JP6398753B2 - クリーニングブレード、クリーニングブレードの製造方法、クリーニング装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents

クリーニングブレード、クリーニングブレードの製造方法、クリーニング装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、クリーニングブレード、クリーニングブレードの製造方法、クリーニング装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置に関する。
従来から、電子写真方式の複写機、プリンタ、ファクシミリ等においては、感光体等の像保持体の表面上の残存トナーを除去するためのクリーニング部材として、クリーニングブレードが用いられている。
特許文献1には、ポリイソシアネートおよびポリオールを含有するウレタン組成物の硬化体からなるクリーニングブレードであって、上記硬化体が、(A)架橋密度が、8.5×10−4〜11.0×10−4モル/cmおよび(B)tanδピーク温度が、10℃以下、の要件を満たしているクリーニングブレードが開示されている。
また、特許文献2には、材質が異なるエッジ部とベース部を備えた電子写真装置用ブレードであって、少なくともエッジ部がエステル系ポリウレタンからなり、エッジ部以外のベース部がエーテル系ポリウレタンからなることを特徴とする電子写真装置用ブレードが開示されている。
特開平11−212418号公報 特開2008−185716号公報
本発明の課題は、温度35℃以上70℃未満、且つ絶対湿度39g/m以上197g/m以下の環境下で、圧縮成形前のゴム成形体を圧縮成形して、少なくとも被クリーニング部材と接触する部分を圧縮成形後のゴム成形体とするクリーニングブレードにおいて、圧縮成形後のゴム成形体の比重と圧縮成形前のゴム成形体の比重との比が1.05未満若しくは1.15超えの場合、又は圧縮成形後のゴム成形体の比重が1.20超えの場合に比べ、へたり及び欠けが抑制されるクリーニングブレードを提供することである。
上記目的を達成するため、以下の発明が提供される。
請求項1に係る発明は、
少なくとも被クリーニング部材と接触する部分が圧縮成形後のゴム成形体からなり、
前記圧縮成形後のゴム成形体が、温度35℃以上70℃未満、且つ絶対湿度39g/m以上197g/m以下の環境下で、圧縮成形前のゴム成形体を圧縮して得られ、
前記圧縮成形後のゴム成形体の比重と前記圧縮成形前のゴム成形体の比重との比(前記圧縮成形後のゴム成形体の比重/前記圧縮成形前のゴム成形体の比重)が1.05以上1.15以下であり、
前記圧縮成形後のゴム成形体の比重が1.10以上1.20以下であるクリーニングブレードである。
請求項2に係る発明は、
前記圧縮成形後のゴム成形体は、圧力1MPa以上10MPa以下で、前記圧縮成形前のゴム成形体を圧縮成形して得られる請求項1に記載のクリーニングブレードである。
請求項3に係る発明は、
前記圧縮成形後のゴム成形体は、第1の金型及び第2の金型を備える金型を用いて、前記圧縮成形前のゴム成形体を圧縮成形して得られる請求項1又は請求項2に記載のクリーニングブレードである。
請求項4に係る発明は、
温度35℃以上70℃未満、且つ絶対湿度39g/m以上197g/m以下の環境下で、圧縮成形前のゴム成形体を圧縮成形して、少なくとも被クリーニング部材と接触する部分を圧縮成形後のゴム成形体とする工程を含むクリーニングブレードの製造方法である。
請求項5に係る発明は、
圧力1MPa以上10MPa以下で、前記圧縮成形前のゴム成形体を圧縮成形する請求項4に記載のクリーニングブレードの製造方法である。
請求項6に係る発明は、
第1の金型及び第2の金型を備える金型を用いて、前記圧縮成形前のゴム成形体を圧縮成形する請求項4又は請求項5に記載のクリーニングブレードの製造方法である。
請求項7に係る発明は、
請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のクリーニングブレードを備えたクリーニング装置である。
請求項8に係る発明は、
請求項7に記載のクリーニング装置を備え、
画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジである。
請求項9に係る発明は、
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電装置と、
帯電した前記像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成装置と、
前記像保持体の表面に形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、
前記像保持体上に形成された前記トナー像を記録媒体上に転写する転写装置と、
前記像保持体の表面に、前記クリーニングブレードを接触させてクリーニングする請求項7に記載のクリーニング装置と、
を備える画像形成装置である。
請求項1、3に係る発明によれば、温度35℃以上70℃未満、且つ絶対湿度39g/m以上197g/m以下の環境下で、圧縮成形前のゴム成形体を圧縮成形して、少なくとも被クリーニング部材と接触する部分を圧縮成形後のゴム成形体とするクリーニングブレードにおいて、圧縮成形後のゴム成形体の比重と圧縮成形前のゴム成形体の比重との比が1.05未満若しくは1.15超えの場合、又は圧縮成形後のゴム成形体の比重が1.20超えの場合に比べ、へたり及び欠けが抑制されるクリーニングブレードが提供される。
請求項2に係る発明によれば、前記圧縮成形後のゴム成形体は、圧力1MPa未満で前記圧縮成形前のゴム成形体を圧縮成形して得られる場合に比べ、へたり及び欠けが抑制されるクリーニングブレードが提供される。
請求項4、6に係る発明によれば、温度35℃未満若しくは70℃以上の環境下で、又は絶対湿度39g/m未満若しくは197g/m超えの環境下で、圧縮成形前のゴム成形体を圧縮成形して、少なくとも被クリーニング部材と接触する部分を圧縮成形後のゴム成形体とする場合に比べ、へたり及び欠けが抑制されるクリーニングブレードの製造方法が提供される。
請求項5に係る発明によれば、圧力1MPa未満で前記圧縮成形前のゴム成形体を圧縮成形する場合に比べ、へたり及び欠けが抑制されるクリーニングブレードの製造方法が提供される。
請求項7、8又は9に係る発明によれば、温度35℃以上70℃未満、且つ絶対湿度39g/m以上197g/m以下の環境下で、圧縮成形前のゴム成形体を圧縮成形して、少なくとも被クリーニング部材と接触する部分を圧縮成形後のゴム成形体とするクリーニングブレードにおいて、圧縮成形後のゴム成形体の比重と圧縮成形前のゴム成形体の比重との比が1.05未満若しくは1.15超えの場合、又は圧縮成形後のゴム成形体の比重が1.20超えの場合に比べ、へたり及び欠けが抑制されるクリーニングブレードを備えたクリーニング装置、プロセスカートリッジ又は画像形成装置が提供される。
本実施形態に係るクリーニングブレードを示す概略図である。 本実施形態に係るクリーニングブレードが駆動している像保持体に接触している状態を示す概略図である。 本実施形態に係るクリーニングブレードを製造するための金型を示す斜視図である。 本実施形態におけるクリーニングブレードの製造工程を示す断面図である。 本実施形態におけるクリーニングブレードの製造工程を示す断面図である。 本実施形態に係る画像形成装置を示す概略図である。 本実施形態に係るクリーニング装置を示す概略図である。
以下、本発明のクリーニングブレード、クリーニングブレードの製造方法、クリーニング装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置の実施形態の一例について詳細に説明する。
<クリーニングブレード>
本実施形態に係るクリーニングブレードは、少なくとも被クリーニング部材と接触する部分が圧縮成形後のゴム成形体からなり、圧縮成形後のゴム成形体が、温度35℃以上70℃未満、且つ絶対湿度39g/m以上197g/m以下の環境下(以下、「特定の高温高湿環境下」とも称する)で、圧縮成形前のゴム成形体を圧縮して得られたものである。そして、圧縮成形後のゴム成形体の比重と圧縮成形前のゴム成形体の比重との比(圧縮成形後のゴム成形体の比重/圧縮成形前のゴム成形体の比重)は1.05以上1.15以下であり、圧縮成形後のゴム成形体の比重は1.10以上1.20以下である。
本実施形態に係るクリーニングブレードは、上記構成を有するゴム成形体を有することにより、へたり及び欠けが抑制される。
その理由は定かではないが、以下に示す理由によるものと推測される。
画像形成装置等でクリーニング部材として用いられるクリーニングブレードは、被クリーニング部材(例えば像保持体)に接触しながら摺動するため、繰り返しの使用により、へたり(永久変形)が生じることがある。へたりが生じた箇所では、トナーのすり抜けが生じやすく、クリーニング機能が発現されにくくなる。
一方、へたりを抑制する観点から、クリーニングブレードを構成するゴム部材に分子運動性の高い材料を用いて柔軟性を付与すると、ゴム基材の耐摩耗性が低下しやすくなり、欠けが生じやすくなる。また、ゴム部材の架橋密度を上げて硬度を高めると、局所的な欠けが生じるなど、クリーニングブレードとしての本来の機能が得られにくくなる。
また、近年では、高画質の画像を得る観点から、小径で球形状のトナーが使用されることがある。小径で球形状のトナーは、クリーニングブレードからすり抜けやすいため、これらのトナーを被クリーニング部材から除去するためには、クリーニングブレードを被クリーニング部材により強く接触させる必要がある。これにより、へたりはさらに生じやすくなると考えられる。
そこで、本実施形態に係るクリーニングブレードでは、特定の高温高湿環境下で、圧縮成形前のゴム成形体を圧縮成形して、被クリーニング部材と接触する部分を圧縮成形後のゴム成形体とする際に、圧縮成形前のゴム成形体を飽和に近い状態まで塑性変形させて圧縮成形後のゴム成形体とする。これにより、圧縮成形後のゴム成形体は、塑性変形しにくくなるため、該圧縮成形後のゴム成形体をクリーニング部材との接触部分に用いることで、へたりが抑制されることとなる。
ここで、圧縮成形を特定の高温高湿環境下で行う意義について説明する。
圧縮成形前のゴム成形体中のゴムは、1つ1つの分子鎖が長く、これらの分子鎖は互いに絡み合って存在している。このため、本実施形態では、圧縮成形前のゴム成形体を、上記範囲の高湿度環境下(例えば絶対湿度100%)に置く。これにより、圧縮成形前に、又は圧縮成形の過程で、互いに絡み合っている分子鎖の間に水が入り込み、分子鎖はほぐれやすくなる。つまり水は潤滑剤の役割を担うと考えられる。さらに、これらの分子鎖は、温度を上記範囲内で高くすることで、よりほぐれやすくなる。よって、圧縮成形前のゴム成形体を特定の高温高湿環境下で圧縮成形することにより、圧縮成形前のゴム成形体は飽和に近い状態まで塑性変形されやすくなる。
一方で、飽和に近い状態まで塑性変形した圧縮成形後のゴム成形体は、耐へたり性を有するが、クリーニング部材としての機能が得られにくくなる。具体的には、欠けが生じやすくなる。
そこで、本実施形態に係るクリーニングブレードでは、上述のごとく、特定の高温高湿環境下で圧縮成形前のゴム成形体を飽和に近い状態まで塑性変形させるときに、さらに圧縮成形後のゴム成形体の比重と圧縮成形前のゴム成形体の比重との比(以下、「ゴム成形体の比重変動率」とも称する)、及び、圧縮成形後のゴム成形体の比重が上記範囲となるように制御する。これにより、圧縮成形前後におけるゴム成形体の比重が変動しすぎず、また圧縮成形後のゴム成形体の密度が高くなりすぎずに、分子構造が緻密になり、硬度が適度になり、さらにクリーニング部材としての機能も確保される。この結果、へたりが抑制されると共に欠けも抑制される。
以上のことから、本実施形態に係るクリーニングブレードによれば、へたり及び欠けが抑制されることとなる。
さらに、本実施形態に係るクリーニングブレードでは、上記構成の圧縮成形後のゴム成形体を得るためのゴム(圧縮成形前のゴム成形体)の材料は制限されないため、使用可能な材料の選択性が広がる。
以下、本実施形態に係るクリーニングブレードについて詳細に説明する。
本実施形態に係るクリーニングブレードは、図1に示すごとく、被クリーニング部材(像保持体)31の表面に接触して配置される。像保持体31が駆動すると、図2に示すごとく、クリーニングブレード342と像保持体31との接触部に摺動が生じてニップ部Tが形成され、像保持体31の表面が清掃される。
まず、クリーニングブレードの各部について図を用いて説明する。図1に示すごとく、クリーニングブレード342は、駆動する被クリーニング部材(像保持体/感光体ドラム)31に接触して被クリーニング部材(像保持体)31の表面をクリーニングする接触角部3Aと、接触角部3Aが1つの辺を構成し且つ前記駆動の方向(矢印A方向)の上流側を向く先端面3Bと、接触角部3Aが1つの辺を構成し且つ前記駆動の方向(矢印A方向)の下流側を向く腹面3Cと、先端面3Bと1つの辺を共有し且つ腹面3Cに対向する背面3Dと、を有する。
また、接触角部3Aと平行な方向を奥行き方向と、接触角部3Aから先端面3Bが形成されている側の方向を厚み方向と、接触角部3Aから腹面3Cが形成されている側の方向を幅方向と称す。
尚、図1には便宜上、像保持体(感光体ドラム)31が駆動する方向を矢印Aとして描いたが、図1は像保持体31が停止している状態を示している。
図1に示すクリーニングブレード342は、感光体ドラム31と接触する部分を含めて、全体が単一の材料から構成されている。即ち、クリーニングブレード342は、本実施形態における圧縮成形後のゴム成形体のみからなる態様である。
尚、本実施形態に係るクリーニングブレードは、例えば、感光体ドラム31と接触する部分(接触角部3A)を含み、腹面3C側全面に渡って形成され且つ圧縮成形後のゴム成形体からなる第一層と、該第一層よりも背面3D側に形成され且つ圧縮成形後のゴム成形体とは異なる材料からなる背面層としての第二層と層が設けられた2層構成であってもよい。尚、背面層は複数層設けられていてもよい。
本実施形態に係るクリーニングブレードは、感光体ドラム31と接触する部分が圧縮成形後のゴム成形体で構成されていればよく、圧縮成形後のゴム成形体の形状は特に制限されない。
以下、本実施形態に係るクリーニングブレードについて、さらに詳細に説明する。尚、符号は省略して説明する。
本実施形態に係るクリーニングブレードは、少なくとも被クリーニング部材と接触する部分が圧縮成形後のゴム成形体からなる。圧縮成形後のゴム成形体は、特定の高温高湿環境下で、圧縮成形前のゴム成形体を圧縮して得られる。
(圧縮成形後のゴム成形体)
−特定の高温高湿環境下−
特定の高温高湿環境とは、圧縮成形前のゴム成形体を圧縮成形するときに設定する高温で且つ絶対湿度が高い環境のことである。
特定の高温高湿環境下における温度は、ゴムの分子鎖をほぐしやすくし、圧縮成形前のゴム成形体を塑性変形させやすくする観点から、温度35℃以上70℃未満であり、好ましくは40℃以上65℃以下、より好ましくは45℃以上60℃以下である。
また、特定の高温高湿環境下における絶対湿度は、ゴムの分子鎖をほぐしやすくし、ゴム基材を塑性変形させやすくする観点から、絶対湿度39g/m以上197g/m以下であり、好ましくは51g/m以上160g/m以下、より好ましくは65g/m以上130g/m以下である。
−圧縮成形−
圧縮成形としては、例えば圧縮成形前のゴム成形体を厚さ方向に圧縮できるものであれば特に制限されない。例えば、1個の金型を用いて圧縮する単軸圧縮成形;数個雄金型を円周上に配置し、回転しながら順次成形を行うという大量生産用のロータリー式圧縮成形;圧延ローラを用いて圧縮する圧縮圧延成形等が挙げられる。
圧縮成形前のゴム成形体を圧縮する際の圧力は、ゴムを飽和に近い状態まで塑性変形させやすくする観点から、好ましくは1MPa以上10MPa以下、より好ましくは1MPa以上5MPa以下、さらに好ましくは1MPa以上3MPa以下である。尚、圧縮成形前のゴム成形体が飽和に近い状態まで塑性変形したか否かの判断は、圧縮成形中におけるゴムの応力緩和を測定することで行う。本実施形態では、電気熱プレス装置(大竹機械社製;500角、1トン)を用いて、応力の減少が確認されなくなった時点を、飽和に近い状態まで塑性変形していると判断する。尚、圧縮成形の詳細については後述する。
−圧縮成形後のゴム成形体の比重/圧縮成形前のゴム成形体の比重(ゴム成形体の比重変動率)−
ゴム成形体の比重変動率は、へたり及び欠けを抑制する観点から、1.05以上1.15以下であり、好ましくは1.05以上1.10以下、より好ましくは1.05以上1.08以下である。
尚、圧縮成形前後におけるゴム成形体の比重は、精密比重計セット(島津製作所社製;型番AUY220[秤量装置]/SMK−401[比重測定キッド])を用いて、以下の方法で測定する。
具体的には、大気中で重さを量った試料を水中に吊るして再度重さを量り、これらの値と水の密度から試料の比重を求めた。試料の密度ρを以下の式で求めた。
ρ={Wa/(Wa−Wl)}×ρl
Wa:大気中で測定した試料の質量(g)
Wl:液体中で測定した試料の質量(g)
ρl:水の密度(0.9976g/cm 23℃のときの密度)
−圧縮成形後のゴム成形体の比重−
圧縮成形後のゴム成形体の比重は、へたり及び欠けを抑制する観点から、1.10以上1.20以下であり、好ましくは1.10以上1.18以下、より好ましくは1.10以上1.15以下である。
(圧縮成形前のゴム成形体)
圧縮成形前のゴム成形体は、その全体にゴムを含有する。
ゴムとしては、例えば、ポリウレタンゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム等が挙げられる。尚、特にポリウレタンゴムが望ましく、更には高結晶化されたポリウレタンゴムがより望ましい。
ポリウレタンゴムは、通常ポリイソシアネートとポリオールとを重合することで合成される。また、ポリオール以外にイソシアネート基と反応し得る官能基を有する樹脂を用いてもよい。尚、ポリウレタンゴムはハードセグメントとソフトセグメントとを有している。
ここで、「ハードセグメント」および「ソフトセグメント」とは、ゴム中で、前者を構成する材料の方が、後者を構成する材料よりも相対的に硬い材料からなり、後者を構成する材料の方が前者を構成する材料よりも相対的に柔らかい材料からなるセグメントを意味する。
ハードセグメントを構成する材料(ハードセグメント材料)とソフトセグメントを構成する材料(ソフトセグメント材料)との組み合わせとしては、特に限定されず、一方が他方に対して相対的に硬く、他方が一方に対して相対的に柔らかい組み合わせとなるよう公知の材料から選択し得るが、本実施形態においては、以下の組み合わせが好適である。
(ソフトセグメント材料)
まず、ソフトセグメント材料としては、ポリオールとして、ジオールと二塩基酸との脱水縮合で得られるポリエステルポリオール(例えばポリブチレンアジペート等)、ジオールとアルキルカーボネートの反応により得られるポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエーテルポリオール等が挙げられる。尚、ソフトセグメント材料として用いられる上記ポリオールの市販品としては、例えば、ダイセル社製のプラクセル205、プラクセル240、プラクセル260、日本ポリウレタン工業社製のニッポラン4009などが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
(ハードセグメント材料)
ハードセグメント材料としては、まず鎖延長剤が好適に用いられる。
鎖延長剤としては、従来公知のものであれば特に限定されるものではなく、例えば、1,4−ブタンジオール(1,4−BD)、エチレングリコール(EG)、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール(PD)、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、キシレングリコール、トリエチレングリコール、トリメチロールプロパン(TMP)、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、1,2,6−ヘキサントリオール等の、分子量300以下のポリオールが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
またハードセグメント材料としては、イソシアネート基に対して反応し得る官能基を有する樹脂を用いることも望ましい。また、柔軟性のある樹脂であることが望ましく、柔軟性の点から直鎖構造を有する脂肪族系の樹脂であることがより望ましい。具体例としては、2つ以上のヒドロキシル基を含むアクリル樹脂や、2つ以上のヒドロキシル基を含むポリブタジエン樹脂、2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂等を用いることが望ましい。
2つ以上のヒドロキシル基を含むアクリル樹脂の市販品としては、例えば、綜研化学社製のアクトフロー(グレード:UMB−2005B、UMB−2005P、UMB−2005、UME−2005等)が挙げられる。
2つ以上のヒドロキシル基を含むポリブタジエン樹脂の市販品としては、例えば、出光興産社製、R−45HT等が挙げられる。
2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂としては、従来の一般的なエポキシ樹脂のごとく硬くて脆い性質を有するものではなく、従来のエポキシ樹脂よりも柔軟強靭性であるものが望ましい。上記エポキシ樹脂としては、例えば、分子構造の面では、その主鎖構造中に、主鎖の可動性を高くし得る構造(柔軟性骨格)を有するものが好適であり、柔軟性骨格としては、アルキレン骨格や、シクロアルカン骨格、ポリオキシアルキレン骨格等が挙げられ、特にポリオキシアルキレン骨格が好適である。
また、物性面では、従来のエポキシ樹脂と比べて、分子量に比して粘度が低いエポキシ樹脂が好適である。具体的には、重量平均分子量が900±100の範囲内であり、25℃における粘度が15000±5000mPa・sの範囲内であることが望ましく、15000±3000mPa・sの範囲内であることがより望ましい。この特性を有するエポキシ樹脂の市販品としては、例えば、DIC製、EPLICON EXA−4850−150等が挙げられる。
(ハードセグメントの含有割合)
ポリウレタンゴム中における前記ハードセグメントの含有割合は、40質量%以上65質量%以下であることが好ましく、更には45質量%以上60質量%以下であることがより好ましく、45質量%以上55質量%以下が更に好ましい。
ポリウレタンゴム中におけるハードセグメントの含有割合が、40質量%以上であることにより耐摩耗性が得られ、長期に渡って良好なクリーニング性が得られる。一方、65質量%以下であることにより、硬くなり過ぎることがなく、柔軟性や伸張性が得られ、欠けの発生が抑制されて、長期に渡って良好なクリーニング性が得られる。
また、ハードセグメント材料およびソフトセグメント材料の総量に対するハードセグメントを構成する材料の質量比(以下「ハードセグメント材料比」と称す)が10質量%以上30質量%以下の範囲内であることが望ましく、13質量%以上23質量%以下の範囲内であることがより望ましく、15質量%以上20質量%以下の範囲内であることが更に望ましい。
ハードセグメント材料比が、10質量%以上であることにより、耐摩耗性が得られ、長期に渡って良好なクリーニング性が維持される。一方、ハードセグメント材料比が30質量%以下であることにより、硬くなり過ぎることがなく、柔軟性や伸張性が得られ、欠けの発生が抑制されて、長期に渡って良好なクリーニング性が維持される。
(ポリイソシアネート)
ポリウレタンゴムの合成に用いられるポリイソシアネートとしては、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,6−トルエンジイソシアネート(TDI)、1,6−ヘキサンジイソシアネート(HDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)および3,3−ジメチルフェニル−4,4−ジイソシアネート(TODI)などが挙げられる。
尚、求められる大きさ(粒子径)のハードセグメント凝集体の形成し易さという点から、ポリイソシアネートとしては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)がより望ましい。
ポリイソシアネートのイソシアネート基に対して反応し得る官能基を有する樹脂100質量部に対する配合量は、20質量部以上40質量部以下が望ましく、更には20質量部以上35質量部以下がより望ましく、20質量部以上30質量部以下が更に望ましい。
20質量部以上であることにより、ウレタン結合量が多く確保されてハードセグメント成長し、求められる硬度が得られる。一方40質量部以下であることにより、ハードセグメントが大きくなり過ぎず、伸張性が得られ、クリーニングブレードの欠けの発生が抑制される。
(架橋剤)
架橋剤としては、ジオール(2官能)、トリオール(3官能)、テトラオール(4官能)等が挙げられ、これらを併用してもよい。また、架橋剤としてアミン系化合物を用いてもよい。尚、3官能以上の架橋剤を用いて架橋されたものであることが望ましい。3官能の架橋剤としては、例えば、トリメチロールプロパン、グリセリン、トリイソプロパノールアミン等が挙げられる。
架橋剤のイソシアネート基に対して反応し得る官能基を有する樹脂100質量部に対する配合量は2質量部以下が望ましい。2質量部以下であることにより、分子運動が化学架橋で拘束されることなく、熟成によるウレタン結合由来のハードセグメントが大きく成長し、求められる硬度が得やすくなる。
(圧縮成形前のゴム成形体の製造方法)
本実施形態において、例えばポリウレタンゴムを含む圧縮成形前のゴム成形体の製造は、プレポリマー法やワンショット法など、ポリウレタンゴムの一般的な製造方法が用いられる。プレポリマー法は強度、耐摩耗性に優れるポリウレタンゴムが得られるため本実施形態には好適であるが、製法により制限されるものではない。
かかるポリウレタンゴムは、上述したポリオールに、イソシアネート化合物および架橋剤等を配合し成形する。尚、クリーニングブレードの接触部材の成形は、上記方法により調製されたゴム成形体形成用の組成物を、例えば、遠心成形や押し出し成形等を利用して、シート状に形成し、切断加工等を施すことにより製造される。
ここで、一例を挙げて、圧縮成形前のゴム成形体としてのポリウレタンゴム成形体の製造方法の詳細を説明する。
まず、ソフトセグメント材料(例えばポリカプロラクトンポリオール、ポリエステルポリオール等)に対し、イソシアネート化合物(例えば4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等)を加えて、例えば窒素雰囲気下で反応させる。この際の温度は60℃以上150℃以下であることが望ましく、更には70℃以上130℃以下であることが望ましい。また反応時間は0.1時間以上5時間以下であることが望ましく、更には1時間以上3時間以下であることが望ましい。
続いて、これを昇温し減圧下で脱泡する。この際の温度は60℃以上120℃以下であることが望ましく、更には80℃以上100℃以下であることが望ましい。また反応時間は10分間以上2時間以下であることが望ましく、更には30分間以上1時間以下であることが望ましい。
次に、ハードセグメント材料として例えば鎖延長剤(例えばエチレングリコール(EG)、1,3−プロパンジオール(PD)、1,4−ブタンジオール(1,4−BD)等)を混合して、ポリウレタンゴム成形体形成用の組成物を調製する。
次いで、遠心成形機の金型に上記ポリウレタンゴム成形体形成用の組成物を流し込み、硬化反応させる。この際の金型温度は80℃以上160℃以下であることが望ましく、更には100℃以上140℃以下であることが望ましい。また反応時間は20分間以上3時間以下であることが望ましく、更には30分間以上2時間以下であることが望ましい。
更に熟成加熱させ冷却される。この熟成加熱の温度は70℃以上130℃以下であることが望ましく、80℃以上130℃以下であることがより望ましく、更には100℃以上120℃以下であることが望ましい。また反応時間は1時間以上48時間以下であることが望ましく、更には10時間以上24時間以下であることが望ましい。
(圧縮成形前のゴム成形体の物性)
−膨潤度−
本実施形態では、特定の高温高湿環境下で圧縮成形前のゴム成形体を圧縮成形して、圧縮成形後のゴム成形体を得ている。そして、圧縮成形後のゴム成形体はゴム成形体の比重変動率及び圧縮成形後のゴム成形体の比重が特定の範囲を満たす。この圧縮成形前のゴム成形体の圧縮により、ゴム成形体の比重変動率及び圧縮成形後のゴム成形体の比重が特定の範囲となるためには、圧縮成形前のゴム成形体として膨潤度(架橋密度)が特定の範囲であるゴムを用いることが好ましい。例えばゴムの架橋密度は、好ましくは2%以下であり、より好ましくは1.5%以下である。
膨潤度は、精密秤量装置(島津製作所社製;型番AUY220)を用いて、以下の方法で測定する。
厚さ2mmのシート(10×10mm)を20℃のアセトン中に48時間浸漬させ、その重量を測定し、これを浸漬前の重量で割り算出する。
−硬度−
圧縮成形前のゴム成形体に含有されるゴムとしては、JIS−Aの硬度85度以下のゴムであることが好ましく、該硬度は更に70度以上85度以下がより好ましく、73度以上82度以下が更に好ましい。
尚、上記のJIS−Aの硬度は以下の方法により測定される。
ゴム試料表面に定められた形状の押針を、バネを介して押し付けたときの押込み深さから硬さを求めるデュロメータによる試験方法により測定される。
−重量平均分子量−
圧縮成形前のゴム成形体に含有されるゴムがポリウレタンゴムである場合、該ポリウレタンゴムの重量平均分子量は、1000乃至4000の範囲内であることが望ましく、1500乃至3500の範囲内であることがより望ましい。
(圧縮成形後のゴム成形体以外の領域(非接触部材))
本実施形態に係るクリーニングブレードは、圧縮成形後のゴム成形体以外の領域に非接触部材を有していてもよく、圧縮成形後のゴム成形体と非接触部材とがそれぞれ異なる材料で構成されていてもよい。具体的には、クリーニングブレードが接触部を構成する第一層と、第二層(背面層)とで構成される場合、第一層を圧縮成形後のゴム成形体で構成し、第二層を第一層とは異なる材料で構成してもよい。以下、非接触部材の組成について説明する。
非接触部材は、特に限定されずに公知の如何なる材料を用い得る。
非接触部材に用いられる材料としては、例えば、ポリウレタンゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム等が挙げられる。これらの中で、ポリウレタンゴムがよい。ポリウレタンゴムとしては、エステル系ポリウレタン、エーテル系ポリウレタンが挙げられ、特にエステル系ポリウレタンが望ましい。
尚、ポリウレタンゴムを製造する際には、ポリオールとポリイソシアネートとを用いる方法がある。
ポリオールとしては、ポリテトラメチルエーテルグリコール、ポリエチレンアジペート、ポリカプロラクトンなどが挙げられる。
ポリイソシアネートとしては、2,6−トルエンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、3,3−ジメチルジフェニル−4,4’−ジイソシアネート(TODI)などが挙げられる。中でもMDIが望ましい。
更に、ポリウレタンを硬化させる硬化剤として、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、エチレングリコールやこれらの混合物などの硬化剤が挙げられる。
具体例を一例挙げて説明すると、例えば脱水処理したポリテトラメチルエーテルグリコールにジフェニルメタン−4,4−ジイソシアネートを混入し反応させ生成したプレポリマーに、硬化剤として1,4−ブタジオールおよびトリメチロールプロパンを併用したものを用いることが望ましい。尚、反応調整剤等の添加剤を添加してもよい。
非接触部材の作製方法は、作製に用いる原材料に応じて、従来公知の方法が利用され、例えば、遠心成形や押し出し成形等を利用して形成し、定められた形状に切断加工等することにより作製される。
次に、本実施形態に係るクリーニングブレードの製造方法について説明する。
<クリーニングブレードの製造方法>
本実施形態に係るクリーニングブレードの製造方法は、温度35℃以上70℃未満、且つ絶対湿度39g/m以上197g/m以下の環境下(特定の高温高湿環境下)で、圧縮成形前のゴム成形体を圧縮成形して、少なくとも被クリーニング部材と接触する部分を圧縮成形後のゴム成形体とする工程を含む。
本実施形態に係るクリーニングブレードの製造方法について、図3、図4A、図4Bを参照しながら説明する。本実施形態に係るクリーニングブレードの製造方法では、図3に示す金型を用いてクリーニングブレードを製造する。尚、以下の製造方法で製造されるクリーニングブレードは圧縮成形後のゴム成形体のみからなる態様とする。
まず、クリーニングブレードを製造するために用いる金型について説明する。
図3に示すように、金型10は、第1の金型12と、第1の金型12に対向して配置される第2の金型14と、を備えている。第2の金型14は、圧縮成形前のゴム成形体を配置するための凹部16を有する。凹部16の大きさは、圧縮成形による圧縮成形前のゴム成形体の形状変化に対応できるように、凹部16の長手方向及び短手方向の長さが、圧縮成形前のゴム成形体の長手方向及び短手方向の長さよりも長くなっている。
次に、特定の高温高湿環境下で、圧縮成形前のゴム成形体を圧縮成形して、少なくとも被クリーニング部材と接触する部分を圧縮成形後のゴム成形体とする工程について説明する。
図4Aに示すように、第2の金型14の凹部16に圧縮成形前のゴム成形体18を配置し、圧縮成形前のゴム成形体18の上面に第1の金型12を配置する。これにより、圧縮成形前のゴム成形体18と第1の金型12との接触面121、及び、圧縮成形前のゴム成形体18と第2の金型14との接触面141が形成される。
尚、接触面121,141のうち、少なくとも一方の接触面の表面粗さRa(十点平均粗さ:JIS B0601,1982)は、金型壁面からの圧縮成形後のゴム成形体(例えば、ウレタン成形体)の離型性の観点から、好ましくは0.01μm以上0.5μm以下であり、より好ましくは0.05μm以上0.5μm以下、さらに好ましくは0.1μm以上0.5μm以下である。
次に、図4Bに示すように、第1の金型12及び第2の金型14の間に配置した圧縮成形前のゴム成形体18を特定の高温高湿環境下に設定された雰囲気下に置き、圧縮成形前のゴム成形体18に、その厚さ方向の上方から圧力を付与して圧縮成形前のゴム成形体18を圧縮する。
ここで、圧縮成形前のゴム成形体18の圧縮は、圧縮成形前のゴム成形体18を特定の高温高湿環境下の雰囲気下に置いた直後に行ってもよいが、ゴムの分子鎖をほぐしやすくし、ゴムを塑性変形させやすくする観点、並びに、ゴム成形体の比重変動率及び圧縮成形後のゴム成形体の比重を制御しやすくする観点から、圧縮成形前のゴム成形体18を特定の高温高湿環境下の雰囲気下に置いてから、例えば10分以上60分以下経過した後、好ましくは15分以上30分以下経過した後、より好ましくは15分以上20分以下経過した後に行うことがよい。
圧縮成形前のゴム成形体18への圧力付与方法(圧縮方法)は、圧縮成形前のゴム成形体18を厚さ方向に圧縮できるものであれば特に制限されない。圧力付与方法としては、例えば圧縮成形前のゴム成形体18にその厚さ方向の上方、下方又は両方から圧力を付与する方法;圧延ロールを用いて、圧縮成形前のゴム成形体18の厚さ方向の少なくとも一方の面に圧延ロールを水平移動させながら圧力を付与する方法;数個雄金型を円周上に配置し、回転しながら順次成形を行うという大量生産用のロータリー式圧縮成形する方法;が挙げられる。尚、圧縮成形は、1回又は複数回行ってもよく、複数回行う場合は、それぞれ異なる条件又は方法で行ってもよい。
また、圧縮成形前のゴム成形体18への圧力付与は、公知の圧縮成形機を用いて行うことができる。尚、圧縮成形機は、特定の温度湿度環境に設定可能な温湿度制御装置を備えていてもよい。圧縮成形機が温湿度制御装置を備えていない場合、圧縮成形機を別途温湿度制御装置を備えた容器内に配置して圧縮成形前のゴム成形体18の圧縮成形を行う。
以上の工程を経ることにより、ゴム成形体の比重変動率及び圧縮成形後のゴム成形体の比重が特定の範囲となるように制御されたクリーニングブレード20(圧縮成形後のゴム成形体)が得られる。
尚、二層構成などの複数層構成のクリーニングブレードの場合には、圧縮成形後のゴム成形体としての第一層および非接触部材としての第二層(3層以上の層構成である場合には複数の層)を、相互に貼り合わせることによりクリーニングブレードが製造される。上記貼り合わせる方法としては、両面テープ、各種接着剤等が好適に用いられる。また、第一層となる圧縮成形後のゴム成形体を金型に設置し、金型に他の層の材料を流し込み、接着層を設けずに各層間で結合させることによって複数の層を接着してもよい。
(用途)
本実施形態のクリーニングブレードを利用して被クリーニング部材をクリーニングする場合、クリーニングの対象となる被クリーニング部材としては、表面のクリーニングが要求される部材であれば特に限定されない。例えば、画像形成装置に用いられる場合であれば、中間転写体や、帯電ロール、転写ロール、被転写材搬送ベルト、用紙搬送ロール、像保持体からトナーを除去するクリーニングブラシからさらにトナーを除去するデトーニングロール等も挙げられる。本実施形態においては、像保持体であることが特に望ましい。
<クリーニング装置、プロセスカートリッジおよび画像形成装置>
次に、本実施形態のクリーニングブレードを用いたクリーニング装置、プロセスカートリッジ、および、画像形成装置について説明する。
本実施形態のクリーニング装置は、被クリーニング部材表面に接触し、被クリーニング部材表面をクリーニングするクリーニングブレードとして、本実施形態のクリーニングブレードを備えたものであれば特に限定されない。例えば、クリーニング装置の構成例としては、被クリーニング部材側に開口部を有するクリーニングケース内に、エッジ先端が開口部側となるようクリーニングブレードを固定すると共に、クリーニングブレードにより被クリーニング部材表面から回収された廃トナー等の異物を異物回収容器に導く搬送部材を備えた構成などが挙げられる。また、本実施形態のクリーニング装置には、本実施形態のクリーニングブレードが2つ以上用いられていてもよい。尚、例えば、各色のトナーに対応した像保持体を有するいわゆるタンデム機であれば、各々の像保持体毎に本実施形態のクリーニング装置を設けてもよい。加えて、本実施形態のクリーニング装置は、クリーニングブレードの他に、クリーニングブラシ等を併用してもよい。
尚、本実施形態のクリーニングブレードを像保持体のクリーニングに利用する場合、画像形成時の像流れを抑制するためには、クリーニングブレードが像保持体に押し当てられる力NF(Normal Force)は1.3gf/mm以上2.3gf/mm以下の範囲であることが望ましく、1.6gf/mm以上2.0gf/mm以下の範囲であることがより望ましい。
また、クリーニングブレード先端部が像保持体に食込む長さが0.8mm以上1.2mm以下の範囲であることが望ましく、0.9mm以上1.1mm以下の範囲であることがより望ましい。
クリーニングブレードと像保持体との接触部における角度W/A(Working Angle)は8°以上14°以下の範囲であることが望ましく、10°以上12°以下の範囲であることがより望ましい。
一方、本実施形態のプロセスカートリッジは、像保持体や中間転写体等の1つ以上の被クリーニング部材表面に接触し、被クリーニング部材表面をクリーニングするクリーニング装置として、本実施形態のクリーニング装置を備えたものであれば特に限定されず、例えば、像保持体と、この像保持体表面をクリーニングする本実施形態のクリーニング装置とを含み、画像形成装置に対して脱着自在な態様等が挙げられる。
−クリーニングブレード、画像形成装置、クリーニング装置の具体例−
次に、本実施形態のクリーニングブレードを用いた画像形成装置およびクリーニング装置の具体例について、図面を用いてより詳細に説明する。
図5は、本実施形態の画像形成装置の一例を示す概略模式図であり、いわゆるタンデム型の画像形成装置について示したものである。
図5中、21は本体ハウジング、22、22a乃至22dは作像ユニット、23はベルトモジュール、24は記録媒体供給カセット、25は記録媒体搬送路、30は各感光体ユニット、31は感光体ドラム、33は各現像ユニット、34はクリーニング装置、35、35a乃至35dはトナーカートリッジ、40は露光ユニット、41はユニットケース、42はポリゴンミラー(回転多面鏡)、51は一次転写装置、52は二次転写装置、53はベルトクリーニング装置、61は送出しロール、62は搬送ロール、63は位置合わせロール、66は定着装置、67は排出ロール、68は排紙部、71は手差し供給装置、72は送出しロール、73は両面記録用ユニット、74は案内ロール、76は搬送路、77は搬送ロール、230は中間転写ベルト、231、232は支持ロール、521は二次転写ロール、531はクリーニングブレードを表す。
図5に示すタンデム型画像形成装置は、本体ハウジング21内に四つの色(本実施形態ではイエロ、マゼンタ、シアン、ブラック)の作像ユニット22(具体的には22a乃至22d)を配列し、その上方には各作像ユニット22の配列方向に沿って循環搬送される中間転写ベルト230が含まれるベルトモジュール23を配設する一方、本体ハウジング21の下方には用紙等の記録媒体(図示せず)が収容される記録媒体供給カセット24を配設すると共に、この記録媒体供給カセット24からの記録媒体の搬送路となる記録媒体搬送路25を垂直方向に配置したものである。
本実施形態において、各作像ユニット22(22a乃至22d)は、中間転写ベルト230の循環方向上流側から順に、例えばイエロ用、マゼンタ用、シアン用、ブラック用(配列は必ずしもこの順番とは限らない)のトナー像を形成するものであり、各感光体ユニット30と、各現像ユニット33と、共通する一つの露光ユニット40とを備えている。
ここで、感光体ユニット30は、例えば感光体ドラム31と、この感光体ドラム31を予め帯電する帯電装置(帯電ロール)32と、感光体ドラム31上の残留トナーを除去するクリーニング装置34とを一体的にサブカートリッジ化したものである。
また、現像ユニット33は、帯電された感光体ドラム31上に露光ユニット40にて露光形成された静電潜像を対応する色トナー(本実施形態では例えば負極性)で現像するものであり、例えば感光体ユニット30からなるサブカートリッジと一体化されてプロセスカートリッジ(所謂Customer Replaceable Unit)を構成している。
尚、感光体ユニット30を現像ユニット33から切り離して単独のプロセスカートリッジとしてもよいことは勿論である。また、図5中、符号35(35a乃至35d)は各現像ユニット33に各色成分トナーを補給するためのトナーカートリッジである(トナー補給経路は図示せず)。
一方、露光ユニット40は、ユニットケース41内に例えば四つの半導体レーザ(図示せず)、一つのポリゴンミラー42、結像レンズ(図示せず)および各感光体ユニット30に対応するそれぞれミラー(図示せず)を格納し、各色成分毎の半導体レーザからの光をポリゴンミラー42で偏向走査し、結像レンズ、ミラーを介して対応する感光体ドラム31上の露光ポイントに光像を導くよう配置したものである。
また、本実施形態において、ベルトモジュール23は、例えば一対の支持ロール(一方が駆動ロール)231,232間に中間転写ベルト230を掛け渡したものであり、各感光体ユニット30の感光体ドラム31に対応した中間転写ベルト230の裏面には一次転写装置(本例では一次転写ロール)51が配設され、この一次転写装置51にトナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加することで、感光体ドラム31上のトナー像を中間転写ベルト230側に静電的に転写する。更に、中間転写ベルト230の最下流作像ユニット22dの下流側の支持ロール232に対応した部位には二次転写装置52が配設されており、中間転写ベルト230上の一次転写像を記録媒体に二次転写(一括転写)する。
本実施形態では、二次転写装置52は、中間転写ベルト230のトナー像保持面側に接触して配置される二次転写ロール521と、中間転写ベルト230の裏面側に配置されて二次転写ロール521の対向電極をなす背面ロール(本例では支持ロール232を兼用)とを備えている。そして、例えば二次転写ロール521が接地されており、また、背面ロール(支持ロール232)にはトナーの帯電極性と同極性のバイアスが印加されている。
更にまた、中間転写ベルト230の最上流作像ユニット22aの上流側にはベルトクリーニング装置53が配設されており、中間転写ベルト230上の残留トナーを除去する。
また、記録媒体供給カセット24には記録媒体を送り出す送出しロール61が設けられ、この送出しロール61の直後には記録媒体を送出する搬送ロール62が設けられると共に、二次転写部位の直前に位置する記録媒体搬送路25には記録媒体を定められたタイミングで二次転写部位へ供給する位置合わせロール63が配設されている。一方、二次転写部位の下流側に位置する記録媒体搬送路25には定着装置66が設けられ、この定着装置66の下流側には記録媒体排出用の排出ロール67が設けられており、本体ハウジング21の上部に形成された排紙部68に排出記録媒体が収容される。
更に、本実施形態では、本体ハウジング21の側方には手差し供給装置(MSI)71が設けられており、この手差し供給装置71上の記録媒体は送出しロール72および搬送ロール62にて記録媒体搬送路25に向かって送出される。
更にまた、本体ハウジング21には両面記録用ユニット73が付設されており、この両面記録用ユニット73は、記録媒体の両面に画像記録を行う両面モード選択時に、片面記録済みの記録媒体を排出ロール67を逆転させ、かつ、入口手前の案内ロール74にて内部に取り込み、搬送ロール77にて内部の記録媒体戻し搬送路76に沿って記録媒体を搬送し、再度位置合わせロール63側へと供給するものである。
次に、図6に示すタンデム型画像形成装置内に配置されたクリーニング装置34について詳述する。
図6は、本実施形態のクリーニング装置の一例を示す模式断面図であり、クリーニング装置34と共にサブカートリッジ化された感光体ドラム31、帯電ロール32や、現像ユニット33も示した図である。
図6中、32は帯電ロール(帯電装置)、331はユニットケース、332は現像ロール、333はトナー搬送部材、334は搬送パドル、335はトリミング部材、341はクリーニングケース、342はクリーニングブレード、344はフィルムシール、345は搬送部材を表す。
クリーニング装置34は、残留トナーが収容され且つ感光体ドラム31に対向して開口するクリーニングケース341を有し、このクリーニングケース341の開口下縁には感光体ドラム31に接触配置されるクリーニングブレード342を図示外のブラケットを介して取り付ける一方、クリーニングケース341の開口上縁には感光体ドラム31との間が気密に保たれるフィルムシール344を取り付けたものである。尚、符号345はクリーニングケース341内に収容された廃トナーを側方の廃トナー容器に導く搬送部材である。
尚、本実施形態では、各作像ユニット22(22a乃至22d)の全てのクリーニング装置34において、クリーニングブレード342として本実施形態のクリーニングブレードが用いられているほか、ベルトクリーニング装置53で用いられるクリーニングブレード531も本実施形態のクリーニングブレードが用いられてもよい。
また、本実施形態で用いられる現像ユニット(現像装置)33は、例えば図6に示すごとく、現像剤が収容され且つ感光体ドラム31に対向して開口するユニットケース331を有している。ここで、このユニットケース331の開口に面した箇所に現像ロール332が配設されると共に、ユニットケース331内には現像剤攪拌搬送のためのトナー搬送部材333が配設されている。更に、現像ロール332とトナー搬送部材333との間には搬送パドル334を設けてもよい。
現像に際しては、現像ロール332に現像剤を供給した後、例えばトリミング部材335にて現像剤を層厚規制した状態で、感光体ドラム31に対向する現像領域に搬送される。
本実施形態では、現像ユニット33としては、例えばトナーとキャリアとからなる二成分現像剤を使用するが、トナーのみからなる一成分現像剤を使用するものであっても差し支えない。
次に、本実施形態に係る画像形成装置の作動を説明する。先ず、各作像ユニット22(22a乃至22d)が各色に対応した単色トナー像を形成すると、各色の単色トナー像は中間転写ベルト230表面に、元の原稿情報と一致するよう順次重ね合わせて一次転写される。続いて、中間転写ベルト230表面に転写されたカラートナー像は、二次転写装置52にて記録媒体表面に転写され、カラートナー像が転写された記録媒体は定着装置66による定着処理を経た後、排紙部68へと排出される。
一方、各作像ユニット22(22a乃至22d)において、感光体ドラム31上の残留トナーはクリーニング装置34にて清掃され、また、中間転写ベルト230上の残留トナーはベルトクリーニング装置53にて清掃される。
こうした作像過程において、各々の残留トナーはクリーニング装置34(またはベルトクリーニング装置53)によって清掃される。
尚、クリーニングブレード342は、図6に示されるごとくクリーニング装置34内のフレーム部材に直接固定するのではなく、バネ材を介して固定されてもよい。
以下、実施例により本実施形態を詳細に説明するが、本実施形態は、これら実施例に何ら限定されるものではない。尚、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」及び「%」はすべて質量基準である。
〔実施例1〕
−クリーニングブレードの作製−
まず、ポリオール成分として、ポリカプロラクトンポリオール(ダイセル社製、プラクセル205、平均分子量529、水酸基価212KOHmg/g)およびポリカプロラクトンポリオール(ダイセル社製、プラクセル240、平均分子量4155、水酸基価27KOHmg/g)をソフトセグメント材料として用いた。また、2つ以上のヒドロキシル基を含むアクリル樹脂(綜研化学社製、アクトフローUMB−2005B)をハードセグメント材料として用い、上記ソフトセグメント材料およびハードセグメント材料を8:2(質量比)の割合で混合した。
次に、上記ソフトセグメント材料およびハードセグメント材料との混合物100部に対して、イソシアネート化合物として4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業社製、ミリオネートMT)を6.26部加えて、窒素雰囲気下で70℃で3時間反応させた。尚、この反応で使用したイソシアネート化合物量は、反応系に含まれる水酸基に対するイソシアネート基の比(イソシアネート基/水酸基)が0.5となるよう選択した。
続いて、上記イソシアネート化合物を更に34.3部加え、窒素雰囲気下で70℃で3時間反応させて、プレポリマーを得た。尚、プレポリマーの使用に際して利用したイソシアネート化合物の全量は40.56部であった。
次に、このプレポリマーを100℃に昇温し、減圧下で1時間脱泡した。その後、プレポリマー100部に対して、1,4−ブタンジオールとトリメチロールプロパンとの混合物(質量比=60/40)を7.14部加え、3分間泡を巻き込まないように混合し、クリーニングブレード形成用組成物A1を調製した。次いで、140℃に金型を調整した遠心成形機に上記クリーニングブレード形成用組成物A1を流し込み、1時間硬化反応させた。次いで、110℃で24時間熟成加熱し、冷却した後切断して、厚さ2.5mmのポリウレタンゴム成形体(以下、「圧縮成形前のウレタンゴム成形体」と称する)を得た。
次に、温度35℃、絶対湿度39g/mに調整した容器内に電気熱プレス成型機(大竹機械工業社製;500角、1トン型)を設置した。別途圧縮成形前のウレタンゴム成形体を支持金型に固定し、その上に、押付け用金型を載せた後、この一対の金型を前記電気熱プレス成型機に配置した。その状態で、10分間保持した後、容器内に配置された前記電気熱プレス成型機を用い、圧力5MPaで圧縮成形前のウレタンゴム成形体を圧縮成形して圧縮成形後のウレタンゴム成形体とした。これにより、厚み2mmの圧縮成形後のウレタンゴム成形体からなるクリーニングブレードを得た。尚、圧縮成形前後のウレタンゴム成形体の比重は既述の方法により測定した。以下の実施例及び比較例についても同様である。結果を表1、2に示す。また、押付け用金型と圧縮成形前のウレタンゴム成形体との接触面における押付け用金型の表面粗さは十点平均粗さRaが0.1μmのものを用いた。
〔実施例2〕
圧縮条件を表1に従って変更した以外は、実施例1と同様の方法によりクリーニングブレードを得た。
〔実施例3〕
圧縮条件を表1に従って変更し、ポリオール成分としてポリエーテルポリオール(PTG−650SN、保土ヶ谷化学(株)社製)を用い、イソシアネート化合物としてミリオネートMT、日本ポリウレタン工業(株)社製を用い、ソフトセグメント材料およびハードセグメント材料を6.5:3.5(質量比)の割合で混合した以外は、実施例1と同様の方法によりクリーニングブレードを得た。
〔比較例1〕
実施例1と同様の方法により圧縮成形前のウレタンゴム成形体を得た。その後、圧縮成形を経ずに、圧縮成形前のウレタンゴム成形体をクリーニングブレードとした。
〔比較例2〕
ソフトセグメント材料およびハードセグメント材料を7:3(質量比)の割合で混合した以外は実施例1と同様の方法により、比重1.15の圧縮成形前のウレタンゴム成形体を得た。その後、圧縮成形を経ずに、圧縮成形前のウレタンゴム成形体をクリーニングブレードとした。
〔比較例3〕
圧縮条件を表2に従って変更した以外は、実施例1と同様の方法によりクリーニングブレードを得た。
〔比較例4〕
圧縮条件を表2に従って変更した以外は、実施例1と同様の方法によりクリーニングブレードを得た。
<評価試験>
各例で得られたクリーニングブレードについて、へたり(永久変形)評価、欠け評価、及び画像品質評価を行った。結果を表1、2に示す。
(へたり(永久変形)評価)
クリーニングブレードを取り付けたプロセスカートリッジを、高温高湿環境(45℃、95%RH)下の恒温・恒湿槽に1週間放置し、放置前後のクリーニングブレードの食い込み量の差をへたり量とした。許容範囲は0.2mm以下である。
尚、食い込み量は、感光体の中心からクリーニングブレードエッジ先端までの距離を計測可能な非接触のレーザー変位計(キーエンス社製、商品名:LK−035)にて測定した。
−評価基準−
A:へたり量が0.2mm以下
B:へたり量が0.2mm超え
(欠け評価)
以下の方法により、クリーニングブレードの欠けを評価した。
高温高湿環境(32.5℃、85%RH)下にて、感光体の積算回転数が100KサイクルになるまでA4用紙(210×297mm、富士ゼロックス社製、P紙)を用いて画像形成した。その後、クリーニングブレードの接触部(エッジ)先端の摩耗深さを測定し、エッジ先端の摩耗深さによりクリーニングブレードのエッジの欠けを判断した。
尚、評価に際しては、感光体とクリーニングブレードとの接触部における潤滑効果を小さくした過酷な条件で評価するため、形成する画像の像密度を1%とした。
また、エッジ先端の摩耗深さは、クリーニングブレードの断面側からキーエンス社製、レーザ顕微鏡VK−8510により観察したときに確認される、感光体表面側のエッジ欠落部の最大深さとした。
エッジの欠けの評価基準を以下に示す。尚、許容範囲はA及びBである。
−評価基準−
A:先端部摩耗深さ :3μm以下
B:先端部摩耗深さ :3μm超え5μm以下
C:先端部摩耗深さ :5μm超え
(画像品質評価)
各例で得られた実施例および比較例のクリーニングブレードを、感光体ドラム用クリーニングブレードとして感光体カートリッジに組み込み、高温高湿環境(38℃、95%RH)下で、1週間放置した。感光体カートリッジをそれぞれカラー複写機(富士ゼロックス製、DocuCentre Color a450)に装着した。このカラー複写機を用い、画像濃度が1%(A4サイズの用紙に6.2mm×1mmのベタ画像が載っているもの)の画像形成を用紙(富士ゼロックス社製、C2r紙)に2,000枚繰り返した。その後の色スジの画質欠陥の発生状態を下記の基準で目視により評価した。
−評価基準−
A:色スジが確認されない
B:画像に色スジが僅かに確認されるが許容範囲
C:画像に色スジが確認され、許容し得ない
<表1、表2の説明>
圧縮成形までの時間・・・圧縮成形前のウレタンゴム成形体を特定の高温高湿環境下の雰囲気下に置いてから圧縮成形するまでの時間
表面粗さ・・・押付け用金型と圧縮成形前のウレタンゴム成形体との接触面における押付け用金型の表面粗さ
圧縮成形前の比重(A)・・・圧縮成形前のウレタンゴム成形体の比重
圧縮成形後の比重(B)・・・圧縮成形後のウレタンゴム成形体の比重
表1、2の結果から、実施例1〜3は、比較例1〜4に比べ、へたり及び欠けが抑制されることがわかった。即ち、特定の高温高湿環境下で圧縮成形前のゴム成形体を圧縮成形したものを圧縮成形後のゴム成形体とし、且つ圧縮成形後のゴム成形体の比重変動率及び圧縮成形後のゴム成形体の比重を特定の範囲とすることで、へたり及び欠けが抑制されるクリーニングブレードが得られることがわかった。
3A 接触角部、3B 先端面、3C 腹面、3D 背面、10 金型、12 第1の金型、14 第2の金型、16 凹部、18 圧縮成形前のゴム成形体、20 圧縮成形後のゴム成形体、21 本体ハウジング、22、22a乃至22d 作像ユニット、23 ベルトモジュール、24 記録媒体供給カセット、25 記録媒体搬送路、30 感光体ユニット、31 感光体ドラム(像保持体)、32 帯電ロール、33 現像ユニット、34 クリーニング装置、35、35a乃至35d トナーカートリッジ、40 露光ユニット、41 ユニットケース、42 ポリゴンミラー、51 一次転写装置、52 二次転写装置、53 ベルトクリーニング装置、61 送出しロール、62 搬送ロール、63 位置合わせロール、66 定着装置、67 排出ロール、68 排紙部、71 手差し供給装置、72 送出しロール、73 両面記録用ユニット、74 案内ロール、76 搬送路、77 搬送ロール、121,141 接触面、230 中間転写ベルト、231、232 支持ロール、331 ユニットケース、332 現像ロール、333 トナー搬送部材、334 搬送パドル、335 トリミング部材、341 クリーニングケース、342 クリーニングブレード、344 フィルムシール、345 搬送部材、521 二次転写ロール、531 クリーニングブレード

Claims (9)

  1. 少なくとも被クリーニング部材と接触する部分が圧縮成形後のゴム成形体からなり、
    前記圧縮成形後のゴム成形体が、温度35℃以上70℃未満、且つ絶対湿度39g/m以上197g/m以下の環境下で、圧縮成形前のゴム成形体を圧縮して得られ、
    前記圧縮成形後のゴム成形体の比重と前記圧縮成形前のゴム成形体の比重との比(前記圧縮成形後のゴム成形体の比重/前記圧縮成形前のゴム成形体の比重)が1.05以上1.15以下であり、
    前記圧縮成形後のゴム成形体の比重が1.10以上1.20以下であるクリーニングブレード。
  2. 前記圧縮成形後のゴム成形体は、圧力1MPa以上10MPa以下で、前記圧縮成形前のゴム成形体を圧縮成形して得られる請求項1に記載のクリーニングブレード。
  3. 前記圧縮成形後のゴム成形体は、第1の金型及び第2の金型を備える金型を用いて、前記圧縮成形前のゴム成形体を圧縮成形して得られる請求項1又は請求項2に記載のクリーニングブレード。
  4. 温度35℃以上70℃未満、且つ絶対湿度39g/m以上197g/m以下の環境下で、圧縮成形前のゴム成形体を圧縮成形して、少なくとも被クリーニング部材と接触する部分を圧縮成形後のゴム成形体とする工程を含むクリーニングブレードの製造方法。
  5. 圧力1MPa以上10MPa以下で、前記圧縮成形前のゴム成形体を圧縮成形する請求項4に記載のクリーニングブレードの製造方法。
  6. 第1の金型及び第2の金型を備える金型を用いて、前記圧縮成形前のゴム成形体を圧縮成形する請求項4又は請求項5に記載のクリーニングブレードの製造方法。
  7. 請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のクリーニングブレードを備えたクリーニング装置。
  8. 請求項7に記載のクリーニング装置を備え、
    画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。
  9. 像保持体と、
    前記像保持体の表面を帯電する帯電装置と、
    帯電した前記像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成装置と、
    前記像保持体の表面に形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、
    前記像保持体上に形成された前記トナー像を記録媒体上に転写する転写装置と、
    前記像保持体の表面に、前記クリーニングブレードを接触させてクリーニングする請求項7に記載のクリーニング装置と、
    を備える画像形成装置。
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