としては、例えば、ダイセル化学社製のプラクセル205やプラクセル240などが挙げられる。
また、ハードセグメント材料としては、イソシアネート基に対して反応し得る官能基を有する樹脂を用いることが望ましい。また、柔軟性のある樹脂であることが望ましく、柔軟性の点から直鎖構造を有する脂肪族系の樹脂であることがより望ましい。具体例としては、2つ以上のヒドロキシル基を含むアクリル樹脂や、2つ以上のヒドロキシル基を含むポリブタジエン樹脂、2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂等を用いることが望ましい。
2つ以上のヒドロキシル基を含むポリブタジエン樹脂の市販品としては、例えば、出光興産社製、R−45HT等が挙げられる。
また、物性面では、従来のエポキシ樹脂と比べて、分子量に比して粘度が低いエポキシ樹脂が好適である。具体的には、重量平均分子量が900±100の範囲内であり、25℃における粘度が15000±5000mPa・sの範囲内であることが望ましく、15000±3000mPa・sの範囲内であることがより望ましい。この特性を有するエポキシ樹脂の市販品としては、例えば、DIC製、EPLICON EXA−4850−150等が挙げられる。
ハードセグメント材料比が、10質量%以上であることにより、耐摩耗性が得られる。一方、ハードセグメント材料比が30質量%以下であることにより、硬くなり過ぎることがなく、柔軟性や伸張性が得られ、欠けの発生が抑制される。
ポリウレタンゴムの合成に用いられるポリイソシアネートとしては、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,6−トルエンジイソシアネート(TDI)、1,6−ヘキサンジイソシアネート(HDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)および3,3−ジメチルフェニル−4,4−ジイソシアネート(TODI)などが挙げられる。
尚、求められる大きさ(粒子径)のハードセグメント凝集体の形成し易さという点から、ポリイソシアネートとしては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)がより望ましい。
20質量部以上であることにより、ウレタン結合量が多く確保されてハードセグメントが成長し、求められる硬さが得られる。一方40質量部以下であることにより、ハードセグメントが大きくなり過ぎず、伸張性が得られ、クリーニングブレードの欠けの発生が抑制される。
架橋剤としては、ジオール(2官能)、トリオール(3官能)、テトラオール(4官能)等が挙げられ、これらを併用してもよい。また、架橋剤としてアミン系化合物を用いてもよい。尚、3官能以上の架橋剤を用いて架橋されたものであることが望ましい。3官能の架橋剤としては、例えば、トリメチロールプロパン、グリセリン、トリイソプロパノールアミン等が挙げられる。
本実施形態において樹脂の一種であるポリウレタンゴムを含むブレード本体の製造は、プレポリマー法やワンショット法など、ポリウレタンの一般的な製造方法が用いられる。プレポリマー法は強度、耐摩耗性に優れるポリウレタンが得られるため本実施形態には好適であるが、製法により制限されるものではない。
次に、このソフトセグメント材料とハードセグメント材料との混合物に対して、イソシアネート化合物(例えば4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート)を加えて、例えば窒素雰囲気下で反応させる。この際の温度は60℃以上150℃以下であることが望ましく、更には80℃以上130℃以下であることが望ましい。また反応時間は0.1時間以上3時間以下であることが望ましく、更には1時間以上2時間以下であることが望ましい。
次いで、このプレポリマーを昇温し減圧下で脱泡する。この際の温度は60℃以上120℃以下であることが望ましく、更には80℃以上100℃以下であることが望ましい。また反応時間は10分間以上2時間以下であることが望ましく、更には30分間以上1時間以下であることが望ましい。
その後、プレポリマーに対して、架橋剤(例えば1,4−ブタンジオールやトリメチロールプロパン)を加え、更にチキソ性組成物を混合して、ブレード形成用の組成物を調製する。
更に架橋反応させ、冷却した後に切断しブレード本体が形成される。この架橋反応の際の熟成加熱の温度は70℃以上130℃以下であることが望ましく、80℃以上130℃以下であることがより望ましく、更には100℃以上120℃以下であることが望ましい。また反応時間は1時間以上48時間以下であることが望ましく、更には10時間以上24時間以下であることが望ましい。
ブレード本体の弾性率の指標としての100%モジュラスは、3MPa以上15MPa以下であることが好ましく、更に5MPa以上10MPa以下がより好ましく、5MPa以上8MPa以下が更に好ましい。
ブレード本体の弾性率(100%モジュラス)が上記範囲であることにより、クリーニングブレードの被クリーニング部材との摩擦による撓みが、良好に制御される。
次いで、潤滑部材について説明する。
潤滑部材は少なくとも固体潤滑剤を含有する。尚、潤滑部材は固体潤滑剤のみによって構成されてもよく、またその他の添加剤を含んでいてもよい。
脂肪酸金属塩としては、例えば、ステアリン酸の、亜鉛、カドミウム、バリウム、鉛、鉄、ニッケル、コバルト、銅、アルミニウム、マグネシウム等の金属塩;二塩基性ステアリン酸鉛:オレイン酸の、亜鉛、マグネシウム、鉄、コバルト、銅、鉛、カルシウム等の金属塩;パルミチン酸の、アルミニウム、カルシウム等の金属塩;カプリル酸鉛、カプロン酸鉛、リノール酸亜鉛、リノール酸コバルト、リシノール酸カルシウム、リシノレイン酸亜鉛、リシノレイン酸カドミウム;及びこれらの混合物等が挙げられる。
フッ素樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体(ECTFE)、ポリビニルフルオライド(PVF)、フルオロオレフィン−ビニルエーテル共重合体、フッ化ビニリデン−四フッ化エチレン共重合体、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体等が挙げられる。
ポリオレフィンとしては、例えば、パラフィンワックス、パラフィンラテックス、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
潤滑部材の端部(接触角部側の端部)から接触角部までの距離は、0.1mm以上0.7mm以下が好ましく、更には0.2mm以上0.6mm以下がより好ましく、0.3mm以上0.5mm以下が更に好ましい。
尚、上記の距離を調整することで、クリーニングブレードと被クリーニング部材との摩擦力と、潤滑部材からの被クリーニング部材への潤滑剤の供給の有無および供給量、が調製される。
次に、本実施形態のクリーニングブレードを用いたクリーニング装置、プロセスカートリッジ、および、画像形成装置について説明する。
また、クリーニングブレード先端部が像保持体に食込む長さが0.8mm以上1.2mm以下の範囲であることが望ましく、0.9mm以上1.1mm以下の範囲であることがより望ましい。
クリーニングブレードと像保持体との接触部における角度W/A(Working Angle)は8°以上14°以下の範囲であることが望ましく、10°以上12°以下の範囲であることがより望ましい。
次に、本実施形態のクリーニングブレード、並びに、これを用いた画像形成装置およびクリーニング装置の具体例について、図面を用いてより詳細に説明する。
図4は、本実施形態の画像形成装置の一例を示す概略模式図であり、いわゆるタンデム型の画像形成装置について示したものである。
図4中、21は本体ハウジング、22、22a乃至22dは作像ユニット、23はベルトモジュール、24は記録媒体供給カセット、25は記録媒体搬送路、30は各感光体ユニット、31は像保持体(感光体ドラム)、33は各現像ユニット、34はクリーニング装置、35、35a乃至35dはトナーカートリッジ、40は露光ユニット、41はユニットケース、42はポリゴンミラー、51は一次転写装置、52は二次転写装置、53はベルトクリーニング装置、61は送出しロール、62は搬送ロール、63は位置合わせロール、66は定着装置、67は排出ロール、68は排紙部、71は手差し供給装置、72は送出しロール、73は両面記録用ユニット、74は案内ロール、76は搬送路、77は搬送ロール、230は中間転写ベルト、231、232は支持ロール、521は二次転写ロール、531はクリーニングブレードを表す。
ここで、感光体ユニット30は、例えば感光体ドラム31と、この感光体ドラム31を予め帯電する帯電装置(帯電ロール)32と、感光体ドラム31上の残留トナーを除去するクリーニング装置34とを一体的にサブカートリッジ化したものである。
尚、感光体ユニット30を現像ユニット33から切り離して単独のプロセスカートリッジとしてもよいことは勿論である。また、図4中、符号35(35a乃至35d)は各現像ユニット33に各色成分トナーを補給するためのトナーカートリッジである(トナー補給経路は図示せず)。
更にまた、中間転写ベルト230の最上流作像ユニット22aの上流側にはベルトクリーニング装置53が配設されており、中間転写ベルト230上の残留トナーを除去する。
更にまた、本体ハウジング21には両面記録用ユニット73が付設されており、この両面記録用ユニット73は、記録媒体の両面に画像記録を行う両面モード選択時に、片面記録済みの記録媒体を排出ロール67を逆転させ、かつ、入口手前の案内ロール74にて内部に取り込み、搬送ロール77にて内部の記録媒体戻し搬送路76に沿って記録媒体を搬送し、再度位置合わせロール63側へと供給するものである。
図5は、本実施形態のクリーニング装置の一例を示す模式断面図であり、図4中に示すクリーニング装置34と共にサブカートリッジ化された感光体ドラム31、帯電ロール32や、現像ユニット33も示した図である。
図5中、32は帯電ロール(帯電装置)、331はユニットケース、332は現像ロール、333はトナー搬送部材、334は搬送パドル、335はトリミング部材、341はクリーニングケース、342はクリーニングブレード、344はフィルムシール、345は搬送部材を表す。
現像に際しては、現像ロール332に現像剤を供給した後、例えばトリミング部材335にて現像剤を層厚規制した状態で、感光体ドラム31に対向する現像領域に搬送される。
一方、各作像ユニット22(22a乃至22d)において、感光体ドラム31上の残留トナーはクリーニング装置34にて清掃され、また、中間転写ベルト230上の残留トナーはベルトクリーニング装置53にて清掃される。
こうした作像過程において、夫々の残留トナーはクリーニング装置34(またはベルトクリーニング装置53)によって清掃される。
−クリーニングブレード本体の作製−
まず、ポリカプロラクトンポリオール(ダイセル化学工業(株)製、プラクセル205、平均分子量529、水酸基価212KOHmg/g)およびポリカプロラクトンポリオール(ダイセル化学工業(株)製、プラクセル240、平均分子量4155、水酸基価27KOHmg/g)と、をポリオール成分のソフトセグメント材料として用いた。また、2つ以上のヒドロキシル基を含むアクリル樹脂(綜研化学社製、アクトフローUMB−2005B)をハードセグメント材料として用い、上記ソフトセグメント材料およびハードセグメント材料を8:2(質量比)の割合で混合した。
次に、このソフトセグメント材料とハードセグメント材料との混合物100部に対して、イソシアネート化合物として4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業(株)製、ミリオネートMT)を6.26部加えて、窒素雰囲気下で70℃で3時間反応させた。尚、この反応で使用したイソシアネート化合物量は、反応系に含まれる水酸基に対するイソシアネート基の比(イソシアネート基/水酸基)が0.5となるよう選択したものである。
続いて、上記イソシアネート化合物を更に34.3部加え、窒素雰囲気下で70℃で3時間反応させて、プレポリマーを得た。尚、プレポリマーの使用に際して利用したイソシアネート化合物の全量は40.56部であった。
次に、このプレポリマーを100℃に昇温し、減圧下で1時間脱泡した。その後、プレポリマー100部に対して、1,4−ブタンジオールとトリメチロールプロパンとの混合物(質量比=60/40)を7.14部加え、3分間泡を巻きこまないよう混合し、ブレード形成用組成物Aを調製した。
前記クリーニングブレード本体の前記空間に、下記表1に記載の固体潤滑剤を埋め込み、潤滑部材を形成したクリーニングブレード1を作製した。
尚、潤滑部材から接触角部までの距離は0.3mm、潤滑部材の幅は2mm、潤滑部材の深さは8mmであった。
用いる固体潤滑剤を下記表1に示すものに変更した以外は、実施例1に記載の方法によりクリーニングブレード2を作製した。
潤滑部材部分を設けなかったこと以外は、実施例1に記載の方法によりクリーニングブレード3を作製した。
以下の方法により、クリーニングブレード全体に固体潤滑剤が含有されているクリーニングブレードを作製した。
実施例1のブレード形成用組成物A100質量部に、固体潤滑剤としてステアリン酸亜鉛粒子(日油社製、商品名:ジンクステアレートGF−200)10質量部を攪拌機(アズワン社製)を用いて混合し、ブレード形成用組成物Bを得た。
得られたブレード形成用組成物Bを金型に注入し、金型を140℃加熱炉に投入し、1時間硬化反応させた。次いで、110℃で24時間熟成加熱し、冷却した後切断して、長さ320mm、幅12mm、厚さ2mmのクレーニングブレード4を作製した。
−エッジ摩耗−
エッジ摩耗の評価に際しては、画像形成装置(富士ゼロックス(株)製、商品名:DocuCentre Color f450)を用い、高温高湿環境(28℃、85RH%)下にて、感光体の積算回転数が100KサイクルになるまでA4用紙(210×297mm、富士ゼロックス社製、P紙)を用いて画像形成させた後のクリーニングブレードのエッジ部(接触角部)の摩耗と、クリーニング不良と、を併せて評価して判断した。
尚、テストに際しては、感光体とクリーニングブレードとの接触部における潤滑効果を小さくした過酷な条件で評価するために、形成する画像の像密度を1%とした。
また、クリーニング不良の評価は、上記のテスト終了後に未転写ベタ画像(ベタ画像サイズ:400mm×290mm)が形成されたA3用紙を、感光体とクリーニングブレードとの間に給紙して、未定着画像の搬送方向最後端部分が感光体とクリーニングブレードとの接触部を通過し終えた直後に装置を停止し、トナーの擦り抜け有無を目視で確認し、擦り抜けが認められる場合をクリーニング不良とした。
尚、エッジ部(接触角部)の摩耗や欠けにより、トナーを塞き止める部位が欠落している場合はエッジ摩耗深さや欠け深さが大きい程、上述したテストでクリーニング不良が発生し易くなるため、上記テストはエッジ部(接触角部)の摩耗や欠けの定性的評価に有用である。
・エッジ摩耗評価基準
G0:エッジ摩耗深さ3μm以下且つ摩耗跡無し、クリーニング不良未発生
G1:エッジ摩耗深さ3μm以下、クリーニング不良未発生
G2:エッジ摩耗深さ3μmを超え5μm以下、クリーニング不良未発生
G3:エッジ摩耗深さ3μmを超え5μm以下、クリーニング不良発生
G4:エッジ摩耗深さ5μmを超え10μm以下、クリーニング不良発生
G5:エッジ摩耗深さ10μmを超える、クリーニング不良発生
感光体摩耗レートは、前記試験前と試験後の感光体の膜厚を渦電流式の膜厚計で計測しその差分にて算出し、感光体1000cycle当りの感光体摩耗レートとして算出した。結果を表1に示す。
高μ(タックアンダー時/つまり動摩擦力が高いのとき)の状態、および低μ(つまり動摩擦力が低いのとき)の状態での、感光体表面に供給される固体潤滑剤の量を、ブレードを走行させる前の質量とブレード走行後の質量とを測定し、その差から算出した。結果を表1に示す。
以下の評価基準により、総合評価を行った。
A:エッジ摩耗がG0からG2、且つ感光体摩耗レート30nm/K・cycle以下
B:エッジ摩耗がG3からG5、および感光体摩耗レート30nm/K・cycle超えのどちらか一方でも該当
Claims (7)
- 駆動する被クリーニング部材に接触して前記被クリーニング部材の表面をクリーニングする接触角部と、前記接触角部が1つの辺を構成し且つ前記駆動の方向の上流側を向くよう配置される先端面と、を有し、
前記先端面の、前記被クリーニング部材が駆動していないときに該被クリーニング部材に接触しない領域であって且つ前記被クリーニング部材が駆動しているときに該被クリーニング部材との摩擦によって撓むことで該被クリーニング部材に接触する領域に、固体潤滑剤を含有する潤滑部材を備え、
一方、前記先端面の、前記被クリーニング部材が駆動していないときに該被クリーニング部材に接触する領域には、前記潤滑部材を備えないクリーニングブレード。 - 前記潤滑部材から前記接触角部までの距離が0.1mm以上0.7mm以下である請求項1に記載のクリーニングブレード。
- 前記接触角部と前記被クリーニング部材とが接触する方向に沿う方向の全域にわたって前記潤滑部材を備える請求項1または請求項2に記載のクリーニングブレード。
- 請求項1〜請求項3の何れか一項に記載のクリーニングブレードを備えたクリーニング装置。
- 請求項4に記載のクリーニング装置を備え、画像形成装置に対して脱着自在であるプロセスカートリッジ。
- 像保持体と、
前記像保持体を帯電する帯電装置と、
帯電した前記像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成装置と、
前記像保持体の表面に形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、
前記像保持体上に形成されたトナー像を記録媒体上に転写する転写装置と、
前記転写装置によって前記トナー像が転写された後の前記像保持体の表面に、前記クリーニングブレードを接触させてクリーニングする請求項4に記載のクリーニング装置と、
を備える画像形成装置。 - 請求項1〜請求項3の何れか一項に記載のクリーニングブレードの前記接触角部を、駆動する被クリーニング部材に接触させて該被クリーニング部材の表面をクリーニングし、
且つ前記被クリーニング部材が駆動していないときには該被クリーニング部材表面に前記潤滑部材から固体潤滑剤が供給されず、前記被クリーニング部材が駆動し摩擦によって前記クリーニングブレードが撓んだ際には、前記潤滑部材が前記被クリーニング部材に接触することにより、該被クリーニング部材表面に前記潤滑部材から固体潤滑剤が供給されるクリーニング方法。
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JP2014043237A JP2015169736A (ja) | 2014-03-05 | 2014-03-05 | クリーニングブレード、クリーニング装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置、およびクリーニング方法 |
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JPH1010941A (ja) * | 1996-06-26 | 1998-01-16 | Ricoh Co Ltd | 電子写真記録装置に用いられるクリーニングブレード及びその製造方法、並びに電子写真記録装置に用いられるクリーニングユニット |
US6156824A (en) * | 1996-03-22 | 2000-12-05 | Nippon Zeon Co., Ltd. | Lubricative polymer containing liquid and method of forming film of lubricative polymer |
-
2014
- 2014-03-05 JP JP2014043237A patent/JP2015169736A/ja active Pending
Patent Citations (2)
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US6156824A (en) * | 1996-03-22 | 2000-12-05 | Nippon Zeon Co., Ltd. | Lubricative polymer containing liquid and method of forming film of lubricative polymer |
JPH1010941A (ja) * | 1996-06-26 | 1998-01-16 | Ricoh Co Ltd | 電子写真記録装置に用いられるクリーニングブレード及びその製造方法、並びに電子写真記録装置に用いられるクリーニングユニット |
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