JP5958391B2 - クリーニングブレード、クリーニング装置、プロセスカートリッジ、および画像形成装置 - Google Patents
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Description
また、特許文献2には、また、感光体上にチキソトロピー性の潤滑剤を供給する方法が提案されている。
請求項1に係る発明は、
少なくとも被クリーニング部材と接触する部分を含む領域に、下記式(A)及び下記式(B’)を満たし且つ潤滑剤を含むチキソ性組成物を含有するクリーニングブレードである。
式(A):η(1)/η(100)≧18
式(B’):3000Pa・s≧η(1)≧0.1Pa・s
(式(A)及び式(B’)中、η(1)は、温度30℃で剪断力1s−1を付与したときの前記チキソ性組成物の粘度(Pa・s)を示す。η(100)は、温度30℃で剪断力100s−1を付与したときの前記チキソ性組成物の粘度(Pa・s)を示す。)
前記チキソ性組成物が、下記式(B)を満たす請求項1に記載のクリーニングブレードである。
式(B):3000Pa・s≧η(1)≧50Pa・s
(式(B)中、η(1)は、温度30℃で剪断力1s−1を付与したときの前記チキソ性組成物の粘度(Pa・s)を示す。)
前記チキソ性組成物が、乾式シリカ粒子を含む請求項1または請求項2に記載のクリーニングブレードである。
請求項1〜請求項3の何れか一項に記載のクリーニングブレードを備えたクリーニング装置である。
像保持体と、
前記像保持体を帯電する帯電装置と、
帯電した前記像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成装置と、
前記像保持体の表面に形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、
前記像保持体上に形成されたトナー像を記録媒体上に転写する転写装置と、
前記転写装置によって前記トナー像が転写された後の前記像保持体の表面に、前記クリーニングブレードを接触させてクリーニングする請求項4に記載のクリーニング装置と、
を備える画像形成装置である。
請求項4に記載のクリーニング装置を備え、画像形成装置に対して脱着自在であるプロセスカートリッジ。
本実施形態に係るクリーニングブレードは、少なくとも被クリーニング部材と接触する部分を含む領域にチキソ性組成物を含有する。尚、該チキソ性組成物は下記式(A)を満たし、且つ潤滑剤を含む。
式(A):η(1)/η(100)≧18
(式(A)中、η(1)は、温度30℃で剪断力1s−1を付与したときの前記チキソ性組成物の粘度(Pa・s)を示す。η(100)は、温度30℃で剪断力100s−1を付与したときの前記チキソ性組成物の粘度(Pa・s)を示す。)
また、クリーニングブレードが、前記接触部材と該接触部材以外の領域とがそれぞれ異なる材料にて構成されている場合には、接触部材以外の領域を構成する部材を「非接触部材」と称する。クリーニングブレードが接触部材と非接触部材とを有する場合、前記チキソ性組成物は少なくとも接触部材に含有される。尚、非接触部材は、1種の材料で構成されていても材料異なる2種以上の部材から構成されていてもよい。
一方で、前記接触部での摩擦力を低減してクリーニングブレードの摩耗を抑制する観点からクリーニングブレードと被クリーニング部材との接触部分に外部から液体潤滑剤を供給する方法が行われてきた。しかしながら、外部から液体潤滑剤を供給する場合、接触部に適度な量の潤滑剤が供給されて被クリーニング部材とクリーニングブレードとの摺動が安定している状態であっても、また接触部での潤滑剤の量が低減し摺動が不安定になった状態であっても、外部から一定量の液体潤滑剤が供給されるため効率的でなかった。更には、余剰の液体潤滑剤が他の部材を汚染することもあった。
そのため、クリーニングブレードの摺動の状態に応じて潤滑剤の供給量を制御することが求められていた。
この理由は、以下に示す理由と考えられる。
この状態で配置されるクリーニングブレード342の少なくとも接触部材に前記チキソ性組成物が含有されると、被クリーニング部材31とクリーニングブレード342との摩擦力が小さくクリーニングブレード342の姿勢が安定しているときは、クリーニングブレード342の接触部材に含まれるチキソ性組成物に対して剪断力が掛かり難い状態となっている。剪断力が掛かり難い状態では、チキソ性組成物はそのチキソ性という特性から粘度が高い状態であると考えられる。そのため、接触部材に含まれるチキソ性組成物はクリーニングブレード342の表面に流出せず、クリーニングブレード342と被クリーニング部材31との接触部(ニップ部T)に供給されるチキソ性組成物の量も低減されると考えられる。
また、接触角部3Aと平行な方向を奥行き方向と、接触角部3Aから先端面3Bが形成されている側の方向を厚み方向と、接触角部3Aから腹面3Cが形成されている側の方向を幅方向と称す。
尚、図1には便宜上、像保持体(感光体ドラム)31が駆動する方向を矢印Aとして描いたが、図1は像保持体31が停止している状態を示している。
尚、図6では接触部材として1/4にカットされた円柱の形状を有する部材の例を示したが、これに限定されるものではない。接触部材としては、例えば楕円状の円柱が1/4にカットされた形状や、正方形の四角柱、長方形の四角柱等の形状であってもよい。
本実施形態に係るクリーニングブレードにおける接触部材は、少なくともチキソ性組成物を含有する。
チキソ性組成物は、潤滑剤を含み、且つ下記式(A)(望ましくは下記式(A1)、より望ましくは下記式(A2))を満たしている。
・式(A) : η(1)/η(100)≧18
・式(A1):79≧η(1)/η(100)≧34.8
・式(A2):78≧η(1)/η(100)≧52
また、前記η(1)の値の上限値は、3000Pa・s以下が好ましく、1000Pa・s以下がより好ましく、750Pa・s以下が更に好ましく、500Pa・s以下が更に好ましい。
・式(B) :3000Pa・s≧η(1)≧50Pa・s
(式(B)中、η(1)は、温度30℃で剪断力1s−1を付与したときのチキソ性組成物の粘度(Pa・s)を示す。)
一方、「η(1)」を3000Pa・s以下とすることにより、ウレタンゴム等の樹脂との相溶性が得られ、分散性が向上し、クリーニングブレード全体にチキソ組成物が行き渡るとの効果がある。
そして、「η(1)」、および「η(100)」は、クリーニングブレードの接触部材から、チキソ性組成物を分離した試料に対して、Brookfield社製「RS−CPSコーンプレート型 R/Sレオメーター(スピンドル「RC3−25−1」を適用)を用いて、温度30度で測定した値である。
これらの中でも、潤滑剤としては、クリーニングブレードの長寿命化の観点から、ジメチルシリコーンオイルがよい。
無機粒子としては、シリカ、酸化チタン、ペンナイト、モンモリロナイト、ベントナイト、炭酸カルシウム等が挙げられる。
有機粒子としては、水添ひまし油、脂肪酸アマイド、ポリオレフィン、カルシウム石鹸、ナトリウム石鹸、アルミニウム石鹸、リチウム石鹸、PTFE等の粒子が挙げられる。
中でも表面が親水化処理されたシリカ粒子がよい。表面が親水化処理されたシリカ粒子は、接触部材を構成する後述の樹脂と相溶性がよく、特に接触部材に好適に用いられるウレタン樹脂との相溶性に優れる。そのため、接触部材中におけるチキソ性組成物の分散性が向上し、ニップ部Tに潤滑剤がムラなく供給される。
なお、無機粒子の体積平均粒径は、チキソ性組成物に配合された状態の無機粒子の一次粒子100個をSEM(Scanning Electron Microscope)装置により観察し、一次粒子の画像解析によって粒子ごとの最長径、最短径を測定し、この中間値から球相当径を測定する。得られた球相当径の累積頻度における50%径(D50v)を無機粒子の平均粒径(つまり体積平均粒径)とする。
本実施形態に係るクリーニングブレードにおける接触部材は、特に限定されるものではないが、樹脂を含有することが好ましい。樹脂としては、例えば、ポリウレタンゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、プロロピレンゴム、ブタジエンゴム等が挙げられる。尚、特にポリウレタンゴムが望ましく、更には高結晶化されたポリウレタンゴムがより望ましい。
ここで、「ハードセグメント」および「ソフトセグメント」とは、ポリウレタンゴム材料中で、前者を構成する材料の方が、後者を構成する材料よりも相対的に硬い材料からなり、後者を構成する材料の方が前者を構成する材料よりも相対的に柔らかい材料からなるセグメントを意味する。
まず、ソフトセグメント材料としては、ポリオールとして、ジオールと二塩基酸との脱水縮合で得られるポリエステルポリオール、ジオールとアルキルカーボネートの反応により得られるポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエーテルポリオール等が挙げられる。なお、ソフトセグメント材料として用いられる上記ポリオールの市販品としては、例えば、ダイセル化学社製のプラクセル205やプラクセル240などが挙げられる。
また、ハードセグメント材料としては、イソシアネート基に対して反応し得る官能基を有する樹脂を用いることが望ましい。また、柔軟性のある樹脂であることが望ましく、柔軟性の点から直鎖構造を有する脂肪族系の樹脂であることがより望ましい。具体例としては、2つ以上のヒドロキシル基を含むアクリル樹脂や、2つ以上のヒドロキシル基を含むポリブタジエン樹脂、2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂等を用いることが望ましい。
2つ以上のヒドロキシル基を含むポリブタジエン樹脂の市販品としては、例えば、出光興産社製、R−45HT等が挙げられる。
また、物性面では、従来のエポキシ樹脂と比べて、分子量に比して粘度が低いエポキシ樹脂が好適である。具体的には、重量平均分子量が900±100の範囲内であり、25℃における粘度が15000±5000mPa・sの範囲内であることが望ましく、15000±3000mPa・sの範囲内であることがより望ましい。この特性を有するエポキシ樹脂の市販品としては、例えば、DIC製、EPLICON EXA−4850−150等が挙げられる。
ハードセグメント材料比が、10質量%以上であることにより、耐摩耗性が得られ、長期に渡って良好なクリーニング性が維持される。一方、ハードセグメント材料比が30質量%以下であることにより、硬くなり過ぎることがなく、柔軟性や伸張性が得られ、欠けの発生が抑制されて、長期に渡って良好なクリーニング性が維持される。
ポリウレタンゴムの合成に用いられるポリイソシアネートとしては、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,6−トルエンジイソシアネート(TDI)、1,6−ヘキサンジイソシアネート(HDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)および3,3−ジメチルフェニル−4,4−ジイソシアネート(TODI)などが挙げられる。
尚、求められる大きさ(粒子径)のハードセグメント凝集体の形成し易さという点から、ポリイソシアネートとしては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)がより望ましい。
20質量部以上であることにより、ウレタン結合量が多く確保されてハードセグメント成長し、求められる硬度が得られる。一方40質量部以下であることにより、ハードセグメントが大きくなり過ぎず、伸張性が得られ、クリーニングブレードの欠けの発生が抑制される。
架橋剤としては、ジオール(2官能)、トリオール(3官能)、テトラオール(4官能)等が挙げられ、これらを併用してもよい。また、架橋剤としてアミン系化合物を用いてもよい。尚、3官能以上の架橋剤を用いて架橋されたものであることが望ましい。3官能の架橋剤としては、例えば、トリメチロールプロパン、グリセリン、トリイソプロパノールアミン等が挙げられる。
本実施形態における前記接触部材を構成するポリウレタンゴムの製造は、プレポリマー法やワンショット法など、ポリウレタンの一般的な製造方法が用いられる。プレポリマー法は強度、耐摩耗性に優れるポリウレタンが得られるため本実施形態には好適であるが、製法により制限されるものではない。
次に、このソフトセグメント材料とハードセグメント材料との混合物に対して、イソシアネート化合物(例えば4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート)を加えて、例えば窒素雰囲気下で反応させる。この際の温度は60℃以上150℃以下であることが望ましく、更には80℃以上130℃以下であることが望ましい。また反応時間は0.1時間以上3時間以下であることが望ましく、更には1時間以上2時間以下であることが望ましい。
次いで、このプレポリマーを昇温し減圧下で脱泡する。この際の温度は60℃以上120℃以下であることが望ましく、更には80℃以上100℃以下であることが望ましい。また反応時間は10分間以上2時間以下であることが望ましく、更には30分間以上1時間以下であることが望ましい。
その後、プレポリマーに対して、架橋剤(例えば1,4−ブタンジオールやトリメチロールプロパン)を加え、更にチキソ性組成物を混合して、クリーニングブレード形成用の組成物を調製する。
更に架橋反応させ、冷却した後にカットしクリーニングブレードが形成される。この架橋反応の際の熟成加熱の温度は70℃以上130℃以下であることが望ましく、80℃以上130℃以下であることがより望ましく、更には100℃以上120℃以下であることが望ましい。また反応時間は1時間以上48時間以下であることが望ましく、更には10時間以上24時間以下であることが望ましい。
本実施形態におけるクリーニングブレードでは、示差走査熱量測定(DSC)による吸熱ピークトップ温度(溶融温度)が180℃以上であることが望ましく、更には185℃以上であることがより望ましく、190℃以上であることが更に望ましい。尚、上限値としては220℃以下であることが望ましく、更には215℃以下であることがより望ましく、210℃以下であることが更に望ましい。
これにより、ポリウレタン組成物に含まれる分子が並んだ状態となり、DSCを測定した際に、結晶融解エネルギーの吸熱ピークトップ温度が前記範囲の結晶体を含むポリウレタンゴムが成形される。
なお、ポリオール、ポリイソシアネート、および架橋剤の量や、架橋剤の比率等は求められる範囲に調整する。
ハードセグメントの凝集体の平均粒子径が5μm以上であることにより、ブレード表面での結晶面積が増え、摺動性向上の利点がある。一方、20μm以下であることにより、低摩擦化を維持しつつ、靱性(耐欠け性)を失わないとの利点がある。
上記平均粒子径は、更に5μm以上15μm以下であることがより望ましく、5μm以上10μm以下であることが更に望ましい。
ハードセグメントの凝集体の粒度分布(標準偏差σ)が2μm以上であることは、つまり様々な粒子径のものが混在していることを表し、小さい凝集体によって、ソフトセグメントとの接触面積が増えることによる高硬度化の効果が得られ、一方大きい凝集体によって、摺動性向上の効果が得られる。
上記粒度分布は、更に2μm以上5μm以下であることがより望ましく、2μm以上3μm以下であることが更に望ましい。
尚、画像の2値化は、画像処理ソフトOLYMPUS Stream essentials(オリンパス社製)を用い、結晶部を黒、非晶部を白になるよう色相/彩度/輝度の閾値を調整する。
標準偏差σ(μm)=√{(X1−M)2+(X2−M)2+・・・
・・・+(X500−M)2}/500
Xn:測定粒径n(n=1から500)
M:測定粒径の平均値
化学架橋に対する物理架橋の比率が上記下限値以上であることにより、ハードセグメント凝集体がより成長され結晶由来の低摩擦性の効果が得られる。一方、上記上限値以下であることにより、靱性維持の効果が得られる。
Z=2C1(λ−1/λ2)+2C2(1−1/λ3)
Z:応力、λ:歪、C1:化学架橋密度、C2:物理架橋
尚、引張り試験による応力−歪曲線より10%伸長時のσとλを用いる。
ソフトセグメントに対するハードセグメントの比率が上記下限値以上であることにより、ハードセグメント凝集体量も増えることにより低摩擦性の効果が得られる。一方、上記上限値以下であることにより、靱性維持の効果が得られる。
本実施形態に係るクリーニングブレードにおける非接触部材は、特に限定されずに公知の如何なる材料をも用い得る。
・反撥弾性
非接触部材は、50℃の反撥弾性が70%以下である材料で構成されることが望ましい。更には、60%以下であることがより望ましく、50%以下であることが更に望ましい。また、その下限値としては、更に30%以上であることが望ましく、40%以上であることがより望ましい。
また、本実施形態に係るクリーニングブレードにおける非接触部材は、100%永久伸びが1.0%以下である材料で構成されることが望ましく、0.5%以下であることがより望ましく、0.4%以下であることが更に望ましい。また、その下限値としては、更に0.1%以上であることが望ましく、0.2%以上であることがより望ましい。
JIS K6262(1997年)に準拠して、短冊状試験片を用い、100%引張りひずみを与えて24時間放置し、下記式の通り標線間距離より求められる。
Ts=(L2−L0)/(L1−L0)×100
Ts:永久伸び
L0:引張り前の標線間距離
L1:引張り時の標線間距離
L2:引張り後の標線間距離
尚、クリーニングブレードの非接触部材がJIS K6262に規定の短冊状試験片の寸法以上の大きさである場合には、該部材から短冊状試験片の寸法のものを切り出すことで、上記の測定が行われる。一方、非接触部材が短冊状試験片の寸法未満の大きさである場合には、該部材と同じ材料によって短冊状試験片を形成し、この短冊状試験片について上記の測定が行われる。
ポリオールとしては、ポリテトラメチルエーテルグリコール、ポリエチレンアジペート、ポリカプロラクトンなどが挙げられる。
ポリイソシアネートとしては、2,6−トルエンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、3,3−ジメチルジフェニル−4,4’−ジイソシアネート(TODI)などが挙げられる。中でもMDIが望ましい。
更に、ポリウレタンを硬化させる硬化剤として、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、エチレングリコールやこれらの混合物などの硬化剤が挙げられる。
図1に示す接触部材のみからなるクリーニングブレードの場合には、前述の接触部材の成形方法によってクリーニングブレードが製造される。
本実施形態のクリーニングブレードを利用して被クリーニング部材をクリーニングする場合、クリーニングの対象となる被クリーニング部材としては、表面のクリーニングが要求される部材であれば特に限定されない。例えば、画像形成装置に用いられる場合であれば、中間転写体や、帯電ロール、転写ロール、被転写材搬送ベルト、用紙搬送ロール、像保持体からトナーを除去するクリーニングブラシからさらにトナーを除去するデトーニングロール等も挙げられる。本実施形態においては、像保持体であることが特に望ましい。
次に、本実施形態のクリーニングブレードを用いたクリーニング装置、プロセスカートリッジ、および、画像形成装置について説明する。
本実施形態のクリーニング装置は、被クリーニング部材表面に接触し、被クリーニング部材表面をクリーニングするクリーニングブレードとして、本実施形態のクリーニングブレードを備えたものであれば特に限定されない。例えば、クリーニング装置の構成例としては、被クリーニング部材側に開口部を有するクリーニングケース内に、エッジ先端が開口部側となるようクリーニングブレードを固定すると共に、クリーニングブレードにより被クリーニング部材表面から回収された廃トナー等の異物を異物回収容器に導く搬送部材を備えた構成などが挙げられる。また、本実施形態のクリーニング装置には、本実施形態のクリーニングブレードが2つ以上用いられていてもよい。
また、クリーニングブレード先端部が像保持体に食込む長さが0.8mm以上1.2mm以下の範囲であることが望ましく、0.9mm以上1.1mm以下の範囲であることがより望ましい。
クリーニングブレードと像保持体との接触部における角度W/A(Working Angle)は8°以上14°以下の範囲であることが望ましく、10°以上12°以下の範囲であることがより望ましい。
次に、本実施形態のクリーニングブレード、並びに、これを用いた画像形成装置およびクリーニング装置の具体例について、図面を用いてより詳細に説明する。
図3は、本実施形態の画像形成装置の一例を示す概略模式図であり、いわゆるタンデム型の画像形成装置について示したものである。
図3中、21は本体ハウジング、22、22a乃至22dは作像ユニット、23はベルトモジュール、24は記録媒体供給カセット、25は記録媒体搬送路、30は各感光体ユニット、31は感光体ドラム、33は各現像ユニット、34はクリーニング装置、35、35a乃至35dはトナーカートリッジ、40は露光ユニット、41はユニットケース、42はポリゴンミラー、51は一次転写装置、52は二次転写装置、53はベルトクリーニング装置、61は送出しロール、62は搬送ロール、63は位置合わせロール、66は定着装置、67は排出ロール、68は排紙部、71は手差し供給装置、72は送出しロール、73は両面記録用ユニット、74は案内ロール、76は搬送路、77は搬送ロール、230は中間転写ベルト、231、232は支持ロール、521は二次転写ロール、531はクリーニングブレードを表す。
ここで、感光体ユニット30は、例えば感光体ドラム31と、この感光体ドラム31を予め帯電する帯電装置(帯電ロール)32と、感光体ドラム31上の残留トナーを除去するクリーニング装置34とを一体的にサブカートリッジ化したものである。
尚、感光体ユニット30を現像ユニット33から切り離して単独のプロセスカートリッジとしてもよいことは勿論である。また、図3中、符号35(35a乃至35d)は各現像ユニット33に各色成分トナーを補給するためのトナーカートリッジである(トナー補給経路は図示せず)。
更にまた、中間転写ベルト230の最上流作像ユニット22aの上流側にはベルトクリーニング装置53が配設されており、中間転写ベルト230上の残留トナーを除去する。
更にまた、本体ハウジング21には両面記録用ユニット73が付設されており、この両面記録用ユニット73は、記録媒体の両面に画像記録を行う両面モード選択時に、片面記録済みの記録媒体を排出ロール67を逆転させ、かつ、入口手前の案内ロール74にて内部に取り込み、搬送ロール77にて内部の記録媒体戻し搬送路76に沿って記録媒体を搬送し、再度位置合わせロール63側へと供給するものである。
図4は、本実施形態のクリーニング装置の一例を示す模式断面図であり、図3中に示すクリーニング装置34と共にサブカートリッジ化された感光体ドラム31、帯電ロール32や、現像ユニット33も示した図である。
図4中、32は帯電ロール(帯電装置)、331はユニットケース、332は現像ロール、333はトナー搬送部材、334は搬送パドル、335はトリミング部材、341はクリーニングケース、342はクリーニングブレード、344はフィルムシール、345は搬送部材を表す。
現像に際しては、現像ロール332に現像剤を供給した後、例えばトリミング部材335にて現像剤を層厚規制した状態で、感光体ドラム31に対向する現像領域に搬送される。
一方、各作像ユニット22(22a乃至22d)において、感光体ドラム31上の残留トナーはクリーニング装置34にて清掃され、また、中間転写ベルト230上の残留トナーはベルトクリーニング装置53にて清掃される。
こうした作像過程において、夫々の残留トナーはクリーニング装置34(またはベルトクリーニング装置53)によって清掃される。
(チキソ性組成物(1)の作製)
潤滑剤としてジメチルシリコーンオイル(DMS300:商品名「KF96−300CS、信越化学工業株式会社製」、粘度特性等動粘度(25℃):300mm2/s)100部に、無機粒子として表面処理シリカ粒子(「PM20(株式会社トクヤマ製)」、体積平均粒径12nm)7.5部を加え、攪拌することにより、チキソ性組成物(1)を得た。
潤滑剤とその量、および無機粒子およびその量を、下記表1に記載の組成とした以外は、チキソ性組成物(1)に記載の方法によりチキソ性組成物(2)〜(13)を得た。但し、材料の詳細は、以下の通りである。
・「DMS300」:ジメチルシリコーンオイル(商品名「KF96−300CS、信越化学工業株式会社製」、粘度特性等動粘度(25℃):300mm2/s)
・「DMS100」:ジメチルシリコーンオイル(商品名「KF96−100CS、信越化学工業株式会社製」、粘度特性等動粘度(25℃):100mm2/s)
・「流動パラフィン」:商品名「ハイホワイト350、JX日鉱日石エネルギー株式会社」、動粘度(25℃):92mm2/s
・「表面処理シリカ」:表面親水化オイル処理シリカ粒子(商品名「PM20、株式会社トクヤマ製」、体積平均粒径12nm)
・「ベントナイト」:商品名「ベンゲルブライト11、林化成株式会社製」
・「炭酸カルシウム」:商品名「カルファインN−350、
丸尾カルシウム株式会社製」、体積平均粒径50nm
−クリーニングブレードA1−
まず、ポリカプロラクトンポリオール(ダイセル化学工業(株)製、プラクセル205、平均分子量529、水酸基価212KOHmg/g)およびポリカプロラクトンポリオール(ダイセル化学工業(株)製、プラクセル240、平均分子量4155、水酸基価27KOHmg/g)と、をポリオール成分のソフトセグメント材料として用いた。また、2つ以上のヒドロキシル基を含むアクリル樹脂(綜研化学社製、アクトフローUMB−2005B)をハードセグメント材料として用い、上記ソフトセグメント材料およびハードセグメント材料を8:2(質量比)の割合で混合した。
次に、このソフトセグメント材料とハードセグメント材料との混合物100部に対して、イソシアネート化合物として4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業(株)製、ミリオネートMT)を6.26部加えて、窒素雰囲気下で70℃で3時間反応させた。尚、この反応で使用したイソシアネート化合物量は、反応系に含まれる水酸基に対するイソシアネート基の比(イソシアネート基/水酸基)が0.5となるよう選択したものである。
続いて、上記イソシアネート化合物を更に34.3部加え、窒素雰囲気下で70℃で3時間反応させて、プレポリマーを得た。尚、プレポリマーの使用に際して利用したイソシアネート化合物の全量は40.56部であった。
試験前に、クリーニングブレードからチキソ性組成物を既述の方法により分離し、既述の方法により「η(1)」「η(100)」を測定した。
結果を前記表1に示す。
表2に示す現像剤を、FujiXerox社製「700 Digital Color Press」改造機の現像器に充填し、且つ感光体用のクリーニングブレードとして表2に示すものを装着した。但し、本改造機は、接触荷重1.6gf/mm(1.57N/mm)、接触角度10度、食い込み量1.0mm、ブレード設定角度27.5度、自由長8mmとなるクリーニングブレードを備えるよう改造した。
本改造機を用いて、10℃/15%RHの環境下で画像出力を行い、以下の試験を行った。
ゴースト評価は、画像密度30%の画像と1%の画像を1000枚ずつ交互に出力し、合計で100000枚出力した。その後、1%の画像1000枚出力後、画像密度30%の画像を出力し、その20枚目を採取した。
そして、採取した出力画像について、濃度測定装置(X−rite社製、Xrite530)にて非画像部の濃度と非画像部のうちゴースト発生部の濃度とを各10点測定して平均化し、その差ΔEL*を求めて、ゴースト評価を行った。
評価基準は、以下の通りである。
A:0.1未満
B:0.1以上0.3未満
C:0.3以上0.5未満
D:0.5以上(実用上問題有り)
E:トナーすり抜けによる色筋発生(実用上問題有り)
感光体寿命は、ゴースト評価で、100000枚出力後、感光体の感光層の膜厚を測定し、出力前との差を調べて、評価した。
評価基準は、以下の通りである。
A:初期膜厚に対し95%以上
B:初期膜厚に対し90%以上95%未満
C:初期膜厚に対し85%以上90%未満
D:初期膜厚に対し85%未満(実用上問題有り)
クリーニングブレード寿命は、ゴースト評価において、100000枚出力中の画像を確認し、クリーニングブレードからのトナーまたは外添剤のすり抜けによるゴースト発生状況を調べて、画像のゴースト発生位置、トナーすり抜け発生箇所の引き当てを評価した。
評価基準は、以下の通りである。
A:ブレード偏摩耗によるゴースト、色筋発生なし
B:ブレード偏摩耗によるゴースト発生
C:ブレード偏摩耗による0.5mm以下の色筋発生
D:ブレード偏摩耗による0.5mmを超える色筋発生(実用上問題有り)
クリーニングブレード中に含有されているチキソ性組成物の分散性を、以下の方法により評価した。
分光光度計(U−4100、日立ハイテク社製)を用いて、波長700nmにおけるクリーニングブレードの光透過率を測定。チキソ組成物無添加時の透過率(T0)90% に対し、チキソ組成物添加時の透過率(T1)を測定し、透過低下率(T1/T0)を評価した。
評価基準は、以下の通りである。
A:透過低下率(T1/T0)0.9以上
B:透過低下率(T1/T0)0.7以上0.9未満
C:透過低下率(T1/T0)0.7未満
クリーニングブレードの作製に用いたチキソ性組成物、および評価試験で用いた現像剤を下記表2に記載のものに変更した以外は、実施例1に記載の方法によりクリーニングブレードA2〜A11,CA1〜CA3を作製し、評価試験を行った。
Claims (6)
- 少なくとも被クリーニング部材と接触する部分を含む領域に、下記式(A)及び下記式(B’)を満たし且つ潤滑剤を含むチキソ性組成物を含有するクリーニングブレード。
式(A):η(1)/η(100)≧18
式(B’):3000Pa・s≧η(1)≧0.1Pa・s
(式(A)及び式(B’)中、η(1)は、温度30℃で剪断力1s−1を付与したときの前記チキソ性組成物の粘度(Pa・s)を示す。η(100)は、温度30℃で剪断力100s−1を付与したときの前記チキソ性組成物の粘度(Pa・s)を示す。) - 前記チキソ性組成物が、下記式(B)を満たす請求項1に記載のクリーニングブレード。
式(B):3000Pa・s≧η(1)≧50Pa・s
(式(B)中、η(1)は、温度30℃で剪断力1s−1を付与したときの前記チキソ性組成物の粘度(Pa・s)を示す。) - 前記チキソ性組成物が、乾式シリカ粒子を含む請求項1または請求項2に記載のクリーニングブレード。
- 請求項1〜請求項3の何れか一項に記載のクリーニングブレードを備えたクリーニング装置。
- 像保持体と、
前記像保持体を帯電する帯電装置と、
帯電した前記像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成装置と、
前記像保持体の表面に形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、
前記像保持体上に形成されたトナー像を記録媒体上に転写する転写装置と、
前記転写装置によって前記トナー像が転写された後の前記像保持体の表面に、前記クリーニングブレードを接触させてクリーニングする請求項4に記載のクリーニング装置と、
を備える画像形成装置。 - 請求項4に記載のクリーニング装置を備え、画像形成装置に対して脱着自在であるプロセスカートリッジ。
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