JP3889686B2 - クリーニング装置、プロセスカートリッジ並びに画像形成装置 - Google Patents
クリーニング装置、プロセスカートリッジ並びに画像形成装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真方式の画像形成装置に搭載され、感光体等の像担持体表面をクリーニングする、クリーニング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真式の画像形成装置は、像担持体である感光体上にトナー像を形成し、それを転写材または中間転写体に転写した後、クリーニング装置によって表面をクリーニングされて次の画像に備える動作を繰り返し、画像形成を行う。
クリーニング装置は、ブラシローラやブレードを用い、像担持体表面を掻き取る方式が一般的である。しかし、像担持体表面にはトナーが付着するだけでなく、トナー添加剤の凝集体や、バイアス印加時のオゾン、窒素酸化物等、固着しやすいものも付着する。そこで、効果的に付着物を掻き取ろうとしてクリーニングブラシやクリーニングブレードを過度に圧接させると、像担持体表面を傷つけて異常画像の原因となったり、クリーニングブレード先端の変形やめくれ、巻き込み等により破断を引き起こす原因となる。
【0003】
そこで、潤滑剤を塗布して像担持体表面の摩擦係数を下げ、付着物を取りやすくし、且つクリーニングブレードの変形を防止する技術に関する研究がいくつもなされている。
例えば、シリコーンオイル等の液体の潤滑剤をクリーニングローラやブレードにより像担持体表面に塗布する技術が開示されている(例えば、特許文献1、2、3参照)。
また、帯電ローラにステアリン酸亜鉛等の固形の潤滑剤を塗布し、それを像担持体表面に塗布する技術が開示されている(特許文献4参照)。
また、フッ素樹脂等からなる固形潤滑性付与部材をクリーニングブレード近傍に備え、クリーニングブレードと像担持体に塗布する技術が開示されている(特許文献5参照)。
また、クリーニングブラシ近傍にフッ素系樹脂等の固形の潤滑剤を備え、それを掻き取りつつ像担持体に塗布することで、像担持体表面の摩擦係数を下げ、取りやすくなった付着物をブレードで掻き取る技術が開示されている(特許文献6参照)。
【0004】
しかし、液体の潤滑剤は潤滑性が良好であるが、塗布量の調整が困難であり、過度の塗布は像担持体の摩擦係数を下げ過ぎ、画像が乱れる等異常画像の原因となってしまう。また、液体の潤滑剤を含浸させ湿潤したブレード等により像担持体に潤滑剤を供給する場合、初期は良好であるが経時で潤滑剤が不足しがちになる。
一方、固形の潤滑剤は塗布が不均一になりやすく、像担持体表面の帯電ムラ等の原因となるため、正確な塗布制御機能が要求される。
【0005】
ところで、近年、画像のより高い解像度や階調性が検討される中で、潜像を可視化するトナー側の改良としては、高精細画像を形成するために、更なる球形化、小粒径化の検討がなされている。
例えば、特定の粒径分布を有する球形化した粉砕型のトナーが提案されている(特許文献7、8、9,10参照)。また、懸濁重合により球形化、小粒径化されたトナーを得る方法(特許文献11参照)、バインダー樹脂と着色剤とを水と混和しない溶媒中で混合し、分散安定剤の存在下で水系溶媒中に分散させ、球形化、小粒径化されたトナーを得る方法(特許文献12参照)、一部に変性された樹脂を含むバインダー樹脂と、着色剤とを有機溶媒中で混合し、水系溶媒中に分散させて、変性された樹脂の重付加反応を行わせ、球形化、小粒径化したトナーを得る方法(特許文献13参照)が提案されている。このようなトナーにより、画質の向上、流動性の向上が得られている。
【0006】
しかしながら、球形化、小粒径化されたトナーを用いた場合、画像形成後に行われる感光体上のクリーニングにいくつかの問題を生じている。
その一つは、クリーニングブレードを用いたクリーニング方式では、ブレードと感光体の間で球形トナーが回転し、その隙間に入り込むため、クリーニングされにくいことである。この点につき、懸濁重合後の重合体を分散媒中でガラス転移点以上に加熱し凝集粒子を得、その凝集粒子を加温されたジェット気流中に導入し、凝集粒子を解砕すると同時に乾燥することにより、不定形状の小粒径トナーを得る方法が提案されている(特許文献14参照)。また、バインダー樹脂と着色剤とを水と混和しない溶媒中で混合し、分散安定剤の存在下で水系媒体中に分散させ、得られた懸濁液から加熱および/または減圧により溶剤を除去することにより、表面に凹凸を有するトナー粒子を得る方法が提案されている(特許文献15参照)。
また、一つは、トナーに内添、あるいは外添されている離型性を向上させるためのワックスや流動性を向上させるための無機微粒子等が、トナーから離脱して感光体上に付着するということである。トナーが小粒径化するにつれ、これらの添加物がトナー中に占める含有率は、従来のトナーに比べ高くなるため、上記した感光体上の付着物質は増加する傾向にある。
【0007】
【特許文献1】
特開昭53−133439号公報
【特許文献2】
特開昭56−113183号公報
【特許文献3】
特開昭58−115468号公報
【特許文献4】
特開平6−342236号公報
【特許文献5】
特開平2000−231299号公報
【特許文献6】
特開平2001−235987号公報
【特許文献7】
特開平1−112253号公報
【特許文献8】
特開平2−284158号公報
【特許文献9】
特開平3−181952号公報
【特許文献10】
特開平4−162048号公報
【特許文献11】
特開平5−72808号公報
【特許文献12】
特開平9−15902号公報
【特許文献13】
特開平11−133668号公報
【特許文献14】
特開平5−188642号公報
【特許文献15】
特開平9−15903号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来のクリーニングブレード、もしくはクリーニングブラシを配備したクリーニング装置では、これらの感光体上の付着物質を十分に除去することは困難であった。除去されない付着物質は、それがワックスを主成分とするものであるならばフィルミングを起こし、無機微粒子を主成分とするならばそれが核となって成長していき、経時で画像に悪影響を及ぼすことになる。
【0009】
上記問題点に鑑み、本発明は、像担持体表面に潤滑剤を経時で安定して供給し、クリーニング不良やクリーニングブレード先端の変形、それらに起因する異常画像等を防止したクリーニング装置であって、球形化、小粒径化されたトナーを用いた画像形成装置であっても、感光体上の転写残トナー及び付着物質の除去を効果的に行うことができ、長期に渡ってもそのクリーニング機能を維持できるクリーニング装置を提供することを課題とする。また、上記の良好なクリーニング機能を有するクリーニング装置を備え、長期に渡って画質の劣化を生じさせることのないプロセスカートリッジ、並びに画像形成装置を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、像担持体の表面をクリーニングするクリーニング装置であって、前記クリーニング装置は、前記像担持体回転方向上流側から順に、第1クリーニングブレード、第2クリーニングブレードの2つのブレードを備え、前記第2クリーニングブレードは、ブレード母体層と潤滑剤粒子含有層の2層構造を有する潤滑用ブレードであり、前記第1クリーニングブレードはカウンター方式、前記第2クリーニングブレードはトレーリング方式で前記像担持体と当接することを特徴とするクリーニング装置である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のクリーニング装置において、前記第2クリーニングブレードは、前記潤滑剤粒子含有層の厚みがブレード全体の厚みの0.5%以上90%以下であることを特徴とするクリーニング装置である。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のクリーニング装置において、前記潤滑剤粒子含有層は、含有される潤滑剤粒子の平均粒径が2μm以上30μm以下であることを特徴とするクリーニング装置である。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載のクリーニング装置において、前記潤滑剤粒子含有層は、含有される潤滑剤粒子の含有量が0.2wt%以上10wt%以下であることを特徴とするクリーニング装置である。
請求項5に記載の本発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載のクリーニング装置において、前記潤滑剤粒子含有層は、含有される潤滑剤粒子が、脂肪酸金属塩、シリコーンオイル、有機微粒子のうちのいずれかからなることを特徴とするクリーニング装置である。
請求項6に記載の本発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載のクリーニング装置において、前記潤滑剤粒子含有層は、研磨剤を含有することを特徴とするクリーニング装置である。
【0012】
請求項7に記載の本発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載のクリーニング装置において、前記第2クリーニングブレードは、前記像担持体回転方向に直交する方向に揺動する揺動機構を備えることを特徴とするクリーニング装置である。
請求項8に記載の本発明は、請求項7に記載のクリーニング装置において、前記第1クリーニングブレードは、前記像担持体回転方向に直交する方向に揺動する揺動機構を備え、前記第2クリーニングブレードとは異なる位相で揺動することを特徴とするクリーニング装置である。
請求項9に記載の本発明は、像担持体の表面をクリーニングするクリーニング装置であって、前記クリーニング装置は、前記像担持体回転方向上流側から順に、第1クリーニングブレード、第2クリーニングブレードの2つのブレードを備え、前記第2クリーニングブレードは、ブレード母体層と潤滑剤粒子含有層の2層構造を有する潤滑用ブレードであり、前記潤滑剤粒子含有層は、研磨剤を含有することを特徴とするクリーニング装置である。
【0013】
請求項10に記載の本発明は、像担持体と、該像担持体の表面をクリーニングするクリーニング手段とを少なくとも含んで一体に支持され、画像形成装置本体に着脱自在に形成されたプロセスカートリッジであって、前記クリーニング手段として、請求項1ないし9のいずれかに記載のクリーニング装置を備えることを特徴とするプロセスカートリッジである。
請求項11に記載の本発明は、潜像を担持する像担持体と、前記像担持体表面に均一に帯電を施す帯電手段と、帯電した前記像担持体の表面に画像データに基づいて露光し、潜像を書き込む露光手段と、前記潜像担持体表面に形成された潜像にトナーを供給し、可視像化する現像手段と、前記潜像担持体表面の可視像を記録紙に転写する転写手段と、転写後の前記像担持体表面をクリーニングするクリーニング手段とを備える画像形成装置であって、前記クリーニング手段として、請求項1ないし9のいずれかに記載のクリーニング装置を備えることを特徴とする画像形成装置である。
【0014】
請求項12に記載の本発明は、請求項11に記載の画像形成装置において、前記画像形成装置に用いられるトナーは、着色剤とポリエステルを主成分とし、荷電制御剤を含有してなる母体粒子に、少なくともシリカ微粒子を外添するトナーであって、トナーの体積平均粒径が、3〜10μmであることを特徴とする画像形成装置である。
請求項13に記載の本発明は、請求項11または12に記載の画像形成装置において、 前記トナーは、母体粒子の平均円形度が0.90〜1.00であることを特徴とする画像形成装置である。
請求項14に記載の本発明は、請求項11ないし13のいずれかに記載の画像形成装置において、前記トナーは、母体粒子の平均円形度のうちSF−1が100〜180の範囲にあり、SF−2が100〜190の範囲にあることを特徴とする画像形成装置である。
【0015】
請求項15に記載の本発明は、請求項11ないし14のいずれかに記載の画像形成装置において、前記現像手段で使用されるトナーは、その母体粒子が以下の製造工程によって製造されることを特徴とする画像形成装置である。
1)少なくとも着色剤、ポリエステル、プレポリマー、離型剤を有機溶媒中に分散させ、トナー材料液を得る工程。
2)前記トナー材料液を、界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させる工程。
3)2)の乳化液中で、プレポリマーの重付加反応を行わせる工程。
4)反応終了後、洗浄・乾燥によりトナー母体粒子を得る工程。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について図に基づき説明する。
まず、本発明に係る画像形成装置の構成を説明する。
図1は、画像形成装置の主要部を示す断面図であり、像担持体である感光体1の周囲に近接あるいは接触して、感光体1上に一様な電荷をさせる帯電手段としての帯電ローラ2、感光体1上に静電潜像を形成するための露光手段である露光光3、感光体1表面上の静電潜像を可視像化してトナー像とする現像手段としての現像装置4、トナー像を転写紙に転写する転写手段としての転写ベルト6、転写後の感光体1表面上をクリーニングするクリーニング装置8、感光体1上の残電荷を除電する除電ランプ9、帯電印加電圧及び現像のトナー濃度を制御するための光センサ10が配置されている。また、この現像装置4には図示されていないトナー補給装置よりトナー補給口を介してトナーが補給される。
【0017】
次に、本発明のクリーニング装置8について説明する。クリーニング装置8は、クリーニング手段として、感光体1回転方向上流側から順に、第1クリーニングブレード11、第2クリーニングブレード12の2つのブレードを有する。また、クリーニングされたトナーを回収するトナー回収羽根13、及びそのトナーを搬送する回収コイル14を備えている。
第1クリーニングブレード11は、金属、樹脂、ゴム等の材質からなるが、フッ素ゴム、シリコーンゴム、ブチルゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ウレタンゴム等のゴムが好ましく用いられ、この中でも特にウレタンゴムが好ましい。
【0018】
図2は、第2クリーニングブレード12の構成を示す図である。第2クリーニングブレード12は、図2に示すように、ブレード母体層12aと潤滑剤粒子含有層12bとの2層構造を有する潤滑用ブレードである。
ブレード母体層12aは、ゴム、樹脂、金属等の材質によって構成される。中でも、第1クリーニングブレードと同様、ゴムが好ましく用いられ、特にウレタンゴムが好ましい。潤滑剤粒子含有層12bは、上記に示したゴムに潤滑剤粒子を分散させて形成される。
第2クリーニングブレード12を2層構造にするための製造方法は、例えば、遠心成形金型中で遠心成形されるブレード母体層12aが完全に硬化しないうちに潤滑剤粒子含有層12bを注入して、2層を一体に成形することができる。
【0019】
ブレード母体層12a、潤滑剤粒子含有層12bそれぞれの厚みは任意に設定することができるが、潤滑剤粒子含有層12bの厚みを第2クリーニングブレード12全体の厚みの0.5%以上90%以下とすることが好ましい。潤滑剤粒子含有層12bの厚みが0.5%未満であると、潤滑効果が充分に得られないため好ましくない。また、潤滑剤粒子含有層12bはブレード母体層12aに比べて強度が劣るため、潤滑剤粒子含有層12bの厚みが90%を超えるとクリーニングブレード12が欠けやすくなる。
【0020】
潤滑剤粒子含有層12bに分散される潤滑剤粒子は、平均粒径が2μm以上30μm以下であることが好ましい。平均粒径が2μm未満では、粒子が細かすぎ、ゴム中での均一な分散が困難になったり、潤滑用ブレードとしての潤滑効果が充分に得られない。また、平均粒径が30μmを超えると、潤滑剤粒子部分から亀裂が生じたり、或いは感光体1の滑りが良くなり過ぎてクリーニング性が悪化したりする。
また、潤滑剤粒子の含有量は、潤滑剤粒子含有層12bの0.2wt%以上10wt%以下であることが好ましい。潤滑剤粒子の含有量が0.2wt%未満では、潤滑用ブレードとしての潤滑効果が充分に得られない。また、含有量が10wt%を超えると、ブレードが欠けやすくなったり、或いは感光体1の滑りが良くなり過ぎてクリーニング性が悪化したりする。
【0021】
潤滑剤粒子は、ブレード表面にコートするのではなくブレードの中に分散させることで、潤滑剤粒子が剥がれ落ちたりせず、経時に渡り均一な潤滑剤塗布を維持することができる。
潤滑剤粒子としては、脂肪酸金属塩、シリコーンオイル、フッ素系樹脂等が挙げられ、これらは単独または2種類以上を混合して用いることができる。特にシリコーンオイルが好ましく用いられる。
【0022】
脂肪酸酸金属塩としては、具体的には以下のようなものを挙げることができる。脂肪酸としては、直鎖状の炭化水素が好ましく、例えば、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等が好ましく、ステアリン酸が一層好ましい。金属としては、リチウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、亜鉛、カドミウム、アルミニウム、セリウム、チタン、鉄などが挙げられる。これらの中で、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸鉄などが好ましく、特に、ステアリン酸亜鉛がもっとも好ましい。
これは、ステアリン酸亜鉛等は脂肪酸が層状の構造を有し、各分子毎にへきかい性があって、圧力を受けると分子膜を形成して、クリーニングブレードの摩擦係数を下げる効果がある。したがって、シリコーンオイルと同様に、感光体1に強固に付着している付着物を、ブレードのめくれ、ブレードのビビリを発生することなく、クリーニングすることができる。ステアリン酸亜鉛は、平均粒径が30μm以上では、感光体1への供給がまだらに偏ってしまい、シリカ等のクリーニングができず、黒点等の発生により画像を汚してしまう。また、平均粒径2μm以下では、クリーニングブレードに含有させて製造する場合、均一に安定して分散させることが困難である。
【0023】
また、フッ素樹脂微粒子としては、フッ素樹脂、フッ素樹脂のアクリル樹脂やポリエステル樹脂などによる変性体を用いることができる。フッ素樹脂は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素樹脂、およびアクリル樹脂、ポリイミド樹脂などを高フッ素化した変性フッ素樹脂なども利用できる。フッ素樹脂は、撥水性があって環境依存性が小さい。また、樹脂中で最も摩擦係数が小さい。これらのフッ素樹脂微粒子が、感光体1に供給されることで、クリーニングブレード12の当接圧を高くして、クリーニングブレードの摩擦傾数を低下させることで、ブレードめくれ、ブレードのビビリを発生することなく、感光体上の付着物をクリーニングすることができる。
フッ素樹脂微粒子は、形状は特に限定されず、例えば、球状、玉子状、フレーク状、円柱状、ひげ状、繊維状であってもよい。
【0024】
シリコーンオイルは、シロキサン結合を有する化合物で、表面張力が小さく、環境特性に対して安定しており、科学的に不活性であるため、潤滑剤に適している。具体的には、ジメチルシリコーンオイル、フェニルメチルシリコーンオイル、クロロフェニルシリコーンオイル、フロロシリコーンオイル、脂肪酸エステル変性シリコーンオイル、メチル水素シリコーンオイル、アルコキシ基含有シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、カルボン酸変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル等が挙げられる。特に、感光体表面に吸着した後、撥水性が高く、表面の摩擦係数を低下させるジメチルシリコーンオイル、フェニルメチルシリコーンオイル等が好ましい。したがって、クリーニングブレード12に含有されるシリコーンオイルが、感光体1に薄い膜を形成することで、残留トナーと感光体1との付着力を低下させ、ブレードのめくれ、ブレードのビビリを発生することなくクリーニングすることができる。
【0025】
特に、感光体1上に絶縁性の高い膜が形成されると感光体1の帯電性にも影響するために、できるだけ薄い膜になることが好ましく、この点で、液状のシリコーンオイルが好ましい。また、クリーニングブレードを製造する際に、液状のシリコーンオイルを添加して攪拌することで、クリーニングブレード内に液滴状に分散させることができる。また、ブレード形成時に液状のシリコーンオイルを噴霧して分散させてもよい。また、液滴状に分散せず、クリーニングブレードの内部に含浸するものであってもよい。
液滴状に分散しているクリーニングブレードでは、シリコーンオイルの液滴の直径は、2μm以上30μm以下の範囲にあることが好ましい。液滴は30μm以上ではすべてのシリコーンオイルが流れてしまい、感光体1上に一度に多くのシリコーンオイルがでてしまい潤滑剤の効果が作用する期間が短くなる。また、2μm以下ではその効果を発揮できない。この範囲にあることで、シリコーンオイルを少しづつ感光体1に供給することができる。
【0026】
また、潤滑剤粒子含有層12bは、研磨剤を分散して含有することができる。ある幅をもって研磨剤を分散させることで、第1クリーニングブレード11では除去できない感光体上の付着物質やフィルミング物質等を、効果的に除去することができる。
研磨剤としては、酸化セリウムやシリカ等の公知のものを用いることができる。研磨剤の平均粒径は、5×10−2μm以上100μm以下であることが好ましい。平均粒径が5×10−2μm未満では、粒子が細かすぎ、ゴム中での均一な分散が困難になったり、研磨ブレードとしての研磨力が十分に得られない。また、平均粒径が100μmを超えると、研磨力が大きすぎるために感光体1表面上を傷つけることになるため好ましくない。研磨剤の含有量は、0.5wt%以上50wt%以下であることが好ましい。研磨剤粒子の含有量が0.5wt%未満では、研磨ブレードとしての研磨力が十分に得られない。また、研磨剤粒子の含有量が50wt%を超えると、感光体1表面の摩耗の進行が早まるため好ましくない。
【0027】
上記のような2層構造を有する第2クリーニングブレード12は、潤滑剤粒子含有層12bが形成する潤滑剤供給面を感光体1と当接させて設置される。
第1クリーニングブレード11は、主として感光体1上の転写残トナーや紙粉の除去を行う。第2クリーニングブレード12は、感光体1上に潤滑剤を供給してクリーニングを行いやすくする。また、トナーから脱離した無機微粒子を主成分とする感光体1上の付着物質や、フィルミング物質等を除去する。また、第1クリーニングブレード11から漏れたトナーや紙粉等も同時に除去する。
本構成のように、それぞれのクリーニングブレードに機能を分割することで、第1クリーニングブレードは使用するトナーに応じた最適なクリーニング条件に設定することができ、第2ブレードにはフィルミング除去・潤滑剤の供給に最適なブレード条件に設定することができる。また、従来のように潤滑剤塗布ローラ等の潤滑剤供給部材を設置することに比べて省スペース化を図ることができ、且つ、クリーニング性を向上させることができる。
【0028】
第1クリーニングブレード11と第2クリーニングブレード12の感光体1への当接は、図1に示すように、双方がカウンター方式であることが好ましい。第1クリーニングブレード11がカウンター方式であることで、感光体1上の転写残トナーや紙粉を効率よく除去することができる。また、第2クリーニングブレード12がカウンター方式であることで、感光体1上の付着物質を第2クリーニングブレード12に突き当たった衝撃で除去することができ、良好なクリーニング性が得られる。
【0029】
図3は、他の実施形態を示す画像形成装置の概略構成図である。図3に示すように、第1クリーニングブレード11と第2クリーニングブレード12の感光体1への当接は、第1クリーニングブレード11がカウンター方式で、第2クリーニングブレード12がトレーリング方式であっても良い。第1クリーニングブレード11をカウンター方式とするのは、先と同様の理由からである。一方、第2クリーニングブレード12をトレーリング方式とすると、感光体1上の付着物除去能力は若干低下する。しかしながら、第2クリーニングブレード12にはほとんどトナーの入力がないためブレードのめくれが起こりやすい状況にあるが、トレーリング方式の当接により、これを回避することができる。
【0030】
また、図1及び図3に示すクリーニング装置において、第2クリーニングブレード12の感光体1への当接は、常時当接の他、適宜タイミングを取って間欠当接させる構成としても良い。この場合、第2クリーニングブレード12には、ソレノイド、カム等を利用した離間機構を設ける必要がある。第2クリーニングブレード12の間欠当接により、感光体1の膜削れ量を低減し、感光体1の寿命を延ばすことができる。
【0031】
更に、第2クリーニングブレード12は、揺動機構を備えることが好ましい。図4は、第2クリーニングブレード12の揺動機構を示す図である。第2クリーニングブレード12は、ここでは図示しない加圧ホルダに支持されており、加圧ホルダのカシメ先端にベアリングを備え、揺動カム15の面カム15aに突き当たっている。感光体1が矢印A方向に回転すると、揺動カム15は矢印B方向に回転し、それに従い、第2クリーニングブレード12は、感光体1の回転方向Aに直交する矢印C方向に揺動する。第2クリーニングブレード12が揺動機構を備えることで、研磨剤粒子含有層12a中の研磨剤粒子の分散に多少の偏りがあったとしてもこれを補い、感光体1の膜削れを均一にすることができる。
また、第1クリーニングブレード11には研磨剤粒子は含まれていないが、感光体1の膜削れをわずかに生じさせているため、第2クリーニングブレード12と同一の揺動機構によって、共に、同一の方向に揺動させるように構成することがよい。更に、感光体1の膜削れを一層均一にさせるためには、第1クリーニングブレード11と第2クリーニングブレード12とを異なる位相で揺動させることが好ましい。両者を異なる位相で揺動させるには、揺動カム15の面カム15aの内側に別位相の面カムを設け、それぞれ異なる面カムによって揺動させる機構が挙げられる。
【0032】
以上説明してきた本発明のクリーニング装置8を、感光体と、帯電手段及び現像手段から選択される任意の手段とを含んで一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在に形成したプロセスカートリッジとすることができる。本プロセスカートリッジによって、小粒径トナーを用いた現像が行われる画像形成プロセスであっても、感光体上のクリーニング機能を長期に渡って維持し、画質の劣化を生じさせることのないプロセスカートリッジとすることができる。
【0033】
本発明のクリーニング装置8を搭載する画像形成装置は、図1及び図3の構成に限るものではなく、感光体1上のトナー像を一旦転写されて担持する中間転写体を備える構成や、多色画像を形成するために感光体を複数備える構成であってもよい。特に、本発明のクリーニング装置8を搭載することの効果が大きく得られる画像形成装置は、現像装置4で使用するトナーが、平均円形度が0.90以上と球形状に近く、体積平均粒径が3〜10μmの小粒子径のトナーである場合である。小粒径で球形状に近いトナーは、感光体とクリーニングブレードの隙間に入り込みすり抜けやすい。また、小粒径であるとワックスや無機微粒子等の添加剤のトナー粒子中の含有率が高くなる傾向にあるため、これらがトナーから脱離して感光体上に付着し、汚染する。
しかしながら、本発明のクリーニング装置8により、第1クリーニングブレード11で感光体1上の転写残トナーや紙粉の除去を行い、第2クリーニングブレード12でワックスや無機微粒子を主成分とする感光体1上の付着物質を、感光体1との当接面で除去することができる。また、第1クリーニングブレード11から漏れたトナーや紙粉等も第2クリーニングブレード12で除去できる。また、第2クリーニングブレードは、ブレード母体層12aと潤滑剤粒子含有層12bとからなり、ある幅をもって潤滑剤粒子が分散された構成であるため、潤滑剤粒子が剥がれ落ちることがなく、長期に渡って良好なクリーニング機能を維持することができる。
【0034】
次に、本発明に係る画像形成装置で使用されるトナーについて説明する。トナーは、着色剤とポリエステルを主成分とし、荷電制御剤を含有してなるトナー母体粒子に、少なくともシリカ微粒子を外添してなるトナーであって、トナーの体積平均粒径は、3〜10μmの範囲が好ましい。粒径が小さいほど、細線の再現性が高くなり、高品位な画質を得ることができる。3μm未満では液滴の形成が困難であり、10μmを越えると乾式粉砕法によるトナーの方が低コストになる。
また、粒径分布は、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.05〜1.40であることが好ましい。粒径分布をシャープにすることで、帯電量分布が均一になり、地肌かぶりの少ない高品位な画像を得ることができ、また、転写率を高くすることができる。Dv/Dnが、1.05未満では製造上困難であり、また、1.40を越えると帯電量分布も広がるために高品位な画像を得るのが困難になる。
【0035】
トナー全体の硬さの分布は含まれる構成元素を分析することで把握することができる。ウレア結合したポリエステル樹脂は、Nを多く含む方が硬くなり、これをXPS(X線光電子分光法)等で組成分布を測定して確認することができる。トナー表面を硬くすることで、長期間使用する場合であってもブロッキングすることを防止し、また、トナー粒子自体の流動性を良くすることで攪拌性・混合性を良くすることができる。さらに、トナー表面が硬いことで、外添剤がトナー表面に埋め込まれにくくなり、現像装置4内で長期間攪拌しても、トナーの流動性・帯電性を一定に保つことができる。また、内部の硬さを低くすることで、定着時における熱と圧力でトナー表面を破壊し、容易に変形させることで、離型剤を含むトナー内部を露出させ定着性を向上させることができる。
【0036】
しかし、トナー表面が硬くなることで、外添剤の埋め込みが少なくなるが、外添剤がトナー表面から遊離しやすくなり、感光体1表面に埋め込まれたり又は強く付着したりする。この感光体1上に付着した外添剤が起点となって、トナーが付着し成長して、感光体1上に黒点を形成しやすくなる。したがって、このようなトナーを用いる画像形成装置では、クリーニング装置8に第1クリーニングブレード11及び第2クリーニングブレード12を配設し、第2クリーニングブレード12の硬度を高くし及び/又は当接圧を強くすることで、第1クリーニングブレード11で除去できなかった又は除去しきれなかった感光体1表面に埋め込まれたシリカを除去することができる。
【0037】
また、このようなトナーで、さらに、離型剤をトナー表面に露出させずに、トナーの内側であってトナー表面近傍に優先的に分散させる。特に、トナー表面から1μm内部までの領域に、離型剤の占める面積率が5〜40%の範囲にあることが好ましい。これにより、軟化点が低く、柔らかい離型剤が磁性キャリアに移行し、トナーとの帯電性を阻害することを防止して現像剤の寿命を延ばすことができ、良好な定着性とを両立することができる。
【0038】
また、トナー母体粒子は、平均円形度が0.90〜1.00の範囲にある。より好ましくは平均円形度が0.93〜0.97で、円形度が0.94未満のトナーが10%以下である。平均円形度が0.90未満では、球形からあまり離れた不定形のトナーでは転写が均一に行われないために記録紙に転写した際に細線の間でトナーが散ってしまい、高品質の画像が得られない。
トナーの円形度は、光学的に粒子を検知して、投影面積の等しい相当円の周囲長で除した値である。具体的には、フロー式粒子像分析装置(FPIA−2100:東亜医用電子株式会社製)を用いて、容器中に予め不純固形物を除去した水100〜150mL中に分散剤として界面活性剤を0.1〜0.5mL加え、さらに、測定資料を0.1〜9.5g程度加える。資料を分散した懸濁液を超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、分散液濃度を3,000〜10,000個/μLにしてトナーの形状及び分布を測定する。
【0039】
また、トナーは、円形度のうち形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜190の範囲にあることが好ましい。
図5は、形状係数SF−1と、形状係数SF−2とを説明するためにトナーの形状を模式的に表した図である。形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、下記式(1)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4)……式(1)
SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
また、形状係数SF−2は、トナーの形状の凹凸の割合を示すものであり、下記式(2)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−2={(PERI)2/AREA}×(100π/4)……式(2)
SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
【0040】
形状係数の測定は、具体的には、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入して解析して計算した。
トナーの形状が球形に近くなると、トナーとトナー又は感光体との接触合点接触になるためにトナーの流動性が高くなり、お互いの吸着力が低下してし、流動性が良くなり、また、転写率が高くなる。しかし、吸着力が良くなって、クリーニングブレードと感光体の間隙に入り込んで、クリーニングブレードがトナーの上を容易に通過するようになる。したがって、トナーの形状係数SF−1とSF−2は100以上がよい。また、SF−1とSF−2が大きくなると、画像上にトナーが散ってしまい画像品位が低下する。このために、SF−1は180を越えない方が好ましく、SF−2は190を越えない方が好ましい。
【0041】
また、トナーは、荷電制御剤がトナー母体粒子外表面に存在する重量Mとトナー母体粒子内部全体に存在する重量Tとの比M/Tが、100以上1000以下となる。ここで、重量比M/Tは、荷電制御剤以外の成分には存在せず、荷電制御剤のみに存在する、H、C、O、及び希ガス元素を除く長周期型の周期律表における第5周期までの1元素に対し、X線光電子分光法(XPS)で測定される値である。
上記トナーは、バインダー樹脂としてガラス転移点(Tg)の低いポリエステルを用いるため、低温定着性に優れるトナーで、また、荷電制御剤が上記の重量比M/Tの値が示すように、圧倒的にトナー外表面に存在することから、帯電安定性に優れたトナーである。さらに、トナー粒子の流動性、帯電性補助等のために無機微粒子を外添する。この無機微粒子は、トナー表面に存在する荷電制御剤が硬く、また無機微粒子が負極性を有することから、トナーから脱離しやすい傾向にある。無機微粒子の中でも特にシリカ微粒子は、トナーから脱離して感光体上に付着し、画像品質に影響を及ぼす付着物質の成分になりやすいことは前述した通りである。しかしながら、本発明のクリーニング装置を搭載した画像形成装置であれば、上記のトナーを用いることにより感光体上に発生する付着物質も除去することができ、画像品質を高品質に保つことができる。
【0042】
以下に、トナーの具体的な構成成分、並びに製造方法について説明する。
(着色剤)
着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
【0043】
着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造、またはマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体、あるいはこれらとビニル化合物との共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
【0044】
(ポリエステル)
ポリエステルは、多価アルコール化合物と多価カルボン酸化合物との重縮合反応によって得られる。
多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)および3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。2価アルコール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
【0045】
多価カルボン酸(PC)としては、2価カルボン酸(DIC)および3価以上の多価カルボン酸(TC)が挙げられ、(DIC)単独、および(DIC)と少量の(TC)との混合物が好ましい。2価カルボン酸(DIC)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上の多価カルボン酸(TC)としては、炭素数9〜20の芳香族多価カルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、多価カルボン酸(PC)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いて多価アルコール(PO)と反応させてもよい。
【0046】
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の重縮合反応は、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。ポリエステルの水酸基価は5以上であることが好ましく、ポリエステルの酸価は通常1〜30、好ましくは5〜20である。酸価を持たせることで負帯電性となりやすく、さらには記録紙への定着時、記録紙とトナーの親和性がよく低温定着性が向上する。しかし、酸価が30を超えると帯電の安定性、特に環境変動に対し悪化傾向がある。
また、重量平均分子量1万〜40万、好ましくは2万〜20万である。1万未満では耐オフセット性が悪化し、40万を超えると低温定着性が悪化する。
【0047】
ポリエステルには、上記の重縮合反応で得られる未変性ポリエステルの他に、ウレア変性のポリエステルが好ましく含有される。ウレア変性のポリエステルは、上記の重縮合反応で得られるポリエステルの末端のカルボキシル基や水酸基等と多価イソシアネート化合物(PIC)とを反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得、これとアミン類との重付加反応により分子鎖が伸長されて得られるものである。
多価イソシアネート化合物(PIC)としては、脂肪族多価イソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアヌレート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
【0048】
多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、ウレア変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の多価イソシアネート化合物(PIC)構成成分の含有量は、通常0.5〜40wt%、好ましくは1〜30wt%、さらに好ましくは2〜20wt%である。0.5wt%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40wt%を超えると低温定着性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0049】
次に、ポリエステルプレポリマー(A)と反応させるアミン類(B)としては、2価アミン化合物(B1)、3価以上の多価アミン化合物(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
【0050】
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
また、ウレア変性ポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0051】
ウレア変性ポリエステルは、ワンショット法、などにより製造される。多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次いで40〜140℃にて、これに多価イソシアネート(PIC)を反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得る。さらにこの(A)にアミン類(B)を0〜140℃にて反応させ、ウレア変性ポリエステルを得る。
(PIC)を反応させる際、及び(A)と(B)を反応させる際には、必要により溶剤を用いることもできる。使用可能な溶剤としては、芳香族溶剤(トルエン、キシレンなど);ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど);エステル類(酢酸エチルなど);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)およびエーテル類(テトラヒドロフランなど)などのイソシアネート(PIC)に対して不活性なものが挙げられる。
【0052】
また、ポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との伸長反応には、必要により伸長停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。伸長停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
ウレア変性ポリエステルの重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。1万未満では耐ホットオフセット性が悪化する。ウレア変性ポリエステル等の数平均分子量は、先の未変性ポリエステルを用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。ウレア変性ポリエステルを単独で使用する場合は、その数平均分子量は、通常2000〜15000、好ましくは2000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。20000を超えると低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。
【0053】
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを併用することで、低温定着性およびフルカラー画像形成装置に用いた場合の光沢性が向上するので、ウレア変性ポリエステルを単独で使用するよりも好ましい。尚、未変性ポリエステルはウレア結合以外の化学結合で変性されたポリエステルを含んでも良い。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは、少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは類似の組成であることが好ましい。
また、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとの重量比は、通常20/80〜95/5、好ましくは70/30〜95/5、さらに好ましくは75/25〜95/5、特に好ましくは80/20〜93/7である。ウレア変性ポリエステルの重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
【0054】
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを含むバインダー樹脂のガラス転移点(Tg)は、通常45〜65℃、好ましくは45〜60℃である。45℃未満ではトナーの耐熱性が悪化し、65℃を超えると低温定着性が不十分となる。
また、ウレア変性ポリエステルは、得られるトナー母体粒子の表面に存在しやすいため、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
【0055】
(荷電制御剤)
荷電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばクロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
荷電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、主荷電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
【0056】
(離型剤)
離型剤としては、融点が50〜120℃の低融点のワックスが、バインダー樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温オフセットに対し効果を示す。このようなワックス成分としては、以下のものが挙げられる。ロウ類及びワックス類としては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、及びおよびパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。また、これら天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド及び、低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等も用いることができる。
荷電制御剤、離型剤はマスターバッチ、バインダー樹脂とともに溶融混練することもできるし、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えても良い。
【0057】
(外添剤)
トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤として、無機微粒子が好ましく用いられる。この無機微粒子の一次粒子径は、5×10−3〜2μmであることが好ましく、特に5×10−3〜0.5μmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5wt%であることが好ましく、特に0.01〜2.0wt%であることが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。中でも、流動性付与剤としては、疎水性シリカ微粒子と疎水性酸化チタン微粒子を併用するのが好ましい。特に両微粒子の平均粒径が5×10−2μm以下のものを使用して攪拌混合を行った場合、トナーとの静電力、ファンデルワールス力は格段に向上することより、所望の帯電レベルを得るために行われる現像機内部の攪拌混合によっても、トナーから流動性付与剤が脱離することなく、ホタルなどが発生しない良好な画像品質が得られて、さらに転写残トナーの低減が図られる。
酸化チタン微粒子は、環境安定性、画像濃度安定性に優れている反面、帯電立ち上がり特性の悪化傾向にあることより、酸化チタン微粒子添加量がシリカ微粒子添加量よりも多くなると、この副作用の影響が大きくなることが考えられる。しかし、疎水性シリカ微粒子及び疎水性酸化チタン微粒子の添加量が0.3〜1.5wt%の範囲では、帯電立ち上がり特性が大きく損なわれず、所望の帯電立ち上がり特性が得られ、すなわち、コピーの繰り返しを行っても、安定した画像品質が得られる。
【0058】
次に、トナーの製造方法について説明する。ここでは、好ましい製造方法について示すが、これに限られるものではない。
1)着色剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、離型剤を有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。
有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100重量部に対し、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。
【0059】
2)トナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させる。
水系媒体は、水単独でも良いし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。
トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。
【0060】
また、水系媒体中の分散を良好にするために、界面活性剤、樹脂微粒子等の分散剤を適宜加える。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
【0061】
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
【0062】
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を右する脂肪族1級、2級もしくは2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
【0063】
樹脂微粒子は、水系媒体中で形成されるトナー母体粒子を安定化させるために加えられる。例えば、ポリメタクリル酸メチル微粒子1μm、及び3μm、ポリスチレン微粒子0.5μm及び2μm、ポリ(スチレン―アクリロニトリル)微粒子1μm、商品名では、PB−200H(花王社製)、SGP(総研社製)、テクノポリマーSB(積水化成品工業社製)、SGP−3G(総研社製)、ミクロパール(積水ファインケミカル社製)等がある。
また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸価チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
【0064】
上記の樹脂微粒子、無機化合物分散剤と併用して使用可能な分散剤として、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの含窒素化合物、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
【0065】
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。この中でも、分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。
【0066】
3)乳化液の作製と同時に、アミン類(B)を添加し、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)との重付加反応を行わせる。この反応は、分子鎖の伸長を伴うため伸長反応とも呼ぶ。反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
【0067】
4)反応終了後、乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥してトナー母体粒子を得る。有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
【0068】
5)上記で得られたトナー母体粒子に、荷電制御剤を打ち込み、ついで、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子等の無機微粒子を外添させ、トナーを得る。荷電制御剤の打ち込み、及び無機微粒子の外添は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。
【0069】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、以下、「部」は、重量部を示す。
【0070】
<トナー1の製造>
(未変性ポリエステルの製造)
冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物690部、テレフタル酸256部を常圧下、230℃で8時間重縮合し、次いで10〜15mmHgの減圧で5時間反応した後160℃まで冷却し、これに18部の無水フタル酸を加えて2時間反応し、未変性ポリエステル(a)を得た。
(ポリエステルプレポリマーの製造)
冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物800部、イソフタル酸180部、テレフタル酸60部、およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で脱水しながら5時間反応した後、160℃まで冷却して、これに32部の無水フタル酸を加えて2時間反応した。次いで、80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソホロンジイソシアネート170部と2時間反応を行い、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(b)を得た。
(ケチミン化合物の製造)
攪拌棒および温度計のついた反応槽中にイソホロンジアミン30部とメチルエチルケトン70部を仕込み、50℃で5時間反応を行いケチミン化合物(c)を得た。
【0071】
(トナーの製造)
ビーカー内に前記のポリエステルプレポリマー(b)15.4部、未変性ポリエステル(a)60部、酢酸エチル78.6部を入れ、攪拌し溶解した。次いで、離型剤であるライスワックス(融点83℃)10部、銅フタロシアニンブルー顔料4部を入れ、60℃にてTK式ホモミキサーで12000rpmで攪拌し、均一に溶解、分散させた。最後に、ケチミン化合物(c)2.7部を加え、溶解させた。これをトナー材料液(d)とする。
ビーカー内にイオン交換水306部、リン酸三カルシウム10%懸濁液265部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部、平均粒径0.20μmのスチレン/アクリル系樹脂微粒子を入れ、均一に分散させた。ついで60℃に昇温し、TK式ホモミキサーで12000rpmに攪拌しながら、上記トナー材料液(d)を投入し、10分間攪拌した。ついで、この混合液を攪拌棒及び温度計付きのコルベンに500g計量して移し、45℃まで昇温して、減圧下ポリエステルプレポリマー(a)とケチミン化合物(c)との反応をさせながら0.5時間かけて溶媒を除去し、濾別、洗浄、乾燥した後、風力分級し、トナー母体粒子を得た。
次に、得られたトナー母体粒子100部及び荷電制御剤(ボントロン E−84;オリエント化学社製)0.25部をQ型ミキサー(三井鉱山社製)に仕込み、タービン型羽根の周速を50m/secに設定し、2分間運転、1分間休止を5サイクル行い、合計の処理時間を10分間とした。
さらに、疎水性シリカ(H2000;クラリアントジャパン社製)を0.5部添加し、周速を15m/secとして30秒混合1分間休止を5サイクル行い、シアントナーを得た。ついで、疎水性シリカ0.5部と、疎水化酸化チタン0.5部をヘンシェルミキサーにて混合して、トナー1を得た。
【0072】
(トナー2〜4)
トナー1の製造において用いた銅フタロシアニンブルー顔料4部を、ベンジジンイエロー顔料6部、ローダミンレーキ顔料6部、カーボンブラック10部にそれぞれ変更し、同様の製造方法によってトナー2〜4を得た。
【0073】
図1に示す画像形成装置に、上記で得たトナー1〜4を用いて画像形成を行った。画像形成動作は以下の通りである。
感光体1は反時計回転方向に回転する。感光体1は、除電ランプ9により除電され、表面電位が0〜−150Vの基準電位に平均化される。次に、帯電ローラ2により帯電され、表面電位が−1000V前後となる。次に、露光光3で露光され、光が照射された部分(画像部)は表面電位が0〜−200Vとなる。現像装置4により、スリーブ上のトナーが上記画像部分に付着する。トナー像が作られた感光体1は回転移動し、図示しない給紙部より、記録紙が、記録紙先端部と画像先端部とが転写ベルト6で一致するようなタイミングで搬送され、転写ベルト6で感光体1表面のトナー像を転写される。その後、記録紙は、図示しない定着手段へ搬送され、熱と圧力によりトナーが溶融定着されて、機外に排出される。
感光体1上に残った未転写トナー及び付着物質は、クリーニング装置8の第1クリーニングブレード11及び第2クリーニングブレード12によって掻き落とされ、その後、除電ランプ9により残留電荷が除電されて、トナー及び付着物質のない初期状態となり、次の画像形成工程に移る。
【0074】
上記の画像形成プロセスに従って、150K枚画像出力を行ったが、トナー1〜4を用いたいずれの場合においても、150K枚後の画像は、フィルミング等の異常画像は見られず、良好な画質であった。
【0075】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、像担持体回転方向上流側から第1クリーニングブレード、第2クリーニングブレードの2つのブレードを備え、第2クリーニングブレードをブレード母体層と潤滑剤粒子含有層の2層構造からなる潤滑用ブレードとし、第1クリーニングブレードと第2クリーニングブレードのクリーニング機能を分割することで、像担持体上の付着物質を除去し、良好なクリーニング機能を長期に渡り維持できるクリーニング装置を提供することができる。特に、球形化、小粒径化されたトナーを現像に用いる画像形成装置において、トナー表面から脱離しやすい無機微粒子が核となって形成する感光体上への付着物質も効果的に除去することができる。
また、本発明のクリーニング装置を搭載することで、優れたクリーニング機能により、長期に渡り画質の劣化を生じることのないプロセスカートリッジ並びに画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の概略構成図である。
【図2】第2クリーニングブレードの構成を示す図である。
【図3】本発明に係る画像形成装置の概略構成図である。
【図4】第2クリーニングブレードの揺動機構を示す図である。
【図5】形状係数SF−1と形状係数SF−2とを説明するためにトナーの形状を模式的に表した図である。
【符号の説明】
1 感光体(像担持体)
2 帯電ローラ
3 露光光
4 現像装置
5 レジストローラ
6 転写ベルト
9 除電ランプ
10 光センサ
11 第1クリーニングブレード
12 第2クリーニングブレード
12a ブレード母体層
12b 潤滑剤粒子含有層
13 トナー回収羽根
14 トナー回収コイル
15 揺動カム付きギヤ
15a カム面
Claims (15)
- 像担持体の表面をクリーニングするクリーニング装置であって、
前記クリーニング装置は、前記像担持体回転方向上流側から順に、第1クリーニングブレード、第2クリーニングブレードの2つのブレードを備え、
前記第2クリーニングブレードは、ブレード母体層と潤滑剤粒子含有層の2層構造を有する潤滑用ブレードであり、
前記第1クリーニングブレードはカウンター方式、前記第2クリーニングブレードはトレーリング方式で前記像担持体と当接する
ことを特徴とするクリーニング装置。 - 請求項1に記載のクリーニング装置において、
前記第2クリーニングブレードは、前記潤滑剤粒子含有層の厚みがブレード全体の厚みの0.5%以上90%以下である
ことを特徴とするクリーニング装置。 - 請求項1または2に記載のクリーニング装置において、
前記潤滑剤粒子含有層は、含有される潤滑剤粒子の平均粒径が2μm以上30μm以下である
ことを特徴とするクリーニング装置。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載のクリーニング装置において、
前記潤滑剤粒子含有層は、含有される潤滑剤粒子の含有量が0.2wt%以上10wt%以下である
ことを特徴とするクリーニング装置。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載のクリーニング装置において、
前記潤滑剤粒子含有層は、含有される潤滑剤粒子が、脂肪酸金属塩、シリコーンオイル、有機微粒子のうちのいずれかからなる
ことを特徴とするクリーニング装置。 - 請求項1ないし5のいずれかに記載のクリーニング装置において、
前記潤滑剤粒子含有層は、研磨剤を含有する
ことを特徴とするクリーニング装置。 - 請求項1ないし6のいずれかに記載のクリーニング装置において、
前記第2クリーニングブレードは、前記像担持体回転方向に直交する方向に揺動する揺動機構を備える
ことを特徴とするクリーニング装置。 - 請求項7に記載のクリーニング装置において、
前記第1クリーニングブレードは、前記像担持体回転方向に直交する方向に揺動する揺動機構を備え、前記第2クリーニングブレードとは異なる位相で揺動する
ことを特徴とするクリーニング装置。 - 像担持体の表面をクリーニングするクリーニング装置であって、
前記クリーニング装置は、前記像担持体回転方向上流側から順に、第1クリーニングブレード、第2クリーニングブレードの2つのブレードを備え、
前記第2クリーニングブレードは、ブレード母体層と潤滑剤粒子含有層の2層構造を有する潤滑用ブレードであり、
前記潤滑剤粒子含有層は、研磨剤を含有する
ことを特徴とするクリーニング装置。 - 像担持体と、該像担持体の表面をクリーニングするクリーニング手段とを少なくとも含んで一体に支持され、画像形成装置本体に着脱自在に形成されたプロセスカートリッジであって、
前記クリーニング手段として、請求項1ないし9のいずれかに記載のクリーニング装置を備える
ことを特徴とするプロセスカートリッジ。 - 潜像を担持する像担持体と、
前記像担持体表面に均一に帯電を施す帯電手段と、
帯電した該像担持体の表面に画像データに基づいて露光し、潜像を書き込む露光手段と、
前記潜像担持体表面に形成された潜像にトナーを供給し、可視像化する現像手段と、
前記潜像担持体表面の可視像を記録紙に転写する転写手段と、
転写後の前記像担持体表面をクリーニングするクリーニング手段とを備える画像形成装置であって、
前記クリーニング手段として、請求項1ないし9のいずれかに記載のクリーニング装置を備える
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項11に記載の画像形成装置において、
前記画像形成装置に用いられるトナーは、着色剤とポリエステルを主成分とし、荷電制御剤を含有してなる母体粒子に、少なくともシリカ微粒子を外添するトナーであって、トナーの体積平均粒径が、3〜10μmである
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項11または12に記載の画像形成装置において、
前記トナーは、母体粒子の平均円形度が0.90〜1.00である
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項11ないし13のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記トナーは、母体粒子の平均円形度のうちSF−1が100〜180の範囲にあり、SF−2が100〜190の範囲にある
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項11ないし14のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記現像手段で使用されるトナーは、その母体粒子が以下の製造工程によって製造される
ことを特徴とする画像形成装置。
1)少なくとも着色剤、ポリエステル、プレポリマー、離型剤を有機溶媒中に分散させ、トナー材料液を得る工程。
2)前記トナー材料液を、界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させる工程。
3)2)の乳化液中で、プレポリマーの重付加反応を行わせる工程。
4)反応終了後、洗浄・乾燥によりトナー母体粒子を得る工程。
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