JP5958391B2 - クリーニングブレード、クリーニング装置、プロセスカートリッジ、および画像形成装置 - Google Patents

クリーニングブレード、クリーニング装置、プロセスカートリッジ、および画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5958391B2
JP5958391B2 JP2013042054A JP2013042054A JP5958391B2 JP 5958391 B2 JP5958391 B2 JP 5958391B2 JP 2013042054 A JP2013042054 A JP 2013042054A JP 2013042054 A JP2013042054 A JP 2013042054A JP 5958391 B2 JP5958391 B2 JP 5958391B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cleaning blade
cleaning
thixotropic composition
image
formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013042054A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014170122A (ja
Inventor
太野 大介
大介 太野
小野 雅人
雅人 小野
英子 清野
英子 清野
濱野 弘一
弘一 濱野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Fujifilm Business Innovation Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd, Fujifilm Business Innovation Corp filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2013042054A priority Critical patent/JP5958391B2/ja
Publication of JP2014170122A publication Critical patent/JP2014170122A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5958391B2 publication Critical patent/JP5958391B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Cleaning In Electrography (AREA)

Description

本発明は、クリーニングブレード、クリーニング装置、プロセスカートリッジ、および画像形成装置に関する。
従来から、電子写真方式の複写機、プリンタ、ファクシミリ等においては、感光体等の像保持体の表面の残存トナー等を除去するための清掃手段としてクリーニングブレードが用いられている。尚、クリーニングブレードは特にこれらに限定されず、多様な被クリーニング部材の表面を清掃するための手段として用いられている。
例えば、特許文献1には、感光体ベルトに、高分子樹脂粉末,ステアリン酸亜鉛粉末,シリカ粉末等からなるトナー、またはステアリン酸亜鉛粉末を塗布することによって、表面に低摩擦膜が形成され、低摩擦膜は、クリーニングブレードの接触位置から、感光体ベルトの移動方向における上流側の定められた面積に形成された画像形成装置が開示されている。
また、特許文献2には、また、感光体上にチキソトロピー性の潤滑剤を供給する方法が提案されている。
特開平5−119676号公報 特開2008−70499号公報
本発明は、被クリーニング部材との摺動の状態に応じて潤滑剤の供給量が制御されるクリーニングブレードを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、以下の発明が提供される。
請求項1に係る発明は、
少なくとも被クリーニング部材と接触する部分を含む領域に、下記式(A)及び下記式(B’)を満たし且つ潤滑剤を含むチキソ性組成物を含有するクリーニングブレードである。
式(A):η(1)/η(100)≧18
式(B’):3000Pa・s≧η(1)≧0.1Pa・s
(式(A)及び式(B’)中、η(1)は、温度30℃で剪断力1s−1を付与したときの前記チキソ性組成物の粘度(Pa・s)を示す。η(100)は、温度30℃で剪断力100s−1を付与したときの前記チキソ性組成物の粘度(Pa・s)を示す。)
請求項2に係る発明は、
前記チキソ性組成物が、下記式(B)を満たす請求項1に記載のクリーニングブレードである。
式(B):3000Pa・s≧η(1)≧50Pa・s
(式(B)中、η(1)は、温度30℃で剪断力1s−1を付与したときの前記チキソ性組成物の粘度(Pa・s)を示す。)
請求項3に係る発明は、
前記チキソ性組成物が、乾式シリカ粒子を含む請求項1または請求項2に記載のクリーニングブレードである。
請求項4に係る発明は、
請求項1〜請求項3の何れか一項に記載のクリーニングブレードを備えたクリーニング装置である。
請求項5に係る発明は、
像保持体と、
前記像保持体を帯電する帯電装置と、
帯電した前記像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成装置と、
前記像保持体の表面に形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、
前記像保持体上に形成されたトナー像を記録媒体上に転写する転写装置と、
前記転写装置によって前記トナー像が転写された後の前記像保持体の表面に、前記クリーニングブレードを接触させてクリーニングする請求項4に記載のクリーニング装置と、
を備える画像形成装置である。
請求項6に係る発明は、
請求項4に記載のクリーニング装置を備え、画像形成装置に対して脱着自在であるプロセスカートリッジ。
請求項1に係る発明によれば、被クリーニング部材と接触する部分を含む領域に式(A)を満たし且つ潤滑剤を含むチキソ性組成物を含有しない場合に比べ、被クリーニング部材との摺動の状態に応じて潤滑剤の供給量が制御されるクリーニングブレードが提供される。
請求項2に係る発明によれば、チキソ性組成物が式(B)を満たさない場合に比べ、被クリーニング部材との摺動の状態に応じて潤滑剤の供給量が制御されるクリーニングブレードが提供される。
請求項3に係る発明によれば、チキソ性組成物が乾式製法により得られたシリカ粒子を含まずそれ以外の粒子を含む場合に比べ、被クリーニング部材との接触部に潤滑剤がムラなく供給されるクリーニングブレードが提供される。
請求項4,5,および6に係る発明によれば、被クリーニング部材と接触する部分を含む領域に式(A)を満たし且つ潤滑剤を含むチキソ性組成物が含有されたクリーニングブレードを備えない場合に比べ、長寿命化が図られ且つ潤滑剤による他部材の汚染が抑制されたクリーニング装置、プロセスカートリッジ、および画像形成装置が提供される。
本実施形態におけるクリーニングブレードの一例を示す概略図である。 本実施形態におけるクリーニングブレードが駆動している像保持体に接触している状態を示す概略図である。 本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略模式図である。 本実施形態におけるクリーニング装置の一例を示す模式断面図である。 本実施形態におけるクリーニングブレードの他の一例を示す概略図である。 本実施形態におけるクリーニングブレードの他の一例を示す概略図である。
以下、本発明のクリーニングブレード、クリーニング装置、プロセスカートリッジ、および画像形成装置の実施形態について詳細に説明する。
<クリーニングブレード>
本実施形態に係るクリーニングブレードは、少なくとも被クリーニング部材と接触する部分を含む領域にチキソ性組成物を含有する。尚、該チキソ性組成物は下記式(A)を満たし、且つ潤滑剤を含む。
式(A):η(1)/η(100)≧18
(式(A)中、η(1)は、温度30℃で剪断力1s−1を付与したときの前記チキソ性組成物の粘度(Pa・s)を示す。η(100)は、温度30℃で剪断力100s−1を付与したときの前記チキソ性組成物の粘度(Pa・s)を示す。)
尚、本明細書において、クリーニングブレードの被クリーニング部材と接触する部分を含む領域を構成する部材を「接触部材」と称する。本実施形態に係るクリーニングブレードは前記接触部材のみからなっていてもよく、つまりクリーニングブレード全体に前記チキソ性組成物を含有していてもよい。
また、クリーニングブレードが、前記接触部材と該接触部材以外の領域とがそれぞれ異なる材料にて構成されている場合には、接触部材以外の領域を構成する部材を「非接触部材」と称する。クリーニングブレードが接触部材と非接触部材とを有する場合、前記チキソ性組成物は少なくとも接触部材に含有される。尚、非接触部材は、1種の材料で構成されていても材料異なる2種以上の部材から構成されていてもよい。
また、前記チキソ性組成物における「チキソ性」とは、チキソトロピー性のことであり、剪断力が付与されないまたは付与される剪断力が低いときは固形状となるかまたは粘度が高い状態となっている一方で、付与される剪断力が高くなると、粘度が低い状態となる性質である。前記式(A)は、剪断力1s−1を付与したときのチキソ性組成物の粘度に対し、剪断力100s−1を付与したときのチキソ性組成物の粘度が1/18以下に下がることを表し、つまり本実施形態におけるチキソ性組成物は、高い剪断力が加えられた際に粘度が低下する性質を有することを表している。
従来、被クリーニング部材に接触して表面を清掃するクリーニングブレードでは、被クリーニング部材の駆動に伴って接触部が摺動し、この摺動部分で摩耗が生じることがあり、摩耗した箇所ではクリーニング性が劣ることがあった。
一方で、前記接触部での摩擦力を低減してクリーニングブレードの摩耗を抑制する観点からクリーニングブレードと被クリーニング部材との接触部分に外部から液体潤滑剤を供給する方法が行われてきた。しかしながら、外部から液体潤滑剤を供給する場合、接触部に適度な量の潤滑剤が供給されて被クリーニング部材とクリーニングブレードとの摺動が安定している状態であっても、また接触部での潤滑剤の量が低減し摺動が不安定になった状態であっても、外部から一定量の液体潤滑剤が供給されるため効率的でなかった。更には、余剰の液体潤滑剤が他の部材を汚染することもあった。
そのため、クリーニングブレードの摺動の状態に応じて潤滑剤の供給量を制御することが求められていた。
これに対して、本実施形態に係るクリーニングブレードでは、上記構成により、クリーニングブレードと被クリーニング部材との摺動の状態に応じて潤滑剤の供給量が適切に制御される。
この理由は、以下に示す理由と考えられる。
まず、本実施形態に係るクリーニングブレードは、図1に示すごとく、被クリーニング部材31の表面に接触して配置される。被クリーニング部材31が駆動すると、図2に示すごとく、クリーニングブレード342と被クリーニング部材31との接触部に摺動が生じてニップ部Tが形成され、被クリーニング部材31の表面が清掃される。
この状態で配置されるクリーニングブレード342の少なくとも接触部材に前記チキソ性組成物が含有されると、被クリーニング部材31とクリーニングブレード342との摩擦力が小さくクリーニングブレード342の姿勢が安定しているときは、クリーニングブレード342の接触部材に含まれるチキソ性組成物に対して剪断力が掛かり難い状態となっている。剪断力が掛かり難い状態では、チキソ性組成物はそのチキソ性という特性から粘度が高い状態であると考えられる。そのため、接触部材に含まれるチキソ性組成物はクリーニングブレード342の表面に流出せず、クリーニングブレード342と被クリーニング部材31との接触部(ニップ部T)に供給されるチキソ性組成物の量も低減されると考えられる。
その一方、被クリーニング部材31とクリーニングブレード342との摩擦力が大きくなりクリーニングブレード342の姿勢が不安定となると、接触部材に含有されるチキソ性組成物に対して高い剪断力が掛かるようになる。高い剪断力が掛かると、チキソ性組成物はそのチキソ性という特性から粘度が低下し、クリーニングブレード342の表面に流出して、クリーニングブレード342と被クリーニング部材31との接触部(ニップ部T)に供給されるチキソ性組成物の量が増加すると考えられる。つまり、チキソ性組成物に含まれる潤滑剤がニップ部Tに供給されるようになる。すると、その潤滑剤の潤滑機能から、ニップ部Tに掛かる力が低減され、クリーニングブレード342の姿勢が安定化する。このため、被クリーニング部材31表面に存在する清掃すべき異物のすり抜けが抑制されると考えられる。
そして、チキソ性組成物が式(A)を満たすチキソ性を有することにより、低い剪断力が付与されているときは、チキソ性組成物が高い粘度を維持してクリーニングブレード342の接触部材に留まって、ニップ部Tへの潤滑剤の供給が抑制され、一方クリーニングブレード342の姿勢が不安定になり高い剪断力が付与されたときは、チキソ性組成物の粘度が速やかに低下してクリーニングブレード342から流出し、ニップ部Tに供給され易くなり、クリーニングブレード342の姿勢安定化が発揮されると考えられる。
以上から、本実施形態に係るクリーニングブレードでは、被クリーニング部材との摺動の状態に応じて潤滑剤の供給量が適切に制御され、またクリーニング不良が抑制されると考えられる。また、余剰の潤滑剤がニップ部Tに供給されることが低減されるため、潤滑剤による他の部材の汚染も低減されるものと考えられる。
またこれに加え、本実施形態に係るクリーニングブレードでは、チキソ性組成物に含まれる潤滑剤の潤滑機能から、クリーニングブレードの姿勢が安定化するため、クリーニングブレードおよび被クリーニング部材に対する過剰な機械的負荷が掛かるのも抑制されると考えられる。その結果、クリーニングブレードの長寿命化も実現され易くなると考えられる。
次いで、本実施形態に係るクリーニングブレードの構成について詳述する。
まず、クリーニングブレードの各部について図を用いて説明する。以下においては、図1に示すごとく、クリーニングブレードは、駆動する像保持体(感光体ドラム)31に接触して像保持体31の表面をクリーニングする接触部(接触角部)3Aと、接触角部3Aが1つの辺を構成し且つ前記駆動の方向(矢印A方向)の上流側を向く先端面3Bと、接触角部3Aが1つの辺を構成し且つ前記駆動の方向(矢印A方向)の下流側を向く腹面3Cと、先端面3Bと1つの辺を共有し且つ腹面3Cに対向する背面3Dと、を有する。
また、接触角部3Aと平行な方向を奥行き方向と、接触角部3Aから先端面3Bが形成されている側の方向を厚み方向と、接触角部3Aから腹面3Cが形成されている側の方向を幅方向と称す。
尚、図1には便宜上、像保持体(感光体ドラム)31が駆動する方向を矢印Aとして描いたが、図1は像保持体31が停止している状態を示している。
図1は、第1の実施形態に係るクリーニングブレードを示す概略図であり、感光体ドラムの表面に接触した状態を示す図である。また、図5は第2の実施形態に係るクリーニングブレードが、図6は第3の実施形態に係るクリーニングブレードが、感光体ドラムの表面に接触した状態を示す図である。
図1に示す第1の実施形態に係るクリーニングブレード342Aは、感光体ドラム31と接触する部分(接触角部)3Aを含めて、全体が単一の材料から構成されており、即ち接触部材のみからなる態様である。
尚、本実施形態に係るクリーニングブレードは、図5に示す第2の実施形態のごとく、感光体ドラム31と接触する部分(接触角部)3Aを含み、腹面3C側全面に渡って形成され且つ接触部材からなる第一層3421Bと、該第一層よりも背面3D側に形成され且つ接触部材とは異なる材料からなる背面層としての第二層3422Bと、が設けられた2層構成であってもよい。
更に、本実施形態に係るクリーニングブレードは、図6に示す第3の実施形態のごとく、感光体ドラム31と接触する部分つまり接触角部3Aを含み、1/4にカットされた円柱が奥行き方向に伸びた形状を有し該形状の直角部分が接触角部3Aを形成する、接触部材からなる接触部材(エッジ部材)3421Cと、接触部材3421Cの厚み方向の背面3D側および幅方向の先端面3Aとは反対側を覆い、つまり前記接触部材3421C以外の部分を構成する、接触部材とは異なる材料からなる背面部材3422Cと、が設けられた構成であってもよい。
尚、図6では接触部材として1/4にカットされた円柱の形状を有する部材の例を示したが、これに限定されるものではない。接触部材としては、例えば楕円状の円柱が1/4にカットされた形状や、正方形の四角柱、長方形の四角柱等の形状であってもよい。
(接触部材)
本実施形態に係るクリーニングブレードにおける接触部材は、少なくともチキソ性組成物を含有する。
−チキソ性組成物−
チキソ性組成物は、潤滑剤を含み、且つ下記式(A)(望ましくは下記式(A1)、より望ましくは下記式(A2))を満たしている。
・式(A) : η(1)/η(100)≧18
・式(A1):79≧η(1)/η(100)≧34.8
・式(A2):78≧η(1)/η(100)≧52
式(A)、式(A1)及び式(A2)中、η(1)は、温度30℃で剪断力1s−1を付与したときのチキソ性組成物の粘度(Pa・s)を示す。η(100)は、温度30℃で剪断力100s−1を付与したときのチキソ性組成物の粘度(Pa・s)を示す。
式(A)において、「η(1)/η(100)」が18未満であると、クリーニングブレード342の姿勢が不安定となり、接触部材中のチキソ性組成物に高い剪断力が負荷されたとき、粘度が低下しきらず、クリーニングブレード342のニップ部Tへチキソ性組成物(それに含まれる潤滑剤)が供給され難くなり、クリーニング不良が生じる。
チキソ性組成物における前記η(1)の値は、更に下限値が0.1Pa・s以上が好ましく、1Pa・s以上がより好ましく、10Pa・s以上が更に好ましく、50Pa・s以上が更に好ましい。
また、前記η(1)の値の上限値は、3000Pa・s以下が好ましく、1000Pa・s以下がより好ましく、750Pa・s以下が更に好ましく、500Pa・s以下が更に好ましい。
尚、チキソ性組成物は、下記式(B)を満たすことがよい。
・式(B) :3000Pa・s≧η(1)≧50Pa・s
(式(B)中、η(1)は、温度30℃で剪断力1s−1を付与したときのチキソ性組成物の粘度(Pa・s)を示す。)
「η(1)」を0.1Pa・s以上とすることにより、クリーニングブレード342の姿勢が安定であり、接触部材中のチキソ性組成物に負荷される剪断力が低いときに、粘度が高く維持され、クリーニングブレード342のニップ部Tへのチキソ性組成物(それに含まれる潤滑剤)の供給が効果的に抑制される。
一方、「η(1)」を3000Pa・s以下とすることにより、ウレタンゴム等の樹脂との相溶性が得られ、分散性が向上し、クリーニングブレード全体にチキソ組成物が行き渡るとの効果がある。
ここで、「チキソ性」とは、チキソトロピー性のことであり、剪断力が付与されないまたは付与される剪断力が低いときは固形状となるまたは粘度が高い状態となっている一方で、付与される剪断力が高くなると、粘度が低い状態となる性質である。
そして、「η(1)」、および「η(100)」は、クリーニングブレードの接触部材から、チキソ性組成物を分離した試料に対して、Brookfield社製「RS−CPSコーンプレート型 R/Sレオメーター(スピンドル「RC3−25−1」を適用)を用いて、温度30度で測定した値である。
尚、接触部材からのチキソ性組成物の分離は、クリーニングブレードの接触部材上に析出したチキソ性組成物を採取することで行われる。
チキソ性組成物は、その取り扱いの観点から、剪断力が付与されていないときは、形状保持力を持つ性質を有することがよい。
チキソ性組成物は、例えば、潤滑剤(単独ではチキソ性を持たない潤滑剤)と粒状物とを含む構成が挙げられる。粒状物を含ませることにより、チキソ性の付与が実現され易くなる。
潤滑剤(単独ではチキソ性を持たない潤滑剤)としては、オクチル酸金属石鹸、ナフテン酸金属石鹸、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、環状メチルシリコーンオイル、流動パラフィン、フッ素オイル、高級アルコールオイル、高級脂肪酸オイル等が挙げられる。
これらの中でも、潤滑剤としては、クリーニングブレードの長寿命化の観点から、ジメチルシリコーンオイルがよい。
粒状物としては、例えば、無機粒子、有機粒子等が挙げられる。
無機粒子としては、シリカ、酸化チタン、ペンナイト、モンモリロナイト、ベントナイト、炭酸カルシウム等が挙げられる。
有機粒子としては、水添ひまし油、脂肪酸アマイド、ポリオレフィン、カルシウム石鹸、ナトリウム石鹸、アルミニウム石鹸、リチウム石鹸、PTFE等の粒子が挙げられる。
これらの中でも、粒状物としては、乾式製法により得られたシリカ粒子(乾式シリカ)がよく、例えばフュームドシリカが挙げられる。
中でも表面が親水化処理されたシリカ粒子がよい。表面が親水化処理されたシリカ粒子は、接触部材を構成する後述の樹脂と相溶性がよく、特に接触部材に好適に用いられるウレタン樹脂との相溶性に優れる。そのため、接触部材中におけるチキソ性組成物の分散性が向上し、ニップ部Tに潤滑剤がムラなく供給される。
尚、シリカ粒子の表面を親水化処理するための親水化処理剤としては、例えば、アミノシラザン、4級アンモニウム塩を有するカチオン性カップリングカルボン酸基等のアニオン性処理剤、無機材料としては水酸化アルミニウム、メタリン酸ナトリウム、ジルコニア、アルミナにステアリン酸類を混合したもの、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム等の金属酸化物等が挙げられる。
無機粒子の体積平均粒径は、チキソ性付与、外添剤捕獲機能向上、クリーニングブレードの長寿命化の観点から、例えば、5nm以上30nm以下であることがよく、望ましくは8nm以上20nm以下である。
なお、無機粒子の体積平均粒径は、チキソ性組成物に配合された状態の無機粒子の一次粒子100個をSEM(Scanning Electron Microscope)装置により観察し、一次粒子の画像解析によって粒子ごとの最長径、最短径を測定し、この中間値から球相当径を測定する。得られた球相当径の累積頻度における50%径(D50v)を無機粒子の平均粒径(つまり体積平均粒径)とする。
粒状物の含有量は、チキソ性付与、クリーニングブレードの長寿命化の観点から、潤滑剤に対して、例えば、10質量%以上80質量%以下であることがよく、望ましくは15質量%以上50質量%以下である。
なお、チキソ性組成物において、式(A)および上記式(B)を満たすチキソ性は、例えば、潤滑剤の種類や、粒状物の種類、粒径、含有量等により制御される。
−樹脂−
本実施形態に係るクリーニングブレードにおける接触部材は、特に限定されるものではないが、樹脂を含有することが好ましい。樹脂としては、例えば、ポリウレタンゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、プロロピレンゴム、ブタジエンゴム等が挙げられる。尚、特にポリウレタンゴムが望ましく、更には高結晶化されたポリウレタンゴムがより望ましい。
ポリウレタンゴムは、通常ポリイソシアネートとポリオールとを重合することで合成される。また、ポリオール以外にイソシアネート基と反応し得る官能基を有する樹脂を用いてもよい。尚、ポリウレタンゴムはハードセグメントとソフトセグメントとを有していることが望ましい。
ここで、「ハードセグメント」および「ソフトセグメント」とは、ポリウレタンゴム材料中で、前者を構成する材料の方が、後者を構成する材料よりも相対的に硬い材料からなり、後者を構成する材料の方が前者を構成する材料よりも相対的に柔らかい材料からなるセグメントを意味する。
ハードセグメントを構成する材料(ハードセグメント材料)とソフトセグメントを構成する材料(ソフトセグメント材料)との組み合わせとしては、特に限定されず、一方が他方に対して相対的に硬く、他方が一方に対して相対的に柔らかい組み合わせとなるよう公知の樹脂材料から選択し得るが、本実施形態においては、以下の組み合わせが好適である。
・ソフトセグメント材料
まず、ソフトセグメント材料としては、ポリオールとして、ジオールと二塩基酸との脱水縮合で得られるポリエステルポリオール、ジオールとアルキルカーボネートの反応により得られるポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエーテルポリオール等が挙げられる。なお、ソフトセグメント材料として用いられる上記ポリオールの市販品としては、例えば、ダイセル化学社製のプラクセル205やプラクセル240などが挙げられる。
・ハードセグメント材料
また、ハードセグメント材料としては、イソシアネート基に対して反応し得る官能基を有する樹脂を用いることが望ましい。また、柔軟性のある樹脂であることが望ましく、柔軟性の点から直鎖構造を有する脂肪族系の樹脂であることがより望ましい。具体例としては、2つ以上のヒドロキシル基を含むアクリル樹脂や、2つ以上のヒドロキシル基を含むポリブタジエン樹脂、2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂等を用いることが望ましい。
2つ以上のヒドロキシル基を含むアクリル樹脂の市販品としては、例えば、総研化学社製のアクトフロー(グレード:UMB−2005B、UMB−2005P、UMB−2005、UME−2005等)が挙げられる。
2つ以上のヒドロキシル基を含むポリブタジエン樹脂の市販品としては、例えば、出光興産社製、R−45HT等が挙げられる。
2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂としては、従来の一般的なエポキシ樹脂のごとく硬くて脆い性質を有するものではなく、従来のエポキシ樹脂よりも柔軟強靭性であるものが望ましい。上記エポキシ樹脂としては、例えば、分子構造の面では、その主鎖構造中に、主鎖の可動性を高くし得る構造(柔軟性骨格)を有するものが好適であり、柔軟性骨格としては、アルキレン骨格や、シクロアルカン骨格、ポリオキシアルキレン骨格等が挙げられ、特にポリオキシアルキレン骨格が好適である。
また、物性面では、従来のエポキシ樹脂と比べて、分子量に比して粘度が低いエポキシ樹脂が好適である。具体的には、重量平均分子量が900±100の範囲内であり、25℃における粘度が15000±5000mPa・sの範囲内であることが望ましく、15000±3000mPa・sの範囲内であることがより望ましい。この特性を有するエポキシ樹脂の市販品としては、例えば、DIC製、EPLICON EXA−4850−150等が挙げられる。
ハードセグメント材料およびソフトセグメント材料を用いる場合、ハードセグメント材料およびソフトセグメント材料の総量に対するハードセグメントを構成する材料の質量比(以下「ハードセグメント材料比」と称す)が10質量%以上30質量%以下の範囲内であることが望ましく、13質量%以上23質量%以下の範囲内であることがより望ましく、15質量%以上20質量%以下の範囲内であることが更に望ましい。
ハードセグメント材料比が、10質量%以上であることにより、耐摩耗性が得られ、長期に渡って良好なクリーニング性が維持される。一方、ハードセグメント材料比が30質量%以下であることにより、硬くなり過ぎることがなく、柔軟性や伸張性が得られ、欠けの発生が抑制されて、長期に渡って良好なクリーニング性が維持される。
・ポリイソシアネート
ポリウレタンゴムの合成に用いられるポリイソシアネートとしては、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,6−トルエンジイソシアネート(TDI)、1,6−ヘキサンジイソシアネート(HDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)および3,3−ジメチルフェニル−4,4−ジイソシアネート(TODI)などが挙げられる。
尚、求められる大きさ(粒子径)のハードセグメント凝集体の形成し易さという点から、ポリイソシアネートとしては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)がより望ましい。
ポリイソシアネートのイソシアネート基に対して反応し得る官能基を有する樹脂100質量部に対する配合量は、20質量部以上40質量部以下が望ましく、更には20質量部以上35質量部以下がより望ましく、20質量部以上30質量部以下が更に望ましい。
20質量部以上であることにより、ウレタン結合量が多く確保されてハードセグメント成長し、求められる硬度が得られる。一方40質量部以下であることにより、ハードセグメントが大きくなり過ぎず、伸張性が得られ、クリーニングブレードの欠けの発生が抑制される。
・架橋剤
架橋剤としては、ジオール(2官能)、トリオール(3官能)、テトラオール(4官能)等が挙げられ、これらを併用してもよい。また、架橋剤としてアミン系化合物を用いてもよい。尚、3官能以上の架橋剤を用いて架橋されたものであることが望ましい。3官能の架橋剤としては、例えば、トリメチロールプロパン、グリセリン、トリイソプロパノールアミン等が挙げられる。
架橋剤のイソシアネート基に対して反応し得る官能基を有する樹脂100質量部に対する配合量は2質量部以下が望ましい。2質量部以下であることにより、分子運動が化学架橋で拘束されることなく、熟成によるウレタン結合由来のハードセグメントが大きく成長し、求められる硬度が得やすくなる。
・接触部材の成形方法
本実施形態における前記接触部材を構成するポリウレタンゴムの製造は、プレポリマー法やワンショット法など、ポリウレタンの一般的な製造方法が用いられる。プレポリマー法は強度、耐摩耗性に優れるポリウレタンが得られるため本実施形態には好適であるが、製法により制限されるものではない。
かかるポリウレタンゴムは、上述したポリオールに、イソシアネート化合物および架橋剤等を配合し、更に前述のチキソ性組成物を混合して成形する。尚、クリーニングブレードの接触部材の成形は、上記方法により調製されたクリーニングブレード形成用の組成物を、例えば、遠心成形や押し出し成形等を利用して、シート状に形成し、切断加工等を施すことにより作製される。
ここで、一例を挙げて、接触部材の製造方法の詳細を説明する。
まず、ソフトセグメント材料(例えばポリカプロラクトンポリオール)と、ハードセグメント材料(例えば2つ以上のヒドロキシル基を含むアクリル樹脂)を、混合(例えば質量比8:2)する。
次に、このソフトセグメント材料とハードセグメント材料との混合物に対して、イソシアネート化合物(例えば4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート)を加えて、例えば窒素雰囲気下で反応させる。この際の温度は60℃以上150℃以下であることが望ましく、更には80℃以上130℃以下であることが望ましい。また反応時間は0.1時間以上3時間以下であることが望ましく、更には1時間以上2時間以下であることが望ましい。
続いて、イソシアネート化合物を更に加え、例えば窒素雰囲気下で反応させてプレポリマーを得る。この際の温度は40℃以上100℃以下であることが望ましく、更には60℃以上90℃以下であることが望ましい。また反応時間は30分間以上6時間以下であることが望ましく、更には1時間以上4時間以下であることが望ましい。
次いで、このプレポリマーを昇温し減圧下で脱泡する。この際の温度は60℃以上120℃以下であることが望ましく、更には80℃以上100℃以下であることが望ましい。また反応時間は10分間以上2時間以下であることが望ましく、更には30分間以上1時間以下であることが望ましい。
その後、プレポリマーに対して、架橋剤(例えば1,4−ブタンジオールやトリメチロールプロパン)を加え、更にチキソ性組成物を混合して、クリーニングブレード形成用の組成物を調製する。
次いで、遠心成形機の金型に上記クリーニングブレード形成用の組成物を流し込み、硬化反応させる。この際の金型温度は80℃以上160℃以下であることが望ましく、更には100℃以上140℃以下であることが望ましい。また反応時間は20分間以上3時間以下であることが望ましく、更には30分間以上2時間以下であることが望ましい。
更に架橋反応させ、冷却した後にカットしクリーニングブレードが形成される。この架橋反応の際の熟成加熱の温度は70℃以上130℃以下であることが望ましく、80℃以上130℃以下であることがより望ましく、更には100℃以上120℃以下であることが望ましい。また反応時間は1時間以上48時間以下であることが望ましく、更には10時間以上24時間以下であることが望ましい。
・物性
本実施形態におけるクリーニングブレードでは、示差走査熱量測定(DSC)による吸熱ピークトップ温度(溶融温度)が180℃以上であることが望ましく、更には185℃以上であることがより望ましく、190℃以上であることが更に望ましい。尚、上限値としては220℃以下であることが望ましく、更には215℃以下であることがより望ましく、210℃以下であることが更に望ましい。
尚、吸熱ピークトップ温度(溶融温度)は、示差走査熱量測定(DSC)にてASTM D3418−99に準じて行なわれる。測定には、パーキンエルマー社製Diamond−DSCを使用し、装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の溶融温度を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。測定サンプルにはアルミニウム製のパンを用い、対照用に空パンをセットし測定を行う。
吸熱ピークトップ温度を上記範囲に制御する手段としては、分子配列のムラが抑制され得る成形条件で成形する方法が挙げられる。具体的には、ポリウレタン組成物を調製する際に、ポリオールやプレポリマーの温度を低くしたり、硬化・成形の温度を低くしたりすることにより、架橋の進行が遅くなるよう調整する。これらの温度(ポリオールやプレポリマーの温度、硬化・成形の温度)を低く設定して反応性を下げることにより、ウレタン結合部が凝集し、ハードセグメントの結晶体が得られるので、ハードセグメント凝集体の粒子径が求められる結晶径となるよう温度を調整する。
これにより、ポリウレタン組成物に含まれる分子が並んだ状態となり、DSCを測定した際に、結晶融解エネルギーの吸熱ピークトップ温度が前記範囲の結晶体を含むポリウレタンゴムが成形される。
なお、ポリオール、ポリイソシアネート、および架橋剤の量や、架橋剤の比率等は求められる範囲に調整する。
また、本実施形態では、ポリウレタンゴムがハードセグメントとソフトセグメントとを有し、前記ハードセグメントの凝集体の平均粒子径が5μm以上20μm以下であることが望ましい。
ハードセグメントの凝集体の平均粒子径が5μm以上であることにより、ブレード表面での結晶面積が増え、摺動性向上の利点がある。一方、20μm以下であることにより、低摩擦化を維持しつつ、靱性(耐欠け性)を失わないとの利点がある。
上記平均粒子径は、更に5μm以上15μm以下であることがより望ましく、5μm以上10μm以下であることが更に望ましい。
また、前記ハードセグメントの凝集体の粒度分布(標準偏差σ)が2μm以上であることが望ましい。
ハードセグメントの凝集体の粒度分布(標準偏差σ)が2μm以上であることは、つまり様々な粒子径のものが混在していることを表し、小さい凝集体によって、ソフトセグメントとの接触面積が増えることによる高硬度化の効果が得られ、一方大きい凝集体によって、摺動性向上の効果が得られる。
上記粒度分布は、更に2μm以上5μm以下であることがより望ましく、2μm以上3μm以下であることが更に望ましい。
尚、ハードセグメント凝集体の平均粒子径および粒度分布は、以下の方法により測定される。偏光顕微鏡(オリンパス製BX51−P)を用い、倍率×20にて画像を撮影し、画像処理を施して画像を2値化し、クリーニングブレード1本につき5点(1点につき5個の凝集体を測定)、クリーニングブレード20本について粒子径を測定し、計500個から平均粒子径を算出する。
尚、画像の2値化は、画像処理ソフトOLYMPUS Stream essentials(オリンパス社製)を用い、結晶部を黒、非晶部を白になるよう色相/彩度/輝度の閾値を調整する。
また、測定された500個の粒子径から以下の式により粒度分布(標準偏差σ)を算出する。
標準偏差σ(μm)=√{(X1−M)+(X2−M)+・・・
・・・+(X500−M)}/500
Xn:測定粒径n(n=1から500)
M:測定粒径の平均値
ハードセグメント凝集体の粒子径および粒度分布を上記範囲に制御する手段としては、特に限定されるものではないが、例えば、触媒による反応制御、架橋剤による三次元ネットワーク制御、熟成条件による結晶成長制御等の方法が挙げられる。
前記接触部材においては、ポリウレタンゴム中における化学架橋(架橋剤による架橋)「1」に対する物理架橋(ハードセグメント同士の水素結合による架橋)の比率が、1:0.8乃至1:2.0であることが望ましく、更には1:1乃至1:1.8であることが望ましい。
化学架橋に対する物理架橋の比率が上記下限値以上であることにより、ハードセグメント凝集体がより成長され結晶由来の低摩擦性の効果が得られる。一方、上記上限値以下であることにより、靱性維持の効果が得られる。
尚、上記化学架橋と物理架橋との比率は、以下のMoobey−Rivilin式を用いて算出する。
Z=2C(λ−1/λ)+2C(1−1/λ
Z:応力、λ:歪、C:化学架橋密度、C:物理架橋
尚、引張り試験による応力−歪曲線より10%伸長時のσとλを用いる。
前記接触部材においては、ポリウレタンゴム中におけるソフトセグメント「1」に対するハードセグメントの比率が、1:0.15乃至1:0.3であることが望ましく、更には1:0.2乃至1:0.25であることが望ましい。
ソフトセグメントに対するハードセグメントの比率が上記下限値以上であることにより、ハードセグメント凝集体量も増えることにより低摩擦性の効果が得られる。一方、上記上限値以下であることにより、靱性維持の効果が得られる。
尚、上記ソフトセグメントとハードセグメントとの比率は、H−NMRを用い、ハードセグメント成分としてイソシアネート、鎖延長剤、ソフトセグメント成分としてポリオールのスペクトル面積から組成比を算出する。
本実施形態における前記ポリウレタンゴムの重量平均分子量は、1000乃至4000の範囲内であることが望ましく、1500乃至3500の範囲内であることがより望ましい。
ついで、本実施形態のクリーニングブレードが、図5に示す第2実施形態や図6に示す第3実施形態のごとく、接触部材と該接触部材以外の領域(非接触部材)とがそれぞれ異なる材料にて構成されている場合における、非接触部材の組成について説明する。
(非接触部材)
本実施形態に係るクリーニングブレードにおける非接触部材は、特に限定されずに公知の如何なる材料をも用い得る。
・反撥弾性
非接触部材は、50℃の反撥弾性が70%以下である材料で構成されることが望ましい。更には、60%以下であることがより望ましく、50%以下であることが更に望ましい。また、その下限値としては、更に30%以上であることが望ましく、40%以上であることがより望ましい。
50℃の反撥弾性(%)の測定は、JIS K6255(1996年)に準じて50℃環境下にて行われる。尚、クリーニングブレードの非接触部材がJIS K6255に規定の試験片の寸法以上の大きさである場合には、該部材から試験片の寸法のものを切り出すことで、上記の測定が行われる。一方、非接触部材が試験片の寸法未満の大きさである場合には、該部材と同じ材料によって試験片を形成し、この試験片について上記の測定が行われる。
非接触部材における50℃反撥弾性の制御方法としては、特に限定されるものではないが、例えば非接触部材がポリウレタンである場合であればポリオールの低分子量化や疎水性化によりガラス転移温度(Tg)を調整することで大きくなる傾向にある。
・永久伸び
また、本実施形態に係るクリーニングブレードにおける非接触部材は、100%永久伸びが1.0%以下である材料で構成されることが望ましく、0.5%以下であることがより望ましく、0.4%以下であることが更に望ましい。また、その下限値としては、更に0.1%以上であることが望ましく、0.2%以上であることがより望ましい。
ここで、上記100%永久伸び(%)の測定方法について説明する。
JIS K6262(1997年)に準拠して、短冊状試験片を用い、100%引張りひずみを与えて24時間放置し、下記式の通り標線間距離より求められる。
Ts=(L2−L0)/(L1−L0)×100
Ts:永久伸び
L0:引張り前の標線間距離
L1:引張り時の標線間距離
L2:引張り後の標線間距離
尚、クリーニングブレードの非接触部材がJIS K6262に規定の短冊状試験片の寸法以上の大きさである場合には、該部材から短冊状試験片の寸法のものを切り出すことで、上記の測定が行われる。一方、非接触部材が短冊状試験片の寸法未満の大きさである場合には、該部材と同じ材料によって短冊状試験片を形成し、この短冊状試験片について上記の測定が行われる。
非接触部材における100%永久伸びの制御方法としては、特に限定されるものではないが、例えば架橋剤量や、非接触部材がポリウレタンである場合であればポリオールの分子量を調整することで変動する傾向にある。
非接触部材に用いられる材料としては、例えば、ポリウレタンゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、プロロピレンゴム、ブタジエンゴム等が挙げられる。これらの中で、ポリウレタンゴムがよい。ポリウレタンゴムとしては、エステル系ポリウレタン、エーテル系ポリウレタンが挙げられ、特にエステル系ポリウレタンが望ましい。
尚、ポリウレタンゴムを製造する際には、ポリオールとポリイソシアネートとを用いる方法がある。
ポリオールとしては、ポリテトラメチルエーテルグリコール、ポリエチレンアジペート、ポリカプロラクトンなどが挙げられる。
ポリイソシアネートとしては、2,6−トルエンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、3,3−ジメチルジフェニル−4,4’−ジイソシアネート(TODI)などが挙げられる。中でもMDIが望ましい。
更に、ポリウレタンを硬化させる硬化剤として、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、エチレングリコールやこれらの混合物などの硬化剤が挙げられる。
具体例を一例挙げて説明すると、例えば脱水処理したポリテトラメチルエーテルグリコールにジフェニルメタン−4,4−ジイソシアネートを混入し反応させ生成したプレポリマーに、硬化剤として1,4−ブタジオールおよびトリメチロールプロパンを併用したものを用いることが望ましい。尚、反応調整剤等の添加剤を添加してもよい。
非接触部材の作製方法は、作製に用いる原材料に応じて、従来公知の方法が利用され、例えば、遠心成形や押し出し成形等を利用して形成し、定められた形状に切断加工等することにより作製される。
(クリーニングブレードの製造)
図1に示す接触部材のみからなるクリーニングブレードの場合には、前述の接触部材の成形方法によってクリーニングブレードが製造される。
また、図5に示す二層構成などの複数層構成のクリーニングブレードの場合には、接触部材としての第一層および非接触部材としての第二層(3層以上の層構成である場合には複数の層)を、相互に貼り合わせることによりクリーニングブレードが作製される。上記貼り合わせる方法としては、両面テープ、各種接着剤等が好適に用いられる。また、成型時に時間差を置いて各層の材料を金型に流し込み、接着層を設けずに材料間で結合させることによって複数の層を接着してもよい。
また、図6に示す接触部材(エッジ部材)と非接触部材(背面部材)とを有する構成の場合には、図6に示す接触部材3421Cを2つ、腹面3C側同士を重ね合わせた半円柱の形状に対応する空洞(接触部材形成用の組成物を流し込む領域)を有する第一金型と、接触部材3421Cおよび非接触部材3422Cを2つ、腹面3C側同士を重ね合わせた形状に対応する空洞を有する第二金型と、を準備する。前記第一金型の前記空洞に接触部材形成用の組成物を流し込んで硬化させ接触部材3421Cが2つ重なった形状の第一成形物を形成する。次いで、上記第一金型を取り外した後、更に第二金型の空洞の内部に前記第一成形物が配置されるよう、第二金型を設置する。その後、第二金型の空洞内に、前記第一成形物を覆うよう非接触部材形成用の組成物を流し込み硬化させ、前記接触部材3421Cおよび非接触部材3422Cが2つ腹面3C側同士で重なった形状の第二成形物を形成する。次いで、形成された第二成形物を真ん中、つまり腹面3Cとなる部分で切断して、半円柱形状の接触部材が真ん中で分断されて1/4に切断された円柱形状となるようカットし、更に定められた寸法にカットすることで図6に示すクリーニングブレードが得られる。
・用途
本実施形態のクリーニングブレードを利用して被クリーニング部材をクリーニングする場合、クリーニングの対象となる被クリーニング部材としては、表面のクリーニングが要求される部材であれば特に限定されない。例えば、画像形成装置に用いられる場合であれば、中間転写体や、帯電ロール、転写ロール、被転写材搬送ベルト、用紙搬送ロール、像保持体からトナーを除去するクリーニングブラシからさらにトナーを除去するデトーニングロール等も挙げられる。本実施形態においては、像保持体であることが特に望ましい。
(クリーニング装置、プロセスカートリッジおよび画像形成装置)
次に、本実施形態のクリーニングブレードを用いたクリーニング装置、プロセスカートリッジ、および、画像形成装置について説明する。
本実施形態のクリーニング装置は、被クリーニング部材表面に接触し、被クリーニング部材表面をクリーニングするクリーニングブレードとして、本実施形態のクリーニングブレードを備えたものであれば特に限定されない。例えば、クリーニング装置の構成例としては、被クリーニング部材側に開口部を有するクリーニングケース内に、エッジ先端が開口部側となるようクリーニングブレードを固定すると共に、クリーニングブレードにより被クリーニング部材表面から回収された廃トナー等の異物を異物回収容器に導く搬送部材を備えた構成などが挙げられる。また、本実施形態のクリーニング装置には、本実施形態のクリーニングブレードが2つ以上用いられていてもよい。
なお、本実施形態のクリーニングブレードを像保持体のクリーニングに利用する場合、画像形成時の像流れを抑制するためには、クリーニングブレードが像保持体に押し当てられる力NF(Normal Force)は1.3gf/mm以上2.3gf/mm以下の範囲であることが望ましく、1.6gf/mm以上2.0gf/mm以下の範囲であることがより望ましい。
また、クリーニングブレード先端部が像保持体に食込む長さが0.8mm以上1.2mm以下の範囲であることが望ましく、0.9mm以上1.1mm以下の範囲であることがより望ましい。
クリーニングブレードと像保持体との接触部における角度W/A(Working Angle)は8°以上14°以下の範囲であることが望ましく、10°以上12°以下の範囲であることがより望ましい。
一方、本実施形態のプロセスカートリッジは、像保持体や中間転写体等の1つ以上の被クリーニング部材表面に接触し、被クリーニング部材表面をクリーニングするクリーニング装置として、本実施形態のクリーニング装置を備えたものであれば特に限定されず、例えば、像保持体と、この像保持体表面をクリーニングする本実施形態のクリーニング装置とを含み、画像形成装置に対して脱着自在な態様等が挙げられる。例えば、各色のトナーに対応した像保持体を有するいわゆるタンデム機であれば、各々の像保持体毎に本実施形態のクリーニング装置を設けてもよい。加えて、本実施形態のクリーニング装置の他に、クリーニングブラシ等を併用してもよい。
−クリーニングブレード、画像形成装置、クリーニング装置の具体例−
次に、本実施形態のクリーニングブレード、並びに、これを用いた画像形成装置およびクリーニング装置の具体例について、図面を用いてより詳細に説明する。
図3は、本実施形態の画像形成装置の一例を示す概略模式図であり、いわゆるタンデム型の画像形成装置について示したものである。
図3中、21は本体ハウジング、22、22a乃至22dは作像ユニット、23はベルトモジュール、24は記録媒体供給カセット、25は記録媒体搬送路、30は各感光体ユニット、31は感光体ドラム、33は各現像ユニット、34はクリーニング装置、35、35a乃至35dはトナーカートリッジ、40は露光ユニット、41はユニットケース、42はポリゴンミラー、51は一次転写装置、52は二次転写装置、53はベルトクリーニング装置、61は送出しロール、62は搬送ロール、63は位置合わせロール、66は定着装置、67は排出ロール、68は排紙部、71は手差し供給装置、72は送出しロール、73は両面記録用ユニット、74は案内ロール、76は搬送路、77は搬送ロール、230は中間転写ベルト、231、232は支持ロール、521は二次転写ロール、531はクリーニングブレードを表す。
図3に示すタンデム型画像形成装置は、本体ハウジング21内に四つの色(本実施の形態ではイエロ、マゼンタ、シアン、ブラック)の作像ユニット22(具体的には22a乃至22d)を配列し、その上方には各作像ユニット22の配列方向に沿って循環搬送される中間転写ベルト230が含まれるベルトモジュール23を配設する一方、本体ハウジング21の下方には用紙等の記録媒体(図示せず)が収容される記録媒体供給カセット24を配設すると共に、この記録媒体供給カセット24からの記録媒体の搬送路となる記録媒体搬送路25を垂直方向に配置したものである。
本実施の形態において、各作像ユニット22(22a乃至22d)は、中間転写ベルト230の循環方向上流側から順に、例えばイエロ用、マゼンタ用、シアン用、ブラック用(配列は必ずしもこの順番とは限らない)のトナー像を形成するものであり、各感光体ユニット30と、各現像ユニット33と、共通する一つの露光ユニット40とを備えている。
ここで、感光体ユニット30は、例えば感光体ドラム31と、この感光体ドラム31を予め帯電する帯電装置(帯電ロール)32と、感光体ドラム31上の残留トナーを除去するクリーニング装置34とを一体的にサブカートリッジ化したものである。
また、現像ユニット33は、帯電された感光体ドラム31上に露光ユニット40にて露光形成された静電潜像を対応する色トナー(本実施の形態では例えば負極性)で現像するものであり、例えば感光体ユニット30からなるサブカートリッジと一体化されてプロセスカートリッジ(所謂Customer Replaceable Unit)を構成している。
尚、感光体ユニット30を現像ユニット33から切り離して単独のプロセスカートリッジとしてもよいことは勿論である。また、図3中、符号35(35a乃至35d)は各現像ユニット33に各色成分トナーを補給するためのトナーカートリッジである(トナー補給経路は図示せず)。
一方、露光ユニット40は、ユニットケース41内に例えば四つの半導体レーザ(図示せず)、一つのポリゴンミラー42、結像レンズ(図示せず)および各感光体ユニット30に対応するそれぞれミラー(図示せず)を格納し、各色成分毎の半導体レーザからの光をポリゴンミラー42で偏向走査し、結像レンズ、ミラーを介して対応する感光体ドラム31上の露光ポイントに光像を導くよう配置したものである。
また、本実施の形態において、ベルトモジュール23は、例えば一対の支持ロール(一方が駆動ロール)231,232間に中間転写ベルト230を掛け渡したものであり、各感光体ユニット30の感光体ドラム31に対応した中間転写ベルト230の裏面には一次転写装置(本例では一次転写ロール)51が配設され、この一次転写装置51にトナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加することで、感光体ドラム31上のトナー像を中間転写ベルト230側に静電的に転写する。更に、中間転写ベルト230の最下流作像ユニット22dの下流側の支持ロール232に対応した部位には二次転写装置52が配設されており、中間転写ベルト230上の一次転写像を記録媒体に二次転写(一括転写)する。
本実施の形態では、二次転写装置52は、中間転写ベルト230のトナー像保持面側に圧接配置される二次転写ロール521と、中間転写ベルト230の裏面側に配置されて二次転写ロール521の対向電極をなす背面ロール(本例では支持ロール232を兼用)とを備えている。そして、例えば二次転写ロール521が接地されており、また、背面ロール(支持ロール232)にはトナーの帯電極性と同極性のバイアスが印加されている。
更にまた、中間転写ベルト230の最上流作像ユニット22aの上流側にはベルトクリーニング装置53が配設されており、中間転写ベルト230上の残留トナーを除去する。
また、記録媒体供給カセット24には記録媒体を送り出す送出しロール61が設けられ、この送出しロール61の直後には記録媒体を送出する搬送ロール62が配設されると共に、二次転写部位の直前に位置する記録媒体搬送路25には記録媒体を定められたタイミングで二次転写部位へ供給するレジストレーションロール(位置合わせロール)63が配設されている。一方、二次転写部位の下流側に位置する記録媒体搬送路25には定着装置66が設けられ、この定着装置66の下流側には記録媒体排出用の排出ロール67が設けられており、本体ハウジング21の上部に形成された排紙部68に排出記録媒体が収容される。
更に、本実施の形態では、本体ハウジング21の側方には手差し供給装置(MSI)71が設けられており、この手差し供給装置71上の記録媒体は送出しロール72および搬送ロール62にて記録媒体搬送路25に向かって送出される。
更にまた、本体ハウジング21には両面記録用ユニット73が付設されており、この両面記録用ユニット73は、記録媒体の両面に画像記録を行う両面モード選択時に、片面記録済みの記録媒体を排出ロール67を逆転させ、かつ、入口手前の案内ロール74にて内部に取り込み、搬送ロール77にて内部の記録媒体戻し搬送路76に沿って記録媒体を搬送し、再度位置合わせロール63側へと供給するものである。
次に、図3に示すタンデム型画像形成装置内に配置されたクリーニング装置34について詳述する。
図4は、本実施形態のクリーニング装置の一例を示す模式断面図であり、図3中に示すクリーニング装置34と共にサブカートリッジ化された感光体ドラム31、帯電ロール32や、現像ユニット33も示した図である。
図4中、32は帯電ロール(帯電装置)、331はユニットケース、332は現像ロール、333はトナー搬送部材、334は搬送パドル、335はトリミング部材、341はクリーニングケース、342はクリーニングブレード、344はフィルムシール、345は搬送部材を表す。
クリーニング装置34は、残留トナーが収容され且つ感光体ドラム31に対向して開口するクリーニングケース341を有し、このクリーニングケース341の開口下縁には感光体ドラム31に接触配置されるクリーニングブレード342を図示外のブラケットを介して取り付ける一方、クリーニングケース341の開口上縁には感光体ドラム31との間が気密に保たれるフィルムシール344を取り付けたものである。尚、符号345はクリーニングケース341内に収容された廃トナーを側方の廃トナー容器に導く搬送部材である。
尚、本実施の形態では、各作像ユニット22(22a乃至22d)の全てのクリーニング装置34において、クリーニングブレード342として本実施形態のクリーニングブレードが用いられているほか、ベルトクリーニング装置53で用いられるクリーニングブレード531も本実施形態のクリーニングブレードが用いられてもよい。
また、本実施の形態で用いられる現像ユニット(現像装置)33は、例えば図4に示すごとく、現像剤が収容され且つ感光体ドラム31に対向して開口するユニットケース331を有している。ここで、このユニットケース331の開口に面した箇所に現像ロール332が配設されると共に、ユニットケース331内には現像剤攪拌搬送のためのトナー搬送部材333が配設されている。更に、現像ロール332とトナー搬送部材333との間には搬送パドル334を配設してもよい。
現像に際しては、現像ロール332に現像剤を供給した後、例えばトリミング部材335にて現像剤を層厚規制した状態で、感光体ドラム31に対向する現像領域に搬送される。
本実施の形態では、現像ユニット33としては、例えばトナーとキャリアとからなる二成分現像剤を使用するが、トナーのみからなる一成分現像剤を使用するものであっても差し支えない。
次に、本実施の形態に係る画像形成装置の作動を説明する。先ず、各作像ユニット22(22a乃至22d)が各色に対応した単色トナー像を形成すると、各色の単色トナー像は中間転写ベルト230表面に、元の原稿情報と一致するよう順次重ね合わせて一次転写される。続いて、中間転写ベルト230表面に転写されたカラートナー像は、二次転写装置52にて記録媒体表面に転写され、カラートナー像が転写された記録媒体は定着装置66による定着処理を経た後、排紙部68へと排出される。
一方、各作像ユニット22(22a乃至22d)において、感光体ドラム31上の残留トナーはクリーニング装置34にて清掃され、また、中間転写ベルト230上の残留トナーはベルトクリーニング装置53にて清掃される。
こうした作像過程において、夫々の残留トナーはクリーニング装置34(またはベルトクリーニング装置53)によって清掃される。
なお、クリーニングブレード342は、図4に示されるごとくクリーニング装置34内のフレーム部材に直接固定するのではなく、バネ材を介して固定されてもよい。
以下に、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の説明において「部」は「質量部」を意味する。
[チキソ性組成物の作製]
(チキソ性組成物(1)の作製)
潤滑剤としてジメチルシリコーンオイル(DMS300:商品名「KF96−300CS、信越化学工業株式会社製」、粘度特性等動粘度(25℃):300mm/s)100部に、無機粒子として表面処理シリカ粒子(「PM20(株式会社トクヤマ製)」、体積平均粒径12nm)7.5部を加え、攪拌することにより、チキソ性組成物(1)を得た。
(チキソ性組成物(2)〜(13))
潤滑剤とその量、および無機粒子およびその量を、下記表1に記載の組成とした以外は、チキソ性組成物(1)に記載の方法によりチキソ性組成物(2)〜(13)を得た。但し、材料の詳細は、以下の通りである。
・「DMS300」:ジメチルシリコーンオイル(商品名「KF96−300CS、信越化学工業株式会社製」、粘度特性等動粘度(25℃):300mm/s)
・「DMS100」:ジメチルシリコーンオイル(商品名「KF96−100CS、信越化学工業株式会社製」、粘度特性等動粘度(25℃):100mm/s)
・「流動パラフィン」:商品名「ハイホワイト350、JX日鉱日石エネルギー株式会社」、動粘度(25℃):92mm/s
・「表面処理シリカ」:表面親水化オイル処理シリカ粒子(商品名「PM20、株式会社トクヤマ製」、体積平均粒径12nm)
・「ベントナイト」:商品名「ベンゲルブライト11、林化成株式会社製」
・「炭酸カルシウム」:商品名「カルファインN−350、
丸尾カルシウム株式会社製」、体積平均粒径50nm
〔実施例1〕
−クリーニングブレードA1−
まず、ポリカプロラクトンポリオール(ダイセル化学工業(株)製、プラクセル205、平均分子量529、水酸基価212KOHmg/g)およびポリカプロラクトンポリオール(ダイセル化学工業(株)製、プラクセル240、平均分子量4155、水酸基価27KOHmg/g)と、をポリオール成分のソフトセグメント材料として用いた。また、2つ以上のヒドロキシル基を含むアクリル樹脂(綜研化学社製、アクトフローUMB−2005B)をハードセグメント材料として用い、上記ソフトセグメント材料およびハードセグメント材料を8:2(質量比)の割合で混合した。
次に、このソフトセグメント材料とハードセグメント材料との混合物100部に対して、イソシアネート化合物として4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業(株)製、ミリオネートMT)を6.26部加えて、窒素雰囲気下で70℃で3時間反応させた。尚、この反応で使用したイソシアネート化合物量は、反応系に含まれる水酸基に対するイソシアネート基の比(イソシアネート基/水酸基)が0.5となるよう選択したものである。
続いて、上記イソシアネート化合物を更に34.3部加え、窒素雰囲気下で70℃で3時間反応させて、プレポリマーを得た。尚、プレポリマーの使用に際して利用したイソシアネート化合物の全量は40.56部であった。
次に、このプレポリマーを100℃に昇温し、減圧下で1時間脱泡した。その後、プレポリマー100部に対して、1,4−ブタンジオールとトリメチロールプロパンとの混合物(質量比=60/40)を7.14部加え、前記チキソ性組成物(1)を2質量部加え、3分間泡を巻きこまないよう混合し、クリーニングブレード形成用組成物A1を調製した。
次いで、140℃に金型を調整した遠心成形機に上記クリーニングブレード形成用組成物A1を流し込み、1時間硬化反応させた。次いで、110℃で24時間熟成加熱し、冷却した後切断して、長さ320mm、幅12mm、厚さ2mmのクリーニングブレードA1を得た。
−チキソ性組成物のチキソ性−
試験前に、クリーニングブレードからチキソ性組成物を既述の方法により分離し、既述の方法により「η(1)」「η(100)」を測定した。
結果を前記表1に示す。
[評価試験]
表2に示す現像剤を、FujiXerox社製「700 Digital Color Press」改造機の現像器に充填し、且つ感光体用のクリーニングブレードとして表2に示すものを装着した。但し、本改造機は、接触荷重1.6gf/mm(1.57N/mm)、接触角度10度、食い込み量1.0mm、ブレード設定角度27.5度、自由長8mmとなるクリーニングブレードを備えるよう改造した。
本改造機を用いて、10℃/15%RHの環境下で画像出力を行い、以下の試験を行った。
−ゴースト評価−
ゴースト評価は、画像密度30%の画像と1%の画像を1000枚ずつ交互に出力し、合計で100000枚出力した。その後、1%の画像1000枚出力後、画像密度30%の画像を出力し、その20枚目を採取した。
そして、採取した出力画像について、濃度測定装置(X−rite社製、Xrite530)にて非画像部の濃度と非画像部のうちゴースト発生部の濃度とを各10点測定して平均化し、その差ΔEL*を求めて、ゴースト評価を行った。
評価基準は、以下の通りである。
A:0.1未満
B:0.1以上0.3未満
C:0.3以上0.5未満
D:0.5以上(実用上問題有り)
E:トナーすり抜けによる色筋発生(実用上問題有り)
−感光体寿命−
感光体寿命は、ゴースト評価で、100000枚出力後、感光体の感光層の膜厚を測定し、出力前との差を調べて、評価した。
評価基準は、以下の通りである。
A:初期膜厚に対し95%以上
B:初期膜厚に対し90%以上95%未満
C:初期膜厚に対し85%以上90%未満
D:初期膜厚に対し85%未満(実用上問題有り)
−クリーニングブレード寿命−
クリーニングブレード寿命は、ゴースト評価において、100000枚出力中の画像を確認し、クリーニングブレードからのトナーまたは外添剤のすり抜けによるゴースト発生状況を調べて、画像のゴースト発生位置、トナーすり抜け発生箇所の引き当てを評価した。
評価基準は、以下の通りである。
A:ブレード偏摩耗によるゴースト、色筋発生なし
B:ブレード偏摩耗によるゴースト発生
C:ブレード偏摩耗による0.5mm以下の色筋発生
D:ブレード偏摩耗による0.5mmを超える色筋発生(実用上問題有り)
−クリーニングブレードにおけるチキソ性組成物の分散性−
クリーニングブレード中に含有されているチキソ性組成物の分散性を、以下の方法により評価した。
分光光度計(U−4100、日立ハイテク社製)を用いて、波長700nmにおけるクリーニングブレードの光透過率を測定。チキソ組成物無添加時の透過率(T0)90% に対し、チキソ組成物添加時の透過率(T1)を測定し、透過低下率(T1/T0)を評価した。
評価基準は、以下の通りである。
A:透過低下率(T1/T0)0.9以上
B:透過低下率(T1/T0)0.7以上0.9未満
C:透過低下率(T1/T0)0.7未満
〔実施例2〜11、比較例1〜3〕
クリーニングブレードの作製に用いたチキソ性組成物、および評価試験で用いた現像剤を下記表2に記載のものに変更した以外は、実施例1に記載の方法によりクリーニングブレードA2〜A11,CA1〜CA3を作製し、評価試験を行った。
尚、上記表2において「−」は、該当の評価試験を実施しなかったことを表す。
3A 接触角部、3B 先端面、3C 腹面、3D 背面、21 本体ハウジング、22、22a乃至22d 作像ユニット、23 ベルトモジュール、24 記録媒体供給カセット、25 記録媒体搬送路、30 感光体ユニット、31 感光体ドラム(像保持体)、32 帯電ロール、33 現像ユニット、34 クリーニング装置、35、35a乃至35d トナーカートリッジ、40 露光ユニット、41 ユニットケース、42 ポリゴンミラー、51 一次転写装置、52 二次転写装置、53 ベルトクリーニング装置、61 送出しロール、62 搬送ロール、63 位置合わせロール、66 定着装置、67 排出ロール、68 排紙部、71 手差し供給装置、72 送出しロール、73 両面記録用ユニット、74 案内ロール、76 搬送路、77 搬送ロール、230 中間転写ベルト、231、232 支持ロール、331 ユニットケース、332 現像ロール、333 トナー搬送部材、334 搬送パドル、335 トリミング部材、341 クリーニングケース、342、342A、342B、342C クリーニングブレード、344 フィルムシール、345 搬送部材、521 二次転写ロール、531 クリーニングブレード、3421B 第一層、3422B 第二層、3421C 接触部材、3422C 背面部材

Claims (6)

  1. 少なくとも被クリーニング部材と接触する部分を含む領域に、下記式(A)及び下記式(B’)を満たし且つ潤滑剤を含むチキソ性組成物を含有するクリーニングブレード。
    式(A):η(1)/η(100)≧18
    式(B’):3000Pa・s≧η(1)≧0.1Pa・s
    (式(A)及び式(B’)中、η(1)は、温度30℃で剪断力1s−1を付与したときの前記チキソ性組成物の粘度(Pa・s)を示す。η(100)は、温度30℃で剪断力100s−1を付与したときの前記チキソ性組成物の粘度(Pa・s)を示す。)
  2. 前記チキソ性組成物が、下記式(B)を満たす請求項1に記載のクリーニングブレード。
    式(B):3000Pa・s≧η(1)≧50Pa・s
    (式(B)中、η(1)は、温度30℃で剪断力1s−1を付与したときの前記チキソ性組成物の粘度(Pa・s)を示す。)
  3. 前記チキソ性組成物が、乾式シリカ粒子を含む請求項1または請求項2に記載のクリーニングブレード。
  4. 請求項1〜請求項3の何れか一項に記載のクリーニングブレードを備えたクリーニング装置。
  5. 像保持体と、
    前記像保持体を帯電する帯電装置と、
    帯電した前記像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成装置と、
    前記像保持体の表面に形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、
    前記像保持体上に形成されたトナー像を記録媒体上に転写する転写装置と、
    前記転写装置によって前記トナー像が転写された後の前記像保持体の表面に、前記クリーニングブレードを接触させてクリーニングする請求項4に記載のクリーニング装置と、
    を備える画像形成装置。
  6. 請求項4に記載のクリーニング装置を備え、画像形成装置に対して脱着自在であるプロセスカートリッジ。
JP2013042054A 2013-03-04 2013-03-04 クリーニングブレード、クリーニング装置、プロセスカートリッジ、および画像形成装置 Expired - Fee Related JP5958391B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013042054A JP5958391B2 (ja) 2013-03-04 2013-03-04 クリーニングブレード、クリーニング装置、プロセスカートリッジ、および画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013042054A JP5958391B2 (ja) 2013-03-04 2013-03-04 クリーニングブレード、クリーニング装置、プロセスカートリッジ、および画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014170122A JP2014170122A (ja) 2014-09-18
JP5958391B2 true JP5958391B2 (ja) 2016-08-02

Family

ID=51692550

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013042054A Expired - Fee Related JP5958391B2 (ja) 2013-03-04 2013-03-04 クリーニングブレード、クリーニング装置、プロセスカートリッジ、および画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5958391B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7321696B2 (ja) * 2018-11-14 2023-08-07 キヤノン株式会社 プロセスカートリッジ及び画像形成装置

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3889686B2 (ja) * 2002-09-13 2007-03-07 株式会社リコー クリーニング装置、プロセスカートリッジ並びに画像形成装置
JP2006096809A (ja) * 2004-09-28 2006-04-13 Fuji Photo Film Co Ltd 有機溶剤系増粘・チキソトロピー付与剤、塗布組成物、機能性フィルム、および光学フィルム
JP4960673B2 (ja) * 2006-09-05 2012-06-27 株式会社リコー 画像形成方法、画像形成装置および液体潤滑剤塗布装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014170122A (ja) 2014-09-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6007702B2 (ja) クリーニングブレード、クリーニング装置、プロセスカートリッジ、および画像形成装置
JP5880375B2 (ja) クリーニングブレード、クリーニング装置、プロセスカートリッジ、および画像形成装置
JP5849977B2 (ja) クリーニングブレード、クリーニング装置、プロセスカートリッジ、および画像形成装置
JP5958235B2 (ja) クリーニングブレード、クリーニング装置、プロセスカートリッジ、および画像形成装置
JP2014066784A (ja) 画像形成装置、およびプロセスカートリッジ
US9354559B2 (en) Cleaning blade, process cartridge, and image forming apparatus
JP2020181151A (ja) クリーニングブレード、クリーニング装置、プロセスカートリッジ、および画像形成装置
JP6048430B2 (ja) クリーニングブレード、クリーニング装置、プロセスカートリッジ、および画像形成装置
JP5958391B2 (ja) クリーニングブレード、クリーニング装置、プロセスカートリッジ、および画像形成装置
US9213299B2 (en) Sliding member for image forming apparatus, cleaning device, process cartridge, and image forming apparatus
JP6314635B2 (ja) クリーニングブレード、清掃装置、プロセスカートリッジ、および画像形成装置
JP2017053909A (ja) クリーニングブレード、クリーニング装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP6206241B2 (ja) クリーニングブレード、クリーニング装置、プロセスカートリッジ、および画像形成装置
JP6398753B2 (ja) クリーニングブレード、クリーニングブレードの製造方法、クリーニング装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置
JP2017156457A (ja) クリーニングブレード、クリーニング装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2017049558A (ja) クリーニングブレード、クリーニング装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2015169736A (ja) クリーニングブレード、クリーニング装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置、およびクリーニング方法
JP2017049557A (ja) クリーニングブレード、クリーニング装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2014081446A (ja) クリーニングブレード、クリーニング装置、プロセスカートリッジ、および画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150306

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160224

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160301

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160502

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160524

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160606

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5958391

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees