JP2012063493A - 潤滑剤成形物、その製造方法、潤滑剤塗布装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】特別な検知手段等による高コスト化などの問題なしに、経時的に安定した塗布量で像担持体へ潤滑剤を塗布することができる潤滑剤成形物、そのような潤滑剤塗布装置を提供する。
【解決手段】画像担持ローラに供給される潤滑剤の粉末が回転するブラシローラにより削り取られる潤滑剤成形物において、密度が高い第一部分と密度が低い第二部分との2つの部分から構成され、前記ブラシローラとの接触する面からの深さの増加に従って、前記第一部分が少なくなり、かつ、前記第二部分が多くなるように圧縮成形されている潤滑剤成形物。
【選択図】図2
【解決手段】画像担持ローラに供給される潤滑剤の粉末が回転するブラシローラにより削り取られる潤滑剤成形物において、密度が高い第一部分と密度が低い第二部分との2つの部分から構成され、前記ブラシローラとの接触する面からの深さの増加に従って、前記第一部分が少なくなり、かつ、前記第二部分が多くなるように圧縮成形されている潤滑剤成形物。
【選択図】図2
Description
画像形成装置の像担持体の表面に潤滑剤を塗布するための潤滑剤成形物、及び、その製造方法、並びに、潤滑剤成形物を用いて像担持体の表面に塗布する潤滑剤塗布装置、さらに、その潤滑剤塗布装置を備えた画像形成装置に関する。
電子写真方式を利用した画像形成装置は、像担持体を備えている。この方式では、像担持体の表面での放電によって電荷を与えて帯電させ、この帯電した像担持体の表面を露光して静電潜像を形成し、この形成された静電潜像にトナーを供給して可視像を形成し、この像担持体の表面に形成された可視像を転写紙の表面に転写し、そして、この転写紙の表面に転写された可視像を定着して装置外へ排出する。
このような画像形成装置においては、転写紙へ可視像を転写した後の像担持体の表面には未転写のトナー等を含む付着物が残留するので、これらの付着物が画像形成に悪い影響を与えないように、像担持体はクリーニング装置でクリーニングされ、次の画像形成プロセスに備えられる。
このようなクリーニング装置として、ゴム等の弾性体からなるクリーニングブレードや合成樹脂からなる繊維を用いて形成したクリーニングブラシを像担持体の表面に摺擦させて、未転写トナー等の付着物を除去する装置が一般的に知られている。特に、クリーニングブレードによるクリーニング装置は、クリーニング性能の安定性やコスト面で良好であり、広く普及している。
しかしながら、これらのクリーニングブレードを用いた場合、像担持体との摺擦を続けると経時変化の結果、磨耗して欠けや変形を起こし、クリーニング性能が低下するという問題があった。また、像担持体の表面も同様に摺擦により磨耗するので、像担持体の寿命が短くなるという問題もあった。
ここで、近年、画像形成装置の分野においては、画像の高画質化の要求が高まっている。特に高精細なカラー画像の形成を実現するために、トナーの小粒径化及び球形化が進められている。
トナーを小粒径化すると、ドットの再現性が良好になり、また、トナーを球形化すると、現像性及び転写性の向上を図ることができる。しかしながら、このようなトナーの小粒径化及び球形化によって、像担持体の表面に残留するトナーのクリーニングは一層、難しくなってきている。
そこで、像担持体の表面に潤滑剤を塗布して、像担持体とクリーニング部材との間に働く摩擦抵抗を低減することにより、クリーニング部材と像担持体との摩耗等による不具合を解消する方法が採用されるようになっている。
像担持体の表面に潤滑剤を塗布すると、像担持体の表面の摩擦係数が低下するので、トナーに外添される流動性付与剤、帯電制御剤等の添加剤がクリーニング部材との当接圧で像担持体の表面に固着する、という問題(いわゆる、フィルミングが発生する、という問題)の発生を防止することも同時に可能となる。さらに、像担持体の表面におけるトナーの付着力が低減されるので、像担持体上に形成されたトナー像の転写紙への転写性が向上する。
塗布装置として、脂肪酸金属塩等の潤滑剤を棒状に圧縮成形した潤滑剤成形物(固体潤滑剤)と、この潤滑座成形物と像担持体との両方に当接するようにブラシローラ(潤滑剤供給部材)とを備えるものである。固形潤滑剤はバネ等の弾性部材により、一定の圧力でブラシローラに対して付勢されている。
このような塗布装置によれば、ブラシローラが回転駆動されることにより、固形潤滑剤がブラシローラの摺擦により削られて粉体となってブラシローラの繊維に付着し、そのブラシローラに付着した粉体状の潤滑剤が像担持体の表面に塗布される。
像担持体の表面に塗布される潤滑剤の量が、少なすぎると、潤滑剤が十分に塗布される部分と塗布されない部分とができ、塗布むらが生じて、十分に潤滑剤が塗布されていない部分にクリーニング不良や像担持体の偏摩耗が発生したりする。
また、像担持体上に前述のフィルミングが発生して、その部分にトナーが現像されない、といった問題も発生する。
一方、潤滑剤の塗布量が多すぎると、像担持体と近接する帯電ローラの表面を汚染したり、像担持体上の塗布量のむらが顕著に現れたりして、最終的に転写紙に定着される画像のハーフトーン部分にむらが生じる。
また、潤滑剤の塗布量が多すぎる場合に、高温高湿の環境下では潤滑剤が吸湿することにより、像担持体表面に形成する静電潜像が流れ、画像ボケを発生させてしまう。
このように、像担持体の表面に適切な量の潤滑剤を安定して塗布することは重要である。
しかしながら、弾性部材の経時変化による固形潤滑剤をブラシローラに押しつける圧力の低下や、ブラシローラの磨耗によるブラシローラの固形潤滑剤の掻き取り力低下等によって、像担持体への潤滑剤の塗布量が経時で低下するといった問題があった。
このような問題を解決するものとして特開2009−186738号公報(特許文献1)では、固形潤滑剤と像担持体との接触角を検知する接触角検知手段と固形潤滑剤を像担持体へ付勢する加圧手段を有し、検知した接触角に応じ付勢する加圧力を切り換えることにより潤滑剤を安定して像担持体へ提供する技術が提案されている。
しかしながら、この方法では装置コストが高くなり、実用性が低い。
また、特開2007−164062号公報(特許文献2)では、ブラシローラのブラシ高さが軸方向に変化させてために固形潤滑剤の消費量を軸方向にわたって変化させることができ、固形潤滑剤の塗布量が経時においても減少することがないと云う技術が提案されている。
しかしながら、この方法でも、固形潤滑剤の塗布量の経時的な減少を防止することができない。
本発明は、上記問題点を解決する、すなわち、特別な検知手段等による高コスト化などの問題なしに、経時的に安定した塗布量で像担持体へ潤滑剤を塗布することができる潤滑剤成形物、そのような潤滑剤塗布装置を提供することを目的とする。
本発明の潤滑剤成形物は、請求項1に記載の通り、画像担持ローラに供給される潤滑剤の粉末が回転するブラシローラにより削り取られる潤滑剤成形物において、密度が高い第一部分と密度が低い第二部分との2つの部分から構成され、前記ブラシローラとの接触する面からの深さの増加に従って、前記第一部分が少なくなり、かつ、前記第二部分が多くなるように圧縮成形されていることを特徴とする潤滑剤成形物である。
本発明の潤滑剤成形物は、請求項2に記載の通り、請求項1に記載の潤滑剤成形物において、前記潤滑剤成形物の前記ブラシローラの軸に垂直な断面において、前記第一部分が、前記ブラシローラとの接触する面に底辺を有し、かつ、前記ブラシローラとの接触する面からの深さの増加に従って幅が狭くなる形状となっていることを特徴とする。
本発明の潤滑剤成形物は、請求項3に記載の通り、請求項2に記載の潤滑剤成形物において、前記断面における前記第一部分の形状が前記ブラシローラとの接触する面に底辺を有する三角形であることを特徴とする。
本発明の画像形成装置用の潤滑剤塗布装置は、請求項4に記載の通り、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の潤滑剤成形物とブラシローラとが設けられていることを特徴とする画像形成装置用の潤滑剤塗布装置である。
本発明のプロセスカートリッジは請求項5に記載の通り、請求項4に記載の画像形成装置用の潤滑剤塗布装置が設けられていることを特徴とするプロセスカートリッジである。
本発明の画像形成装置は、請求項6に記載の通り、請求項5に記載のプロセスカートリッジが設けられていることを特徴とする画像形成装置である。
本発明の潤滑剤成形物の製造方法は請求項7に記載の通り、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の前記潤滑剤成形物の製造方法であって、前記密度の高い部分を圧縮成形により成形する一次成形工程と、該一次成形工程で成形された密度の高い部分の周囲に潤滑剤を供給し、次いで、一次成形工程での成形圧力よりも低い圧力で前記密度の低い部分を圧縮成形により成形する二次成形工程と、により成形することを特徴とする潤滑剤成形物の製造方法である。
本発明の潤滑剤成形物は、密度が高い第一部分と密度が低い第二部分との2つの部分から構成され、前記ブラシローラとの接触する面からの深さの増加に従って、前記第一部分が少なくなり、かつ、前記第二部分が多くなるように圧縮成形されている構成により、弾性部材の経時変化による潤滑剤成形粒をブラシローラに押しつける圧力の低下や、ブラシローラの磨耗によるブラシローラの潤滑剤成形物の掻き取り力低下が生じた場合であっても像担持体への潤滑剤の塗布量が低下せず、安定した潤滑効果が得られるために、クリーニング不良や像担持体の偏摩耗が防止され、また、フィルミングの発生が防止され、安定した良好な画像形成が可能となる。
また、上記潤滑剤成形物において、前記潤滑剤成形物の前記ブラシローラの軸に垂直な断面において、前記第一部分が、前記ブラシローラとの接触する面に底辺を有し、かつ、前記ブラシローラとの接触する面からの深さの増加に従って幅が狭くなる形状となっていると、潤滑剤成形物の製造が容易である。
また、上記潤滑剤成形物において、前記断面における前記第一部分の形状が前記ブラシローラとの接触する面に底辺を有する三角形であると、潤滑剤成形物の成形型が単純な形状で済み、製造も容易である。
本発明の画像形成装置用の潤滑剤塗布装置は、上記潤滑剤成形物とブラシローラとが備えられている構成により、特別な部品を必要とせずに、像担持体への潤滑剤塗布量の経持的な変化が防止される。
本発明のプロセスカートリッジは上記の画像形成装置用の潤滑剤塗布装置が備えられているために、つねに安定した潤滑効果が得られるために、クリーニング不良や像担持体の偏摩耗が防止され、また、フィルミングの発生が防止され、安定した良好な画像形成が可能となる。
本発明の画像形成装置は上記のプロセスカートリッジが備えられているために、つねに安定した潤滑効果が得られるために、クリーニング不良や像担持体の偏摩耗が防止され、また、フィルミングの発生が防止され、安定した良好な画像形成が可能となる。
本発明の潤滑剤成形物の製造方法は密度の高い部分を圧縮成形により成形する一次成形工程と、該一次成形工程で成形された密度の高い部分の周囲に潤滑剤を供給し、次いで、一次成形工程での成形圧力よりも低い圧力で前記密度の低い部分を圧縮成形により成形する二次成形工程と、により成形する構成により、一次成形もしくは二次成形の圧縮成形圧力を変更することで密度分布を容易に変更することができ、経時変化によるブラシローラによる像担持体への潤滑剤塗布量の変化に最適な潤滑剤成形物の密度で成形することが可能となるため、像担持体への潤滑剤塗布量が常に安定した潤滑剤成形物を提供できる。
本発明に係る潤滑剤成形物を用いる、画像形成装置について、図面を用いて説明する。
図1に符号10を付して示される画像形成装置の主要部において、像担持体1の周囲には、像担持体1を帯電する帯電手段としての帯電装置2と、帯電された像担持体1に静電潜像を形成する潜像形成手段としての露光装置3と、像担持体1上の静電潜像をトナー像として可視像化する現像手段としての現像装置4と、像担持体1上のトナー像をシート状媒体からなる記録材に転写する転写手段としての転写装置5及び像担持体1表面に付着した不要トナーを除去するクリーニング手段としてのクリーニング装置7が配置されている。
像担持体1に潤滑剤を塗布するための潤滑剤塗布手段として、潤滑剤成形物6b、ブラシローラ6c、潤滑剤成形物6bをブラシローラに付勢するための弾性部材6aから構成される潤滑剤塗布装置6が、像担持体1の回転方向、クリーニング装置7の上流に配置されている。
帯電装置2は、像担持体1の表面を一様に帯電させるものであり、この例では帯電ローラ2aと帯電クリーニングローラ2bとで構成されている。このような帯電装置2では、帯電部材である帯電ローラ2aは、像担持体1の表面に接触し、または像担持体1の表面との間に微小な空隙を置いて配置され、帯電ローラ2aに帯電バイアスを印加させることによって像担持体1表面を所望の極性及び所望の電位に一様に帯電させる。
この帯電部材としては、上述のような、弾性体からなるローラ胴部を有する帯電ローラ2aの他、例えばワイヤー電極とグリッド電極を用いたスコロトロン帯電器なども用いることができる。
露光装置3は、帯電装置2によって帯電された像担持体1の表面に、画像データに応じた静電潜像を形成するものである。
この露光装置3としては、例えば、発光素子としてLD(Laser Diode)あるいはLED(Light Emitting Diode)を使用し、一様に帯電された像担持体1の表面に対して画像データに基づく光を照射することにより、像担持体1の表面に静電潜像を形成させる。 なお、露光装置3としては、このような構成に限らず、その他、広く公知のものを利用することができる。
現像装置4は、像担持体1の表面に形成された上記静電潜像にトナーを付着させて現像を行うものであり、この例では、現像スリーブ4aとスクリュー4bとドクターブレード4cで構成されている。
この現像装置4は、固定配置された磁界発生手段としてのマグネットローラを内部に有する現像剤担持体としての現像スリーブ4aを備えている。この現像スリーブ4aは、表面に現像剤を担持しながら回転されることによって、現像剤を像担持体1と対向する現像領域へ搬送する。
この例では、現像剤としてトナーとキャリアからなる二成分現像剤を用い、マグネットローラの磁力により現像領域でキャリアを穂立ちさせてブラシ状にして現像を行う磁気ブラシ現像方式を採用している。なお、現像剤としては、前記二成分現像剤のようにキャリアを用いることなくトナーのみからなる一成分現像剤を用いることもできる。
現像スリーブ4aには、現像バイアス電源から現像バイアスが印加される。この現像バイアスの印加により、像担持体1と現像スリーブ4aとの対向領域で構成される現像領域において、現像スリーブ4aの表面電位と像担持体1表面の静電潜像部分における電位との間に電位差が生じ、この電位差によって形成される現像電界の作用を受けて、現像剤中のトナーが静電潜像へ付着し、像担持体1上の静電潜像がトナー像となる。なお、現像装置4としては、このような構成に限らず、広く公知のものを利用することができる。
転写装置5は、像担持体1上のトナー像を、図示しない記録材上へ転写するものであり、好ましくは、転写ローラあと中間転写ベルト5bとにより構成されている。この転写装置5は、転写ローラ5aで中間転写ベルト5bを像担持体1の表面に所定の押圧力で接触させ、その中間転写ベルト5b上に像担持体1表面上のトナー像を記録材上へ転写させる。この中間転写ベルト5bを介して、像担持体1表面上のトナー像を記録材上へ転写させる。転写装置5により紙などの記録材が搬送される記録材搬送方向の下流側には、記録材上のトナー像を定着させる定着手段としての定着装置(図示しない)が配置されている。
潤滑剤塗布装置6は、潤滑剤を像担持体1表面に塗布するためのものであり、好ましくは、潤滑剤成形物6bとブラシローラ6c、及び、弾性部材6aから構成されている。
ブラシローラ6cは、潤滑剤成形物6bと接触するように設置され、ブラシローラ6cが回転することにより潤滑剤成形物6bを削り取る。このとき、粉体となった潤滑剤はブラシローラ6cを構成するブラシ繊維の表面に付着保持され、ブラシローラ6cの回転により搬送されて、像担持体1表面に塗布される。
潤滑剤成形物6bのブラシ対向面と反対側にはブラシローラ6cと潤滑剤成形物6bとの接触むらをなくすために弾性部材(圧縮部材)6aが配置され、潤滑剤成形物6bをブラシローラ6cに対して付勢する構成となっている。
ブラシローラ6cを構成するブラシ毛は、レーヨン、ナイロン樹脂、アクリル樹脂、ビニロン樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂等の繊維からなっており、必要に応じては前述の繊維原料にカーボン等の導電付与剤を混ぜて得た導電繊維を使用してもよい。
この例では、ブラシローラ6cは、金属からなる芯金に長さ0.2〜20mm、好ましくは0.5〜10mmの長さのブラシ毛が基布上に植毛されたブラシをスパイラル上に巻き付けて構成されている。
クリーニング装置7は、像担持体1の表面に残留した転写残トナーを像担持体1の表面から除去するものである。
この例では、クリーニング装置7として、像担持体1表面上の転写残トナーを掻き取って除去するためのクリーニングブレード部材7aが用いられている。クリーニングブレード部材7aとしてはポリウレタンからなるブレード部材を金属支持体に貼り付けて構成されたものが用いられ、クリーニングブレード部材7aは像担持体1とは像担持体1の回転方向(図中矢印で図示)に対してカウンタ方向に接触している。
ここで、クリーニングブレード部材7aは像担持体1からのトナー除去のみならず、帯電装置2によって像担持体1を放電により帯電するときの放電生成物、トナーに添加されている添加剤などの不純物を像担持体1から除去する機能も有している。
前記の帯電装置2と、露光装置3、現像装置4、転写装置5、潤滑剤塗布装置6、及び、クリーニング装置7が少なくとも設けられていると、像担持体1の表面に形成された潤滑剤被膜の帯電ハザードによる膜減り量が低減されると共に、高画質化が達成できる小粒径の、球形トナーを用いてもクリーニング性が低下せず、このため像担持体の耐久性が向上し、そのため、長期間に亘って高画質の画像を得ることが可能となる。
また、プロセスカートリッジ9には、像担持体1と、前記像担持体1を回転自在に保持するカートリッジケース8と、前記カートリッジケース8に保持された請求項3に記載の潤滑剤塗布装置6とが備えられている。
このように、像担持体1と前記像担持体1を回転自在に保持するカートリッジケース8と、カートリッジケース8に潤滑剤塗布装置6が設けられているプロセスカートリッジ9によれば、それらの部品の交換作業等が容易となり、部品交換に係る時間を短縮することが可能になる。
さらにこの例ではプロセスカートリッジ9が、クリーニング装置7を備えていると共に、該クリーニング装置7よりも像担持体1の回転方向上流側に潤滑剤塗布装置6を備えているので、転写後の像担持体1の表面に潤滑剤が塗布されて潤滑剤塗布膜が形成され、続いてその潤滑剤塗布膜の表面にクリーニングブレード部材が摺接することによって均一で未塗布箇所のない良好な潤滑剤被膜が形成され、そのために均一なクリーニング性と帯電ハザード性とが得られ、よって像担持体1の表面のクリーニング性能が長期間にわたり維持され、結果として、より一層高画質な画像が得られる。
上記において、密度が高い第一部分と密度が低い第二部分との2つの部分から構成され、前記ブラシローラとの接触する面からの深さの増加に従って、前記第一部分が少なくなり、かつ、前記第二部分が多くなるように圧縮成形されている。
すなわち、ブラシローラとの接触する面からの深さの増加に従って密度が高い部分に対する密度が低い部分の存在割合が増加している。
すなわち、図2(ブラシローラの軸6cに垂直な断面を示すモデル図)にモデル的に潤滑剤塗布装置6を示したように、潤滑剤が圧縮成形されて構成された画像形成装置用の潤滑剤成形物6bは、回転するブラシローラ6cに接触し、該接触により発生した前記潤滑剤の粉末を、前記ブラシローラを介して画像担持体1へ供給する潤滑剤成形物であり、かつ、このような潤滑剤成形物6bにおいて密度が高い第一部分6b1と密度が低い第二部分6b2との2つの部分から構成され、かつ、ブラシローラ6cと接触する面6b3からの深さに従って第一部分6b1が少なくなり、かつ、第二部分6b2が多くなる(第一部分に対する第2部分の存在割合が増加する)。
すなわち、図3に斜視図をモデル的に示したようにこの潤滑剤成形物6bの、ブラシローラ6cの軸に垂直な断面において、密度が高い部分6b1は、ブラシローラとの接触する面6b3を底辺とし、かつ、面6b3からの深さが増加するに従い幅が狭くなる形状、特にこの例では面6b3を底辺とする三角形となっている。
この様な構成により、潤滑剤成形物6bのブラシローラ6cに接触する部分は最初は密度が高い第一部分6b1だけであるが、使用の結果、潤滑剤成形物6bの減少につれ、ブラシローラ6cによってより多くの潤滑剤の粉末が発生しやすい、密度が低い第二部分6b2が多くなり、その結果、画像担持体1へ供給される潤滑剤・粉末の量が経時的に減少することが低減ないし防止される。
図4には、潤滑剤成形物の他の例6b’を示す。この例では、ブラシローラ6cの軸に垂直な断面において、密度が高い第一部分6b1は、ブラシローラとの接触する面6b3’では全面に存在するが、面6b3’からの若干距離を置いた部分からは、その中央部にブラシローラ6cの軸に平行に密度が低い第二部分6b2’が存在するようになり、面6b3’からの距離が大きくなるに従い密度が低い第二部分6b2’の幅は徐々に広くなり、密度が低い第二部分6b2’によって隔てられて2つとなった密度が高い第一部分6b1’はともに、面6b3’からの距離が大きくなるに従い幅が徐々に狭くなる三角形形状となっている。
ここで、潤滑剤成形物のブラシローラ当接面は、ブラシローラによって削り取られるために、断面が円弧形状の凹溝面となるために、近い密度が低い第二部分の形状がこのブラシローラ当接面形状に近い潤滑剤成形物6bの方がより塗布量が制御されやすく、潤滑剤の量が安定して供給されるという、効果上の違いがある。
ここで上記、潤滑剤成形物6b及び6b’の製造方法について図5〜7を用いて説明する。
まず、金型11に潤滑剤の粉体を計量し充填を行う(潤滑剤充填工程)。
潤滑剤としてしては一般に脂肪酸金属塩を用いる。具体的にはステアリン酸亜鉛が挙げられ、日油社等から入手可能である。
充填に際しては、図5(a)及び図6(a)に示すように金型11の幅方向に、例えば6〜10箇所に分割して粉体を充填することが、幅方向に均一な潤滑剤成形物を得ることができるので好ましい。単位幅あたりの充填量は中央部と両端部とで異なるようにして、両端部は中央部よりも多くなるように充填することが幅方向により均一な潤滑剤成形物を得ることができるので好ましい。
一次成形のための充填では全充填量の30〜70%程度の量を充填することが好ましい。
充填量は一次成形工程で用いる移動型(後述)の寸法に応じ、成形後の密度が所定のものとなるように調整する。
次工程の一次成形工程ではプレス機により、圧縮成形を行って密度の高い部分(第一部分)を形成する(図5(b)及び図6(b)参照。このとき、用いる金型(移動型)12aの斜視図を図7(a)に示す)。金型12aには潤滑剤成形物成形側面には断面が三角形の溝が形成されている。
一次成形では、例えば、加圧力(図6(b)に矢印でモデル的に示した)は、後述する二次成形工程での圧力より低い例えば140kN〜170kNで成形を行う。
次に密度の低い第二部分を成形するために、金型11内の上記で成形された第一部分(図6(c)中符号6b1)の上方へ残りの粉末状潤滑剤を充填を行う(図5(c)及び図6(d)参照)。このとき、一次工程で用いたものと同じ潤滑剤を用いる。
粉末状潤滑剤の充填後に行う二次成形工程では一次成形工程よりも低い加圧力(たとえば100kN以上120kN以下程度)で、例えば潤滑剤成形物成形側面がフラットとなっている金型(移動型)13を用いて成形を行う(図5(d)、図6(e)及び図6(f)参照)。このようにブラシローラ6cと接する面の反対側の面が平面となっていることで、弾性部材6aによるブラシローラ6cへの付勢力が均一となって、潤滑剤成形物の片減り等の不都合の発生が未然に防止される。
上述のように一次成形工程よりも低い加圧力で圧縮成形することで第一部分よりも密度の低い第二部分が形成される。
そして、最終工程である脱型工程では金型11を分解し圧縮成形された潤滑剤成形物6bを取り出す(図5(e)参照)。
このようにして密度が高い第一部分と密度が低い第二部分との2つの部分から構成され、ブラシローラとの接触する面からの深さの増加に従って、第一部分が少なくなり、かつ、第二部分が多くなるように圧縮成形されている潤滑剤成形物が得られ、使用につれて潤滑剤成形物6bの密度が高く削れにくい第一部分が減少し、密度が低く削れ易い第二部分が増加してくるために、従来技術に係る潤滑剤成形物では経時によりブラシローラ6cによる削れ量が低下するのに対し、長期に亘って安定した削れ量が実現され、像担持体1表面への潤滑剤の塗布量が低下せず、長時間安定して供給することができ、結果として安定した高品質の画像形成が可能となる。
なお、図4にモデル的に示した潤滑剤成形物6b’は上記で用いた用いる金型12aの代わりに金型(移動型)12b(図7(b)にその斜視図をモデル的に示す)を用いることで、同様にして作製することができる。
上記では第一部分は三角柱として形成する例について説明したが、経時的に安定した画像形成が可能なように、必要に応じて、いわゆる、かまぼこ形などの半円柱形状、半楕円柱形状などとしても良い。
圧縮成形時の加圧力と得られた圧縮成形品の密度について調べた。
粉末状の潤滑剤(脂肪酸金属塩(日油株式会社製 ステアリン酸亜鉛。以下同じものを用いた))を図5に示した圧縮成形用金型11に充填し、図6(e)中に示された潤滑剤成形物成形側面がフラットな金型(移動型)13を使用し、加圧力を変化させて、圧縮成形を行った。
このときの成形加圧力と成形品密度の関係を表1に示す。
表1により、粉末状の潤滑剤を用いて、成形加圧力を110〜170g/cm3の範囲で変化させて成形を行うと、成形加圧力の増加に対応して得られる成形品の密度が増加することが判る。
(実施例1)
粉末状の潤滑剤(を図5に示した圧縮成形用金型11に39.73g充填し、図7(a)に示した潤滑剤成形物成形側面にV字溝を有する移動型12aを用いて、142kNの圧力で圧縮成形し、密度1.175g/cm3の第一部分を成形した。
粉末状の潤滑剤(を図5に示した圧縮成形用金型11に39.73g充填し、図7(a)に示した潤滑剤成形物成形側面にV字溝を有する移動型12aを用いて、142kNの圧力で圧縮成形し、密度1.175g/cm3の第一部分を成形した。
その後、さらに粉末状の潤滑剤39.19gを圧縮成形用金型11内第一部分の上方に追加充填し、二次成形として潤滑剤成形物成形側面がフラットな金型(移動型)13を使用し111kNの圧力で圧縮成形を行い、密度1.159g/cm3の第二部分を上記第一部分と一体に形成し、21mm×10mm×322mmの大きさの棒状の潤滑剤成形物(図3にモデル的に示された形状を有する)を得た。
(実施例2)
実施例1同様に、ただし、移動型として図7(b)に示した潤滑剤成形物成形側面に∧型の三角状凸部を有する移動型12bを用いて、密度1.175g/cm3の第一部分を形成し、その後、同様に密度1.159g/cm3の第二部分を上記第一部分と一体に形成し、21mm×10mm×322mmの大きさの棒状潤滑剤成形物(図4にモデル的に示された形状を有する)を得た。
実施例1同様に、ただし、移動型として図7(b)に示した潤滑剤成形物成形側面に∧型の三角状凸部を有する移動型12bを用いて、密度1.175g/cm3の第一部分を形成し、その後、同様に密度1.159g/cm3の第二部分を上記第一部分と一体に形成し、21mm×10mm×322mmの大きさの棒状潤滑剤成形物(図4にモデル的に示された形状を有する)を得た。
(実施例3)
実施例2同様に、ただし、一次成形時に粉末状の潤滑剤を圧縮成形用金型11に40.03g充填し、170kNの圧力で圧縮成形し、密度1.184g/cm3の第一部分を得た。その後、粉末状の潤滑剤を圧縮成形用金型内第一部分上方に39.05g充填し、105kNの圧力で2次成形し、密度1.155g/cm3の第二部分を形成し、第一部分と第二部分とが一体となった21mm×10mm×322mmの大きさの棒状の潤滑剤成形物を得た(図4にモデル的に示された形状を有する)。
実施例2同様に、ただし、一次成形時に粉末状の潤滑剤を圧縮成形用金型11に40.03g充填し、170kNの圧力で圧縮成形し、密度1.184g/cm3の第一部分を得た。その後、粉末状の潤滑剤を圧縮成形用金型内第一部分上方に39.05g充填し、105kNの圧力で2次成形し、密度1.155g/cm3の第二部分を形成し、第一部分と第二部分とが一体となった21mm×10mm×322mmの大きさの棒状の潤滑剤成形物を得た(図4にモデル的に示された形状を有する)。
(比較例)
粉末状の潤滑剤を圧縮成形用金型11に78.91g充填し、上記二次成形で用いた滑剤成形体成形側面がフラットな金型(移動型)13を使用し、124kNの圧力でプレス成形をし、全体の密度が1.167g/cm3となっている21mm×10mm×322mmの大きさの棒状の潤滑剤成形物を得た。
粉末状の潤滑剤を圧縮成形用金型11に78.91g充填し、上記二次成形で用いた滑剤成形体成形側面がフラットな金型(移動型)13を使用し、124kNの圧力でプレス成形をし、全体の密度が1.167g/cm3となっている21mm×10mm×322mmの大きさの棒状の潤滑剤成形物を得た。
これら実施例1〜3及び比較例に係る4種類の潤滑剤成形物を図1にモデル的に示す画像形成装置にそれぞれセットし、使用開始直後、及び、ブラシローラとの接触距離が20kmとなったときのブラシローラによる像担持体表面への潤滑剤の消費量(ブラシローラとの接触距離1km当たりの消費量)をそれぞれ調べた。
このとき、潤滑剤消費量が使用開始直後(初期)、及び、20万枚の画像形成後で、消費量が共に、基準量0.28g/kmに対して±15%以内のときに経時変化が少なく充分であるとして「◎」とし、ともに基準量0.28g/kmに対して±30%以内のときに経時変化が少なく充分であるとして「○」、基準量0.28g/kmに対して±30%以上の場合があるときに経時変化が多く不充分であるとして「×」として評価した。
表3により,本発明に係る潤滑剤成形物によれば像担持体への潤滑剤塗布量の経時変化を少なく抑制できることが判る。
なお、上記実施例に係る3種類の潤滑剤成形物を用いて、画像形成を繰り返したが、そのときの中間トーン部の画像斑の発生は、従来の潤滑剤成形物を用いた場合よりも軽減されることが確認された。
1 像担持体
2 帯電装置
2a 帯電ローラ
2b 帯電クリーニングローラ
3 露光装置
4 現像装置
4a現像スリーブ
4b スクリュー
4c ドクターブレード
5 転写装置
5a 転写ローラ
5b 中間転写ベルト
6 潤滑剤塗布装置
6a 弾性部材(付勢手段)
6b、6b’ 潤滑剤成形物
6b1、6b1’ 第一部分
6b2、6b2’ 第二部分
6b3、6b3’ ブラシローラ6cと接触する面
6c ブラシローラ
7 クリーニング装置
7a クリーニングブレード
7b 支持部材
7c トナー回収コイル
7d スプリング
8 カートリッジケース
9 プロセスカートリッジ
10 画像形成装置
11 圧縮成形用金型
12一次成形用金型(移動型)
13 二次成形用金型(移動型)
2 帯電装置
2a 帯電ローラ
2b 帯電クリーニングローラ
3 露光装置
4 現像装置
4a現像スリーブ
4b スクリュー
4c ドクターブレード
5 転写装置
5a 転写ローラ
5b 中間転写ベルト
6 潤滑剤塗布装置
6a 弾性部材(付勢手段)
6b、6b’ 潤滑剤成形物
6b1、6b1’ 第一部分
6b2、6b2’ 第二部分
6b3、6b3’ ブラシローラ6cと接触する面
6c ブラシローラ
7 クリーニング装置
7a クリーニングブレード
7b 支持部材
7c トナー回収コイル
7d スプリング
8 カートリッジケース
9 プロセスカートリッジ
10 画像形成装置
11 圧縮成形用金型
12一次成形用金型(移動型)
13 二次成形用金型(移動型)
Claims (7)
- 画像担持ローラに供給される潤滑剤の粉末が回転するブラシローラにより削り取られる潤滑剤成形物において、
密度が高い第一部分と密度が低い第二部分との2つの部分から構成され、
前記ブラシローラとの接触する面からの深さの増加に従って、前記第一部分が少なくなり、かつ、前記第二部分が多くなるように圧縮成形されていることを特徴とする潤滑剤成形物。 - 前記潤滑剤成形物の前記ブラシローラの軸に垂直な断面において、前記第一部分が、前記ブラシローラとの接触する面に底辺を有し、かつ、前記ブラシローラとの接触する面からの深さの増加に従って幅が狭くなる形状となっていることを特徴とする請求項1に記載の潤滑剤成形物。
- 前記断面における前記第一部分の形状が前記ブラシローラとの接触する面に底辺を有する三角形であることを特徴とする請求項2に記載の潤滑剤成形物。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の潤滑剤成形物とブラシローラとが設けられていることを特徴とする潤滑剤塗布装置。
- 請求項4に記載の画像形成装置用の潤滑剤塗布装置が設けられていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 請求項5に記載のプロセスカートリッジが設けられていることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の前記潤滑剤成形物の製造方法であって、
前記密度の高い部分を圧縮成形により成形する一次成形工程と、
該一次成形工程で成形された密度の高い部分の周囲に潤滑剤を供給し、次いで、一次成形工程での成形圧力よりも低い圧力で前記密度の低い部分を圧縮成形により成形する二次成形工程と、により成形する
ことを特徴とする潤滑剤成形物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010206460A JP2012063493A (ja) | 2010-09-15 | 2010-09-15 | 潤滑剤成形物、その製造方法、潤滑剤塗布装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010206460A JP2012063493A (ja) | 2010-09-15 | 2010-09-15 | 潤滑剤成形物、その製造方法、潤滑剤塗布装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012063493A true JP2012063493A (ja) | 2012-03-29 |
Family
ID=46059282
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010206460A Withdrawn JP2012063493A (ja) | 2010-09-15 | 2010-09-15 | 潤滑剤成形物、その製造方法、潤滑剤塗布装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2012063493A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016142854A (ja) * | 2015-01-30 | 2016-08-08 | 富士ゼロックス株式会社 | クリーニングブレード、クリーニングブレードの製造方法、クリーニング装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 |
JP2016156977A (ja) * | 2015-02-25 | 2016-09-01 | コニカミノルタ株式会社 | 画像形成方法、画像形成装置および滑剤固形物 |
JP2017134148A (ja) * | 2016-01-26 | 2017-08-03 | コニカミノルタ株式会社 | 画像形成装置及び像担持体上の滑剤量制御方法 |
-
2010
- 2010-09-15 JP JP2010206460A patent/JP2012063493A/ja not_active Withdrawn
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