JP6048430B2 - クリーニングブレード、クリーニング装置、プロセスカートリッジ、および画像形成装置 - Google Patents
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Description
請求項1に係る発明は、
示差走査熱量計による熱分析で70℃以上110℃未満の範囲の結晶融解ピーク1における結晶融解熱ΔH1(mJ/mg)、110℃以上170℃未満の範囲の結晶融解ピーク2における結晶融解熱ΔH2(mJ/mg)、および170℃以上200℃以下の範囲の結晶融解ピーク3における結晶融解熱ΔH3(mJ/mg)が下記式(1)乃至(4)を満たす部材により、少なくとも被クリーニング部材に接触する接触部分が構成されるクリーニングブレードである。
式(1) ΔH1+ΔH2>ΔH3
式(2) 0.0≦ΔH1≦5.0
式(3) 0.1≦ΔH2
式(4) 0.0≦ΔH3≦2.0
前記接触部分を構成する部材が、tanδピーク温度−30℃以上5℃以下である弾性部材で構成される請求項1に記載のクリーニングブレードである。
前記接触部分を構成する部材が、100%モジュラス6MPa以上である弾性部材で構成される請求項1または請求項2に記載のクリーニングブレードである。
請求項1〜請求項3の何れか一項に記載のクリーニングブレードを備えたクリーニング装置である。
請求項4に記載のクリーニング装置を備え、画像形成装置に対して脱着自在であるプロセスカートリッジである。
像保持体と、
前記像保持体を帯電する帯電装置と、
帯電した前記像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成装置と、
前記像保持体の表面に形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、
前記像保持体上に形成されたトナー像を記録媒体上に転写する転写装置と、
前記転写装置によって前記トナー像が転写された後の前記像保持体の表面に、前記クリーニングブレードを接触させてクリーニングする請求項4に記載のクリーニング装置と、
を備える画像形成装置である。
本実施形態に係るクリーニングブレードは、示差走査熱量計による熱分析で70℃以上110℃未満の範囲の結晶融解ピーク1における結晶融解熱ΔH1(mJ/mg)、110℃以上170℃未満の範囲の結晶融解ピーク2における結晶融解熱ΔH2(mJ/mg)、および170℃以上200℃以下の範囲の結晶融解ピーク3における結晶融解熱ΔH3(mJ/mg)が下記式(1)乃至(4)を満たす部材により、少なくとも被クリーニング部材に接触する接触部分が構成される。
式(1) ΔH1+ΔH2>ΔH3
式(2) 0.0≦ΔH1≦5.0
式(3) 0.1≦ΔH2
式(4) 0.0≦ΔH3≦2.0
この理由は必ずしも明確なわけではないが、以下のように推察される。
即ち、クリーニングブレードを構成する弾性部材には、分子構造中にハードセグメントとソフトセグメントが存在し、ソフトセグメント中にハードセグメントが点在する形で、両者が海島構造を形成している。尚、より硬いハードセグメントは、硬度に寄与し、つまり耐摩耗性に寄与するものと考えられる。一方、より柔らかいソフトセグメントは、分子運動性に寄与し、つまり耐欠け性に寄与するものと考えられる。
しかし、ハードセグメントのドメイン径が小さく、分散され過ぎていると、相対的にハードセグメント間に存在するソフトセグメントの距離が短くなり、ソフトセグメントによる分子運動性がハードセグメントに妨げられ耐欠け性に劣るものと考えられる。
これに対し、ハードセグメントを適度に凝集させ、ハードセグメントの全体の量は減らさずに個数が減らされた状態にすると、相対的にハードセグメント間に存在するソフトセグメントの距離が長くなり、ハードセグメントによるソフトセグメントの分子運動性の妨げが緩和され、耐欠け性が向上するものと考えられる。また、ハードセグメントの全体の量自体は減少していない為、硬度に変化はなく、つまり耐摩耗性は良好に維持されるものと考えられる。
但し、ハードセグメントの凝集を進行させ過ぎると、ハードセグメントの凝集塊が大きくなり過ぎ、ハードセグメント全体の表面積が小さくなり、ハードセグメントとソフトセグメントとの界面で欠けが生じやすくなるものと考えられる。
70℃以上110℃未満の範囲の結晶融解ピーク1における結晶融解熱ΔH1(mJ/mg)は、上記式(2)の通り「0.0≦ΔH1≦5.0」であり、更には「0.0≦ΔH1≦3.0の範囲がより好ましく、「1.0≦ΔH1≦3.0の範囲が更に好ましい。
結晶融解熱ΔH1が5.0を超えると、耐欠け性に劣る。
結晶融解熱ΔH2が0.1未満であると、耐欠け性に劣る。
結晶融解熱ΔH3が2.0を超えると、耐欠け性に劣る。
測定には、パーキンエルマー社製Diamond−DSCを使用し、装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の溶融温度を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。測定サンプルにはアルミニウム製のパンを用い、対照用に空パンをセットし測定を行う。
また、接触角部3Aが被クリーニング部材31に接触する方向に沿う方向(図1における奥行き方向)を奥行き方向と、接触角部3Aから先端面3Bが形成されている側の方向を厚み方向と、接触角部3Aから腹面3Cが形成されている側の方向を幅方向と称す。
尚、図1には便宜上、像保持体(感光体ドラム)31が駆動する方向を矢印Aとして描いたが、図1は像保持体31が停止している状態を示している。
尚、図6では接触部材として1/4に切断された円柱の形状を有する部材の例を示したが、これに限定されるものではない。接触部材としては、例えば楕円状の円柱が1/4に切断された形状や、正方形の四角柱、長方形の四角柱等の形状であってもよい。
本実施形態に係るクリーニングブレードにおける接触部材は、前記結晶融解熱ΔH1、ΔH2、およびΔH3が、前記式(1)乃至(4)を満たす部材で構成される。
尚、上記接触部材は弾性部材で構成され、特に樹脂を含有することが好ましい。
本実施形態に係るクリーニングブレードにおける接触部材は、特に限定されるものではないが、樹脂を含有することが好ましい。樹脂としては、例えば、ポリウレタンゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、プロピレンゴム、ブタジエンゴム等が挙げられる。尚、特にポリウレタンゴムが望ましく、更には高結晶化されたポリウレタンゴムがより望ましい。
ここで、「ハードセグメント」および「ソフトセグメント」とは、樹脂中で、前者を構成する材料の方が、後者を構成する材料よりも相対的に硬い材料からなり、後者を構成する材料の方が前者を構成する材料よりも相対的に柔らかい材料からなるセグメントを意味する。
まず、ソフトセグメント材料としては、ポリオールとして、ジオールと二塩基酸との脱水縮合で得られるポリエステルポリオール、ジオールとアルキルカーボネートの反応により得られるポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエーテルポリオール等が挙げられる。なお、ソフトセグメント材料として用いられる上記ポリオールの市販品としては、例えば、ダイセル化学社製のプラクセル205やプラクセル240などが挙げられる。
また、ハードセグメント材料としては、イソシアネート基に対して反応し得る官能基を有する樹脂を用いることが望ましい。また、柔軟性のある樹脂であることが望ましく、柔軟性の点から直鎖構造を有する脂肪族系の樹脂であることがより望ましい。具体例としては、2つ以上のヒドロキシル基を含むアクリル樹脂や、2つ以上のヒドロキシル基を含むポリブタジエン樹脂、2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂等を用いることが望ましい。
2つ以上のヒドロキシル基を含むポリブタジエン樹脂の市販品としては、例えば、出光興産社製、R−45HT等が挙げられる。
また、物性面では、従来のエポキシ樹脂と比べて、分子量に比して粘度が低いエポキシ樹脂が好適である。具体的には、重量平均分子量が900±100の範囲内であり、25℃における粘度が15000±5000mPa・sの範囲内であることが望ましく、15000±3000mPa・sの範囲内であることがより望ましい。この特性を有するエポキシ樹脂の市販品としては、例えば、DIC製、EPLICON EXA−4850−150等が挙げられる。
ハードセグメント材料比が、10質量%以上であることにより、耐摩耗性が得られ、長期に渡って良好なクリーニング性が維持される。一方、ハードセグメント材料比が30質量%以下であることにより、硬くなり過ぎることがなく、柔軟性や伸張性が得られ、欠けの発生が抑制されて、長期に渡って良好なクリーニング性が維持される。
ポリウレタンゴムの合成に用いられるポリイソシアネートとしては、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,6−トルエンジイソシアネート(TDI)、1,6−ヘキサンジイソシアネート(HDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)および3,3−ジメチルフェニル−4,4−ジイソシアネート(TODI)などが挙げられる。
尚、求められる大きさ(粒子径)のハードセグメント凝集体の形成し易さという点から、ポリイソシアネートとしては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)がより望ましい。
20質量部以上であることにより、ウレタン結合量が多く確保されてハードセグメント成長し、求められる硬度が得られる。一方40質量部以下であることにより、ハードセグメントが大きくなり過ぎず、伸張性が得られ、クリーニングブレードの欠けの発生が抑制される。
架橋剤としては、ジオール(2官能)、トリオール(3官能)、テトラオール(4官能)等が挙げられ、これらを併用してもよい。また、架橋剤としてアミン系化合物を用いてもよい。尚、3官能以上の架橋剤を用いて架橋されたものであることが望ましい。3官能の架橋剤としては、例えば、トリメチロールプロパン、グリセリン、トリイソプロパノールアミン等が挙げられる。
本実施形態における前記接触部材を構成するポリウレタンゴムの製造は、プレポリマー法やワンショット法など、ポリウレタンの一般的な製造方法が用いられる。プレポリマー法は強度、耐摩耗性に優れるポリウレタンが得られるため本実施形態には好適であるが、製法により制限されるものではない。
次に、このソフトセグメント材料とハードセグメント材料との混合物に対して、イソシアネート化合物(例えば4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート)を加えて、例えば窒素雰囲気下で反応させる。この際の温度は60℃以上150℃以下であることが望ましく、更には80℃以上130℃以下であることが望ましい。また反応時間は0.1時間以上3時間以下であることが望ましく、更には1時間以上2時間以下であることが望ましい。
次いで、このプレポリマーを昇温し減圧下で脱泡する。この際の温度は60℃以上120℃以下であることが望ましく、更には80℃以上100℃以下であることが望ましい。また反応時間は10分間以上2時間以下であることが望ましく、更には30分間以上1時間以下であることが望ましい。
その後、プレポリマーに対して、架橋剤(例えば1,4−ブタンジオールやトリメチロールプロパン)を加え、接触部材形成用の組成物を調製する。
更に架橋反応させ冷却される。この架橋反応の際の熟成加熱の温度は70℃以上130℃以下であることが望ましく、80℃以上130℃以下であることがより望ましく、更には100℃以上120℃以下であることが望ましい。また反応時間は1時間以上48時間以下であることが望ましく、更には10時間以上24時間以下であることが望ましい。
クリーニングブレードの接触部材におけるtanδ(損失正接)のピーク温度とは、ガラス転移温度(Tg)を表す。
本実施形態における接触部材のtanδピーク温度は、−30℃以上5℃以下であることが好ましく、更に−25℃以上2℃以下がより好ましく、−20℃以上0℃以下が更に好ましい。
tanδピーク温度が5℃以下であることにより、低温特性に優れ、耐欠け性に優れた接触部材となる。一方、−30℃以上であることにより、常温でのtanδが低くなりすぎず、適度な反発弾性が保たれ、過度に振動しないとの利点がある。
・式(A) σ=|E*|γcos(ωt)
・式(B) E’=|E*|cosδ
・式(C) E''=|E*|sinδ
・式(D) tanδ=E''/E’
tanδ値は、レオペクトラ−DVE−V4(レオロジ−(株)製)によって静止歪み5%、10Hz 正弦波引張加振を温度範囲−60℃以上100℃以下で測定される。
接触部材は、その100%モジュラスが、6MPa以上であることが好ましく、7MPa以上がより好ましく、7.5MPa以上が更に好ましい。一方で、100%モジュラスの上限値としては、例えば11MPa以下が好ましく、10MPa以下がより好ましい。
100%モジュラスが、6MPa以上であることにより、適正な硬度が得られ耐摩耗性に優れる。
ついで、本実施形態のクリーニングブレードが、図5に示す第2実施形態や図6に示す第3実施形態のごとく、接触部材と該接触部材以外の領域(非接触部材)とがそれぞれ異なる材料にて構成されている場合における、非接触部材の組成について説明する。
ポリオールとしては、ポリテトラメチルエーテルグリコール、ポリエチレンアジペート、ポリカプロラクトンなどが挙げられる。
ポリイソシアネートとしては、2,6−トルエンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、3,3−ジメチルジフェニル−4,4’−ジイソシアネート(TODI)などが挙げられる。中でもMDIが望ましい。
更に、ポリウレタンを硬化させる硬化剤として、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、エチレングリコールやこれらの混合物などの硬化剤が挙げられる。
図1に示す接触部材のみからなるクリーニングブレードの場合には、前述の接触部材の成形方法によってクリーニングブレードが製造される。
本実施形態のクリーニングブレードを利用して被クリーニング部材をクリーニングする場合、クリーニングの対象となる被クリーニング部材としては、表面のクリーニングが要求される部材であれば特に限定されない。例えば、画像形成装置に用いられる場合であれば、中間転写体や、帯電ロール、転写ロール、被転写材搬送ベルト、用紙搬送ロール、像保持体からトナーを除去するクリーニングブラシからさらにトナーを除去するデトーニングロール等も挙げられる。本実施形態においては、像保持体であることが特に望ましい。
次に、本実施形態のクリーニングブレードを用いたクリーニング装置、プロセスカートリッジ、および、画像形成装置について説明する。
本実施形態のクリーニング装置は、被クリーニング部材表面に接触し、被クリーニング部材表面をクリーニングするクリーニングブレードとして、本実施形態のクリーニングブレードを備えたものであれば特に限定されない。例えば、クリーニング装置の構成例としては、被クリーニング部材側に開口部を有するクリーニングケース内に、エッジ先端が開口部側となるようクリーニングブレードを固定すると共に、クリーニングブレードにより被クリーニング部材表面から回収された廃トナー等の異物を異物回収容器に導く搬送部材を備えた構成などが挙げられる。また、本実施形態のクリーニング装置には、本実施形態のクリーニングブレードが2つ以上用いられていてもよい。
また、クリーニングブレード先端部が像保持体に食込む長さが0.8mm以上1.2mm以下の範囲であることが望ましく、0.9mm以上1.1mm以下の範囲であることがより望ましい。
クリーニングブレードと像保持体との接触部における角度W/A(Working Angle)は8°以上14°以下の範囲であることが望ましく、10°以上12°以下の範囲であることがより望ましい。
次に、本実施形態のクリーニングブレード、並びに、これを用いた画像形成装置およびクリーニング装置の具体例について、図面を用いてより詳細に説明する。
図3は、本実施形態の画像形成装置の一例を示す概略模式図であり、いわゆるタンデム型の画像形成装置について示したものである。
図3中、21は本体ハウジング、22、22a乃至22dは作像ユニット、23はベルトモジュール、24は記録媒体供給カセット、25は記録媒体搬送路、30は各感光体ユニット、31は感光体ドラム、33は各現像ユニット、34はクリーニング装置、35、35a乃至35dはトナーカートリッジ、40は露光ユニット、41はユニットケース、42はポリゴンミラー、51は一次転写装置、52は二次転写装置、53はベルトクリーニング装置、61は送出しロール、62は搬送ロール、63は位置合わせロール、66は定着装置、67は排出ロール、68は排紙部、71は手差し供給装置、72は送出しロール、73は両面記録用ユニット、74は案内ロール、76は搬送路、77は搬送ロール、230は中間転写ベルト、231、232は支持ロール、521は二次転写ロール、531はクリーニングブレードを表す。
ここで、感光体ユニット30は、例えば感光体ドラム31と、この感光体ドラム31を予め帯電する帯電装置(帯電ロール)32と、感光体ドラム31上の残留トナーを除去するクリーニング装置34とを一体的にサブカートリッジ化したものである。
尚、感光体ユニット30を現像ユニット33から切り離して単独のプロセスカートリッジとしてもよいことは勿論である。また、図3中、符号35(35a乃至35d)は各現像ユニット33に各色成分トナーを補給するためのトナーカートリッジである(トナー補給経路は図示せず)。
更にまた、中間転写ベルト230の最上流作像ユニット22aの上流側にはベルトクリーニング装置53が配設されており、中間転写ベルト230上の残留トナーを除去する。
更にまた、本体ハウジング21には両面記録用ユニット73が付設されており、この両面記録用ユニット73は、記録媒体の両面に画像記録を行う両面モード選択時に、片面記録済みの記録媒体を排出ロール67を逆転させ、かつ、入口手前の案内ロール74にて内部に取り込み、搬送ロール77にて内部の記録媒体戻し搬送路76に沿って記録媒体を搬送し、再度位置合わせロール63側へと供給するものである。
図4は、本実施形態のクリーニング装置の一例を示す模式断面図であり、図3中に示すクリーニング装置34と共にサブカートリッジ化された感光体ドラム31、帯電ロール32や、現像ユニット33も示した図である。
図4中、32は帯電ロール(帯電装置)、331はユニットケース、332は現像ロール、333はトナー搬送部材、334は搬送パドル、335はトリミング部材、341はクリーニングケース、342はクリーニングブレード、344はフィルムシール、345は搬送部材を表す。
現像に際しては、現像ロール332に現像剤を供給した後、例えばトリミング部材335にて現像剤を層厚規制した状態で、感光体ドラム31に対向する現像領域に搬送される。
一方、各作像ユニット22(22a乃至22d)において、感光体ドラム31上の残留トナーはクリーニング装置34にて清掃され、また、中間転写ベルト230上の残留トナーはベルトクリーニング装置53にて清掃される。
こうした作像過程において、夫々の残留トナーはクリーニング装置34(またはベルトクリーニング装置53)によって清掃される。
−クリーニングブレード本体の作製−
まず、ポリカプロラクトンポリオール(ダイセル化学工業(株)製、プラクセル205、平均分子量529、水酸基価212KOHmg/g)およびポリカプロラクトンポリオール(ダイセル化学工業(株)製、プラクセル240、平均分子量4155、水酸基価27KOHmg/g)と、をポリオール成分のソフトセグメント材料として用いた。また、2つ以上のヒドロキシル基を含むアクリル樹脂(綜研化学社製、アクトフローUMB−2005B)をハードセグメント材料として用い、上記ソフトセグメント材料およびハードセグメント材料を8:2(質量比)の割合で混合した。
次に、このソフトセグメント材料とハードセグメント材料との混合物100部に対して、イソシアネート化合物として4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業(株)製、ミリオネートMT)を6.26部加えて、窒素雰囲気下で70℃で3時間反応させた。尚、この反応で使用したイソシアネート化合物量は、反応系に含まれる水酸基に対するイソシアネート基の比(イソシアネート基/水酸基)が0.5となるよう選択したものである。
続いて、上記イソシアネート化合物を更に34.3部加え、窒素雰囲気下で70℃で3時間反応させて、プレポリマーを得た。尚、プレポリマーの使用に際して利用したイソシアネート化合物の全量は40.56部であった。
次に、このプレポリマーを100℃に昇温し、減圧下で1時間脱泡した。その後、プレポリマー100部に対して、1,4−ブタンジオールとトリメチロールプロパンとの混合物(質量比=60/40)を7.14部加え、3分間泡を巻きこまないよう混合し、ブレード形成用組成物Aを調製した。
その後さらに、後加熱工程を行った。加熱温度は100℃、時間は30分とした。次いで、切断して長さ320mm、幅12mm、厚さ2mmのクリーニングブレードを得た。
得られたクリーニングブレードについて示差走査熱量計による熱分析を行い、70℃以上110℃未満の範囲の結晶融解ピーク1における結晶融解熱ΔH1(mJ/mg)、110℃以上170℃未満の範囲の結晶融解ピーク2における結晶融解熱ΔH2(mJ/mg)、および170℃以上200℃以下の範囲の結晶融解ピーク3における結晶融解熱ΔH3(mJ/mg)を測定した。
これらの結果を下記表3に示す。
後加熱工程での温度および時間を、下記表3および表4に示す通り変更した以外は、実施例1に記載の方法によりクリーニングブレードを得た。
−エッジ磨耗−
エッジ磨耗の評価に際しては、画像形成装置(富士ゼロックス社製、商品名:DocuCentre−IIC7500)を用い、高温高湿環境(28℃、85RH%)下にて、感光体の積算回転数が100KサイクルになるまでA4用紙(210×297mm、富士ゼロックス社製、P紙)を用いて画像形成させた後のクリーニングブレードのエッジ部(接触角部)の磨耗と、クリーニング不良と、を併せて評価して判断した。
尚、テストに際しては、感光体とクリーニングブレードとの接触部における潤滑効果を小さくした過酷な条件で評価するために、形成する画像の像密度を1%とした。
また、クリーニング不良の評価は、上記のテスト終了後に未転写ベタ画像(ベタ画像サイズ:400mm×290mm)が形成されたA3用紙を、感光体とクリーニングブレードとの間に給紙して、未定着画像の搬送方向最後端部分が感光体とクリーニングブレードとの接触部を通過し終えた直後に装置を停止し、トナーの擦り抜け有無を目視で確認し、擦り抜けが認められる場合をクリーニング不良とした。
尚、エッジ部(接触角部)の摩耗や欠けにより、トナーを塞き止める部位が欠落している場合はエッジ磨耗深さや欠け深さが大きい程、上述したテストでクリーニング不良が発生し易くなるため、上記テストはエッジ部(接触角部)の磨耗や欠けの定性的評価に有用である。
以下の方法により、欠け発生の度合い(グレード)を評価した。クリーニングブレードを、富士ゼロックス社製DocuCentre−IV C5575に搭載し、NF(Normal Force)を1.3gf/mm、W/A(Working Angle)を11°に合わせ、10k枚印字を行った。
その時点での欠けの大きさおよび個数によって、以下の基準に従い欠け発生の度合い(グレード)を評価した。尚、欠け発生の度合い(グレード)は、軸方向の中心部位100mmの範囲で計測した。
以下の基準により、総合評価を行った。
A:エッジ摩耗評価G0乃至G1且つ欠け評価G1乃至G2
B:エッジ摩耗評価G2または欠け評価G3乃至G5(但し下記Cに該当しない)
C:エッジ摩耗評価G3乃至G5または欠け評価G6乃至G10
Claims (6)
- 示差走査熱量計による熱分析で70℃以上110℃未満の範囲の結晶融解ピーク1における結晶融解熱ΔH1(mJ/mg)、110℃以上170℃未満の範囲の結晶融解ピーク2における結晶融解熱ΔH2(mJ/mg)、および170℃以上200℃以下の範囲の結晶融解ピーク3における結晶融解熱ΔH3(mJ/mg)が下記式(1)乃至(4)を満たす部材により、少なくとも被クリーニング部材に接触する接触部分が構成されるクリーニングブレード。
式(1) ΔH1+ΔH2>ΔH3
式(2) 0.0≦ΔH1≦5.0
式(3) 0.1≦ΔH2
式(4) 0.0≦ΔH3≦2.0 - 前記接触部分を構成する部材が、tanδピーク温度−30℃以上5℃以下である弾性部材で構成される請求項1に記載のクリーニングブレード。
- 前記接触部分を構成する部材が、100%モジュラス6MPa以上である弾性部材で構成される請求項1または請求項2に記載のクリーニングブレード。
- 請求項1〜請求項3の何れか一項に記載のクリーニングブレードを備えたクリーニング装置。
- 請求項4に記載のクリーニング装置を備え、画像形成装置に対して脱着自在であるプロセスカートリッジ。
- 像保持体と、
前記像保持体を帯電する帯電装置と、
帯電した前記像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成装置と、
前記像保持体の表面に形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、
前記像保持体上に形成されたトナー像を記録媒体上に転写する転写装置と、
前記転写装置によって前記トナー像が転写された後の前記像保持体の表面に、前記クリーニングブレードを接触させてクリーニングする請求項4に記載のクリーニング装置と、
を備える画像形成装置。
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