JP4860385B2 - 画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

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Description

本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置、および、これに採用されるプロセスカートリッジに関するものである。
近年、電子写真方式を利用した画像形成装置は広範に普及してきており、また、デジタル化された画像が容易に入手できることも関係して、プリントされる画像の更なる高精細化が要望されている。このような高精細化の流れの中で、潜像を可視化するトナー側の改良としては、更なる球形化、小粒径化の検討がなされている。
例えば、特定の粒径分布を有する球形化した粉砕型のトナー(例えば、特許文献1〜4参照。)、懸濁重合により球形化、小粒径化されたトナーを得る方法(例えば、特許文献5参照。)、バインダー樹脂と着色剤とを水と混和しない溶媒中で混合し、分散安定剤の存在下で水系溶媒中に分散させ、球形化、小粒径化されたトナーを得る方法(例えば、特許文献6参照。)、一部に変性された樹脂を含むバインダー樹脂と、着色剤とを有機溶媒中で混合し、水系溶媒中に分散させて、変性された樹脂の重付加反応を行わせ、球形化、小粒径化したトナーを得る方法(例えば、特許文献7参照。)が提案されている。このようなトナーにより、画質の向上、流動性の向上が得られている。
特に、球形化されたトナーは、忠実に転写されるために高精細画像を得るのに適しているが、球形化されたトナーは転がりやすいために、クリーニング装置におけるクリーニング不良を発生させやすい。クリーニング装置のクリーニング部材としては、一般的に構成を簡単にでき、クリーニング性能も優れていることから、クリーニングブレードを用いたものが多く用いられている。このクリーニングブレードは、ポリウレタンゴムなどの弾性材料からなり、その基端を支持部材で支持し、先端稜線部を潜像担持体としての感光体の表面に摺擦させて残留するトナーをせき止めて掻き落とし除去するものである。球形化されたトナーは、このクリーニングブレードのエッジに引っかからずに、クリーニングブレードと感光体との間に転がって入り込み易い。このため、球形化されたトナーは、クリーニングされにくくなり、地かぶり等の異常画像を発生させることがある。このような球形化されたトナーを良好にクリーニングするためには、クリーニングブレードをより強い力で感光体に当接させる事が考えられるが、感光体の回転もしくは移動精度に影響を与え、バンディングの原因となる。
そこで、感光体表面に潤滑剤を塗布して感光体表面の摩擦係数を低減させることにより、転写時における転写率を高めて残留するトナー低減してクリーニングブレードによるクリーニングの負担を減らす方法が用いられている。
また、感光体表面に摺擦させているクリーニングブレードの加圧により、トナー、外添剤、ワックスなどが感光体表面へ付着(フィルミング)してしまうことがある。高湿環境下では、このフィルミング物質が吸湿して画像ボケ等の異常画像を発生させることがある。これを防止するためにも、感光体表面の摩擦係数を十分に下げることが必要であり、感光体に潤滑剤を塗布することは有効である。
また、感光体を帯電する方式としてコロナ方式や接触または近接帯電方式があるが、近年では、環境の為に比較的オゾンが発生しにくい接触または近接帯電方式を用いるものが増えてきている。接触または近接帯電方式では、帯電均一性を高めるために交流電圧が重畳された直流電圧を印加させることが行われている。しかし、交流電圧を重畳すると感光体に流れる電流量が大きくなるため、上記感光体表面へのフィルミングを起こしやすく、上記問題が顕著になってしまう。そこで、交流電圧が重畳された帯電装置を用いたものでは、潤滑剤を塗布して感光体表面の摩擦係数を下げることはさらに重要になっている。
感光体表面にステアリン酸亜鉛等の潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段のひとつとして、トナー中にステアリン酸亜鉛を含有するものを用い、感光体表面にトナー像を形成と同時に、ステアリン酸亜鉛を供給するものが知られている(例えば、特許文献8)。しかし、トナーにステアリン酸亜鉛を含有すると、現像される画像のパターンにより感光体表面のステアリン酸亜鉛が不均一になるという問題点がある。
また、潤滑剤塗布手段の他のひとつとして、固形潤滑剤と、回転駆動しながら固形潤滑剤を感光体表面に塗布するブラシローラと、固形潤滑剤をブラシローラに押圧する加圧バネとを備えたものがあり(例えば、特許文献9)、広く用いられている。この潤滑剤塗布手段では、加圧バネでステアリン酸亜鉛等からなる固形潤滑剤を研磨性・塗布性の良好なブラシローラに押圧接触させて、ブラシローラ先端近傍で固形潤滑剤を掻き取って保持する。ブラシローラは、ブラシ先端近傍が感光体表面を擦って回転する位置に固定されており、感光体表面を擦ることで保持した潤滑剤を感光体表面に塗布する。
また、潤滑剤塗布手段として、上記固形潤滑剤と、ブラシローラと、加圧バネとを備えたものを設け、さらに、ステアリン酸亜鉛を含有するトナーを用いて、双方から潤滑剤を感光体表面に供給するものも知られている(例えば、特許文献10)。
特開平1−112253号公報 特開平2−284158号公報 特開平3−181952号公報 特開平4−162048号公報 特開平5−72808号公報 特開平9−15902号公報 特開平11−133668号公報 特開平11−184340号公報 特開2000−231298号公報 特開2004−333961号公報
上記感光体表面への潤滑剤の塗布量について説明する。感光体が新しい時には、感光体表面に潤滑剤は全く塗られていないため、感光体表面の摩擦係数は高い。そこで、初期には充分な量の潤滑剤を感光体表面に塗布し、感光体表面の摩擦係数を充分下げて、クリーニング不良やフィルミングを防止する必要がある。また、一度感光体表面に潤滑剤の薄膜が形成されると、摩擦係数は低下した状態になるので、クリーニング不良やフィルミングは発生しにくくなる。経時では、感光体表面の潤滑剤の一部は掻き取られて減少するため潤滑剤を塗布し続ける必要はあるものの、初期と同じ量を塗布する必要はなく、逆に、初期と同じ量の潤滑剤を塗布すると感光体表面に供給された潤滑剤の量は過剰となる。潤滑剤が感光体表面に過剰供給されると感光体に当接または近接している帯電部材に付着してしまう。帯電部材に潤滑剤が付着すると、トナー中に含まれる添加剤やトナーが帯電部材に付着しやすくなり、帯電部材の汚れが顕著に発生する。この帯電部材の汚れにより、感光体の表面電位が不均一になり、画像濃度差が発生し、さらに悪化すると地汚れも発生する虞がある。そこで、感光体表面への潤滑剤塗布は、必要最低限の量にすることが望ましい。
本発明は、以上の背景に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、潜像担持体のクリーニング不良およびフィルミングを防止するために潤滑剤を潜像担持体上に塗布する潤滑剤塗布手段を備えた画像形成装置において、経時の潤滑剤の過剰供給による帯電部材の汚れを低減することのできる画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体表面に接触又は近接させた帯電部材により該潜像担持体を帯電する帯電装置と、該潜像担持体に潜像を形成する潜像形成装置と、該潜像担持体の潜像にトナーを付着させて現像する現像装置と、該潜像担持体表面に残留するトナーをクリーニングブレードによりクリーニングするクリーニング装置と、該潜像担持体表面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段とを備え、上記潤滑剤塗布手段が、潤滑剤と、回転駆動しながら該潤滑剤と該潜像担持体表面とに接触するブラシローラと、該潤滑剤を該ブラシローラ側に押圧するための加圧バネと、該加圧バネを支持するバネ支持部材とを有し、該ブラシローラで該潤滑剤を掻き取り該潜像担持体表面に塗布する画像形成装置において、上記加圧バネは上記潤滑剤側の一端自由端であり、その自由端とは反対側の他端上記バネ支持部材により支持されるものであり、初期では該バネ支持部材と該潤滑剤との間が該加圧バネの自由長長さより短く、かつ、経時で該潤滑剤の嵩が消費により減少した際には該加圧バネの自由端が該潤滑剤から離間し該潤滑剤が他の部材からの加圧を受けずに該潤滑剤の自重によって該ブラシローラに対して加圧されるよう該バネ支持部材と該潤滑剤との間が該加圧バネの自由長長さより長くなるように、該バネ支持部材を配置したことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記潤滑剤を、画像形成装置の設置面と水平で上記ブラシローラの中心を通る面よりも上方に配置したことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の画像形成装置において、上記潤滑剤は、脂肪酸金属塩またはフッ素微粒子を成型したものであることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1、2または3の画像形成装置において、上記潤滑剤は棒状であり、初期において、該加圧バネが該棒状の潤滑剤を総加圧量200mN以上の力で上記ブラシローラに押圧するよう構成したことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1、2、3または4の画像形成装置において、上記潜像担持体に対する上記ブラシローラの周速の比が、0.8〜1.2の範囲にあることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1、2、3、4または5の画像形成装置において、上記現像装置で用いられるトナーは、体積平均粒径が3〜8μmで、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にあることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1、2、3、4または5の画像形成装置において、上記現像装置で用いられるトナーは、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にあることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1、2、3、4または5の画像形成装置において、上記現像装置で用いられるトナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーであることを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1、2、3、4または5の画像形成装置において、上記現像装置で用いられるトナーは、略球形状であることを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項1、2、3、4または5の画像形成装置において、上記現像装置で用いられるトナーは、形状が長軸r1、短軸r2、厚さr3で規定され(但し、r1≧r2≧r3とする。)、長軸r1と短軸r2との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲にあり、厚さr3と短軸r2との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲にあることを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、潜像を形成する潜像担持体と、該潜像担持体表面に接触又は近接させた帯電部材により該潜像担持体を帯電する帯電装置と、該潜像担持体表面に残留するトナーをクリーニングブレードによりクリーニングするクリーニング装置と、該潜像担持体に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段とが一体に支持され、画像形成装置本体に着脱可能であるプロセスカートリッジにおいて、上記潤滑剤塗布手段が、潤滑剤と、回転駆動しながら該潤滑剤と該潜像担持体表面とに接触するブラシローラと、該潤滑剤を該ブラシローラ側に押圧する加圧バネと、該加圧バネを支持するバネ支持部材とを有し、該ブラシローラで該潤滑剤を掻き取り該潜像担持体表面に塗布するものであり、上記加圧バネは、上記潤滑剤側の一端自由端であり、その自由端とは反対側の他端が上記バネ支持部材により支持されるものであり、初期では該バネ支持部材と該潤滑剤との間が該加圧バネの自由長長さより短く、かつ、経時で該潤滑剤の嵩が消費により減少した際には該加圧バネの自由端が該潤滑剤から離間し該潤滑剤が他の部材からの加圧を受けずに該潤滑剤の自重によって該ブラシローラに対して加圧されるよう該バネ支持部材と該潤滑剤との間が該加圧バネの自由長長さより長くなるように、該バネ支持部材を配置したことを特徴とするものである。
本発明においては、初期には、バネ支持部材と潤滑剤との間が加圧バネの自由長長さより短いことにより、潤滑剤は圧縮状態の加圧バネによりブラシローラ側に押圧され、ブラシローラに深く食い込む。これにより、ブラシローラが掻き取る潤滑剤の量を多くすることができ、初期の潜像担持体においても摩擦係数を低下させるために十分な量の潤滑剤を潜像担持体上に塗布することができる。また、経時で潤滑剤の嵩が減少した際、バネ支持部材と潤滑剤との間が加圧バネの自由長長さより長いことにより、加圧バネの自由端は潤滑剤に接触しない状態となる。これにより、潤滑剤は加圧バネによりブラシローラ側に押圧されなくなり、潤滑剤はブラシローラに深く食い込まないで接触する状態となる。よって、ブラシローラが掻き取る潤滑剤の量を大幅に減少させることができ、潤滑剤の過剰供給を防止できる。このようにして、初期、および、経時に渡り潜像担持体表面にクリーニング不良、フィルミング防止のために必要量の潤滑剤を塗布し続け、かつ、経時における潤滑剤の過剰供給を防止することができる。なお、本発明のように、経時でバネ支持部材と潤滑剤との間を加圧バネの自由長長さより長くなるようにしなくとも、潤滑剤が消費されて嵩が減少すると、加圧バネの圧縮状態は弱くなる。これにより、潤滑剤のブラシローラへの食い込み量は減少するので塗布量はそれなりに減少する。しかしながら、本発明は、経時で加圧バネの自由端が潤滑剤から離間し潤滑剤が他の部材からの加圧を受けずに潤滑剤の自重によってブラシローラに対して加圧されるようバネ支持部材と潤滑剤との間を加圧バネの自由長長さより長くなるようにバネ支持部材を配置することで、ブラシローラが掻き取る潤滑剤の量を大幅に少なくして経時の過剰供給を効果的に防止するものである。
以上、本発明によれば、潜像担持体のクリーニング不良およびフィルミングを防止するために潤滑剤を潜像担持体上に塗布する潤滑剤塗布手段を備えた画像形成装置において、経時の潤滑剤の過剰供給による帯電部材の汚れを低減することができるという優れた効果がある。
以下、本発明を、画像形成装置に適用した一実施形態について説明する。まず、本実施形態に係る画像形成装置の構成及び動作について説明する。この画像形成装置は、複数の画像形成ユニットを中間転写ベルトに対向するように配置し、各画像形成ユニットの潜像担持体上に各色のトナー像を形成し、それらのトナー像を中間転写ベルト上に転写して重ね合わせトナー像を形成する。そして、中間転写ベルト上の重ね合わせトナー像を転写紙に2次転写することで、カラー画像を形成するいわゆるタンデム型の画像形成装置である。このタンデム型の画像形成装置では、回転可能な無端ベルト状の中間転写ベルトに対向するよう、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4つの画像形成ユニットが横に並べて配置されている。この画像形成ユニットのほか、各画像形成ユニットの潜像担持体に静電潜像を形成する露光装置、中間転写ベルトから記録紙に重ね合わせトナー像を2次転写する2次転写装置、2次転写領域に記録紙を給紙搬送する給紙搬送装置、記録紙上のトナー像を定着する定着装置等を備えている。これらの構成動作は一般的なものであるので、その説明を省略する。
各画像形成ユニットは、後述する感光体ユニットと、これに対応する各色現像装置とから形成される。なお、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4つの各色現像装置は、収容するトナーの色が異なるのみで、その構成及び動作は同じである。また、各感光体ユニットはクリーニング装置にて回収されるトナーの色が異なるのみで、その構成及び動作は同じである。
次に、感光体ユニットについて説明する。図1は、感光体ユニット2の概略構成図である。感光体ユニット2は、潜像担持体としての感光体5と、感光体5表面を帯電する帯電ローラ4aを備えた帯電装置4と、感光体5表面をクリーニングするクリーニングブレード15aを備えたクリーニング装置15と、潤滑剤を感光体5表面に塗布するブラシローラ17aを備えた潤滑剤塗布手段17とから主に構成されている。帯電ローラ4aは、感光体5表面に接触または近接配置される、導電性又は半導電性のローラ状部材である。この帯電ローラ4aに直流電圧に交流電圧を重畳したバイアスを印加して感光体5表面に電荷を付与して感光体5を帯電させる。また、クリーニング装置15では、弾性材料からなるクリーニングブレード15aを感光体5表面に押し当て、感光体1表面の残留トナーせき止めて掻き落とし除去する。
次に、本実施形態の画像形成装置の特徴部である潤滑剤塗布手段17について詳しく説明する。潤滑剤塗布手段17は、潤滑剤を固形化した潤滑剤成型体17bと、潤滑剤成型体17bに接触して潤滑剤を掻き取り、感光体5表面に供給するブラシローラ17aと、ブラシローラ17aに付着したトナーを除去するブラシローラスクレーパ17cと、潤滑剤成型体17bをブラシローラ17aに押圧するための加圧バネ17dと、加圧バネ17dを支持するバネ支持部材17eとにより主に構成されている。ブラシローラ17aは感光体5の軸方向に延びる形状を有している。潤滑剤成型体17bは直方体の棒状に形成されている。加圧バネ17dは、潤滑剤成型体17bを押圧する側を自由端とし、他端をバネ支持部材17eに支持されており、潤滑剤成型体17bが軸方向に均一に掻き取られるように、潤滑剤成型体17bをブラシローラ17aに軸方向に均一に付勢している。また、このブラシローラ17aは、潤滑剤塗布部材と感光体5表面上に残留するトナー回収手段の機能とを兼ねている。
感光体ユニット2の感光体5が新しい時は、感光体5には全く潤滑剤が塗布されていないので、表面の摩擦係数が高い。そこで、初期に充分な量の潤滑剤を感光体5表面に塗布し、感光体5の摩擦係数を下げ、クリーニング不良やフィルミングを防止する必要がある。また、経時では、感光体5への潤滑剤塗布を必要最低限の量に規制することが望ましい。そこで、図2(a)に示すように、初期には、バネ支持部材17eと潤滑剤成型体17bとの間が加圧バネ17dの自由長長さより短くなるようにバネ支持部材17eを配置する。これにより、潤滑剤成型体17bは圧縮状態の加圧バネ17dによりブラシローラ17a側に押圧され、ブラシローラ17aに深く食い込む。このため、ブラシローラ17aが掻き取る潤滑剤の量を多くすることができ、初期の感光体でも摩擦係数を低下させるのに充分な量の潤滑剤を感光体5表面に塗布することができる。
また、一度、感光体5表面に潤滑剤の薄膜が形成されて摩擦係数が低下して飽和状態になると、クリーニング不良やフィルミングは発生しにくくなる。そこで、図2(b)に示すよう、経時で潤滑剤が消費されて嵩が減少した際、バネ支持部材17eと潤滑剤成型体17bとの間が加圧バネ17dの自由長長さより長くなるようにすることにより、加圧バネ17dの自由端は潤滑剤成型体17bに接触しない状態となる。これにより、潤滑剤成型体17bをブラシローラ17aに押圧されない状態となり、潤滑剤成型体17bはブラシローラ17aに深く食い込まないで接触するようになる。よって、ブラシローラ17aが掻き取る潤滑剤の量を大幅に減少させることができ、潤滑剤の過剰供給を防止できる。
このようにして、初期、および、経時に渡り感光体5表面にクリーニング不良、フィルミング防止のために必要量の潤滑剤を塗布し続け、かつ、経時における潤滑剤の過剰供給を防止することができる。
また、上述のように、ブラシローラ17aは潤滑剤塗布部材とトナー回収手段とを兼ねているので、ブラシローラ17aにトナーが付着していると固形潤滑剤17bからの感光体5への塗布効率が低下してしまうことがある。このため、トナーが付着した部分と付着していない部分では、感光体5表面に潤滑剤塗布にムラが発生してしまう。感光体5表面で摩擦係数にムラが存在すると感光体5表面のトナー像から転写紙に対する転写率が異なり、均一な濃度の画像が得られない。しかし、このような不具合も、一度、感光体5表面に潤滑剤の薄膜が形成されると、ブラシローラ17aにトナーが付着していても摩擦係数を維持できるだけ潤滑剤を上記潤滑剤塗布手段17で感光体5に供給できることが実験的にわかった。
また、感光体5表面の潤滑剤の薄膜はクリーニングブレード15aで掻き取られるため、潤滑剤の塗布量が極端に少ない状態が続くと、感光体5表面の潤滑剤がクリーニング不良およびフィルミング防止のために必要な摩擦係数を維持する量より不足してしまう虞もある。よって、経時で加圧バネ17dによる押圧付勢力が無くなった状態で、潤滑剤成型体17bの自重によるブラシローラ17aへの加圧を実施することで、必要最低限に近い量の潤滑剤の塗布を継続的に行うようにする。具体的には、図3で示すように、画像形成装置の設置面と水平でブラシローラ17aの中心を通るX軸より上方の領域(図中斜線の領域)に潤滑剤成型体17bを配置する。これにより、経時で、加圧バネ17dによる押圧付勢力が無くなった状態では、潤滑剤成型体17bの自重によるブラシローラ17aへの加圧となり、供給量が減少した状態の継続的な潤滑剤塗布を行うことができる。よって、クリーニング不良およびフィルミング発生防止と帯電ローラ汚れ防止とを両立させる潤滑剤塗布量を経時でも確実に継続して塗布することが可能となる。
潤滑剤成型体17bの潤滑剤としては、例えば、オレイン酸鉛、オレイン酸亜鉛、オレイン酸銅、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸鉄、ステアリン酸銅、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸銅、リノレン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩類や、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフルオロクロルエチレン、ジクロロジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−オキサフルオロポロピレン共重合体等のフッ素系樹脂が挙げられる。特に、感光体5の摩擦係数を低減する効果の大きいステアリン酸金属塩、さらにはステアリン酸亜鉛が一層好ましい。
この潤滑剤を感光体5表面に供給することで、感光体5表面に潤滑剤の膜を形成し、摩擦係数を0.4以下にする。感光体5の摩擦係数は、0.4以下、さらに、0.2以下にすることが好ましい。摩擦係数が0.4以下にすることで、感光体5とトナーの相互作用を減少させ、感光体5表面のトナーを離れやすくすることで転写率を高めることができる。また、クリーニングブレード15aと感光体5との摩擦が大きくなるのを抑え、クリーニング効率を高めることができる。特に、円形度が高いトナーでは、トナーが感光体5表面で転がりやすくなるためにクリーニング不良の発生を抑えることができる。また、転写率を上げてクリーニングされるトナー量を低減させることで長期間の使用によるクリーニング不良の発生を抑えることができる。一方、摩擦係数が0.1未満になると、クリーニングブレード15aとの間で滑りすぎて感光体5表面のトナーのクリーニングブレード15aをすり抜けるクリーニング不良が発生する。
ここで、感光体5の摩擦係数は以下のように、オイラーベルト方式にて測定した。図4は、感光体の摩擦係数の測定方法を説明するための図である。この場合、ベルトとして中厚の上質紙を紙すきが長手方向になるようにして感光体のドラム円周1/4に張架し、ベルトの一方に例えば0.98N(100gr)の荷重を掛け、他方にフォースゲージを設置してフォースゲージを引っ張り、ベルトが移動した時点での荷重を読み取って、摩擦係数μs=2/π×1n(F/0.98)(但し、μ:静止摩擦係数、F:測定値)に代入して算出する。なお、この画像形成装置200における感光体5の摩擦係数は、画像形成によって定常状態になったときの値をいう。これは、感光体5の摩擦係数は、画像形成装置200に配設される他の装置の影響を受けるために、画像形成直後の摩擦係数の値から変化する。しかし、A4版記録紙で1,000枚程度の画像形成により摩擦係数の値はほぼ一定の値となる。したがって、ここにいう摩擦係数とは、この定常状態における一定になったときの摩擦係数をいう。
また、図1の感光体ユニット2では、潤滑剤塗布手段17の潤滑剤成型体17bとして、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩を融解固化させて棒状に加工したもの、または、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂を棒状あるいはシート状に成型したものを用いた。このような潤滑剤成型体17bを保持部材に固定し、ブラシローラ17aに当接させた。
なお、初期の潤滑剤塗布量は、加圧バネ17dの条件や、バネ支持部材17eの配置等を調整することで、適宜調整することが可能である。図1の感光体ユニット2では、潤滑剤成型体17bを、自重を含め加圧スプリングで200mN以上の圧力ではブラシローラ17aに押圧した。圧力が大きくなるにしたがって、ブラシローラ17aが潤滑剤成型体17bから掻き取る潤滑剤が多くなり、感光体5表面に塗布される潤滑剤の量が多くなって感光体5の摩擦係数を低下させることができる。
また、ブラシローラ17aは、感光体5表面と接触する部分では同方向に回転させる。この方向に回転させることでブラシローラ17aに付着している潤滑剤を、感光体5に衝撃を与えることなく供給することができる。このブラシローラ17aで感光体5表面に供給する際に潤滑剤の膜を形成する必要はなく、感光体5表面に供給された潤滑剤はクリーニングブレード15aの押圧力で潤滑剤の膜を形成する。したがって、ここでは、衝撃を与えることなく供給するために同方向で回転させることが好ましい。
さらに、ブラシローラ17aと感光体5との周速比(感光体周速/ブラシローラの周速)は、0.8〜1.2の範囲にあることが好ましい。周速比が0.8未満では潤滑剤の供給量が少なくなり、1.2を越えると衝撃で感光体5に傷をつけることがあり、感光体5の寿命を短くすることがある。さらに、小さな衝撃でブラシローラ17aから感光体5に潤滑剤を供給するために、1.0〜1.1の範囲にあることが、さらに、好ましい。
次に、本実施形態の画像形成装置に用いられるトナーについて説明する。図5は、トナーの構成を示す概略図である。トナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤によって構成され、流動性を付与する外添剤がトナー表面に外添されるが、その他に、トナーの帯電性を制御する荷電制御剤、定着装置に対する離型性を向上させる離型剤等を含有してもよい。
結着樹脂としては、エステル樹脂、ビニル系樹脂、アミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等からなり、特にビニル系樹脂が好ましく、具体的にはポリスチレン、ポリP-クロルスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単独重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−メタアクリル酸メチル−アクリル酸ブチル共重合体等を用いることができる。
着色剤としては、染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15%、好ましくは3〜10%である。
荷電制御剤としては、例えば、サリチル酸化合物、ニグロシン系染料、4級アンモニウム塩化合物、アルキルピリジニウム化合物等を用いることができる。含有量はトナーに対して通常0.1〜5%、好ましくは1〜3%である。
離型剤としては、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン−ポリプロピレン共重合体等のポリオレフィンワックス、脂肪酸低級アルコールエステル、脂肪酸高級アルコールエステル、脂肪酸多価アルコールエステル等のエステル系ワックス、アミド系ワックス等を用いることができる。含有量はトナーに対して通常0.5〜10%、好ましくは1〜5%である。
また、トナーの形状は、円形度が0.92以上あることが好ましい。円形度SR=(粒子投影面積と同じ面積の円の周囲長/粒子投影像の周囲長)×100%で定義され、トナーが真球に近いほど100%に近い値となる。従来の画像形成装置において、このようなトナーを使用するとクリーニングブレード15aの当接で十分掻き取れない場合が発生する。これはトナーが感光体5表面で転がりやすくなることに起因する。この場合、対策としてはクリーニングブレード15aでより強い力で感光体5に当接させる事が考えられるが、感光体5の回転もしくは移動精度に影響を与え、バンディングの原因となる。これに対し、潤滑剤塗布手段17により感光体5表面に潤滑剤を塗布し、感光体5表面の摩擦係数を低減させることで、転写時における転写率を高めて残留するトナー低減してクリーニングブレード15aによるクリーニングの負担を減らし、かつ、クリーニングブレード15aを強い力で当接してもバンディングせずにクリーニングすることが可能となる。
この円形度は、乾式粉砕で製造されるトナーでは、熱的又は機械的に球形化処理する。熱的には、例えば、アトマイザーなどに熱気流とともにトナー母体粒子を噴霧することで球形化処理を行うことができる。また、機械的にはボールミル等の混合機に比重の軽いガラス等の混合媒体とともに投入して攪拌することで、球形化処理することができる。ただし、熱的球形化処理では凝集し粒径の大きいトナー母体粒子又は機械的球形化処理では微粉が発生するために再度の分級工程が必要になる。また、水系溶媒中で製造されるトナーでは、溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、形状を制御することができる。
さらに、トナーには、流動性付与剤を添加してもよい。流動性付与剤としては、シリカ、チタニア、アルミナ、マグネシア、ジルコニア、フェライト、マグネタイト等の金属酸化物の微粒子及びそれら微粒子をシランカップリング剤、チタネートカップリング剤、ジルコアルミネートで処理した金属酸化物微粒子である。カップリング剤で疎水化処理されたシリカ、チタニアが好ましい。シリカの1次粒子径が小さいことで、流動性を付与する効果が大きい。また、チタニアはトナー帯電量を制御することができる。これらを組み合わせて添加することがさらに好ましい。
また、トナーの体積平均粒径Dvは、小さい方が細線再現性を向上させることができるために、大きくとも8μm以下のトナーを用いる。しかし、粒径が小さくなると現像性、クリーニング性が低下するために、小さくとも3μm以上が好ましい。さらに、3μm未満では、キャリア又は現像ローラの表面に現像されにくい微小粒径のトナーが多くなるために、その他のトナーにおけるキャリアまたは現像ローラとの接触・摩擦が不十分となり逆帯電性トナーが多くなり地かぶり等の異常画像を形成するため好ましくない。
また、体積平均粒径Dvと数平均粒径Dnとの比(Dv/Dn)で表される粒径分布は、1.05〜1.40の範囲であることが好ましい。粒径分布をシャープにすることで、トナー帯電量分布が均一にすることができる。Dv/Dnが1.40を越えると、トナーの帯電量分布も広く、逆帯電トナーT1が多くなるために高品位な画像を得るのが困難になる。Dv/Dnが1.05未満では、製造が困難であり、実用的ではない。トナーの粒径は、コールターカウンターマルチサイザー(コールター社製)を用いて、測定するトナーの粒径に対応させて測定用穴の大きさが50μmのアパーチャーを選択して用い、50,000個の粒子の粒径の平均を測定することで得られる。
また、トナーは、円形度のうち形状係数SF−1が100以上180以下の範囲にあり、形状係数SF−2が100以上180以下の範囲にあることが好ましい。図6は、トナーの形状を模式的に表した図であり、図6(a)は形状係数SF−1、図6(b)は形状係数SF−2を説明するための図である。形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、下記式(1)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4)……式(1)
SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
また、形状係数SF−2は、トナーの形状の凹凸の割合を示すものであり、下記式(2)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−2={(PERI)2/AREA}×(100π/4)……式(2)
SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。 形状係数の測定は、具体的には、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入して解析して計算した。
トナーの形状が球形に近くなると、トナーとトナー又は感光体5との接触が点接触になるために、トナー同士の吸着力が弱くなり、その結果流動性が高くなり、また、トナーと感光体5との吸着力が弱くなって、転写率が高くなり、また、逆帯電トナーT1を一時保持装置40で回収しやすくなる。
トナーの形状係数SF−1とSF−2は100以上がよい。また、SF−1とSF−2が大きくなると逆帯電トナーT1が多くなり、また、トナーの帯電量分布が広くなり、一時保持装置40に対する負荷が大きくなる。このために、SF−1は180を越えない方が好ましく、SF−2は180を越えない方が好ましい。
さらに、この画像形成装置に用いるトナーは、略球形であってもよい。
図7は、トナーの外形形状を示す概略図であり、図7(a)はトナーの外観であり、図7(b)はトナーの断面図である。図7(a)では、X軸がトナーの最も長い軸の長軸r1を、Y軸が次に長い軸の短軸r2を、Z軸に最も短い軸の厚さr3を表し、長軸r1≧短軸r2≧厚さr3の関係を有している。 このトナーは、長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5〜1.0で、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7〜1.0で表される略球形の形状を有している。長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5未満では、不定形状に近づくために帯電量分布が広くなる。 厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7未満では、不定形状に近づくために帯電量分布が広くなる。特に、厚さと短軸との比(r3/r2)が1.0では、略球形の形状になるために、帯電量分布が狭くなる。 なお、これまでのトナーの大きさは、走査型電子顕微鏡(SEM)で、視野の角度を変え、その場観察しながら測定した。 トナーの形状は、製造方法により制御することができる。例えば、乾式粉砕法によるトナーは、トナー表面も凸凹で、トナー形状が一定しない不定形になっている。この乾式粉砕法トナーであっても、機械的又は熱的処理を加えることで真球に近いトナーにすることができる。懸濁重合法、乳化重合法により液滴を形成してトナーを製造する方法によるトナーは、表面が滑らかで、真球形に近い形状になることが多い。また、溶媒中の反応途中で攪拌して剪断力を加えることで楕円にすることができる。
また、本実施形態の画像形成装置に好適に用いられるトナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系溶媒中で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーである。以下に、トナーの構成材料及び製造方法について説明する。
(ポリエステル)
ポリエステルは、多価アルコール化合物と多価カルボン酸化合物との重縮合反応によって得られる。
多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)および3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。2価アルコール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
多価カルボン酸(PC)としては、2価カルボン酸(DIC)および3価以上の多価カルボン酸(TC)が挙げられ、(DIC)単独、および(DIC)と少量の(TC)との混合物が好ましい。2価カルボン酸(DIC)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上の多価カルボン酸(TC)としては、炭素数9〜20の芳香族多価カルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、多価カルボン酸(PC)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いて多価アルコール(PO)と反応させてもよい。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の重縮合反応は、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。ポリエステルの水酸基価は5以上であることが好ましく、ポリエステルの酸価は通常1〜30、好ましくは5〜20である。酸価を持たせることで負帯電性となりやすく、さらには記録紙への定着時、記録紙とトナーの親和性がよく低温定着性が向上する。しかし、酸価が30を超えると帯電の安定性、特に環境変動に対し悪化傾向がある。
また、重量平均分子量1万〜40万、好ましくは2万〜20万である。重量平均分子量が1万未満では、耐オフセット性が悪化するため好ましくない。また、40万を超えると低温定着性が悪化するため好ましくない。
ポリエステルには、上記の重縮合反応で得られる未変性ポリエステルの他に、ウレア変性のポリエステルが好ましく含有される。ウレア変性のポリエステルは、上記の重縮合反応で得られるポリエステルの末端のカルボキシル基や水酸基等と多価イソシアネート化合物(PIC)とを反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得、これとアミン類との反応により分子鎖が架橋及び/又は伸長されて得られるものである。
多価イソシアネート化合物(PIC)としては、脂肪族多価イソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアネート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、ウレア変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の多価イソシアネート化合物(PIC)構成成分の含有量は、通常0.5〜40wt%、好ましくは1〜30wt%、さらに好ましくは2〜20wt%である。0.5wt%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40wt%を超えると低温定着性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
次に、ポリエステルプレポリマー(A)と反応させるアミン類(B)としては、2価アミン化合物(B1)、3価以上の多価アミン化合物(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。 また、ウレア変性ポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
ウレア変性ポリエステルは、ワンショット法、などにより製造される。多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次いで40〜140℃にて、これに多価イソシアネート(PIC)を反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得る。さらにこの(A)にアミン類(B)を0〜140℃にて反応させ、ウレア変性ポリエステルを得る。
(PIC)を反応させる際、及び(A)と(B)を反応させる際には、必要により溶剤を用いることもできる。使用可能な溶剤としては、芳香族溶剤(トルエン、キシレンなど);ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど);エステル類(酢酸エチルなど);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)およびエーテル類(テトラヒドロフランなど)などのイソシアネート(PIC)に対して不活性なものが挙げられる。 また、ポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との架橋及び/又は伸長反応には、必要により反応停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
ウレア変性ポリエステルの重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。1万未満では耐ホットオフセット性が悪化する。ウレア変性ポリエステル等の数平均分子量は、先の未変性ポリエステルを用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。ウレア変性ポリエステルを単独で使用する場合は、その数平均分子量は、通常2000〜15000、好ましくは2000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。20000を超えると低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを併用することで、低温定着性およびフルカラー画像形成装置100に用いた場合の光沢性が向上するので、ウレア変性ポリエステルを単独で使用するよりも好ましい。尚、未変性ポリエステルはウレア結合以外の化学結合で変性されたポリエステルを含んでも良い。 未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは、少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは類似の組成であることが好ましい。
また、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとの重量比は、通常20/80〜95/5、好ましくは70/30〜95/5、さらに好ましくは75/25〜95/5、特に好ましくは80/20〜93/7である。ウレア変性ポリエステルの重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを含むバインダー樹脂のガラス転移点(Tg)は、通常45〜65℃、好ましくは45〜60℃である。45℃未満ではトナーの耐熱性が悪化し、65℃を超えると低温定着性が不十分となる。
また、ウレア変性ポリエステルは、得られるトナー母体粒子の表面に存在しやすいため、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
(着色剤)
着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造、またはマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体、あるいはこれらとビニル化合物との共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
(荷電制御剤)
荷電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。 荷電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、荷電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
(離型剤)
離型剤としては、融点が50〜120℃の低融点のワックスが、バインダー樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温オフセットに対し効果を示す。このようなワックス成分としては、以下のものが挙げられる。ロウ類及びワックス類としては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、及びおよびパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。また、これら天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド及び、低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等も用いることができる。
荷電制御剤、離型剤はマスターバッチ、バインダー樹脂とともに溶融混練することもできるし、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えても良い。
(外添剤)
トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤として、無機微粒子が好ましく用いられる。この無機微粒子の一次粒子径は、5×10−3〜2μmであることが好ましく、特に5×10−3〜0.5μmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5wt%であることが好ましく、特に0.01〜2.0wt%であることが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。中でも、流動性付与剤としては、疎水性シリカ微粒子と疎水性酸化チタン微粒子を併用するのが好ましい。特に両微粒子の平均粒径が5×10−2μm以下のものを使用して攪拌混合を行った場合、トナーとの静電力、ファンデルワールス力は格段に向上することより、所望の帯電レベルを得るために行われる現像装置内部の攪拌混合によっても、トナーから流動性付与剤が脱離することなく、ホタルなどが発生しない良好な画像品質が得られて、さらに転写残トナーの低減が図られる。
酸化チタン微粒子は、環境安定性、画像濃度安定性に優れている反面、帯電立ち上がり特性の悪化傾向にあることより、酸化チタン微粒子添加量がシリカ微粒子添加量よりも多くなると、この副作用の影響が大きくなることが考えられる。しかし、疎水性シリカ微粒子及び疎水性酸化チタン微粒子の添加量が0.3〜1.5wt%の範囲では、帯電立ち上がり特性が大きく損なわれず、所望の帯電立ち上がり特性が得られ、すなわち、コピーの繰り返しを行っても、安定した画像品質が得られる。
次に、トナーの製造方法について説明する。ここでは、好ましい製造方法について示すが、これに限られるものではない。
(トナーの製造方法)
1)着色剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、離型剤を有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。 有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100重量部に対し、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。
2)トナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させる。 水系媒体は、水単独でも良いし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。 トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。
また、水系媒体中の分散を良好にするために、界面活性剤、樹脂微粒子等の分散剤を適宜加える。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を右する脂肪族1級、2級もしくは2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
樹脂微粒子は、水系媒体中で形成されるトナー母体粒子を安定化させるために加えられる。このために、トナー母体粒子の表面上に存在する被覆率が10〜90%の範囲になるように加えられることが好ましい。例えば、ポリメタクリル酸メチル微粒子1μm、及び3μm、ポリスチレン微粒子0.5μm及び2μm、ポリ(スチレン―アクリロニトリル)微粒子1μm、商品名では、PB−200H(花王社製)、SGP(総研社製)、テクノポリマーSB(積水化成品工業社製)、SGP−3G(総研社製)、ミクロパール(積水ファインケミカル社製)等がある。
また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
上記の樹脂微粒子、無機化合物分散剤と併用して使用可能な分散剤として、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの含窒素化合物、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。この中でも、分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。
3)乳化液の作製と同時に、アミン類(B)を添加し、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)との反応を行わせる。この反応は、分子鎖の架橋及び/又は伸長を伴う。反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
4)反応終了後、乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥してトナー母体粒子を得る。 有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
5)上記で得られたトナー母体粒子に、荷電制御剤を打ち込み、ついで、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子等の無機微粒子を外添させ、トナーを得る。荷電制御剤の打ち込み、及び無機微粒子の外添は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。
これにより、小粒径であって、粒径分布のシャープなトナーを容易に得ることができる。さらに、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、真球状からラクビーボール状の間の形状を制御することができ、さらに、表面のモフォロジーも滑らかなものから梅干形状の間で制御することができる。
また、上述のトナーに潤滑剤を含有し、潤滑剤塗布手段17とトナーとの双方から感光体5表面に潤滑剤を供給するようにすることもできる。本実施形態の画像形成装置では、上述のように、感光体5表面への潤滑剤供給量は、初期では多く、経時では少ない状態で継続的に行うようにしている。潤滑剤塗布手段17からの塗布及びトナーからの供給の双方を行うことで、さらに細かな潤滑剤供給量の調整も可能であり、効果的にクリーニング不良、フィルミング防止することもできる。
また、本実施形態では、上述のように感光体5と、帯電装置4と、クリーニング装置15と、潤滑剤塗布手段17とを一体的に成型した感光体ユニット2を、画像形成装置本体に脱着可能なプロセスカートリッジとして用いている。このように、上述の潤滑剤塗布手段17を設けた感光体ユニット2を用いることで、感光体5の寿命を延ばすことができる。また、プロセスカートリッジの形態をとるので、メンテナンスが必要になったりしたときには、そのプロセスカートリッジを交換すればよく、メンテナンス性が向上する。
以上、本実施形態の画像形成装置によれば、初期には、バネ支持部材17eと潤滑剤成型体17bとの間が加圧バネ17dの自由長長さより短くなるようにバネ支持部材17eを配置する。これにより、潤滑剤成型体17bは圧縮状態の加圧バネ17dによりブラシローラ17a側に押圧され深く食い込む。そこで、ブラシローラ17aが掻き取る潤滑剤の量を多くすることができ、初期の感光体でも摩擦係数を低下させるのに充分な量の潤滑剤を感光体5表面に塗布することができる。また、経時で潤滑剤が消費されて嵩が減少した際、バネ支持部材17eと潤滑剤成型体17bとの間が加圧バネ17dの自由長長さより長くなるようにすることにより、加圧バネ17dの自由端は潤滑剤成型体17bに接触しない状態となる。これにより、潤滑剤成型体17bをブラシローラ17aに押圧されない状態となり、潤滑剤成型体17bはブラシローラ17aに深く食い込まないで接触するようになる。よって、ブラシローラ17aが掻き取る潤滑剤の量を大幅に減少させることができ、潤滑剤の過剰供給を防止できる。初期、および、経時に渡り感光体5表面にクリーニング不良、フィルミング防止のために必要量の潤滑剤を塗布し続け、かつ、経時における潤滑剤の過剰供給を防止することができる。
また、潤滑剤成型体17bを、画像形成装置の設置面と水平でブラシローラ17aの中心を通る面より上方に配置する。これにより、潤滑剤成型体17bの自重によるブラシローラ17aへの加圧となり、供給量が減少した状態の継続的な潤滑剤塗布を行うことができる。
また、潤滑剤成型体17bは、脂肪酸金属塩またはフッ素微粒子を成型したものとすることにより、感光体5の摩擦係数を低減する効果を大きくすることができる。
また、潤滑剤成型体17bは棒状であり、初期において、加圧バネ17dが棒状の潤滑剤成型体17bを総加圧量200mN以上の力でブラシローラ17aに押圧するようする。これにより、初期においても感光体5の摩擦係数を低減でき、クリーニング不良、フィルミング防止することができる。
また、感光体5に対するブラシローラ17aの周速の比を0.8〜1.2の範囲とする。周速比が0.8未満では潤滑剤の供給量が少なくなり、1.2を越えると衝撃で感光体5に傷をつけることがあり、感光体5の寿命を短くすることがある。周速の比を0.8〜1.2の範囲とすることで、小さな衝撃でブラシローラ17aから感光体5に潤滑剤を供給することができる。
また、現像装置で用いられるトナーは、体積平均粒径が3〜8μmで、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にあるものとする。これにより、地肌かぶりの少ない高繊細な高品位な画像を得ることができる。
また、現像装置で用いられるトナーは、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にあるものとする。SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。また、形状係数SF−2は、SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。トナーの形状が球形に近くなると、トナーとトナーあるいはトナーと感光体との接触状態が点接触になるために、トナー同士の吸着力は弱くなり従って流動性が高くなり、また、トナーと感光体との吸着力も弱くなって、転写率は高くなる。形状係数SF−1、SF−2のいずれかが180を超えると、転写率が低下するため好ましくない。
また、上記トナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステルと、着色剤、離型剤を有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーであることを特徴とする。これにより、高品位な画像を得ることができる。
また、トナーは略球形状とすることで、高品位な画像を得ることができる。
また、トナーはその形状が長軸r1、短軸r2、厚さr3で規定され(但し、r1≧r2≧r3とする)、長軸r1と短軸r2との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲にあり、厚さr3と短軸r2との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲にあるものとする。これにより、高品位な画像を得ることができる。
また、感光体5と、感光体5に接触又は近接させた帯電ローラ4と、クリーニングブレード15aと、潤滑剤塗布手段17とが一体に支持され、画像形成装置本体に着脱可能なるプロセスカートリッジとする。これにより、メンテナンス性が向上する。
本実施形態の画像形成装置に採用される感光体ユニットの概略構成図。 潤滑剤成型体と加圧バネの状態を示す図であり、図2(a)は初期、図2(b)は経時の概念図。 潤滑剤成型体を配置する位置の説明図。 感光体の摩擦係数の測定方法の説明図。 トナーの構成を示す概略図。 トナーの形状を模式的に表した図であり、図6(a)は形状係数SF−1、図6(b)は形状係数SF−2の説明図。 トナーの外形形状を示す概略図であり、図7(a)はトナーの外観図であり、図7(b)はトナーの断面図。
符号の説明
2 感光体ユニット
5 感光体
14 帯電装置
14a 帯電ローラ
14b 帯電ローラクリーニングブラシ
15 クリーニング手段
15a クリーニングブレード
15b ブレード加圧スプリング
15c ブレード回動支点
15d 廃トナー回収コイル
17 潤滑剤塗布手段
17a ブラシローラ
17b 潤滑剤成型体
17c ブラシローラスクレーパー
17d 加圧バネ
17e バネ支持部材

Claims (11)

  1. 潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体表面に接触又は近接させた帯電部材により該潜像担持体を帯電する帯電装置と、該潜像担持体に潜像を形成する潜像形成装置と、該潜像担持体の潜像にトナーを付着させて現像する現像装置と、該潜像担持体表面に残留するトナーをクリーニングブレードによりクリーニングするクリーニング装置と、該潜像担持体表面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段とを備え、上記潤滑剤塗布手段が、潤滑剤と、回転駆動しながら該潤滑剤と該潜像担持体表面とに接触するブラシローラと、該潤滑剤を該ブラシローラ側に押圧するための加圧バネと、該加圧バネを支持するバネ支持部材とを有し、該ブラシローラで該潤滑剤を掻き取り該潜像担持体表面に塗布する画像形成装置において、
    上記加圧バネは上記潤滑剤側の一端自由端であり、その自由端とは反対側の他端上記バネ支持部材により支持されるものであり、初期では該バネ支持部材と該潤滑剤との間が該加圧バネの自由長長さより短く、かつ、経時で該潤滑剤の嵩が消費により減少した際には該加圧バネの自由端が該潤滑剤から離間し該潤滑剤が他の部材からの加圧を受けずに該潤滑剤の自重によって該ブラシローラに対して加圧されるよう該バネ支持部材と該潤滑剤との間が該加圧バネの自由長長さより長くなるように、該バネ支持部材を配置したことを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1の画像形成装置において、上記潤滑剤を、画像形成装置の設置面と水平で上記ブラシローラの中心を通る面よりも上方に配置したことを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1または2の画像形成装置において、上記潤滑剤は、脂肪酸金属塩またはフッ素微粒子を成型したものであることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1、2または3の画像形成装置において、上記潤滑剤は棒状であり、初期において、該加圧バネが該棒状の潤滑剤を総加圧量200mN以上の力で上記ブラシローラに押圧するよう構成したことを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1、2、3または4の画像形成装置において、上記潜像担持体に対する上記ブラシローラの周速の比が、0.8〜1.2の範囲にあることを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1、2、3、4または5の画像形成装置において、上記現像装置で用いられるトナーは、体積平均粒径が3〜8μmで、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にあることを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1、2、3、4または5の画像形成装置において、上記現像装置で用いられるトナーは、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にあることを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項1、2、3、4または5の画像形成装置において、上記現像装置で用いられるトナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーであることを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項1、2、3、4または5の画像形成装置において、上記現像装置で用いられるトナーは、略球形状であることを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項1、2、3、4または5の画像形成装置において、上記現像装置で用いられるトナーは、形状が長軸r1、短軸r2、厚さr3で規定され(但し、r1≧r2≧r3とする。)、長軸r1と短軸r2との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲にあり、厚さr3と短軸r2との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲にあることを特徴とする画像形成装置。
  11. 潜像を形成する潜像担持体と、該潜像担持体表面に接触又は近接させた帯電部材により該潜像担持体を帯電する帯電装置と、該潜像担持体表面に残留するトナーをクリーニングブレードによりクリーニングするクリーニング装置と、該潜像担持体に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段とが一体に支持され、画像形成装置本体に着脱可能であるプロセスカートリッジにおいて、
    上記潤滑剤塗布手段が、潤滑剤と、回転駆動しながら該潤滑剤と該潜像担持体表面とに接触するブラシローラと、該潤滑剤を該ブラシローラ側に押圧する加圧バネと、該加圧バネを支持するバネ支持部材とを有し、該ブラシローラで該潤滑剤を掻き取り該潜像担持体表面に塗布するものであり、
    上記加圧バネは、上記潤滑剤側の一端自由端であり、その自由端とは反対側の他端が上記バネ支持部材により支持されるものであり、初期では該バネ支持部材と該潤滑剤との間が該加圧バネの自由長長さより短く、かつ、経時で該潤滑剤の嵩が消費により減少した際には該加圧バネの自由端が該潤滑剤から離間し該潤滑剤が他の部材からの加圧を受けずに該潤滑剤の自重によって該ブラシローラに対して加圧されるよう該バネ支持部材と該潤滑剤との間が該加圧バネの自由長長さより長くなるように、該バネ支持部材を配置したことを特徴とするプロセスカートリッジ。
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