JP6206241B2 - クリーニングブレード、クリーニング装置、プロセスカートリッジ、および画像形成装置 - Google Patents
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Description
請求項1に係る発明は、
内部に液体潤滑剤を収納する潤滑剤収納領域と、駆動する被クリーニング部材に接触した際に前記駆動の方向の上流側を向く面に設けられ、前記液体潤滑剤を吐出する吐出口と、を備え、前記被クリーニング部材との摩擦により振動するブレード本体と、
前記潤滑剤収納領域に収納され、50Hzの振動を与えた際の粘度ηが47Pa・s以上、150Hzの振動を与えた際の粘度ηが0.01Pa・s以上10.5Pa・s以下であるチキソ性を有する液体潤滑剤と、
を有するクリーニングブレードである。
前記液体潤滑剤が、流動パラフィン、ナフテン酸金属石鹸、オクチル酸金属石鹸、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、環状メチルシリコーンオイル、フッ素オイル、高級アルコールオイル、および高級脂肪酸オイルからなる群より選択される少なくとも一種の液体オイルと、シリカ、酸化チタン、モンモリロナイト、ベントナイト、および炭酸カルシウムからなる群より選択される少なくとも一種のチキソ性付与剤と、を含有する請求項1に記載のクリーニングブレードである。
請求項1または請求項2に記載のクリーニングブレードを備えたクリーニング装置である。
請求項3に記載のクリーニング装置を備え、画像形成装置に対して脱着自在であるプロセスカートリッジである。
像保持体と、
前記像保持体を帯電する帯電装置と、
帯電した前記像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成装置と、
前記像保持体の表面に形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、
前記像保持体上に形成されたトナー像を記録媒体上に転写する転写装置と、
前記転写装置によって前記トナー像が転写された後の前記像保持体の表面に、前記クリーニングブレードを接触させてクリーニングする請求項3に記載のクリーニング装置と、
を備える画像形成装置である。
本実施形態に係るクリーニングブレードは、ブレード本体と液体潤滑剤とを有する。
ブレード本体は、内部に液体潤滑剤を収納する潤滑剤収納領域と、駆動する被クリーニング部材に接触した際に前記駆動の方向の上流側を向く面に設けられ、前記液体潤滑剤を吐出する吐出口と、を備える。また、前記被クリーニング部材との摩擦により振動する。
液体潤滑剤は、前記潤滑剤収納領域に収納され、50Hzの振動を与えた際の粘度ηが47Pa・s以上、150Hzの振動を与えた際の粘度ηが0.01Pa・s以上10.5Pa・s以下であるチキソ性を有する。
但し、図1には像保持体16が停止している(駆動していない)状態を描いており、つまり図1に示す矢印Aは、像保持体16が駆動した場合における駆動方向を示すものである。
尚、画像形成装置における像保持体16の表面をクリーニングブレード20によってクリーニングする場合であれば、吐出口4の幅(吐出口4の像保持体16軸方向における長さ)は、画像の形成に寄与する領域以上の長さであることが望ましい。また、潤滑剤収納領域8の幅(潤滑剤収納領域8の像保持体16軸方向における長さ)は特に限定されるものではないが、吐出口4の幅と同じ長さであることが望ましい。
また、吐出口4の形状は、先端面6側から観察した場合に、切れ目状に形成されていることが好ましい。一方、潤滑剤収納領域8の形状は、吐出口4側に向かって徐々に先細る形状を有しており、言い換えれば吐出口4側から徐々に膨らんでいく形状であることで、液体潤滑剤を収納する領域を確保している。
尚、前記液体潤滑剤カートリッジは必ずしも有していなくてもよく、液体潤滑剤が減少した段階で使用者が補給する態様であってもよい。
一方で、前記接触部での摩擦力を低減してクリーニングブレードの摩耗を抑制する観点からクリーニングブレードと被クリーニング部材との接触部分に外部から液体潤滑剤を供給する方法が行われてきた。しかしながら、外部から液体潤滑剤を供給する場合、接触部に適度な量の潤滑剤が供給されて被クリーニング部材とクリーニングブレードとの摺動が安定している状態であっても、また接触部での潤滑剤の量が低減し摺動が不安定になった状態であっても、外部から一定量の液体潤滑剤が供給されるため効率的でなかった。更には、余剰の液体潤滑剤が他の部材を汚染することもあった。
そのため、クリーニングブレードの摺動の状態に応じて潤滑剤の供給量を制御することが求められていた。
この理由は、以下に示す理由と考えられる。
この際、クリーニングブレード20は被クリーニング部材との摺動により振動が生じ、この振動はクリーニングブレード20の潤滑剤収納領域8に収納される液体潤滑剤にも伝わる。尚、被クリーニング部材との摩擦力が小さいほどクリーニングブレード20の振動数は小さく、一方被クリーニング部材との摩擦力が大きいほどクリーニングブレード20の振動数は大きくなる。そのため、被クリーニング部材とクリーニングブレード20との摩擦力が小さいときは、クリーニングブレード20に収納される液体潤滑剤に対してかかる振動も小さい状態となっている。与えられる振動が小さく、つまり付与される剪断力が低い状態では、液体潤滑剤はそのチキソ性という特性から粘度が高い状態であると考えられる。そのため、潤滑剤収納領域8に収納される液体潤滑剤はクリーニングブレード20の吐出口4から吐出されず、クリーニングブレード20と被クリーニング部材との接触部(ニップ部)に供給される液体潤滑剤の量も低減されると考えられる。
尚、本実施形態のクリーニングブレードを利用して被クリーニング部材をクリーニングする場合、クリーニングの対象となる被クリーニング部材としては、図1乃至図3に示した像保持体(感光体)には限られない。例えば、画像形成装置内において、表面のクリーニングが要求される部材であれば特に限定されず、例えば、中間転写体や、帯電ロール、転写ロール、被転写材搬送ベルト、用紙搬送ロール、像保持体からトナーを除去するクリーニングブラシからさらにトナーを除去するデトーニングロール等も挙げられる。但し、本実施形態においては、像保持体であることが特に望ましい。
液体潤滑剤は、50Hzの振動を与えた際の粘度ηが47Pa・s以上、150Hzの振動を与えた際の粘度ηが0.01Pa・s以上10.5Pa・s以下であるチキソ性を有する。
粘度ηとは、温度30℃で特定の振動を付与したときの液体潤滑剤の粘度(Pa・s)を示す。
液体潤滑剤に対し50Hzの振動を与えた際の粘度η、および150Hzの振動を与えた際の粘度ηは下記の方法により測定される。
まず、液体潤滑剤をビーカーに移し、卓上振動試験機(CV−101、アズワン社製)に設置し、振動数を50Hzまたは150Hzに設定したうえで液体潤滑剤の入ったビーカーに振動を与え、振動開始から1分後の粘度についてTVB10形粘度計(東機産業社製)により測定を行う。尚、50Hzの振動を与えた際はM4ローターを使用し、150Hzの振動を与えた際はLアダプタを使用する。
150Hzの振動を与えた際の粘度ηが0.01Pa・sを下回ると、被クリーニング部材とクリーニングブレード20との摩擦力が大きくなり潤滑剤収納領域8に収納される液体潤滑剤に対してかかる振動が大きくなった際に、該液体潤滑剤の粘度が低下し過ぎて、吐出口4から求められる量を超える液体潤滑剤が供給される。
50Hzの振動を与えた際の粘度ηが47Pa・sを下回ると、被クリーニング部材とクリーニングブレード20との摩擦力が小さく潤滑剤収納領域8に収納される液体潤滑剤に対してかかる振動が小さい場合にも、該液体潤滑剤の粘度が低下してしまい、吐出口4から求められる量を超える液体潤滑剤が供給される。
150Hzの振動を与えた際の粘度ηは、更に2Pa・s以上8Pa・s以下であることが好ましく、3Pa・s以上6Pa・s以下がより好ましい。
これらの中でも、液体オイルとしては、クリーニングブレードの長寿命化の観点から、流動パラフィン、ナフテン酸金属石鹸がよい。
尚、本明細書において「高級アルコールオイル」とは炭素数が6以上であるアルコールオイルを指し、更に7以上の炭素数であることがより好ましい。また、「高級脂肪酸オイル」とは炭素数が12以上である脂肪酸オイルを指し、更に14以上の炭素数であることがより好ましい。
無機粒子としては、モンモリロナイト、炭酸カルシウム、シリカ、酸化チタン、ベントナイト等が挙げられる。
有機粒子としては、水添ひまし油、脂肪酸アマイド、ポリオレフィン、カルシウム石鹸、ナトリウム石鹸、アルミニウム石鹸、リチウム石鹸、PTFE等の粒子が挙げられる。
なお、チキソ性付与剤の体積平均粒径は、液体潤滑剤に配合された状態のチキソ性付与剤の一次粒子100個をSEM(Scanning Electron Microscope)装置により観察し、一次粒子の画像解析によって粒子ごとの最長径、最短径を測定し、この中間値から球相当径を測定する。得られた球相当径の累積頻度における50%径(D50v)を無機粒子の平均粒径(つまり体積平均粒径)とする。
本実施形態に係るクリーニングブレードを構成するブレード本体は、被クリーニング部材との摩擦により振動する部材である。より詳細には、被クリーニング部材との摩擦力が大きいほど振動数が大きくなり、一方被クリーニング部材との摩擦力が小さいほど振動数が小さくなる部材である。
ブレード本体の被クリーニング部材に接触しない側に加速度センサー(NEC Avio9G10S)を取り付け、駆動する被クリーニング部材上を走査させたときの振動数を測定する。
一方、潤滑剤収納領域に収納される液体潤滑剤に対し適切な振動が与えられるとの観点から、被クリーニング部材とブレード本体との接触部分に十分な液体潤滑剤が存在していない状態(つまり高振動時)では、110Hz以上150Hz以下の範囲で振動するブレードが好ましく、更には130Hz以上150Hz以下の範囲がより好ましく、140Hz以上150Hz以下の範囲が更に好ましい。
次いで、本実施形態に係るクリーニングブレード(ブレード本体)の成形方法について説明する。
ブレード本体の成形は、例えば、吐出口および潤滑剤収納領域を境にして一方の側と他方の側とを別々に成形し、成形された2つの部材の吐出口および潤滑剤収納領域となる部分を向かい合わせて両者を接着する(吐出口および潤滑剤収納領域となる部分以外を接着する)ことで成形される。
尚、吐出口および潤滑剤収納領域を境にした一方の側の部材と他方の側の部材の成形は、例えば成形型にブレード本体形成用の組成物を流し込み硬化させることで行われる。
成形型120は、ブレード本体形成用の組成物が流し込まれる組成物溜まり102を有し、且つ組成物溜まり102内には、潤滑剤収納領域となる部分を形成するための潤滑剤収納領域形成部108を有する。尚、潤滑剤収納領域形成部108は、吐出口となる部分を形成するための吐出口形成部104方向に向かって、徐々に先細る形状を有している。
また、該方法にて前記他方の側の部材も形成する。但し、該他方の側の部材を形成するための成形型120は、供給通路10を形成するための供給通路形成部(不図示)を有していることが好ましい。成形された2つの部材の吐出口形成部104に対応する部分と、潤滑剤収納領域形成部108に対応する部分と、を向かい合わせて両者を接着する(但し吐出口や潤滑剤収納領域となる部分は接着しない)ことで、本実施形態に係るブレード本体が成形される。
ここで、クリーニングブレード20の吐出口4から像保持体16の表面に液体潤滑剤が吐出される機構について、更に説明する。
前述の通り図1では像保持体16が停止している(駆動していない)状態を示しており、角部2と像保持体16との接触部分には摩擦は生じていない。そのため、角部2は撓んでおらず、切れ目状に形成されている吐出口4は閉じている状態であり、閉じている吐出口4からは液体潤滑剤は吐出されていない。
像保持体16の表面に供給された液体潤滑剤12は、像保持体16の矢印A方向への駆動に伴って像保持体16と角部2との接触部分に供給される。また、像保持体16と角部2との接触部分に供給された液体潤滑剤12は該接触部分をすり抜けるため、該接触部分でのすり抜けを繰り返す内に像保持体16表面の全体に塗り広げられていく。
即ち、図1乃至図3に示す態様によれば、像保持体16と角部2との接触部分での摩擦力が増大する程、角部2が撓んで吐出口4の開口面積が大きくなり、一方、像保持体16と角部2との接触部分での摩擦力が減少する程、角部2の撓みが緩まって吐出口4の開口面積が小さくなる。そのため、像保持体16の表面に液体潤滑剤が多量に存在し摩擦力が低い状態では液体潤滑剤12の供給量が低減され、一方、像保持体16の表面の液体潤滑剤が減少して摩擦力が増大した際には液体潤滑剤12の供給量が増加され、像保持体16表面の状態に応じて適切な量の液体潤滑剤12を供給し得る。
更に、吐出口4から像保持体16と角部2との接触部分の手前(像保持体16の駆動方向上流側)の適切な位置に液体潤滑剤12が供給されるため、像保持体16およびクリーニングブレード20以外の他部材への液体潤滑剤12による汚染が抑制される。
また、図1乃至図3には、潤滑剤収納領域8の形状が、吐出口4側に向かって徐々に先細る態様を示したが、必ずしもこの形状には限られず、例えば図6に断面図を示す別の態様のクリーニングブレード20Bのごとく、潤滑剤収納領域8Bの形状が吐出口4側に向かって段階的に先細る態様であってもよい。
本実施形態に係るクリーニングブレードを構成するゴム組成物としては、公知の様々なゴム組成物が用いられる。尚、特に限定されるものではないが、中でもポリウレタンゴムが望ましい。
ここで、「ハードセグメント」および「ソフトセグメント」とは、ポリウレタンゴム材料中で、前者を構成する材料の方が、後者を構成する材料よりも相対的に硬い材料からなり、後者を構成する材料の方が前者を構成する材料よりも相対的に柔らかい材料からなるセグメントを意味する。
まず、ソフトセグメント材料としては、ポリオールとして、ジオールと二塩基酸との脱水縮合で得られるポリエステルポリオール、ジオールとアルキルカーボネートの反応により得られるポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエーテルポリオール等が挙げられる。なお、ソフトセグメント材料として用いられる上記ポリオールの市販品としては、例えば、ダイセル化学社製のプラクセル205やプラクセル240などが挙げられる。
また、ハードセグメント材料としては、イソシアネート基に対して反応し得る官能基を有する樹脂を用いることが望ましい。また、柔軟性のある樹脂であることが望ましく、柔軟性の点から直鎖構造を有する脂肪族系の樹脂であることがより望ましい。具体例としては、2つ以上のヒドロキシル基を含むアクリル樹脂や、2つ以上のヒドロキシル基を含むポリブタジエン樹脂、2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂等を用いることが望ましい。
2つ以上のヒドロキシル基を含むポリブタジエン樹脂の市販品としては、例えば、出光興産社製、R−45HT等が挙げられる。
また、物性面では、従来のエポキシ樹脂と比べて、分子量に比して粘度が低いエポキシ樹脂が好適である。具体的には、重量平均分子量が900±100の範囲内であり、25℃における粘度が15000±5000mPa・sの範囲内であることが望ましく、15000±3000mPa・sの範囲内であることがより望ましい。この特性を有するエポキシ樹脂の市販品としては、例えば、DIC製、EPLICON EXA−4850−150等が挙げられる。
ハードセグメント材料比が、10質量%以上であることにより、耐摩耗性が得られ、長期に渡って良好なクリーニング性が維持される。一方、ハードセグメント材料比が30質量%以下であることにより、硬くなり過ぎることがなく、柔軟性や伸張性が得られ、欠けの発生が抑制されて、長期に渡って良好なクリーニング性が維持される。
ポリウレタンゴムの合成に用いられるポリイソシアネートとしては、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,6−トルエンジイソシアネート(TDI)、1,6−ヘキサンジイソシアネート(HDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)および3,3−ジメチルフェニル−4,4−ジイソシアネート(TODI)などが挙げられる。
架橋剤としては、ジオール(2官能)、トリオール(3官能)、テトラオール(4官能)等が挙げられ、これらを併用してもよい。また、架橋剤としてアミン系化合物を用いてもよい。尚、3官能以上の架橋剤を用いて架橋されたものであることが望ましい。3官能の架橋剤としては、例えば、トリメチロールプロパン、グリセリン、トリイソプロパノールアミン等が挙げられる。
本実施形態における前記特定部材を構成するポリウレタンゴム部材の製造は、プレポリマー法やワンショット法など、ポリウレタンの一般的な製造方法が用いられる。プレポリマー法は強度、耐摩耗性に優れるポリウレタンが得られるため本実施形態には好適であるが、製法により制限されるものではない。
次に、本実施形態のクリーニングブレードを用いたクリーニング装置、プロセスカートリッジ、および、画像形成装置について説明する。
本実施形態のクリーニング装置は、被クリーニング部材表面に接触し、被クリーニング部材表面をクリーニングするクリーニングブレードとして、本実施形態のクリーニングブレードを備えたものであれば特に限定されない。例えば、クリーニング装置の構成例としては、被クリーニング部材側に開口部を有するクリーニングケース内に、エッジ先端が開口部側となるようクリーニングブレードを固定すると共に、クリーニングブレードにより被クリーニング部材表面から回収された廃トナー等の異物を異物回収容器に導く搬送部材を備えた構成などが挙げられる。また、本実施形態のクリーニング装置には、本実施形態のクリーニングブレードが2つ以上用いられていてもよい。
また、クリーニングブレード先端部が像保持体に食込む長さが0.8mm以上1.2mm以下の範囲であることが望ましく、0.9mm以上1.1mm以下の範囲であることがより望ましい。
クリーニングブレードと像保持体との接触部における角度W/A(Working Angle)は8°以上14°以下の範囲であることが望ましく、10°以上12°以下の範囲であることがより望ましい。
次に、本実施形態のクリーニングブレードを用いた画像形成装置およびクリーニング装置の具体例について、図面を用いてより詳細に説明する。
図5は、本実施形態の画像形成装置の一例を示す概略模式図であり、いわゆるタンデム型の画像形成装置について示したものである。
図5中、21は本体ハウジング、22、22a乃至22dは作像エンジン、23はベルトモジュール、24は記録媒体供給カセット、25は記録媒体搬送路、30は各感光体ユニット、31は感光体ドラム、33は各現像ユニット、34はクリーニング装置、35、35a乃至35dはトナーカートリッジ、40は露光ユニット、41はユニットケース、42はポリゴンミラー、51は一次転写装置、52は二次転写装置、53はベルトクリーニング装置、61は送出しロール、62は搬送ロール、63は位置合わせロール、66は定着装置、67は排出ロール、68は排紙部、71は手差し供給装置、72は送出しロール、73は両面記録用ユニット、74は案内ロール、76は搬送路、77は搬送ロール、230は中間転写ベルト、231、232は支持ロール、521は二次転写ロール、531はクリーニングブレードを表す。
ここで、感光体ユニット30は、例えば感光体ドラム31と、この感光体ドラム31を予め帯電する帯電装置(帯電ロール)32と、感光体ドラム31上の残留トナーを除去するクリーニング装置34とを一体的にサブカートリッジ化したものである。
尚、感光体ユニット30を現像ユニット33から切り離して単独のプロセスカートリッジとしてもよいことは勿論である。また、図5中、符号35(35a乃至35d)は各現像ユニット33に各色成分トナーを補給するためのトナーカートリッジである(トナー補給経路は図示せず)。
更にまた、中間転写ベルト230の最上流作像エンジン22aの上流側にはベルトクリーニング装置53が配設されており、中間転写ベルト230上の残留トナーを除去する。
更にまた、本体ハウジング21には両面記録用ユニット73が付設されており、この両面記録用ユニット73は、記録媒体の両面に画像記録を行う両面モード選択時に、片面記録済みの記録媒体を排出ロール67を逆転させ、かつ、入口手前の案内ロール74にて内部に取り込み、搬送ロール77にて内部の記録媒体戻し搬送路76に沿って記録媒体を搬送し、再度位置合わせロール63側へと供給するものである。
−ブレード本体A1−
まず、ポリカプロラクトンポリオール(ダイセル化学工業(株)製、プラクセル205、平均分子量529、水酸基価212KOHmg/g)およびポリカプロラクトンポリオール(ダイセル化学工業(株)製、プラクセル240、平均分子量4155、水酸基価27KOHmg/g)と、をポリオール成分のソフトセグメント材料として用いた。また、2つ以上のヒドロキシル基を含むアクリル樹脂(綜研化学社製、アクトフローUMB−2005B)をハードセグメント材料として用い、上記ソフトセグメント材料およびハードセグメント材料を8:2(質量比)の割合で混合した。
続いて、上記イソシアネート化合物を更に34.3部加え、窒素雰囲気下で70℃で3時間反応させて、プレポリマーを得た。尚、プレポリマーの使用に際して利用したイソシアネート化合物の全量は40.56部であった。
液体オイル(チキソ性を示さない潤滑剤)として流動パラフィン(商品名:ハイホワイト350、JX日鉱日石エネルギー株式会社、動粘度(25℃):92mm2/s)87部に、チキソ性付与剤としてベントナイト(商品名:ベンゲル、株式会社ホージュン社製)13部を加え、攪拌することにより、液体潤滑剤A1を得た。
(1)吐出口の幅(スリットの長さ)327mm
(感光体における画像形成部の幅)327mm
(2)ブレードのヤング率5MPa
(3)ブレードの接触角度12°
(4)ブレードの自由長7mm
(5)ブレードと感光体の動摩擦係数=(表2、表3に記載)
実施例1において、液体潤滑剤に用いた液体オイル(チキソ性を示さない潤滑剤)とその量、およびチキソ性付与剤およびその量を、下記表2、表3に記載の組成とした以外は、液体潤滑剤A1に記載の方法により液体潤滑剤A2〜A6およびB1〜B9を作製し、ブレード本体A1に封入した。
実施例1において用いたブレード本体A1を下記ブレード本体A2に変更した以外は、実施例1に記載の方法によりクリーニングブレードを得た。
まず、ポリエステルポリオール(和光純正工業社製、商品名:アジピン酸)をポリオール成分のソフトセグメント材料として用いた。また、2つ以上のヒドロキシル基を含むアクリル樹脂(綜研化学社製、アクトフローUMB−2005B)をハードセグメント材料として用い、上記ソフトセグメント材料およびハードセグメント材料を8:2(質量比)の割合で混合した。
次に、このソフトセグメント材料とハードセグメント材料との混合物100部に対して、イソシアネート化合物として4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業(株)製、ミリオネートMT)を6.26部加えて、窒素雰囲気下で70℃で3時間反応させた。尚、この反応で使用したイソシアネート化合物量は、反応系に含まれる水酸基に対するイソシアネート基の比(イソシアネート基/水酸基)が0.5となるよう選択したものである。
続いて、上記イソシアネート化合物を更に34.3部加え、窒素雰囲気下で70℃で3時間反応させて、プレポリマーを得た。尚、プレポリマーの使用に際して利用したイソシアネート化合物の全量は40.56部であった。
次に、このプレポリマーを100℃に昇温し、減圧下で1時間脱泡した。その後、プレポリマー100部に対して、1,4−ブタンジオールとトリメチロールプロパンとの混合物(質量比=60/40)を7.14部加え、3分間泡を巻き込まないように混合し、ブレード本体形成用組成物A2を調製した。
次いで、図4に示す成形型を140℃に調整した遠心成形機に上記ブレード本体形成用組成物A2を流し込み、1時間硬化反応させ、更に110℃で24時間架橋した。この部材を2つ成形し(但し、一方には潤滑剤の供給通路を形成した)、成形された2つの部材の吐出口および潤滑剤収納領域となる部分を向かい合わせて両者を接着した(但し、吐出口および潤滑剤収納領域となる部分は接着していない)。こうして図1および図2に示す構造を有するブレード本体A2を得た。
−液体潤滑剤の粘度の測定−
液体潤滑剤に対し50Hzの振動を与えた際の粘度η、および150Hzの振動を与えた際の粘度ηを前述の方法により測定した。
摩擦係数測定器としてHEIDON(Type−HEIDON14、新東科学社製)を用い、図7に示すごとくクリーニングブレード20を固定冶具200に張り付け、像保持体(φ30)16に対するクリーニングブレード20の接触荷重を1.6f/mmに設定して、像保持体16を駆動(空回し)させ、クリーニングブレード20から像保持体16表面に潤滑剤が付与されている状態での摩擦係数(μ)を測定した。
ブレードが50Hz(低振動)で振動しているときの液体潤滑剤の吐出量、および150Hz(高振動)で振動しているときの液体潤滑剤の吐出量を、ブレードを走行させる前の質量とブレード走行後の質量とを測定し、その差から算出した。
エッジ摩耗の評価に際しては、高温高湿環境(28℃、85RH%)下にて、感光体の積算回転数が100KサイクルになるまでA4用紙(210×297mm、富士ゼロックス社製、P紙)を用いて画像形成させた後のクリーニングブレードのエッジ先端の摩耗と、クリーニング不良とを併せて評価して判断した。
なお、テストに際しては、感光体とクリーニングブレードとの接触部における潤滑効果を小さくした過酷な条件で評価するために、形成する画像の像密度を1%とした。
エッジ摩耗の評価基準を以下の表1に示す。なお、許容範囲はG0乃至G2である。
感光体摩耗レートは、試験前と試験後の感光体の膜厚を渦電流式の膜厚計で計測しその差分にて算出し、感光体1000cycle当りの感光体摩耗レートとして算出した。この結果を表2および表3にあわせて示す。
感光体およびクリーニングブレードの寿命を以下のようにして評価した。
・感光体寿命
A:感光体摩耗レート20nm/k・cycle以下
B:感光体摩耗レート20nm/k・cycle超え
・ブレード寿命
A:エッジ摩耗評価G0乃至G2
B:エッジ摩耗評価G3乃至G5
以下の基準により、総合評価を行った。
A:エッジ摩耗評価G0乃至G2、感光体摩耗レート20nm/k・cycle以下
B:エッジ摩耗評価G3乃至G5、感光体摩耗レート20nm/k・cycle超え
(チキソ性付与剤)
・「ベントナイト」:商品名:ベンゲル、株式会社ホージュン社製
・「モンモリロナイト」:商品名:特殊クレイナノマー、ボルクレイジャパン社製
・「炭酸カルシウム」:商品名:カルファインN−350、丸尾カルシウム株式会社製、体積平均粒径50nm
(液体オイル)
・「流動パラフィン」:商品名:ハイホワイト350、JX日鉱日石エネルギー株式会社製、動粘度(25℃):92mm2/s
・「ナフテン酸金属石鹸」:商品名:ナフテックス鉄、日本化学産業株式会社製
・「シリコーンオイル」:商品名:KF−96L−1cs、信越化学工業社製
・「オクチル酸金属石鹸」:ヘキソエート亜鉛15%、東栄化工株式会社製
Claims (5)
- 内部に液体潤滑剤を収納する潤滑剤収納領域と、駆動する被クリーニング部材に接触した際に前記駆動の方向の上流側を向く面に設けられ、前記液体潤滑剤を吐出する吐出口と、を備え、前記被クリーニング部材との摩擦により振動するブレード本体と、
前記潤滑剤収納領域に収納され、50Hzの振動を与えた際の粘度ηが47Pa・s以上、150Hzの振動を与えた際の粘度ηが0.01Pa・s以上10.5Pa・s以下であるチキソ性を有する液体潤滑剤と、
を有するクリーニングブレード。 - 前記液体潤滑剤が、流動パラフィン、ナフテン酸金属石鹸、オクチル酸金属石鹸、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、環状メチルシリコーンオイル、フッ素オイル、高級アルコールオイル、および高級脂肪酸オイルからなる群より選択される少なくとも一種の液体オイルと、シリカ、酸化チタン、モンモリロナイト、ベントナイト、および炭酸カルシウムからなる群より選択される少なくとも一種のチキソ性付与剤と、を含有する請求項1に記載のクリーニングブレード。
- 請求項1または請求項2に記載のクリーニングブレードを備えたクリーニング装置。
- 請求項3に記載のクリーニング装置を備え、画像形成装置に対して脱着自在であるプロセスカートリッジ。
- 像保持体と、
前記像保持体を帯電する帯電装置と、
帯電した前記像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成装置と、
前記像保持体の表面に形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、
前記像保持体上に形成されたトナー像を記録媒体上に転写する転写装置と、
前記転写装置によって前記トナー像が転写された後の前記像保持体の表面に、前記クリーニングブレードを接触させてクリーニングする請求項3に記載のクリーニング装置と、
を備える画像形成装置。
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